難しい商社の志望動機をうまく作成するには? 経験者に聞く考え方のコツ
「商社の志望動機ってみんなどんな内容を書くの?」
「ほかの学生が優秀そうで比較してしまう……」
就職難易度が高いと言われる商社の志望動機は、周囲のレベルの高さもあり、どんな内容を書くべきか悩んでしまいますよね。
商社の志望動機は、業界の動向・企業の求めるもの・自分のアピール内容など、必要な内容を整理し、順序立てて作成することが大切です。単に企業へ入りたい理由を書くのではなく、志望動機を通して自分を採用するメリットと熱意をアピールしましょう。
この記事では、商社の志望動機の作成方法について解説します。必要な準備やコツを体験談を交えて紹介するので、何から手をつけるべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
商社の志望動機を作成するときに必要なことは?
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選考通過する商社の志望動機には欠かせない「2つの理解」
商社の志望動機がうまくいかない悩みは、本文が思いつかない・アピールポイントがわからない・文章作成ができないなど、人によってさまざまです。しかし、どの悩みも根本は「作成に必要な基礎」の理解不足が原因と考えられます。
志望動機・商社への理解がない状態では、他社ではなくなぜ応募先へ入社したいのかなど、自分なりの内容が思いつかないのは当然です。
また、基礎がない状態では、無理やり志望動機の作成を進めても、書き進めた内容に不安が残るなど、別の懸念点が生まれてしまうでしょう。
まずは商社の志望動機に必要な基礎を知って土台を作り、自信を持って作成を進めてくださいね。
その①志望動機への理解
志望動機は単に「企業への志望理由」を伝えるものではでありません。選考通過をするためには、その効果や意味をしっかりと理解しておくことが大切です。
作成する意味 | ・企業へ志望動機と入社意欲を伝えたうえで自己アピールする |
企業が知りたいこと | ・自社を志望した理由 ・自社の事業内容を正しく把握しているか ・仕事内容への理解度や興味の強さ |
企業が志望動機で見ているのは「自社に本当に興味があるのか」を前提に、実際に対面で選考すべき将来性を持つかどうかです。そのため、学生は志望動機で応募の理由と意欲を伝えたうえで、自分を採用するメリットを伝える必要があるでしょう。
競争率が高い商社の書類選考では、必ずこの前提条件を理解しなくては勝ち抜くことができません。
すでに志望動機の基本への理解はあると感じている人も、何のために作成するのかをあらためて考えてみると、迷いなく進めることができますよ。
その②商社への理解
志望動機を作るとき、応募企業そのものに目を向けがちですが、まずは企業が属している業界や仕組みについて知っておかなくては理解を深めることはできません。
応募企業の事業内容を見ても、商社のトレンドや専門用語に関する知識がなくては、興味を深めるどころか、何をしているかもわからなくなってしまいます。
採用担当が「読み進めたい」「面接してみたい」と感じる志望動機は、自社への理解度が高い内容です。深みのある志望動機を作成するためにも、商社全体の知識を深めて、自分も相手も納得できる内容を考えましょう。
商社への理解を深めよう! ビジネスモデルや職種を紹介
ここからは、商社への理解を深めるために、業界知識や仕組みについて解説していきます。
ビジネスモデル|流通にかかわる「仲介役」
ビジネスモデルとは、企業が商品やサービスを提供することで収益を出す仕組みを指します。商社のビジネスモデルは、物と物の流通にかかわる「仲介役」を担う立ち位置となり、収益をあげています。
上記の図は、食品を扱う商社のビジネスモデルの一例を示しています。農業や漁業から原材料を仕入れ、食品加工メーカーに売ることで利益が発生する流れです。このあと、食品加工メーカーと販売企業との取引でも商社が間に入ることもあり、物の流通には欠かせない存在となっています。
このように、応募企業の事業を知る基本は収益の流れを理解することです。
国内で商社がどのような役割を担っているのか、私たちにどのようなかkわりを持っているか全体像を捉えることで、業務内容がイメージしやすくなるでしょう。
商社の種類|2つの違いを要チェック
商社の分類は、決まった製品のみ取り扱う「専門商社」と幅広い対応をする「総合商社」の2つに分かれます。
専門商社は何を扱うかで名前が異なり、食品・農林・水産・薬品・化粧品・衣料品・鉄鋼・機械・食品などに分類されます。専門商社は会社規模もさまざまであり、その製品に特化したパイプや知見を持つ企業です。
一方、総合商社は大手企業の7つが存在します。
・三井物産
・三菱商事
・伊藤忠商事
・丸紅
・住友商事
・豊田通商
・双日
志望動機では、他社と比較した応募企業の立ち位置や強みを把握しておくことも大切です。作成途中に悩まないためにも、商社の分類と、業界の全体図はしっかりと把握しておきましょう。
活躍する職種|商社ならではの業務内容に注目
ほかの業界と比較した商社ならではの職種として、営業・貿易事務・事業企画の3つが挙げられます。
職種 | 仕事内容 | 求められるスキル |
---|---|---|
営業 | ・売り手、買い手の確保 ・顧客に対して仕入れの 交渉 ・流通ルートの確保 ・新しい製品の情報収集 |
・語学力 ・製品知識 ・業界知識 ・コミュニケーション力 ・交渉力、プレゼン力 |
貿易事務 | ・書類作成や電話対応などで営業職をサポート | ・語学力 ・通関手続きの知見 ・書類作成スキル ・スケジュール調整力 |
事業企画 | ・新しい製品の開拓や 流通経路発掘の 企画を検討、立案 ・投資計画の立案 |
・業界、製品知識 ・企画力 ・客観視できる能力 ・プレゼンテーション能力 ・マネジメント力 |
売り手と買い手の間に直接入り、流通させる製品の内容や金額を決めるのが商社の営業職です。コミュニケーション力や交渉力などの基本の営業スキルに加え、海外企業との取引がある場合は語学力や製品ごとの専門知識が必要とされます。
ほか、運送会社や船の手配などの業務も営業の担当に含まれるため、外出時間や出張も多い職種であるといえるでしょう。
そんな営業職の業務遂行に欠かせないのが貿易事務であり、社内で書類作成や電話応対などで周囲をサポートします。一般事務と比べ、通関書類の作成や海外企業との対応が求められるので、専門知識と語学力が必要な職種です。
商社の事業企画は、新しい製品をどのように流通させるかの企画立案を担う職種です。製品の特徴から適した企業を探し出し、平均価格や需要と供給のバランスを踏まえて、企画を発案します。専門知識以外にも、常に新しい情報に目を向けられる視野の広さや、企画立案力、プレゼン力など総合的なスキルが必要とされる業務です。
商社で活躍するどの職種も、求められるスキルが幅広く専門的な部分があることから、難易度が高い業界といわれるのも納得できますね。志望動機には、職種ごとの仕事内容と求められるスキルをよく理解して、内容に反映させることが大切です。
営業職の志望動機作成のポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています。詳細が気になる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
営業職の志望動機例文32選|営業経験者に書き方のコツを直撃
内定者が歩んだ完成までのルートは? 商社の志望動機作成4ステップ
商社の志望動機作成の基礎ができれば、実際に手を動かす方法を知っていきましょう。作成に悩む人でも進めやすいように、4つのステップに分けて解説していきます。
成功をつかんだ内定者が実際におこなった方法も参考に、作成のイメージをつけてくださいね。
私は、下記の手順で商社の志望動機を作っていきました。
①自己PRの作成
②商社のビジネス形態の把握
③応募企業ならではのビジネス形態の把握
まず①部分で自己理解ができていないと、自分と企業の適合度の高さを裏付ける根拠がない状態となってしまうため、最初におこないました。
次に②と③に関してはほとんど同時並行して情報を収集するようにしました。応募企業のビジネス展開を知ることで、商社業界の情報についても同時に理解できたためです。具体的には、商社のビジネス形態の概要だけはYouTubeなどであらかじめ理解しておき、その後、自分の目指す商社の情報を調べるようにしました。
ステップ①自己分析で自分の強みや特性を整理する
選考通過をかなえる志望動機には、応募の理由と意欲を伝えたうえで、自分を採用するメリットを伝える必要があると紹介しましたね。
採用のメリットを伝えるには強みや特性の理解が必要となるため、まずは自己分析で客観視した自分を知りましょう。
すでに自己分析をしたうえで作成に悩んでいる人は、まだチャレンジしていない方法を試してみたり、第三者として質問する人を変えてみると新しい結果が出るかもしれません。
幅広く・多くの情報を集めて、自分の強みを判断できるたくさんの選択肢を作りましょう。
自分の強みが見つからないと悩む人は、こちらの記事で強みの見つけ方について解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自己PRが書けない人必見! 内定者が語る強みの見つけ方|例文7選
ステップ②業界の動向やトレンドについて調べる
商社の基礎として、基本のビジネスモデルと企業や職種の種類について解説しました。ステップ②では、その基礎を踏まえて、業界の動向やトレンドの理解を深めましょう。
業界の動きやトレンドを、応募先の事業内容を照らし合わせると、業界全体からみた企業の立ち位置がわかります。応募企業の立ち位置がわかれば、事業内容の将来性や強みが明確になり、志望動機にも深みを出すことができるでしょう。
商社の志望動機を作成する中で「企業の興味関心をうまく言葉にできない」「どこに注目すればいいかわからない」と悩む人は、特に念入りに調べると解決の兆しが見えますよ。
何から情報収集すればいいかわからない人も、記事後半で体験談を交えた詳しい調べ方について紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。
ステップ③応募企業だけの志望理由を見つける
志望動機を通して企業が知りたいのは「数ある会社の中からなぜ自社に応募したのか」です。難易度が高い商社の選考を通過し、採用したいと感じさせるには、応募企業だからこそ志望した理由を内容に入れ込む必要があります。
業界全体から見た応募企業の強みや特性、HPにある企業独自の情報などから、自分が入社して取り組みたいことや貢献したい内容を考えましょう。
迷ったときは、OB・OGに企業の良さについて聞いてみたり、経験者が実際に作成した内容を参考にしながら自分だけの志望動機を作ることが大切です。
企業の特性や強みの詳しい調べ方が気になる人は、こちらの記事で企業分析の詳しいやり方を解説しているので、参考にしてみてくださいね。
企業分析の4つの極意|経験者に聞く効果的なやり方と活用方法
ステップ④構成にしたがって志望動機を作成
自分の強みや企業の特性などの理解を深めたら、いよいよ構成に従い、志望動機を作成していきます。
選考通過を目指すには、大前提として読みやすく一貫性のある文章作成が必要です。
構成にしたがって書くことで、迷いなくスムーズに志望動機を作成できます。語句の使い方や誤字脱字にも気を付けながら作成しましょう。
ステップ①商社で求められるスキルも意識|自己分析で強みや特性を明確にしよう
自分を採用するメリットを感じさせるには、相手が求めている人物像であることを伝える必要があります。
これから解説する「自分の強みと企業の求めるスキルのすり合わせ方」を理解し、選考通過できる志望動機を作りましょう。経験者が志望動機に入れ込んだ自分の強みも参考にしてみてくださいね。
志望動機で使用した自分の強みは、どういった経緯で選びましたか?
その企業の求める人物像と自分自身の特徴で重なる部分を抽出するようにしました。やはり一貫性があった方がいいなと思ったので、しっかりと企業HPの確認や、OB・OG訪問をおこなうようにしました。
インターンシップ参加特典である座談会にて、社員の方からどういった人材がほしいかを直接お伺いし、その内容に沿う形で強みを選ぶようにしました。
企業が求める人物像を念頭に置きつつも、基本的にはどの業界、企業でも伝えている自分の一番のアピールポイントを選ぶようにしていました。
自己分析の方法
企業の求める人材に合わせたアピールが重要な志望動機では、自分の強みや特性を幅広く知れる自己分析がおすすめです。
名前 | 内容 |
---|---|
自分史 | 自分のこれまでの人生を振り返り、 出来事に対しての感情や対応を時系列で書き出す |
ジョハリの窓 | 「自分から見た自分」と「他人から見た自分」に分けて 項目を書き出し分析する |
過去の経験から、統合的に自分の特性を振り返られる「自分史」であれば、企業の求める人材に合わせた強みの発見が可能です。
また、第三者の視点から見た自分を知れる「ジョハリの窓」であれば、主観だけでない判断基準も踏まえた結果でより説得力のある自分の強みが見つけられるでしょう。
自己分析の段階では、自己アピールの選択肢作りが目的となります。現時点で志望動機に書く強みを決める必要はないので、自分と素直に向き合うことを優先して進めてみてくださいね。
求められるスキルとのすり合わせ方
志望動機で自分の採用メリットを伝えるには、「応募する仕事内容に求められるスキル」と「自分の強み」をすり合わせてアピール内容を考えることをおすすめします。例として貿易事務に応募するケースで考えてみましょう。
応募職種 | 求められるスキル |
アプローチできそうな スキル |
---|---|---|
貿易事務 | ・語学力 ・通関手続きの知見 ・書類作成スキル ・スケジュール調整力 |
・語学力 ・書類作成のスキル ・スケジュール調整力 |
表のように、貿易事務に求められるスキルは語学力・専門知識を用いた事務能力・スケジュール調整能力であることがわかります。未経験である学生がアプローチできるのは、語学力・事務能力・スケジュール調整力と考えられますね。
自分の強みや特性 | アピールできそうな強みや特性 |
---|---|
①物事を俯瞰して予定を立てたり、 指示をするのが得意 ②Excelでの表作成など、細かい作業が好き ③人と人の間に立って、 コミュニケーションを取る経験が多かった ④先導に立つことよりも、 サポートに回ることにやりがいを感じる ⑤積極的でアクティブな一面もある |
①物事を俯瞰して予定を立てたり、 指示をするのが得意 ②Excelでの表作成などの 細かい作業が好き ④先導に立つことよりも サポートに回ることにやりがいを感じる |
続いて、自己分析からわかった自分の強みや特性を書き出します。その中から、先ほど明確にした「アプローチできそうなスキル」に有効な強みや特性を考えてみましょう。表の中では、①・②・④の内容が使えそうであると選択肢を作ることができました。
このように、求められるスキルと自分の強みの条件から絞りこめば、アピールできる内容を考えられます。すり合わせの段階では2〜3個の候補まで絞っておき、最終段階で文章を作成しながら、入れ込みやすい内容を当てはめていきましょう。
ステップ②志望動機を作るタネになる|商社業界のトレンドや課題についてチェック
物を流通させる商社業界は、世界情勢や国内ニーズによって価格に影響が出やすく、トレンドも移ろいやすい市場です。
志望動機作成時の最新トレンドをしっかりと調査しておけば、応募企業の立ち位置がわかることはもちろん、面接で質問があった場合も慌てず回答ができ好印象をつかむことができますよ。
市場の動きやニーズを調べるには、「日経業界地図」などの情報誌や、「週刊ブレーンズ」など商社に特化した専門誌もおすすめです。経験者の情報収集法や、業界在籍者がリアルに感じるトレンドも一緒に押さえておいてくださいね。
この記事でも、直近の商社業界に見られる市場動向や最新トレンドについて解説するので、気になる内容を深掘りして、自分の中の興味を深めていきましょう。
就活時に商社の市場動向やトレンドについて、どのように情報収集しましたか?
実際に会社で働かれている社員の方にOB・OG訪問をおこないました。また、ニュースで経済動向を読み取ることにも力を注ぎました。
大学の先輩が商社の内定を持っていたため、その方のアドバイスを参考に情報収集をすることにしました。
NewsPicksの学生会員になり、商社や経済関連のトピックがおすすめに表示されるように設定し、動向を追っていました
市場規模は79兆円と大幅な成長
株式会社デジタル&ワークスの「業界動向リサーチ」によると、2022〜2023年の総合商社の市場規模は79兆円と大幅な増加を示しています。
新型コロナウイルス感染症による影響で一時落ち込みを見せていた業界ですが、円安の影響や資源価格の高騰、事業投資の好調などの要因から、近年では大幅な回復を見せました。実際に2023年度は7大総合商社すべてが過去最高益を記録しています。
非資源分野への注目が集まる
市場価格の安定性から、近年で商社業界の注目を集めているのが「非資源分野」です。非資源分野とは、言葉の通り資源ではないもので、食品・繊維・金融・機械・化学品などが該当します。
石油やエネルギーなどの資源分野は、取引価格が膨大である反面、世界情勢の影響で価格が上下しやすく、メリットもデメリットも大きい取引です。
これまでは資源分野に頼る割合が多いあまり、打撃が大きく落ち込みを見せた総合商社企業も、現在では事業内容を非資源に切り替えることで安定性を求める動きを見せています。
中でも伊藤忠商事は非資源分野に特化した強みを持っており、「2023年度短期経営計画」によると、2022年には非資源分野のみの利益だけで5,745億円を達成。安定した収益基盤を確保しています。商社への就職を目指すのであれば、非資源分野は押さえておくべきワードといえるでしょう。
海外駐在員の減少による懸念点
商社業界では、海外の政治や経済の影響から起こり得る現地のリスクを懸念した「カントリーリスク」の観点から、一部のエリアで海外駐在員の減少傾向が見られています。
実際に三菱商事の「人事データ」を見ると、海外在籍の従業員は減少しており、「週刊ダイヤモンド」の調査では中国の社員数は2008年から2023年では62%減少していることがわかります。一方で、アメリカや東南アジアへの展開は前向きな傾向も見られるので、海外事業がなくなるというわけではなく、展開エリアの方向性がこれまでと異なっていると認識しておきましょう。
商社へ就職を希望する際は、応募企業の海外展開がどのように変化しているのかまでチェックできていると、採用担当に熱意や興味関心の強さが伝えられますよ。
ステップ③先輩に秘訣を聞いてみた! 「その企業ならでは」の志望理由の見つけ方
その企業ならでは志望理由を作るには、業界での立ち位置や、HPの情報から、自分が入社して取り組みたいことや貢献したい内容を考えることがおすすめです。
HPのどこを見ればいいかわからないと悩む人は、「志望動機を探すため」に見るのではなく、「企業を知るため」にチェックすることが解決のポイントです。
応募企業のHPを端から端までしっかりと読み込むと、「この事業は私達の生活のどこにかかわるのだろう」「社長の生い立ちから設立に至ったエピソードがおもしろい」など、読んだ感想が生まれるはずです。自分の気持ちが動いた部分を深掘りすることで、企業の志望理由となる興味や関心が明確になるでしょう。
一度HPをチェックした人も、視点を変えて、企業全体を知る意識で読み返してみてくださいね。経験者がどのように考えたかも参考に、採用担当に熱意が伝わる志望動機を考えましょう。
YouTubeで情報収集をおこないました。
初めは商社業界について、まったく知らない状態でした。いざ商社について調べてみると、就活生からの人気が高いためか、情報がいたるところにあることに気付きました。とくに、YouTubeで発見した商社の解説をしている動画は、情報収集に適していたと思います。
また、私自身規模の大きいビジネスにかかわりたい願望があったことから、7大商社に関する情報を収集するようにしました。当時は、SNSや大学の先輩など、さまざまなところからとにかく情報を集めていたと思います。そして、自分が活躍できるかどうかの基準で情報を選別し、オリジナリティーのある志望動機を完成させることに成功しました。
その企業だからこその志望理由を考えるときには、情報収集の視点を将来に向けてみると良いと思います。
その企業がどういう事業をやってきていて今どういう資源があるという点は、競合がいる限りは「その企業ならではの理由」にすることは難しいです。しかし、将来のビジョンは同業界にある会社でもかなり差が出る部分だと思います。
そういった企業の将来ビジョンや経営計画、それに向けて今おこなっていること(新しい部署の設立など)を調べ、自分の将来のビジョンと照らし合わせて考えることで、その企業でしか達成できない自分だけの志望動機を導き出せると思います。
志望動機で「その企業だからこそ」の理由を見つけるために、OB・OG訪問を重ねて企業への解像度を上げていました。
その中で、実際にOB・OGに対して「就活生時代に話していた志望理由」と「ほかの企業ではダメな理由」の2点を必ず聞くようにしていました。そうすることで、自分自身の志望理由との共通点を見つけたり、原体験との共通点を見つけて志望理由を考えたり、理解出来ていなかった企業の魅力や差別化を言語化できるようになりました。
ステップ④いきなり書き始めないように注意|構成にしたがって志望動機を作成
ここまでで整理した情報をもとに、志望動機を作成しましょう。今回は次の志望動機の内容を3つの構成に分けた作成方法とポイントを解説します。
商社の志望動機例文
結論
私は常に挑戦し続けながら、モノの流通で国内の生活を支えたいと考え、御社を志望しました。
根拠
現在所属している経済学部では、国内外の経済事情と歴史や、モノとお金の動きについて学んで参りました。
その中で、私達が普段口にしている食品や製品を届ける縁の下の力持ちとして活躍しているのが「商社」であることを知り、欠かせない存在であると感じました。
そして多くの商社の中でも、中核事業を土台にさまざまな事業展開をしている御社の事業成長に貢献していきたいと強く感じ、志望した次第です。
将来展望
大学時代に培った経済の知識を活かし、新規事業の参入に強みのある御社で、私自身も成長を遂げながら貢献していきたいと考えています。
作成するときは、一度に全文を考えるのではなく「結論」「根拠」「将来展望」の文章をそれぞれ作成し、最後にバランスを見て全体を整えます。焦らずに段階的に作成し、一貫性のある内容を作っていきましょう。
結論|「企業ならでは」を伝えられるポイント
結論
私は常に挑戦し続けながら、物の流通で国内の生活を支えたいと考え、御社を志望しました。
結論で考えるのは相手に一番伝えたい内容です。冒頭でアピールしたい内容を伝えることで、相手は先入観を持って志望動機を聞くことができ、その後の話が理解しやすくなります。
「結論」の内容は、その後の「根拠」の部分で詳細を伝えるため一文程度で簡潔にまとめましょう。
単に「志望したい」と伝えるのではなく、「常に挑戦し続けながら」と入社の目的を入れ込み、他社ではなく応募企業へ志望した理由を明確にすることがポイントです。
結論の内容で相手に「なぜそう思ったんだろう」と感じさせられたら、相手の注目度も高まり印象を残せます。はじめの一言で相手の心をつかみましょう。
志望動機の書き出し方についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、魅力的な書き出しを作りたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
例文12選|志望動機の書き出しはエピソードの切り口がポイント!
根拠|抽象的にならないように注意
根拠
現在所属している経済学部では、国内外の経済事情と歴史や、物とお金の動きについて学んで参りました。
その中で、私達が普段口にしている食品や製品を届ける縁の下の力持ちとして活躍しているのが「商社」であることを知り、欠かせない存在であると感じました。
そして多くの商社の中でも、中核事業を土台に幅広い新規事業展開をしている御社の事業成長に貢献していきたいと強く感じ、志望した次第です。
志望動機の「根拠」は、結論で伝えた内容を詳しく説明し、説得力を高める部分です。
例文では、大学の経験から商社に興味を持った点に加え、数ある企業の中でも、新規事業の参入に積極的な応募企業に惹かれたことが書かれていますね。
根拠は志望動機の中で一番ボリュームのある部分であるため、結論で自分へ抱かせた興味を膨らませることができると選考通過へつながります。例文のように具体的な表現で、自分の熱意をしっかりと伝えましょう。
将来展望|自己アピールのチャンス
将来展望
大学時代に培った経済の知識を活かし、新規事業の参入に強みのある御社で、私自身も成長を遂げながら貢献していきたいと考えています。
志望動機のまとめ役となる「将来展望」では、入社後の意気込みや目的を伝えます。
例文のように、大学での経験を活かして自分自身も成長しながら貢献したいと伝えることで、やる気や向上心がアピールできます。
自己分析と求められるスキルですり合わせした内容は、この将来展望の部分に入れ込む形となるので、複数作った選択肢の中から合うものを選んで文章を作成しましょう。「根拠」と同様に、抽象的にならず、自己アピールする部分と思って力を入れて作成してくださいね。
経験者のリアル回答付き! 総合商社の志望動機例文5選
ここからは実際の作成の参考となる総合商社の例文とポイントを解説します。
総合商社は企業によって事業内容に強みや特性があるため、志望理由にはその企業ならではの内容を組み込むことを意識しましょう。
就活生パネリストが実際に伝えた総合商社の志望動機
私は以下のような志望動機を伝えていました。自分の目標についてしっかり志望企業に伝わるように意識していました。
「総合商社を志望する理由は、多様な業界とグローバルな市場でのビジネスを展開することで、多角的な視野と専門知識を身に付けられる点に強く惹かれたからです。
私は、変化する世界のニーズに対応し、新しいビジネスチャンスを創出する能力を磨きたいと考えています。総合商社で働くことで、多文化共生の中での交渉力やプロジェクト管理能力を培い、日本と世界の架け橋となることを目指します。以上の理由から、総合商社でキャリアを築きたいと強く願っています」
例文①
例文①
長年にわたって多数の国への幅広い事業展開をしている御社に魅力を感じ、志望いたしました。
大学で民俗学を専攻する中で、私が今生活している環境はこれまでの先人たちの努力のおかげだと強く感じました。そして、この豊かな生活をいまだけでなく、持続的につなげていきたいと考えるようにもなり、商社への就職を通して世界とつながりを作ることで、少しでも貢献できればと思っています。
御社は投資事業で、数多くのアメリカのスタートアップ企業へ支援をおこない、途上国の発展にも大きく寄与されています。そのような強みを持つ御社と自分が成し遂げたい将来展望がマッチしていると考え、この度志望させていただきました。
在学中の学びを活かし、御社のグローバル事業でさらなる成長を遂げ、国内外問わず大きな影響力を与えられるように貢献していきたいです。
大学での学びをきっかけに、投資事業へ力を入れている企業へ応募する志望動機です。根拠の部分に、自分が感情を動かされた具体的なエピソードを入れ込んでいるので、相手の印象に残りやすく説得力のある内容にできていますね。
例文②
例文②
私は商品の流通をきっかけに、世界中の経済に目を向けたいと考え御社を志望いたしました。
留学先であるイギリスのスーパーでは、見たことも無い野菜や日用品と並んで、日本製品が当たり前のように存在していました。流通に関する知見がなかった当時の私には、とてもインパクトのある光景でした。
いまは海外への流通も盛んで、さまざまな日本製品が海外に知られていますが、その中でもまだ認知されていない製品もあることは事実です。
御社では国内外で広く活躍しており、数多くの海外ルートや取引先があると伺いました。入社後は、既存取引先へ更なる新製品の提案や、新規ルートの獲得に貢献し、国内製品の認知を広げるという目的達成をするとともに、御社に貢献していきたいと考えております。
国内外へ幅広い展開を見せる総合商社の強みを活かして、自己が達成したい目的を入れ込んだ志望動機です。
留学経験から流通に興味を持った独自性のあるエピソードを踏まえ、どのように活躍したいかまで具体的に考えられているので、採用後のイメージがしやすい内容となっています。
例文③
例文③
私は、商社へ就職することで、国内の流通を活性化させ、農業の発展に貢献したいと考えております。
大学時代ではゼミ活動で地域活性化について学んでおり、地域を盛り上げるには、人とのコミュニケーションとモノの流通が欠かせないことを知りました。
御社は総合商社としてさまざまな事業を展開しており、中でも、農業の再生事業に力を入れられていることが魅力的に感じました。もちろん、幅広いネットワークを持っていることや、国外への事業進出へも強い興味があります。
御社に入社後は、大学での学びを活かしながら、地域活性化に貢献できる社員の一員として活躍していきたいと考えております。
例文①と同様に大学での学びを活かし、入社後に明確に取り組みたい事業内容があることを志望動機で伝えられています。
希望の業務内容を伝えると、採用担当は「その業務に就けなかったらどうするのか」と不安を感じることもあります。リスクヘッジとして、例文のように、ほかの事業内容にも興味があることを伝えることもポイントです。
例文④
例文④
御社の事業にも反映されている「持続可能」という理念について魅力を感じ、志望いたしました。
「グローバルな仕事がしたい」と商社を志望したことがきっかけで、御社のインターンに参加させていただいた際に、社員の方から東南アジアの不動産事業の立ち上げ業務についてお話を伺いました。
学生ながらに事業参入への難易度を感じ、プレッシャーを感じたことはないか尋ねたところ「一人の仕事が未来につながる楽しみの方が大きい」と言われたときには、衝撃を受けました。
持続可能とシンプルな言葉の裏には数多くの課題があるかと思いますが、御社の一員として経験を積んで、一丸となって高い壁へ挑戦していきたいです。
企業の理念に共感したことを志望理由とした内容です。理念に共感した志望動機は、内容がかぶる場合もあるため、根拠で独自性を持たせることがポイントとなるでしょう。
例文のようにインターンでのやりとりは自分にしかない経験となるので、印象にも残りやすく、志望の熱意も伝わりやすい内容としておすすめです。
例文⑤
例文⑤
私は将来的に、流通の一翼を担う事業にかかわっていきたいという目標を持っています。
そのため、国内外で90もの子会社を有し、幅広いネットワークを保持している御社であれば、流通経済の知見を深め、スキルアップできるのではと感じました。
入社後は営業職として、御社の幅広い事業展開から流通の基礎を現場で学び、一貫した知識をつけていきたいと考えております。
私の強みである向上心やコミュニケーション能力を活かし、長く御社へ貢献していきたい所存です。
冒頭の結論の部分に、自身の入社後の目的を入れ込んだ志望動機です。将来的な目的を持っている場合、その過程を伝えることで、計画性の高さや将来展望がある学生と評価されるでしょう。
ただし、目的にばかり視野を置いてしまうと、就職後の業務へのやる気を持っているかどうか疑問に思われるリスクもあるので、入社直後の意気込みについても記載することが大切です。
経験者のリアル回答付き! 専門商社の志望動機例文8選
専門商社の志望動機では、メーカーとの違いを意識することや、数ある分類の中からなぜそのジャンルを選んだのかが伝わる内容を意識しましょう。
専門商社は特性がわかりやすい反面、ありきたりにならないか悩む人も多いため、例文を参考にライバルとの差別化を意識しながら、志望動機を作ってみてくださいね。
例文①食品
例文①食品
私が御社を志望する理由は、食品を通して人々に新しい発見をする楽しさを伝えたいと考えているからです。
私は高校生の頃から、スーパー・コンビニ・輸入食品店などに通って新商品を見つけることが趣味でした。見たこともない商品を見つけるとすぐに購入し、食べたこともない味に出会ったときの楽しさや驚きは何度味わっても忘れられません。
御社では、食の商品開発DXサービスへの投資事業に力を入れられています。私はそこに大きな魅力を感じ、御社を志望しました。
御社に入社した際には、商品の原材料調達や販売ルートの確保を積極的におこない、自らがつなぎ役となることで、新商品の開発事業の発展へ貢献していきたいと考えております。
食品商社への志望動機は、メーカーと混同しないように注意が必要です。
たとえば、「新商品を発見する楽しさを伝えたい」だけでは「メーカーでもいいのでは?」という疑問を採用担当に感じさせてしまうかもしれません。例文では、将来展望の部分で「自らがつなぎ役」となることや原材料調達・ルート確保の業務内容を組み込み、仕事内容への理解を示していますね。
ただ志望理由を伝えるだけでなく、相手の懸念点を先回りした内容を入れ込むことが選考突破を目指すポイントです。
例文②農林
例文②農林
私は、国内の野菜の流通をより活性化させたいと考え、御社を希望しました。
私の地元は野菜農家が多い土地で、めずらしい野菜が市場に並ぶことが当たり前だと感じていました。しかし、大学に進学し一人暮らしをするようになってスーパーに行くと、今まで見ていた野菜を見ることが少ないことに気付きました。
そして、流通学の授業を通し、地方の野菜は流通経路の確保が難しく、都心に野菜を届けづらい悩みを持っていることも同時に知りました。
御社では、国内の農業ビジネスに力を入れており、輸入に頼らない地産地消の考えを大切にしていると聞いています。地元野菜の良さを知っているからこそ、御社のような事業を展開している企業の一員となり、貢献していきたいと考えています。
入社後は、大学時に学んだ流通学の知見、地方の活性化への熱意、自己の強みである企画力を活かし事業企画部に貢献できるように活躍していきたい所存です。
例文のようにやりたいことが明確で、熱意もそなわっている志望動機にしたい場合、入社後の展望をどうまとめるべきか悩んでしまう人もいるでしょう。
書き方の一例として、活かしたいスキルや強みを複数書く手段がおすすめです。書きすぎると相手が混乱してしまうため、3つ以内に収めることがポイントです。
例文③水産
例文③水産
御社へ志望した理由は、「自然のめぐみ」が当たり前でないことを意識しながら事業展開されている点に魅力を感じたからです。
魚は私たちの生活に必要な食材であるにもかかわらず、バランスを崩してしまうと生態系に影響が出て、自然や私たちの生活環境にも影響を及ぼします。
就活をする中で、御社が「持続可能な漁業と水産物」プロジェクトとして、モノの供給だけでなく、環境維持に力を入れられていることを知りました。貴重な水産資源を守りながら、わたしたちに食品提供もできる方法を常に画策されている御社のような仕事に夢と誇りを感じています。
今だけでなく長い目で見て日本を支える一員として、御社のような企業で活躍していきたいと考えております。大学時代に3カ月でTOEIC800点を達成した向上心を持って、全力で貢献していく所存です。
水産物を扱う商社の志望動機は、自然環境の保護や品質維持を特性の一つとして掲げている企業も多いので、企業ならではの理由に組み込むのも良いでしょう。
例文のように実際のプロジェクト名を出すことで、しっかりと企業調査ができていることも伝えられ、学生の興味がどこに向いているのかもわかりやすくなります。
まとめでは、「全力で貢献」とだけ伝えるとありきたりになるところを、「TOEIC800点を達成した向上心を持って」と自分の強みを加えることで、独自性が出ている内容となっていますね。
例文④薬品
例文④薬品
御社を志望するのは、薬品の流通で人々の健康の支えになりたいと考えたからです。
商社の中でもトレードだけでなく、用途開発・マーケティングを通して、薬品業界の商流を生み出されている御社の事業内容に強く惹かれました。
現在は改善し元気に過ごしていますが、私の兄は幼少期に喘息を患い、いつも吸入器と薬を持ち歩いていました。
幼少期に兄が大事に至らず過ごせたのは、御社のような企業が、いつでも薬を手に入れられる環境作りをしているおかげだと思っています。
入社後は、私の兄のように、健康に不安を持って過ごしているより多くの人へ薬を届けるシステム作りに貢献していきたいと考えております。
薬品を扱う専門商社は、業界知識がないと志望動機を考えるのが難しいため、トレンドや市場の動きなど、事前の情報収集を念入りにおこない作成に臨みましょう。
また、専門知識が必要な仕事の場合、具体的な業務をイメージしづらく、志望動機の「今後の将来展望」部分の内容に悩みますよね。そんなときは、例文のように自己のエピソードも交えると説得力がある志望動機が作れるので、作成に悩む人はぜひチャレンジしてみてくださいね。
例文⑤化粧品
例文⑤化粧品
私は、一人ひとりにあった化粧品を手に取るきっかけづくりをしたいと考え、御社を志望いたしました。
いまの世の中は、性別や年齢を問わずさまざまな方が化粧をする自由がある時代です。しかし、肌トラブルなど、化粧をする人の数だけ悩みは尽きないとも感じています。
化粧品についての勉強を進める中で、国内・海外問わずさまざまなメーカーの商品が製造されていることを知り、より多くの製品を知ってもらうことで、人々の選択肢を増やすお手伝いがしたいと考えはじめました。
そのような中で、多様化する化粧品業界のニーズに合わせ、素材の付加価値や新たな事業創設に力を入れている御社を知り、私のやりたいことを体現している内容に強く興味を惹かれました。
御社に入社した際は、国内外に目を向け、多くの技術や視点を身に付けて、化粧品業界の発展に貢献したいと考えています。
専門知識が求められる専門商社を志望するとき、大学やアルバイトで応募企業に合った経験が無い状態だと、志望動機の内容に悩むこともありますよね。そんなときは、例文のように、化粧品を取り扱う商社へ志望したきっかけと興味を持った事業に重点を置いて内容を考えてみるといいでしょう。
例文⑥衣料品
例文⑥衣料品
衣服への知見をグローバルに広げたく、御社への入社を志望いたしました。
学生の頃からアパレルショップでアルバイトをしており、たくさんの服を見ることや実際に着る機会がたくさんありました。しかし、大学の被服科で勉強を重ねるうちに、世界にはまだまだ知らない繊維からできたさまざまな形の洋服があることを知りました。
御社では衣料品のトレード事業だけでなく、海外の企業の素材開発や企画事業への投資も取り組まれていると聞いています。
たくさんの海外ブランドへかかわる御社にて、自分の知らない世界を広げ、魅力的な商品を伝える一員として活躍していきたいと考えています。
衣料品を扱う商社への志望動機は、仕事理解や企業理解ができているかを伝えるため、繊維・衣服など、どの事業に注目しているかをしっかりとアピールしましょう。
国内外に事業展開をしていたり、海外製品を流通させることに力を入れていたりなど、流通ルートや特性も企業によりさまざまです。なかには、開発事業から携わる商社もあるので、応募時にはしっかりと公式HPに目を通しておきましょう。
例文⑦鉄鋼
例文⑦鉄鋼
私は鉄鋼を通して多くの産業を支えたいと考えて御社へ志望しました。
御社の説明会で、代表である〇〇様より「モノを作る原点にかかわることに誇りを持っている」というお話を伺ったときに、鉄の可能性に強い魅力を感じました。私の夢は、一人でも多くの人の手助けになれるような仕事をすることです。鉄であれば、形を変えてさまざまな人の生活をサポートできると思い、御社の事業に強く惹かれました。
そして70年も前からその強みに気付き、先行投資をされながら事業発展してきた御社でしか学べないノウハウがあるとも感じております。
入社後に覚えることは数多くあるかとは存じますが、野球部で鍛えた粘り強さを強みに、御社の一員として誇りを持ってモノづくりの支えとなるべく活躍していきたい所存です。
商社としてかかわることで、ほかの業界にどのような影響を与えるのかを加味した内容が書けていると、事業内容の理解度をアピールできます。
また、例文のように代表の言葉を志望理由にする場合は、ほかの学生と内容がかぶってしまい、印象に残らない可能性があります。魅力を感じた理由に自分らしさを加えるなど、周囲との差別化を図れるような内容を意識しましょう。
例文⑧機械
例文⑧機械
昭和初期から培ってこられた歴史と沿革に感銘を受け、御社のような企業へ貢献したいと感じ志望いたしました。
私は、経済流通へ貢献したいという気持ちから商社を志望していたものの、どの企業か迷っている中で、御社のインターンへ参加させていただきました。
そのとき役員である〇〇様より「ここまで大きな会社となったのは独創的・創造的革新を忘れなかったことが大きい」というお話を伺いました。
そして、機械業は国内の生活になくてはならない産業であるものの、そこに甘んじず、常に上を見続けている御社のような企業で働きたい、と強く感じたきっかけとなりました。
入社後は工作機械・産業用機器の流通促進に貢献し、将来的には労働人口の不足など大きな社会問題も解決するのが目標です。
入社したい意欲だけでなく、技術やノウハウを学んで成長したいという気持ちも強く持って、御社へ貢献したいと考えております。
衣料品や農林などと同様に、機械を扱う専門商社も製品の種類によって応募企業の強みや特性はさまざまです。志望動機の「企業ならでは」の内容に悩んだときは、公式HPを読み込み、企業の理念に強く共感したことを入れ込むのも一つの手段です。
理念への共感だけの志望動機にならないように、入社後の展望ではどのように貢献したいかを伝え、相手にやる気や向上心をアピールすることも意識しておきましょう。
経験者の失敗談から学ぶ! 商社の志望動機でやりがちなNG例
商社の志望動機には、作成時に避けるべき行動がいくつかあります。しっかりと準備をして取り組んだにもかかわらず、知らずにマイナスポイントを作ってしまうのは悔しいですよね。
事前のリスクヘッジをしておくために、志望動機の作成でやりがちなNG行動について知っておきましょう。リアルな体験談から想像力を広げるために、経験者しか言えない当時の失敗エピソードも聞いてみました。
後悔したことは、私自身が持つスキルのアピールに集中しすぎたことです。本来だと、企業の強みと自分の強み、どちらかもバランス良く言及することが好印象につながると思います。
しかし私は、企業の強み30%・自分の強み70%で志望動機を作成してしまいました。そのため深掘り質問では、企業のどこに魅力を感じたのかという、一方に偏った内容になりました。
志望する商社の分類や企業ならではの理由が書かれていない
NG例の一つが、作成した志望動機に企業ならではの理由や、業界知識が反映されていないというものです。
企業ならではの理由がない例文
私は御社に魅力を感じ志望しました。
企業ならではの理由がある例文
私は常に挑戦し続ける展開力の強さに惹かれ、御社を志望しました。
上の例文は、どちらも志望動機の根拠となる部分ですが、①は単に「魅力を感じた」と伝えているだけで具体性がありません。一方で、②は「常に挑戦し続ける展開力の強さに惹かれ」と応募企業ならではを感じさせる一文があることから、読んでいる相手に説得力を感じさせられます。
具体性が無い理由は、商社への理解が浅く応募企業の事業内容や特性が理解できないことが考えられます。自分の志望動機がありきたりに感じる人は、一度情報の調べ直しをしてみるといいかもしれません。
業界と応募企業の情報収取を念入りにおこなったうえで、具体性・一貫性・説得力のある志望動機を作り、選考通過を目指していきましょう。
ほかの業界や職種と混同した内容になっている
商社の志望動機を作成しているにもかかわらず、ほかの職種や業界の内容が混同してしまう場合があります。特に「商社」と「メーカー」では、業態的に似ている部分があり、事業内容を誤って認識してしまうこともあるため注意が必要です。
商社とメーカーの違い
・メーカー:自社で販売するモノを確保または製品を作って販売している
・商社:作られた物や製品を卸して販売している
志望動機でマイナス要素を作らないためにも、他業界・他職種との違いは明確にしてから望むことが大切です。
やりたいことの具体性がない
志望動機は学生を採用するメリットを伝える必要があるため、根拠の部分で入社の目的をアピールしなくてはいけません。
やりたいことの具体性がない例文
大学時代に培った経済の知識を活かし、貢献していきたいと考えています。
具体性がある例文
大学時代に培った経済の知識を活かし、新規事業の参入に強みのある御社で、私自身も成長を遂げながら貢献していきたいと考えています。
例文は志望動機の「まとめ」の部分です。例①では単に意気込みを伝えているのに対し、例②はどのように貢献したいか具体的に書かれていますね。この部分だけ注目すると、多くが後者の文章を書く学生に魅力を感じるでしょう。
志望動機のまとめは採用担当へ最後に伝えるメッセージです。一文で印象が大きく変わる箇所となるので、最後まで気を抜かずに、自分の強みと熱意を伝えましょう。
みんなの乗り越え方は? 商社の志望動機がうまく作れないときの解決法を伝授
商社の志望動機は、内容を作るまでに整理や情報収集すべきことが多数あります。しっかりと準備したつもりでも、いざ作成しようとすると、うまく進められず「このままだと不採用になるかも」と悩んでしまうこともありますよね。
選考通過の結果に影響する志望動機の作成では、内容に頭を悩ませる人は珍しくありません。自分の将来がかかっていると感じるほど「これでいいのか」と、手を止めてしまいます。
作成をうまく進めるには「自分ならできる」と、前向きな気持ちで取り組むことが大切です。同じ悩みを乗り越えた経験者のアドバイスに耳を傾け、自信を持って作成に取り組んでくださいね。
志望動機の作成に悩んだとき、どのように解決しましたか?
OB・OG訪問を通じて、志望動機のブラッシュアップをおこなうようにしました。やはり自分では完璧と思っていても、会社で働かれている方から見ると不明確な点もあるので、しっかりと見てもらい何度もブラッシュアップするようにしました。
社員の口コミや統合報告書などから、自分の興味を持ったキーワードを抽出し、作成することで解決しました。
座談会や説明会の質問の時間に、実際に社員の方にこの会社の強みを聞いたり、嬉しかったことなどの具体的なエピソードを聞き出したりして、それを志望動機の中に織り混ぜていました。インターンに行った方などは、その経験もぜひ伝えてみてください!
その会社が将来どうなっていくのかをHPなどで調べたり、OB・OGから聞いたりなどして情報を集め、自分がどうなりたいという就活軸と照らし合わせることで対処していました。
OB・OG訪問を積極的におこなうことによって、どのような志望動機で入社された人が多いのか参考にしていました
商社の志望動機は情報整理が重要!難しさにひるまず段階的に進めていこう
商社の志望動機の考え方について、整理すべき情報や作成のポイントを踏まえて解説しました。
選考通過の難易度が高い商社の志望動機は、幅広い情報とアピールすべき内容を自分の中でしっかりと整理してから作成に臨むことが大切です。何から進めるべきか悩んだときは、志望動機を通して企業が知りたいことを考え、内定者の回答を参考にしながら段階的に作成してみましょう。
作成のむずかしさに手を止めてしまうこともありますが、ひとつずつ焦らず進めて、憧れの企業への内定をつかんでくださいね。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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その商社がどのようなネットワークを形成しており、どんな種類のモノや商材を流通させているのかに着目する必要があります。
また、最も重要であるのは近年で発展した商社の仕組みをおさえることです。トレーディングや事業投資などがどういった意味かを押さえ、自分の能力をそこでどのように活かせるか、根拠を自己PRと関連した内容で示すことが重要です。
自分の経験や強みに合わせて考えてみよう
私は、データに関する視点と市場動向の観察眼に自信がありました。そのため、経済学を学んだ経験や物流ネットワークの最適化理論を学んだことをアピールし、自分の強みと志望理由に関連性を持たせました。
自分の持っている能力を商社がおこなうビジネス形態に当てはめて考えることで、志望理由は見えてくるのではないかと思います。