転職の自己分析のやり方は? 先輩たちの自己分析のコツを聞いてみよう
「転職に自己分析って必要?」 「自己分析で何をまとめれば良いの?」
転職を検討し始めると、「まずは自己分析をしよう」という意見を耳にすることもあるでしょう。働きながら転職をする場合、新卒時代のように時間が取れないから手っ取り早く自己分析する方法を知りたいという人も多いのではないでしょうか。そもそも、自己分析の必要性がいまいちわからないということもありますよね。
そこで転職経験者に、そもそも自己分析をしたかどうか、そしてした場合は実際に試した方法や自己分析で明らかにすべきことについて聞いてみました。
また、これまでの経験を活かした転職なのかどうかでも、取り組むうえで意識すべきことは変わります。体験談を参考にしながら転職時の自己分析について理解を深めていきましょう。
こちらの記事では、自己分析のやり方についてより詳しく解説しているので、ぜひ併せて読んでみてくださいね。
スキルがないと転職に不利かも? と不安になるかもしれませんが、心配しないでください。まずは、自分の強みついて考えてみてください。次の記事では、自分の強みを見つけられる自己分析方法について紹介しています。
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みんなは実際どうした? 転職活動と自己分析の実態
新卒の就活では必須といわれている自己分析ですが、転職活動の際もすべきかどうかは迷う人もいるのではないでしょうか。転職経験者は実際に自己分析をしたのかどうか、またどのような経緯でその選択をしたのか、エピソードを聞いてみましょう。
転職活動において自己分析をする3つのメリット
転職活動をするうえで「改めて自己分析をしなくても良い」と判断する人もいますが、自己分析に取り組むことで成功に一歩近づきます。自己分析をするメリットを体験談と一緒に確認していきましょう。
企業選びの軸が固まりミスマッチを防げる
さまざまな企業を調べていると、どの求人も魅力的に見えてきて結局どの企業に応募すれば良いかわからなくなるということもあるでしょう。しかし直感に従って転職先を選んでしまうと、そもそも転職で実現したかったことがかなわない決断をしてしまうことも。
合わない企業に転職してしまう事態を防ぐためにも、自己分析によって転職したい理由や働きたい企業の条件を改めて整理することが重要なのです。
次の記事では、転職の軸を固める方法について紹介しています。ぜひ併せて読んでみてくださいね。
説得力のある自己PRを作成できる
内定獲得には、企業が必要とする人物像にマッチしている点を的確にアピールすることが求められるもの。そのため、自己分析によって自分の強みや企業に貢献できることを正しく把握できれば、選考の通過率アップにもつながります。
「日々働く中でなんとなく自分の強みはわかる」と思うかもしれませんが、「協調性がある」「実行力がある」など漠然と強みを思い浮かべるだけでなく、自己分析でこれまでの経験を振り返ることも効果的です。エピソードを交えることでより説得力のあるアピールが可能になります。
キャリアプランが明確になり転職の方向性が定まる
自己分析では、現在までの自分を振り返るだけでなく未来についても考えます。将来どのように働いていきたいか、どんな自分でいたいかを明確にすることで、今の自分に必要なスキルや経験も把握することができるのです。
その結果、より自分が熱意を持って働ける企業を見つけることができます。さらに「やっぱり今の職場で〇〇をやり遂げてから転職をしよう」など、転職活動自体や自分に適したタイミングについて改めて考えることもでき、より納得感を持ちながら転職活動を進められます。
転職時の自己分析で明らかにしたい5つのこと
自己分析をする前に、明らかにすべきことを押さえて企業選びや自己PRにしっかり活用しましょう。
①現職を辞めた理由
中途採用の場合、ほぼ必ず問われるのが転職理由。自分にとって今までの職場には足りないものや次の職場でなら実現できそうなことが把握できていない場合、「合わないことに気付いたらうちもすぐ辞めてしまうのではないか」と企業に懸念を抱かれてしまうこともあります。
また、辞めた理由を見出すことでより説得力のある志望動機を作成することも可能です。「業務内容」「働く環境」の2つの面から考え、現職を辞めた理由は丁寧に洗い出すようにしましょう。
辞めた理由を明らかにして、説得力のあるIT業界の志望動機を作成したいと思っている人は、ぜひ次の記事も読んでみてくださいね。
②自分の強みやスキル
自らの強みやスキルを整理するのは、新卒時の自己分析とも共通する点です。まずは成功したと感じたり達成感を得た体験、失敗体験を思い出して、そこで得た学びや発揮できた能力を書き出しましょう。
強みやスキルを洗い出すときには、特定の業界や職種で発揮できる専門的なスキルと、業界業種問わず活かすことができるポータブルスキルに分けて考えるのがおすすめです。次は未経験の業界に挑戦してみたいという人も、現在までの経験をしっかり振り返ることで転職に十分活用することができます。
ポータブルスキルの例
- マネジメントスキル
- タスク管理能力
- プレゼンスキル
専門的なスキルの例
- 事務スキル
- 語学力
- プログラミングスキル
- デザインスキル
転職でアピールできるような長所が思いつかないと思っている人は、次の記事を読んでみてください。長所の見つけ方について解説していますよ。
③仕事において譲れないこと
いくらやりがいを感じられたり熱中できる仕事でも、勤務地や給与などが希望とかけ離れているとストレスを感じながら働くことになってしまいます。その結果、やむを得ず離職することにもなりかねません。
自分に合わない職場を選び転職スパンが短くなりすぎると、転職時に懸念を抱かれることもあるほか、実務経験やスキルも身に付きづらくなってしまいます。
働くうえで譲れない条件を明らかにすることで、無理なく働き続けられる転職先が見つかります。内定を得て承諾するかどうかで迷ったときに立ち返る基準にもなるため、必ず明確にしておきましょう。
仕事において譲れないことの例
- 勤務時間
- 勤務地
- 給与
- 福利厚生
④興味・関心
趣味や熱中できることなど、プライベートにおける興味・関心も洗い出しておきましょう。興味を持てる分野や好きなことを明確にしておくことで、自分がやりがいをもって働ける業界、職種を見つけられます。
整理するときには、「仕事以外の経験」「趣味」「詳しい分野」の3つの視点から考えてみてください。
仕事以外の経験の例
- 海外旅行
- ボランティア
- 語学の勉強
趣味の例
- 料理
- ガーデニング
- 筋トレ
- 美術館巡り
詳しい分野の例
- スポーツ
- 音楽
- アニメ
- 映画
⑤今後のキャリアビジョン
今後のキャリアビジョンは転職活動時に一度考えてみましょう。
たとえば「さまざまな業務を経験して将来はフリーで活躍したい」という気持ちが根底にあるのにもかかわらず、その気持ちを明らかにしないままジョブローテーションが盛んでない企業に転職してしまった場合、入社後早い段階で合わないと感じてしまうかもしれません。
モチベーション高く働き続けられる職場を選ぶためにも、あらかじめキャリアビジョンを考えておくことは大切です。
また、面接においても「うちの会社でどう活躍していきたいか」と問われることもあります。自分がどのような社会人生活を送りたいかを把握することで、より筋が通ったアピールをすることもできるのです。
転職に活きるおすすめの自己分析フレームワーク3選
自己分析の方法は数多くあります。フレームワークとそのやり方を挙げていくので、特徴を参考にしつつ自分に合うものを実践してみてください。
また一つに絞らず、いくつか試して多方向から自己分析をするのもおすすめです。一つの方法でわかった自己分析の結果に確信を得るため、ほかの方法を試してみるのも良いでしょう。
①モチベーショングラフ|やる気が出る瞬間の共通点を探す
モチベーショングラフとは、感情の上下を軸に自分のことを振り返る方法です。
縦軸をモチベーションに、横軸を時間軸にして、幼少期から今までで印象に残っている出来事や頑張ったことを思い出して年表のように書き込みます。同時に、それぞれの状況における感情をできるだけ細かく思い出してグラフ化しましょう。
モチベーションが上がったり充実感をおぼえるタイミングの共通点を探すことで、やりがいの持てる分野や人生において大切にしたい価値観が見えてきます。特に、仕事に求めることや興味関心を理解したいときに役立つ方法です。
②マインドマップ|頭の中を可視化する
考えていることを地図のように可視化する方法がマインドマップです。ビジネスにおけるブレインストーミングなどにも使われます。
キーワードから想起できる言葉を書き出してつなぎ続けることで、自分でも気付くことのなかった思考を掘り出すことができ、自分への理解を深められます。
転職活動においては「現職を辞めた理由」「自分の強みやスキル」など、自己分析で明らかにすべきことをキーワードにして、そこから考えを深掘りしていくと企業選びや的確な自己PRにも活用しやすいですよ。
自由度が高い自己分析方法の一つですが、注意点もあります。次の記事で紹介しています。マインドマップを使う注意点と併せて、先輩たちのアレンジ方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
③Will Can Must|キャリアプランを多角的に考える
Will Can Mustは、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(すべきこと)」の3つの項目からキャリアを考えるフレームワークです。自己分析だけでなく企業における人材育成にも活用されています。
転職時の自己分析に使うときは、以下の4ステップを参考に取り組んでみてください。
自己分析で使える4ステップ
- 社会人としての経験を振り返る
- 「Can」を「今できること」「将来できるようになりたいこと」の2つの軸でピックアップする
- 「Will」を洗い出す
- 「Must」を洗い出す
それぞれの項目を整理することでキャリアの方向性が見えてくるほか、この3つが重なることを明らかにすることで、自分がより満足感を得ながら取り組める仕事を導き出せます。
転職活動では「Will(やりたいこと)」に重きを置いて考えがちですが、このフレームワークを使って「Can」や「Must」を洗い出すことによって、自分がどのように価値を発揮できるかを企業にアピールすることができるのです。
Will Can Mustの使い方の例
- Will:国民に愛されるゲームを開発し大ヒットさせたい
- Can(今):ゲームに関する関心と知識がある
- Can(将来):ターゲットのニーズに合わせた企画能力をつけたい
- Must:大ヒットを生み出すビジネス感覚を身に付ける必要がある
転職の成功につながる自己分析のコツ
転職先選びや選考に有利な自己分析をおこなうためにはいくつか意識すべきことがあります。理想の転職をかなえるための自己分析のコツを紹介するので、参考にしてくださいね。
定期的に見直してアップデートする
キャリアプランや価値観は時間が経つと変化することもあります。また、自分の長所だと思っていた点が適切ではなかったり、譲れない条件がほかにも見えてきたりと選考を経て新たな気付きが生まれることもあるでしょう。
自己分析の結果を定期的に見直し、転職の軸を確認することでアピールポイントや話せるエピソードに肉付けをしていくことでよりオリジナリティのある自己PRになり、ほかの候補者と差を付けられます。
次の記事では、意外で面白い特技の見つけ方について解説しています。長所を見直してアップデートをする際の参考にしてみてくださいね。
実務経験とスキルの棚卸しを徹底する
転職の自己分析においては、これまでの社会人生活で取り組んだ業務やできるようになったことを徹底的に棚卸しすることが成功の秘訣です。
たとえば、やりたい仕事と共通する経験があれば即戦力をアピールすることができます。もし業界・業種が違う企業に応募するときでも、今までの経験をもとに汎用性のあるスキルを把握することで効果的に自己PRできるのです。
就業期間が短かったりおこなう業務の幅が狭かった場合、アピールしうる経験が足りないと感じることもあるかもしれません。その場合は、それぞれの仕事における目的やその目的を達成するためにおこなったことや意識したことを洗い出してみてください。共通する考え方や行動をリストアップすることで、それを自分のスキルとして伝えることができますよ。
短所もポジティブな表現に変換し強みを広げる
自己分析をしていると短所ばかりが気になり、アピールできる強みが足りない、向いている仕事が少ないと感じることもあるかもしれませんが、短所も視点を変えれば長所につなげることができます。一度ポジティブな表現に変換し、自分の強みや可能性をできるだけ広げるよう意識しましょう。
また短所の言い換え方を知っておくことで、「〇〇をクリアすれば強みに発展させることもできる」など今後の改善ポイントも伝えることができ、前向きな印象に映ったり自らを客観視できていると感じられ高評価につながることも考えられます。
ただ、強みを伝えることに集中しすぎて「短所はないです」と伝えるのは避けましょう。正しく自己理解できていないと捉えられ、ネガティブな印象を持たれてしまうことがあります。
短所をポジティブな表現に変換する例
- 頑固である→芯が強い
- 器用貧乏→マルチタスクが得意
- 優柔不断→柔軟性がある
客観的な意見も取り入れる
自分だけで自己分析を完結させてしまうと、他人から見ると強みといえる点や改善すべきところに気付けない場合があります。ほかの人から見た自分も知ることで、面接でより一貫性を持った回答ができるのです。
このとき、親しい友人だけでなく一緒に働いたことがある人たちにも協力してもらい、社会人としての自分がどのような性質なのかを洗い出しておきましょう。
自分についてほかの人に質問する例
- あなたが思う私の長所・短所は?
- 印象的だったエピソードは?
- どんな業界や職種に向いていると思う?
- 初対面の人に紹介するとしたらどう伝える?
自己分析はスキルと価値観の洗い出しが肝心! 活用して理想の転職をかなえよう
転職時の自己分析では、これまでの社会人生活で得たスキルや培った価値観の洗い出しを徹底しましょう。そうすることでミスマッチを防ぎ、やりがいを感じながら働ける仕事を見つけられるはずです。
また一つひとつの業務を細かく振り返ることで、エピソードを交えた具体的でオリジナリティのある自己アピールを作成できます。転職活動においてじっくり自己分析する余裕がないという人も、ぜひ活用して理想の転職をかなえましょう。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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NPO法人ブランディングポート代表理事
かつてのキャリアの成功は、経済的な豊かさや地位を得ることであり「外からの基準」で決まっていました。しかし、これからのキャリアは、自分自身が成功かどうかを決める「内からの基準」が大切になります。
つまりは、「自分にとってのキャリア・サクセスは何か」。この問いを探究するためにも自己分析は大切です。特に転職における自己分析で押さえるべきポイントは、「何をしたいか(doing)」と「どうありたいか(being)」のバランスです。
転職活動を進めるうえでは、どうしても職種や仕事内容、働き方など「自分の行動」に焦点が当たりますが、実はキャリア・サクセスは自分が大切にしている価値観や信念など「自分の在り方」に大きく影響を受けます。
自分のやりたかった仕事内容に就いたけど、どこかモヤモヤしていて、それが漠然とした不安に変わり、またすぐに転職活動を始める……といった負のスパイラルの共通点として、「どう在りたいか」が抜け落ちてしまっていることが多いです。
自分の在り方を分析するには、自らをよく知る他者に、思い切って自分の印象を聞いてみることが効果的です。特に働くうえでの価値観は、先入観で凝り固まっている可能性もあるので、自己完結せずに自己分析を進めてみてください。