キャリアビジョンは社会人生活を充実させる下準備|迷ったら体験談でヒントを得よう
仕事や生活での「こうなりたい」という将来像を描く言葉であるキャリアビジョンは、就活をしていると一度は耳にするでしょう。
「キャリアビジョンはどうやって考えれば良いの?」
「面接で聞かれたときの正解がわからない……」
社会人としての経験がまだ無い状態で自分の将来を想像しようとしても、このように悩んでしまいますよね。自分1人で考えるだけでなく、面接官にもアピールする必要があるとなれば、より一層悩むのも当然です。
キャリアビジョンに悩むときは、体験談からロールモデルを探し、自分なりの答えを見つけましょう。この記事では、キャリアビジョンを描く意味に加え、面接で好印象をつかむための作成手順を経験談を交えて解説します。
将来に目を向けて行動できる人は、目先の仕事にも真摯に取り組める需要の高い人です。面接を乗り切るためだけでなく、将来設計の第一歩として、キャリアビジョンを作成してみてくださいね。
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自分の未来をマネジメント| 将来設計に欠かせない「キャリアビジョン」とは?
キャリアビジョンとは、仕事と生活における自己の将来像を描いたものです。「子育てしながらも正社員として活躍したい」「公私のバランスが良く、長く働ける環境に身を置きたい」というような、仕事だけに限定しない将来設計を指します。
キャリアビジョンというフレーズを初めて聞くと、「キャリア」という言葉から、仕事のみに注目したような印象を受ける人もいるでしょう。ところが、英語の「career」の日本語訳が「生涯」という意味を表すことを考えると、個人の人生を幅広く指す用語であることに気付けるのではないでしょうか。
普段なかなか考えることのないキャリアビジョンですが、学生のうちから考えておくと、就職前に将来の目標が明確になります。
将来の目標がわかれば、達成までに必要な行動や習得すべきスキルを理解しつつ、将来像の実現を踏まえた就職先選びができるようになるでしょう。たとえば、「1年後に昇進のための必須資格を取る」という目標があれば、達成に向けて自分をマネジメントする役割を果たせるのが「キャリアビジョン」です。
社会人の先輩に聞く! 就活当時と今でキャリアビジョンに変化はあった?
キャリアにまつわる類語も知っておこう
キャリアビジョンの意味を調べたとき「キャリアプラン」「キャリアパス」などの類語の違いに悩む人もいるのではないでしょうか。ほかの用語と混同しないためにも、キャリアビジョンと似た言葉について解説していきます。
キャリア デザイン |
キャリアビジョンやキャリアパスなど、 仕事や生活における将来像を考える「全体の行動」 |
キャリア形成 | 仕事を通してスキルや経験を積み上げていく「過程」 |
キャリアプラン | キャリアビジョンをかなえるために必要な具体的な「行動計画」 |
キャリアパス | 1つの企業内での「成長の過程」 |
自分の将来設計をおこなう行動全体を「キャリアデザイン」と呼び、そのなかでの過程やシチュエーションなどでそれぞれ名称が異なります。
たとえば、生活・仕事の将来像となる「キャリアビジョン」を叶えるために必要なのが「キャリアプラン」。企業内で完結する目標が「キャリアパス」です。
自発的に考えるキャリアビジョンやキャリアプランに対し、キャリアパスは社内の人事制度などで上司と一緒に考える場合もあります。キャリアビジョンを考えるとキャリアプランが生まれ、キャリアパスでやるべきことも明確になるなど、どれも自己の社会人生活を支える重要な意味を持つ言葉です。
早めに将来を見据えた動きができるようになるためにも、それぞれの違いや意味を理解しておきましょう。
ほかにも似ている言葉に「キャリアチェンジ」という言葉があります。キャリアチェンジについては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてみましょう。
キャリアチェンジとは|経験談から学ぶ成功の秘訣とリスクを紹介
キャリア形成について詳しく知りたい方はぜひ次の記事を読んでみてください。キャリア形成の基礎知識からキャリア形成に役立つ行動などを紹介しています。
内定者に面接で伝えていたキャリアビジョンを聞いてみた
キャリアビジョンが自分の将来設計に必要とはいえ、学生の時点からいきなり想像するのはむずかしく、何から考えるべきか悩んでしまいますよね。
キャリアビジョンを描くためには、まずは完成例や回答のコツを見て、自分のなかでイメージを作ることが大切です。同じ悩みを乗り越え、選考通過した内定者のリアルな回答に耳を傾けてみましょう。
キャリアビジョンを聞かれた際には、大きな目標から逆算して答えていました。
広告業界の面接では、「40代のうちに自身がリーダーとして信頼できる社員を集めたチームで、社会に大きなムーブメントを与える広告を作りたい」という大きな目標を伝えたうえで、30代までに自身がリーダーとして案件をいくつか担当し、30代前半までには社内で認められる社員になり、20代後半までには多種多様な案件に携わる、と年齢から逆算した内容を言っていました。
また、締めの言葉としては「入社後3年までには誰よりも積極的に案件に挑戦し、経験を積んでいきたい」と直近の目標を伝えていました。
家具業界の企業を受けた際にキャリアビジョンを聞かれました。そのときは、自分が将来どのようなことをしたいのかを最初に伝え、どのようなキャリアで実現するのかという流れで答えました。
特に、現在から見た最終目標としてのキャリアはどこで、そこにたどり着くためのキャリアビジョンを段階に分けて、目的と一緒に話すのがコツだと思っています。
その企業に限らず、キャリアビジョンを聞かれたときには、「その通りのキャリアになるとは限らない」という指摘を受けましたが、その際には「柔軟性を意識しつつ、目的が達成できるのであれば全力で励みたい」と伝え、臨機応変に考えられる人材であることを強調しました。
サービス業界を受ける際に、キャリアビジョンについて聞かれたことがあります。当時受けていた職種は、総合職や一般職、コンサルティング職など、仕事内容がそれぞれ異なる職種です。
キャリアビジョンを答える際に気を付けていたことは、実際の業務と絡めたうえで、なぜ自分がこのようなキャリアビジョンを歩みたいのか、そのためにはどう頑張って会社の利益に貢献するのかを伝えることです。
熱意があればあるほど、伝えたいことが多くなりやすいと思います。ただ、短く・簡潔に・わかりやすくを意識しつつも、やる気やモチベーションの伝わる内容にした方が面接官も理解しやすいのでおすすめです。
私が当時志望していた業界は、IT業界で職種はシステムエンジニアでした。そのときにキャリアビジョンを聞かれたときの回答は以下の通りです。
「2年目までにSEとして一人前になり、3年目には開発リーダー、4年目にはプロジェクトマネージャーになることを目指して、多種多様な業務を通し、挑戦を欠かすことなく成長していきたいです。
また、新人教育を任された際には、自身が研修やOJTで苦戦した部分の克服方法を共有するなど、新人がスムーズに成長できるような取り組みをしたいと思います」
志望していた業界は、食品・飲料メーカーの営業職です。キャリアビジョンの話題では、「まずは営業職として、その会社が何を目指して動いているのか、そしてどのような顧客や商材を扱っているのかを第一線で理解し、そのうえで将来は人事に挑戦したい」という内容を話していました。
人事は、利益を作ってくれる人を採用したり、社内で継続的に育成したりする必要があるため、「会社についての理解はほかの人よりも深くなければならないと思います」と、人事の職種への理解があることを示すようにしていました。
社会人としての指針を作る! 面接でキャリアビジョンを聞かれる理由
キャリアビジョンの重要性について理解ができても、なぜ就活の場で聞かれるのか疑問を持つ学生もいるのではないでしょうか。
企業が面接でキャリアビジョンを聞く大きな目的は、学生の将来性を通して、自社との適性を知るためです。選考通過を目指すためにも、面接官の意図を踏まえたキャリアビジョンを作りましょう。
ここからは、面接でキャリアビジョンを聞かれる詳しい理由について解説します。
メガベンチャーの選考では、入社後のキャリアビジョンが明確になっているかが重要です。その他、選考を受ける前に実践しておきたい対策を次の記事で紹介しています。気になる人は、ぜひチェックしてみてください。
働き方の多様化により主体的なキャリア形成が求められているため
少子高齢化・女性の社会進出・男性の育児休業取得・新型コロナウイルス感染症の影響など、現在は社会環境の変化によりさまざまな働き方が確立されています。
企業内に限定した働き方だけを挙げても、在宅勤務・フレックス・時短勤務・限定正社員など、働く人の形に合わせたさまざまな雇用形態が存在しています。
そのような状況のなか、複数の選択肢から明確な将来像を持ち、自己で能力開発や向上に励める人材が求められているのです。ただ単に将来の希望を伝えるのではなく、キャリアビジョンを考えるに至った過程や理由を明確にしておくべきことがわかりますね。
自社で長期的なキャリアを築くことを考えているか知るため
企業はキャリアビジョンを通して、学生が自社で働くことをどこまで視野に入れているかを確認しています。
A:「多くの経験を積んで頼れる管理職として企業の中心人物となりたい」
B:「将来的に独立して自由度の高い働き方をしたい」
AとBのキャリアビジョンを比較すると、Aは管理職の年代になっても自社で働く期待が見える内容です。一方で、Bは独立という言葉から数年後に転職を検討している可能性が読み取れますね。
このように、将来設計から自社に入社したイメージを読み取り、長期的な在籍を期待できる人物かどうかを判断するために、キャリアビジョンを確認しているとも考えられるでしょう。
入社後の配属を考えるうえでの材料にするため
キャリアビジョンは、入社後の配属部署を判断する目的で質問されるケースもあります。
「20代で御社の幅広い仕事を覚え、30代でオールラウンダーとして貢献したい」
このようなキャリアビジョンを話す学生がいた場合、総合職として多くの部署を経験し、管理職候補として育てるプランが検討できます。
「将来的に家庭とのバランスを取りながら長く勤めたい」
一方で、このようなキャリアビジョンであれば、残業量や有休消化などのバランスを考えた部署配属が検討されるでしょう。
必ずしも、キャリアビジョンの内容が配属部署にすべて反映されるわけではありません。学生の描く将来設計をサポートできる環境を用意できるか、企業側も学生に寄り添う視点でキャリアビジョンを確認しているのです。
入社後では遅い? キャリアビジョンを今から描く4つのメリットとは
キャリアビジョンを学生のうちに作成しておくと、将来設計に向けた早い動き出しができるため、就職自体が将来像をかなえるための第一歩になります。
しかしその一方で「社会人経験をしてからの方が効率が良いのでは?」と、キャリアビジョンをいま作成する意味について、疑問に思う人もいますよね。
キャリアビジョンは自分の将来のために作成するものです。面接で回答するためだけに考えると、取り繕ったようなビジョンしか思い浮かばず、採用担当に響かない内容になることも。
せっかく時間を使って作るのであれば、自分にどのようなメリットがあるのか理解して、将来的に役立つキャリアビジョンを描けるようになりましょう。体験談も参考に、4つのメリットを解説します。
キャリアビジョンとして「IT業界の先端技術を通して社会に革命を起こしたい」という希望を掲げていました。このキャリアビジョンを考えていたことで、自分にとってもいくつかメリットがありました。
1つは、自分のキャリアビジョンを成し遂げるための企業探しをおこなえたことです。2つ目は、自分のキャリアビジョンから逆算して、どのような活躍をしながら仕事を成し遂げるのかのイメージが明確になったことです。
私は、キャリアビジョンを考えたことで、「自分は何が得意か」「何がやりたくないか」「どういう風に働いていきたいか」を明確にでき、志望業界を絞る際に非常に役立ちました。
「エントリーする業界は絞りすぎないほうが良い」と言われますが、自分の身体は一つしかないため、多すぎても忙しくなってしまいます。エントリーの前には説明会などがあり、そこでも時間を使うことになるからです。
そのため、納得できる企業を選ぶという観点からも、キャリアビジョンを早いうちから考えておくのはメリットが多いと考えています。
自分自身の苦手を克服することを最大限意識して、営業職としてのキャリアビジョンを描いていました。あえて苦手な業界で働くのはものすごくしんどかったですし、それによって己を犠牲にしたのも事実です。ただ、その辛抱が実を結んで、今は仕事が楽しいと感じられています。
もともとネガティブな性格で、考え込んだり、心配性でなかなか行動できなかったりなど、営業としては向いていない性格でした。
いまではさまざまな観点で物事を捉えられるようになっただけでなく、リスク管理がほかの人以上にできるようになりました。ネガティブだった部分がプラスに働くようになったので、自分の描いたビジョンが間違っていなかったと証明できました。
①キャリアの選択肢を「持った状態」で就職できる
学生からキャリアビジョンを考えておくと、目標を達成するまでに必要な条件が明確になります。目標達成までの条件がわかれば、その条件を満たすためにはどんなルートを選ぶべきなのか、自分のなかで選択肢が生まれます。
・30代では管理職候補として評価される人物になりたい(40代で管理職を目指す)
・プライベートも充実させ、今住んでいるワンルームよりも広い家に引っ越せる収入を得る
たとえば、上記のようなキャリアビジョンを就職前に考えていたとします。管理職候補として評価されるには、高い成績を残したり、マネジメントスキルを身に付ける必要があると想像できますね。
あくまで一例ではありますが、成績を残すのであれば、実績が明確である営業職、マネジメントスキルを身に付けるならチームで取り組むことの多いクリエイティブ職という選択肢が浮かんできます。ほか、「人事評価が明確である職場」など、就職先の条件も明確になるでしょう。
もし就職後に同じようにキャリアビジョンを考えようとしても、すでに仕事内容や職場環境など、限られた選択肢から選ばなくてはいけません。選択の自由がある学生だからこそ、キャリアビジョンを描くことは大切とと言えるでしょう。
②将来性や計画力を企業にアピールできる
企業は、学生本来の性質から将来性を判断し、自社への適性や貢献度が高い人材を採用したいと考えてます。
キャリアビジョンを作るには、今の自分を客観視した条件から長期的な計画を立てる必要があります。数年後ではなく、10年単位で先を見通した将来設計ができる人物は、仕事でも客観視した計画ができると判断され、好評価を得られるでしょう。
ほか、就活で考えるキャリアビジョンであれば、応募企業でどのように成長していくかについてまで考えなければなりません。どのように経験を重ねていきたいのか、自分の中の明確なビジョンを伝えられると、採用担当も「この学生なら自社で活躍してくれそう」と将来性を感じやすくなります。
キャリアビジョンは一朝一夕では考えられないものなので、採用担当から評価を受けるためにも、面接前の今だからこそ準備しておくべきと考えられますね。
キャリアビジョンを明確に描けるかどうかで、その学生の計画力の有無が判断できると解説しました。この計画力が自分の強みだと考えている人には以下の記事がおすすめです。参考にしてみてくださいね。
自己PRで計画性をアピールするには? 先輩のリアルな声もチェック
③仕事や生活のモチベーション維持につながる
キャリアビジョンを考えることで、目標達成までに必要な条件や行動が明確になると紹介しました。目標のために目先のやるべき行動が明確になると、日々の仕事や生活にもやりがいが出てきます。
たとえば、毎日の仕事がルーティン化してしまったとき、キャリアビジョンが無いと「このまま続けてても良いのかな……」と不安になってしまい、仕事へのやる気や向上心が低下してしまうでしょう。
一方でキャリアビジョンがある場合、「今年を乗り越えれば昇進試験を受けられる」など、自分がいま何のために行動しているかを振り返られるため、モチベーションを保つことができます。
早い段階でキャリアビジョンを作成しておくと、環境の変化に振り回されず、安定したモチベーションで仕事に取り組めるようになりますよ。
④自分の理想や価値観が明確になる
学生のうちにキャリアビジョンとして自分の価値観や理想をはっきりさせておくと、将来設計に必要な方向軸を決めることができます。
社会人として企業に勤め、収入を得て自立していくと、働く環境や住む場所など自己責任でなにかを選ぶ機会が多くあります。そんなときに後悔のない判断をするには、自分のなかで譲れないものや将来像を早い段階から理解しておく必要があるでしょう。
何かに迷ったときに、スムーズに解決を目指せる社会人として、キャリアビジョンは早めに作成しておくに越したことはありません。
キャリアビジョンにはあなたの価値観を反映させると良いことを解説しましたが、面接では「あなたの大切にしている価値観は何ですか」とストレートに聞かれることもあります。以下の記事では、この質問への回答方法について解説しているので参考にしてみてくださいね。
大切にしている価値観の探し方から例文まで|内定者の回答例も公開
作成前に理解しよう!キャリアビジョンをスムーズに決めるための4つの極意
キャリアビジョンをいざ作成しようとしても「この内容で良いの?」と不安になることもありますよね。内容に自信を持ってスムーズに作成を進めるには、事前にキャリアビジョンを作るために欠かせないポイントを知っておくことが大切です。
ここからは、経験者のアドバイスを交えながら、キャリアビジョンの作成をうまく進める4つの極意を解説します。
キャリアビジョンを考えるときのコツを教えて!
キャリアビジョンの作成をスムーズにするために重要なのは、「自分の理想像を最初に考えておくこと」です。自分の理想像を考えておくことで、自分が選ぶべき進路が明確になります。
極端な例ですが、何か大きなプロジェクトを通して、「大成功」や「昇進」を成し遂げたい理想を持っていれば、管理職を最終目標に掲げるビジョンを描けるようになりますよね。最終的な目的地を設定すれば、あとは逆算して自分の進むべきキャリアを考えられると思います。
キャリアビジョンを何の手がかりも無しに考えるのは非常に難しく、注意しないと地に足のついていない内容になってしまいます。
私は初めてキャリアビジョンを考えるとき、第一志望の企業の中でどの職種をやりたいかを最終目的として考え、そこに必要なスキルや経験が何なのかを書き出しました。
また、ほかの企業でも希望と同じような職種についている人のお話を聞いたり、キャリアを調べたりすることで解像度を上げました。そして、書き出したスキルや経験を得られるのはどのようなキャリアで、どのような順番なのかを考えて、キャリアビジョンを具体的にしていくと良いと思います。
極意①キャリアビジョンは短期間から考えると取り組みやすい
長期的な将来設計を描きたいと思っていても、学生の時点でいきなり50代や60代の未来を考えるのは難しいですよね。無理に考えたとしても、思いが込められていないことが面接官に見透かされてしまい、選考でプラス評価を得られないかもしれません。
内容のあるキャリアビジョンをスムーズに作るには、まずは5年後や10年後などの短いスパンで自分の未来を考えてみるのがおすすめです。体験談も参考にしながら、今の自分から想像できる範囲までのキャリアビジョンを想像しましょう。
短いスパンでキャリアビジョンの考え方が身に付くと「この目標を達成した後の自分はどうなるだろう?」と、自然とさらに先の将来像が考えられるようになってくるはずですよ。
キャリアビジョンは何年後まで考える?
就活で伝えたキャリアビジョンは、何年後まで考えたものでしたか?
10年後までを考えていました。面接で聞かれることが多かったのが、10年後のキャリアビジョンだったからです。
40代のこと(約20年後)まで考えていました。そこから逆算していくことで、より年代別のビジョンが見えると考えていたからです。
50代くらいのことまでを考えていました。理由は、自分が管理職として何をしたいかまで明確にするべきだと考えていたためです。
極意②未来を考えるには過去の分析をおこたらない
充実したキャリアビジョンを考えるには、綿密な自己分析から自分の価値観を明確にし、方向性がぶれないように作成することが大切です。
「希望の仕事は独立しやすいから自分もできるだろう」
「30代のどこかでは管理職になれる気がする」
このように周囲の情報や傾向から曖昧なキャリアビジョンを立ててしまうと、根拠のないキャリアビジョンになってしまいます。根拠が無いキャリアビジョンは説得力が低く、面接でのアピールにつながらないことも。
自分だけのキャリアビジョンを考えるには、自己の思考や考え方を大切にする必要があります。みずからの過去と向き合ったうえで、根拠のあるキャリアビジョンを描きましょう。
過去を振り返るための自己分析方法についてより詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にして自己分析を進めてみてくださいね。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き
自己分析にはノートを活用するのもおすすめです。以下の記事では実際に就活生が使っていた自己分析ノートを公開しているので、気になる人はチェックしてみましょう。
自己分析ノートの作り方4ステップ|内定者のノート写真付き
極意③実現可能な範囲で考える
キャリアビジョンは自分の理想像を考えるものですが、内容はあくまでも実現可能な範囲で考える必要があります。
「入社1年で年収2,000万円をかなえる」
「3年後に(事業とまったく関連性のない)〇〇という新規事業を確立する」
このように今の状況からかけ離れた将来像や、応募企業では叶いづらいキャリアビジョンを描くと、選考で計画力不足だと判断されてしまう可能性があります。なにより、実際にそのビジョンを達成するまでの行動を具体的に話せないのではないでしょうか。
目的達成に必要な条件や、それに伴った行動が具体的に想像できるかを判断基準にし、実現可能なキャリアビジョンを完成させましょう。
極意④志望業界や職種を踏まえて作成する
キャリアビジョンは自分の将来設計を考えるものですが、面接の場で話す場合、自己アピールする手段の一つとしても活躍します。そのため、仕事におけるビジョンは応募する仕事内容を踏まえた内容にしておくと、企業も自社への適性を判断しやすくなるでしょう。
「20代では一貫して仕事を任される人物として成長したい」
「20代では企画職として一貫した仕事を任されるようになるため、マーケティングの基礎知識を固めて成長していきたい」
上記2つのキャリアビジョンであれば、後者の方が具体的で入社後のイメージもわきやすいことがわかりますね。
自分のために考えるキャリアビジョンですが、就活では自己アピールの手段になることも理解しておくと、面接で自信を持って回答できる内容が作れますよ。
手順通りにやればOK! 経験者直伝のキャリアビジョン作成7ステップ
ここからは実際にキャリアビジョンを作成する方法を解説していきます。自信が持てるキャリアビジョンを作るには、綿密な自己分析から方向性を定め、ロールモデルを参考に内容を考えていくことが大切です。経験談を交えながら7つのステップに分けて紹介するので、一つずつ確認しながら進めてくださいね。
みんなはどのようにキャリアビジョンを考えた?
最初に、自分の強みと夢を決めておくようにしました。
なぜ夢と強みなのかというと、夢として成し遂げたいことはキャリアビジョンに直結すると考えたためです。強みは自己理解が深まっていないと出てこないので、明確にしておくと自分の活躍できるポジションをイメージしやすくなります。
次に、企業の昇格プロセスを理解し、自分のしたい選択をおおよそ決めるようにしていました。最後は、YouTubeやWebサイトを参考にしつつ、キャリアビジョンの整理をおこないました。
まずは自己分析をして、自分のやりたいことを明確にしました。そこから企業分析をして、どの企業のどの職種であれば、自己分析で導き出したやりたいことを実現できるのかを考えました。
次に、その職種に就いている社員の話を聞くことで、具体的に必要な経験やスキルを洗い出したり、その人はどのようなキャリアを歩んだのかを調べたりしました。
最後に、そのスキルや経験をどうしたら得られるのかを順序立てて考え、キャリアビジョンを作成しました。この方法では、実際に社員の方を訪問して話を聞く必要があったため、キャリアビジョンの作成には1カ月近くかかりました。
ステップ①:過去の出来事から自分を振り返る
未来像を考えるには、自分の性質を知っておく必要があります。ステップ①では過去の自分からわかる、本質的な自己の強みや考え方を整理しましょう。
自己分析の方法はさまざまですが、自分の価値観を知ることが必要なキャリアビジョンの場合は、みずからの感情の動きを分析できる「自分史」がおすすめです。
幼少期から今までで起きた出来事に対し、自分の行動や考え方を記載していきます。これまでの振り返りから見つかる共通点が、自分の強みや価値観として明確になるでしょう。
自分史から導き出せる価値観や強みの例
自分史でわかったこと
・幼少期から今まで10年以上バレエを続けている
・中学から始めて習字で初段を取った感動はいまでも覚えている
・小さなころから、幼いなりに「どうすれば褒めてもらえるか」など工夫していた記憶がある
共通点
・幼少期から今までバレエや習字などの習い事を続けていて、何かの習得に強い達成感ややりがいを感じる。また、継続力が強み
・物事に対して受動的に動くのが苦手で、常に自分で「何が適切か」を考えてきた
キャリアビジョンへの反映例
・何かをコツコツと継続して成果を出すのが好きなので、結果がわかりやすい仕事や、地道な作業に耐える能力が求められる業務に就きたい
・主体的・能動的に考えて動きたいので、規則やマニュアルが厳しすぎる環境よりも、新しい発見や挑戦をする先進的な環境に身を置きたい
ステップ①はキャリアビジョンを作る判断材料を考える段階なので、この時点では明確な目的や行動を考える必要はありません。自分の性質からどのような方向性にするかを導き出しましょう。
ステップ②:これまでの経験からスキルの棚卸しをする
次は、キャリアビジョンの目的達成のためにどのような手段を取れば良いか判断するため、これまでの経験から実務で使える強みやスキルを明確にします。
Excelなどで次のような表を作成しながら、過去の中で強く印象に残る経験から得たスキルや学びを書き出していきましょう。
時代 | 出来事や経験 | 得られたスキルや学び |
---|---|---|
幼少期〜 現在 |
バレエを習う | バレエを継続する大切さ |
中学 2年生 |
中学1年から始めた 習字で初段を獲得 |
綺麗な文字の書き方 コツコツ練習を継続して 評価を得たときの達成感 |
大学 1年生 |
イギリスへ交換留学 | 基礎的な英語力 異文化への理解 初対面の人とも緊張せず 声をかけられるコミュニケーション能力 |
キャリアビジョンの作成に活かせる強みやスキル
・バレエや習字の経験から得た継続力
・綺麗な文字を書く技術
・留学で得たコミュニケーションスキル
経験から紐づけて強みを整理することで、根拠にもとづく内容が考えられます。目的達成までに必要な行動の選択肢を広げるため、棚卸しではできるだけ多くの強みやスキルを書き出しておくことがポイントです。
ステップ③:自分の価値観や優先順位を考える
ステップ③では自分のキャリアの中で重要視すべきことを考えます。さまざまな将来像の希望が浮かぶなかで、達成までに必要な行動に迷わないように、何を優先するのかを明確にしましょう。
価値観や優先順位を考えるには、過去の出来事から何を大切に動いていたのか、客観視して分析する必要があります。どのような分類があるか悩む人は、心理学者であるエドガー・シャインが分類した8つの価値観を参考にしてみるのもおすすめです。
8つの価値観 | 特徴 |
---|---|
①専門性の向上 | 特定の分野における「専門家」として 自身の能力を発揮したいタイプ |
②経営管理能力を 身に付けたい |
「管理職」として 自身の能力を発揮したいタイプ |
③自立・独立したい | 「自分のペースやスタイル」を守りながら 仕事を進めたいタイプ |
④保障・安定したい | 「保障」や「安全性」を重視して 働きたいタイプ |
⑤起業家的創造性を 高めたい |
リスクを恐れず、 新しい商品・サービスを創り出したいタイプ |
⑥社会貢献がしたい | 社会的において欠かせない存在である 「医療」「社会福祉」「教育」などの領域で活躍したいタイプ |
⑦挑戦したい | あえて困難な状況に飛び込んで 挑戦するタイプ |
⑧生活環境の充実 | 「仕事」と「プライベート」とのベストなバランスを 常に考えているタイプ |
これまで習い事や資格取得に高い達成感を覚えていた場合は、「専門性を向上させたい」や「挑戦したい」といった考えを軸に行動している可能性が高いでしょう。価値観は一つではなく複数考えても問題ありませんが、一番大事にしたい価値観の優先順位を考えておくことが大切です。
過去の経験をしっかりと振り返り、共通点が多いものであればより信憑性が高いと言えるでしょう。
ステップ④:志望業界や職種の理解を深める
面接でのキャリアビジョンは、企業へのアピールとしての効果もあると紹介しましたね。採用担当に好印象を持ってもらうためにも、入社後の仕事内容に沿ったキャリアビジョンを作成しましょう。
具体的には、企業の求める人物像・社風・理念を調べ、企業理解を深めていきます。営業職として応募するのであれば、数字達成や販売する商品の知識が必要であると結びつきますね。
現時点で志望業界が不明確な場合は、ステップ④はカットしても問題ありません。ただし、最終的にはキャリアビジョンに入れ込む必要があると覚えておきましょう。
企業分析のやり方について詳しく知りたい方は、こちらで解説しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
企業分析の4つの極意|内定者に聞く効果的なやり方と活用方法
ステップ⑤:ロールモデルを決める
①〜④のステップで、キャリアビジョンの作成に必要な材料がそろったら、あとは参考例となるロールモデルを見つけます。
ロールモデルとは、自分の理想に近い将来設計をしている人物のことです。学生の場合、大学の先輩やOB・OG訪問先の社員などから考えてみると良いでしょう。ロールモデルには「同じ業界や職種を目指している」「性質や考え方が似ている」など、自分との共通点を多く持つ人物が適しています。
どうしてもロールモデルが見つからない場合は、応募する企業の社員から「こんな働き方をしたい」と思える人を見つけてみましょう。応募企業の公式HPや採用ページから得られる社員情報に目を向けてみると、自分の理想となるキャリアを歩む人が見つかるかもしれません。
みんなは誰をロールモデルにした?
キャリアビジョンを作る際にはOB・OGの社員や先輩を参考にしていました。広告業界を受ける際、いろいろな案件があることで選択肢が多く、キャリアビジョンを作ることが困難でした。そこで、OB・OG訪問をして、自身がやりたいことと希望する会社でできることの擦り合わせをしていました。
私は最終的に、スポーツに携わる仕事ができれば1番幸せだと考えていたため、スポーツの案件をよく扱っている人を中心に話を聞いていました。
その中で、「最初からスポーツに携わるよりも、いろいろな案件に取り組んで、そこで学んだことをスポーツに還元することが最も良い」という話を何人もしてくださったため、それを参考にしました。
キャリアビジョンについては、年代の近い先輩の意見が最も力になりました。年齢が近いだけあって、面接官に好評な回答はどういったものかについてなどの意見もとても参考になった記憶があります。
ほか、ロールモデルとしてだけでなく、面接の練習の協力もしてもらえたことは大きかったかもしれません。先輩の友人が面接官をし担当することにより、友人や家族との練習では得られないリアルな緊張感のなか練習ができました。
私がキャリアビジョンを考える際に参考にしたのは、OB・OGの方のキャリアです。また、座談会で出会った会社の先輩に当たる人のキャリアも参考にしました。
先輩の話を聞くと、先に社会へ出た人の人生を聞くことができるため、非常に参考になるのではないかなと思います。
私は、正社員として働くことに対して非常にアバウトであり、かつ視野が狭かった部分がありました。実際に先輩方の声を聞いて、働くことの大変さや楽しさを知り、それが自分のキャリアビジョンにも反映されたと思っています。
ステップ⑥:①〜⑤の情報をもとにやりたいことや目標を書き出す
ステップ⑤まで集めた情報で、具体的なキャリアビジョンの目標を作成するために、内容を書き出していきましょう。
①過去からわかった適性
・何かをコツコツと継続して成果を出すのが好きなので、結果がわかりやすい仕事や、地道な作業に耐える能力が求められる業務に就きたい
・主体的・能動的に考えて動きたいので、規則やマニュアルが厳しすぎる環境よりも、新しい発見や挑戦をする先進的な環境に身を置きたい
②強みやスキル
・バレエや習字の経験から得た継続力
・綺麗な文字を書く技術
・留学で得たコミュニケーションスキル
③大切にしている価値観
・専門性を高めることが好き
④職業理解
・営業職として応募するので、数字達成や販売する商品の知識が必要
⑤ロールモデル
・応募企業のOB・OGをロールモデルとする
①〜⑤から導き出された内容例
・結果がわかりやすい仕事への適性から営業職を目指す
・継続力やコミュニケーションスキルを活かし、数字達成力や販売知識を身に付ける
・ロールモデルは営業職を経験後、エリアマネージャーとして支店を増やすキャリアを30代後半で達成している
考えられる目標
入社後15年以内にエリアマネージャーとして、企業の知名度拡大に貢献できるほどの人物になる
例のように、①〜⑥の内容から、どんなキャリアを歩んでいきたいか部分的に考えていきます。部分的な情報をまとめ、最終的にキャリアビジョンとしての目標を考えましょう。
ステップ⑦:期間ごとに目標を設定する
最後の詰めとして、目標達成に必要な行動がイメージできているか相手に伝えるため、キャリアビジョンの達成までに必要な過程も考えておきます。
目標となるエリアマネージャーには、何が求められるか掘り起こして書き出し、達成までの条件や必要な行動を明確にしましょう。
キャリアビジョンの目標の例
入社後15年以内にエリアマネージャーとして、企業の知名度拡大に貢献できるほどの人物になる
達成するまでに必要な行動や期間の例
・自分の継続力やコミュニケーションスキルを活かし、営業職の基礎である数字達成力や販売知識を身に付ける→7年間
・エリアマネージャーとして必要な店舗経営の知識やマネジメントスキルも、実務を通して学ぶ→8年間
必要な条件や行動が考えられたら、今の自分では何年後に実現可能か予想し、期間を設定します。ここでは、ロールモデルを見ながら、スキル習得までにかかる時間を参考にするとスムーズです。
体験談から学ぶ! キャリアビジョンの作成に悩んだときの対処法
学生の時点でキャリアビジョンを作成しておくと、早い段階で価値観や理想が明確になり、後悔のない選択ができると紹介しました。しかし、社会人として経験の浅い状態で数十年後の自分を想像するのは難しいと感じる人もいるでしょう。
そのような場合は、第三者から意見を募ったり、ツールを使ってサポートを受けたりすることで解決が可能です。ここからは、キャリアビジョンの作成に迷ったときの対処法を解説します。
キャリアビジョンを作成するうえで使ったツールやサービスはありますか?
私はキャリアビジョンを考える際に、Googleで「キャリアビジョン」と検索してみました。また、面接対策の本などにも、キャリアビジョンを聞かれた際の対策が載っているのでおすすめです。
キャリアビジョンを作るときには、OB・OG訪問を重ねることで、自身の希望と社内でできることをすり合わせていました。
キャリアビジョンを作成するときは、YouTubeやWebサイトを通して、どのように作成すれば良いのか概要をつかみました。
専門家へ相談する
キャリアビジョンの作成がうまく進まないときは、キャリアの専門家に今の悩みや不安を打ち明けてみましょう。
パソナが運営する「キャリア形成・リスキリング相談コーナー」では、専門家からのキャリアコンサルティングが受けられます。厚生労働省から委託されているため、無料で専門性の高いアドバイスを受けられるでしょう。
ほか、ルメスが運営する「キャリート」では、専門家が自己分析から将来設計までを担当制でサポートするサービスを提供しています。
「キャリート」は有料サービスとなりますが、パーソナル診断やキャリアビジョン設計後の活かし方などもアドバイスを受けられるため、利用するメリットは大きいといえるでしょう。
ほか、ハローワークによる「新卒応援ハローワーク」など、さまざまな企業や機関に相談窓口があるので、一人で迷わずに周囲も頼ってみてくださいね。
ツールを利用する
いますぐにキャリアビジョンを考えたい人など、時間がない場合はアプリやサイトを利用してみましょう。
マイナビでは学生に向けたキャリアデザインツールとして「MATCH plus」というサービスを提供しています。適性検査の玉手箱などを作成する日本エス・エイチ・エルが開発したツールで、キャリアビジョンだけでなく、自分の適性のある職業の発見も可能です。
ほか、厚生労働省の「マイジョブ・カード」では、4枚のシートを使うことで自己分析から将来設計までを段階的に進めるサービスを受けられます。作成例や作成動画が公式HPに掲載されているので、参考にしながら進めるとスムーズです。
パソコンや携帯があればだれでも利用可能なので、状況に合わせ、利用するツールを選んで見てくださいね。
就活での実践編|面接でキャリアビジョンを聞かれたときの回答構成を解説
キャリアビジョンの内容が作成できれば、具体的に面接で回答するイメージもつけておきましょう。面接前にしっかりとキャリアビジョンを作った人でも、回答練習をせず本番に臨むと「上手い伝え方がわからなかった」と後悔することも。
時間をかけてつくった魅力的な内容を面接の結果に活かすために、ここからはキャリアビジョンの回答方法について解説していきましょう。
例文
私のキャリアビジョンは、自分が実際に学んだ知識や技術を活かし、地元を活気のある街にすることです。
私は〇〇県〇〇市出身なのですが、小さい頃はとても賑わっており、商店街にはたくさんのお店が開いていました。ところが、私が大学進学する頃には空き店舗が増え、夕方には灯りが少ない商店街となってしまい、寂しさとともに「自分が何かできないか」と考えました。
一つの街を復興することは簡単ではなく、多くの経験や知識が必要だと考えております。そのため、まずは御社のように地域再建事業をおこなっている企業で長く勤め、まちづくりに必要なプロセスや分析力・提案力を身に付け、将来的には地元の再建プロジェクトを提案できるような人物へと成長していきたいです。
未経験の私には、やるべきことが多く、大きな目標だとは思います。しかし御社で学び続ければ達成できると信じ、日々努力していきたいと考えております。
ここでは上記の例文を4つの構成に分けて、答え方を紹介します。
結論|最終目標から伝える
結論の例
私のキャリアビジョンは、自分が実際に学んだ知識や技術を活かし、地元を活気のある街に再建することです。
まず、結論として相手に一番伝えたい内容を伝えましょう。はじめに重要な情報を知ることで、採用担当もその内容をもとに理解がしやすくなります。
また、複数の目標を伝えると採用担当を混乱させてしまうので、結論として伝える情報は一つのみに絞りましょう。
そのほか、面接の回答で伝えるキャリアビジョンは、応募する仕事内容や企業の事業に沿ったものを選ぶことが大切です。企業と関連性のあるキャリアビジョンを回答し、相手に興味を持ってもらうことで、選考通過を目指していきましょう。
根拠|最終目標を考えた経緯を伝える
根拠の例
私は〇〇県〇〇市出身なのですが、小さい頃はとても賑わっており、商店街にはたくさんのお店が開いていました。ところが、私が大学進学する頃には空き店舗が増え、夕方には灯りが少ない商店街となってしまい、寂しさとともに「自分が何かできないか」と考えました。
次は、結論の説得力を出すための根拠を話します。キャリアビジョンの目標になぜその内容を考えたのか、実体験をもとにした自分の考えを伝えてみてください。
例文では、商店街が閑散としてしまった経緯に加え、自分が力になりたいと感じた心情も書かれています。このように、根拠の部分はキャリアビジョンの説得力を高める効果を持つため、自分らしさが感じられる経験を選ぶと、採用担当の印象にも残りやすいでしょう。
展望|どのように達成していくのかを伝える
展望の例
一つの街を復興することは簡単ではなく、多くの経験や知識が必要だと考えております。そのため、まずは御社のように地域再建事業をおこなっている企業で長く勤め、まちづくりに必要なプロセスや分析力・提案力を身に付け、将来的には地元の再建プロジェクトを提案できるような人物へと成長していきたいです。
根拠が伝えられれば、目標達成までの具体的な行動を伝える段階に移りましょう。展望は、応募企業での仕事内容が理解できているか、入社後どのような活躍ができるかなど、自己アピールする部分でもあります。
例文のように「プロセス」「分析力」など、具体的に身に付けるべきスキルなどを伝えるように意識することが大切です。
まとめ|どのように貢献していくかを伝える
まとめの例
未経験の私には、やるべきことが多く、大きな目標だとは思います。しかし御社で学び続ければ達成できると信じ、日々努力していきたいと考えております。
最後はまとめとして、採用担当が入社後のイメージを想像できる内容を伝えましょう。どのように貢献していくのか、企業の環境や業務内容とすり合わせ、自分に実現可能な範囲で回答することが大切です。
まとめが長くなってしまうと、それまでの内容の印象が薄くなってしまいます。簡潔に入社後の意気込みを伝えてみてくださいね。
みんながキャリアビジョンを回答するとき意識していたことは?
私が面接の場面でキャリアビジョンを回答する際に意識していたことは、実際にその企業にあるポジションを伝えたうえで、やってみたい旨を伝えることです。
なぜなら、企業研究をしていることと、入社後も意欲を持って取り組めることを同時にアピールできると考えたからです。
企業にあるポジションを踏まえたキャリアビジョンを伝えると、「もしそのキャリアビジョンが叶わなかったらどうするのか」という追加質問がきました。私は「それでもそこまでに努力した過程は無駄にならないため、その経験を活かして後輩などの育成にも貢献したい」と伝えました。
キャリアビジョンを伝える際には、明確にどのようなスキルや経験を積み、何がしたいのかという目標を明確に伝えていました。同時に、目標達成が叶うのであれば、必ずしもそのキャリアでなくても良いということにも触れていました。
キャリアは、組織に属する以上、自分1人の独断では決められないため、各段階でどのような目的を持って働くのかを明確に伝えられると、「その企業で働き続けたい!」という意思を伝えることができます。
「必ずしもその通りのキャリアになるとは限らない」と言われることもあったため、目的ベースで話すように意識するようにしました。
ここまでキャリアビジョンに聞かれたときの回答構成について解説してきましたが、ほかの質問への回答も構成は非常に重要になります。以下の記事では自己PRの構成について詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
自己PRの構成はこれで完璧! 内定者の自己PR構成も大公開
先輩のキャリアビジョンを覗いてみよう! 職種別例文12選
ここからはキャリアビジョンの具体的なイメージをつけるために、職種別の例文と作成ポイントを解説します。
記事前半で紹介した、経験者のキャリアビジョンや、ここで紹介する例文から自分に近いものを見つけ、実際に作る内容を考えながらチェックしてくださいね。
①総合職
総合職のキャリアビジョン
私は幅広い視野を持ち、異なる分野の知識やスキルを活かしながら、将来的には組織の戦略策定ができる人物になりたいです。
就活で企業研究をおこなうなかで、私は今まで企業が販売している製品やサービスだけを見ていたことに気付かされました。製品やサービスが世に出されるには、それまでに多くの過程を経て、試行錯誤が繰り返されています。企業を調べる中で、私はその過程に強く興味を持ち、自分にもゼロから物を作り出す方法や、企業の認知を上げる作戦が考えられる人物になりたいと考えました。
そのため、卒業後は総合職として、幅広い部署での仕事を経験しながら、ビジネスの基礎知識や経営理論についても理解を深めていきたいと考えております。加えて、企業経営やマーケティングの知識を身に付け、会社を俯瞰した視点で業務に取り組めるようになりたいです。
一朝一夕で身に付く経験やスキルではないと考えておりますが、御社の総合職として入社した際は、先輩方と信頼関係を築き、多くの学びを得て、組織の成長に貢献することが私の目指す姿です。
総合職のキャリアビジョンでは、多くの経験を積んで、最終的にどんな目標を達成したいのか明確にしておきましょう。例文では、経営視点を持った人物になりたいと経営層を狙ったキャリアビジョンが入れ込まれており、学生の向上心が伝わる内容です。
総合職は入社後に配属部署が決まるので、展望を具体的にしづらい部分があります。しかし、全体を俯瞰してどのような過程を歩んでいくのかを伝えるかを意識すると、面接官にも響くキャリアビジョンになるでしょう。
②事務職
事務職のキャリアビジョン
私の考えるキャリアビジョンは、企業のなかで「代わりが効かない事務職」としてのスキルを身に付けることです。
事務職を目指すと決めたとき、職業理解を深めるために、さまざまな情報収集をおこないました。その一部では「事務職は誰にでもできる」と言った評価があり、まだ就職をしてもいないのに、なぜか悔しくなったのを覚えています。
決してどの企業でもそのような認識を持っている訳ではありませんが、事実として営業職などのように明確な評価が見えづらい仕事ではあると感じました。そこで明確な評価として「代わりの効かないくらい有能な人物」と言われるような社会人になろうと考えました。
そのため、今後のキャリアでは、事務に求められるあらゆるスキルを段階的に身に付けていきたいと考えています。具体的には、最初は一般事務からスタートして、将来的には総務・人事・経理担当としてキャリアアップしていくために、資格取得やパソコンスキルの向上を図りたいと考えています。
事務職は他部署との連携が必要なことが多いので、円滑なコミュニケーション能力やチームワークの大切さも学びながら、御社で名を馳せる事務職として貢献したい所存です。
事務職のキャリアビジョンは、目的が明確にしづらく、頭を悩ませる人もいるのではないでしょうか。例文では、明確な実績がわかりづらい点を活かし、自分で評価を上げていくキャリアビジョンを作成しています。
注意点として、このように事務職の特性をマイナス傾向で話す場合は、応募企業を「事務職の評価ができない企業」などと思わせないように、相手の懸念を緩和できる話をすることも大切です。例文のように「決してどの企業でもそのような認識を持っている訳ではありませんが」などの、配慮する言葉を入れ込めると良いでしょう。
事務職を目指している人はこちらの記事も参考にしてみましょう。事務職の自己PRの作り方について、現役社員の声とともに解説しています。
現役社員がアドバイス! 事務職の自己PRの作り方と例文20選
以下の記事では志望動機の作成方法について解説しています。事務職の面接の頻出質問を押さえて、選考突破を目指しましょう。
事務職の志望動機例文25選|伝わる志望動機の作り方を内定者が伝授
③営業職
営業職のキャリアビジョン
私は10年後に営業職として、女性初の全国ナンバーワンの成績を残したいと考えております。
学生時代は男性用のスーツ店でアルバイトをしていたのですが、異性からの販売アプローチは難易度が高いと言われる中、私は先輩方の接客方法を見て学び、アルバイトながら全店で1位の売り上げを達成しました。あのときの達成感ややりがいは今でも強く心に残っています。社会人として企業に勤めるなかでも、努力は結果に結びつくことを忘れずにいたいと考え、営業職を目指しました。
就職後は、まず営業の基礎をしっかりと学び、経験を積んでスキルを磨いていきたいです。さらには、市場動向や競合他社の動きを常に把握し、戦略を練りながら自己成長を続けていくつもりです。最終的には、営業部門の責任者やマネージャーとして、チーム全体の成功に貢献したいと考えています。
営業職は数字を上げて大成していくようなキャリアビジョンが描かれやすく、ほかの学生と被りやすい傾向があります。面接では、採用担当に印象を残せるように、根拠の部分や展望で自分らしさを出しましょう。
例文のように、目標達成の過程に「市場動向や競合他社の動きを常に把握する」と伝えることで、具体的な業務内容が明確になっていることをアピールできます。選考通過を目指すには、叶えたい将来像に何が求められるのかをしっかりと分析したうえで、キャリアビジョンに組み込みましょう。
営業職を志望している人は、以下の記事で志望動機の書き方も押さえましょう。採用担当者に刺さる志望動機を作成することができれば、一歩選考突破に近づくことができますよ。
営業職の志望動機例文32選|営業経験者に書き方のコツを直撃
営業職を志望するなら、より仕事内容への理解を深めるために、大変な側面も把握しておけると良いでしょう。以下の記事では「営業が辛い」と感じたことのある経験者の体験談を紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
営業経験者に聞いた! 「営業が辛い」を乗り越えたエピソード
④経理職
経理職のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、50代までに父の会社の経理業務を担える人物になることです。
私の実家では、父や親族が塗装業を営んでいます。いまは経理職がおらず、長年任せている税理士に業務を委託していますが、その税理士は高齢で事務所を引き継ぐ人がいないことがわかっています。卒業後すぐに実家の事業を手伝いたいと父に伝えると「そんなことはしなくて良いから、役に立てるようになって帰ってきなさい」と言われました。その言葉で、父の優しさと、いまの自分では実力不足であることを痛感しました。
目標を叶えるため、就職後まずは在学時の学びを活かして基本的な経理業務を習得し、会社の財務状況を把握できる経理知識を身に付けます。その後、会社の成長戦略や業績向上に貢献できるような戦略的な経理能力の獲得を目指していきます。
そのようにして40代までに経理の知識を固め、50代に入るまでには在職しながら税理士の資格取得へチャレンジしていくつもりです。
長い道のりとなりますが、子会社の連結会計を含めた幅広い知識が学べる御社で、まずは目先のスキル習得に力を注いでいきたいと考えております。
経理職を志望した理由が「実家を助ける」といったような、将来的に退職を考えさせるキャリアビジョンの場合は、企業に長期在職ができるアピールをすることが大切です。
例文では、将来的に税理士の資格を取りたい目標を50代にかがげていることから、長く勤めていきたい学生の意向が読み取れますね。まとめにも「まずは目先のスキル習得」と就職後を強く意識していることを伝えると、採用担当側の心配が少なくなるでしょう。
⑤販売・サービス職
販売・サービス職のキャリアビジョン
私は、顧客満足度を向上させながら自己成長を図り、将来的にはマネージャーとして自社ブランドの店舗設計をおこないたいです。
学生時代はサッカー部に所属していましたが、チームの成績は年々下がっており、同級生の意欲も低下気味でした。しかしそこで、いまのチームの課題を分析・明確にし、何度も改善をおこなった結果、地域リーグ突破を成し遂げることができました。この経験から、何もない状態から問題点を見つけ、新しい戦略を考えていく楽しさに目覚めました。
就職後は、20代でアパレル事業を展開する御社の店舗に立ち、現場で丁寧な接客や問題解決能力、柔軟な対応力を身に付けていく所存です。30代では、業界のトレンドやリーダーシップ、チームワークを築けるように研鑽し、40代に向け、マネージャーやリーダーとしてチームをリードし、新たなサービスの企画・立ち上げに携わりたいと考えています。
アパレル販売の仕事は、「初めの現場仕事が体力勝負で大変だ」とOB・OGの先輩より伺い、目的達成までの過程が大変であるだろうと考えております。しかし、部活動で得た体力や分析力を活かし、一つずつステップを踏み、御社で評価される実績を上げていきたいと考えております。
販売職やサービス職は、就職後同じ業務をする人も多く、どのように将来像を考えるのか悩んでしまいますよね。例文では店舗設計を目標とし、そのために何を学ぶべきかを展望として伝えています。
例文と異なり、現場で長く働いていきたいと考える人は、現場の中でマネジメントしていく方向性に定めると、計画力や将来性もアピールできますよ。
同じ環境を続けていても、将来設計はしっかり考えられるので、周囲の意見も参考に焦らずキャリアビジョンを描いていきましょう。
⑥技術職
技術職のキャリアビジョン
私は、将来自分自身が家族と住む家を設計したいと考えています。
大学で学んだ建築技術やさまざまな建築家の建てた家を見て、自分のなかの理想像がどんどん明確になったからです。そのような考えから、将来的には建築士の資格取得を目指しています。
就職後、まずは住宅設計や住宅施工のプロジェクトに携わりながら、建築設計・施工管理の分野での専門知識や経験を積んでいきます。また、住宅のニーズやライフスタイルの変化に合わせた設計や提案が求められることから、顧客とのコミュニケーション能力も培っていきたいです。
そして、5年後には二級建築士を取得し、業務の幅を広げていきたいと考えています。ハードルが高い建築士への道ですが、御社で現場の意見や先輩方の知識を学び、顧客ニーズを満たす設計を提供していけるように努力していくつもりです。
技術職は、何かを作り上げるスキルがあることから、例文のように「建築士を目指し自分の家を建てたい」などの明確な目標を言語化しやすい職業です。一方で、ゴールがほかの学生と被りやすい職業でもあるので、根拠や展望は具体的な内容を考えるようにしましょう。
住宅のような生活にかかわるキャリアビジョンは、私生活における内容を組み込むと独自性が出しやすいのでおすすめです。
⑦医療・介護職
医療・介護職のキャリアビジョン
私は、介護の現場において、介護業界の認識を変えられる人物になりたいです。
祖父が、特別養護老人ホームに入居しています。お世話してくださる介護士さんへ就活の一環として仕事内容をリサーチしてみると「周りの評価が悪くてやる気がなくなってしまう」などの厳しい面があることを知りました。そのような経験から、介護業界のやりがいを伝え、人材不足や在籍している人の力になりたいと考えるようになりました。
そのため、まずは実習で学んだ知識や技術を活かし、施設や在宅での実務経験を通じて、利用者のケアやコミュニケーション能力を身に付けていきたいと考えています。
その後は、さらなる専門知識やスキルの習得を目指し、介護福祉士や社会福祉士などの資格を取得し、経験のない人にもわかりやすく業界の魅力が伝えられる人材になりたいと考えています。
一つずつステップを確実に積んでいくためにも、3年後には介護福祉士の資格を取得し、施設の中で魅力発信ができる人物として成長していきたいです。
専門知識を深めることや、資格取得がキャリアビジョンのメインとされやすい介護職です。ところが例文では「業界への貢献」と、キャリアビジョンらしい大きな将来像が掲げられていますね。
ただし、話が飛躍しすぎては計画力が低いと評価される可能性もあるため、展望の中で段階的に進めていく計画を伝えることも大切です。
⑧クリエイティブ職
クリエイティブ職のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスに配慮できるデザイナーになることです。
大学の授業で現代の販売手法を学んだ際に、デザインが人を惹きつける力を持っていることに気付かされました。
就職後、まずは1年以内に授業で学んだデザインの基礎知識やツールの扱い方を実務レベルに向上させます。そこから10年以内には、Webデザインに特化した技術やトレンドにも積極的に触れ、最新の情報を取り入れて知見を増やしていきたいです。そして最終的には、フロントエンド開発やバックエンド開発などのプログラミングスキルも身に付け、より幅広い業務をこなせるデザイナーとして活躍したいと考えています。
確実にスキルと技術を身に付けていくためには、まずは御社の新人デザイナーとして、クライアントを担当させていただけるよう努力し、貢献していきたいです。
大学の授業の経験から、デザイナーとしてスキル向上を目指す場合のキャリアビジョンです。例文では10年以内に身に付けたいスキルが明確で、最終的には「プログラミングもこなせるエンジニアを目指す」という目標も書かれているため、キャリアパスも明確に示されていることがわかります。
目指す職業のキャリアパスをしっかりと調べていることは、やる気や向上心のアピールにもつながります。単に技術向上を目指すだけでなく、ステップを踏んでどのように成長するのか、しっかりと言語化することが大切です。
⑨企画・マーケティング職
企画・マーケティング職のキャリアビジョン
私のキャリアビジョンは、自分が実際に学んだ知識や技術を活かし、地元を活気のある街にすることです。
私は〇〇県〇〇市出身なのですが、小さい頃はとても賑わっており、商店街にはたくさんのお店が開いていました。ところが、私が大学進学する頃には空き店舗が増え、夕方には灯りが少ない商店街となってしまい、寂しさとともに「自分が何かできないか」と考えました。
一つの街を復興することは簡単ではなく、多くの経験や知識が必要だと考えております。そのため、まずは御社のように地域再建事業をおこなっている企業で長く勤め、まちづくりに必要なプロセスや分析力・提案力を身に付け、将来的には地元の再建プロジェクトを提案できるような人物へと成長していきたいです。
未経験の私にはやるべきことが多く、大きな目標だとは思います。しかし御社で学び続ければ達成できると信じ、日々努力していきたいと考えております。
企画職として地元の地域再建を将来的に目指すキャリアビジョンです。早期退職が心配されないように、例文では「長く勤め」と明確な意思を示していますね。遠回しにカバーするのではなく、はっきりと意思を提示することも効果的です。
また、例文のキャリアビジョンは、応募企業の事業で地域再生事業をやっている点ともしっかりとマッチしています。企業のことをよく調べ、的確なアプローチができているキャリアビジョンですね。
⑩エンジニア職
エンジニア職のキャリアビジョン
私は、30代後半までにプロジェクトマネージャーとして、企業の中核を担う人物になることを目指しています。
御社のインターンシップでプロジェクトマネージャーの方の1日を学んだ際、プロジェクトの進行管理をおこなう責任とやりがいに、大変魅力を感じたからです。
そのため、まずはエンジニアとしての知識とスキルを身に付けていきたいと考えています。そのなかで、IT業界全体の動向や技術のトレンドを把握し、基礎知識を実践的に昇華させていくつもりです。そして、プロジェクトマネジメントの理論や実践的なスキルを習得し、効果的な管理進行をするスキルを身に付けていきたいです。
インターンシップでは若いプロジェクトマネージャーは不足しているというお話も伺ったので、いち早くスキルアップし、企業の人材不足に貢献したいと考えております。
近年需要が増加しているエンジニア職には、さまざまな種類があります。または、例文のようにポジションを目的とするのも良いでしょう。
例文ではさらに、実際にインターンで聞いた体験談を入れ込み独自性を出すことで、相手の印象に残るキャリアビジョンとなっていますね。
⑪コンサルタント職
コンサルタント職のキャリアビジョン
私は将来的に、SEOコンサルティングを企業の専門部署にしたいと考えています。
私は大学2年生から、化粧品の情報発信をするブログを書いており、そこでSEOという言葉に初めて触れました。同時に、企業では自社の商品をより多く販売するため、SEOが非常に重要視されていることも知りました。そのため、私が学んだSEOの知識を、仕事に活かしてみたいと感じました。
就職後は、まずブログ作成で月に1万PVを達成したノウハウを活かしながら、5年以内に幅広い業界の自社サイトに関する問題解決ができる人材を目指します。そして10年後には、検索エンジンのアルゴリズムの変化に対応したり、クライアントのニーズに合わせた施策を柔軟に提案できるようになりたいです。
最終的には、部署統括としてSEOマーケティングの専門部署を設立できればと考えております。御社では現在、Webマーケティングの一環として、SEO対策のアドバイスもおこなっており、努力次第で事業発展に貢献できるのではと考えております。御社のさらなる飛躍に貢献するため、知識と技術を日々研鑽していきます。
エンジニアと同様に、コンサルタント職も幅広い選択肢がある仕事です。そのため、最終目標を考えた根拠を具体的に伝えて相手が納得するキャリアビジョンを考えなくてはいけません。
例文は、根拠の部分にブログ作成の経験を書いています。さらに1万PVという実績もアピールできており、新卒ながら戦力になれる可能性を感じさせるキャリアビジョンですね。
専門部署を新設する目標も、企業と関連性がある内容となっているので、企業情報をよく調べられていることが伝わる内容です。
⑫金融系専門職
金融系専門職のキャリアビジョン
私は金融業界でトレーダーとして、周囲よりいち早くキャリアを積んでいきたいと考えています。そのため、まずは基礎的な金融知識や市場の動向を1年で理解し、その後、5年間で実践的な経験を積んでいくことが必要だと考えています。
具体的には、大学で学んだ経済学や財務論などの専門知識を活かして、金融商品や取引の仕組みについて学びを深める予定です。さらに、実際の市場動向やトレンドを把握するために、経済指標や企業の財務諸表などの情報を分析し、市場の動向を予測する能力を1年目で養います。
2年目以降は、実践的な経験を積むために、金融機関や証券会社などでの研修プログラムに積極的に参加し、実際の取引やリスク管理のプロセスを学んでいく予定です。また、トレードシミュレーションなどを通じて、実践的なスキルを磨いていきます。
最終的にはリスク管理や資産運用などの専門的なスキルを習得し、市場での成功につながる戦略を構築していきたいと考えており、自己研鑽を怠らずに、常に市場に先駆けて対応できる能力を身に付けていく所存です。
御社に入社することができれば、努力と継続的な学びを通じ、大きく貢献できるトレーダーとして活躍していきたいと考えています。
金融機関でトレーダーとして志望する場合のキャリアビジョンです。
専門的な仕事で、将来的な業務内容を想像しづらい場合もあるでしょう。例文のように、現状からどのように目標を立て、どのような過程で達成したいと考えているのかをしっかりと伝えることが大切です。
例文は「いち早く」キャリアを積んでいきたいとアピールしているキャリアビジョンであるため、5年間という短期間でどれだけ綿密な計画が立てられているかが伝わる内容となっていますね。
要注意! キャリアビジョンを回答するときの3つのNG例文
キャリアビジョンは綿密な自己分析が大切なことや、実現可能な内容を考える必要性について紹介しましたね。しかし、何十年先の未来を想像することは難しく、知らずに誤った方向性で作成を進めてしまうこともあります。
「自分のキャリアビジョンはこれで良いのかな?」と不安にならないためにも、NG例文から回答するときの注意点を理解しておきましょう。
内定者が後悔した経験にも耳を傾け、自信を持って面接で話せる内容を考えてくださいね。
キャリアビジョンを考える際、希望が叶う前提でキャリアビジョンを考えていたため、上手くいかなかった場合のことを考えていませんでした。しかし、面接でキャリアビジョンが叶わなかった場合について聞かれたため、その場で出た言葉を率直に答えてしまったことを後悔しています。
そのときの面接には無事合格しましたが、すごくアバウトに答えてしまったので、もし今その質問がきたら上手く答えられるのにと後悔しています。
キャリアビジョンを考える際は、「必ず叶えてみせる!」というやる気を見せるのも大切ですが、うまくいかず挫折した場合どうするのか、ということまで考えておくことをおすすめします。
キャリアビジョンが現実的に厳しいものになってしまったことがあります。実際に面接では現実可能かどうかを指摘され、「そこまで大きなプロジェクトにかかわりたいなら他社の方が実現しやすいのではないか」と正直に言ってもらえたことがあります。
それからは、キャリアビジョンを考えるときには企業の特性として、地域還元型のプロジェクトなのか、海外にまで視野をおいたプロジェクトなのか、どちらを実現してきた経験があるのかなど、自分の希望しているものに合致しているかしっかり調査することで、実現性のあるキャリアビジョンを作成することを心掛けました。
転職を想像させる回答例文
転職を想起させる回答
近年では働き方が多様化していることもあり、若いうちにさまざまな経験をしておくべきだと考えています。
そのため、就職後は3年ごとに新しいステージへ進んでいきたいと考えており、常に新しい気持ちで経験を積み、最終的には自己でECサイト運営ができるスキルを身に付け、30代後半までには独立も視野に入れています。
採用担当は面接でキャリアビジョンを通して、自社へ長期的な就業が見込めるか・将来性のある人物かなどを判断しています。
ところが、例文のように「3年ごとに新しいステージ」などといった、転職や短期的な在籍を想像させるフレーズがあると、採用担当は早期退職を懸念してしまいますね。
たとえ自分の将来設計の中に独立や転職が入っていたとしても、面接では採用者の視点に立った言葉選びをすることが大切ですよ。
私生活の内容に偏っている回答例文
私生活の内容に偏っている回答
私の将来像は、10年後までに生活環境を充実させることです。
具体的には、結婚して家庭を築き、持ち家を所有して休みの日には家族とのんびりすごすような生活をイメージしております。
早くに生活の基盤を築くことで、責任感が出て仕事へのやりがいも維持できると考えております。理想の生活をかなえるためにも、御社で精一杯貢献していきたい所存です。
自己の生涯における将来設計を考えるため、どのような生活を送りたいかを具体的にすることもキャリアビジョンの一つです。しかし、面接で企業が知りたいのは、自社で活躍できる将来性や計画力です。
例文のように私生活の話をメインにしてしまうと、入社後のイメージがつきづらく、学生を採用するメリットが感じられなくなってしまうでしょう。
私生活の話を入れ込む回答
20代でプロジェクトを一貫して担当できるよう、担当業務以外にも広い視野を持って業務に取り組みたいと考えております。
また、プライベートでも家庭を築いて責任感を強め、仕事へより一層やりがいが出るようにもしていきたいです。
プライベートと仕事の充実をテーマとしたキャリアビジョンを作るのであれば、例のように仕事での具体的な目標を踏まえたうえで、私生活での過ごし方を話すと良いでしょう。
選考通過を目指すには、自己の理想の中から企業の意図や目的を加味した内容を答えることが大切です。
実現が難しいと感じる回答例文
実現が難しい回答
私の将来設計は、20代で初の役職者、30代では経営層に食い込み、40代では年収1億円を達成することです。
そのためには、入社後から大きな成果を上げる必要性があると感じておりますので、いち早く業務を覚え、1人で多くのプロジェクトを任される努力を惜しまず、御社に貢献していきたいと考えております。
キャリアビジョンは、現状の能力から実現可能な将来像を描くことが大切です。
例文は40代までの将来像が具体的となっていますが「30代で経営層」「年収1億円」など、現状では実現が難しいと感じられるキャリアビジョンですね。
面接で話が飛躍しすぎたり実現不可能なキャリアビジョンを話すと、「計画性がないのでは」と捉えられてしまう可能性があります。
作成しながら実現可能か迷ったときは、目標達成までに必要な条件や行動が具体的になるかで判断しましょう。同年代のロールモデルを見つけて比較するのもおすすめです。
経験者に聞いてみよう! 入社の前と後でキャリアビジョンに変化はあった?
キャリアビジョンを作成しようとすると「就職後に方向性が変わるかもしれない」と不安に思うこともありますよね。キャリアビジョンは今の条件から考えられる将来設計であるため、状況の変化に応じてゴールが変わるのは自然の出来事です。
絶対に今のキャリアビジョンを貫く必要はなく、むしろ自分の成長に合わせて常に見直しが必要だといえるでしょう。そこで、社会の先輩に、就職の前と後でキャリアビジョンにどのような変化がおとずれたのかを聞いてみました。
学生時代のキャリアビジョンでは、お金を稼ぐことが最優先でした。当時、自分は奨学金とアルバイトのお金で大学費を払っており、経済的な面で大変苦労しました。高収入の職に就くためにどんな職業が良いのか調べ、インターンにも参加しました。しかし、結婚して子供が産まれたことで自分のキャリアビジョンが大きく変わりました。
「お金よりも時間」の価値観が行動指針へ
現在は、お金よりも時間が大切です。家族と一緒に時間を過ごし、子供の成長を見守ることが1番の幸せです。仕事とプライベートのバランスをとることが楽しく、お金を稼ぐことよりもワークライフバランスを重視するようになりました。私のように人生の節目、家族構成の変化によってキャリアビジョンや価値観が大きく変化することがあると思います。
就活前のキャリアビジョンの可能性は無限大!周囲も参考に芯のある社会人を目指そう
面接で将来性や計画力を判断するために聞かれるキャリアビジョンは、就活だけでなく、長い将来をどのように進むか決める計画書です。学生で作成する必要性に疑問を感じるときもありますが、早い段階で将来設計ができていることで、たくさんの選択肢から、後悔のない道を選ぶことができるでしょう。
自分のキャリアビジョンに自信を持つには、作成の意図を理解し、ロールモデルを参考にしながら段階的に内容を考えることが大切です。先輩たちの体験談を参考にしながら、長く活用できる自分だけのキャリアビジョンを作ってくださいね。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
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営業職での話ですが、仕事をしていて「現実は甘くないな」と実感し、「地道にいくしかない」と悟ったことがあります。
私の就職先は昭和の気質がかなり残っていて、パワハラも横行している企業でした。そのような状況で理想を追い求めるのは難しいと感じ、まずは自分が「良いな」と感じる人の部分をとことん吸収することから始めました。
結局は組織に属しているので、そのなかで能力的にも、人間としても求められる人材が生き残ると思ったからです。そういった観点でキャリアビジョンを考え、まずは地道に動くことから始めるようにしました。