業界研究のやり方に迷ったら体験談をトレース! 時間内に効率良く進めるのが重要
就活の分かれ道となる業界の絞り込みでは、特性やトレンドを知るための業界研究が欠かせません。ところが、初めての業界研究だと、何から手をつけるべきか悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
時間が限られている就活では、一つずつの作業を効率的に進めることが大切な反面、手を抜いてしまうと情報不足でうまく就職先が絞れない可能性もあります。
時間内で効果的に業界研究をするためにも、同じ課題をクリアして就職をかなえた経験者から、上手なやり方をリサーチすることが重要です。
この記事では、体験談をもとにした業界研究のやり方を解説していきます。何から進めるか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
効果的な業界研究にするために! はじめに目的を知っておこう
業界研究の進め方を知る前に、そもそも何のためにすべきか・どのように活かせるのかを知っておくと、情報を集めたあとの行動が明確になります。
やみくもに動くのではなく、行動の意味を見出すことで、業界研究が真の効果を発揮するようになるのです。「意味のある業界研究」にするためにも、まずは基本情報から知っていきましょう。
自分の特性や適性とマッチする業界を選ぶため
就活において、自分の特性や適性を活かせる業界を選ぶことは非常に重要です。
たとえば、コミュニケーション能力に長けている場合は、マーケティングや営業のような、人とのかかわりが多い業界で活躍しやすくなります。そのほか、分析力に長けている人はデータ分析やコンサルティング職が活躍する業界での就職を目指すと、キャリアアップにつながるでしょう。
日本の業界は大きく分けると8種類あり、そこからさらに細かく分類されていきます。数多くの業界の中から自分にマッチするものを選び抜くには、それぞれの特性を理解し、自己の強みとのすり合わせが必要になるのです。
深みのある志望動機や自己PRを作るため
業界研究をすれば、その業界の特徴や魅力について理解を深めることができます。理解が深まると同時に興味関心も強くなり、なぜその業界を志望するのか本心からの志望動機が生まれるでしょう。
企業が選考で志望動機を聞く理由は、自社と業界についてどれだけ理解できているかや、本当に自社に興味を持っているかを見抜くためです。業界研究の結果をもとにし、自分ならではの深みのある志望動機を伝えられると、相手に好印象を持ってもらえる可能性が高まるでしょう。
ほか、業界研究を進めていくと、環境問題・人材不足など、その業界が直面している課題についての知見も広がります。業界の課題を捉えたうえであれば、自分がどのような価値を提供できるかを考えられるようになるため、効果的な自己PRの作成ができますよ。
就活のさまざまな場面で求められるからこそ、業界研究に力を入れるべきだと言えるでしょう。
面接の質問回答の引き出しを増やすため
業界研究をおこなうと、その業界の特徴や動向・競合他社・市場規模の把握ができるようになります。業界の理解が深まれば、面接で深みのある回答ができ、予定していなかった質問も慌てず答えられる力が身に付くでしょう。
さらに、業界研究で得た情報は、面接官との会話を広げるきっかけにもなります。自分の回答をきっかけに面接官から興味を持ってもらうことで、選考で印象を残すことが可能です。
企業を絞り込むだけでなく、選考通過を目指すためにも業界研究はなくてはならない情報収集と言えるでしょう。
先輩はいつから始めた? 業界研究をスタートするベストなタイミングとは
業界研究を初めて実施しようとするときに、「そもそも、いつからスタートすれば乗り遅れないのかな?」とタイミングを悩んでしまいますよね。
結論として、開始のベストなタイミングは人それぞれです。たとえば、次の2つのような状況だと、業界研究に必要な時間は大きく異なります。
- A:すでに希望の業界が決まっていて、企業を絞りこむために業界研究をしたい
- B:業界はまだ決まっておらず、就活の準備として業界研究をする
Aであれば、その業界だけに注力できるので短時間で済みます。大学3年生の中期〜後期で始めても間に合うでしょう。一方、Bはさまざまな業界を調べる必要があるので、多くの時間を使う必要があります。大学2年生の春などの早い段階からスタートすべきことがわかりますね。
このように、いまの自分次第で始める時期が変わるので、何のために業界研究をするのかを振り返って考えてみることが大切です。もちろん、業界研究は時間があるほど余裕を持って行動できるので、早いスタートをおすすめします。
経験者が業界研究を始めた時期も参考に、スタートラインを見定めましょう。
業界研究はいつ頃からはじめましたか?
業界研究を始める頃には、就活開始の時期になっていたので、業界研究をしやすそうな業界を絞ってからやろうと思いました。
1冊で多くの情報を得られる「業界地図」は買って良かったなと思っています。全体像を把握したなかから、気になる業界や新しく知った業界を調べられるのでおすすめです。
業界研究は興味のある企業が絞られてからおこなうと良いと思います。業界から企業を絞るやり方もありますが、相当時間がかかるため効率的ではないのでおすすめしません。
私の場合は、少しでも興味のある企業は業界問わず夏のインターンに参加して、そこで面白いと思った業界について研究をおこなっていました。
業界研究をスタートする時期を考えるには、就活の全体像を把握しておくことも大切です。こちらの記事で就活の流れについて解説しているので、まだイメージがついていない人は参考にしましょう。
インターンをきっかけに業界研究をスタートするのも良いでしょう。インターンの探し方はこちらの記事で解説しているので、インターンに興味がある人は併せて参考にしてください。
チェックリスト付|業界研究のやり方を実践例をもとに解説!
業界研究の目的や始めるタイミングがわかれば、次は具体的なやり方を知っていきましょう。この記事では、業界研究のやり方をチェックリストと一緒に4つのステップで解説します。
複数の業界研究を進める場合は、業界ごとにステップ①から③を繰り返します。やり方と要点がわかれば、あとは同じ作業を進めていけば良いだけなので、まずはしっかりと基本を押さえましょう。
ステップ①研究する業界を絞り込む
まずは調べる業界をピックアップします。明確に志望する業界が決まっていない場合は、自己分析の結果から絞り込みをおこなうとスムーズです。
自己分析の結果をもとにすれば、自分の特性を活かした業界を絞り込みやすくなります。興味関心をきっかけにして、調べる業界をピックアップしていきましょう。
業界を絞り込むときのきっかけになる興味関心
- 自己分析でわかった自分の強みや特性が活かせる業界はどこだろう?
- 合同説明会で気になっていた企業は業界でどんな立ち位置なんだろう?
- 友人が今気になっている業界について私も詳しく調べてみたい
業界研究は自分の興味関心を広げるためにするので「調べたところに就職をしなくてはいけない」と考える必要はありませんよ。さまざまな情報を知って、幅広い視野で就活を進められるように業界研究に取り組みましょう。
就活生にも聞いた! 研究する業界の絞り方
業界研究をする業界は、どのように絞り込みましたか?
自分の強みや専門性を活かせる企業を志望していたので、その点で当てはまりそうな企業や業界をインターネットで調べて絞り込んでいきました。
まずインターンシップに参加して、どんな業界があるか調べたうえで自分に合いそうな業界を絞りました。
気になる職種をもとに業界を調べるようにしました。最先端技術に興味があったので、職種からその技術を扱える業界かどうかを判定するようにしました。
業界を絞り込むなかで、これから伸びる業界が気になるという人は、こちらの記事をチェックしてみてください。
自己分析したものをアウトップしたいなと思っている人はぜひ、次の記事を読んでみてください。アウトップしながら進められるマインドマップについて紹介しています。ぜひ、活用してみてください。
マインドマップでお手軽自己分析! 先輩お墨付きのアレンジも公開
ステップ②業界全体の特徴や動向を調べる
調べる業界が決まれば、さっそく業界研究をはじめましょう。今回はIT業界の研究を進める場合を具体例として、チェックリストを作成しました。
①業界が扱う商品やサービス | 下記の5つの分類がありそれぞれで販売する製品やサービスがある ・ソフトウェア(Windows、macOS) ・ハードウェア(ゲーム機、パソコン) ・インターネット(HP制作、Web広告) ・通信(ネット回線、プロバイダー) ・情報処理サービス(システム開発) |
②ビジネスモデル | ・5つの業界ごとに、toBかtoCでビジネスモデルがわかれる |
③市場規模 | ・全体的に好調な兆しが見える ・2025年には15兆を突破する見込み(矢野経済研究所) |
④最新ニュースやトレンド | ・より積極的になるDX推進 ・半導体不足で停滞していたIT投資案件の再開 ・AI、メタバース市場の普及拡大 |
⑤将来性 | ・半導体不足解消や、市場規模拡大の見込みより今後さらなる市場拡大が予想され、将来性が高いと考えられる |
⑥代表する企業 | ・ソフトウェア(日本マイクロソフト) ・ハードウェア(日立製作所) ・インターネット(アマゾンジャパン) ・通信(KDDI) ・情報処理サービス(富士通) |
⑦業界で活躍する職種 | ・エンジニア ・マーケター ・カスタマーサクセス ・デザイナー ・プログラマー ・ITコンサルタント |
⑧業界の平均年齢 | ・40歳程度とされているが企業によって大きく異なる可能性がある |
⑨関連する業界 | ・通信業界 ・インターネットサービス業界 |
その他(気になったことの自由なメモ) | ・IT人材の人材不足が課題(特にエンジニア) ・自己成長意欲が強い人が求められそう |
情報を調べたときは、見返すためにどこのサイトや書籍から知ったものかメモしておくことが大切です。特に、数字やデータは明確な根拠を示すものとなるので、必ず引用元がわかるようにしておきましょう。
情報を調べるための詳しい方法は、記事の後半で解説します。まずは何を調べるべきなのか、大枠をチェックしておいてくださいね。
ステップ③業界を代表する企業の情報を調べる
業界全体の動向が把握できれば、さらに理解を深めるために、代表的な企業を深掘りしましょう。具体例として、情報通信事業の大手企業である「富士通」のチェックリストをもとに解説します。
企業の事業内容 | ・情報通信技術を中心とした製品やサービスを提供 |
業界の中での立ち位置 | ・国内大手企業、情報通信を中心とした幅広い製品やサービスを展開 ・先端技術の活用やグローバル展開により、業界の中でも強い存在感がある |
売上動向 | ・売上高は順調に推移 ・情報通信機器やサービスの売り上げが増加傾向 |
企業の強みや特性 | ・デジタル変革の推進やIoT(モノのインターネット)分野での取り組みを強化 ・多岐にわたる事業展開が強み |
その他 | ・パソコンやスマートフォンなどの個人向け製品の売上は伸び悩んでいる傾向も見られる(格安スマホ企業の成長が影響) |
業界内の代表的な企業を知ると、業界全体がどのような事業をしているかがわかるため、自分が働いたときのイメージもしやすくなります。
深掘りするのは、平均的なデータを集めるために、その業界内で上位3つ以内に入るような企業にすることがおすすめです。または、実際に製品やサービスを利用しているなど、自分が気になる企業から調べてみるのも良いでしょう。
企業の深掘りは、複数社おこなっても問題ありません。ただし、自己分析や面接対策など、ほかの就活がおろそかにならないよう、バランスを取って進めることが大切です。
企業の調べ方はこちらの記事でより詳しく解説しています。参考にして企業・業界研究の質をさらに高めましょう。
みんなはどうやって進めたの? 先輩の業界研究のやり方をチェックしてみよう
業界研究をうまく進めるには、同じ状況を乗り越えた人のやり方から、良い部分を学んで自分のものにすることが得策です。体験談から自分の経験値を増やし、時間内に業界分析を効率よく進める最適解を見つけましょう。
実際に就活で業界分析をおこなった経験者に、当時の進め方について聞いてみました。
まずは自己分析から見えた、自分自身の強み・モチベーション・やりがいを持てる瞬間をすべて書き出します。その後、強みややりがいを活かせる業界をネットで検索しましょう。たとえば「他者の笑顔を見る瞬間が好き 業界」のようなイメージです。
そうして検索して出てきた業界から、興味を持ったものをいくつかピックアップします。興味の持った業界情報をさらにネットや記事で調べ、それぞれの業界を比較していき、深掘りした業界研究をおこなえると良いと思います。
私は業界分析をおこなうとき、気になった企業をメインに、業界研究の表を作っていました。たとえば「興味のある○○という企業は初任給がいくらだ」という情報に対して、初任給という列を作り、業界の企業ごとの情報をまとめます。
面接では、企業ごとの「看板商品・強み・企業理念」などの情報をまとめていたことで答えやすい質問が多くありました。特に「それはうちの会社じゃなくてもできるのでは?」という詰めの質問は怖くなくなりましたね。企業ごとの情報をしっかり言語化しておくことも重要だと思います。
私は自分のしたいことから逆算して業界研究をおこなっていたため、まず最初に自己分析をおこないました。次にその自己分析の結果をもとに、自分のやりたい仕事ができる職種を探し、募集されている業界でBtoCが良いのかBtoBが良いのかについて考えるようにしていました。
業界研究から始めた方が良いという意見もありますが、私にとっては自己分析→業界分析のやり方が効率的に進める最適な手順だったなと思います。
自己分析のやり方はこちらの記事で詳しく解説しています。自己分析も併せておこなうことで、より自分に合った業界を見つけましょう。
今の不安は体験談で払拭! 就活生が業界研究で後悔した話を聞いてみた
「業界研究をしたのに役に立たなかったらどうしよう……」
「自分ができるイメージが湧かない」
社会で働いた経験がない学生にとって「業界」という言葉は聞き慣れず、イメージしづらいものです。そのため、業界研究をいざしようと試みても、うまくできるか不安になってしまいますよね。
いまの不安な気持ちを払拭するためには、業界研究で気を付けるべきことへの理解が大切です。先輩たちが業界研究で後悔したエピソードを聞き、どのような点に気を付けるべきなのかを探っていきましょう。
就活を始めたときは、業界研究の本を購入し情報をノートやPCにまとめるなどしていましたが、時間をかなり浪費してしまったと思います。自分が興味を持っていない業界まで調べてしまったていたりと、情報をなんとなくノートに書き写しただけで自分の頭に入らず、使いどころのない業界研究をしてしまいました。
業界研究は自己分析をしてから興味のある分野を明確にして始めよう
今思えば、就活を始めたての頃に業界研究をしてしまったために、「自分が何をしたいのか」がわかっていなかったことが業界研究に失敗した原因だと思います。興味のない業界も見るべきと思っていましたが、それが最も良くありませんでした。
興味のない業界について調べても自分の頭に情報は入りづらく、後から興味を持つこともありませんでした。一方、少しでも気になる企業の夏のインターンに参加し、興味のある業界を絞ってから業界研究をおこなったときは、情報収集自体を楽しむことができ、面接などでも上手に活用できたと思います。
私は業界研究をとおして、特殊な業界を志望企業として選びました。しかし、業界に所属する企業の希少性が高く選択肢が少なかったことから、元の業界研究が失敗だったのではと後悔しました。
業界研究は企業選びに進んだときのことも考えて進めよう
これから業界研究をされる方は、業界研究を始める前に「自分の志望している業界にはどれくらいの企業が存在しているのか」などを事前に理解したうえで開始すると、より効率的に進められると思います。業界研究では、選択肢を狭めないことが大事です。
特性を知ってスムーズに進めよう|経験者が使った業界研究の手段とは?
業界研究で知っておくべきことがわかったものの、実際の情報の調べ方がわからない人もいるでしょう。
業界研究の方法は多数あり、特性もそれぞれ異なります。限られた時間で効率よく業界研究を進めるには、自分の知りたい情報を的確に取得できるツールや手段を選ぶことが大切です。
たとえば、業界全体のトレンドを調べようとSNSを使うと、集まる情報が限定的で、業界を俯瞰して見る方法には不向きであると考えられます。業界のトレンドや動向を知りたいのであれば、専門誌のような情報が一つに集まるツールが適切だといえるでしょう。
業界研究の目的は、集めた情報を「活用すること」です。情報収集の段階で時間をかけてしまわないように、特性を理解したうえでスムーズに作業を進めることが大切です。体験談も参考に、情報を調べるイメージをより具体的にしてみてください。
業界研究の第一歩は、「どのような業界が世の中にあるのかを知ること」だと考えていました。そのため、大学3年生の5月に業界研究をはじめたときは、業界一覧や業界地図を調べて全体像を掴みました。
また同時に、自分自身の強みや価値観、それぞれの業界のやりがいや仕事内容がマッチしているかどうかを見極めながら、興味を持った業界について深掘りして調べていきました。
業界研究では、業界の大枠を掴むというのが特に大切です。そのため、業界研究をはじめる前には、まずWebページやYouTubeなどで進め方の概要を掴むようにしていました。
業界研究の手順を掴んだ後は、その業界に属している大手企業について詳しく見ていくようにしました。業界内での企業の取り組みを把握するだけで、専門用語が理解しやすくなります。さらに、大手企業のインターンシップにも参加して、自社の情報だけでなく業界全体の特性についても知識を深めるようにしていました。
就活情報サイト・業界団体のHP
業界全体の特性やトレンドが知りたいときは、就活情報サイトや業界団体のHPをリサーチしましょう。就活情報サイトでは、書類作成や面接対策方法など、業界以外にも就活における情報が多数掲載されています。
同じ業界内の企業と個人で構成され、業界内のトップニュースやトレンド収集に役立つのが「業界団体」です。IT業界であれば「一般社団法人 日本IT団体連盟」、飲食業界であれば「一般財団法人日本フードサービス協会」など、業界によりさまざまな団体が存在します。
業界の特性をある程度理解してからであれば、業界団体からよりスムーズに情報を得られるようになるでしょう。
業界研究のときに使った就活情報サイトや業界団体のHPを教えてください。
私は、「ONE CAREER」と就活体験記に加え、YouTubeの「年収チャンネル」を見て業界研究していました。
業界研究のときには、主に「マイナビ」と「ONE CAREER」を使っていましたね。業界に関しては特に絞っていませんでした。
選考を受けるうえでの注意点と、業界の特性が記載されているのが「ONE CAREER」だっため使用していました。
新聞やニュース
最新の情報を集めたい場合は、新聞やニュースを調べるのが最適です。チェックする箇所を決め、5〜10分程度の時間で済むようにしておくだけで、習慣として取り入れられるようになります。
新聞の場合は、紙面のトップニュースと、業界の情報がまとめられているページをチェックしましょう。ほか、株情報や決算資料なども読み込んでおくと、深い業界研究ができますよ。
新聞を取っていない・テレビではなかなかニュースを見ないという人は、スマートフォンでニュースアプリや動画配信サービスを利用し、隙間時間を有効活用してみてくださいね。
書籍・雑誌
業界研究では、専門の書籍や雑誌を使った方法もあります。まとまった情報を図解を交えて解説しているものが多く、業界研究が不慣れな人もスムーズに情報収集ができるためおすすめです。
書籍や雑誌のなかには、業界全体について解説しているものと、特化して一つの業界の情報を紹介する専門誌があります。
業界の全体を紹介している「会社四季報 業界地図」や「日経業界地図」は、新聞社発行のため、情報の信憑性も高く最新の情報を手に入れられます。専門誌は商社であれば「週刊ブレーンズ」、金融業界であれば「月刊金融ジャーナル」などが良いでしょう。
業界研究のための書籍や雑誌は、多くの種類が販売されています。自分にあったものがどれかわからないときは、就活に詳しいキャリアセンターや、周囲の意見をもとにして選ぶと失敗が少なくなりますよ。
経験者たちが実際に使っていた書籍や雑誌についての話も参考にして、業界研究をスムーズに進めていきましょう。
業界研究のときに使った書籍や雑誌を教えてください。
業界を絞っていなかったときに「会社四季報」を使いました。さまざまな業界の情報が載っていたので、幅広い研究を進めるために役立ちました。
私は製薬・IT・コンサルなどの業界研究をするために、「会社四季報」を買って読んでいました。
「会社四季報」で、IT・食品を中心に業界研究をおこなうようにしていました。
説明会
就職したい業界の絞り込みがある程度できているときは、業界全体の知識を取り入れられる説明会を利用しましょう。
説明会には大きく「合同説明会」と「企業説明会」の2つがあります。
複数の会社が同じ会場内で開催する合同説明会であれば、1日に多くの企業へのリサーチが可能です。業界全体の情報収集が終わり、企業の絞り込みをしたい人にはピッタリの場所といえるでしょう。
企業説明会は、企業が単体でおこなうもので、一つの会社について情報を深く知れるところが魅力です。業界全体から特定の企業まで絞り込めていて、さらに深掘りした情報収集がしたい人はぜひ参加してみてください。
業界研究をするために、合同説明会やセミナーはどれくらいの数を利用しましたか?
数回参加しました。説明会やセミナーで聞ける内容はネット上でも知ることができる情報が多かったので、それほど参加しませんでした。
正直に言うとあまり参加していません。それよりもインターンに参加して自分に合う業界を絞りました。
何度も参加しました。セミナーは、自分にとっては企業を色々知れるチャンスでもあったので、就職サイト経由で参加するようにしていました。
OB・OG訪問
社会人の先輩であるOB・OGからの話も役立つ情報の一つです。実際にその業界で働いたからこそわかる、良い面・悪い面どちらも含めた実用的な情報を知ることができます。
インターネットや書籍の表面的な情報ではなく、入社後のギャップをなくすためのリアルな意見としてぜひ取り入れましょう。
ただし、OB・OG訪問で得られる情報は、個人の判断や主観が入っているケースもあります。そこで集まった情報が必ずしも正しいものではなく、一つの意見であると認識しておくことが大切です。
とはいえ、ほかの学生では手に入れられない貴重な情報が手に入るのは、OB・OG訪問ならではの魅力です。調べればわかることではなく、実際に働いている人にしか聞けない業界の情報を集めてみてください。
OB・OG訪問をするメリットや当日の流れなどを詳しく知りたい人は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
キャリアセンター
対面で誰かにアドバイスを受けながら業界研究を進めたい人は、キャリアセンターを利用してみましょう。業界の情報を集められるだけでなく、就活に関する悩み相談を気軽にできるのが魅力です。
ただし、キャリアセンターもすべての業界へ精通しているわけではないので、あくまで基本情報を知る手段と捉えておくことをおすすめします。キャリアセンターで得た情報をもとに、自分でもさらに業界研究を進めてみてくださいね。
時期によってはキャリアセンターが混雑する場合もあるので、事前に予約を取るなど、効率良く進めることも忘れないようにしましょう。
業界研究の質をグレードアップ! 効果的に進める5つのポイント
やみくもに業界研究を始めてしまうと、時間をかけたのにもかかわらず、役立つ情報が手に入らないケースがあります。
ここでは、就活をスムーズに進めていくためにも、業界研究を効果的にするポイントを5つに分けて解説します。質の良い業界研究をおこない、周囲と差のつく就活にしましょう。
内定者直伝! 業界研究をスムーズに進めるコツ
私は、クラウド上に情報を保存し、いつどの場所でも確認できるように管理していました。手書きにしてしまうと、情報を更新する際に見づらいと思ったからです。
人によっては、手書きのほうがやる気になるという方もいると思いますが、特にこだわりがなければ、業界研究はデジタルで管理をおこなうと良いと思います。
業界研究をスムーズに進めるためにも、興味がないと思った業界については、その時点では深く調べないようにしていました。
最初に業界全体のことを知るため業界地図や業界一覧を調べてから、それぞれの業界の特徴をノートにまとめました。まとめた時点で、自分のなかで「この業界は面白そう」「この業界はつまらなさそう」と感じることがあったので、興味関心が強くなった業界のみ調べていきました。
ポイント①業界研究ノートを作りながら進める
業界研究ノートとは、集めた情報を見やすく1つに取りまとめたものです。いつでも見返せるだけでなく、就活が進むにつれて新たな情報を追記しやすいのが魅力です。
業界研究ノートを作るときのポイント
- メモではなく情報を整理するためのものと理解する
- 業界ごとの比較をするため、同じ形式でまとめるようにする
- 自分の所感と事実は分けて記入する
整理しながら書ける方眼紙や、情報を自由に追加できるルーズリーフなど、自分に合うものを見つけてみましょう。業界研究ノートを業界ごとに複数作る場合は、ある程度書き方を統一しておくと、見返したときに情報が整理しやすくなるのでおすすめです。
ポイント②大きな情報から小さな情報に狭めながら進める
質の高い業界研究をするときは、大きい情報から小さい情報へ狭めていくことが大切です。気になる業界のトレンドをいきなり調べたとしても、その業界の専門用語や事業内容がわからないと、なかなか理解が進みません。
そのような場合は、「気になる業界がどんな事業をしているのか」「ビジネスモデルはどうなっているのか」など、大きい情報から知っていくことで、理解のスピードが早くなります。
業界の情報を集める順番
- 業界が扱う商品やサービス
- ビジネスモデル
- 市場規模
- 最新ニュースやトレンド
- 将来性
- 代表する企業
- 業界で活躍する職種
- 業界の平均年齢
- 関連する業界
この記事で紹介したチェックリストの項目を上から順に調べていくと、自然と大きなものから小さな情報を調べていけるようになっています。
自分で新しい項目を増やすときでも、順番を決める指標として活用が可能です。ぜひチェックリストを基本にして情報を集めてみてくださいね。
ポイント③調べた情報をアピールに組み込めないか意識する
業界研究で得た情報は、志望動機や自己PRにも応用できるのが特徴です。業界研究をするときは「この内容は志望動機に使えそう」「求める人物像が自分の強みとマッチしているかも」と、実際に使うシーンを想像しながら情報を集めると効果的です。
限られた時間のなかで効果を得るためにも、事前に自分の志望動機・自己PRを確認してから業界研究を始めていきましょう。
志望動機がどのような文章になるのかを知っておくと、業界研究も手が付きやすくなります。参考例を次の記事で紹介しているので、作業を始める前にぜひチェックしてみてください。
業界研究の内容はどう活かしたら良い?
業界研究の内容は具体的に就活へどのように活かしましたか?
業界研究の内容は、志望動機に活かしました。業界内の企業同士を比較して、そこで見つかった企業ならではの特徴を志望動機に記載していました。
業界研究の内容を志望動機に反映するようにしていました。すべてを反映することができなくても、深堀り質問をされたときに役に立ったので良かったと思います。
ポイント④業界研究終了のゴールを設定する
業界研究はやればやるほど、どんどん新しい情報を手に入れられます。とはいえ、際限なく広範囲の情報を集めすぎると、どれを就活に活かせば良いのか迷ってしまうことも。
業界研究を開始する前には、情報迷子にならないために「この情報が集まればクリア」という、一定の情報が集められる基準を決めておきましょう。
基準を見つけられない場合は、以下のチェックリストの内容を最低限調べることを目標にしてみてください。
業界の情報を調べるチェックリスト
- 業界が扱う商品やサービス
- ビジネスモデル
- 市場規模
- 最新ニュースやトレンド
- 将来性
- 代表する企業
- 業界で活躍する職種
- 業界の平均年齢
- 関連する業界
あらかじめ調べる項目が決まっていれば、何から手を付けて良いか悩む時間もカットできるので一石二鳥です。経験者が何をゴールにしていたのかもお手本にしてみてくださいね。
みんなの業界研究のゴールって何だった?
業界研究のゴールはどのように決めていましたか?
「自分が納得する企業に出会うこと」がゴールでした。業界研究のゴールというよりかは、希望の企業が見つかるまでをゴールとしていた形です。
業界研究のゴールは、気になった企業を見つけることです。同じ業界内の企業と比較して、やっと完了というように設定していました。
ポイント⑤業界研究に使う時間を決めておく
業界研究は際限がないと紹介したように、時間を決めずにやると、いつまでも情報を調べてしまいます。
余裕のある大学1〜2年生前半であれば、理解を深めるために多くの時間を費やしても問題はありません。しかし、ほかの就活と並行しなくてはいけない大学2〜3年生は、業界研究を使う時間のバランスを考える必要があるでしょう。
業界研究に使う時間を厳密に守る必要はありませんが、就活を滞りなく進めるには、ある程度の目安が必要です。時間をかけすぎてほかの準備に手が回らなくならないためにも、スケジュールはしっかり立てておきましょう。
とはいえ、はじめてだと平均的な時間がわかりづらいのではないでしょうか。そのような場合は、周囲から情報を集めるほか、先輩たちの体験談を参考にしてみてくださいね。
先輩教えて! 業界研究にどれくらいの時間を使った?
業界研究にかけた時間はどれくらいですか?
業界研究にかけた期間は夏のインターンの2カ月間です。色々な業界のインターンに参加して向き不向きを調べました。
業界研究にかけた時間は、一つの業界につき2週間程度でした。インターンシップへ参加したり、ネット上で業界研究を進めるなどして業界を絞っていきました。
1つの業界につき1カ月程度にし、業界の取り組みや最新動向などを理解していきました。
業界研究はやり方次第で情報の質が大きく変わる! 目的を定めて広い視野で進めよう
業界研究の基本的なやり方と効果的な進め方について紹介しました。業界研究はこれからの就活の方向性を決める重要な作業です。その一方で、限られた時間で進めるスピードも求められています。
業界研究を効率良く・効果的に進めるには、集めた情報をどのように活用するかイメージをしながら、経験者から学んだ良い部分を取り入れて進めていくことが大切です。
業界研究ノートや時間管理も意識しながら、活用できる情報が集められる「意味のある」業界研究ができるように進めてくださいね。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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大学3年生の5月頃からサマーインターンシップの選考情報が出たので、気になる企業の属している業界を知るため、業界研究を始めましたね。
就活では、まず自分のことを知らないといけないと考え、はじめに自己分析をおこないました。その後、一通り自己分析ができたと感じてから業界研究を始めたという流れです。