会社が辞めさせてくれない……従わないとダメ? 無事退職できた人が試したこととは
「次の人が来るまで待ってくれない?」「給与を上げるから辞めないでほしい」
「会社を辞めます」と伝えて、ありとあらゆる言葉で引き止められた経験がある人もいるのではないでしょうか。また、有休消化を認めないなど理不尽な勧告を受けて、「これって従わないといけないのかな」と迷う人も少なくないはず。
退職の意思を告げても思い通りに辞めさせてもらえないとき、直属の上司だけでなく人事に相談するなど、しかるべき対処が必要です。次の職場が決まっているのにずるずると退職日が延びると、転職先に迷惑がかかってしまうこともあります。
無事に退職できた人が引き止められたときに伝えたことも紹介するので、自分の状況と似ているケースがあればぜひ参考にしてくださいね。
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社員には辞める権利がある! 無理な引き止めに応じなくて良い
日本では職業選択の自由が認められており、無期雇用の場合、退職を申し出て2週間後に退職することができます。民法第627条で言及されているもので、企業が社員の退職を拒否することは法律違反にあたります。
ただし、就業規則などで「退職する場合は退職希望日の90日前に申し出ること」などと記載があるケースもあるため、確認しておきましょう。企業の就業規則よりも民法の方が強い拘束力を持ちますが、トラブルを避けるためにも基本的には就業規則に従うことをおすすめします。
雇用形態により契約期間が設定されている場合、退職のタイミングは原則として雇用期間が切れるときです。しかし、パワハラやトラブルなどで一刻も早く会社を辞める必要がある場合は雇用期間にとらわれず退職を申し出ましょう。
会社が社員を辞めさせない理由は? 経験者が実際に言われたこともチェック!
退職したいと伝えても辞めさせてくれないとき、ついつい押し通すことばかりを考えてしまうかもしれませんが、会社の考えも頭に入れておきましょう。会社がなかなか辞めさせてくれなかったとき、その理由も伝えられたという人にエピソードも聞いてみました。
人材不足だから
労働人口の減少が進み、人材不足に陥っている企業は少なくありません。特に20代の若手人材が枯渇している企業は多く、マイナビのマイナビ 中途採用・転職活動の定点調査(2023年4月)によると、中途採用活動をおこなった企業全体の71.5%が、20代の正社員の充足度について「とても不足していると感じている」もしくは「不足していると感じている」と回答しています。
このような状況のなかで、企業が20代の社員を手放したくないと思うのも無理はありません。また、新しく人を採用するのにも社員の力が必要です。労働力が少ない中で人材が抜けると、さらに採用にコストがかかるという悪循環に陥ることも考えられます。
離職率を上げたくないから
離職率が平均より高いと、外部からはどうしても「何か問題があるから定着率が低いのかな」と思われてしまい、求職者からも応募を遠慮されることがあります。離職率は採用活動にも密接に関係しているのです。
特に新卒採用を積極的におこなっていると、学生から単に数字だけを比べて判断される場合もあるため、離職率に対してシビアになっている企業も少なくありません。
また、部署としての離職率が高まると管掌している社員の評価に影響するケースもあるので、部下にはなるべく退職してほしくないと思う管理職も多いでしょう。
私の前職は慢性的に人材不足で、後任が育っていないので辞めないでほしいと言われていました。 退職を切り出す前に製造課から保全課への異動を希望していたため、「1年後に配置を変えようと思っているから、そこまでやってくれないか」と言われて引き止められたり、「どんな待遇改善をすれば残ってくれるのか」とヒアリングされました。また。同僚が退職を伝えたときは、「次の職場が決まるまでは留まりなさい」と引き止められていましたね。
実際みんなはどんな引き止め方をされた? 会社側の反応別に対処法を解説
勇気を出して上司に退職の意思を伝えたのに、なだめられて終わったというケースも少なくありません。引き止められた人が実際にとった行動も紹介します。自身が引き止められて対応に困っている人はぜひ参考にしてみてください。
①直属の上司が頑なに引き止めてくる
直属の上司が引き止めてくるケースは少なくないでしょう。いつも一緒に働いている上司に「辞めないで」と言われると考え直すこともあると思いますが、退職の意思を固めているのに頑なに引き止められて困っている場合は、そのさらに上の立場の上司や人事などに相談してみましょう。
中には、管轄する社員が辞めることで部署や自分自身の評価を下げたくないという理由で退職を引き止めてくる人もいます。自分自身のキャリアや意思を第一に考え、割り切って対応しましょう。
会社がなかなか辞めさせてくれない場合、相手が納得しやすい退職・転職理由を考えることも重要です。転職がうまくいった人たちが実際どのような転職理由を伝えていたか、こちらの記事で紹介しています。
上司に引き止められ、なかなか自分の意見を伝えられない自分に対して、メンタルが弱いなと感じている人もいるのではないでしょうか。なぜメンタルが弱いと感じるのか根本的な理由を理解すると、何が自分にとって大切なのかに気づき、自信をもって意見を言えるようになるかもしれません。次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
②退職日を先延ばしされた
退職の相談をしても、「このプロジェクトが終わるまでは辞めないでほしい」「1カ月考えてほしい」などと言われ希望のスケジュールで辞められなくなる場合があります。しかし、退職を申し出た時期が就業規則上問題ない場合、社員は引き止めに応じる必要はありません。
また、転職先が決まっている場合は、もし退職が後ろ倒しになって予定していた入社時期がずれると次の職場に迷惑がかかってしまいます。就業規則をしっかり確認し、適切なタイミングで退職の旨を伝えましょう。
「退職したい」と伝えて引き止められたとき、希望の退職日をどのくらい先延ばしされましたか?
工場勤務だったのですが、シフトの都合上来てもらいたいと頼まれ、退職予定日を10日引き延ばされました……。
③待遇引き上げや条件を引き合いにされた
「労働量に見合う給与がもらえていない」など会社に抱いている不満が原因の退職理由を伝えると、待遇面の改善を引き合いにされて退職を受け入れてもらえない場合もあります。そのような話題を出されると気持ちが揺らいでしまうかもしれませんが、それが100%実現するかどうかはわかりません。自分の今後についてしっかりと考え、一時的な感情に左右されないように心掛けてください。
必ず退職したい場合、「新しくやりたいことができた」「キャリアプランを考えたときにこのままでは実現しない」などポジティブな方向の理由を中心に伝えるのも一つの手です。退職が自分にとってベストな選択肢であることを示しましょう。
いざ上司を目の前にすると言いづらいかもしれませんが、「この会社では理想が叶えられない」という旨をはっきりと伝えてみてくださいね。
条件を引き合いに出されても、屈すことなく退職を進めた経験のある人のエピソードを参考にしてください。
リーダーに仕事を辞めることを伝えたときは、引き止められませんでした。それは、私が「仕事が辛い」や「休みがない」などのマイナスな理由ではなく、「新しいことに挑戦したい」「今後を生き残っていくスキルを身に付けたい」という話をして理解をしてくれたからでした。
課長や工場長からは辞めないでほしいことや、どんな条件なら残るのかと顔を合わせるたびに引き止められましたが、頑なに譲らず、リーダーに話したような退職理由を伝えました。
マイナスではなくプラスの理由を伝えることが大切
大切なのは引き止めにくい理由を貫くことだと思います。私の挑戦したい気持ちや、スキルを身に付けていきたい気持ちは、会社側がどうにかできる問題ではないからです。
また、私の場合は退職の時点でプログラマーに転職したい旨を伝えていたので、部署異動を提案されても自然に断ることができました。転職を考えるくらいなので、マイナスな理由のほうがすぐに出てくるとは思いますが、あえてプラスの理由を考えて伝えるようにすると引き止めも少なく、快く送り出してくれるのではないかと思います。
待遇や働く環境の改善を引き合いに出されながら引き止められることはよくあること。しかし、本当にその言葉の通り希望が叶うかはわかりません。この記事を読みながら、「会社に行きたくない」「辞めたい」と思った気持ちを思い出して立ち向かいましょう。
今ならこう立ち向かう! 会社を辞めるのに苦戦した先輩たちの経験談
会社を辞めるにあたって、退職日を引き延ばされたり延々と説得されるなど、一筋縄ではいかなかったという人の経験談を聞いてみましょう。「こんな行動をとればよかったかも」など、リアルな声はきっと参考になるはずです。
注文住宅の営業をしていたのですが、顧客へのお家の引き渡しが2~3カ月先に予定されていたとき、その引き渡しが終わるまでは退職ができなかったです。人間関係が原因でメンタルが崩れかけており、「これ以上は仕事を続けられない」と感じてやっとの思いで退職を切り出していたので、かなりしんどかったです……。上司からの「やり切ってほしい」という圧もあったのですが、その案件が大型案件であったことや私自身もやり切りたいという気持ちはどこかであったため、やり切ることを決めました。ただ、無事引き渡しを終えたと思ったら、いろいろとトラブルなども続いてしまい、結果的にはやり残す形で退職となりました。
心身の健康を第一に行動しよう
人間関係で心身が崩れそう、または崩れている場合、早急に転職・退職に踏み切った方が良いと断言できます。一度メンタルを崩すと、あとあと何年も響くことになるので、この点は気を付けてください。ただ、あまりにも中途半端に仕事を残す状態は良くないので、心身的な理由が特にないのであれば、一つ区切りをつけて退職すると気持ち的にも良いと思います。
転職したいという気持ちは入社後数日目からずっと持っていたのですが、上司に伝えたりと具体的な行動に移したのは1年という節目を超えてからでした。はじめに退職の意向を伝えた時は、改善するようにするから待ってほしいという形で引き止められました。その後、私が退職しようとしていることが上層部で共有されたのか、目をかけてくださっていた役員さんから食事に誘われ「一緒にこんなことをしたい」といった前向きな話をいただくことがあったり、「こんなに期待してるんだから辞めるなんて言わないで」と情に訴えるようなお言葉もありました。
担当業務の事情や退職してから転職活動を始めるつもりでいたこともあり、区切りも決まらないままずるずると勤め続けましたが、業務が落ち着いた頃にあらためて上司に時間をいただき、意思が変わらないことを伝え、退職するに至りました。
一度転職を検討したきっかけを忘れず情に流されないで
転職を迷っている方であれば、引き止めを受けることで考えるきっかけになるなど良いこともあるかもしれませんが、退職の意思が変わらない方からすると、引き止めを断り続ける状況が長く続くというのは非常に苦しいですよね……。
私のように、次の職場が決まっていない状態で退職する場合は会社側もまだ止められると感じてしまいやすいと思うので、断固とした意思であると伝わるように話をすること、退職願を持参した上で話すことなど意識するといいかもしれません。転職先がすでに決まっている方は、入社日を伝えて有給なども踏まえた最終出勤日などを具体的に打診すると「もう決まったことなんだな」と受け止めてもらいやすいのではないでしょうか。
尊敬する上司や仲の良い先輩から引き止められると情に流されてしまうこともあるかもしれませんが、自分がどうして退職したいと思ったのかというきっかけを忘れず、後悔のない選択をしてほしいなと思います。
6月末に、結婚を機に寿退社する旨を伝えました。そもそも勤めていた都内から地方に行くので働ける環境ではないので、スムーズにことが運ぶと思っていましたが、その前に他の社員が複数名やめた時期と重なったこともあり、引き止められました。上司に提示されたのは「地方からオンライン・月1回の出勤で良い」「新幹線通勤ができないか検討する」というような、地方でも働ける環境を整えてくれるというような内容です。
しかし、私の意志は固く、「提示してくださった条件に了承したら、これから先ずっと会社に甘える環境になる。そのような環境になるのは、長期的な目線でいくと辛いことになる」という旨を伝えて、辞めることをはっきり伝えました。
退職日延長の意思がない場合ははっきりと伝えるべき
ただ、新卒が配属されて1ヶ月という時期もあり、どうしても新卒の教育だけはして欲しいという要望を伝えられ、1ヶ月間新卒の育成をして、退職予定日の6月末から1カ月先の7月末退社で業務を終えることとなりました。もし、退職予定日より長くい続ける意思がまったくない場合は、はっきりと自分の考えを貫くことが一番であると思います。
会社から一度引き止められてもスムーズに退職を進めるためには、自己分析をしっかりおこない、退職したい理由や今後のキャリアプランを整理することも重要です。この記事を読んで、転職活動前の自己分析に備えてくださいね。
退職を強く引き止められないために、退職する前に転職先を決めておくという選択肢もあります。働きながら転職活動をおこなうときのコツを経験者に聞いたこちらの記事を読んでみましょう。
会社が辞めさせてくれなくて困ったら? 段階別のアプローチを解説
企業によっては、正当な退職理由を伝えてもなかなか辞めさせてくれない場合があります。段階別に退職意思の伝え方を紹介するので、「辞めたい」と相談しても拒否されてどうしたら良いかわからないときは、第三、第四フェーズを試すことも検討してください。
第一フェーズ|まずは直属の上司に申し出る
まずは「退職したい」と一番近い上司に伝えることが第一歩です。ここでは「単なる相談」と捉えられることを防ぐため「報告」として伝えることを意識しましょう。転職先が決まっている場合は特に、言い切ることが大切です。
ここでネガティブな退職理由だけを伝えると解消するという条件を引き合いに出されたり、情に訴えかけて引き止められる場合もあります。退職すると決まり切っていない段階であれば耳を傾けても良いですが、絶対に退職したい場合や転職先が決まっているときは、納得させられる理由を伝えて強い意志で対応しましょう。
第二フェーズ|退職届を提出し書面で意思表示する
「辞めたい」と伝えただけでは、「引き止めれば考え直してくれるかもしれない」と捉えられてしまう可能性もあります。口頭で伝えても退職意思が伝わっていない場合、退職届を提出しましょう。
退職届は自身の退職を通告するもので、一度提出すると撤回できません。後戻りができないので注意しましょう。もし直属の上司がかけ合ってくれない場合、その上の立場にあたる上司や人事担当への提出を検討してみてください。
第三フェーズ|内容証明郵便で退職届を受理してもらう
内容証明郵便とは、一般書留郵便物の内容を記録として残すサービスで、いつどんな内容の文書を、誰から誰に送ったかを日本郵便が証明してくれるものです。
差出人が郵便局に提出する謄本が証明となり、この内容証明郵便を利用して退職届を送付すれば、企業側は「退職届を受理した」と答えざるを得ないことになります。
法律上は退職届の提出から2週間後には退職できると定められているため、たとえば転職先への入社日が迫っているのに退職の旨を伝えられておらず、そんな中で退職を強行したいという場合も内容証明郵便を活用できます。しかしやむを得ない事情がない限り、退職の意思は早めに伝えるようにしましょう。
内容証明郵便を利用するタイミング
- 会社に退職届を提出しても明らかに受理してもらえないとき
- 病気やケガ、ハラスメントなどによって出社できないとき
- 退職予定日まで時間がない場合
内容証明郵便を利用するときのポイント
- 配達証明オプションを利用する
- 配達証明書と内容証明の控えは保管しておく
- 追跡サービスで配達状況を随時確認する
最終手段|労働基準監督署に相談する
労働基準監督署は、企業が労働基準法や労働安全衛生法など働くことにかかわる法令を守っているかどうか監督する機関です。
無理な引き止めや理不尽を言われて、自分だけでは解決できない場合はぜひ相談してみてください。会社に事実の確認をしつつ解決に向けて会社に指導をしてくれたり、退職の進め方を助言してくれます。
労働基準監督署は勤務先の所在地によって管轄が分かれています。直接相談することが可能です。電話やメールでの相談もできるので、迷ったときは相談窓口が確認可能な、厚生労働省による労働基準行政の相談窓口も一度チェックしてみてくださいね。
正当な理由で「会社を辞めたい」と伝えてもなかなか辞めさせてくれなかったときに取った、自分なりに「これは思い切った」という行動はありますか?
上司に退職の意向を伝えると何度もはぐらかされ、話が進まなかったので、人事担当者に相談し退職願のフォーマットをもらうことにしました。その結果、必要なものをすべてそろえたうえで再度話し合いのお時間を設けてもらうことができました。さすがに退職に対して本気なのが伝わったようで、退職の意向を受け入れてもらえました。
経験者が実際に使った! 退職意思の伝え方|気を付けたポイント付きで紹介
ネガティブな退職理由があるとき、意思表示しつつも双方が納得のいく形で退職を伝えられるか、不安になる人もいるでしょう。
ここでは、経験者が退職を申し出たときのエピソードと実際の伝え方を紹介します。どのような言い方だと受け入れてもらいやすいのかがよくわかるので、大いに参考にしてくださいね。
休職後の面談で、直属の先輩から「いつか転職をしたいか?」と問われたので、そこで初めて転職の可能性があることを伝えました。
その際、先輩からは「自分で上司に伝えてほしい」と言われたため、上司に「今後のキャリアについて相談させてほしい」という内容で面談の時間をもらい、正式に退職したい旨を伝えました。 退職理由は「休職期間に改めて自分と向き合ったうえで、やりたいことに挑戦したいため」と正直に伝えました。
所属チームのリーダーに、「大事な話がしたいので時間をください」と連絡したのが始まりでした。話し合いの場を設けてもらい、まずは簡潔に仕事を辞める旨を伝えました。
リーダーは私のことを非常によく気にかけてくれていた人で、「辞める理由」「いつ辞めるか」「配属変更ではダメか」「転職先は決まっているのか」とリーダーのほうから聞いてくれたので非常に話しやすかったです。 辞める理由については、やりたいことができたことやスキルアップしたいことを伝えました。労働環境や給与面にも不満はありましたが、その話はせずに前向きな言葉で伝えるように意識しました。
伝える際に気を付けたことは、引き継ぎ内容を具体的に示したことです。そのときたくさんの仕事を任せてもらっていたので、リーダーや現場が不安にならないように努めました。
結婚を機に退職を決意しました。前職では、帰宅が23時ごろになってしまうことも多く、家庭と仕事の両立が難しい状況であり、退職の意向を固めました。
私は店舗勤務だったため、まずは店長に話をしました。店長はとても親身に話を聞いてくれる人だったため、これから退職に向けてどう動けばいいかを教えてくれました。それ以降、社内外の関係各所とのやりとりを、店長がすべておこなってくれました。
気をつけたのは、「ここで働くのが嫌だという理由で辞めるわけではない」ということをきちんと伝えることです。ここで働き続けたいという気持ちはあるものの、「結婚生活を考えたときに、現実的に続けるのは厳しいから」と正直にお話しました。
繁忙期などに退職・転職したいと申し出ると、思い通りに辞めさせてもらえない確率が高くなる可能性もあります。上司に退職を申し出るときは、その意思を伝えるタイミングも大切です。この記事では、経験者がおすすめする転職のタイミングについて解説しています。
従わなくて良い! 退職意思を聞いた会社の対応で違法となる4つの例
社員には本来仕事を辞める権利があるのにもかかわらず、脅すような引き止め方をされることもあります。従わなくて良いケースを紹介するので、心当たりがある人はぜひ参考にしてみてください。
①損害賠償を請求する
退職がきっかけで損害賠償を請求するのは労働基準法の第16条に違反します。損害賠償とは本来会社に不利益を与えたときや、ルールに反したときに支払う必要のあるもので、仕事を放棄して売上に大きく影響を与えたり、トラブルを起こして会社に損害をもたらしたなどの場合以外で、損害賠償責任が発生することは考えにくいです。
ただ、「退職したい」と伝えたからといって手続きをせずに無断欠勤をするなど、就業規則に反した行動をとると損害賠償に発展する可能性もあるので注意してください。
退職金や本来払われるはずの給与の支払いがされない場合も違法といえるので、そのような旨には従わないようにしましょう。万が一未払いの対応をとられてしまいそうな場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
②懲戒解雇扱いにする
「辞めてもいいけど懲戒解雇にする」という勧告には従ってはいけません。企業が労働者に下す懲戒処分として最も重いものになります。懲戒解雇されると、その旨を離職票や退職証明書などに明記される可能性があるため、再就職にも大きく影響するのです。
懲戒解雇とは通常、就業規則の違反など社内で不正行為をしたり秩序を乱すような行動をした人への処罰であり、退職したいという申し出に通用するものではありません。違法な対応であるため、懲戒解雇扱いをすると言われた場合も必ず労働基準監督署に相談しましょう。
③離職票を交付しない
離職票とは公的に退職を証明する書類です。ハローワークで失業保険を受給するときに必要で、経済的な影響が大きいため、離職票を交付しないと脅すことで退職を止めにかかる企業も存在します。
転職先が決まっている場合は必ずしも必要な書類ではないですが、雇用保険の加入期間などの確認のために提出を求める企業もあります。また、万が一次の会社を早期退職したときにも使う可能性があるので、受け取っておくことをおすすめします。企業から交付しないと言われた場合、自身の管轄ハローワークに相談してください。
④有休消化を認めない
有給休暇の消化を認めないのは労働基準法の39条に違反します。労働者に有休を取得させることは企業の義務であり、退職予定だからといって有休を消化させないという対応には従う必要がありません。
ただ、退職までに業務の調整ができずすべての有休を消化できなかったケースや、任されたプロジェクトの終了時期と次の職場への入社日が調整できず休めないということはよくあります。有休がたくさん残っている場合、退職に向けたスケジュールはしっかり調整しましょう。
私も有休消化を認めないと言われたことがあります! 申し出のタイミングなども就業規則に則って伝えており、こちらに非はありませんでした。だからこそ、有休消化を認めないのは法的に問題のある行動だと伝えました。加えて、「私が調べた情報を信頼できないのなら、改めて人事や労働基準局にルールを確認してみます」と強気に話していました。
円満退社のために押さえるべき4つのポイント|経験者からのアドバイス付き
これまでお世話になった職場の人にはなるべく負担をかけずに辞めたいと思う人も多いでしょう。またこの先転職したとしても、現職の人たちとまた仕事で関わりを持つ可能性もあるので、トラブルなどは避けたいですよね。
穏便に退職するためには、押さえておくべきポイントがいくつかあります。経験者が実際に会社を辞めたときのエピソードも参考にしてください。
退職意思を伝えるタイミングを考慮する
退職の意思を伝える時期は本来自由ですが、職場に極力負担をかけたくない場合、繁忙期などで忙しいタイミングは避けましょう。
また、一緒に働いている人たちに退職の旨を伝えるのは、退職について会社側と合意が取れてからがおすすめです。「引き継ぎを始めていたのに退職がなしになった」という事態が起こると、各所に混乱を招いてしまいます。
引き継ぎがしやすい時期などは企業によって違いますが、これまで退職した元同僚や退職経験のある人の話も参考にしてみてください。
引き継ぎは漏れなくおこなう
退職するまでに、業務の引き継ぎは漏れなくおこなってください。引き継ぎが不十分だと仕事が回らなくなり、次の担当者に迷惑がかかってしまいます。
また、引き継ぎが完了していないと退職後に連絡が来る可能性があり、後から自分の手を煩わせる可能性もあります。
基本的にマニュアル化し、初めて業務に触れる人でも業務が始められるように心掛けてください。特に職場で自分しか知らない業務がある場合は、口頭でもレクチャーするなど、念入りに引き継ぎをおこないましょう。「自分が引き継ぎを受ける側だったらどこまで知りたいか」を考えながら引き継ぐことで、後任者も安心して引き受けることができますよ。
退職前に社内外への挨拶をきちんとする
お世話になった人たちに対して、退職前の挨拶はしっかりおこないましょう。退職直前は多忙になるタイミングも多いと思いますが、「よくやりとりしていたのに知らない間に退職していた」と思われると、築き上げた信頼関係を希薄にしてしまうこともあります。転職したとしても、社会人生活の中でまた関わりを持つ可能性もあるので、関係者には一言伝えておきましょう。
引き継ぎや退職の準備などで忙しいと、特に他部署や社外の人への挨拶は優先順位が下がってしまうことも考えられます。直接会うのが難しい場合はメールなどを活用して退職の旨を伝えましょう。また、今後も企業同士が良好な関係を続けられるよう、取引先には退職報告と同時に担当者変更の連絡も欠かさないようにしてくださいね。
社内に不満を漏らさない
退職の旨が社内に公表されると、周囲の人から退職の経緯を聞かれることも多いでしょう。しかしそのときに会社への不満を包み隠さず伝えるのはNGです。現職で勤務している人たちの気分を害してしまいます。
特に会社の体制や人間関係における不満が退職につながった場合は、つい話してしまうケースも考えられるため気をつけましょう。たとえ退職後に話す機会があったとしても、「あくまでも自分はこうだった」という話し方をして、前職で頑張っている人たちの士気を下げないよう心掛けてくださいね。
不満を言うことで職場の人たちとの人間関係がぎくしゃくすると、後味も悪くなり、引き継ぎや退職の手続きにあたって協力的に動いてもらえなくなるかもしれません。スムーズに退職するためにも会社へのネガティブな感情はしっかりコントロールしましょう。
円満に退社するために心掛けるべきポイントを押さえるため、経験者たちのエピソードをヒントにしてくださいね。
退職をする際には「引き継ぎの時間が十分にあるかどうか」「自分の穴を埋める人員配置の時間があるかどうか」などを考え、早めに伝えることを意識しました。
また、労働環境が合わなかったので、正直愚痴を言いたくなる気持ちもありました。しかし、会社に残る人に対してそれらを伝えるのはとても失礼だと思ったので、言わないようにしていました。
上記の点は、周りの人が辞めていく中で私自身が「こうしてほしかった」と思っていたことです。特にマネジメントレイヤーの目線からだと、辞めた人の穴を埋められずその分業務量が増えることが残っている人達の負担になり、連鎖的に人が辞める原因になると考えます。そのため、自分が抜けたあとも他のメンバーが無理なく業務に取り組めるようにできることはしたいと思っていました。円満に辞めたいのであれば、退職まで周囲への心配りを忘れないようにしましょう。
退職を申し出たあとも、変わらず仕事の手を緩めないことを第一に考えて行動していましたね。 元職場では、後任の選定に時間がかかることが予想されていました。そのため、わかりやすく引き継ぎ関係の書類を作成し、後任の方がスムーズに仕事を引き継ぐことのできる体制を作っていました。
一方で、辞めることを申し出てすぐに退職をされる方もいました……。引き継ぎはもちろん、自分の仕事も途中のまま辞められることが多く、残った社員で残業を増やして、残されたタスクを処理することがありました。そうなると、辞めた人に対するイライラと、仕事が増えた疲労感から社内の雰囲気が悪くなりがちです。だからこそ、辞める際もきちんとゆとりをもって伝えることが大切だと感じました。
また、退職代行サービスを利用するという選択肢も存在しますが、退職手続きを自分でおこなわないことによって、就業規則に違反するなどのリスクも発生します。「取り合ってもらえないから」といって、深く考えないまま使用することは避けてくださいね。
退職代行サービスを利用しようとした経験や、利用している人が身近にいたことはありますか?
私自身利用したことはありませんが、別の会社に勤めていた際に退職代行を使った方がいました。最初は自分で退職交渉をしていたようですが、上手くいかなかったようです。退職交渉をし続けなければならない状況に心が疲れ、体調を崩してしまったと聞きました。決して安くはない金額がかかりますが、それを払ってすっきり辞められるのであれば安いものだと感じて、退職代行サービスを頼んだそうです。勤めている会社の引き止めがどうしてもつらいものだったり、ご本人が疲れ切って体調に影響が出ているなどする場合はとても便利なサービスなのかもしれません。
「会社が辞めさせてくれない」そんなときは冷静で適切な対応で退職まで進めよう
せっかく退職すると決めていても、言いくるめられて思い通りに退職できないというケースは珍しくありません。
お世話になった職場の人から引き止められるとつい考え直してしまいそうになりますが、退職を心に決めている場合は冷静な対応をとりましょう。また、法に反する引き止めには従わないようにしてください。自分を守る行動をとってくださいね。
加えて、しっかりスケジュールを立てて引き継ぎをおこなうなど、可能な限り現職に配慮して退職を進めて、晴れやかな気持ちで次のステップに進めるようにしましょう。
「会社がなかなか辞めさせてくれない」と嘆く人の話をよくよく聞いてみると、退職の意思を明確に伝えていないケースが多いように感じます。
「あまりこの仕事に向いていないような気がして……」
「辞めた方が良いかなと考えているのですが……」
このような発言では、あなたが退職の意思を示しているつもりだったとしても、上司は「まだ煮え切らない様子だから説得の余地がある」と捉えている可能性があります。
退職することで立ち行かなくなる仕事は少ない
このように「辞めたいのに辞めさせてくれない」という人がきっぱり「辞めます」と言えない背景には、優しさや責任感の強さから「私がいなくなったら業務が回らなくなってしまうのではないか」という不安があるように思います。
しかし、実際は誰かがきちんとカバーしてくれますし、社員1人が辞めたからといって会社が潰れることはありません。ましてや経験の浅い若手や新人が辞めて事業が止まる、なんてことはまずないでしょう。
ですから、本当にこの会社で働き続けられないと感じたら、ずるずると引きずらず、きっぱりと退職意向を伝えましょう。それが企業とあなた双方にとって良い結果になると考えるようにしてみてくださいね。
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自分や身近な人が退職を引き止められたとき、会社からどんなふうに言われていましたか?