SPI対策の秘訣を内定者に聞いてみた! 始め方から勉強法まで解説

SPI対策の秘訣を内定者に聞いてみた! 始め方から勉強法まで解説

SPI対策を成功させるカギは計画力! 成功者からコツを聞いて通過を目指そう

「SPI対策を始めたいけど何から手をつけるべき?」
「対策はいつ頃から始めると良い?」

就活で学生の基礎能力を知るための適性検査であるSPI。種類が多い適性検査の中でも実施される確率が高いテストですが、出題範囲が広く、対策をどう進めるか迷う人もいるでしょう。

SPIは対策すべき項目が多く、勉強の進め方や時間配分を考えずに始めてしまうと、合格に必要な知識が足りない状態で本番へ臨むことになります。効率良く・スムーズに対策をするには、全体像を把握したうえで計画を立てることが重要なポイントとなるでしょう。

この記事ではSPIの基本を始め、対策のポイントや進め方など、初挑戦の人が知りたい基礎から実践方法までを総合的に紹介します。経験者のリアルな対策や進め方のコツも交えて解説するので、SPI対策に悩みを抱える人はぜひ参考にしてくださいね。

「何からすればいい?」を解決! SPI対策を始める前にすべき3つの行動

SPI対策を開始する前にやるべき3つのこと

SPI対策について悩む人は、勉強の進め方や方法についてばかり注目してしまうケースが多いのではないでしょうか。実は、SPIの対策は、テストの概要や必要なものを把握したうえで、自分なりの計画を立てることから始めると効率アップにつながります。

スムーズに動き出す準備運動として、まずはSPI対策を始める前にすべきことを理解していきましょう。

現役就活生に聞く! SPI対策は何からした?

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
SPIの基本情報を把握してから動画で内容チェック

SPIがどういった形式の試験であるのか、ほかの試験との違いも含めてWeb上で調べました。そしてある程度、SPIがどういったものか理解したあと、YouTube上でSPIの講義動画を見るようにしました。

いきなり問題に取り組まなかったのには理由があります。それは、問題に取り組んで解けないことによる勉強へのやる気の低下を防ぐためです。

SPIの講義動画で導入部分についてある程度理解していたおかげで、比較的高いモチベーションで勉強に取り組むことができました。

問題を繰り返し解いて理解度をアップ
導入ができたらひたすら問題集で非言語の問題を解くようにしました。最初は時間を測らず一周し、わからなかったところは完全に理解するようにしました。そして2周目はわからなかったところのみ問題を解くようにしました。

K・G
K・G
名古屋市立大学/経済学部
模擬テスト受験で自分の弱みを把握して反復練習をおこなった

まずは「敵を知る」目的で、企業の選考に申し込んで実際にテストを受けることから始めました。その結果から、自分には何が足りないか、どの分野が苦手かなどの分析をおこないました。

また、対策は時間を意識した反復練習をおこなうことがポイントです。SPIの問題自体は、時間さえかければ簡単に解けてしまいます。そのため、とにかく制限時間よりも短い時間で解いていくことを意識していました。

経験者からの情報でイメージを固めることも重要
ほかの対策としては、先輩からの情報収集をおこなうことも有効です。既に就職活動を終えている先輩方から、効率良く点数を取っていく方法や最近の傾向などを聞いて、スタートダッシュから周りと差をつけることを意識していました。たとえば、納得がいくまでテストセンターに行って結果を出すことが大切だとアドバイスをもらいました。

N・T
N・T
4年制大学/文系学部
右も左もわからない人は情報収集から始めよう

私自身も、就職活動の開始当初はSPIとは何なのか、どう対策をすれば良いのかわからず悩んでいました 。

そんな方にはまず、「SPI模擬試験」と検索し、問題を解いてみることをおすすめします。私は模擬試験を受けたことで、勉強しなければ大変なことになると気付き、比較的早い時期から対策を始めることができました。

参考書を繰り返し解いてから模擬練習で実践しよう
私がおすすめしたいSPI対策方法は2つあります。1つ目は、参考書を何も見ずに解けるようになるまで繰り返すことです。苦手な分野に関してはインターネットで類似問題を調べて解いてみたり、YouTubeで解説動画を見るなどして対策をしていました。

2つ目は、実際のテストを何度も受けてみることです。企業のなかには、インターンシップ選考や本選考の際にエントリーシート(ES)の提出をすることなくSPIを受験できる企業がいくつもあります。LINEのオープンチャットなどを活用し情報収集をおこない、テストセンターとWEBテスティングどちらもお試しで受験してみることをおすすめします。

①SPIの基本を理解する

物事の対策を効率良く進めるには、対象の理解を深めることが基本です。SPIも同様に、対策前にはテストの概要や実施意図などの基本を知るところから始めましょう。

<SPIの基本情報として知るべきこと>
・SPIの概要
・企業が実施する意図
・SPIの種類
・合格ライン
・実施形式

基本を知るとSPIの全体像が理解でき、スタートからゴールまですべきことが明確になります。

基本を把握していない状態でスタートしてしまうと、対策のやり忘れや時間ロスにつながります。本番を安心して迎えるためにも、焦らずに基本から学んでおきましょう。

②SPI対策の方法を理解する

SPIの全体像をふまえて、次は具体的な対策方法を学んでいきましょう。どんな対策が必要かを事前に把握しておくことで、SPI本番に向けた対策の計画を立てることができます

対策に必要なものを把握する

SPIの対策では、始める前に準備しておくべきものがあります。途中で気付くと「先にやっておけばよかった」と時間ロスになることもあるので、事前に把握しておきましょう。

<SPI対策に必要なもの>
・まとまった勉強時間
・勉強支援ツール
・対策の計画表

勉強支援ツールとは参考書やアプリなどを指します。どちらも種類が多いため、それぞれの特徴をリサーチして自分に合ったものを選んでおくことで、スムーズに勉強が始められますよ。

また、SPI対策を円滑に進めるには、まとまった勉強時間をもとに計画を練ることも必要です。それぞれの項目に必要な所要時間から、対策全体にどれだけの時間がかかるのかを把握しておきましょう。

テストごとの対策方法を知る

SPIには出題科目がいくつかあり、勉強方法がそれぞれ異なるため、テストごとの対策方法を知ることが大切です。

テストごとの対策方法を知ると、対策に必要な時間もおおよそ把握できるので、優先順位を立てて効率良く勉強を進められます。「暗記系は移動しながら」など、時間の使い方も理解できますよ。

この記事ではテストごとの対策に臨む前に知っていてほしい「SPI全体に向けた対策」も紹介します。動きに無駄がないSPI対策をするためにもぜひチェックしてくださいね。

SPIを含めたWebテスト全体の対策について理解しておきたい場合は、こちらの記事も併せて参考にしてくださいね。
Webテスト対策で重要な4つのアクションとは|内定者の体験談付き

③SPI対策の計画を立てる

SPIの対策を漏れなく円滑に進めるには、計画を立てて動くことが大切です。全体像と作業ごとに必要な時間を把握し、何をいつまでに終わらせるか優先順位を考えながら計画を立てましょう。

一度計画を立てれば、あとはその通りに動いていくだけなので、目の前のやるべきことに集中して作業を進めることもできます

時間配分や計画の立て方が不安な人は、体験談を交えた作成のコツを記事の後半で紹介するので、参考にしてみてくださいね。

上手な対策は基本を知ることから! SPIの概要を紹介

SPI対策の事前準備の第一段階として、まずはテストの概要や種類について知っていきましょう。対策をうまく進めるためには、相手の意図を把握したうえで動くことが大切です。企業がなぜSPIを実施するのかも知りながら、自分の動きをイメージしてくださいね。

SPIとは

SPIは、Synthetic Personality Inventory(総合適性検査)の略であり、リクルートマネジメントソリューションズの提供で1974年から導入が開始された適性検査です。

企業規模や業界・職種を問わず受験者の能力を計測でき、利用社数は年間15,000社以上で、トップの利用率を誇っています。就活する中で一番受験率が高い適性テストといえるでしょう

企業が実施する意図

企業は採用時にSPIを実施することで、学生と自社との適性を判断しています。

具体的には、客観的な数値が見えるSPIを選考に取り入れることで、面接だけでは判断できない学生とのマッチ度を測ろうとしているのです。

また、能力がわかれば採用後の配属部署なども検討できるため、面接で採用後の動きを具体的にイメージした質問ができるメリットもあります

そのほか、ある程度出題範囲がわかった状態で、学生がどれだけ準備できるのか、リサーチ力や対応力も知りたいと企業は考えています。

企業のさまざまな期待が込められたうえで、SPIが実施されていることが読み取れるでしょう。

テストの種類

SPIの出題科目

SPIのテストは5つの科目に分かれています。

<SPIの種類>
種類 科目 テスト内容
能力検査 言語分野 中高の国語問題に近い出題内容。
非言語分野 中高の数学問題に近い出題内容。
構造的把握力 論理的思考力や客観的視点を測るテスト。
英語力 中高レベルの英語力が試されるテスト。
性格検査 学生本来の人柄から企業への適性があるかを見極めるテスト。

言語分野・非言語分野・英語力は、中高の学力があればある程度の点数を取ることができますが、学生個人の中でも得意不得意な分野が分かれるため、自分次第で勉強に割く時間も変わってきます。

論理的思考力や客観的視点を測る構造的把握力は、学校では学んだことのないような問題が出題される科目です。さらに、まったく同じ内容の問題が出されることは少ないので、何度も練習問題をこなす必要があるでしょう。

あらかじめ科目ごとの出題内容や勉強方法を把握したうえで対策を進めなくては、「1つの科目に時間をかけすぎた」「勉強したのに出題されなかった」と後悔を招くことも考えられます

記事の後半では例題と一緒に勉強のポイントを紹介するので、一般的なやり方ではなく、自分にあった勉強法を見つけてくださいね。

合格ライン

「テストを受けるなら合格点数の目安を知りたい」と考える人も多いでしょう。

SPIの合格ラインは、企業によって異なるのが特徴です。実施結果は本人ではなく企業へ送信されるため、実際に自分が何点を取ったのか知ることは難しいでしょう

そのため、「企業の合格点」を目指すというよりは、「自分の中での最高ラインを目指す」ことを目的に勉強することがおすすめです。一般的な合格ラインだといわれる7〜8割程度の点数を目指しながら、自分の中での最高点数を更新できるように対策すると、明確な目標ができますよ。

実施形式

SPIは場所や受験方法によって下記の4つの種類に分かれます。

<SPIの実施形式>
形式 特徴
テストセンター リクルートキャリア主催のテスト会場で、用意されたパソコンを使い受験する形式。ほとんどが予約制であり、受験時には事前に性格検査を自宅で受ける必要がある。テスト当日は、1人ずつ出題内容が異なる。
WEBテスティング 自宅のパソコンを使用し受ける形式。場所や時間指定がないため好きな環境での受験が可能。(スマホやタブレットでの受験は基本的に不可)
ペーパーテスト 企業の用意した会場での筆記形式。受験のタイミングは企業の指定であり、説明会と一緒に実施されることもある。
インハウスCBT 応募企業内で用意されたパソコンで受験する形式。実施される傾向は比較的低い。

受験場所・受験期間・受験方法によって、準備するものや心構えが変わってくるので、応募企業が決まっている場合は事前にテスト形式を把握しておくことがベストです

また、SPIは実施形式によって出題内容が変わる特徴を持っています。特にテストセンターでは、同じ形式の受験者の中でも1人ずつ出題内容が異なります。後半では形式ごとの出題範囲も紹介するので、対策を間違えないように必ずチェックしてくださいね。

キャリアステージ編集部

SPIを受けたときの形式を、応募した業界や職種と合わせて教えてください。

R・N 4年生大学

言語と非言語、そして性格検査の3つでした。応募した業界は情報通信業界で業種はシステムエンジニアです。

Y・A 4年制大学

広告業界を受けていた時の形式は、言語・非言語・性格検査が中心でした。ただ、一部企業ではこれに加えて構造的把握力検査も課されました。

H・Y 4年制大学

言語・非言語・性格検査の3つからなる形式が多かったです.応募した業界はインフラ業界、自動車業界で、職種は技術営業職、研究開発職です。

M・W 学習院大学

言語、非言語、性格の場合が多かったです。コンサル企業のなかでは、構造理解を課すような企業もありましたがとてもまれなケースです。

Y・K 4年制大学

形式としては、言語、非言語、性格検査でした。業界としては、デベロッパー、化学メーカー、コンサル、Sler、インフラ業界です。

SPI対策には何が必要? 準備するものを把握してスムーズに進めよう

SPIの基礎が理解できれば、基本情報をもとにしながら、対策に必要なものも把握していきましょう。当日に気付いて時間のロスにならないために、準備するものの詳細や意識しておくべきポイントを解説していきます。

参考書やアプリ

限られた時間内でSPI対策を満足におこなうためには、参考書やアプリの利用がおすすめです。どちらも種類が多いため、勉強スタイルや注力したい内容など、自分にあったものを選びましょう。

SPI対策アプリは内容によって勉強できる科目が異なるので、インストールする前に、どの形式・科目に対応しているかチェックしておきます。

<SPI対策アプリの特徴>
種類 特徴 リンク
キミスカ SPIの言語・非言語・英語分野の対策が可能。5分・12分とタイマー付きで効率よく勉強を進められる。 App StoreGoogle Play
SPI言語・非言語対策問題集 就活/転職対策アプリ 500問以上の問題を解くことができ、繰り返し学習に最適なアプリ。全テスト形式の問題に対応しているので、SPI対策が一通り網羅できる。 App StoreGoogle Play
SPI3 言語能力 問題集 解説付き 言語分野に特化した対策ができるアプリ。問題ごとに詳細な解説があるためスムーズに理解を深められる。 Google Play
SPI言語|しっかり解説の資格試験問題集 SPIの言語・非言語・英語分野の対策が可能。しおり機能や時間制限機能などカスタマイズできるものが多数あり、自分なりの勉強方法で進められる。 App Store

参考書は「苦手な分野がわかりやすく解説されている」「解説よりも問題量が多い」など、特徴がそれぞれあるため、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう

アプリと参考書は周りの人が実際に使っているものをリサーチし、経験談をもとにすると実用性の高いものを選べるのでおすすめです。同級生はもちろんですが、テスト経験者やキャリアセンターなど、専門的なアドバイスをもらえる人にも頼りながら情報を集めましょう。

キャリアステージ編集部

SPI対策で使用したアプリや参考書を教えてください。

R・N 4年生大学

使用したアプリは「SPI言語・非言語対策問題集」というもので、参考書はSPIの赤本(1,700問)があるものを用いていました。

H・Y 4年制大学

「SPI言語・非言語 就活問題集」というアプリを使っていました。解説もあり、スキマ時間でできるので暇なときに使っていました。

M・W 学習院大学

「これが本当の……」対策本シリーズで勉強をしていました。また、言語の熟語に関しては、実際にSPIを受験して出てきた単語を自分でノートにまとめていました。

まとまった勉強時間

「SPIの内容が中高レベルなら直前にやっても大丈夫」と考える人もいますが、テストは科目が多く出題範囲もかなり広いため、要領の良い人でも一通りの対策をするにはまとまった時間が必要です。実際に、対策の平均時間は30〜50時間程度とされています

就活に関する情報解禁が始まる3月1日以降、学生はエントリーや面接準備で忙しくなります。SPIの勉強をする時間がなくなってしまうこともあるので、大学3年の夏頃には余裕を持って対策をスタートできるようにしておくと良いでしょう。

計画表

SPI対策をスムーズに進めるためになくてはならないのが、進行の計画表です。どの項目をいつまでに達成するのかを考え、全体像を把握できるようにスケジュール帳やメモアプリに記載しておきましょう。

詳しいやり方は後半で解説していきますが、計画をうまく立てるコツは、必要な材料を綿密にそろえることです。総合的な時間・自分の勉強スピード・勉強する内容ごとの所要時間など、それぞれを明確にして初めて計画が組み立てられるようになります。

計画表の作成には少し時間がかかってしまうので「時間がもったいない」と感じてしまう人もいるかもしれません。対策スタート後の時間ロスを防ぐためには必要不可欠な作業なので、少し先の自分への投資として、あせらずに準備を整えましょう

内定者の解説付き! SPI対策を進める前に意識すべき3つのコツ

SPI対策を進める前に意識すべき3つのコツ

SPI対策に取り掛かろうとする多くの学生は、テスト内容「ごとの」準備や勉強に目を向けがちです。途中で迷わないようにSPI対策をするには、対策に臨む前提として意識すべきコツを把握し、進む方向を間違えないようにすることも大切です。

ここからは、SPI対策に臨む基盤となる、全体を進めるときのポイントを紹介します。

コツ①勉強時間のバランスを考える

SPI対策では、テスト科目ごとに勉強時間のバランスを考えることが大切です。

<勉強時間のバランスとは>
【悪い例】:すべての科目に使う勉強時間が一定
・言語分野:6時間
・非言語分野:6時間
・英語分野:6時間
・構造的把握力:6時間
・性格検査:6時間

【良い例】:科目ごとに勉強時間の振り分けができている
・言語分野:6時間
・非言語分野:8時間
・英語分野:6時間
・構造的把握力:8時間
・性格検査:2時間

加えて、出題範囲によって自然と勉強時間が必要になる科目や、苦手分野で力を入れたい内容など、テストの物量と自分の理解度に合わせたバランス調整をすることも意識しましょう

<勉強時間のバランス調整の例(Aさんの場合)>
【言語分野】
・物量:暗記系の割合が多いため非言語よりはボリュームが少ない
・理解度:得意分野なので覚えるのは早い
→全体の中でも勉強にかける時間や労力は少なめで問題ないことがわかる

【非言語分野】
・物量:出題範囲・数ともに多いため所要時間は多くなる
・理解度:苦手分野なので遅くなる
→全体で一番時間と労力がかかる分野であることがわかる

Aさんの場合、言語分野は出題範囲が広いものの、得意分野であるため「勉強時間は少なめで良い」と判断できます。一方で、非言語分野は出題範囲も広いうえに苦手なので、「注力すべき科目」であることがわかりますね。

このように自分にあったバランスを考えることで、無理なく対策を進められます。バランスの考え方に悩んだときは、自分と学力が近い同級生や、要領の良い先輩を頼りながら考えてくださいね。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
得意分野は時間をかけず苦手分野を集中的に取り組んで時間短縮

自分が得意な分野や解くことができた問題に対して時間を割かず、苦手な分野や問題を集中的に対策することがポイントです。具体的には、問題集を一度解いたときに正解できたものについては、2周目は解かないようにしました。

反対に、2周とも間違えた問題については印をつけておき、何度も解くようにしました。そして、試験の日には印をつけた苦手な分野・問題を復習しておくことで、効率的に対策していました。

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
わからない問題の理解には力をいれよう

SPI対策の効率化で意識したことは、わからなかった問題をできるだけ反復することです。できている問題は解かずに、わからない問題を中心に取り組むようにしました。

そして、言語は非言語ほどの時間はかけずに取り組みました。言語の熟語系の問題は覚えた分点数に直結しやすいですが、文の並び替えや読解問題などは、点数が上がるまでに膨大な対策時間が必要だからです。そのため、非言語に最大限力を入れて取り組むようにしました。

Y・K
Y・K
4年制大学/文系学部
得意不得意の勉強バランスの意識と定期的な模擬テストの受験が大切

正解した問題はそこまで復習をせずに、間違えた問題を完璧にできるように心掛けていました。すでに正解した問題は解き方がわかっているため、それよりもできない問題に時間を費やして、一問でも多くの問題に正解できるようにしていました。

さらに、定期的に本番のテストも受けるようにしていました。SPIを何度も経験していると、同じ問題や似た問題が何度か出る傾向にあったため、問題に慣れるという観点からも実際のテストを受けるようにしていました。

コツ②勉強方法は「進めやすさ」と「覚えやすさ」を重視する

SPIのように複数・広範囲の勉強に取り組むときは、一般的な勉強方法をベースにしながら、自分の状況に応じた進め方を意識しましょう。

たとえば、「長文読解は先に設問を読むと解きやすい」など、勉強や問題を解くにはある程度決まった型がありますが、すべてその方法に従う必要はありません

「自分は長文問題のときは、問題文を読んでから取り組む方が進めやすい」など、誰しも自分が取り組みやすいやり方があるはずです。

対策を進めるのは自分自身なので、周りに流されず、覚えやすい・進めやすい方法を取るのが一番ですよ。ただし「やりたくない」「この方法は嫌い」といった感情的な判断をしないよう注意も必要です。

コツ③模擬テストで当日のイメージをつける

模擬テストは、本番と同様の時間や進め方でSPIを受験できるサービスです。

「模擬テストはある程度勉強してからするもの」と思う学生もいますが、初めに受験しておくことで当日の雰囲気や進め方を知り、本番のイメージを具体的にすることができます。

ゴールが具体的になれば、そこに向かってすべきことも明確になるので、対策をスタートする前の段階での受験がおすすめです。

もちろん対策後に模擬テストを再受験することも可能なので、対策前後で結果を比較すれば、成長度合いがわかり自信につながるでしょう。自分の力量を客観的にはかることで、対策すべき箇所も明確となるので、やって損はない対策の1つです

キャリアステージ編集部

SPIの模擬テストは何回受けましたか?

R・N 4年生大学

一回受けました。マイナビ主催の模擬テストでした。感想としては、実際のSPIの内容とそこそこ似ているという印象でした。

H・T 4年制大学

おもに使っていたマイナビの模擬テストを2回受けました。大手就活サイトの模擬テストで十分だと思います。

M・W 学習院大学

2回程マイナビで受けました。前回の自分の成績や順位も振り返ることができたので、とても良かったです。大手就活サイトの模擬テストを受けると良いと思います。

【科目別SPI対策】例題17選! 成功者のアドバイスから学ぶ勉強の進め方

ここからはSPIの科目ごとの対策ポイントを紹介します。

前述で紹介した通り、SPIはテスト形式によって科目の出題内容が異なります。表を使いながらわかりやすく解説していくので、これから自分が受けるテスト形式に合わせた対策内容を考えていきましょう。

言語分野|スピードも意識した対策がポイント

下記は言語分野の形式ごとの出題範囲です。テスト時間は実施形式により異なりますが、Webテストとテストセンターは非言語分野と合わせた実施時間となるので注意しましょう

<言語分野:テスト形式ごとの出題範囲>
科目(実施時間) Webテスト(35分) テストセンター(35分) ペーパーテス(30分/非言語と別)
二語の関係
語句の意味 △(熟語の成り立ちのみ出題有)
語句の用法
文章の整列
空欄補助
長文読解

言語分野では、「長文読解」や「語句の意味」が頻出問題となり対策必須の科目といえるでしょう。言語分野全体の対策としては、以下のような2つのポイントを意識することが大切です。

<言語分野 全体の対策ポイント>
・言語の引き出しを増やす
・出題パターンを覚える

国語のテストである性質上、多くの語句が理解できていれば得点につながりやすくなります。参考書やアプリで練習問題を繰り返し、出題パターンと言語の引き出しを増やしましょう。言語分野の内容ごとの特徴・例題・対策方法は下記のようになります。

科目:二語の関係
特徴
最初に提示された二語と同じ関係を探す問題

例題
【問題】
最初に示された二語の関係を考えて、同じ関係のものを選びなさい。
風紀:規律 
ア 輸入:輸出
イ 同意:賛成 
ウ 著名:有名

【選択肢】
A. アだけ
B. イだけ
C. ウだけ
D. アとイ
E. アとウ
F. イとウ

答え:F

対策方法
【解答のポイント】
・問題に出た言葉の関係性を理解する
・漢字から意味を推測する

【対策方法】
・繰り返し練習で語彙力を増やす
・アプリまたは参考書で隙間時間を活用した勉強
・頻出問題を覚えておくことで正答率アップ
<科目ごとの例題>
科目:語句の意味
特徴
設問と意味が一致する言葉を探す問題

例題
【問題】
下線部の言葉と、意味が合致するものを1つ選びなさい。
思いきって実行すること。

【選択肢】
A. 決定
B. 決行
C. 決済
D. 断行
E. 強行

答え:B

対策方法
【解答のポイント】
・問題に出た言葉の関係性を理解する
・漢字から意味を推測する

【対策方法】
・繰り返し練習で語彙力を増やす
・アプリまたは参考書で隙間時間を活用した勉強
・頻出問題を覚えておくことで正答率アップ
<科目ごとの例題>
科目:語句の用法
特徴
設問文の語句と同じ意味の文章を選ぶ問題

例題
【問題】
黄色部分の語に最も近い意味で使われているものを1つ選びなさい。
最近流行っているのはあのゲームだ

【選択肢】
A. 親戚の家に行く
B. 行くのが面倒だ
C. 星のきれいな夜だ
D. 疲れには甘いのがいい
E. 噂は本当だったのだ

答え:D

対策方法
【解答のポイント】
・青文字部分を別の言葉に置き換えて考える
(の→物)

【対策方法】
・繰り返し練習で語彙力を増やす
・アプリまたは参考書で隙間時間を活用した勉強
<科目ごとの例題>
科目:文の整序
特徴
ばらばらに並べられた選択肢を正しい順番に並べ替える問題。文節・文章の2パターンがある。

例題
【問題】
AからEの文を①から④に入れて文の意味が通るようにしたとき、④に当てはまるものを選びなさい。
良い人材を採用して人材不足を解消するためには①②③④

【選択肢】
A. 面接官を複数設定し、
B.採用の場を整えましょう
C .さまざまな視点で
D.判断することが大切です。

答え:B

対策方法
【解答のポイント】
・最初と最後に当てはまる文節を先に考える

【対策方法】
・参考書で繰り返し学習
<科目ごとの例題>
科目:空欄補助
特徴
文中の空欄に入る言葉として正しいものを選ぶ問題。

例題
【問題】
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。「泣きっ面に( )」

【選択肢】
A. 糸
B. 蓋
C. 涙
D. 蜂
E. 板

答え:D

対策方法
【解答のポイント】
・空欄の前後から回答を予測する

【対策方法】
・繰り返し練習で語彙力を増やす
・アプリまたは参考書で隙間時間を活用した勉強
・頻出問題を覚えておくことで正答率アップ
<科目ごとの例題>
科目:長文読解
特徴
1つの長文を読んで設問に答える問題。設問は選択式・記入式とある。

対策方法
【解答のポイント】
・設問を先に読んでおくとスムーズに解答できる
・回答時間を意識して問題を解く

【対策方法】
・参考書だけでなく、日常的に文章を読んで読解力をつける
<科目ごとの例題>

長文読解は、言語分野の対策で一番勉強時間がかかる分野です。繰り返し学習で設問のパターンや解き方を覚えていく方法が一般的ですが、1問解くだけでも10分以上の時間がかかるケースがあります。

言語分野ではどの問題の対策でも、言語力を増やしておくことが一番のポイントです。日頃から気になった語句を調べる癖をつけて、長い目で見たSPI対策をおこないましょう。

就活生が教える! SPIの言語分野の対策で意識したこと

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
短時間・スキマ時間で勉強することを意識した

ここでいう時間はテストでの時間ではなく、勉強のために使う時間です。電車の移動時間やお風呂に入っている時間などの隙間時間で言語の勉強をおこなっていました。

言語分野は暗記していれば解ける問題が多いため、そういった意味でも隙間時間を利用して英単語や熟語を覚えようと意識しました。また、テストを受けてわからなかった単語についても調べるようにしていました。

実際にSPIを受けてみて、受験時間が足りなかった経験をした人もいるのではないでしょうか。時間内に終わらなかったことから、勉強方法を見直したいと思っている人は次の記事をチェックして、どの分野に時間をかけるべきなのか、改めて計画を立ててみてくださいね。
SPIの時間が足りない…デキる人から学ぶ時間不足解消の4つの極意

非言語分野|時間泥棒な問題に注意

次は非言語分野の対策方法について解説します。

非言語分野は言語分野よりも出題範囲が多く、難易度の高い問題が出やすいため、対策に時間がかかりやすい科目です。出題内容は企業によって異なりますが、推論や表の読み取りは高頻出となるので、念入りに対策して正答率アップを目指しましょう

<非言語分野 全体の対策ポイント>
・すべて100%を目指さない
・勉強時間のバランスを考えて進める
・ケアレスミスを出さない

公式は確実に覚えて、点が取れるはずの問題を落とさない様に対策することが大切です。また、問題集で間違えた内容はすぐに復習をして正しい解き方を覚えることも意識しておきましょう。

非言語分野の内容ごとの特徴・例題・対策方法は下記です。

科目:推論
特徴
与えられた情報から正しい順番を導き出す問題。

対策方法
【解答のポイント】
・文章から読み取れる情報を整理して書き出すこと
・絵や図で整理するとわかりやすい

【対策方法】
・参考書を使って繰り返し学習して出題パターンを理解する
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:表の読み取り
特徴
図表の数値を読み取り計算をおこなう問題。

対策方法
【解答のポイント】
・%を割合に変換するときや、数量の認識などを間違えてケアレスミスを出さない様にする

【対策方法】
・数量の表
・割合(%)の表
・2つの表
・得点範囲の表
上記4つの表の解答パターンを覚える
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:集合
特徴
ある結果から、1つの項目に該当する人数などを考える問題。

例題
【問題】
A={1,2,3,4}
B={3,4,5,6}
上記の集合A∪Bを求めよ

答え
A∪B={1,2,3,4,5,6}

対策方法
【解答のポイント】
・文章を読み取り図にして考えを整理する。

【対策方法】
・参考書で公式を覚える
・繰り返し学習
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:場合の数
特徴
何通りの並び方または組み合わせがあるのかを考える問題。

例題
【問題】
1~5までのカードが1枚ずつあり、そこから3枚選んで3桁の数字を作ったとき、
何通り作ることができるか答えよ。

答え:60通り

対策方法
【解答のポイント】
・公式を使用して回答する

【対策方法】
・参考書で公式を覚える
・繰り返し学習
・アプリを使用して隙間時間に学習することも可能
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:確率
特徴
くじ、サイコロ、トランプ、硬貨などを用いて確率を考える問題。

例題
【問題】
2 枚の硬貨を投げて2 枚とも裏になる確率を答えよ。

答え:25%

対策方法
【解答のポイント】
・公式を使用して回答する

【対策方法】
・参考書で公式を覚える
・繰り返し学習
・アプリを使用して隙間時間に学習することも可能
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:金額計算
特徴
割引もしくは損益の計算問題をおこなう。

例題
【問題】
A、B、Cの3人が6000円ずつ出し合って共用の自転車を購入した。お釣りを受け取ったAは、負担を同額にするためにBとCに600円ずつ渡した。自転車はいくらだったか。

答え:16200円

対策方法
【解答のポイント】
・文節から状況を整理して計算していく

【対策方法】
・参考書で繰り返し学習
・損益算の場合は「原価」「仕入れ」などの言語も理解しておく
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:分担計算
特徴
分割払いまたは仕事算の計算問題をおこなう。

例題
【問題】
1つの仕事を完了させるとき、Aは6日間、Bは10日間かかる。この仕事をXとYの2人でおこなうとすると、すべて終わらせるまでに何日かかるか。(2人で処理する場合も時間あたりの処理量は変わらない。)

【選択】
A. 2日
B. 4日
C. 6日
D. 10日

答え
B

対策方法
【解答のポイント】
・文節から状況を整理して計算していく

【対策方法】
・参考書で繰り返し学習
・仕事算の場合は「公約数と公倍数」「分数」「割合と比」を理解しておく
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>
科目:速度数
特徴
追い越し・追いつくのにかかる時間や平均時間を計算する問題

例題
【問題】
A:分速60m、B:分速70mで歩く。1560m離れた所から同時に向かい合って歩き出すと、何分後に2人は出会うか。

【選択】
①10分後  
②12分後  
③13分後  
④15分後  
⑤いずれでもない

答え②

対策方法
【解答のポイント】
・「速さ」「距離」「時間」公式を使用して解答

【対策方法】
・アプリを使って繰り返し学習して出題パターンを理解する
・「速さ」「距離」「時間」公式を覚える
<内容ごとの特徴・例題・対策方法>

非言語分野は悩みすぎて時間経過を許してしまう問題が多数あります。問題を解くときは時間を意識しながら解くことや、1つの問題に熱中しすぎないように注意しておくことも大切です。

数学の問題といいながらも、文章から得た情報を整理する国語的な要素が含まれている部分もあるので、「数字が苦手」などの先入観を持たずにチャレンジしてみましょう。

先輩のこだわりポイントは? SPIの非言語分野で意識したこと

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
時間への意識と形式化した図の書き方を覚えた

時間については、1問当たり1分で解かなければ間に合わないことがほとんどであるため、しっかりとタイマーをセットして解くようにしていました。

そして非言語分野での問題が解きやすいように、形式化した図を書くことも意識していました。分割払いや集合、推論など、図を書けば解答が思いつきやすい分野が多いため、「この問題の場合はこの図を描く」というようにあらかじめ図を描く練習も並行しておこないました。

SPI非言語問題の出題傾向や解き方のコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。苦手を克服した先輩たちのアドバイスとともにチェックしてみてくださいね。
すぐ真似できる! SPI非言語を攻略した内定者の勉強法

構造的把握力|受験形式を調べておこう

論理的思考力や客観視する能力を図るための構造的把握力は、SPIテストの中でも見慣れない問題が出るので対策が必須の科目です。

<構造的把握力:テスト形式ごとの出題範囲>
科目(実施時間) Webテスト(35分) テストセンター(35分) ペーパーテスト(30分/非言語と別)
構造的把握力 × ×

テストセンターでおこなわれるテストであるため、企業が指定した場合のみ実施される内容です。論理的思考力が求められるコンサルティング業界や、難易度が高い大手企業などで実施される傾向が高いといえるでしょう

構造的把握力は出題の中で、題材から文章をグループ分けする言語分野と、計算の文章問題をグループ分けする非言語分野があります。どちらもお題からグループ分けしていく問題であり、難易度は高いので念入りな対策をおこないましょう。

<構造的把握力 全体の対策ポイント>
・先入観を持たずに冷静に分析する
・具体的にすることを常に意識する

<言語系の例題>
問題:次の5つは1人に対する印象について記載された文章です。
下記をA(3つ)・B(2つ)のグループに分けてください。

①彼はとても賢い
②彼の目は青色だ
③彼は背の低い人だ
④彼は楽観的なところがある
⑤彼は寛大な心を持っている

答え:Aグループ(①・④・⑤)/Bグループ(②・③)
<非言語系の例題>
問題:次のア〜エのうち、問題の構造が似ているものを2つ選べ。

(ア)利益率15%になるようにサインペンを1,100円で販売したとき、原価はいくらか。
(イ)自宅から高校までは往復3kmである。5日間通ったとき合計の通学距離は何kmか。
(ウ)5ℓの水がある。3人で均等に分けると1人何mlか。
(エ)20kmのマラソンを2.5時間かけて走ったときは時速何kmになるか。

答え:(ウ)と(エ)

構造的把握力の対策は解き方を理解しておくことがポイントです。例文はどちらも設問を具体的に言語化することで、グループ分けの道が見えてきます。

<【】が指しているものを言語化する>
①彼はとても【賢い】=性格/性質
②彼の目は【青色】だ=見た目
③彼は【背の低い】人だ=見た目
④彼は【楽観的】なところがある=性格/性質
⑤彼は【寛大な心を持っている】=性格/性質
<計算方法を言語化する>
(ア)利益率15%になるようにサインペンを1,100円で販売したとき、原価はいくらか。
=元の数から答えを考えている(掛け算・割り算・足し算を使う)
(イ)自宅から高校までは往復3kmである。5日間通ったとき合計の通学距離は何kmか。
=元の数から答えを考えている(掛け算を使う)
(ウ)5ℓの水がある。3人で均等に分けると1人何mlか。
=全体から答えを考えている(割り算を使う)
(エ)20kmのマラソンを2.5時間かけて走ったときは時速何kmになるか。
=全体から答えを考えている(割り算を使う)

このように設問内容や問題の計算方法など、対象を具体的に言語化して共通項目をつくることで解答を導きます。構造的把握力は同じ問題が出る確率は少ないので、参考書を何度も解くことで出題パターンを覚えて正答率を上げることが得策でしょう。

SPIの構造的把握力の勉強で意識したことは?

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
多くの問題を解いて問題に慣れることで解き方を覚えた

まずは同じ参考書を何度も解いて形式に慣れるようにしました。その後、違う参考書や問題に挑戦し、初めて見る問題でも答えられるかどうかをチェックしていました。

また、構造的把握力検査の問題は独特ですが、形を覚えればそれほど難しくないものもあります。文章の読み方に慣れ、どのように解釈すれば正解しやすくなるのか理解を深めておくようにしました。独特な形式だからこそ、戦略的に考えて対策をしました。

英語力|不用意なケアレスミスには要注意

英語力では、スペルや言葉の意味を一つずつ丁寧に覚えながら、確実に点数を取れるような対策を進めていきましょう。

<英語力:テストごとの出題範囲>
科目(実施時間) Webテスト テストセンター(20分) ペーパーテスト(30分)
英語力 ×

英語力はテスト形式によって出題の有無がはっきりと分かれているので、事前に応募企業の情報を調べられると、対策の必要性が判断できます。業界でいうと商社やコンサルティング企業などの実施が多く、実務で英語の使用を求められるかどうかが一つの基準です。

<英語力 全体の対策ポイント>
・単語の記憶数を増やす
・時間があればTOEICの受験もおすすめ

英語力のテストは高校レベルの内容であり難易度はそこまで高くありません。しかし、テストの点数が高ければ高いほど入社後の評価へと影響する可能性があるため、就活のためだけと考えずにできるだけ高得点をねらいましょう

<内容ごとの特徴>
科目 特徴
同意語 同じ意味の単語を選ぶ問題。
反意語 反対の意味の単語を選ぶ問題。
単語の意味 単語に近い意味の単語を選ぶ問題。
空欄補充 空欄に適切な英単語を選ぶ問題。
整序問題 英単語を並べ替え文章を作成する問題。
誤文訂正 誤っている箇所を指摘する問題。
英訳 日本文の意味を表す英文を選ぶ問題。
長文読解 英語の長文を読んで、質問の回答を選択する問題。
<英語力 例題>
▪️問題(反対語)
次の単語と反対の意味の語を、①から④までの中から一つ選びなさい。
<difficult>
【選択肢】
①interesting
②inaccurate
③power
④easy

▪️答え:④
▪️問題(同義語)
次の単語と最も意味が近い語を,AからEまでの中から一つ選びなさい。
<absolute>
【選択肢】
  ①invincible 
②perfect
③strongest
④Weakest

▪️答え:②

英語力は出題内容ごとの対策をおこなうというよりも、全体の基礎となる単語力を鍛えることがポイントです。どの問題でも単語の理解は必須なので、アプリや単語帳を使用してできるだけ多くの内容を覚えましょう。

SPIの英語対策で意識したことは? 先輩の体験談で学ぼう

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
参考書やアプリの利用で多くの単語を覚えた

私はTOEICを受けたことがあったので、ある程度英語の基礎は完成している状態でした。しかし、知らない単語が出題されることもあったため、単語帳のようなものが必要であると考え、SPIの参考書やアプリなどで対策するようにしました。

わからない単語は、必ず単語帳にメモをしておくこともポイントです。ベッドで横になりながら、寝る前の10分でも復習ができるため、効率的な暗記につなげられたのではないかと考えます。

性格検査|時間をかけずに進めよう

SPIにおける性格検査とは、どのテスト形式でも実施され、学生が持つ本来の性質やストレス耐性などを読み取って自社との適性を図るものです。

解答時間が30分に対し、300問以上の項目に答える必要があるので、1問ずつの解答時間はかなり短く、時間を意識しながら解いていくことがポイントとなるでしょう

ほかの科目と比較すると対策できることが少ないですが、模擬テストを受験してテストの傾向や時間感覚を身に付けておくと良いでしょう。

<性格診断の例題>
以下の質問はあなたの日常の行動や考えにどの程度あてはまりますか。
最も近い選択肢を1つ選んでください。
興味のある事柄について探究するために、多くの空き時間を費やす。

〔選択肢〕
あてはまる
どちらかといえばあてはまる
どちらかといえばあてはまらない
あてはまらない

出題内容は、「あてはまる/あてはまらない」を選ぶ場合と、選択肢の中から選ぶ場合の2パターンです。本番では、あきらかな素行不良や社会不適正が見受けられるような回答は避けておき、基本はありのままで解答します。

SPIの性格検査はどう解いた? 解き方や時間配分のコツを解説!

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
もとめられる人物像を意識してNG解答を避けた

性格検査では、絶対に選んではいけない解答がある程度確立されているため、その解答だけは選ばないように、事前に予習しておきました。

また、企業文化や社員の方がどういった方が多いか、そして社長のメッセージなどから求められている人物像を想像し、回答できるようにしました。

ほか、職種ごとでも求められる回答があると思います。たとえば営業では「成果を第一に考える」「競争が好き」といった考え方があるかをチェックされていると考えていました。そのため、業界・業種ごとの特色も押さえておくことで、企業とのマッチ度が高くなると思います。

プランニング例を紹介|SPIの対策の進め方5ステップ

SPIの対策の進め方5ステップ

対策内容が具体的にできれば、実際にどのようにSPI対策を進めるかも理解していきましょう。ここからは、実際に勉強時間を30時間使用する場合のスケジュールを紹介します。

<対策スケジュール例:30時間の場合>
やるべきこと 所要時間
自分の実力把握 2時間
苦手分野を徹底対策 11時間
頻出問題の対策 10時間
難易度が高い問題の対策 5時間
模擬テストの受験 2時間

SPI対策を30時間でする場合、10日だと毎日3時間の対策時間を確保するようなイメージです。学業やアルバイトと両立しながら毎日3時間を確保するとなれば、少しタイトなスケジュールであることが予想されるでしょう。

SPI対策を余裕がある状態で進めるには、最低でも20日〜1カ月程度確保しておくことがおすすめです。対策を始めようとしている人の状況はそれぞれなので、実際にSPIを受ける日から逆算して、いつから対策を始めるべきかも想像しながら進めてみてくださいね。

SPIの勉強にはどれくらいの時間をかけた?

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
試験日から逆算して考え余裕を持ったスケジュールを計画しよう

SPIの勉強には、1カ月ほどみっちりと時間をかけておこないました。

第一志望の企業の選考でSPI試験があったため、万全の状態で挑めるよう1カ月前から勉強に励みました。

実感としては、1カ月毎日真剣に取り組めば成果を残せるといった印象です。ほか、推論に関しては理系でも難しく感じるため、時間に余裕をもって取り組むべきだと思います。

Y・K
Y・K
4年制大学/文系学部
毎日30分の勉強と定期的な模擬テストの受験を意識していた

SPIのテスト勉強は毎日30分おこなうようにしていました。可能であれば、一週間に一回はテストセンターで本番のテストを受けるようにも心掛けていました。

また、本番でどのような問題が出たのか、解ける・解けない問題は何なのかというのをしっかりと確認するようにしていました。トライアンドエラーを繰り返すことで、徐々にSPIの基本的な問題が解けるようになっていきました。

M・N
M・N
4年制大学/情報科学部
毎日決まったペースでコツコツと勉強を進めた

2週間〜1カ月ほど毎日取り組んでいました。単元ごとに分かれている参考書を買ったので、まずは毎日2単元ごとに進めるようにしていました。一通り参考書を読み終わったあとは、ネット上にある例題を解いたりして基礎力を上げていきました。

ある程度どの問題も解けるようになった後は、模擬テストを受けて解くスピードに慣れるようにしました。そこから苦手な分野や解くスピードを上げられそうな問題を重点的に勉強したうえで、再度模擬テストを受けることを繰り返していました。

ステップ①自分の実力を把握

やるべきこと 所要時間 やることの詳細
自分の実力把握 2時間 ・模擬テストの実施
・テスト結果から分析

はじめに、自分自身の習熟度を把握します。模擬テストを受けてみて、一般的な合格ラインと言われている7〜8割とどれくらい差があるのかを確認しましょう。

本番のテスト内容がわかっている場合は、実際と同じ実施形式で受けることがおすすめです。ただし、模擬テストは受験が一度のみと制限されているものもあるので、事前に確認しておきましょう

模擬テストで自分の現状が把握できれば、苦手分野と得意分野を分析していきます。頭の中で考えるよりも、表にしてわかりやすく整理するといつでも見返すことができて良いでしょう。

ステップ②苦手分野の徹底対策

やるべきこと 所要時間 やることの詳細
苦手分野を徹底対策 11時間 ・苦手分野の解決法を理解
・繰り返し挑戦

次は、ステップ①で分析した、自分の苦手分野を徹底対策していきます。苦手分野は理解するまでにも時間がかかるため、余裕のある開始後に対策をはじめます。

対策方法は科目の内容によって少し異なりますが、基本はその科目の解き方(または勉強方法)を理解し、繰り返し練習問題をこなすやり方です。非言語分野の金額計算が苦手な場合で例を出してみましょう。

<苦手分野の対策方法>
例:金額計算の場合
▪️問題
A、B、Cの3人が6,000円ずつ出し合って共用の自転車を購入した。お釣りを受け取ったAは、負担を同額にするためにBとCに600円ずつ渡した。自転車はいくらだったか。

▪️答え:16200円

①金額計算の解き方を理解する
・解き方:言葉を読み取って情報を整理する
・実例:
「6,000円ずつ」→6,000円×3人=18,000円
「負担が同額になるお釣りが600円」→600×3人=1,800円
→18,000円ー1,800円=16,200円の答えが簡単に導き出される
②情報整理を念頭に置いて、練習問題を繰り返していく

金額計算の問題は計算自体はむずかしくありませんが、言葉がややこしく書かれている傾向があるため、情報整理することが解答の近道です。

また、問題の解き方を理解できれば、設問内容が変わっても答えを導けるようになります。あとは問題練習をこなして慣れていくと、苦手な人でも正答率を上げることができるでしょう。

苦手分野は100%の理解を目指す訳ではなく、模擬テストを受けた段階からのレベルアップを目標としてみてください。得意分野と比較して、理解に時間がかかるのは仕方がないので、現状よりも正答率を上げることができれば十分です。

苦手分野が複数ある場合は、その中で優先順位をつけて時間配分をしながら進めていくことをおすすめします。

ステップ③頻出問題の対策

やるべきこと 所要時間 やることの詳細
頻出問題の対策 10時間 ・パターン、公式、解き方を頭に入れる
・問題集は少なくとも3周程度は解くことを目標にする

次は確実に点数を取るためのステップとして、頻出問題の対策をはじめましょう。

SPIはテスト形式によって出題内容が異なるものの、言語問題・非言語では以下のようなものが出題されやすい傾向にあります。

<出題されやすい問題>
▪️言語分野
二語の関係
熟語の意味
語句の用法
長文読解

▪️非言語分野
順列・組み合わせ
料金問題
仕事算
推論

出題されやすい問題は、パターン・公式・解き方をしっかりと頭に入れておき、何度も問題を解いて自分の中に定着させましょう。問題集は少なくとも3周程度は解いておくことがおすすめです

このステップでは、同時に得意分野の対策も一緒に進めておきましょう。得意分野はある程度理解できているため、復習と練習問題をこなす形で短時間で対策をおこなってみてください。頻出問題の対策の中で問題集に取り組む際に、一緒に得意分野も解いておくとスムーズです。

ステップ④難易度が高い問題の対策

ステップ④は、難易度の高い問題への対策です。みんながつまずくむずかしい問題への対応力をあげておくことで、周りよりも高得点を目指すことができるでしょう。SPIテストの言語・非言語分野で難易度が高いと言われている問題には、次のものがあげられます。

<難易度が高い問題>
▪️言語分野
長文読解
文の並び替え

▪️非言語分野
推論
場合の数/確率

難易度が高い問題は理解までに時間がかかるため、注力しすぎるとほかの対策時間も使ってしまうこともあります。難しい問題は徹底的にマスターしたくなりますが、計画の遂行を優先することも大切です

ステップ⑤模擬テストの受験

一通りの対策が完了したら、模擬テストを再受験します。テスト結果を比較するために、ステップ①と同じ実施形式で受験しましょう。受験後は新たに対策すべき箇所が見えてくるので、残った時間を復習に使うことで、より強固な準備ができます

今回は30時間のスケジュールで紹介しましたが、対策期間が1カ月以上ある場合だとステップ⑤の後も少し時間に余裕があるはずです。ここまでのステップが終わったうえで、まだ時間に余裕があれば、復習が終わったあとに頻出問題・高難易度問題の対策をおこなってさらに高得点を目指しましょう。

模擬テストは数回受けておき、本番で緊張せず実力発揮できるように慣れておくこともおすすめです。

超特急のSPI対策! 直前でも選考突破を目指すポイントを紹介

ここまでは、一定の時間を使ってSPI対策をするための方法を紹介しました。しかしSPI対策を始めようとする人の中には、テストが直前にせまり、ゆっくり計画を立てている場合ではない人もいるでしょう。

最後は、時間がないときでもSPI試験の突破を目指せる対策法を紹介します。経験者のアドバイスにも耳を傾けながら、今の自分にできることを見つけてくださいね。

キャリアステージ編集部

SPIの対策で「これだけはやっておいた方が良い」というものは何ですか?

R・N 4年生大学

非言語だけはやっておいた方が良いと思います。そのなかでも特に推論は対策をしておいたほうが良いでしょう。体感ですが、頻出度が最も高かったです。

H・T 4年制大学

非言語の対策をおこなっていれば問題ないと思います。SPIの勉強はほぼしていないのですが、あまり落ちることはなかったので、公式だけでも確認しておくといいと思います。

M・W 学習院大学

SPIを受けたときに自分が解けなかった問題をノートに書き出して、暗記することです。大学への通学時間なども利用して勉強すると良いでしょう。

得意科目や頻出問題を中心に対策する

SPIの受験まで時間がない場合、一通りの出題範囲を勉強しようとして、広く浅く対策をしてしまうことがあります。

短時間の対策では、全体の勉強をまんべんなくするのではなく、得意科目や頻出問題に力をいれましょう。具体的には、自分が覚えやすい・進めやすいものから取り組んでいき、時間に余裕があれば、難易度の高い問題や苦手分野をカバーしていく方法が有効です。

限られた時間で効率よく進める必要があるからこそ、優先順位を明確にして進めることが大切です。

自分の得意・不得意を把握する

SPI対策を短時間でこなすときほど、自分の得意・不得意分野を把握しましょう。前述でもお伝えしたように、時間がないときほど問題を解く力をいかに上げるかが重要です。

得意・不得意の分析をする時間が無駄に感じてしまう人もいますが、時間がないからこそ、自分の傾向を把握し、時間配分をしたうえで対策を進めることが何よりの近道となるでしょう

自分の得意・不得意の把握には、模擬テストが適しています。予約して受験する時間がない場合は、アプリやWebで即日受けられるもので実力を測ってみてください。

問題を繰り返し解いて傾向をつかむ

時間がない場合のSPI対策では、余裕があるときのように模擬テストを何度も受けることができません。そのため、本番をイメージした受験ができず当日に時間切れを起こすリスクもあるでしょう。

そこで、時間切れを防ぐ対策として、頻出問題を繰り返し解いて問題の傾向をつかんでおきます。問題の傾向がわかると、出題パターンを覚えられるので、当日の解答スピードのアップにつながるでしょう

繰り返し問題を解くことで、正答率アップにもつながるので、短時間で効率よく対策を進めたい場合はぜひチャレンジしてくださいね。

スキマ時間もあなどらずに勉強に使う

SPI対策の時間がないと悩んでいる人の多くが、まとまった時間の確保へ注目しがちです。

SPIは繰り返し学習が必要な科目が多いため、移動時間や授業の合間などのスキマ時間で対策を進めることも可能です。「少しの時間しかない」と諦めずに、効率よく時間を使うように意識してみてください。

もちろんテストの中には、長文や文の並び替えのように机に向かって一定の時間を確保しなくてはいけない内容もあるでしょう。上手にバランス調整するには、対策まで時間がなくても、計画表を作成して全体像を把握して動くことが大切です

参考書やアプリをうまく活用しながら、時間がない中でも少しずつ対策を進めれば、テストの突破も目指せますよ。

SPI対策の成功には念入りな準備が物を言う! 経験者からの情報収集も忘れずに

SPI対策は範囲が広く、いきなり始めてしまうと進め方に迷って時間のロスにつながることがあります。時間がかかるものだからこそ、事前の準備を念入りにおこない、迷わない計画を立てることが大切です。

対策の進め方に迷った場合は、経験者がどう乗り越えたのかも参考にして進めることで、自分に合った対策方法が見つかるはずです。時間が限られている就活期間だからこそ、焦らずに1つずつ前に進みましょう。

編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる