「ガクチカが本当にない」と諦めるのはまだ早い! 克服した体験談を参考にガクチカの作り方を知ろう
いざ大学生活を振り返ってみると「サークルもアルバイトもやっていなくてアピールポイントがない」「ほかの人のようにすごい実績や結果を残した経験がない」「このままでは面接でガクチカが話せない……」と焦る気持ちで「自分にはガクチカがない」と絶望的な気持ちになる人もいるでしょう。
しかし、どんな人にも「ガクチカ」はあります。早々に諦めずに、自分の今までの経験や熱中したことに目を向けてみましょう。もしかしたら「ガクチカがない」のは振り返りが中途半端になっていて、うまく出来事を言語化できていないだけかもしれません。
この記事では、そんな「ガクチカが本当にない」を解決するために、テーマの見つけ方や的確な伝え方について解説していきます。就活経験者が実際に回答した内容や、身近な話題で作れる例文も紹介するのでチェックしてみてくださいね。「ガクチカがない」と決めつけず、あなただけのエピソードを作ってみましょう。
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「ガクチカが本当にない」と思い込んでしまうあるある4選
まずは、「ガクチカが本当にない」と感じてしまう主な理由を4つ紹介します。
読み進めていくうちに「そう思ってた!」と当てはまっている項目があれば、ガクチカは本当は存在するのに、あなたが見逃しているだけの可能性が高いです。
就活をしている間や、ほかの学生のガクチカを聞くうちにできる「ガクチカはこうでなくてはならない」という決めつけが無意識に働いていないか、確認してみましょう。
①実績や結果が残せていないといけない
ガクチカと言えば「大きな実績や結果をアピールするもの」というイメージはありませんか。結論、そのような実績や結果がないエピソードでも問題ありません。
たとえば、甲子園に出場する、部活動の大会で優勝した、共同研究の発表や海外への留学など、ガクチカとして映える経験をアピールする人ももちろんいます。ただ、大学生全員がこういった経験をしているわけでないことを面接官は十分理解しています。企業としてもエピソードの大きさや結果だけで学生を採用している訳ではないので安心してくださいね。
企業が見ているポイントやエピソードに選ぶべき話題については後ほど詳しく解説していくので、ぜひ読み進めて参考にしてみてくださいね。
②サークル活動やゼミなど面接に適した話題でなくてはいけない
サークル活動やゼミ以外でも、アルバイトや学校行事の実行委員、研究室の論文作成などは、ガクチカの話題になることが多いですよね。例文を調べたらこのようなテーマのガクチカを多く目にすることから「学校の行事やゼミ、アルバイトなどのテーマでなくてはいけない」と無意識に感じている人もいるでしょう。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で学校の授業や行動が制限され、自由に活動ができなかった人もいます。また、大学生になったらアルバイトを必ずしていなくてはいけないといったルールもありません。
そのため、前述したテーマ以外でも、常識的な話題であればガクチカとして自由に話して問題はありません。
③絶対に大学時代の経験でなくてはいけない
ガクチカの話題は自由でいい、と言われても大学生活をなんとなくで過ごしてしまった人や、あまり積極的に活動ができなかった人は「大学時代の経験」を見つけるのに苦戦することもありますよね。
しかし、ガクチカで取り上げるエピソードは、大学時代の経験でなくても話すことは可能です。しかし、あまりにも過去の経験を話してしまうと、「直近で頑張ったことを振り返れていない」という印象を与えてしまうため、高校生活までを目安として振り返りがおこなえると良いですね。
高校時代の話題をガクチカとして話す場合には、「大学時代の話題ではないのですが」「これは高校時代の経験になってしまうのですが」と一言断りを入れてから話し始めるのがおすすめです。
こちらの記事では高校時代に頑張ったことを面接で伝えるうえでのコツや、話題の探し方について解説しています。高校時代のエピソードを話すときはぜひ参考にしてみてくださいね。
高校生活で頑張ったことの面接での答え方! 内定者のリアル回答付き
④自己PRと内容がかぶってはいけない
ガクチカと同様、面接ではほぼ必ず聞かれるのが自己PRです。この自己PRとガクチカの話題が同じになってしまうと考えている人もいますが、アピールするべき論点が間違っていなければ、同じ話題を使用することが可能です。
同じ話題で話す場合は、自己PRとガクチカの違いをしっかりと理解したうえで、回答にずれが起きないように注意しましょう。また、視点を変えて内容を少し変更するなど、手を加えて工夫をしてみることがおすすめです。
・ガクチカ
学生時代に「頑張った」と感じる過去の経験を回答する。企業はそのエピソードから、その人の行動パターンや思考性などを判断する。
・自己PR
自分の強みや長所など、今の自分のポテンシャルをアピールする。過去の経験はその裏付けとして説得力を高めるために話す。
ガクチカのほかに自己PRの話題が見つからないという人は以下の記事を参考にしてみてください。自分の思わぬ強みを発見し、アピールにつながる可能性もありますよ。
自己PRがない人必見! 内定者が語る強みの見つけ方|例文7選
ガクチカがない! と悩んだことはある?
「ガクチカがない!」と感じたことがあります。アルバイトしかやっていなかったので、ほかの人と差別化できるような内容がなく、かなり焦っていました。
ないと感じたことがありました。エピソードとして話せるような大きなことを成し遂げたことがなく、あってもその話の中に工夫した点などが思いつかなかったためです。
ガクチカがずっとないと思っていました。例などをネットで探して自分に当てはめて考えようとしても、大会の受賞歴やバイトでの売上貢献などのエピソードはあまり見当たらなかったのです。さらに、普段の生活や身近な部分から探しても、ありきたりな内容しか浮かばず、差別化のポイントがないと感じていました。
始めはガクチカがまったくないと感じていました。周りの友達は留学したり、アルバイトで売り上げ○○円を達成したり、とパッと目を引くような実績や経験が自分にはなかったからです。しかし、キャリアセンターの人に相談することで、実績よりも自分がどう考え行動したかが大事だとわかり、ガクチカを探し直しました。
内定者が答えたガクチカの例を見てみよう! どんな話題で話した?
ここまでは、「ガクチカが本当にない」と感じてしまう理由を紹介してきました。当てはまっていたものはありましたか。
とはいえ、ほかの学生がどんな内容の話題を話しているのか気になりますよね。ここからは、面接経験者が実際に回答したガクチカを紹介していきます。
面接官にウケの良かったガクチカから、「いま振り返ってみるとこうしておけば良かった」というアドバイスも聞いてみたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
どんなガクチカを面接で話した?
まずは就活経験者がどのような回答をしたのか聞いてみました。
そのガクチカを作るうえで工夫したことや意識したことも聞いてみたので、自分のガクチカに活かせるアドバイスがないかも一緒に見ていきましょう。
実際に面接で使ったガクチカを教えて!
私は親戚の会社の手伝いをすることがありました。そこで経験したアプリ開発についてのガクチカを、志望企業の強みや方針、求める人材に合わせて話していました。
実際に面接で話したときは、「アプリ開発を目標に取り組んだ経験があります。私の親戚の会社では、取引先との書類管理に課題があったため、書類管理アプリの開発を請け負うことになりました。
アプリ開発の経験はなく不安でしたが、大学在学中に新しいことに挑戦したいと考えていたため、開発に取り組みました。まずは要望をもとにアプリの設計を考えてから実装しましたが、実際に進めると要望通りではむしろ不便になる点や、実装が難しい点などさまざまな問題点が発生しました。
そのため、違う形でより使いやすい機能の提案・実装をおこなったり、細かい部分までヒアリングをしたりすることで問題点を乗り越えました。現在も開発途中であり、使いやすいレイアウトになるように取り組んでいます」と答えました。
所属する軽音楽部での取り組みについて、以下のように話しました。
私が学生時代に力を入れたことは、軽音学部での企画運営です。入部当初は、新型コロナウイルス感染症の影響で、部員間で親交を深める機会がまったくない状態でした。
そこで、私はリモートで、ボーカルが集まる交流会を企画して開催することにしました。技術の共有によって軽音のモチベーションを向上させたことに加え、先輩から大学での話を伺う機会を設けることで、全員で仲を深めることができました。
またこのボーカルだけが集まる交流会を起点として、ドラムやギター担当の交流会も開かれるようになり、部内が活気づきました。1年生での企画で不安があったものの、挑戦することの重要性を改めて認識しました。
上記のガクチカ以外にも、こちらの記事では先輩が実際の面接で使用したガクチカや、魅力的なガクチカを作るためのアドバイスを紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
先輩のガクチカ例文19選|ガクチカの作り方から書き方まで一挙解説
ウケの良かったガクチカは?
ガクチカの中でも、面接官の反応が良かったことから「ウケが良かった」「手ごたえを感じられた」と実感した回答を教えてもらいました。
どういった点が面接官の心をつかんだのかも語ってもらったので、ガクチカを作る際に真似てみるのも良いですね。
面接官にウケの良かったガクチカを教えて!
学業についてのガクチカには大変興味を持ってもらえたと思います。興味を持っていただいた点は、どのように大学の専門知識を学んでいったか説明した際の具体例です。
その具体例は「私は、自分のプログラミングスキルとこれまで学んだほかの学問を組み合わせることで何ができるだろうと考えていました。そういった考えを巡らせる中で、プログラミング以外の学問についても学ぶ意欲がでて、自ら調査するようになりました」というものです。
「意欲的に取り組む姿勢が素晴らしいと感じました」と言っていただけました。
大学のゼミ活動の一環で、企業からデータをいただいて分析し、施策を提案する、という活動をガクチカとして話した時は、良い反応がもらえることが多かったです。
自分に興味を持ってくれた企業はすべて「データ分析への関心が高いが専門的な部署が無い」という状況でした。「私たちの企業だったら、どんなデータがほしい?」と聞かれたときに、「自分が将来〇〇をしたいから、そのためには〇〇のデータを見たい」と答えたときは特に好印象につながったと思います。
結果的に、ガクチカの内容を通して、その企業でどのように働きたいのかをしっかりとイメージしてもらえたことが良かったのだと考えています。
学部生のとき、所属していた公認団体のグループで食物アレルギーの人のために、そばの代替品を試行錯誤して作ったことをガクチカとして話していました。
そのエピソードの中で、「最終的にポスターでの発表をして、息子がそばアレルギーを持つお母さんに喜んでもらえた」と言ったのですが、面接官から「そのように誰かのために行動して、実際にその相手から反応が得られる経験はとても良いですね」と言ってもらえました。
特に私はメーカーを志望していたので、顧客の気持ちを考えて商品を開発したり販売したりするのは大事だからということでした。志望する分野の会社で働ていくためにプラスになるようなガクチカを話せたのが良かったと思います。
反対にウケが悪かったガクチカは?
ウケが良かったと感じるガクチカとは反対に、「面接官の反応が微妙だった」「あまり良い表情をされなかった」と感じたガクチカも聞いてみました。
体験談に共通するのは、「結果だけ伝えてしまった」「相手にとってわかりにくい内容だった」という点です。ガクチカを作るときは「自分が話したいことだけ話していないか」「内容が抽象的になっていないか」などをしっかりチェックする必要がありますね。
面接官へのウケが悪かったガクチカはどのようなもの?
未熟だったと思うガクチカは、結果だけを伝えて終わってしまっているものです。自分がどういうことをして、そこにはどういった工夫があったのか、結果はどうだったのかについては書くことはできていました。
しかし、結果から何を学び、次にどう活かしていくかまでは考えきれていませんでした。キャリアセンターの方からのアドバイスは、「結果をもとに自分なりに分析し、次につなげようとする姿勢が重要。企業はどんな結果であろうと、そこから何かを学ぼうとしているかを注視している」というものでした。
就活を始めてすぐのころ、ゼミ活動でおこなった他大学との共同データ解析のコンペティションについてのガクチカを何度も話していましたが、ウケが悪かったです。
どういったことに苦労して、どのように考え、行動を起こして、最後にどのような結果になったかということを伝えていました。しかし、その話に対するフィードバックとして「具体的な数値情報を入れた方が説得力が増す」と言われてからは、得られた結果として順位も伝えるようにしました。しかし、そもそも大きなコンペティションでもないためその数値の意味を面接官に正しく伝えることも難しかったです。
一番できていなかった点は、面接官に簡潔に自分のことを伝えることだと感じます。面接官はその学生が自分の会社で活躍できるかを判断するためにガクチカを聞いていて、そのエピソードの結果や成績は根本的に興味のある点ではないんだと思います。それにもかかわらず、結果を伝えることに躍起になってしまっていたことが一番良くなかったと考えています。
こんな話題でもOK! 珍しいガクチカの話題
ガクチカの話題は自由に選ぶことができますが、ここではほかと被らないような話題のガクチカを紹介します。
「こんな話題もガクチカになるんだ」という発見や、ガクチカの話題を探すためのヒントとして体験談を活用していきましょう。
私は、サークルやゼミについてではなく、趣味でしているプログラミングについて次のように話しました。
学生時代に打ち込んだことは、趣味でしているプログラミングのコンペティションへの挑戦です。私は趣味でプログラミングをしており、大会に挑戦していました。プログラミングの大会は、問題に該当するコードを書き、その正解率を競うものなので、いろいろなアルゴリズムを知っていることが重要となります。
しかし、私は数学的な知識を付けることが苦手で、あまりスコアが伸びませんでした。そこで大学の教授や友人からアルゴリズムに関連する書籍をおすすめしてもらい、その書籍から学んだ内容を学びやすくマニュアル化することで、自身の理解を促しました。
結果、趣味で楽しむプログラミングが自分のスキルの成長にもつながり、さらに作ったマニュアルを共有することで、大学内での競技人口を増やすことができるなど、大会の結果以外の部分で得られたことが多く、それを評価してもらえるように伝えました。
私はアプリ開発に取り組んでいて、それをガクチカにしました。
知り合いの会社で、書類管理を円滑にするための解決策としてアプリの開発を請け負うことになったのです。最初は不安でいっぱいでしたが、新しいことに挑戦する一歩と考えて自発的に取り組んだことをアピールしました。
要望や改善点をもとにアプリを実装するところまでは良かったのですが、実際に工程をどんどん進めていくうちに、開発を経て不便になってしまう、理想的な実装が難しい、など複数の問題点が出てきたため、再度打ち合わせや機能の見直しなどを進めたことも伝えました。現在進行形でものづくりにかかわっていることもアピールでき、面接官も関心を持ってくれたように見えたのを覚えています。
あまりほかに聞かない話題で、面接官の興味を引けたと思うガクチカは、ダイエットで10㎏やせたという話です。
私自身は文系選択でしたが、大学は総合大学だったこともあり理系科目の授業も受けることができました。自分の興味の広さと多彩な授業の幅がマッチして、いろいろな授業を受けていましたが、その中で化学や身体的な知識、薬学などに多少触れる機会がありました。
その知識を活かして受験期に増えた体重を落とそうと決意し、10kg以上痩せることができました。このエピソードで、興味の広さや知識を使っていく姿勢、多角的に物事を考えることなどをアピールする意図で面接で話したところ、ウケが良く周囲とも話題が被らなかったことがあります。
ガクチカを作る前に確認しよう! 「ガクチカ」で企業が判断していること
ここまでは、就活経験者の回答例やウケの良かった・悪かったガクチカの例を紹介してきました。参考になるガクチカやアドバイスはありましたか。
面接で求められるガクチカは、ただ「頑張ったこと」を話すだけではありません。企業がガクチカを通して知りたいことを理解し、それを短い文章で的確にアピールする必要があります。
まずは企業がガクチカを聞いてどんなことを判断しているのかを理解していきましょう。注力するべきポイントがわかれば、ガクチカを作るときの手掛かりになりますよ。
物事への取り組み方や行動パターン
企業はガクチカを通して、物事の捉え方や取り組み、自分で考えたことに対してどのように行動するのかという思考の傾向を判断しています。これは、学生の考え方が社風にマッチしているか、入社後に配属するならどんな職種が合っているかを見極めるためです。
そのため、企業が本当に知りたいのは、得られた実績やエピソードとしての映えよりも、目の前の課題や目標に対してどのように取り組んだのかといった過程の部分です。
わかりやすくたとえると、「大学入学とともに入部した野球部の練習をひたすら頑張って、甲子園に出場しました」という結果重視で抽象的なエピソードよりも、「打率を上げるために毎日素振りを50本することを心掛けながら、フォームの確認や自主練習に励みました」という具体的かつ再現性のあるエピソードの方が、企業としても人柄を判断しやすいのです。
何をモチベーションにしているのか
「結果よりも過程」というポイント以外にも、その学生が何を原動力にして行動しているのかを判断しています。その人が何をモチベーションにしているのかがわかれば、入社後、似た環境で高いクオリティを出せると期待ができるからです。
「顧客に直接お礼を言われることがモチベーションになります」という人を事務職に、「周囲の縁の下の力持ちになれることがやりがいです」という人を飛び込みの営業職に配置しても、本人たちがやる気を感じにくいように、採用するポジションに適した人材かを判断することにもつながります。
経験を論理的に説明する思考力や伝達力
ガクチカの内容だけでなく、エピソードを短い時間で適切に伝えられるかといった伝達能力も見られています。どんなに良い経験をしていても、面接相手に伝わらなければ評価にはつながりづらいと言えるでしょう。
的確にガクチカを伝えるためには、相手目線になって内容の読み直しをしたり、わかりやすさを追究したりする必要があります。「相手に伝わりやすい文章はどんなものか」と考える思考力と、それを実際に伝える伝達力が、同時に面接で見られていることは覚えておいて損はありません。
ガクチカで企業は何を見ていると思う?
「ガクチカ」を聞くことによって、企業は学生の何を判断していると思いますか?
ガクチカでは失敗したエピソードも伝えていましたが、それでも選考は通過していたため、その学生にどのような特性があるかを知り、その企業で活躍してくれそうかどうかを判断していると思います。
その学生の思考だと思います。どういった考えで行動し、学んだことをどう活かすのか、という未来の部分も含めて、思考回路を見ているんだと思います。私は、その人の行動指針が企業にマッチしているかは、入社後の成長度合いにかかわると考えているためです。
学生の将来性を見ていると思います。ガクチカの内容、それに対する質疑応答の流れから、その人の性格や考え方がある程度わかるためです。
その学生の性格や能力について見ていると思います。特に、そのエピソードを通じて、学生が会社の中でどのように活躍できるかを測っていると思います。また、実績よりもその過程の方が見られているとキャリアセンターの人に言われたことがあります。
面接官を担当した人はガクチカのどんな点を見ていた?
面接を担当したときは、学生のエピソードではなく、その経験を通してどのような学びを得たのかや、どう価値観へ影響したのかなどを重視していました。
「ガクチカ」と聞くと、どうしてもボランティアや留学の経験など大きく・目立つエピソードに目が向いてしまいがちですが、身近な勉学の話題やアルバイト、サークルや部活のことでも、それを通して良い経験や学びを得ていたり、人柄や考えといった面での魅力を強く感じられれば、良い評価につながっていた印象があります。
ガクチカの内容についてはそこまで重要視していませんでした。明らかに飛びぬけた実績であれば加点要素にはなりますが、やはり多くの学生は似たり寄ったりなことを話します。
そのため、「要点を簡潔にまとめているか」「どんな工夫をしたか」「その経験を通して何を学んだか」に注目して聞いていました。
また、その中で企業理念や自社が求める人物像を意識したアピールができているかも意識していました。これは、志望している企業の基本的な情報を調べたうえで面接に臨んでいるかを確認するためです。
ガクチカが本当にない人は3ステップでテーマ探しとエピソード作りに挑戦しよう
企業がガクチカで見ているポイントをおさらいしたところで、実際にガクチカを作成する段階に移りましょう。
前述した「企業が判断しているポイント」を意識してガクチカを考えなくてはいけないと、億劫に感じる人もいるかと思いますが、逆に言えばそれらのポイントを押さえた文章が作れていれば立派なガクチカが完成します。
ここからは、「ガクチカが本当にない」と考えている人向けに、簡単にできるテーマ探しや話題の深掘りの方法を解説していきます。この後の内容を参考に、あなたならではのエピソードを見つけるために実践してみてくださいね。
ステップ①ガクチカのテーマ探し:自分の人生を振り返るアウトプットをしよう
まずは自分のガクチカのテーマを探していきます。ガクチカで話せそうな話題は最初から一つに絞らず、複数準備しておくとバリエーションが増えるためおすすめです。まずは「ガクチカを作る」と意気込むのではなく、あくまで自分がどんなことをしてきたのかをざっくばらんにアウトプットをしていきましょう。
この後に、テーマを決めるのに思い出すべき話題について一つひとつ解説をしていくので、今までの自分の経験や思考などを整理してみてください。後から見返すことができるようにメモを取っておくことをおすすめします。
また、テーマを探すうえで重要なのは、深く考えないまま直感で「ない」と決めつけないことです。パッと思いつかなくても、一つの話題につき最低20秒間は考えてみましょう。
高校時代・大学時代それぞれで起きたイベント
ガクチカで話す内容は大学時代以外のことでも問題ありません。そのため、まずは高校時代と大学時代に自分に起きたイベントや、行事など学校生活全体を思い出してみましょう。
アウトプットの基準は、単純に「頑張れたな」と思えたものから、消極的だったけど最後までやり遂げたこと、「高校時代に一番時間をかけていたこと」と聞かれてパッと思いつくことなど、自分にとって印象的だった出来事を書き出してください。
漠然としていて「あまり思いつかない」という人は、ぜひ一度振り返ってほしい質問を用意したので参考にしながら進めてみてください。
高校時代・大学時代に起きたことを振り返るポイント:
・高校時代に入っていた部活は何か
・高校時代に楽しいと感じた授業は何だったか
・高校生活で担っていた役割や委員会はあったか
・大学受験の勉強で一番苦労したこと
・大学生になってから始めたこと
・大学で一番楽しかった授業はどんな授業か
・新型コロナウイルス感染症が流行してから始めたことはあったか
過去・現在で夢中になっていること
自分が楽しいと感じたことや興味があることにも目を向けてみましょう。自分が夢中になったコンテンツや経験には、知らず知らずのうちに行動を起こしていたり、とてつもない集中力を発揮していた、というケースも多くあります。
趣味で頑張ったこと、自分で目標を決めた経験などは、深く掘り下げれば自分の人柄やモチベーションを説明する良い話題になる可能性が大きいです。
たとえば読書、オンラインゲーム、推し活、旅行、ジョギングなど今まで自分が興味を持ったことをアウトプットします。特に、自分が「楽しい」「好き」と感じることは、あなたのモチベーションややる気に直結する可能性が高いため、「人生で一番楽しかった瞬間」を切り出してみるのもおすすめです。
夢中になっていること・いたことを書き出すためのポイント:
・人生で一番「楽しい」と思ったことは何か
・自分の今までの趣味は何だったか、変化したか
・行動していて面白いと思うことはなにか
・今現在、一番熱中していることは何か
・趣味で一番長く続いたことは何か
他者と共同作業をしたこと
今までに、他者と共同作業をしたことを思い出してみてください。たとえば、授業でのグループワークや学校のイベントの運営など、どんなに小さいグループでもほかの人と一緒におこなったことに対して、どう感じたかまで整理してみてください。
グループの中での役割を全うするために行動した経験や、人と交流するのが苦手でも何とかやりきったという経験があれば、それはれっきとしたガクチカになります。
ほかにも、最近ではSNSなどで他人と交流ができる時代です。趣味での交流や自分のコミュニティの輪が広がった経験がないかもチェックしてみましょう。
他者との共同作業を書き出すために振り返るポイント:
・学校の授業のグループワーク
・就活でのグループワーク
・組織やグループに属した経験がないか
・役割を与えられた経験がないか
・イベントや学校行事でチームを組んだ経験がないか
自分の思い付きで始めたこと
自分の思いつきで突発的に行動したことがないか思い出してみましょう。今続いているかどうかは一旦おいておき、短期的に取り組んでみた経験もないか、一緒に確認するのをおすすめします。
たとえば、1週間だけ早起きをしてみた、テスト期間だけ学校に早く登校するように心掛けた、思い付きで自炊を始めてみた、検定を受験するために教材を買った、など、新しいことにチャレンジしたり、今までになかった取り組みをしたことがないかを書き出してみましょう。
自分の思い付きで始めたことを振り返るためのポイント:
・今続いていなくても「面白そう」と思って行動したこと
・短期的に取り組んでいたこと
・数日だけでも続いたこと
・新しいことにチャレンジした経験
・結果がなくても、自分の中で「良い経験だった」と思えたこと
ステップ②ガクチカの深掘り:3つの観点から情報を細かく整理しよう
ガクチカのテーマをアウトプットしたら、ガクチカとして内容を充実させるために、一歩踏み込んで情報を整理します。構成や文章を考えるうえで覚えておきたいポイントは、「結果よりも過程が重要なこと」「エピソードとしての映えよりも向き合い方や考え方を伝えること」の2つです。
ただの「頑張ったアピール」だけにならないよう、3つの観点からテーマを掘り下げてみましょう。この深掘りをすることで、内容に説得力が増し、面接官からの追加の質問にも自分の言葉で回答がしやすくなるなどのメリットを得られます。
もし考えていくうちに「これは自分の伝えたいガクチカではないな」と感じたら、一つ前のテーマを探すステップに戻って、ほかの話題をガクチカとして掘り下げられないか確認しましょう。
振り返り①:その経験のきっかけやモチベーションは何だったか
始めに、その経験や行動にどうして取り組むことになったのかというきっかけや経緯と、その経験の中で何がモチベーションややる気につながったのかを整理します。
たとえば、「趣味の読書をガクチカとして話そう」と決めた人であれば、「スマートフォンを見る時間をもっと別のことに使えないかと思った」ことがきっかけになり、「読書をすることでわからないことや知らないことを知れること」がモチベーションになったというところまで考えられるのが理想的です。
振り返り②:具体的にどのように取り組んだのか
きっかけや経緯、モチベーションがどこにあったのかを整理したら、次は具体的にどのように取り組んだのかを言語化します。
先ほど出した読書のガクチカの例を出すなら、「最初は1日10ページ読むことから始めて、少しずつページ数を増やしていくことにした」「本を読むことに慣れてきたら、違う分野の本を読むようになった」「最近は1カ月に3冊程度の読書をしている」など、自分の行動を一つひとつピックアップして客観的に書き出せると良いですね。
さらに、自分なりに工夫した事や意識したことがないかを最終チェックしたら、次に進みましょう。具体的な取り組み方の言語化が難しいという人は、下記を参考に掘り下げてみてください。
話題を掘り下げるポイント:
・まず何から始めてみたか
・どんな課題や問題があったか
・自分なりに工夫したこと
・自分で考えて行動に移したこと
・その経験をするうちに変化したこと
・苦労したと感じたこと
・達成感を得られたこと
振り返り③:自分が大事だと思ったこと・経験から得られたことは何か
最後に言語化しておきたいことは、その経験を通して自分が成長したことや得られたこと、学んだことが何だったか、ということです。これはガクチカを組み立てるときの「結論」になり、話の締めとして使うことができます。
たとえば、身に付いた習慣や自覚した強み、改めて重要だと思ったことや、今までの価値観が変わったなど、その経験によって得られた視点や自分が培ったことをアウトプットします。
「一番大事な締めの部分をどうまとめたらいいかわからない」という人は、これらの中から当てはまるトピックを選んでみてくださいね。
経験を通して得られたことの例:
・自分で自覚した強みや長所
・変化した価値観
・改めて重要だと感じたこと
・習慣として身に付いたこと
・新しく知ったこと/学んだこと
・物事へ取り組むときの姿勢やスタンス
・目標にしたことへの結果
過去の経験の深掘りには、自己分析ノートを作成するのもおすすめですよ。こちらの記事では、ノートを使用した自分史やマインドマップなどの自己分析方法について詳しく解説していますので、ガクチカに悩んでいる人は参考にしてみてくださいね。
自己分析ノートの作り方4ステップ|内定者のノート写真付き
ステップ③内容の組み立て:アウトプットしたガクチカを完成させよう
ここまでは決めたテーマに関する情報を整理し、深掘りをすることによって具体的な内容を固めてきました。
後は、考えた内容をガクチカとして組み立てるだけで、面接で使えるガクチカの完成です。ここからは、前のステップで整理した情報を効果的に伝えるための順序や、面接で実際に使える定型文をいくつか紹介していくので、自分の伝えたいことが一番伝わるものを選びながら読み進めてみてくださいね。
ここからはガクチカを組み立てるために、文章全体を「序論」「本論」「結論」の3つに分けて解説します。一つひとつのステップを押さえれば、あなたならではのガクチカができるまであと一息です。
①序論:学生時代に力を入れたことを簡潔に伝える
まず「序論」では簡潔に何について話すのかを簡潔に伝えましょう。面接でガクチカを聞かれるとき、「学生時代に力を入れたことを教えてください」というフレーズで聞かれることが多いため、質問に対する回答をするイメージで「私が学生時代に力を入れたことは〇〇です」と言い切ります。
部活動であれば「部活動の〇〇です」、趣味の話題を伝えるのであれば「趣味の〇〇です」と、とにかくわかりやすさ重視で話を始めましょう。
また、高校時代の経験を話す人は、この段階で「高校時代の経験にはなりますが」と一言断りを入れてから話始めるのがおすすめです。
序論で使える定型文:
・高校時代の経験になりますが
・学生時代に力をいれたことは〇〇です
・〇〇に取り組んだことです
・頑張ったことは〇〇です
・〇〇の経験です
②本論:頑張ったことの内容を具体的に話す
「本論」では具体的に何をして、どのような工夫をするかを説明するパートです。ここで話す内容は、エピソードの話題を探すステップで深掘りした内容を順を追って説明していくだけで組み立てることが可能です。
その経験をすることになったきっかけや経緯から始まり、自分なりに工夫したことや目標を立てて頑張ったことを説明します。内容に専門用語がかかわる場合は、なるべく一般的な言葉に置き換えることを心掛けましょう。
文章ができあがったら、面接官の視点になって添削をします。完成した文章を読み上げてみて、聞いた声だけで場面をイメージできるかを判断基準にすると、わかりにくい部分や抽象的な部分に気が付くことができますよ。
面接官は、できあがった文章を読むわけではなく、耳で聞いた情報を頼りにガクチカの内容を判断するため、自分の声で読み上げたものをスマートフォンなどに録音させてブラッシュアップをしていくことをおすすめします。
本論で話す内容の例:
・その行動をしたきっかけ
・具体的な取り組み方
・どんな課題や問題があったか
・自分なりに工夫したこと
・自分で考えて行動に移したこと
・その経験の中でモチベーションになったこと
③結論:得た強みや学びを結論として話す
最後は、ガクチカの「締め」にあたる「結論」の部分を作成していきます。ガクチカは自己PRと異なり、自分の強みや長所のアピールを必ずしなくてはいけないというわけではありません。
前のステップで言語化した自分の価値観が変わったこと、改めて重要だと認識したこと、その経験を通して少しでも成長できたと思うことをまとめ、話の最後に伝えることで、まとまりのあるガクチカが完成します。
文章が思いつかないという人は、こちらの型に当てはめて、ぴったりだと思うものを結論として使用してみてください。
ガクチカの締めに使える結論:
・〇〇という強みを自覚した経験だと感じています。
・〇〇という価値観を得た経験でした。
・〇〇の重要性を改めて感じた経験です。
・〇〇が自分のやりがいになるんだと気が付いた経験でした。
・〇〇という面を社会人になっても活かしたいと考えています。
ガクチカが本当にないと感じる人に内定者からのアドバイス!
ガクチカではエピソードのすごさ、結果の優秀さ以上に、自分の思いをや価値観を伝えることが大切だと考えます。たとえば、「部活やバイトで優秀な結果を出した」「大きく〇〇に貢献した」という仰々しい内容を伝えるよりも、「〇〇という経験を通して、自分の価値観が変わり成長できた」や「〇〇という熱意を契機に〇〇を実現した」のような自分の思いをベースにした結論にすべきです。
また、エピソードがほかの人と被ることを気にしている人もいますが、他者と差別化できるガクチカとは、自分の価値観や考えが志望企業の社風や企業理念と一致していることを具体的にアピールできているガクチカだと思います。力を入れたことの立派さよりも、人事に「このような価値観・性格・考え方を持った人材は当社でも成長できるな」と思ってもらえるようなエピソードを盛り込むべきです。
何かしらの「頑張ったこと」について深く考えてみよう
「ガクチカが無い」と考えていても、授業・テスト・部活・バイトなど大学生活のあらゆる場面に頑張って何かを変えた経験はあると思います。その経験を発見し、なぜ自分がその行動をとったのか自己分析をしっかりできれば、ガクチカへ昇華できる内容が抽出できると思いますよ。
ガクチカの内容は、専攻していた学問に関することやアルバイト・部活やサークルなど身近なよくあるエピソードでもちろん大丈夫です。エピソードのテーマよりも、その経験を経てどのような学びを得たのか、どのように価値観が変わったのかといった面が大切になります。
また、目標に向かって頑張ったという経験を話す際は、出した結果よりも、その結果に至るまでの過程が注目されます。どのような思いで取り組んでいたのか、どう考え努力をしていたのかといった点を重点的に話すと好印象につながる可能性が高いですよ。
エピソードの大きさではなく等身大の自分で戦おう
最近はコロナ禍の影響もあったので、その時期が学生時代と重なっている人は特にガクチカのエピソードを練りづらいと思います。
また、面接という場で話す内容なので、どうにも自分の目立つエピソードを話そうとしてしまいますが、エピソードの大きさはあまり関係がないと思っています。ぜひ大きなエピソードを話そうと思わず、身近な生活の中から自分の人となりや価値観が伝わる内容を考えてみてください。
ガクチカ初心者必見のテンプレート付き! 身近な話題で作るガクチカ例文10選
ガクチカのテーマを出したり、文章を組み立てたりするのに慣れていないという人もいるでしょう。そんな人のために、ここからは5つの身近な話題で作成したガクチカの例を10個紹介します。
自分のテーマや状況を当てはめてガクチカを作成できるテンプレートも4つ紹介するので、例文を参考にしながら、活用できる文章がないかチェックしてみてくださいね。
①やりがいやモチベーションを発見したエピソードの型
〇〇がきっかけで始めましたが、「□□□□□□□□□□□□□□□」という点が自分にはとても面白く感じられました。
このような〇〇という(行動・物事)は自分のモチベーションになると知り、その後も少しずつ取り組んでいます。
この経験は、〇〇が自分のやる気につながると気付きを得た経験でした。
②課題や辛かったことを解決したエピソードの型
〇〇という機会で、〇〇という役割を担いました。
そのときに、自分はその役割を全うするために「□□□□□□□□□□□□□□□」の点を工夫したり、試行錯誤したりしました。
当時は〇〇という視点が足りていなく、〇〇という課題が出てきたのですが、〇〇をすることによって解決のために行動しました。この経験から、〇〇の重要さを認識しました。
③強みや長所を発見したエピソードの型
〇〇という経験をしました。
その時は自分が「□□□□□□□□□□□□□□□」を頑張らなくてはならなかったため、〇〇を意識して取り組みました。
自分で、〇〇を工夫したことにより、チームワークが良くなったこともあり、自分の○○という長所を自覚する経験となりました。
④重要な価値観や学びを得たエピソードの型
大学時代、〇〇がきっかけで始めた〇〇で、「□□□□□□□□□□□□□□□」ということを経験しました。
これに取り組むうちに段々と〇〇をしたり、〇〇を試したりするなど、自分でも主体的に動くようになり、「□□□□□□□□□□□□□□□」の重要性を知りました。
これは、〇〇という価値観(学び)を得た経験だったと感じています。
①趣味をアピールする例文
ここでは、自分の趣味をアピールするガクチカを2つ紹介します。
自分が趣味にかけている熱意や真剣さを面接官に知ってもらえるよう、何がモチベーションになっていて、自分なりにどう頑張っているのかを明確にした文章を意識しましょう。
趣味をガクチカにする例文①
私が学生時代に頑張ったことは趣味のイラスト作成です。
子供のころから絵を描いたり、自分の頭の中で考えていることを表現したりすることが好きでしたが、大学生になってからはアルバイトで貯めたお金で機材を揃えるなど本格的に取り組むようになりました。
描きたいものを表現できるよう、人体について勉強をしたり、流行りの画風はどんなものかと実際に展覧会やイベントに赴いて調べたりしているうちに、行動力とトライアンドエラーを繰り返す思考体力が身に付きました。
趣味から転じて実際に行動に移したり、新しい情報をキャッチアップしたりする姿勢が良いですね。コツコツと機材をそろえたという背景から、長く続けている趣味だということもわかります。
趣味をガクチカにする例文②
学生時代はSNSの運用に力を入れていました。趣味でコスメやメイク道具を集めるのが好きだったのですが、せっかくなら誰かに情報共有がしたいと思い、SNSでアカウントを立ち上げました。
最初は見てくれる人が少なかったものの、新しい商品について情報収集をしたり、目を引くキャッチ―な画像の制作や自身の文章力を意識して向上させていくうちに、閲覧数やフォロワーが増えていきました。
ときどき「有益だった」という内容のコメントもいただけるようになり、自分が調べ発信したことが誰かの役に立っている、という実感がやりがいだと気が付いた経験になりました。
自身のアカウントを運用するために、さまざまに試行錯誤したことがわかるエピソードですね。おこなったことの結果が数字に表れる身近なもので、自分で考えながら行動する力がアピールできるガクチカです。
②授業で意識したことをアピールする例文
大学の授業や普段の学校生活で意識したこと、工夫したことをガクチカとしてアピールする例文です。
大学の授業は、大学生であれば誰しもが経験しますが、その取り組み方や向き合い方は千差万別。取り組み方を細かく言語化できれば、れっきとしたガクチカになりますよ。
授業で意識したことをガクチカにする例文①
私が学生時代に頑張ったことは、大学の授業です。大学では第二外国語として中国語の授業を選択していました。
しかし、1回の授業の進みが早いうえに、学期末のテストでは授業の大半の内容が出題されるとのことで、単位を取るために工夫して授業を受ける必要がありました。
そこで、私は毎回授業で取ったメモを2回見直して復習をしたうえで、シラバスを参考に予習をしてから授業に臨んでいました。ときには授業以外のテキストを参考に中国語の問題を解くなど自分なりに理解を進めた結果、無事にテストに合格することができました。
「テストに合格する」という目標に向かって、どのように取り組んでいたかがイメージしやすいガクチカになっています。予習もしていることから、積極的に授業に取り組んだことも汲み取れます。
授業で意識したことをガクチカにする例文②
大学時代にやりきったと思うことは、大学でのグループワークです。私の受講していた授業は毎回少人数のグループに分かれて資料の作成や発表をします。
私はあまりグループを引っ張るという性格では無かったものの、グループ内で出た意見をまとめたり、資料を作成するための情報収集をしたりと「縁の下の力持ち」として活躍できるのではないかと考え、積極的に周囲のサポートを担うようにしていました。
ときにはほかのメンバーに協力を仰いだり、一緒に案を考えてもらったりと細かな交流を心掛けることで、チームメンバーの意見交換も盛んになった事が評価された経験から、なんとなく物事に取り組むのではなく、自分から役割を見つけにいく姿勢が身に付いたと感じています。
自分の役割を自分で考えて全うしようとする姿勢が良いですね。どのような行動をしたのかを言語化し、自分から動いたことで周囲を動かす力は、どの企業でも強みになります。
③家事についてアピールする例文
ここでは、家庭内でできる家事や家族の手伝いなどを話題にしたガクチカの例文を紹介します。
大学生活のスタートとともに一人暮らしを始めた人や家族の手伝いなどを定期的におこなっていた人は、アピールできる話題や似ているテーマがないか見比べてみてくださいね。
家事をガクチカにする例文①
私が学生時代に頑張ったことは一人暮らしをしながら生活習慣を整えることです。
大学への入学を機に一人暮らしを始めたのですが、実家にいたころは料理や洗濯をしたことがなかったため、何から始めればいいかわからずじまいでした。しかし、食事を抜いたり、外食が増えたりするにつれ、食費が上がり、体重が著しく増減するなど健康面の悪化が見られたため、一念発起して自炊を始めることにしました。
レシピを少しずつ増やしながら、毎日3食食べることを意識し、さらには食費を節約できるようにスーパーを巡るなど試行錯誤をした結果、今では食費を制限しながら「料理上手」と褒められるほどまで料理ややりくりができるようになりました。
身近な話題から、生活習慣の改善をするために自発的に行動したガクチカですね。自分なりに「やってみよう」と思ったことを続け、実際の生活で役に立っている様子がうかがえます。
家事をガクチカにする例文②
学生時代に頑張ったことは家の手伝いです。
私は両親が共働きなのですが、小学生の弟がいるため、学校が終わった後は親の代わりに世話をしていました。
宿題を忘れないように一緒に進めたり、わからないところは教えてあげたりしながら、夕食の用意なども私が担当していました。
自分の学業との両立もしなければならず、本当に「猫の手も借りたい」という状況ではありましたが、この経験のおかげでマルチタスクができたり、物事のスケジュールや時間配分を適切にできることが自分の強みだと自覚できたと思っています。
スケジュールや時間の管理をするなどの強みを自覚したガクチカです。日常生活の中でいつの間にか習慣化していたことを、自分の強みになるまでやったことも評価に値します。
④勉強のアピールをする例文
学業は学生の本分と言われるように、大学での学びや勉強に打ち込んだことも立派なガクチカの話題です。ここでは、学業をテーマにした例文を紹介します。
勉強は自分なりのアレンジが利く要素が多いため、普段やっていることから工夫したと言えることがないか積極的に探してみましょう。
勉強をガクチカにする例文①
高校時代の経験にはなりますが、私が学生時代に頑張ったことは受験勉強です。
今の大学で英米文学を専攻したかったのですが、当時の私は一日に何時間も勉強をする習慣がついていなく、模試の判定もD判定どまりでした。
このままではいけないと、毎日勉強することを習慣付けるために、タイマーを使って勉強時間を可視化したり、長時間勉強をしやすい環境づくりをしたりと、「勉強の習慣をつける」という目標に対して行動してきました。
最初はどうしても「辛い」と感じることがありましたが、段々と自分で考えた勉強法がなじんだ事により、勉強に対する抵抗がなくなりました。結果的に、今の大学に無事合格し、長時間の大学の授業も集中して聞くことができています。
断りをいれたうえで高校時代のガクチカを話している例ですね。模試の判定がきっかけで自分なりに勉強方法をアレンジしたとともに、勉強習慣が身に付いている点は立派なガクチカと言えるでしょう。
学業をガクチカにする例文②
大学時代に頑張ったことは、テスト勉強です。
自分の中で「受講した授業の単位は絶対に落とさない」というルールを決めていたため、テスト期間になると一日の勉強時間を多くするために図書館の自習室を予約し、毎日1時間勉強をすることを習慣としていました。
テストと言ってもレポートを作成して提出する授業もあったため、テスト期間でないときも板書を取ったうえで携帯に保存して、その授業で学んだことを要約しておいたり、内容を忘れないように登下校中に見返すなど、自分なりに工夫をしていました。
結果的には一つの授業だけ単位を落としてしまったのですが、そのほかの授業はA評価やS評価をもらい、自分の目標への頑張りが目に見えた経験だったと思っています。
自分で決めた目標に対して、しっかりと計画を立てて行動ができています。すべてがうまくいった結果ではありませんが、目標への向って取りくむ達成意欲がうかがえます。
⑤生活習慣をアピールする例文
普段自分がしていることが、周囲の人もやっていることとは限りません。もしかしたらあなたならではのルーティンがいつの間にか習慣化している可能性もあります。
ここでは、意識しないと見逃しがちな、生活習慣に関するガクチカを紹介します。
生活習慣をガクチカにする例文①
私が学生時代に頑張ったことは、通学途中の読書です。大学にいくまでの30分間を有効活用できないかと思い、電車に乗っているときは本を読むことにしました。
最初は自分の興味がある分野の本しか読まなかったのですが、本を読むことが習慣化するにつれて、「自分が知らないことを知りたい」という気持ちが強くなり、ビジネス書や歴史の本などを読むようになりました。
一日30分、往復で1時間ではありますが、活字を読むことに抵抗がなくなったうえに、自分自身も知見を広めることができたと感じています。
通勤・通学の時間のスキマ時間を利用して始めた読書から、新たな価値観や視野の広まりを話している例です。自分が得た価値観を自覚したことで、物事の動機をアピールできています。
生活習慣をガクチカにする例文②
私が学生時代に頑張ったことは、日記をつけることです。毎日大学の授業で忙しく、なかなか自分について考える機会がなかったため、日記をつけることを自分ルールにして振り返りをすることにしました。
日記には、ただその日に起きたことを書くだけではなく、嬉しかったことやつらかったことを記載したり、どうしても時間がない時はスマホのメモに書き込んだりするなど工夫しながら一日を振り返る習慣を付けました。
日記をつけなければ気が付かなかった自分の好き・嫌いがわかり、これは就職活動の自己分析にも役に立ったと思っています。この習慣のおかげで、自分を内省する力や、客観的に自分を見つめる力が付いたと考えています。
毎日日記をつけるという、一見簡単に思えることを継続的にできている点もアピールにつながりますが、そこから自分なりに内省する力を身に付けるなど、真面目な性格がよくわかるガクチカですね。
日常生活の中でガクチカの話題になることを教えて!
日常生活の中で、「ガクチカの話題になるな」と思うことを教えてください!
実験やグループワークをする授業などはエピソードになると思います。企業でもチームで1つのことを成し遂げる力は重要視されているので、講義で自分が頑張ったことを上手に伝えればれっきとしたガクチカの話題になりますよ。
趣味はガクチカとして話せると考えます。趣味は自分の熱量を注ぎ込めるものであるうえに、どの地点からでもやり方を変えることができます。また、自分の思考性や「どのように趣味を楽しもう」「〇〇だから〇〇にしよう」など、自分なりの考えをめぐらすことができるため、考え方のアピールに適していると思います。
趣味は全般的にガクチカとして話せます。映画を見る、読書する、料理を作る、運動する、ゲームする、勉強するなどももちろん使用できます。大事なのは、自分にはどんな特性があり、それが将来どのように企業で活かせるのかを面接官にイメージさせることだと思います。
授業のグループワークはガクチカになると思います。リーダー的存在としてチームをまとめる以外にも、アイデア出しや雰囲気作りなど、さまざまな役割や観点から自分をアピールすることができます。
趣味や学校での学びをガクチカとして話すときのポイントは?
「学生時代に力を入れたことを最初に3つ挙げて、それらについて3分で話してください」と言われたことがあり、いつも話している内容に加え、趣味と学校の授業について話しました。
いつも話しているガクチカが分析力や応用力などについての強みをアピールするものだったので、趣味と学校の授業の話題で興味の広さをアピールしつつ、本命の分析力などをアピールしたいという背景があって、これらの話題を選びました。
具体的には、大学では自分が文系選択だが文系・理系問わずさまざまな授業を受講していて、そこで学んだ化学の知識をダイエットに応用することで、10kg痩せることができた、という内容を話しました。「学校の授業に取り組んだ」と言うだけでは、学生の本分を全うしただけなので、学んだことをどう使ったか、学ぶ意欲がどれだけあるかということを強調するよう意識しました。
ガクチカを補強するにあたって工夫したことは、自分の過去の経験を照らし合わせてその経験を活かすということです。
たとえばガクチカで、「自分が学業に力をいれて成績上位を達成した」というエピソードを使いたいとします。そうしたら、少し過去にさかのぼって高校時代にどういったことで苦労し、その経験から何を学んだのかを振り返り、その学びをどのように大学時代に活かそうとしたかを伝えるよう意識しました。
今の自分だけでなく、過去の自分か体験して学んだことを応用したことを伝えると、エピソードに厚みが出るのでおすすめです。
ガクチカが本当にない! と焦ってもやってはいけないNG回答
ここまではガクチカを実際に考えるためのステップや、身近な話題を用いた例文を紹介してきました。自分のガクチカに活かせそうな内容はありましたか。
ガクチカを作るためには、まずは自分について知ることが必須です。自己分析や、過去の振り返りに慣れていない間は、つい「ガクチカなんてない」と考えてしまいがちです。
とにかく何かネタを考えなければ、と焦る気持ちもよくわかりますが、そんなときにやってしまいがちなNG行動を紹介します。
「ガクチカはありません」と面接で答える
面接で素直に「ガクチカはありません」と回答することは避けましょう。
ガクチカはほとんどの面接で頻出する質問であるため、「ガクチカがない」ということは準備不足や入社意欲がないと判断されかねません。また、ガクチカを答えないことには、企業もどんな人材か理解を深めることができないため、本当に採用して良いのかどうか、懸念を感じる可能性があります。
話す内容やエピソードに自信がなくても、面接官へ自分のことを知ってもらう要素として、準備を怠らずに挑みましょう。
実体験のないでっちあげのエピソードを話す
ガクチカがないからと、すべて経験のない架空のエピソードを話すことはやめましょう。
面接官は学生の話したガクチカに対して、疑問に思った点やより詳細に聞きたいことを追加で質問し、話題の深掘りをおこないます。その回答や論理的な話の流れを汲んだうえで、学生本人のことを評価するため、実体験のないエピソードでは深掘りでぼろが出たり、一貫性がないことから信ぴょう性を疑われるなどデメリットが大きいです。
嘘をつく・極端に話を盛る
嘘をついたり、極端に自分のエピソードを脚色することもおすすめしません。でっち上げのエピソードを話すこと同様、一貫性がない回答や矛盾を指摘された場合や、面接で合格して入社をしたとしても、入社後にばれてしまった場合は本人の信用度にもかかわります。
また、面接官は面接した学生が話した内容を次の面接官にも事前に共有していることが多いため、面接ごとにニュアンスが異なる話をしてしまうと、あなた自身の評価にもリスクが伴うため、面接では等身大のあなたのエピソードで挑みましょう。
ガクチカがなくても避けるべき行動は?
ガクチカを話すうえでやってはいけないと思うことがあれば簡単にアドバイスをお願いします!
ガクチカを話すうえで、不必要に数字を出してアピールするときには注意しましょう。何かで優勝した、とかであれば誰でも良し悪しが判断できますが、アルバイトで売り上げを伸ばしたなどは、元の売上や単価など詳しい話をしなければその良し悪しを面接官は判断できません。よく具体的な数値情報があると説得力が増すといいますが、なんでもかんでも入れればいいというわけではないことに要注意です。
原型がなくなるほど話を盛るのは注意が必要です。話自体は良くても、面接官に深掘りされた時にぼろが出る可能性があります。
嘘のエピソードを用意することはおすすめしません。よほど頭の回転が速くないと、頭が真っ白になって解答できなくなる場合があります。
ガクチカは誰にでもある! 諦めずに過去を振り返りあなただけのエピソードを発見しよう!
この記事では「ガクチカがない」と感じる主な理由や、ガクチカの作り方・伝え方や、避けるべき行動などを紹介してきました。また、就活経験者の実体験をもとに、ガクチカへのアドバイスも聞くことができたと思います。
「ガクチカが本当にない」と感じるのは、まだしっかりと過去の振り返りと、自分についての言語化ができていないだけの可能性が高いです。誰にでも自分の価値観や人柄を形成した経験が眠っているはず。諦めずに、今の自分の考え方や物事の見方を培った経験がないか、チェックしてみてくださいね。
「ガクチカ」の本質はあくまで人間性の確認であること、その人がどのような価値観を持っているかを判断するための材料だということを忘れずに、ありのままのあなたをアピールすることを心掛けながら面接の準備をしていきましょう。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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「ガクチカがない!」と感じたことはありますか?