初めてのグループディスカッションは全体構成とポジション選びを意識して準備しよう
「初めてのグループディスカッションは何から取り組めば良い?」
「グループディスカッションが初めてでも自信を持って臨めるようになりたい」
就活では、個人面接だけでなく、グループディスカッションを通して学生の能力を判断する企業があります。集団で取り組む必要のあるグループディスカッションは、個人で参加する面接と比べて、対策方法が異なるのが特徴です。初めての経験ということもあり、何から取り組むべきか悩む人もいるのではないでしょうか。
グループディスカッションは、全体構成をよく理解したうえで、自分に合った役割を選ぶことが選考通過のポイントです。この記事では、グループディスカッションの基本と当日までに準備しておくべき情報を、経験者の体験談を交えて解説します。
初めてのグループワークで、どんな流れなのか不安になりますよね。次の記事では、グループワークの対処法や事前対策などを紹介しています! ぜひチェックして、グループワークに臨んでくださいね。
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初めての経験は土台作りが重要! まずはグループディスカッションの基本を知ろう
グループディスカッションとは、学生数人をグループ分けしてテーマに沿った議論をしてもらい、結論やそれまでの過程で能力や人柄を判断する選考方法です。
テーマや選考基準は企業によってさまざまですが、グループディスカッションの種類や役割はどの選考でも変わらないため、事前準備の第一歩として、まずはこの2つについて理解していきましょう。
選考、練習のグループディスカッションを含めて、課題解決型、選択型、自由討論型を経験しました。
ディベート型、課題解決型、選択型、自由討論型を経験しました。コンサルティング業界は課題解決型が多かったです。
課題解決型を経験しました。コンサルティング業界、メーカー、IT企業は課題解決型が多い印象がありました。
グループディスカッションの種類
グループディスカッションは大きく分けて4つの種類に分けられます。
<グループディスカッションの種類>
・ディベート型
・課題解決型
・選択型
・自由討論型
それぞれの特徴を把握しておくことで、本番でもある程度の流れをイメージして動くことができます。企業によっては、事前にどのグループディスカッションを実施するのか情報を得ることもできるので、初めの対策として種類とよくあるテーマ例を知っておきましょう。
特徴 | テーマ例 | |
ディベート型 | 選択肢が2つ与えられ、賛同する方にグループ内で分かれて討論する | ・無人販売は効率的か非効率か ・仕事を依頼するなら人柄と成績、どちらを重視すべきか ・在宅勤務制度は定着させるべきか |
課題解決型 | 一つの課題に対し、グループ全員で解決案を議論する | ・現在マイナスであるA企業の売上目標を達成する方法 ・新しく依頼されたクライアントのブランディングに効果的な施策 ・企業内の業務効率化のために導入するソフトをどう選ぶか |
選択型 | 複数の選択肢の中から結論を出すために討論をおこなう | ・結婚で優先すべきものは次のうちどれか(お金、親族関係、相手の職業、住む場所) ・この中で自分の権限で内定を1人だけ出せるとしたら誰を選ぶか |
自由討論型 | 「〇〇について話してください」と抽象的なテーマが与えられ、議論をおこなう | ・仕事のやりがい ・宝くじで1億円あたった時の使い道 ・定年退職後のキャリア |
ディベート型は、2つに意見が分かれた状態でどのように結論をまとめられるか、統率力や傾聴力を意識しながら進めなくてはいけません。出題されるテーマは一定の傾向があるため、事前に対策を立てやすいグループディスカッションです。
課題解決型は時事問題や直近のニュースから出題されるケースが多いため、普段から経済に対する興味関心を持っておかなくてはいけません。特に応募する企業の業界ニュースやトレンドは、議論に参加するためにもチェックが必須です。はじめに選択肢が設けられていることから選択型のグループディスカッションと混同しやすいですが、与えられる選択肢の数の違いで分類しましょう。
自由討論型は方向性が定まらないテーマを出されるため、内容がまとまらず結論が出せない状態にならないように注意が必要です。話を牽引できる力や、客観的な視点で意見できる人物が活躍できるでしょう。
グループディスカッションの役割
グループディスカッションでは、議論に入る前にグループ内で役割決めをおこないます。
求められる役目や適性を知らずに参加してしまうと、自分に合わない役割を受けてしまい後悔することも。自分の強みを適切に活かすためにも、それぞれの特徴をしっかりと理解しておきましょう。
名称 | 役割 | 求められる能力 |
リーダー | スムーズな進行をするために、議論をマネジメントする役割。参加者の意見をうまく聞き出し、結論に導く司令役となる。 | ・論理的思考力 ・冷静な判断力 ・傾聴力 ・質問力 |
タイムキーパー | 議論中の時間管理を担う役割。時間を見ておくだけでなく、フェーズごとにうまく時間配分をすることも求められる。 | ・物事を同時進行できる力 ・視野の広さ ・状況把握能力 |
書記 | 議論の内容を発表に向けてまとめる役割。簡潔にわかりやすく、伝わりやすい議事録を書くことが必要となる。 | ・インプットとアウトプットができる力 ・説明力 ・文章力 ・タイピングスキル |
監視役 | 議論の内容が逸れないように補助する役割。話を聞いて要不要を適切に判断することが求められる。 | ・状況把握力 ・俯瞰した視点 ・協調性・説明力 |
役割分担をするとき、中には「役割をもらった方が選考通過しやすいのでは」と考えてしまう人もいます。グループディスカッションでは、議論の参加姿勢や貢献度が評価されるので、役割についたからといって選考通過できるとは限りません。
役割を選ぶときは「目立ちそう」「評価が高そう」といった視点ではなく、「自分の強みを活かせるか」「グループに貢献できるか」で考えることが大切ですよ。役割を経験したことのある人の話も参考に、選ぶ基準を理解しておきましょう。
初めてのグループディスカッションではどう行動した?
初めてグループディスカッションに参加したときは、どのように進むかを見ておきたい気持ちがありました。幸いにも同じグループでグループディスカッションに慣れている人が役割を引き受けてくれたため、私は役割を担いませんでした。
個人的に、最初は無理に役割を担う必要はないと思います。慣れていないのに役割を担ってグループに迷惑をかけるよりかは、積極的に意見を出しグループディスカッションを俯瞰的に見ることに注力したほうが良いと思います。
始めてのグループディスカッションでは議論がどのように進むのかまったくわからなかったので、何も役割は買って出ませんでした。無理に役割を希望して議論を乱してしまうといけないと思ったからです。
慣れてきた後にはリーダー・タイムキーパー・書記すべて経験し、なかでも私はタイムキーパーをすることが多かったです。タイムキーパーは議論全体の時間を仕切れるので「そろそろこの話をしなきゃ」とグループを牽引した発言をしやすいと思います。
ファシリテーションをやるとボロが出やすいと思っていたため、あまり目立たないタイムキーパーをしていました。コンサルティング業界のグループディスカッションではリーダーに立候補する人が多いので、やりたいと思う人に任せる方が良いと思いあえて手は上げていませんでした。
また、普段からグループディスカッションなどをするときに「誰かのアイデアを発展させる」方が得意だと思っていました。そのため、タイムキーパーをしながらアイデアをたくさん出す方に集中しようと考えタイムキーパーを選びました。
初めての人は意図を理解しよう! グループディスカッションで企業が見るポイント
就活の選考では、応募者である学生の能力や人柄に加え、仕事内容や企業への適性を判断して採用を決定します。選考通過を目指すには、企業がグループディスカッションで採用を判断するポイントがどこかを知っておく必要があるでしょう。
ここからは、グループディスカッションで企業が学生を見るポイントについて解説します。
他者を尊重した議論ができるか
企業に就職すると、どんな仕事でも集団行動が必要とされる場面があります。選考では、グループディスカッションを通して仮の集団行動をしてもらうことにより、応募者の集団における協調性や気配り力を判断しています。
グループディスカッションでは、つい自分のアピール重視で議論中に相手の言葉をさえぎってしまったり、全否定するような姿勢を見せてしまったりすることもあるでしょう。他者への配慮ができない行動は、採用担当に入社後の不安を抱かせてしまうので、面接などの選考とは違う認識を持っておくことが大切です。
経験者は自己PRと気づかいのバランスをどのようにとったのでしょうか。初めての経験に困惑しないために、当日の立ち振る舞いを参考にしてみてくださいね。
初めてのグループディスカッションでマイナス評価にならないために必要なことが3つあります。1つ目は相手の話を遮らないということです。これは一見当たり前のように感じますが、議論が白熱してくると忘れてしまう場合があるため注意が必要です。
2つ目は、意見の否定はしないことです。もし、反対意見を言う場合は必ず相手の意見のよいところを述べたうえで、「だけど自分はこう思う」と伝えるようにしましょう。
議論の円滑な進行がアピールへとつながる
3つ目は、技術的な話になりますが、テーマを細分化して考え議論を進めていくことです。テーマを細分化して各論点について考えていくことで、本当に重要な点が何かわかるようになります。テーマから遠ざかる議論になることがなくなり、さらに効率的に進められるという点でアピールにもつながるためおすすめです。
グループディスカッションでは、無理に自分をアピールする必要はないと思います。ここぞとばかりに気合を入れて参加する人材よりも、日々の業務において周りと協力しながら問題に向き合える人材を欲している場合の方が多いと思うからです。
シャイな人やリーダーシップを発揮できないという人であっても、鋭いアイデアを出す・議論が停滞しないようにアイデアを拡散する・収拾がつかなくなった話を収束させるなど、場面ごとの対応ができれば自ずと評価はついてくると思います。
本来の自分とマッチする企業へ入社できることがベスト
自分らしくない無理なアピールやキャラ作りをしてまで入った企業で、長く働いている人はあまり見たことがありません。等身大の自分の良さを評価してもらえる企業の選考に残ることの方がよっぽど大切なのではないでしょうか。
客観的・論理的な会話ができるか
グループディスカッションでは、話し合いにおいてどのような視点で参加できるかが一つの判断基準です。議題の結論を出すためには、冷静に内容を分析して話を進めていくための、客観的・論理的な視点を持つことがポイントとなるでしょう。
<客観的・論理的な視点とは?>
・客観的:特定の物事に捉われないこと(反対語:主観的)
・論理的:直感ではなく、理屈や根拠を元にした考えのこと(反対語:直感的/感情的)
話し合いに熱が入りつい感情的になってしまうときもありますが、主観的な発言はせず俯瞰した視点を持って参加する姿勢を維持できるかも企業はチェックしています。
集団の中で成果を出す行動ができるか
グループディスカッションは、集団行動で成果を出すことができるかも重要視されます。グループディスカッションにおける「成果」とは、テーマに沿った明確な結論や気付きを生み出せるかどうかです。
課題解決型のテーマであれば、出された課題に対しての施策や提案内容、ディベート型ではチームごとの意見のまとめが成果となります。
明確な指示がない自由討論型でも、テーマに沿って議論をすることで新たな気付きを生み出す必要があります。どのグループディスカッションでも、話し合いだけでは評価が得られないことを理解しておきましょう。
選考通過をするためには、自分の能力を的確に把握したうえで、集団に埋もれず成果に貢献できているかを意識した行動が大切です。
対策をする前に理解しておこう! グループディスカッションで押さえるべき3つの作法
グループディスカッションでは、個人の面接と違った雰囲気の捉え方や立ち回り方が必要です。何も知らずに参加してしまうと「うまくなじめなかった……」と後悔してしまうことも。
選考を乗り越えるためのポイントは、グループディスカッションの作法を意識した対策を立てることです。当日のやり取りに集中するための事前準備としてチェックしてくださいね。
その①集団行動であること
これまで解説したように、グループディスカッションで企業が見ているポイントは、集団行動における参加姿勢や相手への配慮です。
選考であるグループディスカッションは個人の戦いだと思いがちですが、同時に集団行動ができるかも判断されています。自己主張が強すぎてしまうと、グループの中で浮いてしまうこともあるので注意しましょう。
グループディスカッションにおいては、1人で仕事に向き合う姿勢や考え方ではなく、集団の中で自分の力をうまく発揮できるかが重要です。
その②結論を出すことを優先する
グループディスカッションでは成果となる結論を導き出すことが重要であるため、話し合いでは正しい優先順位をつけたうえで行動をしましょう。
たとえば、自己PRを重視しすぎて自分が発言ばかりしてしまうと、話が進まず時間内に結論を出せないことがあります。グループディスカッションで評価されるべき結果がだせないと、せっかくのアピールも無駄になってしまうかもしれません。
成果を出すことを念頭に置き、そのときどきで相手の意見を聞いたりサポートに回ることのできる人こそ、グループディスカッションで高評価を得る人物となるでしょう。
その③目立つ=成功とは限らない
「目立ちたいから」と、役割分担で無理に進行役を引き受けたり、常に話の主導権を握ろうとする行動は、ときに進行を妨げてしまい逆効果になってしまうことがあります。グループディスカッションは面接と同じ考えで参加せず、個ではなく全体を意識した行動を取ることが上手な立ち回り方です。
目立つことを正解と捉えず、縁の下の力持ちとして役割を果たせる人こそ、採用担当から高評価を受けられるでしょう。
初戦突破! グループディスカッションの流れと各フェーズのポイントを一気に解説
グループディスカッションの評価基準や立ち回り方の理解が進んだら、次は当日の流れを理解していきましょう。グループディスカッションでは全体を序盤・中盤・終盤の三段階で考えると、段階ごとの目的を設定し、時間を無駄にせず的確な行動を取れるようになります。
グループディスカッションは制限時間が30分〜1時間程度のものが多く、参加人数は3〜6人が平均的です。下記でグループディスカッションの流れや時間配分の例を紹介するので、参考にして当日のイメージをつけてみましょう。
<グループディスカッションの一般的な流れと時間配分の例>
・種類:課題解決型
・テーマ:自社製品の認知度の低さを解決する
・人数:6名
・時間:40分
段階 | 段階ごとの目的 | やるべき行動 | 時間配分 |
序盤 | グループディスカッションを始める前の初期設定 | ①自己紹介 | 1分(10秒×6人) |
②役割分担 | 3分 | ||
③時間配分 | 2分 | ||
④議題内容の確認と方向性決め | 4分 | ||
中盤 | 結論を出すための話し合い | ⑤議論 | 15分 |
終盤 | 結論を出して発表できるようにする | ⑥意見のまとめ | 7分 |
⑦発表準備 | 4分 |
行動ごとの時間配分を細かく覚える必要はなく、どこにボリュームを割いているのか理解しておくと当日に臨機応変な対応ができます。すべての時間を配分せず、トラブルに備えた予備時間を確保しておくことも大切です。次でそれぞれの段階でやるべき行動とポイントを紹介します。
序盤
まずはグループディスカッションの初期設定をおこないましょう。序盤でしっかりと土台作りができないと進行に影響するため、スピードを意識しつつも、一つずつ明確に内容を決めていくことが大切です。
シーン | 行動 | ポイント |
序盤 | ①自己紹介 | ・名前・大学・強みを言えると良い ・時間をかけすぎないことに注意しつつ、聞き取りやすい話し方を意識 |
②役割分担 | ・司会進行、書記、タイムキーパーは必須・申告制が好ましい | |
③時間配分 | ・現時点からの時間配分をおこなう ・全員で共通認識を持っておく |
|
④議題内容の確認と方向性決め | ・テーマの理解に齟齬を出さないようにする ・具体的な目的を明確に定める |
自己紹介のポイントは、自分の強みや性格を簡単に伝えることです。その後の役割分担や進行において、ある程度自分をわかってもらうことで円滑な話し合いにつながります。「意見の取りまとめが得意です」「客観的な視点が持てる」など、グループディスカッションに使えそうな強みを紹介しましょう。
役割分担では、適所適切を心掛けることが大切です。基本は立候補で役割が決まると良いですが、手が上がらない場合は「話し合いをしながら時間管理できそうな人はいますか?」と、役割の具体的な仕事内容を伝えて希望者を募ってみてください。
時間配分の注意点は、現時点からの残り時間を考慮した配分を決めることです。配分を考えているあいだも時間は経過するので、数分先を開始時刻として全員で時計を合わせて、認識のずれがないようにしておきましょう。
序盤の最終行動となるのが、課題内容の確認と方向性決めです。
たとえば、「自社商品の認知度が低い課題を解決する」というテーマであれば、何の自社商品か・いつまでに、どれだけ認知させるかを決めて方向性を定めます。
<確認と方向性決めの例>
・自社製品について:子ども用(〜6歳まで着用可)ヘルメット
・いつまでに、どれだけ認知させるのか:3年以内に2024年度売上の1.5倍を目指す
こうした話の軸を作っておくことで、同じ目的に向かって話し合いができるでしょう。序盤は全体の20〜25%程度の時間を使いテンポよく話を進める必要があります。初めてのグループディスカッションに参加するときは、事前にやるべきことを明確にしておき、スムーズに議論が開始できるようにしましょう。
グループディスカッションの序盤において重要なことは?
序盤以降のフェーズにどれだけ時間を残せるかが重要だと思います。私が参加したグループディスカッションでは、自己紹介は大学名と氏名だけでさらっと終わらせ、役割分担や時間配分を決めるのに時間をかけずとも問題なく議論が進められました。
一方、議題内容の確認と方向性決めはしっかりとおこなうべきです。ここの認識がグループ内でずれてしまうと、後の議論で軌道修正するのが大変になります。
自己紹介については軽く大学と名前、意気込みくらいの15秒くらいで大丈夫かなと思います。大学名でほかの方が優秀で自分と比較してグループディスカッションで良い発言ができなくなってしまうともったいないので、あまり大学名は気にしないようにしましょう。
役割分担について、やりたい役割が被ってしまった場合、私は余裕感を出すために100%譲っていました。
時間配分については、後の議論が長くなってしまい決めた時間通りにいかないことが多かったため、余分の時間を数分もたせて決めるのが良いと思います。
時間配分については「絶対に守る」と、皆で共通意識を持つべきだと思います。よくある例として「少しここ長くしよう」などとなるときありますが、結局どこかを長くすると後に計画が崩れてしまうことが多いです。
たとえ少しクオリティが悪くなってしまっても、しっかりと決めた時間配分は守った方が、後々のことを考えると楽になると思います。もちろん、どうしてもここは少しだけ伸ばしたいという強い考えがある場合は問題ないと思いますが、仮にどこかを長くしたら、その分スピード感を早めながら進めていくなどの工夫は必要だと思います。
中盤
中盤はグループディスカッションのメインとなる議論をおこないます。序盤で決定した方向性を意識しながら、グループ全体で話し合い、結論を出すための判断材料を集めましょう。
シーン | 行動 | ポイント |
中盤 | ⑤議論 | ・役割を意識せず意見を出し合う ・進行役や監視役は議論の脱線に注意 ・全否定はNG ・より多くの意見を出す |
中盤で重要なポイントは、議論の意味をよく理解してより多くの意見を出し合うことです。
議論とは「自他の考えを評価しながら話をすること」であるため、相手を言い負かすことではなく、考えを受け入れながら自分の意見を伝えることが大前提です。そのうえで、企業が見ているポイントやグループディスカッションでの立ち回り方を意識した行動を取りましょう。
中盤では、司会進行役・監視役は話し合いながら周囲の顔色を見ておくことも大切です。あまり発言できていない人には話を振るようにしたり、話に熱量が入りすぎているときは一旦その場をクールダウンさせたりすることも必要です。
議論中は夢中になりやすいため、タイムキーパーは時間を見ながら「終了まで〇分です」とアナウンスすることも忘れないようにしましょう。
グループディスカッションの中盤で意識すべきことは?
必要以上に話しすぎるよりも、議論が行き詰まったり、論点がずれてしまっているときに、いかにチームに貢献できるかが重要だと思います。そのため、チームの会話の方向性や目的がずれていないかは常に個人的に確認しておくべきです。
もしずれていた場合は話し方を考えながらグループ全体に問いかけてみると、評価のポイントは高いと思います。難しい場合は、ほかの人とうまく協力しながら「今ってこんな感じの話であっていますか?」と投げかけると意外と方向性のずれに気が付くこともあるので、意識できると非常に効果的です。
グループディスカッションで度々起こるのは、問題解決の本質とはかけ離れた議論に時間を使ってしまうことです。論理的思考力の部分で良い印象を持ってもらうためにも、最初に決めた優先事項について議論し終わった後に、別の論点について考えることを心掛けるようにしましょう。
たとえばグループディスカッション開始時にフォーマットを作り「ここに記入していくのはどう?」というように先導していくと、主体性の部分でも評価してもらえる可能性が上がるためおすすめです。
終盤
議論が終われば発表の準備をする終盤に入ります。結論を出し切るまでがグループディスカッションなので、油断せずに最後までしっかりとやるべきことを進めましょう。
シーン | 行動 | ポイント |
終盤 | ⑥意見のまとめ | ・書記が中心となり意見をまとめる ・多数の意見から1つの答えを出すことが重要 ・多数決ではなく話し合いで決める |
⑦発表準備 | ・発表者と役割は明確に決める ・わかりやすい伝え方を意識 |
意見のまとめでは、議論で出た意見を分類して結論となる材料を選んでいきます。意見のまとめが始まった時点で分類をすると時間ロスとなるため、書記役がある程度グルーピングできているとスムーズです。
<意見のまとめかた>
①結論を出すのに必要・不要な意見を選別
②必要な意見を項目ごとに分類(例:マーケティング施策・対象設定の方法・顧客獲得手法・使用ツール)
③項目ごとに結論を出す(例:複数出ている施策で適切なものはどれか)
④③で出た結論を提案内容としてまとめる
発表準備では、まず発表者を決定しましょう。企業から人数制限がなければ全員で発表しても問題はありませんが、その場合は説明の役割分担をしておくとスムーズにプレゼンをおこなえます。
発表は端的にわかりやすくを意識し、発表前までに一連の流れを練習しておくことがおすすめです。発表本番では、時間制限があるか事前に確認しておき、タイムキーパーを設定して時間内に終了させることも大切です。
グループディスカッションの終盤に意識すべきポイントは?
グループディスカッション開始前に決めた時間配分から長引いてしまうケースがとても多かったので、終盤は時間を意識した発言をすると良いと思います。たとえば「そろそろ○○の時間だと思うのですが今出た意見だとこういう方向性になりますよね」のような発言です。
協調性を意識しながら一歩先を見るような発言をすることが大切なのかなと思います。そうすることで、チームを俯瞰して見れているという点で、評価も上がるのではないでしょうか。
重要なのは、終盤で意見を変えないことです。グループディスカッションでよくあるのは、終盤で本当にこの意見や方向性で良いのかを見つめ直した結果、少し意見を変えてしまうことです。
終盤になり、評価のことも考え始めるとどんどん良くない方向に向かってしまうこともあるでしょう。たとえ少し質が下がってしまったとしても、しっかりと自分たちがどのように考えて、その意見を出したのかを伝えることが大切です。
意外にも、グループディスカッションでは、議論の結果がどれだけ良いかという観点で見られていることは少ないため、そこまで気にしなくても問題ないと思います。
グループディスカッションでは、短い制限時間のなかでも、発表の準備までおこなえるように進めるとよいと思います。発表の際には、グループで出した結論に基づく考えをしっかり話せるように心掛けてみてください。
ただ単に結論だけを述べるのではなく、どうしてその結論にたどり着いたのかと自分たちの考え方を伝えましょう。説得力のある説明になりますし、面接官にも伝わりやすくなると思います。
グループディスカッションの円滑な進行のために|役割と適性を理解しておこう
ここからは、グループディスカッションをうまく乗り越えるために、役割ごとの適性を知っていきましょう。役割に求められる能力ややるべきことを事前に知っておくことで、本番で適切な配役ができるようになります。
経験談を交えながら、役割ごとに向いている人の特徴や求められるスキルについて詳しく紹介します。自分の強みや特性に合うものがないかも考えながら確認していきましょう。
初めてのグループディスカッションではどうやって役割を決めるべき?
自分だけが突っ走るのではなく、周りの意見を聞きまとめられる人が司会進行役に向いていると思います。部活動でリーダー経験があると伝えると、司会進行役に薦められることもあるでしょう。
役割的に司会進行の発言量が多くなることが期待されますが、あまり気にしなくて良いと思います。面接官は、発言回数の多さよりも主体性や協調性を見ていると思うからです。
また、書記に関しては、タイピングに慣れている人でなければ議論と役割の両立が難しいのではないかと思います。
初めてのグループディスカッションでは、挙手制で役割が決まることが大半かなと思います。ファシリテーションは、全体を俯瞰できるリーダーシップを持っていて、話の論点が変わったときに軌道修ができる人に向いていると考えます。
また、書記はマルチタスクができる人であり、資料にまとめる能力が高い人が良いと思います。
ほか、タイムキーパーは、与えられた時間のなかで、逆算的に物事を考えられる人が良いでしょう。時間管理が上手く、縁の下の力持ち的な役割で議論を進められる人に向いていると思います。
グループディスカッションの役割分担は挙手制で決まりましたが、リーダーは最初に役割分担を持ちかけた人になっていた印象です。議論開始前の段階で話を仕切る意識をしておくと、ある程度リーダーとしての地位を築くことができます。
それぞれの役割に適しているタイプについてですが、タイムキーパーは几帳面なだけでなく、話の流れを遮ってでも残り時間を伝える度胸のあるタイプが適しています。書記はメモ書きやタイピングの速さと簡潔にまとめる能力のあるタイプの人で、ファシリテーションは論点のずれに気付くことができる論理的思考力のある人が適していると感じました。
司会進行
議論を有効に進める要となるのが司会進行役です。リーダーとして周りを牽引する役割と勘違いされやすいですが、司会進行者は周囲を気遣いながら議論しやすい環境を作ることが最重要任務です。議論しやすい環境作りには、話が円滑に進むような会話回しや、無言にならないための気づかい、発言を手助けするためのサポートが求められます。
司会進行役は、物事を俯瞰して見れる力、メンバーの発言を要約できる傾聴力と会話力、全員が発言できる気配り力や、答えやすい問いかけができる質問力など、幅広いスキルをバランスよく兼ね備えている人が的役です。状況把握が得意な人や、気配りできる力を褒められる人はチャレンジできる役割でしょう。
タイムキーパー
グループディスカッションを円滑に遂行するためには、タイムキーパーの存在が欠かせません。当日に決められる時間配分を正確に覚えて、議論に参加しながらも常に時間を意識し続ける重要な舵取り役です。
話がまとまらず時間が押してしまったときでも、予備時間を調整して「〇〇分までに結論を出しましょう」など、咄嗟の判断を求められることもあります。臨機応変な対応ができて、先読みが得意な人が活躍できる役割といえるでしょう。
タイムキーパーは、グループディスカッションに慣れていないと難しい役割です。挑戦したい人は、模擬練習で何度も練習しておき、咄嗟の判断ができる経験値をあげておくことがおすすめです。うまくこなすことができれば、採用担当に時間管理力や状況把握力を評価されるでしょう。
書記
書記の配役を決めるときは、発表内容のクオリティが大きく左右するため、慎重に選ぶ必要があります。ただ書き記すだけでなく、周りの発言を取りこぼさずに要約してまとめることが求められるため、文章力や傾聴力を持っている人が適役でしょう。
全員の意見を要点でまとめながら話し合いに参加しつつ、問題解決に貢献する行動も求められる役割のため、同時進行が得意でなくてはこなせません。うまくできれば、客観的視点や状況対応力が同時に評価され、内定にグッと近づけます。
自分が書記に適しているかを判断するには、模擬練習でチャレンジしてみることがおすすめです。立候補できそうな可能性を感じられるなら、ぜひ挑戦してみてくださいね。
監視役
グループディスカッションでは、脱線して別の話題が入ることで、話の論点がずれてしまうこともあります。そんなときに軌道修正するのが監視役であり、「一旦話を整理してみましょう」「少し脱線しているかもしれません」と適切なタイミングでの声かけが主な役割です。
グループの人数や企業の指示によってはタイムキーパーと兼務になることもありますが、全体の流れを俯瞰して把握しながら判断できる力が求められます。また、中断するときはメンバーの気分を害さないような言葉選びも忘れてはいけません。無理に話を遮るような声かけは雰囲気を悪くしてしまうので、協調性が必要な役割ともいえるでしょう。
監視役は議論がスムーズに進んでいれば無理に役目を果たす必要はないため、基本的には話し合いに集中する意識が大切です。
その他
グループディスカッションの種類や企業の指定により、そのほかの役割が発生することもあります。必ず登場するものではありませんが、対応力を付けるためにも内容と適性を把握しておきましょう。
名称 | 役割 | 求められる能力 |
アイデアマン | 議論の活性化のため、話題の提供や新しい提案をおこなう | ・発案力 ・柔軟で視野の広い思考 ・提案力 |
発表者 | 結論を発表する | ・プレゼンスキル ・表現力 |
サポーター | ほかの役割のサポートをおこなう | ・状況把握力 ・協調性 |
アイデアマンは発言が少ない場合や、解決策が出ないときの手助けとなる役割です。発案できるだけの知識や情報を持っておく必要がありますが、応募企業や業界知識に強みを持っている人は活躍できるでしょう。
発表者は、議論した結果をただ伝えるだけではなく、魅力的な伝え方のできるプレゼンテーション能力が求められます。プレゼンが得意な人や慣れている人がいれば任せてみましょう。
サポーターは、メンバーが多い場合や、グループディスカッションが長時間にわたる場合に活躍する役割です。1人ではなく複数のサポートに回るため、マルチに活躍できるスキルを持っている人が縁の下の力持ちとして輝きます。
経験者の意見も取り入れよう! グループディスカッションで好印象を掴む人の特徴
初めてのグループディスカッションでも満足のいく結果を残すためには、好印象を掴む人の特徴を踏まえて本番に臨むことが大切です。実際にグループディスカッションを体験した人が感じたうまい立ち回り方や対応方法を参考に、当日の自分を想像しながら確認してみてくださいね。
どれだけ良い意見を持っていても、一方的に話して結論を集約しようとする人は進行が上手い人とはいえません。意見を言いつつも、周りの意見に反応して議論を進めていける人の方が、雰囲気は圧倒的に良くなります。
また、チームのメンバーに対しての気遣いが上手な人も好印象でした。意見の補足をしてくれた人にきちんと感謝を伝えられる人を見ると、一緒に議論をしていても嫌な気持ちになりませんでした。総じて、良い雰囲気を作りにいける人は立ち回りが上手だなと思いました。
チーム全体を俯瞰してみて、嫌味なく発言量を調整できる人は進行が上手な人だと思います。発言しすぎている人、逆に発言できていない人が混在していることもあるでしょう。そんなときも「○○さんの意見はとても良かったと思いますがどう思いますか?」と人を議論に巻き込める人は、立ち回りがうまいと感じました。
人を議論に巻き込める人たちに共通していたのは、話の切り込み方が上手だったということです。否定から入らず、肯定から入ることが大切なんだなと学びを得ることができました。そこから私もグループディスカッションにおいては、共感や肯定を大事にするようにしています。
全員の意見に対する返答が適確だった人は立ち回りが上手だと感じました。グループメンバーの意見に対してフィードバックができるという点で、リーダーシップ性、協調性、コミュニケーション能力の高さが評価される可能性が高いためです。
個人的な意見ですが、斬新なアイデアを創出したり、一人で議論内容をとりまとめたりすることが絶対的に必要ではないのかもと思いました。それよりも、安定的にグループディスカッションの進行をサポートできる方がチームへの貢献性が高く、選考の突破が狙えるのではないかと思います。
周りを見て自分の適切な立ち位置が判断できる
グループディスカッションのメンバーは当日に発表されるため、どんな人とチームになるのかは直前までわかりません。その場で発表されたメンバーに合わせて自分の適切な立ち位置が判断できる人は、どんな職場でも柔軟に対応できる状況判断力やコミュニケーション能力があると評価されるでしょう。
いきなり初対面の相手を判断するのは難しいですが、細かい言動を見ることで、相手の性格や考えを予想することは可能です。たとえば、グループディスカッション開始後、緊張の中で初めの一言を発せられる人は、率先した動きが得意であることが見受けられます。
もちろん、話し合いが始まると当初の予想と実際の行動は変わることもあるので、決めつけずに臨機応変な対応をしていくことも忘れないようにしましょう。グループディスカッションで好印象を掴むには、リアルタイムで自分に求められていることを常に考えながら行動する意識が大切です。
悪い状況を打破できる
社会人として仕事に取り組むと、どんな人でもピンチに陥ってしまうことがあります。悪い状況を前向きに解決できれば、真摯に仕事に取り組める人材だと判断され、自社で採用したいと評価されるでしょう。
グループディスカッションでも同様に、空気が悪くなってしまったり、話がうまく進まない状況の中で、切り替えの行動が取れる学生は好印象を掴むことができます。
悪い状況もチャンスと捉え「一旦振り返ってみよう」と声かけをしてみたり、笑顔を絶やさず和やかな雰囲気作りに貢献することが大切です。
言い換えやフォローが得意
グループディスカッションにおける評価基準の一つは、相手への配慮ができているかどうかです。配慮とは単に相手の話を優先して聞くことではなく、言いたいことをうまく要約したり、話しやすい雰囲気作りをすることも含まれます。
ほかにも、きつい言い方になってしまった人の言葉をポジティブに言い換えたり、うまく説明できなかった人の話を深掘りするなど、自然にメンバーのフォローができている人は高評価を得られるでしょう。普段から言い換えやサポートが得意な人は、話し合いに参加しながら周囲の発言と反応をよく見ておき、咄嗟のフォローで好印象を掴んでみてください。
みんなはどうした? グループディスカッションの乗り越え方を経験者に聞いてみた
ここまではグループディスカッションの基本や乗り越えるためのポイントを紹介しました。これから初挑戦を迎える人は、やるべきことを頭でわかっていても「うまくいかなかったらどうしよう……」と、不安になってしまいますよね。
グループディスカッション経験者は、当日までの不安をどうやって乗り越えたのでしょうか。成功するために意識したことや不安の乗り越え方など、リアルな実体験を聞いてみました。
グループディスカッションの準備は何からはじめた?
グループディスカッションの準備は、当日の流れの把握や種類ごとの対策などやることが多く、なにからはじめるべきか迷う人も少なくありません。
当日までにしておくべきことや、実際に取り組んだ準備について経験者に聞いてみました。
YouTubeでグループディスカッションの基礎が学べる動画を視聴していました。基本的なグループディスカッションの流れやマナーなども、動画でスムーズに身に付けられました。移動時間などでも勉強できるので便利だと思います。
私の場合、コンサル業界を受けておりケース面接の練習もしていました。難易度が高い議題内容を自分で解く思考力を身に付けたことは、グループディスカッションにおいても役立ちました。先輩などにアドバイスをもらうこともおすすめですよ。
グループディスカッションの対策講座をたくさん受けました。練習なので気楽に受けられて、さまざまな役職にもチャレンジすることができたため、皆さんにもおすすめです。なかには、面接官が何を見ているのか、といった企業目線の講義もあったので、本番で役に立ちました。
また、先輩からよくある売上向上施策のグループディスカッションの進め方を教えてもらうこともありました。先輩や講義形式での模擬練習によってさまざまなパターンを経験でき、場数を踏めたことがグループディスカッションの慣れという点で大きかったと思います。
初めてのグループディスカッションを成功させるために意識したことは?
せっかく準備をしてグループディスカッションに参加するのであれば、どんな人でも、満足のいく結果を残したいと考えてしまいます。初めてのグループディスカッションでも成功を掴むには何をすべきか、経験者たちにアドバイスをもらいました。
グループディスカッションが初めての人は自分をアピールしようとしすぎて、発言量が多くなりがちです。そのため、周りを見れなくなってしまう人も多いのではないかなと思います。
そういったときこそ、「協調性」を意識することがおすすめです。発言がかぶってしまったときにはほかのメンバーに譲ると、協調性を持った行動を取ることができます。また、一歩引くことで「自分には余裕がある」と思えるでしょう。そうすることによって、視野が狭くなってしまうことを防げると思います。
「グループディスカッション 対策」と検索して出てきた動画のなかで、再生回数上位10件ほどの動画をすべて視聴しました。そこで得られたポイントをまとめたうえで、キャリアセンターのグループディスカッション講座を受けたり、友人と練習をおこなったりしていました。
模擬練習の際は、役割をローテーションすることにより、どの役職が来ても柔軟に対応できるようになったと思います。
初めての経験で不安になったときはどうやって気持ちを切り替えた?
初めてのグループディスカッションでは、経験したことのない雰囲気を想像したり、直前までわからないメンバーとうまくなじめるか考えてしまい、不安がふくらんでしまいます。誰もが経験する不安を先輩はどう乗り越えたのか、実体験に基づく解決法を聞いてみましょう。
「初めてのグループディスカッションを控えていて不安」という方におすすめの切り換え方法は2点あります。
1つ目は、グループディスカッションはチームにおいての立場・役回りを見てくれる機会だと捉えることです。1対1の面接では伝えきれない、チームで活動するうえでの自分の魅力をアピールする場所だと考えることが大切だと思います。
チーム戦だと意識して気持ちを切り替えよう
2つ目は、アピールする場と捉えながらも自己中心になるのではなく、チームで最高のアウトプットを出す意識をすることです。自分だけが受かろうという気持ちは、自然と面接官に伝わってしまうと思います。チームで協力して「全員で受かるんだ」という気持ちを持って臨むことが必要だと思います。
全員が不安を抱えながらグループディスカッションに参加すると思うので、その人たちと気持ちを共有しながら一緒に頑張れば大丈夫だと思います!
グループディスカッション初体験で失敗したエピソードはある?
初めての挑戦では、当日の行動が予測できないことから「失敗したらどうしよう」と考える人もいるのではないでしょうか。失敗を防ぐには、実体験からできる限りの対策を練ってリスクヘッジすることが得策です。グループディスカッションでの失敗談を聞いて、実践的な対策を考えておきましょう。
初めてのグループディスカッションでほとんど何も話せず、後悔したことを覚えています。緊張していたのもありましたが、周りがとても優秀で、鋭い意見をどんどん出していく様子に圧倒され、あいづちしかできませんでした。
今思い返すと、補足意見だとしても何か自分の考えを伝えれば良かったと後悔しています。良い意見を出そうと気負いするのではなく、小さな考えでも言葉にすることが必要だと反省しました。
コンサル業界で「どの新興国に投資をするべきか」という難しい議題のグループディスカッションがありました。議論をするためにはある程度の知識が必要だったのですが、私にはまったく知識がありませんでした。その結果、目立った発言をすることもなく議論が終了していきました。
社会、政治、技術、経済の観点から考えるようなフレームワークを知っていても、世界各国の情勢をそもそも知らないとあまり発言できないような議題だったなと思います。知識不足のお題がきたときにも慌てないよう、日ごろから多くの知識を持っておくことが必要だなと感じました。
基礎編|初めてのグループディスカッションでやっておくべき練習方法
ここからはグループディスカッションの事前対策について知っていきましょう。基礎編では最低限やっておくべき準備とポイントを紹介します。
経験者が効果的だと感じた対策も参考にしながら、実践的な準備ができるようにチェックしてくださいね。
まずは実際のグループディスカッションの雰囲気を知ることが重要だと思ったので、YouTubeでディスカッションの雰囲気を説明している動画を見ていました。
コンサル業界を受けており、ある程度ケース面接の練習はしていたので、売上向上策のほかにどのような議題の型があるのか調べ、実際に自分の考えをまとめていました。
具体的には「リーダーにとって必要な要素は?」のような抽象型のお題の練習です。24卒の先輩に壁打ちをしてもらうなどの練習もしていました。
グループディスカッションにおける情報の取得をおこない、そこから一人で実際に練習を開始しました。
過去の出題傾向などを確認して、「近隣の施設の売り上げを上げるためには」などのようにテーマを設定して練習をしました。その際、一人二役で別々のアイデア出しをおこなってみると良いでしょう。
アイデアが2つあると、それぞれのメリット、デメリットを考え、どちらを採用すべきかの議論を1人でも展開できます。客観的な視点で物事を考え、自分で議論することで論理的思考力の強化を目指していました。
最新の情報収集
グループディスカッションのテーマは、時事問題や業界のトレンドから出題されやすい傾向にあります。普段から最新のニュースを頭にいれておくことで、話し合いの意見や解決策も浮かびやすく積極的に議論に参加することができます。
情報は、社会問題・業界トレンド・時事ネタの3つに注目し、それぞれに適した収集先から継続して集めていくことが大切です。
<情報ごとの収集先>
・社会問題:書籍・新聞・インターネット
・業界トレンド:業界誌・行政の統計・業界団体の資料
・時事ネタ:新聞・ニュース・SNS
社会問題とは、少子高齢化やGDPの低下など、近年で国内が抱えている課題を指します。インターネットではさまざまな情報が飛び交っているため、大枠を把握する方法として使用し、その後は信憑性の高い専門書籍や図書館の文庫紹介サービスなどを取り入れると良いでしょう。
業界情報は、四季報や業界地図の専門誌に加え、内閣府の経済白書など信憑性の高い掲載元から集めることがおすすめです。
業界団体とは、業界ごとの取りまとめをおこなう組織のことを指します。日本製薬工業協会のような団体が管理しているHPをチェックすれば、業界全体の動向を一括して知れるのが特徴です。
時事ネタとは、SNSなどで取り上げられる直近のニュースです。時事ネタがグループディスカッションのテーマとして取り上げられることは少ないですが、話し合いを進める材料として役立つものが多いのでチェックしておきましょう。掲載元がよくわからない内容を信じすぎないように、正しい情報を取捨選択することが大切です。
当日のイメージトレーニング
グループディスカッションを成功させるには、インプットと同時にアウトプットもしておくことが大切です。
当日の流れやポイントが理解できたら、実際にグループディスカッションの開始から終了までをイメージしてみましょう。具体的には、仮のテーマを出して当日の流れに従いながら、予想できる範囲でどう行動すべきか考えていくのがおすすめです。
当日のイメージトレーニングをしておけば、本番を想定した動きを身に付けることができ、想定と違った流れになった場合でも慌てずに対処できます。
実践形式の模擬練習
グループディスカッションについての知識がついたら、模擬練習でより実践的な準備をおこないましょう。
同級生との練習もおすすめですが、大学のキャリアセンターやグループディスカッションの対策講座を利用すると、実践形式の経験を積めることに加え、フィードバックとして客観的な意見を聞くこともできます。
グループディスカッションの模擬練習は回数をこなすほど経験値をあげられるので、早めに取り組んでおくことがおすすめです。やってみたい役割ごとに何度も練習を重ね、万全の対策をしておきましょう。
応用編|初めてのグループディスカッションでやっておくべき練習
グループディスカッションの準備に余裕がある人は、プラスアルファの練習でさらに綿密な事前準備をおこないましょう。移動中や隙間時間にできる練習もあるため、空いている時間をみつけてコツコツやることで時間を上手に活用できます。
経験者が実際に試した練習方法も参考に、初めてのグループディスカッションでも結果を出すために何をすべきか考えていきましょう。
就活情報サイトで、過去の先輩の体験談を見て予習することです。いくつかの企業のグループディスカッションは前年度とまったく同じお題だったので、確認することは必要だと思います。
お題を見て、自分の中で前提から解決策まで考え、シミュレーションをしていました。きちんと対策をしたグループディスカッションでは比較的うまくいったと感じたので、やってよかったと感じました。
また、書記になったときのためにタイピングの練習も時間があるときにしていました。書記になるとタイピングに必死になって自分の意見を言えなかったので、少しでも早く正確にタイピングができるようになりたかったからです。
就活情報サイトで過去の体験談やグループディスカッションのお題を把握することです。企業によってはそれまでの年のお題とまったく同じものを再利用している企業もあったので、グループディスカッションに慣れていない人は特に、シミュレーションをする意味合いで把握しておいて損はないと思いました。
また、大学の講義などでグループディスカッションに慣れておくと、わざわざ練習をしなければならないこともなくなるかなと思います。場数を踏む意味で、普段からグループディスカッションを経験しておくのはおすすめです。
対策動画を見て回答の選択肢を増やしておく
YouTubeなどの動画サイトでは、経験者が作成したグループディスカッション対策動画が公開されています。
実際に議論して結果を出す一連の流れや、展開方法のコツなどを学べるので、動画を見ながらイメージトレーニングを重ね、当日の選択肢を増やしておきましょう。
模擬練習をする時間や場所の確保ができない人でも、いつでも1人で対策を始められるのでおすすめです。
よくあるテーマから結論までパターンを作る
グループディスカッションのよくあるテーマから結論を考える練習をすることで、自分の中で解決パターンができて、問題解決力が身に付きます。
「本番のテーマがわからなければ意味がない」と感じる人もいますが、パターンを作ることで対策できるのは、課題(テーマ)の「回答内容」ではなく「解き方」です。基本の解き方を覚えることで、似たような問題が出たときの応用力の向上を目指せます。
たとえば、小学生の算数でも、割り算を習得するには、どんな問題でも答えが出せるように解き方自体の勉強を進めるはずです。
割り算を解けるようになるには、どう勉強するか?
A:「割り算の答えが出せる解き方(パターン)」を覚える
B:「6÷2の答え」を覚える
→正:Aを覚えておくと応用力が付くので、どんな割り算でも答えを導き出せる
グループディスカッションも同様に、基礎を学んで、幅広いテーマに対応できる応用力を身に付けることで、活躍できる人物となるでしょう。
ケース問題で論理的思考力を鍛える
グループディスカッションの上級対策法として、コンサルや外資系企業の面接で取り入れられているケース問題を解くことが挙げられます。ケース問題とは、特定の課題から一定時間内に結論を出す選考試験であり、物事を論理的思考で解決することが求められます。
グループディスカッションはどの種類のテーマでも、論理的な思考で結論を導き出すことが必要となるため、ケース問題を解くことが直接的な対策となるでしょう。集団で取り組むグループディスカッションと異なり、ケース問題は一人で結論を出し切るため、一貫した問題解決力を鍛えることもできます。
論理的思考・問題解決力は社会人になっても長く使えるスキルのため、就活で身に付けておけば一石二鳥です。準備時間に余裕がある人は、ケース問題の参考書を購入してチャレンジしてみてくださいね。
知って得する! 初めての人が戸惑うグループディスカッションのトラブルと対処法
最後はグループディスカッションのトラブルに戸惑わないために、想定される内容と対処法を解説します。
初対面かつ複数の学生で話を進めるグループディスカッションでは、対人ならではの問題が起こることもめずらしくありません。トラブルが起こっても慌てず対処できるように、経験者が驚いた出来事も聞いてリスクヘッジしてくださいね。
8人体制のグループディスカッションでのトラブルでした。パソコンの不調子でスマホから受けると画面のサイズが小さく、発言している人しか画面に映らなかったのでとても大変でした。
8人となると絶対的に発言するタイミングが被ってしまっていたので、なかなか自分の発言ができずモヤモヤしました。対処法としては、その人の発言が終わるまで待つことが必要です。自分が話したいからといって、相手の発言の腰を折るような行為はするべきではないと思います。
メンバーの一人が、音声の不具合なのか声がまったく聞こえなかったことです。ほかのメンバーが「〇〇さん少し声が聞こえにくいです」と指摘してくれたのですが、改善されずその人が話すと議論が少し止まってしまいました。
聞こえたキーワードをかいつまんで議論に持っていくことで、何とかその方も議論に入りながら進めることができました。
話が進まない|まとめ役を抜擢する
グループディスカッションでは、議論が盛り上がったとしても、同じ話題について長々と話してしまい、終了が近づいているのに結論となる発言が出ないなどのトラブルが発生します。
方向性決めが甘いことや監視役がうまく機能していないことなどが原因と考えられますが、悔やんでしまってもどんどん時間は過ぎるため、解決の一手として、まとめ役を投入しましょう。
具体的には、時間経過ごとの小目的を作ってもらうことで、直近のやるべきことが明確となり、話の逸れない議論を展開できるようになります。時間把握ができているタイムキーパーが兼任できると良いですが、これまでのやり取りから適切な人物に抜擢しましょう。
クラッシャーへの対応|要約や尊重しながら話を進める
グループディスカッションでは、「まったく発言をしない」「自己主張が強すぎる」「全否定した反発的な態度を取る」など、クラッシャーのような存在となる人に出会うこともあるかもしれません。
クラッシャーが発生することで、チームの雰囲気が悪くなったり、結論がうまく出せなくなったりして、グループディスカッションの評価が下がってしまう可能性も。
自己主張が強ければまずは褒めるようにする、発言しない場合は何度か声をかけてみる、全否定するタイプには行動の理由を深掘りするなど対象法はいくつかあります。こちらから協調する姿勢を見せながら話を進めると、グループ全体のまとまりをアピールできるでしょう。
司会役がうまく進行できていない|主導権を徐々に移行する
議論の場を回すはずの司会進行役がうまく機能せず、話が進められない事態もよくあるパターンです。そんなときは、徐々に話し合いの主導権を移すことで軌道修正が可能です。
「〇〇さんはどう思いますか?」「先ほどの発言の理由をもう少し伺っても良いでしょうか」など、グループの会話を活性化させる質問を投げかけ、自然な流れで回答が自分に返ってくるようにしてみましょう。
ただし、明らかにおかしいタイミングで会話を回しはじめたり、「私がやります」とはっきり進言してしまうとメンバーに不安や不満を抱かせてしまうこともあるため注意が必要です。
トラブルが発生したときでも、周囲への尊重を忘れずに対処することが、初めてのグループディスカッションをうまく乗り切るコツだといえるでしょう。
初めてのグループディスカッションは本番想定で準備! 経験者に聞く対策が効果的
初めてのグループディスカッションに挑戦する人への、基本知識ややるべき行動について説明しました。
グループディスカッションは就活を経験して初めて知る人も多く、なじみのない選考にどう対応すればいいか悩むことも少なくはありません。初めての経験をうまく乗り越えるには、成功者から当時の経験を聞いて本番のイメージをつけることが大切です。
本番に近い練習や対策をおこなうことで、初めてでも満足のいく結果が出せるようになるでしょう。
グループディスカッションも含めて就職活動の選考は「量質転化」が大事です。これは量を積み重ねていくと質的な変化が起こるという意味です。グループディスカッションの場合、事前準備や実践練習の量もありますが、当日もメンバーとのコミュニケーション量がアウトプットの質にかかわりますので、選考中にも「量」を意識して取り組んでみてください。
具体的には、対面でのグループディスカッションの場合、チームメンバーとの信頼関係を作り出すために、事前にコミュニケーションを取ることがおすすめです。最初は自分から話し掛けることに抵抗感があるかもしれませんが、不安や緊張があるのはほかの学生たちも同じです。接触回数が多い人に信頼や安心感が生まれる傾向があるため、自主的に事前のコミュニケーションを図って議論の質を高めましょう。
また、グループディスカッションは、リーダー的な役割の方が目立つと考えている人が多いかもしれません。もちろん統率力も評価の対象ではあるものの、「グループの成果物に対して良い影響を与えた学生」の評価が高いことも覚えておきましょう。
ただし、誰かの発言に「うんうん」と頷き、場の雰囲気を乱さないのは良い影響を与えているとは言えません。率直な意見や問いかけなど、周囲に気付きや学びを与える発信が本当の意味での「良い影響」です。会社の求める人材像にもよりますが、ビジネスでは発信力が求められるため、発信をしないと評価ポイントが見いだせないことすらありますよ。
チーム全員で選考を通過する意識でグループディスカッションに挑もう
最後に、人事側でも一定の通過目安はあるものの、実際に全員が各自の役割を果たし、チームとしても成果を出せた場合は、全員に合格を出す場合もあります。そのため、自分だけをPRする・立場を守るという意識よりも、チーム全員で質の高い成果物を作り出すという意識を持つだけで、通過する可能性がぐっと高まるでしょう。
だからこそ、周囲のレベルが高くても落ち込む必要はなく、むしろチャンスととらえてみてください。チームのために自分にしかできない役割を見つけて、恐れずに発信してみましょう。あなたならきっと大丈夫です!
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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