面接の長所・短所は戦略が重要! 回答に悩んだら経験談からヒントを得よう
「自分の長所に自信が持てない」
「短所をいうとマイナスな印象を持たれそう……」
就活の面接の長所・短所に関する質問をされたとき、どのように答えるのが正解か迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。
長所・短所の質問は面接で頻出するため、事前の対策で当日を乗り切る準備をしておくことが大切です。ただ返答するだけではなく、相手の質問の意図を考えたうえで、自分の強みをアピールできる回答内容を考えましょう。
この記事では、面接の長所・短所の質問への答え方と回答のコツを紹介します。同じ悩みを乗り越えた経験者の実体験も参考にしながら、選考突破を目指してくださいね。
以下の記事では、履歴書の長所・短所の書き方について詳しく解説しています。あわせてチェックし、応募書類と面接の回答に一貫性が出るように意識してみましょう。
面接に一歩近づく履歴書の長所・短所の書き方|内定者はこう書いた!
長所・短所の面接対策は何に悩んだ? 選考通過者に当時のエピソードを聞いてみた
面接の長所・短所の回答に悩むとき、内容が浮かばないことはもちろん、準備がスムーズに進められない自分に対して劣等感を抱くこともあるでしょう。
経験者は長所・短所の質問にどのような悩みを抱え、乗り越えたのでしょうか。対策の前に、まずは先輩のエピソードを聞いて「自分も解決できる」という気持ちに切り替え、前向きに取り組んでみてくださいね。
私は本当に口下手で、アルバイト経験もほとんどなく、大人との対話をしたことがないに等しいという状況でした。
そのため、初めて企業の面接を受けたときは、頭の中が真っ白になり、自分でも何を言っているかわからない状態で面接を終えた経験もあります。長所・短所のような比較的答えやすいものですらうまく言葉にできず、もう自分は一生面接が上達しないんだと、落胆していました。しかし、諦めずに選考への参加を繰り返していくうちに、最終的には面接に対して自信を持てるほど成長しました。
積み重ねで力が付くようになるので焦らず取り組もう
就職活動では面接が難関といわれており、悩むのは当たり前です。鉄棒の逆上がりと同じで、最初からうまくできる人はごく少数です。逆上がりが練習をしてだんだんできるようになっていくように、面接も日々の積み重ねによって成長していきます。
長所・短所の受け答えにかかわらず、とにかく「面接をしては改善点を見つける」という流れを繰り返してください。おのずと力は付くはずです。
多くのインターネット上の記事では、長所・短所は誰でもあると書いてありました。しかし、長所・短所があっても、これまで特別な経験をしてこなかった私には、語れるほどのエピソードが何もないと思っていました。
しかし、模擬面接を友人としていて面接官役をしていたときに、留学をして英語が話せる人よりも、論理的にアルバイトの経験から学びを伝えている人の方が魅力的に見えたのです。
企業の面接官の立場になってみれば、特殊な経験をした人はもちろん希少です。ただ、希少だからといって、その活躍の場が多くあるとは限りません。したがって、企業が本当にほしい人とは、意欲をもって成長しながら日々の業務に取り組む人だと思います。そのことに気付いてからは、自分の特別でもない経験に自信が持てるようになりました。
緊張は自分へのサインだと切り替えられるようになった
自分に自信を持てるようになったとはいえ、いまだに面接のときは緊張します。しかし、その緊張は体の戦闘態勢のサインです。いつもより頭が回り、よく話せる状態のはずです。私自身、そのように思えるようになってからは、緊張することも悪くないと感じるようになりました。
自分の経験を企業の立場から考えることで、いまよりもっと自信が持てるはずです。その自信を持って、緊張を飼いならしてください。
回答のコツは相手を知るところから! 企業が長所・短所を聞く意図を知ろう
面接の長所・短所の質問にうまく答えるには、相手の意図を知ることが重要です。面接官は単に学生の性格を知りたいのではなく、質問の裏でさまざまな本質を探っています。
回答内容を考える前に、長所・短所の質問の意味を深掘りしていきましょう。
自社との相性を測っている
長所や短所の質問では、学生の性格・性質・考え方などを知ることができます。
面接は会社ごとの社風や、在籍社員との相性を調べる場です。長所・短所を聞くことで、自社と学生との相性を測っていることが読み取れます。
たとえば、「向上心を持って自発的に取り組める人材」を求めている企業に対し、「自分で仕事を探すのが苦手」と答えると、マッチ度が低いと判断されてしまうでしょう。
面接の長所・短所の質問では、企業がどんな人物を求めているのか読み取り、採用のイメージに違和感を抱かせない回答がポイントです。
客観的な自己分析ができるかどうか知りたい
社会人として仕事をする場面では、どんなときでも冷静な判断ができる人物が求められます。そのため就活の面接では、社会人経験が無い学生に対し、長所・短所が的確に答えられるかどうかで、客観視できる能力をチェックしています。
たとえば、長所・短所の回答がそれまでのやり取りと一貫性がないようでは、面接官に違和感を覚えられてしまう可能性もあるでしょう。
面接の長所・短所の回答を考えるときは、念入りな自己分析をもとに内容を考えることが大切です。
実務に就いたときの対応力を見ている
長所・短所の質問は、採用後の学生のイメージをするためにも利用されています。
業務の向き不向きはもちろん、自分のマイナス面である短所の受け止め方を見て、実務でミスやクレームなどの悪いことが起きたときの対応力を判断しています。
短所の回答では、自分のマイナスな部分を伝えるだけでなく、必ず対処法や解決したエピソードも入れ込んで、採用担当へ問題解決ができる人間だとアピールしましょう。
長所でも「問題解決力」や「臨機応変さ」を伝えるのであれば、具体的な過程や結果を内容に組み込むと好印象がつかめますよ。
納得のいく長所・短所を見つけよう! 体験談から学ぶ4つの考え方
面接で回答する長所や短所を考えたとき「本当にこれが自分の強み?」「この内容で良いのかな?」と不安に思うこともありますよね。不安を抱えたまま本番にのぞんでしまうと、自信のなさが表情や声にあらわれて、マイナスな印象を残してしまうことも。
ここからは、面接で自信を持って回答するために納得できる長所・短所の見つけ方を解説します。うまく長所・短所が浮かばなかったときの経験者の乗り越え方も参考にしてくださいね。
私は就活サイトの自己分析ツールを使ったり、家族に他己分析を依頼したりしました。加えて、友人や研究室の先輩、後輩など近しい人から少し遠い人をそれぞれ選んで、私の性格についてどんな印象を持っているかを聞きました。
それ以外には、これまでの自分の人生を簡単にグラフにして、起こった出来事を書き出していきました。そこで自分が取った行動からどんな性格の傾向があるかを探し出し、一番の長所と短所を選びました。
就活サイトにある、アンケートに答えると結果が出るような自己分析ツールを使っていました。
得られた結果が自分の納得いくものであったり、裏付けるためのエピソードが思いつくものであったりしたらそれを採用していました。
どうしても納得がいかず自分一人では思いつかなかった場合は「長所短所 例」などで検索し、出てきた一覧から自分に一番近いものを選んだときもありました。一度悩むとなかなか良い回答が思いつかなくなってしまうので、日を改めて考え直したりもしていました。
パターン①自己分析で客観視した情報から判断
納得のいく長所・短所を見つけるには、主観ではなく客観視した情報から判断することが大切です。
主観が入ってしまうと、気付かぬうちになりたい自分を描いてしまう可能性があります。本来の自分とは異なる長所・短所を面接でアピールした結果、入社後のミスマッチが起きてしまうケースもあるでしょう。
自己分析の方法にはさまざまな種類があり、客観的な視点で長所・短所を見つけるには次のような診断法やツールがおすすめです。
名前 | 内容 |
---|---|
マインドマップ | 自分の好き嫌いとその理由など、頭の中で考えたり思ったりしたことを どんどん書き出し見える化する |
ジョハリの窓 | 「自分から見た自分」と「他人から見た自分」に分けて 項目を書き出し分析する |
診断法やツールは、複数利用しても問題ありません。客観的な視点を多く集めて、自分だけの長所・短所を発見してみてください。
就活に活かせる自己分析の方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてくださいね。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き
長所・短所を知るために就活生パネリストが実際におこなったこととは
長所・短所を知るためにおこなったことを教えてください。
長所は客観的に見ても納得のいくものが良いと思い、友人たちからよくいわれるようなことを思い出して書きました。短所はできるだけ長所に言い換えられるものにしました。
長所に関しては自分自身が褒められた経験を見つけ、なぜそのような結果になったのかを深掘りすることで探しました。短所はうまくいかなかった経験をいくつか出して、その中の行動で共通することを見つけていました。
ありきたりではなく、自分の個性が出るように、周りからいわれる内容に言い回しを少し変えたりして表現するようにしました。
パターン②第三者の印象から考える
自分の考えた長所・短所に納得がいかない場合、内容に自信がないことが原因だと考えられます。長所・短所を自信を持って断定するには、第三者の意見を取り入れて説得力を高めることが大切です。
大学の友人・先生や両親・アルバイト先の後輩など、自分の印象をさまざまな人に聞いてみて共通するものから長所・短所を選んでみましょう。
印象を聞くときは、あらかじめ面接で答える長所・短所の発見が目的だと話しておくと、相手にも意図が伝わり回答をもらいやすくなります。
「自分のことをどう思う?」などの抽象的な聞き方ではなく、「自分の長所はなに?」「弱い部分はどこ?」と明確な答えが出せるように質問内容を意識することもポイントです。
内定者に聞いた! 皆は誰に長所・短所を尋ねた?
私は母と姉と仲の良い友人の合計3人に自己分析の協力を依頼しました。
具体的な情報収集の方法としては、マイナビの「お願い!他己分析 – 就活支援 – 」という無料で使えるサービスを利用していました。SNSを通して家族や友人にリンクを共有するだけで簡単に他己分析してもらえる機能で、就活生側はそれを集約した結果を見ることができるというものです。
これらの結果から自分の長所や短所を発見できるため、非常に便利な機能であると思います。
直接聞きづらいときはツールの利用がおすすめ
私が情報収集にツールを用いたのは、家族や友人に面と向かって「長所や短所を教えて」とお願いするのは気恥ずかしいと思ったからです。
マイナビの「お願い!他己分析 – 就活支援 – 」であれば、選択式で質問に答えればいいだけなので、お願いしやすい点が良かったと思います。記入式の欄には就活応援メッセージのようなものを書いてもらえる欄もあり、読んでいるだけで心がほっこりしました。
長所・短所を聞いた人物は3人いて、うち2人は家族で、もう1人は友人でした。聞く内容は、家族と友人で変えるようにしていました。
具体的には、家族に対しては「自分の性格を客観的に見て、仕事で良い評価をもらえるような長所ってなにかある?」「逆にここさえ直せれば、もっと良い印象になるのにっていう短所はある? もし改善策があればそれも教えてほしい」と聞くようにしていました。
聞く人の関係性によって質問を変えることで違った回答を得られた
この聞き方で、人生経験が多い父母に、ビジネス的な視点での指摘をもらうことができました。一方で、友人に対しては「あまり、思いつかないかもしれないけど、自分の性格でどういうところを気に入って友達になってくれたの?」「この際ここ直したら完璧っていうのを長年の付き合いで教えてほしい」というように聞くようにしました。友人からは人間性に関する指摘をもらうことができました。
パターン③過去の経験から連想する
自分の過去の経験を振り返るだけでも、長所・短所の発見につながります。具体的には、成功体験やうまくいかなかった経験から、長所と短所の連想が可能です。
過去の経験から長所・短所を連想する例
・長所(成功体験)
寮生活が長く集団行動でわきあいあいと過ごしてきた→協調性がある
・短所(失敗した経験)
テスト勉強が苦手でいつもぎりぎりに勉強を初めていた→時間管理が苦手
自分がどのような気持ちで行動をした結果、成功や失敗につながったのかを考えると、長所・短所へうまく変換できるでしょう。はじめは難しく感じてしまう場合もあるので、後半で紹介する例文も参考にしながらチャレンジしてみてくださいね。
「コミュニケーション能力が高い」は、長所としてあげられますよね。しかし、「コミュニケーション能力が高い」だけでは、面接官へのアピールが弱くなってしまいます。どんな言い換え方法があるか気になる人は、次の記事をぜひチェックしてみてください!
就活生直伝! コミュニケーション能力の言い換え20選を大公開
パターン④長所と短所を言い換える
長所・短所を考えるとき「短所は思いつくけど長所は見つけられない」といった悩みを抱える人は少なくありません。
しかし、長所・短所はどちらも自分自身の性質です。受け取り方や言い方が異なるだけで根本は同じのため、長所・短所のどちらかがわかっていれば、言い換えをするだけで簡単に発見できます。
長所 | 短所 |
---|---|
真面目 | 融通がきかない |
論理的 | 細かい・理屈っぽい |
傾聴力がある | 積極性がない |
明るい・活発 | 落ち着きがない |
リーダーシップがある | 仕切りたがり |
発想の転換で、自分の中で腑に落ちる答えを見つけてみてくださいね。
表で解説! 面接で使える長所と短所一覧を紹介
長所と短所の考え方がわかれば、自分の選択肢を作るためにどのような内容があるのかを知っていきましょう。長所は経験から連想できるポイント、短所は解決法と一緒に一覧を紹介します。
自分に当てはまりそうな内容があるかチェックしながら読み進めてみてくださいね。
長所|過去の経験から連想してみよう
経験 | 連想できる長所 |
---|---|
集団行動をしてきた経験が長い | 協調性がある |
これまで大きなミスもないが成功もない | 安定して実力を発揮できる |
10年間〇〇(趣味や習い事)を続けてきた | 継続力がある |
前日のテスト勉強でいつも高得点を取っていた | 状況判断が得意、判断力がある、効率化が得意 |
アルバイト、学校、ボランティアで 友人がたくさんいる |
コミュニケーション能力が高い、協調性がある、 関係性作りがうまい |
一度作業しはじめたら没頭していることが多い | 集中力がある、好奇心旺盛 |
どんな場面でもリーダー役を やっていることが多い |
主体性がある、牽引力が高い、 リーダーシップを持っている |
休みの日は常に 外に出かけている(アルバイト、遊び、趣味など) |
積極的、活動的、 アクティブな姿勢 |
人と話していると聞いていることが多い、 悩み相談をよく受ける |
傾聴力が高い、 誰からも話しやすい雰囲気を持っている |
大学の友人やアルバイトの後輩など 世話を焼くことが多い、 集団でまとめ役にされることが多い |
サポート力が高い、世話焼き、 周囲に目を配れる、主体性が高い |
根拠のある長所を導き出すためには、過去の経験から連想することが大切です。
長所がうまく思いつかない人は、いきなりフレーズを考えようとせず、過去の自分を振り返って段階的に導き出すと解決の道が見えるでしょう。
過去の自分を振り返るには、自己分析の「自分史」を活用したり、最近周りから褒められた出来事などから思い浮かべるとスムーズです。経験が思い浮かべば、あとは言い換え言葉を考え、長所のフレーズを導き出します。
経験から長所を導き出すコツ
①経験を振り返る:一度作業しはじめたら没頭していることが多い
②経験から気になるフレーズを抜き出す:「没頭」
③抜き出したフレーズを言い換える:「没頭」→「一心不乱」「集中」
言い換えはポジティブな言葉を選ぶようにして、「〇〇力」や「〇〇すること」など短文でまとめることがポイントです。
どうしても長所が思いつかない人は以下の記事を参考にしてみてくださいね。先輩のアドバイスをもとに、長所の見つけ方について詳しく解説しています。
長所が思いつかない……就活を経験した先輩が伝授する見つけ方9選
短所|改善方法もセットで考えるとスムーズ
短所 | 改善方法 |
---|---|
時間管理が苦手 | ストップウォッチで改善している |
引っ込み思案 友達作りが苦手 |
自分から決まった挨拶をして 話が始まるようにしている |
頭が固い | 自分だけ話していると感じたら、一旦息継ぎして 周りを見るようにしている |
細かい作業が苦手 | チェックリストやマニュアルを作る、 人に頼る、ツールを頼る |
長考が苦手 (すぐ動き出してしまう) |
行動前に「計画や目的を考えたか」 自分に問う癖をつけている |
謙虚 (積極的な行動が苦手) |
得意分野をはっきりさせ、 自信があることに積極性を出す |
マイナス思考になりやすい | 友人に相談して客観的な意見をもらう、 ネガティブな発言をしやすい人は避ける |
決断に時間がかかる | 考えるときは時間を決める |
言い方がストレート | 発言前に一息置いて、 自分の言おうとしていることを客観視する |
短所は内容が思いつかないことよりも、「マイナスな印象にならないか」に悩む学生が多いのではないでしょうか。
短所は、自分の欠点を伝える時点でどうしてもマイナスな言葉選びになってしまいます。その中で好印象を残すには、面接官が気になっている対応力や改善結果で好印象をつかみましょう。
「時間管理が苦手」とだけ話すよりも、「時間管理が苦手だが、ストップウォッチを活用し、強制的に気付く仕組み作りで解決した」と伝える方が相手へ安心を与えることができます。
対処法や改善結果に関しては、面接で深掘り質問をされる可能性があるため、誇張した内容ではなく、自分の実体験に基づいたものにしましょう。改善できていない場合でも、短所をしっかり受け止めた行動をアピールすることが大切です。
長所の面接対策|内定者の答え方から知る! 好印象を残す構成とコツを解説
ここからは実際の回答内容となる文章の作成方法を解説します。面接の長所の質問に回答するときは、「結論」「根拠」「実績」「まとめ」の4つの構成を意識して話すと、相手にわかりやすく伝わります。
長所の回答例文
結論
私の長所は、臨機応変な対応力です。
根拠
大学時代の飲食店のアルバイト先は、ビジネス街の中心にある店舗であったため、ランチの時間帯は非常に混雑していました。
実績
開始当時は無駄な動きが多く、提供が遅いとお客様に怒られる日々を送っていました。しかし、アルバイトをこなすうち、そのときの状況の中で優先順位を立てる大切さに気付き、注文された料理の調理時間・お客様の食べるスピード・その日のホールスタッフの状況次第で臨機応変に動けるようになりました。
まとめ
御社の営業職として入社した際も、この強みを活かし、顧客からのニーズの変化やとっさに投げかけられる質問へ臨機応変に対応し、新卒で一番の営業成績を残したいと考えています。
いくら魅力的な長所があっても、面接官は本当に学生にその力があるのかを判断できません。長所を裏付ける根拠や実績を提示してはじめて、面接官を納得させられる回答が完成します。
まとめの部分では、企業で長所を活かしてどのような活躍ができるのかを話すことが大切です。実際に一緒に働くイメージを持ってもらえれば、プラスの評価が期待できるでしょう。
選考突破した内定者が回答で意識していたポイントも聞いたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まずは結論ファーストで自分の長所から述べた後にそれを裏付けるエピソード、そして最後にもう一度長所とそれを志望企業にどのように活かすかを伝えるという構成で話していました。
初めの長所はわかりやすく簡潔に一言で表します。エピソードでは関係者でない第三者が聞いても伝わるように、ときには少し事実と変えたりしていました。
そして一番重要なのが最後の部分です。この長所を企業でどのように活かすか具体的に述べることで、企業にとって必要な人材だとアピールしました。
自己アピールでは、受賞歴など、明確な功績をアピールしました。ただし、自分一人の手柄をアピールするのではなく、チームで受賞した功績をアピールするように心掛けました。
自分だけの功績を対面で伝えるとなると、自己満足で終わる心配や、傲慢だと受け取られかねないことを懸念したからです。
文章上で記載してアピールする際は、成績表など、自分だけの功績を努力家であるという強みと共に記載しました。もちろん事実のため、深掘りされて困ることはありませんでした。
長所の根拠と、その長所を用いて何ができたかを伝えることを大事にしていました。
私が長所について話すときは基本的に、結論、原体験、将来にどのように活かしたいかを簡潔に話していました。
私の長所は分析力と修正力だと最初に伝え、どうしてそれを自覚したのかというエピソードとして、部活での成長と実際の受賞歴で根拠を明確にしました。そして、どのようにその長所が活かされたのかを伝えた後で、将来その企業で長所をどう活かしていきたいのかをアピールしていました。
自分が将来その企業で活躍するイメージを面接官の方に持ってもらえるようにするのがポイントです。
エピソードに具体性を持たせる
面接の長所の回答で好印象を残すには、内容に説得力を持たせることが重要です。話に説得力を持たせるには、具体的で根拠のある長所を伝える必要があります。
根拠がない場合の長所
私の強みは「臨機応変さ」だと感じている
根拠がある場合の長所
大学時代のアルバイト先で得た経験から、私の強みは「臨機応変さ」だと感じている
例文のように「〇〇だから」という明確な理由があると、相手も話に納得できるでしょう。根拠がない場合、「なぜそう思ったのだろう」と疑問を持たせた状態で終わってしまいます。
根拠のある文章は、長所の内容を考えるときに、自己分析や過去の経験からしっかりと分析できていれば作成できます。好印象をつかむためにも、焦らず段階的に考えることに注力しましょう。
自己PRにつなげることを意識する
長所で好印象をつかむには、ただ自分の良いところを伝えるだけでは叶いません。長所に加え自分を採用するメリットをアピールできると、「一緒に働いてみたい」と面接官に前向きな印象を持ってもらえるでしょう。
回答を考えるときは、企業が長所の質問を通して知ろうとしている「自社との相性」や「仕事への適性」を意識した内容を回答に組み込みましょう。
自己PRにつなげることを意識した例文
私の長所は、臨機応変な対応力です。
大学時代の飲食店のアルバイト先は、ビジネス街の中心にある店舗であったためランチの時間帯は非常に混雑していました。
開始当時は無駄な動きが多く、提供が遅いとお客様に怒られる日々を送っていました。しかし、アルバイトをこなすうちに、そのときの状況の中で優先順位を立てる大切さに気付き、注文された料理の調理時間・お客様の食べるスピード・その日のホールスタッフの状況次第で臨機応変に動けるようになりました。
御社の営業職として入社した際も、この強みを活かし、顧客からのニーズの変化やとっさに投げかけられる質問へ臨機応変に対応し、新卒で一番の営業成績を残したいと考えています。
長所の回答で自分をアピールするタイミングは、構成の「まとめ」となる部分が適切です。
例文のように、長所の活かし方と入社後の目標を伝えると、面接官は「自社に貢献してくれるかも」とイメージできます。単に「新卒で一番になる」と伝えるよりも、入社した自分の印象付けができるでしょう。
面接の長所の回答では締めの内容まで力を抜かず、面接官へ伝わるメッセージとしてなにをアピールしたいかを意識することが大切です。
ほかの回答と同じにならないようにする
面接ではさまざまな質問を投げかけられますが、回答内容がほかの質問とかぶってしまうと、アピールできるタイミングが少なくなってしまいます。
志望動機、自己PRなどは特に内容が同じになりやすいので、事前に違う回答を用意するように注意しましょう。
また、よくある悩みとして「長所」と「強み」の区別がつきづらいという声もあります。
長所と強みの違い
長所:自分の性格部分の良い点(例:臨機応変さ、責任感、向上心)
強み:経験を通して得たスキル・技術(例:英語力、ビシネスマナー)
この2つが同じ面接で質問されるケースもあるので、それぞれの意味を区別しておきましょう。
面接の自己紹介の回答内容については、こちらで詳しく解説しています。ほかの回答内容と重複しないためにもぜひ参考にしてみてくださいね。
面接の自己紹介で何を話した? リアル回答例付きで伝え方を徹底解説
短所の面接対策|内定者はどんな意識で答えた? マイナスイメージをプラスに変えよう
面接の短所の質問へは、マイナスな出来事を素直に受け入れるだけでなく、客観視した視点で対処に臨めているかまで答えることが大切です。回答では「結論」「経験」「改善点」「まとめ」の順で答えると、一貫性のある内容にできるでしょう。
短所の回答例文
結論
私の短所は、心配性な性格です。
経験
学習塾のアルバイトで、初めて自分の担当生徒を任されたときは、失敗してしまうのではないかと不安になってしまうことがありました。不安から当日緊張してしまい、会話を噛んだり考えがうまく伝えられないミスを誘発してしまったこともあります。
改善点
それからは授業本番までに、事前の準備やチェックをする時間を設けることで落ち着いて仕事に取り組めるようにしています。今では初めての授業でも不安を持たず、堂々と振る舞えるようになりました。
まとめ
御社で初めての業務に取り組んだ際も、不安になることはあるかとも思いますが、乗り越えた経験をもとに自身のマインドをうまく調整していきたいです。
そのほか、全体の対策として意識すべきポイントを次で紹介していきます。経験者だから知る答え方のコツも参考にしてくださいね。
言い方を変えれば長所とも取れるようなものを短所に選んでいました。ただそれは自分から言うのではなく、相手に感じてもらうようにしていました。
また、短所とそのエピソードを言うところまでは長所と同じで、その後にそれをどう改善しているのか、克服するために今自分が何をしているのかも付け加えるようにしていました。
短所を伝えただけではただ自分のイメージを下げただけになりますが、改善する姿勢を見せることで自分の弱点を分析でき、さらにはそれを乗り越えるために工夫している姿もアピールできます。
短所の中でも、裏返せば長所と捉えられるものも多いです。よってその会社に入ったとき、もしくはその職種で役立ちそうな短所を選ぶのが一番良いと思います。
そういった短所が見つからなかった場合には、先に長所を探して、それと対になるようなものを選ぶと、自分も話しやすいですし、企業の方も矛盾なくイメージしやすいというメリットがあります。また、短所を伝える際には最後に必ず、その短所を克服するためにどのような行動をとっているか、心掛けているかを付け加えるのがポイントです。
ネガティブな印象が残る短所は回答しないようにしました。
具体的には「寝坊してしまう」「がむしゃらになってしまう」「一つのことに集中できない」などです。また短所を答える際には、改善策とともに伝えるようにしました。
具体的には「私の短所は心配性です。この短所を改善するために私は、毎日日記を書くことで、自分の考えを整理し、安心感を得るようにしています」というように、短所を短所のままで終わらせない姿勢を示すようにしています。
マイナス要素が強い言葉には注意する
短所とは自分の欠点という意味の言葉ですが、面接で回答するときはマイナスな印象が強すぎる言葉は避けましょう。
マイナス要素が強い回答内容
・嘘をつく癖がある
・遅刻ばかりする
・心が狭い
・表情が暗い
性格の悪い部分といっても、人間性や倫理観を疑われるような内容は特に注意が必要です。
たとえ自分の中で短所として認識があった場合でも、表現がきついなと感じたフレーズはオブラートに言い換えることも一つの手段といえるでしょう。
マイナス要素が強い回答の言い換え例
・表情が暗い:表情が硬い
・心が狭い:周りが見えなくなるときがある
・仕事が雑:集中力が欠ける瞬間がある
面接の短所の回答では、「好印象をつかむ」よりも「マイナスな印象をいかに回避するか」が重要です。短所を伝えることで、相手が自分の印象をどう捉えるかを想定した答え方を意識しましょう。
対処法や改善策を入れ込む
短所の回答内容で印象を左右するのが、質問を通して対応力や問題解決力を知りたい面接官が最も注目する「改善点」の部分です。
とはいえ、短所の改善がうまくいかず、話せるようなことがないと悩む人もいるでしょう。そのようなときは「改善を試みている」と、行動していることをアピールすれば問題ありません。「短所は理解しているが改善した経験がない」という場合は、これからどのように対処していくべきか、意気込みを答えると前向きな気持ちが伝わりますよ。
改善点を伝えないままだと、自己分析の甘さや客観視するスキルに疑問を持たれることもあるので注意しましょう。
改善結果も入れ込めると好印象
面接の短所の質問では、改善した実績まで答えられると好印象につながるでしょう。
改善結果を伝えている例文
それからは授業本番までに、事前の準備やチェックをする時間を設けることで落ち着いて仕事に取り組めるようにしています。今では初めての授業でも不安を持たず、堂々と振る舞えるようになりました。
短所と改善した行動を伝えるのは、仕事でたとえると状況報告です。そこからさらに改善結果を添えられると、社会人として需要の高い「自己で成果を導き出せる人物」という評価を受けられるでしょう。
必須の内容ではありませんが、選考突破を目指すのであれば、ぜひ取り入れたいポイントですね。
選考突破の分かれ道! 長所・短所の回答でNGな5つの行動
面接の長所・短所の質問では、相手の投げかけに答えることを優先した結果、気付かずに印象が悪くなる行動をしてしまうことがあります。
事前に面接の長所・短所のNGな回答を知って、自分の選択が間違っていないか判断できるようにしておきましょう。
その①長所・短所に一貫性がない
面接の長所・短所の質問では、これまでの会話やエントリーシート(ES)などとつながりがない回答は避けましょう。
たとえば、自己PRで「コミュニケーション能力がある」と説明しているにもかかわらず、短所で「内気」と話していると、相手は違和感を持ってしまいますよね。
「本番の会話の流れで用意していた回答とつじつまが合わない」と困らないためにも、長所・短所の答えはいくつか用意しておくことがおすすめです。
その②どちらか片方しか回答しない
面接官は長所・短所の質問で、学生の客観視できるスキルや、自社との相性を知りたいと紹介しましたね。
長所・短所のどちらか1つしか答えられない場合、自己理解不足や自社との相性がわからないと判断され、選考通過を逃すことになるかもしれません。
面接の質疑応答は、どの回答もすべて自分のアピールにつながります。答えないことでアピールする機会を減らさないように、積極的な姿勢で回答に臨みましょう。
その③採用するリスクを感じさせる内容を選ぶ
いくら自分の短所とはいえ、採用するリスクを感じさせる内容は、使用を控えることをおすすめします。
リスクを感じさせる内容
・金銭に関連する(お金の貸し借り、賭け事)
・加虐性が感じられる(喧嘩早い、批判的)
・サボり癖や遅刻癖がある(授業やバイトの欠席・遅刻)
・自己中心的な要素(話を聞かない)
企業は採用面接で、自社に適性のある人物を判断すると同時に、不利益をもたらさないかも見極めています。上記のような採用リスクを感じさせるような発言があると、選考通過が遠のいてしまうので注意しましょう。
その④複数の短所・長所を回答する
面接の長所・短所の質問でありがちなミスとして、複数の内容を回答することが挙げられます。
NG例文
私の短所は、心配性な性格です。
学習塾のアルバイトで、初めて自分の担当生徒を任されたときは、失敗してしまうのではないかと不安になってしまうことがありました。不安から当日緊張してしまい、会話を噛んだり考えがうまく伝えられないミスを誘発してしまったこともあります。
また、内気な点も自己の弱みと感じています。
実際に学習塾のバイトでは初対面の生徒とうまく話せず、なかなかクラスに馴染んでもらえない出来事がありました。
例文のように「心配性」と「内気」の2つを回答してしまうと、エピソードの部分だけでもボリュームが多くなることがわかります。回答が長くなると相手へ情報が伝わりづらくなるので、内容は1つにしぼることが適切です。
特に短所の回答で複数答えてしまうと、マイナスな印象が強くなってしまうので避けるべき行動といえるでしょう。長所・短所どちらの回答でも、一点集中を意識し、自分の魅力を最大限に伝えられる内容を考えてみてくださいね。
その⑤実務や求められるスキルと関係のないものを選ぶ
面接の長所・短所の質問では、相手の意図を踏まえた回答が大切と紹介しましたね。
実務と関連性の低いスキルをアピールしてしまうと「仕事内容が理解されていない」と捉えられ、マイナスな印象を持たれることもあるので要注意です。
求められるスキルとの関連について
事務職に応募する場合
△ :成果を出す力、競争心をアピール
〇:細かい作業が得意、サポート力、時間管理能力をアピール
求められるスキルを知るには、募集要項の「仕事内容」「求める人物像」などをチェックすることがおすすめです。ほか、企業HPの採用方針や自社の理念なども確認すると、相手が採用したい人柄や能力が見えてくるでしょう。
内容に迷ったら、1人で解決しようとせずに周りにも頼りながら作成を進めてくださいね。
先輩たちのリアル回答付き! 面接の長所・短所の回答例文11選を紹介
最後は、長所・短所の回答例文を紹介します。それぞれの作成ポイントもあわせて解説するので、自分のアピールしたい内容に似た例文をチェックしてみてください。
また、選考を乗り越えた先輩たちの実回答も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
私は、長所・短所を聞かれた際、以下のように回答しました。
「私の長所は傾聴力があることです。
オープニングスタッフとして飲食店でアルバイトをしていたことがあったのですが、退勤後に、バイトリーダーから辞めたいと相談を受けることがよくありました。
私は持ち前の傾聴力を活かしてバイトリーダーが感じている不満から問題点を洗い出し、お店の働き方の改革に貢献しました。また、短所は心配性なところです。少しでも不安なことがあると100%のパフォーマンスを発揮できませんでした。最近は入念な準備や下調べを怠らないことで克服するようにしています」
応募した業界は派遣会社の研究職です。長所・短所を聞かれた際は、以下のように回答しました。
「長所は粘り強く物事に取り組めるところだと考えています。私は有機化学の研究室に所属しており、研究内容は主に医薬品の元になるような化合物の合成や、以前よりも簡便で環境に優しい合成法の開発です。特に私が研究した化合物は安定性が低かったため扱いが難しく、初めは上手くいかないことも多くありました。
その度に調べ直したり、先輩や先生にアドバイスをいただいたりしました。実験はほとんど同じことの繰り返しであることが多いのですが、さまざまな角度から試行錯誤し、最終的には最適な方法を見つけて結果を出すことができました。
その一方で、頑固なところが短所であるとも考えています。たとえば、自分が見出した方法や考えの良し悪しを適切に判断できないことがあり、結果的には長く時間がかかってしまったことが過去にありました。よって普段から、何かに取り組む際には自分一人だけで考えるのではなく、聞けるときは周囲に意見を求めたり、うまくいかないときは周りにきちんと相談するように心掛けています」
はじめに、長所と短所は、表裏一体であると考えていることをお伝えしました。実際の内容は以下になります。
「私は諦めの悪い性格であり、皆が諦めて帰宅する中でも、最後まで粘ってしまう短所があります。しかし一方で、この短所は、長所にもなり得ると痛感する出来事がありました。
私の志望する業界はIT業界で、希望職種は開発職です。大学時代から、開発に関する研究に携わってまいりました。その際に、諦めない努力家な一面があるおかげで、解決策が見つかるまで粘り強く挑戦することができました。
その姿勢がチームの士気を高め、皆で目標を達成することができました」
応募したのは出版業界の総合職です。
長所は自分の分析力と実践してからの修正力とお伝えしていました。そして、短所は情報収集に時間をかけすぎてしまい実行が遅れてしまうとお伝えしていました。
また短所は、期限を設けることで対応していることも伝えていて、あまりネガティブに捉えられないようにすることを注意していました。
短所を長所の裏返しの副作用のように伝えることで、短所も解決法があり長所がより引き立つと面接官から好印象な反応をいただけました。またそれぞれ同じことの裏返しなので、その原体験やエピソードも同じところから話せると良かったと思います。
長所|自分なりのエピソードを入れ込むようにしよう
長所の答え方は、基本の構成を意識しながら、ありきたりにならないよう「自分ならでは」の要素を組み込むことがポイントです。
長所の基本構成 |
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①結論:自分の長所を端的に伝える ②根拠:長所と感じた理由となるエピソード ③実績:長所で得た成果・結果・評価 ④まとめ:今後①をどのように活かしていくか |
「自分ならでは」を組み込めるのは②〜④の部分です。特に②は「学生時代のバイト」ではなく「飲食店のアルバイト」など、相手が具体的な想像ができるように注意しましょう。
④のまとめの部分は、求められるスキルや人物像を意識し、面接官が「採用したい」と感じる自己アピールをすることが大切です。
忍耐力
忍耐力が長所の例文
私の長所は物事を諦めずに、最後までやり遂げることのできる忍耐力です。
高校で継続していたサッカー部では、90分走り続ける持久力を付けるためにマラソンをおこなっていました。春から冬にかけどんどんと距離が伸びていき、トレーニング中に歩く人もいるなかで、私は一度も歩くことなく卒業を迎えました。
大学やアルバイトで逃げたくなるような出来事を経験したときでも、投げ出さず続けているのは部活動で得た忍耐力のおかげだと感じています。
入社後も大変な仕事があったとしても、最後までやり遂げる忍耐力を活かし、御社の事業成長に貢献していきたいです。
部活動の経験から忍耐力を長所とした回答内容です。
仕事で起きるマイナスな出来事にそなえ、どんなときでも投げださずに継続できることを伝えることで、早期退職の不安を解消できます。
さまざまな職種に使える内容ですが、ノルマのある営業職や、締切まで期間があるクリエイティブ職などにおすすめの長所といえるでしょう。
スケジュール管理能力
スケジュール管理能力が長所の例文
私の長所はスケジュール管理が得意なところです。
高校時代は野球部のマネージャーを経験しており、40名の部員のサポートを1人でこなしていました。練習開始から終わりの限られた時間内で部員のドリンクや補助食、ノックのサポート、備品管理などをおこなわなくてはいけないので、効率の良さが求められる仕事です。
時間内にすべて終わらせるために、休み時間で今日のやるべきことから優先順位を書き出したスケジュール表を作成し、顧問に確認してもらい取り組んでいました。その結果、卒業後は顧問から「〇〇さんがいなくては部活が回らなかった」と評価を受けることができました。
今後、御社で企画職としてプロジェクトを任された際には、これまでの経験を活かし、効率の良い作業を意識して、周囲よりもいち早く経験を積んで貢献していきたいと考えています。
スケジュール管理能力を長所として回答した内容です。
スケジュール管理には、ただ時間を守るだけでなく、逆算して行動できる状況把握力や判断力が必要です。経験や実績を話すときは、スケジュールを効率良く進めるためにどのように行動したのかを入れ込みましょう。
スケジュール管理能力は「自己管理力」や「状況把握力」とも言い換えられるので、応募している職種ごとに言い回しを変えてみるのも良いかもしれません。
チャレンジ精神
チャレンジ精神が長所の例文
私はどんな状況でも敢然と立ち向かうチャレンジ精神を持っています。
大学2年生のときに、新しい経験を得たく、イギリスへ留学を経験しました。その時点で英語を話した経験もなく、高校レベルの知識しかない状態であったため、現地では英語の勉強に励み、積極的に学内の生徒や先生たちとかかわりました。
その結果、抵抗なく知らない言語を使って話すことができるようになり、英語での一般的なコミュニケーション能力が身に付きました。今は韓国語の習得に励んでおり、交換留学生で日本にいる韓国籍の友人に練習に付き合ってもらっています。
社会人になっても、このように新しい業務へ積極的にチャレンジし、自己の成長につなげて御社へ貢献していきたいと考えております。
チャレンジ精神を強みにする際は、ありきたりにならないか悩む人も多いのではないでしょうか。周囲と差別化を図るには、エピソードで独自性を感じさせることがポイントです。
例文は、英語未習得の時点で留学して語学力を身に付けた経験に加え、さらに韓国語を勉強しているエピソードを答えることで向上心もアピールできていますね。
チャレンジした先に成果を得た経験や、少しめずらしい経験を持っている人にはぴったりな長所といえるでしょう。
前向きな・ポジティブな性格
前向きな・ポジティブな性格が長所の例文
私の長所は前向きな性格です。
高校生では美術大学の進学を目指し、放課後に塾に通いながら、時間の許す限り絵の練習をしましたが、残念ながら受験には失敗してしまいました。しかしそこで落胆せず、この技術はほかに活かせないかと考え、インテリアデザインの道を選びました。
その結果、入学した現在の大学では学科主席の成果を出し、ゼミの制作発表でも上級生と張り合う成果を残すことができました。
これからの人生で、落胆やショックな出来事は必ず起こり得ると思います。そのようなとき、わたしの長所は周囲よりも早く立ち直りができる最大の武器だと考えております。
「前向きな性格」の長所はありきたりで避けられやすい内容でもありますが、伝え方次第では採用したい人物だと評価されるでしょう。
例文のように、前向きな性格を「人より少し良い性格」と捉えず「最大の武器」とあえて断言することで、採用担当に魅力的な印象を残す効果を発揮しています。
シンプルな長所だからこそ、そのあとの文章次第で自分のアピールを自由に表現できる内容です。
臨機応変な対応力
臨機応変な対応力が長所の例文
私の長所は、臨機応変な対応力です。
大学時代の飲食店のアルバイト先は、ビジネス街の中心にある店舗であったためランチの時間帯は非常に混雑していました。
開始当時は無駄な動きが多く、提供が遅いとお客様に怒られる日々を送っていました。しかし、アルバイトをこなすうちに、そのときの状況の中で優先順位を立てる大切さに気付き、注文された料理の調理時間・お客様の食べるスピード・その日のホールスタッフの状況次第で臨機応変に動けるようになりました。
御社の営業職として入社した際も、この強みを活かし、顧客からのニーズの変化やとっさに投げかけられる質問へ臨機応変に対応し、新卒で一番の営業成績を残したいと考えています。
忙しい飲食店での経験を「臨機応変な対応力」に導き出している回答内容です。
例文では、過去の自分からの成長率を伝えており、未経験から向上した技術(対応力)をアピールしていることがポイントです。
「未経験から何かを経て成果を出した」という言い回しは、ほかの長所の回答でも取り入れられます。これから初めて社会人として仕事にチャレンジする学生にはピッタリの内容なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
短所|最後の締めでポジティブなイメージを残そう
短所の答え方は、必ず改善点や対処法を伝えることがポイントです。
短所の基本構成 |
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①結論:自分の短所を端的に伝える ②経験:短所と感じたエピソードや理由 ③改善点:改善点・対処方法(可能なら改善結果) ④まとめ:今後おなじような出来事にどう対応するか |
短所は自分の欠点を伝えるため「悪い印象を持たれたらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。ただ、面接官が知りたいのは、欠点が何かではなく、欠点の受け入れ方と対処方法です。
自覚している短所の改善点と今後の対処法を伝え、最終的には内容をプラスに持っていく意識をすれば、回答に迷うことはありません。
例文も参考にしながら、自信を持って答えられる回答を見つけてくださいね。
長考が苦手
長考が苦手な人の例文
私の短所は長考が苦手なところです。
高校時代から5年間継続している飲食店のアルバイトでは、スピードを常に求められ続けていたため、じっくり考えるよりも咄嗟の判断で動くことを意識していました。そのような経験から、ゼミの活動でも「まずはやってみよう」と体が動いてしまい、あとから「もう少し考えて動けば良かった」と後悔したことがありました。
同じ後悔をしないためにも、最近は考えることが求められるゼミの集団課題や討論の場では、動き出す前に「しっかり考えたか?」と自問自答する癖を付けるように意識しました。
社会人として仕事に取り組む中では、直感で動いていけない仕事も多々あると感じているため、臨機応変な行動だけでなく、長考できるスキルも身に付けていきたいと考えております。
短気な性格を「長考するのが苦手」と言い換えて回答している例文です。
改善点を伝えていることもポイントですが、まとめの部分で短所を「臨機応変な行動ができる」とポジティブに変換したフレーズを入れ込み、アピールとして活用しています。
このように自分の短所を伝えると同時に長所も入れ込むことで、相手にポジティブな印象を残すこともできるため、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
集中すると周りが見えない
集中すると周りが見えないことが短所の例文
私の短所は集中すると周りが見えなくなることです。
昔から趣味で絵を書くのが好きで、現在はデジタルソフトを使った作品をSNSに投稿もしており、週に2つは制作をしています。しかし、制作に入ると熱中しすぎて寝食を忘れることもあり、次の日の授業に影響が出ることがありました。
言い換えると集中力があるともいえますが、度を越してしまうと周囲にも迷惑をかけると感じ、最近は食事や就寝時間にアラームをかけて自己管理を徹底した結果、効率良く作業を進められました。
事務職は複数の作業を同時進行する力も求められると感じているため、短所から学んだ自己管理能力を活かし、スムーズな業務で配属部署へ貢献したいと考えています。
集中して周りが見えなくなる短所に、自己管理能力を身に付けて対処した回答内容です。
改善した結果として身に付けたスキルで、今後どう貢献するかまでアピールできているため、回答にプラスした自己PRができているといえるでしょう。
回答を考えた時点で改善できていない場合は、どこまで改善できたかなどを伝え、努力している姿勢をアピールすることがポイントです。
事務職志望の例文を紹介しましたが、以下の記事では事務職として働く現役社員の体験談を交えながら、事務職の自己PRの作成方法について詳しく解説しています。事務職を志望している人はチェックしてみてくださいね。
現役社員がアドバイス! 事務職の自己PRの作り方と例文20選
おせっかい
おせっかいが短所の例文
私は昔からつい人の面倒を見てしまうため、おせっかいに感じられることがあります。
アルバイトで後輩の指導を任されたときも、細かい作業や話し方にまでアドバイスをした結果、指導時間が長くなり店長から指摘を受けてしまいました。
それ以来、自分の業務と指導のバランスについて意識を向け、後輩の自主性を大切にする重要さに気付くことができました。指導する時間は1日に決めておき、急ぎでなければ振り返りとしておこなうことで、後輩も業務に集中できた様子がみられました。
今後も対人関係では、相手に踏み込みすぎていないかを確認し、おせっかいな短所を面倒見が良いと受け取られる距離感で関係構築に臨みたいと考えております。
「おせっかい」な短所は「面倒見が良い」という長所として使用されやすいため、回答の作成もスムーズに進められる内容です。
ただし、改善方法が「気を付けている」など意識的なことになりやすいため、言語化に悩む人もいるでしょう。作成に迷ったときは、どのように気を付けているか、どんな行動をしたのかを振り返って段階的に考えることが大切です。
優柔不断
優柔不断が短所の例文
私は周囲から、優柔不断だといわれることがあります。
実際に、友人と食事に行ったときのメニュー決めや、大学の履修科目など、いつも人より時間がかかっていると感じています。
自分1人であれば問題ないこともありますが、集団行動においては迷惑をかけることもあるため、時間を制限して結論を出すだけでなく、「迷ったらいやなことから削除する」選び方を実践しています。
今では「周りを見れるようになった」と友人からいわれるようになり、意識改革ができた成功体験につながりました。
初めての経験では、優柔不断な部分が出ることもあると思いますが、改善できた経験から自信を持って何事にも取り組んでいきたいと考えています。
マイナスな印象になりやすい優柔不断な短所は、改善策が結果に結びついていることで、今後も対処できる力があることをアピールしましょう。
例文のまとめでは、優柔不断な部分を受け止めながらも、今後の意気込みを伝え、行動する意思を示しています。長年当たり前としてきた行動をすぐに改善できたと伝えるよりも、説得力が伝わる内容ですね。
マイペース
マイペースが短所の例文
私は、自分のペースで物事を進めると周囲から指摘されることがあります。
これまで、興味の出た作業や熱中している課題などに取り組む際、多くの時間を使ってしまうことから、友人との約束を忘れてしまうなどの出来事がありました。
そのため、作業に取り組む前は終了時間をあらかじめ決めたり、優先順位を整理するといった工夫で改善を目指すようになりました。
社会人として仕事に取り組むときは、スピードや協調性も大事だと考えています。周囲に迷惑をかけないためにも、自己管理に取り組み、業務に臨む所存です。
マイペースという短所は、自分のペースを持っているという言い換えをしたうえで改善方法を伝えることがおすすめです。
単に「マイペースで遅刻しがち」「自分のペースを大切にしている」といった主張だけになると、マイナスな印象を持たれるため注意が必要しましょう。
補足|長所と短所を同時に回答する例文も知っておこう
最後に、長所・短所を同時に聞かれた時の回答例文を紹介します。
同時に答える場合は、話しながら困惑しないように、事前に答えを作り込んでいくことが大切です。例文を参考に、自分の考えた長所・短所に合っている答え方を選んでくださいね。
例文
私の短所は内気な性格です。
大学の入学式では、同級生になかなか話しかけることができず、友人作りに苦労した経験がありました。
一方で、聞き上手として周囲から得る評価もあり、友人からは悩み相談を受けることも多いため短所でもあり長所なのだと自負しています。
社会人として活躍するのであれば、ときに積極性も必要であると考えております。現在も意識していますが、今後も声かけのタイミングや会話の引き出しを増やしながら、弱みは鍛えあげ、強みは伸ばして、聞く・話すの両方ができる人物として成長していきたいです。
「内気」な短所を「聞き上手」な長所として回答している内容です。長所・短所を同時に答える際は、それぞれの根拠(エピソード)を長くしすぎず、端的にまとめることを意識しましょう。
全体のバランスとしては、マイナスな印象を回避するために、短所の具体性を出すことに力を入れましょう。特にまとめの部分では、長所の活かし方よりも、短所を今後どうすべきかをメインに話すことで、面接官の不安解消につなげられます。
切り替え方やまとめ方が難しい回答方法でもあるため、初めてチャレンジする場合は長所・短所の文章をそれぞれ作成してからつなげてみるとスムーズですよ。
面接の長所・短所は終着点で印象が変わる! 体験談を参考に自分らしい回答を見つけよう
面接の長所・短所の回答内容の考え方を、意識すべきポイントを踏まえて解説しました。
長所・短所の質問は「ただ答える」だけでなく、回答内容を聞いて相手が持つ印象を先読みし、求められるスキルへのアピールが大切になります。何を答えるべきか悩んだときは、質問の意図を考え、内定者の回答を参考にしながら段階的に作成してみましょう。
長所の活かし方や短所の改善点までしっかりと伝え、話し終わりで面接官の心をぐっとつかむ内容で、選考突破を目指してくださいね。
私は元々緊張しやすい性格なので、長所・短所の質問をされてもうまく答えられなかったり、頭が真っ白になってしまったりすることがありました。
しかし、あるとき「面接官は自分の悪いところを探して落とそうとしているのではなくて、自分の良いところを見つけようとしてくれている」と思うようにすると良いという話を聞きました。それからは、長所・短所を聞かれたときも、良いところだけを見てくれる安心感から、以前よりも落ち着いて話すことができるようになりました。
周囲の良い部分から学びを得て成長につなげた
グループ面接では、ほかの人が短所にもかかわらず堂々と話していたりして、余計に焦ってしまうこともありました。ただ、短所でもしっかりとまっすぐ前を向いて話す姿については、以降の面接でできるだけ真似をするようにしていました。
そうすることで、回数を重ねるごとに自信を持って受け答えができるようになりました。私の場合は実践を通して成長していきましたが、できれば模擬面接などの練習の時点で、周囲の良い部分を吸収したうえで本番へ臨めれば良かったなと思っています。