先輩から学ぼう! SPIの結果の予測方法と試験対策を押さえて就活を有利に進めよう
就活を進めていくうえで避けては通れないSPI。詳しい試験結果が知らされないと聞いて戸惑ったり、良い結果を残すためにどのように対策をすれば良いか悩む人も多いのではないでしょうか。
記事では、SPIで良い結果を得るための勉強方法と「結果の予測方法」を先輩の経験談を交えながら解説。この記事を読めば有効なSPI対策だけでなく、SPIの結果を企業がどのように見ているかも理解することができます。
「SPIについてノーマークだったから面接にたどり着くことができない」なんてことがないように、ポイントを押さえながら対策を進めていきましょう。
「そもそもSPIってどのタイミングで受けるの?」「SPIは必須なの?」など、就活初心者の人は、就活の流れについても自信がないことがあるでしょう。ぜひこの記事を読んで、いますべき対策や基本的な就活の流れを押さえましょう。
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玉手箱・SPI-WEBの頻出問題を網羅!
まずはSPIの概要を押さえよう
SPIは、就職活動において避けては通れない関門の一つです。多くの企業が採用に活用しているため、事前にしっかりと対策を行い、本番に臨みましょう。
ただ、やみくもに対策を始めるのではなく、SPIとはどのようなテストなのか、まず概要や形式を把握しましょう。対策を開始する前に押さえておきたいポイントを紹介します。
SPIとは
SPIは「Synthetic Personality Inventory」の略で、リクルートマネジメントソリューションズが開発した、学生の能力や人となりを把握するための適性検査です。
就活において、多くの企業が採用選考で導入しており、学生の性格や能力を客観的に測るための重要なツールとして使用されています。
検査内容は能力検査と性格適性検査の2つです。検査時間は全体で100分(能力検査70分、性格適性検査30分)で、選択肢式で出題されます。SPIは、就活において自分をアピールし、志望企業に合格するための重要な武器となります。しっかりと対策をして、自信を持って臨みましょう。
Webテスト対策にあたってはこの記事が参考になるはずです。内定者の体験談を交えながら、テストの種類や対策の進め方まで、徹底的に解説しています。
Webテスト対策で重要な4つのアクションとは|経験者の体験談付き
SPIの形式
SPIには次の4つの受検形式があり、どの受検方法になるかは企業によって異なります。
SPIの受検形式
・ペーパーテスティング
・テストセンター
・Webテスティング
・インハウスCBT
新卒採用では主に「テストセンター」と「Webテスティング」で実施されることが多く、特に新型コロナウイルス感染症が発生して以降は、自宅で受検できる「Webテスティング」を取り入れる企業が増えてきています。
それぞれの受検形式ごとの特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。
①ペーパーテスティング
マークシート方式の筆記試験は、企業が指定する会場において、紙媒体の問題に対して解答する選考方法です。一部の企業では、英語の能力も評価対象となる場合があります。
筆記試験は、多くの受験者が同条件下で受験するため、公平性を重視し、短時間での正確な解答能力を測るために採用される傾向があります。
②テストセンター
「テストセンターは、専用の試験会場に設置されたパソコンを使って受験する形式です。近年では、自宅などからでも、専用のシステムを通じて監督者の監視のもと受験できるオンライン形式も増えています。
企業によっては、英語や図形問題などの追加試験を実施する場合もあります。受験者は、都合の良い日時と会場を選んで予約し、試験を受けます。
テストセンターの大きな特徴は、不正行為を防ぐための監視が徹底されていることと、一度取得した試験結果を複数の企業の選考に利用できる点です。特に、直近の好成績を複数の企業に送ることで、選考のチャンスを広げることができます。
③Webテスティング
Webテスティングは、自宅や学校などのインターネット環境に接続できるパソコンから解答する受験形式です。
インターネットに接続できる場所であればどこでも受検でき、指定された受検期間内で学生が自由に受検日時を指定できます。利便性が高いため、導入している企業が多く、新型コロナウイルス感染症以降は、SPIの受検形式として取り入れる企業が増えてきています。
④インハウスCBT
インハウスCBT形式は、応募先の企業を訪問して、用意されたパソコンで解答する受検形式です。
企業のオフィスなどで受検をするため、面接とSPIを同時に実施することが可能です。また企業のニーズに合わせた試験を実施できるという特徴があります。
SPIをどんな形式で受けることが多かった?
Webテスティングがほとんどでした。確実ではないものの、大手企業がおこなっている適性検査はテストセンター形式が多いという印象でした。
Webテスティングが多かったです。業界問わずWeb上のテストが多かったため、そのほかの傾向はよくわかりません。
Webテスティングを受けることがほとんどでしたが、大企業やグループ企業の親会社を受けて、その結果をいくつかの企業のインターンや面接などで使いまわせるものはテストセンターの形式が多かったと思います。
SPIのテストセンター受検を初めて受ける時は、疑問や不安がたくさんありますよね。次の記事では、SPIのテストセンター受検の流れや、先輩たちの体験談を紹介しています。気になる人は、ぜひチェックしてみてください。
SPIのテストセンター受検完全マニュアル|体験談から注意点を解説
企業がSPIを実施する目的とは? 理解して選考突破を目指そう
企業が採用の一環としてSPIを実施する目的は、面接や履歴書などの書類だけではわかりにくい学生の性格、思考力や論理性などを客観的に把握するためです。
学生の適性や資質を可視化することで、企業にマッチしているかどうかを判断し、内定辞退や退職などのミスマッチを防ぐことがねらいです。さらに、適切なポジションへの配属や育成計画を立てる際の指標として用いられることもあります。
SPIの目的をしっかり理解したうえでポイントを抑えて対策をしていきましょう。
能力検査
SPIの能力検査は、働くうえで必要とされる基礎的な能力を測る検査です。具体的には、「言語分野(国語)」「非言語分野(数学)」の2種類で構成されています。
-
言語分野
言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できる力 -
非言語分野
数的な処理や、論理的な思考力
能力検査では、言語力や計算力といった基礎学力に加え、論理的思考力や、新しい知識・技能の習得などのベースとなる一般常識などがどれくらい身に付いているかを測っています。
企業によっては、語学力を測る目的で「英語」を導入している企業や、物事の背後にある共通性や関係性を読み解き、論理的に思考する力を測る目的で「構造的把握力」の問題が出題されることもあるので、対策をしておきましょう。
SPIの非言語問題対策を進めるにあたって、この記事を読むのは必須です。現役就活生の体験談をもとに、対策を練っていきましょう。
すぐ真似できる! SPI非言語を攻略した内定者の勉強法
性格適性検査
SPIの性格検査では、受検者の考え方や行動などに関する複数の質問があり、自分にあてはまるものを回答します。目的は、学生の性格、人との接し方、仕事への取り組み方、ストレス耐性、どのような業務や組織に向いているかなどの特徴を把握するためです。
性格検査の質問は約300問、回答時間はおよそ30〜40分です。
結果をもとに、応募企業の業務や社風に合うかどうか、入社後どのような部署に配属すると良いかなどが判断されます。ミスマッチをなくすために、自分をよく見せようとせず、性格や考え方をありのままに答えるよう心掛けましょう。
性格検査を通して、回答の矛盾や不一致がないかを確認されます。一貫性がない場合は強みを適切に判断されづらいほか、虚偽の回答と判断される可能性があるため、正直に回答するよう注意しましょう。
性格検査の結果と面接の質問に関係性を感じたエピソードを教えて!
性格検査を受けて、「チームで取り組んで何か成し遂げたことはありますか?」であったり、「あなたはよくどういう人だと言われることが多いですか?」という質問をされることがありましたね。
面接を受けるうちに、性格適性検査で答えた内容と異なる部分があれば違和感を持たれるのだと感じました。そのため、自分が協調性を大切にする人間であるのか、それとも自分が一番になれるよう、仲間と競ってでも有利に立とうとする人間であるのかについて、価値観をはっきりさせておく必要があると感じ、自己分析の際にはその部分を意識して対策しました。
将来のキャリアビジョンについて聞かれたときに、「性格適性検査を見ると、作戦を考えたりするのが得意なようだけど、そういった方向には興味ないの?」などのように聞かれることがしばしばありました。
このように性格適性や能力診断の結果を踏まえて質問されたときは、基本的に否定はせず「確かにそういう事が好きで得意だという自覚があるので、将来的にはやりたいと思います。しかし、そのためにはさまざまな経験が必要だと思っているので、現時点ではこのようなキャリアビジョンを考えています。できるだけ早く成長してそういった業務に携わりたいとは思っています」
というように答え、柔軟性や成長意欲をアピールしていました。
内定者たちが気付いたSPIで測られる力と業界・企業の関係性
選考を受ける中で、企業や業界によってSPIで測られる力や合うとされる性格に差を感じたことはありますか?
能力検査では点数によるボーダーの差は感じたものの、難易度に差はあまり感じませんでした。しかし性格検査では協調性を重視するのか、競争性をもとめるのかは企業によって変化するため、必ずしも正解があるわけではないな、と感じたことがあります。
旅行業界の企業の新卒採用部と面談をした際に、性格診断と能力検査の一部を見ながらお話をさせていただく機会がありました。「このような特性は○○という職種に向いている」だったり「こういう特性があるから、うちでは○○も経験してほしいな」などと言っていただきました。その企業では特に性格や特性を重要視している印象で、その人が目指すキャリアと性格が合っているかを面接で注意深く見られたように思います。
SPIの結果にまつわる実態を徹底調査! リアルな体験談付き
SPIの概要を理解したところで、ここからは結果に関する実態を先輩の体験談をもとに解説します。 SPIは難易度こそ難しいものではありませんが、「どれくらい答えることができたのか」「点数は企業の求める水準を超えることができたのか」など、気になる学生は多いでしょう。
「結果はいつごろどのように知らされるのか」など、多くの学生が抱くであろう疑問について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
SPIの結果は受検者に知らされないって本当?
SPIの結果はどのように受検者に知らされるのでしょうか。結論から言うと、問題それぞれの正誤が受検者に通知されることはありません。
SPIの採点は、どの受験形式であってもシステムによっておこなわれ、結果は「報告書」というかたちで企業に通知されます。あくまでも企業の判断材料の一つであるため、企業に結果を問い合わせたとしても教えてもらうことはできません。受検者が知ることができるのは、選考の合否のみとなります。
SPIの結果を気にしないようにするために何をした?
SPIの結果を気にしないようにおこなっていたリフレッシュやマインドセットがあれば教えてください!
結果が出るまでは出た問題を解き直すなどの振り返りをしないようにしていました。解き直しや自己採点の結果を知ることにより、本来の結果が出るまでの間、気持ちを左右されたくなかったためです。
結果がわからず、ほかの企業の面接対策が手につかないという状況は体験したことがあります。しかし、その存在を忘れるほど数多くの企業にエントリ―しておくことで、あえて忙しい状況を作り出し、マインドコントロールをするようにしていました。
合否結果が出るのはいつごろ?
SPIの結果を知ることはできませんが、エントリーの段階でSPIを受ける際に、エントリーシート(ES)合否がわかる目安はいつごろになるのでしょうか。
企業によって前後しますが、受検者に合否結果が届くまでの目安は、約2週間です。早いところでは3日ほどですぐに結果を通知してくれる企業もありますが、遅い企業だと3週間から1カ月弱かかる場合もあります。
結果の通知は企業によって前後するため、2週間程度経過して連絡が来なかったとしても、むやみに企業に問い合わせないようにし、1カ月程度経過したり、何か理由があって結果を急ぐ場合に問い合わせを検討しましょう。
SPIの結果はいつ来た?
SPIの合否結果は企業によって変わりますが、Webテストに関しての連絡は2週間以上かかっていました。不合格の場合は特に時間がかかる様子で、かつ応募者が多い企業であればなお遅く感じました。
実際、大手企業では不合格だったうえにその結果の連絡が来るまで1カ月かかったケースも多く、せっかく面接の練習をしていたのにと非常に悔しい思いをする経験もありました。
結果が来るまで油断せずに汎用的な面接練習をおこなおう
結果が来るまでの間でも油断せずに、できるだけ受ける企業は増やし、第一志望の企業のみ集中的に練習するのではなく、全体的に対応できるようにしておくのがおすすめです。
業界ごとにパターンを分けた回答内容を考えるなど、汎用的な練習をおこなうことが重要であると同時に、このようなリスク分散をおこなうことで、自分のメンタルを安定な状態で保ち、「また次に行けば良い」と心を身軽にできます。
面接内でSPIの結果を用いることもあった!
面接やリクルーターとの面談、インターンなどでSPIの結果を参考にする、とあらかじめ伝えられている状態で、受験することが多くありました。そのときは次回の面接が決まっていたので、わざわざ合否や内容についての連絡はありませんでした。
受験後のSPIや性格検査の結果は、リクルーター面談や面接で内容を参照して質問や話が進むような印象を受けました。具体的には、その企業でのキャリアを選択する中で、「あなたにはこういう能力や性格適性があるから、こういった職種での活躍が期待できる」という話や、提示された適性のある職種に対して自身は興味があるか、といった話を多くされました。
検査の結果から自己分析をする面談をしたことも
たまに、SPIなどのテストの結果をオンラインのツールで共有しながら一緒に見て、こういう所が強みだよね、と話す自己分析などのような面談になったケースもありました。特に、大企業など職種が明確に分かれている企業では、面接の際に希望職種の話をよく聞かれ、事前に受験したSPIの話などが出ることが多かったように感じます。
SPIの結果も含めて、選考の結果がなかなかわからずもやもやした経験がある人もいるのではないでしょうか。不安な気持ちを解消する方法や、企業に問い合わせたいときの流れを、リアルな声から学びましょう。
選考結果が来ない|現役就活生から学ぶ不安解消法と問い合わせ方
就活生たちが実際に試した! SPIの結果を予想する方法
SPIの結果は、自分自身で確認することはできませんが、受検形式によっては結果を予想することができます。
ここからは、先輩たちが実際に試したSPIの結果を予測する方法について解説していきます。応募する企業が採用している受検形式や過去問題に関する情報をOB・OG訪問などで事前に把握し、就活を有利に進めましょう。
能力検査:出題される問題から結果を推測する
能力検査では、出題される問題から結果を推測することができます。なぜなら、テストセンター、WebテスティングやインハウスCBTといったパソコンを使用した能力検査では、正答率によって次の問題の難易度が変わるシステムになっているからです。
問題を解くにつれて徐々に難易度が高くなってきていると感じられれば、受検者の得点は高いと判断できます。ここからは、出題されると高得点の可能性が高いと思われる問題について、「言語分野」と「非言語分野」に分けて解説していきます。
言語分野
言語分野において、正答率が高い場合に出題されるのは「長文問題」です。限られた時間の中で長文を効率よく読解し解答しなければならない長文問題は、言語分野の問題として難易度が高いと捉えられます。
また、与えられた情報の中で正しいと推測できる選択肢を複数選ぶチェックボックス形式の問題が出題された場合も高得点の可能性が高いといえるでしょう。
正解の選択肢がいくつあるのか示されていない中で、1つの問題に対して複数の選択肢を選ばなければならず、一問一答の問題よりも難易度が高いからです。
つまり、長文問題が数回出題された場合や複数の選択肢を選ぶチェックボックス形式が出題された場合、正答率が高く高得点の可能性が高いと判断することができます。
非言語分野
非言語分野において、表の読み取り問題が「4タブ形式」で出題された場合は正答率が高く高得点の可能性が高いといえるでしょう。
「4タブ形式」とは、1つの大問に対して4つの小問がある形式です。タブごとにそれぞれ問題が表示されています。
また、出題される空間認識や図形把握の問題が難しくなれば、正答率が高くなっている可能性があります。SPIの能力検査は、正答率が高いほど難易度が上がっていく仕組みになっているためです。
SPIの結果を予測するためにみんながしていたリアルな対策とは
SPIの結果を予測する方法を教えてください!
SPIの結果の予測は、確実に解法が思いついた問題は正答と考え、解法が思いつかなかった問題のみ数えて、正解率を算出していました。また、実際に出題されている問題に難易度の高い推論が多い場合は点数が高い傾向にある、という仮説で予測しました。
テストをおこなっている最中に、飛ばした問題と不安が残った問題とをそれぞれ正の字で数えていました。不安な問題のうち半分は正解した、と仮定して成績を予想していました。
できなかった問題の数と少し不安だった問題数をチェックし、そこから正答率を見て点数を考えるようにしていました。正解を多めに見積もるよりは、間違いを多めに見積もっておいた方がメリットに働くことの方が多かったです。
せっかく結果を予想したのに的外れだったことはある?
SPIの結果が予想と異なった経験はありますか?
対策の成果が出たのか、解くスピードはばっちりで時間内にすべての問題を解き終えることができていました。しかし、不合格でした。些細な計算ミスなどが原因だったと思われます。
あります。予測した結果と異なっている原因はおそらく計算ミスであると考え、そこからは、計算のスピードと正確さを意識して問題に取り組むように対策しました。
能力検査:過去問や模擬試験の結果を参考にする
過去問や模擬試験の結果を参考にし比較することは、正答率や結果を予想するのに効果的です。模擬試験の得点や正答率がそのまま自分の実力として参考になるだけでなく、過去の問題の難易度と比較することで、正答率が高いか低いかを比べることができます。
たとえば、過去問と比較して難易度が高い問題であれば正答率が高いと判断することができます。
性格適性検査:結果の予想は難しい
性格適性検査は、質問に対する明確な正解不正解がないがゆえに結果が気になる人も多いのではないでしょうか。しかし、性格適性検査は企業との相性を判断するための材料の一つであり、評価の基準や合格ラインは企業によってさまざまなので、結果の予想は困難といえます。
大切なのは、企業の合格ラインに入るように意識して回答することではありません。無理に企業に合わせようと回答すると、他の回答や面接での受け答えの内容で矛盾が生じ、信頼性を失う恐れがあります。仮に入社できたとしても、社風が合わず、退職につながるかもしれません。
ミスマッチを防ぐために、自分を良く見せようと本来の意図や思考と異なる回答をするのではなく、ありのままの自分で答えるようにしましょう。
SPIの結果は企業にどう見える? 評価基準をのぞき見!
学生の能力や適性を測るSPIですが、企業はどのように試験結果を見ているのでしょうか。ここからは企業が見ているポイントや評価基準について詳しく解説します。
企業の評価ポイントを理解することで、受検対策や勉強方法のコツがつかめるはずです。評価のポイントを理解したうえで効果的に対策を進めていきましょう。
能力検査|偏差値に応じて評価される
能力検査は、点数ではなく偏差値で段階に分けて評価されます。パソコンを用いた試験の場合、受検者の解答状況によって問題内容や難易度が異なり、一律に点数をつけることが難しいためです。
企業には「言語分野」や「非言語分野」といった各分野ごとに段階別の評価が結果として提示されます。合格ラインは企業によって異なりますが、人気の企業はエントリー数が多く、偏差値の合格ラインは上がる傾向にあることを押さえておきましょう。
そのため、大手企業を志望する学生は周囲と差をつけるためにも、平均以上の成績に達することができるように、入念に準備をしておくと良いでしょう。
性格適性検査|各項目に応じた分析結果が提示される
性格適性検査は、学生の回答から導き出される性格や行動特性を、企業が求める人物像と照らし合わせて分析するものです。
SPIの報告書では、この性格分析が詳細に記載され、企業の採用選考において重要な判断材料となります。多くの企業が、能力だけでなく、人との協調性や問題解決能力といった性格面を重視しているため、性格適性検査の結果は、学生の就職活動において大きな影響力を持つと言えるでしょう。
①カスタマイズ指標
SPIの性格適性検査には、カスタマイズ指標と呼ばれる企業独自の評価指標が設定されています。カスタマイズ指標は、協調性、自主性、チャレンジ精神など企業がもとめる人物像を具体的に表した指標であり、選考基準の一つとして重要なデータです。
たとえば、チームワークを重視する企業であれば、「協調性」の高い候補者を評価するでしょう。では、カスタマイズ指標で企業が評価している点を知るためにはどのようにしたらよいのでしょうか。
答えは企業の採用ページに掲載されていることが多いです。採用ページには「もとめる人物像」が提示されていることが多く、企業が評価するポイントが記載されています。
②職務への適応のしやすさ
SPIの性格適性検査では、協調性、積極性や課題遂行力など、14の項目から学生の強みや弱みを分析しています。営業、事務、企画など、様々な職種への適性を5段階で判定し、ストレス耐性や新しい環境への適応力など、入社後のギャップを防ぐための指標としてとても重要視しているのです。
SPIは通過点の一つです。無理に背伸びせず、自分の考えや価値観に正直に回答しましょう。大切なのは企業とのミスマッチを防ぐこと。評価につながる結果を残すことも重要ですが、結果に一喜一憂することなく、自分の強みや弱みを理解し、企業との相性を見極めましょう。
③組織への適応のしやすさ
性格適性検査には「組織適応性」という項目があります。具体的には、創造性、協調性、規律性など、6つの要素から学生の適性を分析し、チームワーク重視、成果重視など、さまざまな組織文化への適応度を5段階で判定しています。
この組織適応性を測ることで、学生が自社の組織文化にマッチするかどうか、入社後にスムーズな職場生活を送ることができるかどうか、すぐに活躍できるかどうかなどを見極めています。
この組織文化への適応度は、長く活躍できるかどうかを判断する大切なポイントです。企業に寄せようとせず、自身の価値観が正しく反映できるように回答しましょう。
企業とのミスマッチを防ぐためには企業分析も重要です。企業分析のやり方についてはぜひこちらの記事を参考にしてみましょう。
企業分析の4つの極意|経験者に聞く効果的なやり方と活用方法
④性格的な特徴
SPIの性格適性検査には「性格的な特徴」という項目があります。学生の性格や価値観、行動傾向を分析するものであり、報告書の中でも多くのスペースを割いています。多くの企業が重要視しているといっても過言ではありません。
具体的には、4つの側面のなかにあるそれぞれの性格的特徴から学生の個性や強みを分析し、仕事において重要な能力を評価しています。
行動的側面 | 社会的内向性 |
内省性 | |
身体活動性 | |
持続性 | |
慎重性 | |
意欲的側面 | 達成意欲 |
活動意欲 | |
情緒的側面 | 敏捷性 |
自責性 | |
気分性 | |
独自性 | |
自信性 | |
高揚性 | |
社会関係的側面 | 従順性 |
回避性 | |
批判性 | |
自己尊重性 | |
懐疑思考性 |
企業は、採用活動を通して学生が入社後にどのように活躍をしてくれるかを見極めようとしているため、SPIを通じてその学生にどのような特徴があり、自社にマッチするかどうかを確認しています。
ゴールは内定をとることではありません。入社後にミスマッチを起こさないよう、自分をよく見せようとせずに正直に回答するようにしましょう。
⑤面接で確認すべきポイント
企業は、SPIの結果を基に、面接でより深く学生のことを理解したいと考えています。性格適性検査の結果に表れた性格特性には、学生の強みやポジティブな側面もあれば、反面ネガティブな側面も秘めています。
たとえば、向上心の高い人は、その反面、向こう見ずに突き進んだり、迷走したりしてしまうといった懸念事項です。そこでSPIの報告書には、性格特性をもとに、ネガティブな側面がないかを確認するための質問例が記載されているのです。
向上心が高い反面迷走してしまう懸念がある人への質問例
「物事に取り組んでいるときに周りの人と自分が違う行動をしていると感じた経験はありますか?」
これまでの学生生活などの中で、性格特性のネガティブな側面について掘り下げて質問されることがあるため、自身の強みや弱みを把握し、どのように行動してきたかなど具体的なエピソードが話せるように準備をしておきましょう。
SPIで良い結果を得るために先輩が実践した勉強方法
SPIは、出題された問題を正しく理解し、処理する力を測るテストです。そのため、漢字を丸暗記するなどの付け焼刃な対策では、良い結果を得ることは難しいといえます。
本番で自分の実力をきちんと出し切れるように、受検方法や形式に慣れておくことが重要です。ここからは先輩たちが実践してきた、良い結果を得るための勉強方法について解説していきます。きちんとした準備をして、自信を持って挑めるようにしましょう。
①早い時期から勉強を始める
SPIの対策を始めるタイミングは、志望業界によって異なりますが、受検時期の約3カ月前が目安です。受検時期から逆算して勉強を始めましょう。
たとえばインターンの参加を検討している場合、選考でSPIの受検が必要な場合は、大学2年生ごろからテスト対策が必要な場合もあります。
SPIは特別難易度が高くはないものの、解き方を知らなかったり慣れていなかったりすると、高得点は狙えません。就活が本格化すると選考対策などで忙しくなるため、余裕のある時期からスタートすることがおすすめです。
SPIの対策をいつ始めましたか?
大学3年生の秋頃から始めました。3カ月もあれば満足のいく対策ができると思います。私の場合初めてのテストまで2週間しかなく、あまり対策できていませんでした。
大学3年生の10月頃に始めました。始める時期としては、SPIが必要な企業の受験時期の一カ月前くらいが目安です。一カ月あれば十分な対策ができると思います。
②問題を繰り返し解く
SPI対策において最も重要なのは、反復練習です。様々な問題集に手を出したくなる気持ちはわかりますが、1冊の問題集を徹底的に解く方が効果的です。
なぜなら、SPIの問題は解き方が似ているものが多く、1冊を深く掘り下げることで、様々な問題に対応できる力がつくからです。また、解くたびに間違えた問題や苦手な分野を洗い出すことで、効率的に弱点克服を進めることができます。
SPIの参考書の例
・『これが本当のSPI3だ! 2025年度版』 (講談社)
・『2025最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集』 (ナツメ社)
・『SPI3&テストセンター出るとこだけ!』 (旺文社)
みんながおすすめする勉強方法とは
SPIを勉強する際におすすめの問題集やアプリ、ツールがあれば教えてください。
YouTubeには本当にお世話になりました。講義形式で動画が展開されており、SPIを初めて学ぶという時期に、かなり効率的に勉強を進めることができました。
私は「SPIノートの会」という参考書を使用していました。時間がないときは、「SPI 公式」などで検索して解き方を大雑把に復習していました。
③隙間時間を活用して公式を覚える
就活では、SPIをはじめ、自己分析や企業研究など、やるべきことがたくさんあります。そんな時は、移動時間など、ちょっとした空き時間を利用して、少しずつ対策を進めていくと良いでしょう。
SPIの非言語問題の中には、数学の公式を理解していれば、スムーズに解ける問題もあります。SPIは、短い時間内にたくさんの問題を解く試験なので、解くスピードを上げるために、すべての公式を暗記するように心がけましょう。
公式の使い方を理解しておくことで、応用問題にも対応しやすくなるためおすすめです。
内定者おすすめ! この公式を覚えておこう!
SPI対策をするにあたって、覚えておいた方が良いと思った公式やすべき対策があれば教えてください。
濃度算をはじめとした、時間短縮になる解法があるものは、すべて手が覚えるくらい書いて解くと良いと思います。
解法などの全般に言えることですが、必ず毎日練習問題に取り組むようにしましょう。期間を空けてしまうと忘れてしまうことが多いため、なるべく習慣になるように気を付けてください。
確率の公式は覚えておいて損はないと思います。また、解の公式も覚えておくとXを求める計算を解く際に便利です。
④模試を受ける
SPI試験は、短い時間で多くの問題を解くスピードと正確性が求められるため、時間との戦いとも言えます。そのため、事前の十分な練習が合格への近道です。
SPIで高得点を取るためには、模擬試験を繰り返し、時間配分を徹底的に練習することが大切です。問題を解く際は、得意な問題から解く、わからない問題は一旦飛ばして後回しにするなど、自分にとってもっとも効率的な解き方を見つけることが重要です。
また、模擬試験を受ける際は、本番さながらの環境で練習することで、本番での緊張感を軽減することができます。時計を見ながら問題を解く、決められた時間内に解答用紙にマークするなど、本番と同じような条件で練習することで、本番でのミスを減らすことができます。
SPIの模試を受けることができるサイトの例
・SPIオンライン
・SPI対策模試
・SMART SPI-G
現役就活生が伝授! SPIの結果を使い回すときに押さえるべきポイント
SPIは、基本的に受検した企業ごとに毎回おこなうものですが、テストセンターの場合は前回の結果を使いまわすことができます。
複数の企業を受ける学生にとって、結果を使いまわすことができるテストセンターはとても魅力的なシステムです。新しく予約をして受検をする手間が省けるだけでなく、体調不良などのコンディションによって点数が下がってしまうリスクを回避することができます。
しかし、結果を使いまわす場合はいくつかの注意点があります。詳しく解説しますので、必ず押さえておきましょう。
結果の使い回しができるのはテストセンターのみ
テストセンター形式の場合に限り、一度受検した結果を複数の企業で使い回すことができます。他の受検形式では使い回しはできないため、受検形式をきちんと確認しておきましょう。
前回の結果を使い回したかどうかは企業には通知されません。別の企業の使いまわしが発覚して志望度が疑われるようなことはないため安心してください。志望度が高い企業よりも前に、練習として別の企業で受検し、感触が良ければ使い回すということも可能です。
結果を使いまわすことで、空いた時間を別の就活対策に充てることもできます。就活は時間がいくらあってもたりないと感じる学生も少なくありません。テストセンターのメリットを活かして時間を有効に活用しましょう。
最新の結果のみ使い回し可能
使い回せるのは、最新の受検結果のみです。新しく受検した際に手応えがなかったからといって、過去にさかのぼって受けた試験の結果を使いまわすことはできません。
そのため、直近で受けた出来がいまいちだと感じた場合は再受検をした方が安心です。結果を使いまわせることを念頭に、テストセンターを受検する際は、しっかりと準備をして臨みましょう。
有効期限は受検後1年以内
SPIのテストセンター結果は、最後の受験から1年間有効です。企業への提出期限が迫ってから有効期限切れに気付かれると、再受験が間に合わず、ご希望の企業への応募が叶わない可能性があります。
自身のマイページで有効期限を事前に確認し、特に前回受験から期間が空いている場合は、注意ください。有効期限がいつまでなのか、テストセンターのマイページから事前に確認し、把握しておくようにしましょう。
使い回す結果は手ごたえのあったものを選ぼう
「性格適性検査」「能力検査」「英語能力検査」など、複数の検査結果を再利用する際には、前回のスコアを送信するかどうかを個別に選択できます。たとえば、性格適性検査の結果はそのまま使い回し、能力検査については再度受験するといった、柔軟な対応が可能です。
どの程度成績が良かったのかは、特に能力検査の結果を見ることで、ある程度推測できます。能力検査では、これまでの回答状況に応じて出題される問題の難易度が調整されます。つまり、難しい問題が多く出された場合は、高い正答率が期待できるため、前回のスコアをそのまま活用しても良いでしょう。
さらに、前回の受験で選考を通過できたかどうかも、再利用を検討する際の重要な判断材料となります。人気の高い企業の選考に合格していれば、能力検査のスコアは十分に高いと考えられます。他の企業の選考でも同様の結果が得られている場合は、再利用を検討してみるのも良いでしょう。
テストセンターの結果を使い回したことはありますか? 使い回すときの判断基準なども教えてください!
使い回したことはあります。就職難易度ランキングで上位の企業でテストセンターの結果を使い、選考に通過した場合は高得点であると認識するようにして、その後の選考にも役立てました。
実際、使い回していました。判断基準としては、難易度が高いと言われているような大企業の選考を通過したものを使い回すようにしていました。高得点と思われる結果をとれた後はすべてその結果を使いました。
使い回したことがあります。面接の予定が詰まっており、テストセンターに行く余裕がないときに、以前の結果を使用して面接に応募することがありました。
内定者たちの失敗談から学ぶ!SPI対策で重要なポイントとは
SPI対策は、早めに計画的におこなうことが重要です。過去問や問題集を活用し、模擬試験を受けて、本番に備えましょう。また、性格適性検査に備えて自己分析も丁寧におこなうことが大切です。
内定者たちの体験談は、SPI対策の貴重なヒントになります。失敗談を参考に、しっかりと対策をしましょう。
リアルな後悔エピソードから学ぶSPI対策とは
みなさんのSPIについての成功談・失敗談を踏まえて、SPIの準備で大切だと思うポイントやコツがあれば教えてください!
SPI本番までの日にちを逆算して、十分な勉強時間を確保することだと思います。テスト当日、実際に問題を解きながら勉強不足を感じて後悔したことがあります。
わからない問題についてもおおよそ解き方を理解しておくということです。解法がわからず放置していた問題が、結局出題されて困ったという経験が多かったためです。
性格検査は特に一貫性を意識することが大事だと思います。面接の際、いろいろな自分を見せたくなる気持ちはわかりますが、嘘は適性検査と比較した際にバレるため、つかないことが無難だと思います。私も性格検査で落ちることが続いたのですが、一貫性がない回答をしてしまった心当たりがありました。
SPIは結果がわからないからこそ対策を万全にして内定へ一歩近づこう!
SPIの結果は学生には通知されないため、結果を気にして時間ばかり過ごしてしまうことや、手ごたえに一喜一憂してしまうことはおすすめできません。
今できることに着実に取り組み、SPIで足切り対象にならないように徹底した準備と対策でベストを尽くしましょう。
応募者が殺到するような人気企業ではSPIの結果を使って合否を決めるケースもあります。効率的な対策を実践し、内定獲得を目指しましょう。
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みなさんの経験上、指定されることが多かったSPIの受検形式は何ですか? 気付いた傾向などもあれば教えてください!