他己分析で説得力アップ! 客観的な視点を取り入れて選考で差をつけよう
就活の面接やエントリーシート(ES)で、自分の強みや魅力を効果的にアピールできていますか。
自己分析は就活の基本ですが、自分だけでおこなう自己分析には限界があります。そこで重要になるのが他己分析です。他己分析は、周囲の人からの意見を通して、自分自身を客観的に見つめ直すプロセスのことを指します。
他己分析を活用することで、自己PRや面接での回答に説得力が生まれ、選考を有利に進められます。今回は、他己分析の効果や具体的な進め方、質問例などを詳しく解説します。
内定者に聞いた他己分析の方法や、自己PRや志望動機などへの活かし方も参考にしながら選考突破を目指しましょう。
就活生の5大不安を解決!オススメのツール5選
① 周りの皆がどれくらい就活準備をしているのか気になる…
→「就活力診断テスト」がオススメ
自分のレベルを知ると周りとの差が見えてくる!
② どの業界が自分に合っているかわからない…
→「適職診断」がオススメ
30秒で避けるべき仕事がわかる!
③ ほかの学生に勝てる自己PRが見つからない…
→「自己PR作成ツール」がオススメ
4つの質問であなたの自己PRをより魅力的に!
④ 面接で上手く答えられるか不安…
→「面接力診断テスト」がオススメ
模擬面接で苦手に徹底対処!
⑤ WEBテストで合格点が取れそうにない…
→「WEBテスト対策問題集」がオススメ
玉手箱・SPI-WEBの頻出問題を網羅!
他己分析とは? 自己分析との違いも解説
他己分析とは、自分自身をより深く理解するために、他者からの意見や評価を積極的に取り入れる手法です。自分では気付かない長所や魅力、改善点を知れるため、企業が求める人物像とのマッチ度を客観的に把握するのに役立ちます。また、他者からのフィードバックを通して自己理解を深めることで、自信を持って面接に臨み、内定獲得に近づけるでしょう。
一方、自己分析は自分自身の内面や経験を振り返り、自分自身で強みや弱みを分析するプロセスを指します。自己分析は主観的な視点になりがちです。他己分析による客観的な視点を取り入れることで、自分では気付かなかった新たな側面を発見したり、自己認識とのギャップを埋めることができますよ。
以下の記事では、自己分析の進め方について詳しく解説しています。他己分析をする前に一度目を通してみてくださいね。
ぶっちゃけ他己分析は必要? 内定者が考える重要性と目的
就活中は説明会や面接、ESの作成など、やることが山積みです。そんな中、「他己分析なんてしてる時間あるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に内定を獲得した先輩たちにズバリ質問してみました。
「ぶっちゃけ、他己分析って必要?」
その答えと、先輩たちが感じた他己分析の重要性を見てみましょう。
私は、就活において他己分析は必要不可欠だと考えています。その理由は2つあります。
まず1つ目に、面接の中で直接的に客観的な自分について聞かれるからです。私が受けたほとんどの企業の面接の中で「周りの人からなんと言われるか」という質問がされました。それをきちんと言語化して伝えるためにも、他己分析は必要不可欠だと思います。
他己分析で新たな自分を発見
2つ目に、自己理解につながるからです。自己分析だけではどうしても偏った側面から自分を見つめ直すことになりがちで、自分への理解に限界があると思います。他己分析をすることで、周りから見た自分と自分から見た自分のギャップを確認したり、自分では気付くことのできなかった自分自身の強みや弱みを知ることができたりして、自分に対する理解の幅が広がると思います。
私自身も、他己分析の中で自分では弱みだと思っていたことが周りから見れば強みだったということもあり、新たな発見がありました。
私は、就活において他己分析は必須だと考えています。その理由は、面接の際に「他人から自分のことをどう思われることが多いか」を聞かれることがよくあったからです。その際、事前に他人からの印象を聞いておくことで、正直に答えることができ、スムーズに話すことができました。
私は最終面接の際に、「他人から見た自分の印象はどんなものか、またその印象は自分の思う通りだったか」という、他者からの視点と自分の視点を組み合わせた質問をされたことがあります。その際、私は自分の中で思う私とは乖離があることを知りました。
他己分析で見つける! 意外な一面
他己分析は、自己分析とは違い、自分では気付かなかった自分の一面に気付くことができます。また、第三者からの印象を聞いてくる企業は、「他人とどれくらい交流があるか」なども気にしている可能性があると考えていました。そのため、他己分析をしていないと答えると、「自分のことを素直に話せる友人や知人はいないのかな」と、マイナスなイメージを持たれかねないと思い、他己分析をおこなっていました。
このように、内定者は他己分析を単なる自己分析の補足としてではなく、内定獲得のための戦略的なツールとして活用していることがわかりました。「ぶっちゃけ必要?」と迷っている人は、ぜひ積極的に他己分析を取り入れてみてください。
また、体験談から「周りの人からどう思われているか」という質問が高頻度でされるということもわかりました。以下の記事では「周りからどう思われているか」を聞かれた時の答え方について解説しています。ぜひあわせて確認してみてくださいね。
内定者が語る!他己分析で得られた気付きと成功体験
内定を獲得した先輩たちは、他己分析を通じてどのような気付きを得て、それがどのように就活の成功につながったのでしょうか。具体的なエピソードを通して、他己分析の価値を再確認してみましょう。
自己分析だけでは気付かなかった私の魅力は、責任感です。私自身、グループワークや部活動など、さまざまな場面で「最後までやり遂げる」という意識を持って行動していました。それは、自分が負けず嫌いだからだと思っていましたが、周りの人からは責任感があったからだと言っていただきました。
たとえば、休んでいる人がいたら、その日の記録を必ず送信していたことや、その穴をカバーするために必死に行動していたことが、責任感の表れだったようです。
他己分析を通して、私は「一途に物事を突き詰めることができる」という新たな長所に気付けました。
自己分析では、「責任感を持って行動する」という点が自分の強みだと認識していました。しかし、他己分析を通して、周りの人から「物事を突き詰めるところまでできることが強みだ」と言われて、自分の強みへの理解がさらに深まったように思います。
また、私が感じていた責任感の強さについても、周りの人から同様の意見をいただきました。自分自身で認識している強みと、他人から見た私の姿にギャップがないということは、客観的に自分を見つめられていると実感でき、自信につながりましたね。
私は、他己分析をおこなうことで、自己分析では気付けなかった長所に気付くことができました。
もともと、自分は真面目で責任感が強いところが長所だと考えていましたが、友人から「好奇心が強く、それに伴って行動力も高い」と褒められたことで、新たな視点を得られたと思います。
私にとっては当たり前の行動だったので、好奇心の強さや行動力をアピールポイントとして意識したことはありませんでした。しかし、友人からの言葉で、自分の強みを再認識することができ、自信を持ってアピールできるようになりました。
結果として、面接での話のレパートリーも増え、自己PRをより効果的におこなえるようになったので、友人からの言葉をもらって良かったと思います。
これらのエピソードからもわかるように、他己分析は自己理解を深める貴重な機会となります。ぜひ、積極的に他己分析を活用し、就活を成功に導いてくださいね。
就活で他己分析をする5つのメリット
自己分析だけでは見えてこない、あなたの魅力や可能性を引き出す鍵が「他己分析」にあります。
ここでは、就活において他己分析をおこなう5つのメリットを紹介します。
①客観的な視点から自分を見つめ直せる
自分自身で評価をする自己分析は、どうしても主観的な視点に偏りがちです。自分の良い面ばかりを見てしまったり、逆に悪い面ばかりに目が行ってしまったりするかもしれません。
一方、他己分析では友人や家族、先輩やアルバイト先の同僚など、さまざまな立場の人から見た自分を客観的に把握できます。自分では気付かなかった意外な一面や、評価されている点、改善点などを知れば、自己認識とのギャップに気付き、より多角的に自分自身を見つめ直せます。
②自分の強みを再確認できる
自分では些細なことだと思っていた行動や能力が、実は周囲から高く評価されている場合があります。他己分析はそんな隠れた魅力を発見する絶好の機会となります。
自分での認識=当たり前に思っていたこと | 周囲からの評価 |
---|---|
いつも笑顔でいる | 明るい雰囲気を作ってくれる、 一緒にいると元気になれる |
相手の話を丁寧に聞く | コミュニケーション能力が高い |
時間を守ることや約束を守る | 信頼できる |
このように、自分にとっては当たり前なことでも、周囲からは「素晴らしい長所」として評価されている可能性があります。他己分析を通して、自分では気付かなかった強みや、過小評価していた能力を再確認できれば、大きな自信につながるでしょう。
③弱点を改善するヒントを得られる
他己分析をすると自分では気付きにくい短所や改善点も浮き彫りになります。たとえば、無意識の口癖や表情、態度などが周囲にどのような印象を与えているのかを客観的に知れるでしょう。自分では気付かない点が面接での評価を左右する場合もあるため、他己分析は大切です。
「早口でまくし立てて話すので、聞き取りづらい」「自信なさげに見える」といった弱点は、面接での評価を大きく左右するでしょう。ここで、「ゆっくり話すことを意識する」「姿勢を正す」など具体的なアドバイスをもらえれば、意識的に改善に取り組めます。
このように客観的な視点を取り入れれば、自身の短所を認識し、改善への一歩を踏み出せますよ。
④自己PRや面接でのアピールポイントを見つけられる
他己分析は自己PRや面接で、何をアピールすべきか迷っている人の道しるべとなるでしょう。周囲からの評価を通して、強みや魅力が客観的に見えてくるからです。
繰り返しにはなりますが、自分では当たり前だと思っていた行動や能力が、実は周囲から高く評価されているかもしれません。他己分析を通して、具体的なエピソードと共に自分の強みを再発見できれば、面接で自信を持ってアピールできるようになるでしょう。
以下の記事では、効果的な自己PRの作成方法や魅力的な書き出し方について詳しく解説しています。他己分析でアピールポイントを見つけたあとは、こちらの記事を参考にしながら自己PRを作成してみてください。
⑤自信を持って就活に臨める
他己分析は、単に自分の強みと弱みを知るだけでなく、他者からのポジティブなフィードバックで自己肯定感が高まるメリットもあります。
客観的な評価によって自信が増し、堂々と自己PRできるようになるでしょう。その自信は、面接での緊張を和らげ、あなたらしさを最大限に表現する助けとなります。
また自信に満ちた態度は、面接官に好印象をもたらします。堂々とした振る舞いや、はきはきとした受け答えは、あなたの能力や熱意をより効果的にアピールすることにつながるでしょう。
内定者がズバリ回答! 他己分析に関するギモンQ&A
「他己分析っていつから始めたら良いの?」「どんな質問をすれば良いの?」など、いざ他己分析を始めようとしても、わからないことが多いとなかなか一歩を踏み出せないですよね。
ここでは、就活を経験した先輩たちに他己分析に関する気になる疑問を聞いてみました。
他己分析はいつからはじめるのがベスト?
他己分析は自己分析をしたあと、ある程度自分を理解したうえではじめるのがおすすめです。自己分析の前にはじめてしまうと、質問内容が定まらず、的確なフィードバックを得られない可能性があります。就活をはじめた直後におこなうのが一般的です。
一方で直前に慌てておこなうと、十分な時間をかけて振り返ったり、改善点を分析できなったりするため、余裕を持って取り組みましょう。
他己分析はいつから始めましたか?
他己分析を始めたのは、大学3年生の11月頃です。就職活動が本格化する時期を控え、キャリアセンターの人からアドバイスをいただいたことがきっかけでした。 実際に他己分析に取り組み始めたのは11月頃で、12月初旬には完了しました。
他己分析は、自己分析が一通り終わった後、本選考に入る前の大学3年生の秋冬頃に始めました。具体的には、11月頃から取り組み始め、2月頃には完了させるというスケジュールだったと思います。 就職活動が本格化する前に、自分自身の強みや弱みをしっかりと理解しておきたいと思い、このタイミングで他己分析をおこないました。
他己分析を始めたのは、大学3年生の5月頃です。早く内定を得たいという思いから、早めに就職活動を進めており、夏前には他己分析に取り組んでいました。 そして、夏休み中には他己分析を完了させ、秋からの選考に備え、夏休みの間に自己分析と他己分析をまとめて、自分自身の強みや弱みをしっかりと把握できたと思います。
他己分析のために何人くらいに質問した?
質問する人数は、多ければ多いほど良いというわけではありません。質問する人数が多いとかえって分析が大変になるため、5~10人程度に聞くのがおすすめです。信頼でき本音で答えてくれる人を選びましょう。
また、自分と異なる視点を持つ人に意見を求めるのも大切です。
他己分析をおこなう際、どのような関係の人に、何人くらい協力してもらいましたか?
大学、高校、中学校などのそれぞれの時期からの友人やバイト先の人、先生などさまざまなコミュニティの人からの話を聞くようにしていました。結局のところ、10人ほどに聞いていたと思います。
家族と昔からの友人2人、最近になってできた友人10人程度で計20人前後に協力してもらいました。
学生時代の友人やバイト先の上司、あわせて10人くらいにお願いしていました。
頼れる人がいない……そんなときはどうしたらいい?
最近では、オンラインで気軽に相談できるサービスも増えています。また、SNSなどでつながりのある先輩やOB・OGに相談してみるのもおすすめです。積極的に周りの力を借りれば、視野が広がり新たな可能性が見えてくるかもしれませんよ。
他己分析に協力してくれる人がいないとき、どう対処しましたか?
他己分析をおこなう際に、協力してくれる人が見つからない場合は、親族に頼るようにしていました。それでも協力してくれる人が見つからない場合は、自分自身をできるだけ客観的に見て、分析するようにしていましたね。
友人などで他己分析に協力してくれる人が身近に見つからないときは、家族にお願いして、自分自身を客観的に分析してもらいました。
家族に頼りました。家族は、私が幼い頃からの性格を知っている唯一の存在であり、自分では気付かなかった強みや弱みを客観的に分析してもらううえで、非常に貴重な存在だと考えていたからです。
他己分析の基本的な進め方
「他己分析って、実際どうやって進めればいいの?」
そんな疑問に答えるため、内定を獲得した先輩たちに、具体的な進め方を聞いてみました。自己分析とは一味違う、客観的な視点を取り入れるためのステップを、一緒に見ていきましょう。
ステップ①相談相手を考える
まずは誰に相談するのかを考えましょう。相談相手によって、得られるフィードバックの内容や視点が異なるため、誰に相談するかは非常に重要です。
たとえば、親しい友人や家族は、あなたの性格や行動を深く理解しているため、具体的なエピソードを交えた率直な意見を期待できます。一方、アルバイト先の同僚や先輩は、社会人としてのあなたの評価や仕事への取り組み方を教えてくれるでしょう。
相談相手を選ぶ際のポイントは、長所や短所、過去の経験などをよく知っている人を選ぶことです。あなたをよく知っている人は、具体的なエピソードや経験を踏まえて、強みや弱みを的確に指摘してくれます。また、建前ではなく、本音で意見を言ってくれる人を選ぶのもポイントです。あなたにとって耳が痛いことでも正直に伝えてくれる人からは、自分では気付かなかった新たな側面を発見できる可能性があります。
友人、家族、先輩、先生など、さまざまな立場の人から意見をもらうことで、多角的な視点から自分自身を見つめ直せますよ。
ステップ②質問内容を決める
相談相手が決まったら、次に質問する内容を決めましょう。どんな質問をするかによって、得られる気付きの深さや、自己理解の精度が大きく変わってきます。
たとえば漠然とした質問では、相手も答えにくいだけでなく、得られる回答も抽象的になりがちです。具体的な質問を用意すれば、有益なフィードバックを得られますよ。
他己分析の質問例
- 私の長所と短所は何だと思いますか?
- 私の性格を一言で表すと何ですか?
- 私の第一印象と、実際に接してみてからの印象は変わりましたか?
- 私の印象に残っているエピソードはありますか?
- 私の行動や発言で、改善した方が良いと思う点はありますか?
- 私を一言で表すとしたら、どんな言葉が思い浮かびますか?
- 私を他人に紹介するとしたら、どのように紹介しますか?
- 私の強みや経験を活かせる仕事は何だと思いますか?
質問内容は、「はい」か「いいえ」で回答するのではなく、相手に自由に意見を述べてもらえるような質問を用意しましょう。自由回答形式の質問は、新たな気付きや発見を得られる可能性があります。自分では気付かなかった強みや改善点、あるいは自分に対する周囲の認識について、新しい発見があるかもしれません。
また、あまりにも多くの質問をすると、相手が負担に感じてしまう可能性があります。10問程度に絞り込むのも必要な配慮です。
ステップ③相談する
相談相手が決まり質問内容も準備できたら、実際に相談してみましょう。相談する際は、最初に「就職活動を通して自分を深く理解したいので、率直な意見を聞かせてほしい」と、他己分析の目的を伝えるのがポイントです。熱意が伝わり、相手も真剣に協力してくれるでしょう。
また、相談相手への配慮も大切です。相手の都合の良い時間帯を選び、長時間の相談にならないように気を付けてください。相手が答えにくい質問や、答えたくない質問は無理強いしない方が良いでしょう。さらに、スムーズに回答を集めるために、回答期限として日時を事前に設定しておくことをおすすめします。
最後に、貴重な時間を割いて回答してくれたことへの感謝の気持ちも忘れずに伝えましょう。
ステップ④回答を整理して分析する
質問への回答が集まったら、いよいよ分析開始です。まずはすべての回答をじっくりと読み込み、ノートやパソコンなどに書き出して客観的に見てみましょう。その中で、特に印象に残った言葉や何度も出てくるキーワードをピックアップしてみてください。
次に、複数の人から同じような意見が出ている場合は、それはあなたの特徴と考えて良いでしょう。一方で、意見が分かれる部分があれば、なぜそのような違いが生じたのか、じっくりと考えてみましょう。抽象的な意見だけでなく、具体的なエピソードにも注目することで、あなたの行動や能力、そして人となりなどが鮮明に浮かび上がってきます。
また、厳しい意見やネガティブなフィードバックに直面するかもしれません。しかし、感情的にならずに、冷静に受け止め、今後の改善点として捉えるのが大切です。
分析をスムーズに進めるためには、マインドマップや表を作成したり、他己分析専用のオンラインツールを活用するのもおすすめです。これらのツールは、回答を整理し、関連性を見つけたり比較分析したりするのにおすすめですよ。
ステップ⑤自己分析と照らし合わせる
他己分析の結果が出たら、いよいよ自己分析と照らし合わせる段階です。このステップでは、自分自身の認識と他者からの評価を比較することで、新たな気付きや発見が得られるでしょう。
自己認識と一致している場合は、正確に自己分析できている証拠だといえます。自分を正しく理解できている証となるため、自信を持って就職活動を進めてくださいね。
一方で、自己分析と他己分析の結果に違いがある場合は、なぜそのようなギャップが生じたのかを深く掘り下げてみましょう。もしかすると、強みを過小評価したり、逆に弱みを過大評価しているかもしれません。
これらのギャップを分析すれば、自分自身をより深く理解し、今後の成長につなげられます。自己分析と他己分析は、どちらか一方ではなく、両方を組み合わせることで効果的に自己理解を深められるでしょう。
ステップ⑥選考での回答に活かす
いよいよ最終ステップです。他己分析で得られた気付きを、自己PRや面接での回答に活かしましょう。たとえば、他己分析で自分の強みが見つかった場合、以下のように選考に活かせると良いですね。
得られた強みを選考で活かすポイント
- 他己分析で確認できた強みを、具体的なエピソードと共にアピールしましょう。他者からの評価によって裏付けられた強みは、説得力が増し、面接官の印象にも残りやすくなります。
得られた強みを企業とマッチングさせるポイント
- 企業が求める人物像と、他己分析で得られたあなたの強みを結びつけてアピールしましょう。企業のニーズとあなたの能力が合致していることを示すことで、入社意欲を効果的に伝えられます。
また、他己分析で得られた具体的なエピソードは積極的に活用しましょう。自己分析の結果と組み合わせれば、 あなたの人物像をより具体的に伝え、説得力のある自己PRや面接での回答を作成できます。
では、実際に内定を獲得した先輩たちは、他己分析で得られた結果をどのように選考での回答に活かしたのでしょうか。具体的なエピソードや工夫した点、効果などを聞いてみました。
他己分析で得られた結果は、自己PRや長所・短所の説明に反映させました。
たとえば、「周りの人に自分の強みを聞いたところ、十中八九で責任感と言われるほど、最後まで責任を持ってタスクに向き合うのが私の強みです」のように、具体的なエピソードを交えながら説明し、自己PRの内容に厚みを持たせるようにする形です。他己分析メインではなく、自己分析した結果を裏付ける根拠として、他己分析の結果を応用するよう工夫しました。
このように、自己分析と他己分析を組み合わせることで、より客観的な視点から自分自身を理解し、説得力のある自己PRを作成することができたと思っています。実際、面接官からは「客観的に分析されており、あなたの努力が伝わってきます」と褒めていただくこともありました。
他己分析で得られた結果は、選考のさまざまな場面で活用しました。具体的には、自己PRや強み・弱みの説明、そして周りの人からどう言われるかという質問への回答などに反映させました。
特に、「自分自身についてどのような性格だと思うか、また、周りの人からなんと言われるか」という質問に対しては、他己分析と自己分析の結果を組み合わせることで、効果的に答えられたと思います。
たとえば、他己分析で得られた「何事も最後までやり遂げる」という意見と、自己分析で見つけた「不器用だからこそ、何事も人一倍努力してやり遂げる」という特徴を組み合わせて、客観的な視点と主観的な視点の両方から、自分自身を説明できました。
他己分析で得られた結果を、自分の長所の一つとしてアピールするようにしました。
私は、自己PRを伝える際に、自分がどれくらい趣味が上達しているのかを客観的に知りたいと思ったことがきっかけで、SNSの運用を始めた経験を話していました。
SNS運用は自分にとって楽しみながら始めたことであり、自己PRできるほどの経験ではないと思っていたのですが、他己分析により「好奇心旺盛」という自分の強みがわかったため自信につながり、面接などでも話せるネタにできたことが収穫だったと思います。
誰に相談する? おすすめの他己分析を聞く相手
他己分析の効果を最大限に引き出すためには、誰に相談するかが重要です。相談相手によって得られる視点やフィードバックが異なるため、あなたの状況に合わせて最適な相手を選びましょう。
家族・友人に聞く
最も身近な存在である家族や友人は、あなたの長所や短所、性格、価値観などをよく理解しています。彼らは、あなたの性格や価値観も把握しています。普段の振る舞い方や、どのようなことに喜びや悲しみを感じるかなど具体的なエピソードを交え、率直に答えてくれるでしょう。また、隠れた才能や魅力、改善点なども親身にアドバイスしてくれるはずです。
家族や友人に対して、具体的な質問をすれば良いのかについては後ほど紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
OB・OG訪問をする
OB・OG訪問は、社会人としての視点からあなたを評価してもらう貴重な機会です。志望する業界や企業で働く先輩社員に、強みや弱み、企業とのマッチ度などを率直に聞いてみましょう。
具体的なアドバイスや業界の情報を教えてもらえるだけでなく、面接官の視点から見た印象や、企業が求める人物像など具体的なイメージを持てます。
無料ツール・アプリを使う
近年では、他己分析をサポートする無料のツールやアプリも充実しています。オンライン上でアンケートを作成し、友人や知人に回答してもらうことで、手軽に多くの意見を集めることができます。
時間や場所に縛られずに、気軽に他己分析に取り組める点が魅力です。
他己分析 ツール・アプリの例 |
特徴 |
---|---|
マイナビ 「お願い!他己分析」 |
LINEやメールでつながっている友人に、 自身の長所や短所などを質問できるツール。 回答結果を基に、性格傾向を診断してくれる |
ポテクト 「ジョハリの窓Webアプリ」 |
ジョハリの窓と呼ばれる心理学のフレームワークを用いて、 自分自身と他者からの見え方を比較分析できる。 自己理解を深めるだけでなく、コミュニケーション改善にも活かせる |
Google Forms | アンケートフォームを作成し、 答えたもらいたい人に送ることで回答を集められる。 選択回答や自由記述回答などが設定でき、 画像なども添付することができる |
就活生パネリストに聞く! 他己分析をどんな人にお願いしようと思った?
誰に他己分析をしてもらいましたか? また、その人に他己分析をお願いしようと思った理由も教えてください!
他己分析は周りの友人や親族、キャリアセンターの人、そしてアルバイト先の同僚にお願いしました。 それぞれと過ごす時間や状況、関係性が異なるため、違った視点からの意見を得られると思ったからです。 その結果、友人からは普段の私の性格や行動について、親族からは幼い頃からの成長や変化について、キャリアセンターの人からは就活生としての強みや課題について、アルバイト先の同僚からは仕事に対する姿勢や能力について、それぞれ貴重な意見をいただけました。
他己分析は、小さい頃からの友人2人と家族、いとこ、親しい友人に依頼しました。自分ではわからない強みや弱みを、さまざまな視点から知りたいと思ったからです。 特に、幼い頃からの友人は、私の成長過程や性格の変化をよく理解しているため、客観的な意見を聞くうえで非常に頼りになる存在でした。
家族にお願いしました。家族は、幼少期から私を知っていて、長い年月を通して変わらない私の性格を一番よく理解している存在だからです。
他己分析は相手によって質問を変えよう! おすすめの質問例20選
他己分析で聞く質問は、相手との関係性によって変えるべきです。友人や家族、アルバイト先の先輩や、ゼミの教授など、相手によってかかわり方や知っている情報が異なるからです。そのため、それぞれに合った質問をして具体的なフィードバックを得ましょう。
ここでは、他己分析を依頼する相手別に質問例を紹介します。また、就活生パネリストにも他己分析をする際にどんな質問をしたかを聞いてみたので、ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。
他己分析する際、どんな質問をしましたか?
相手に「幼い頃から今までで、私の性格で変わらない部分は何だと思いますか?」と質問していました。 さらに、「幼い頃と比べて、変わった部分はどんなところだと思いますか?」と尋ね、自分自身の性格を多角的に理解しようと努めていましたね。
他己分析では、「私の強みと弱みは何だと思いますか?」「私が周囲から頼りになると思われるのは、どんなときですか?」といった質問をしていました。
友人に対して、率直に「私の良いところって何だと思う?」と質問するようにしていました。 加えて、「私ってどんなところが面白いと思う?」「意外な一面やギャップを感じるところはある?」といった質問も投げかけていました。
他己分析をおこなう際には、おもに自分の強みと弱みは何か、そして具体的にどのようなときにそう感じたのかについて質問していました。
家族・友人に聞きたい質問
家族や友人は、あなたのプライベートな側面をよく知っています。そのため、性格や価値観、普段の行動などについて、具体的なエピソードを交えながら質問してみましょう。
一番近くで見てきた彼らからの意見は、自分では気付けていない強みや魅力、そして改善点を再発見するチャンスとなるはずです。
家族や友人に他己分析を依頼するときの質問例
- 私の長所と短所は何だと思いますか? 具体的なエピソードも教えてください。
- あなたから見て、私はどんな人に見えますか?
- 私が過去に頑張ったことや達成したことの中で、特に印象に残っていることは何ですか?
- 私は将来どんな仕事に向いていると思いますか?
- 私と一緒にいて、楽しいと感じるのはどんなときですか?
- 私の第一印象はどうでしたか? また、その後の印象は変わりましたか?
OB・OG訪問で聞きたい質問
OB・OG訪問では、社会人としての視点から具体的なアドバイスや業界情報を知ることができます。友人や家族などのような間柄ではないので、評価するのは少し難しいかもしれません。しかし、第一印象やポテンシャルなど、面接官に近い視点から率直な意見を聞けるでしょう。
OB・OG訪問で他己分析を依頼するときの質問例
- 本日の私に対する第一印象はいかがでしたか?
- 私のような学生が活躍できたり、強みを活かせる職種があれば教えてください
- 選考の中で特にアピールすべきポイントはどこだと思いますか?
- 私の言動やマナーなどで気になる点や改善点はありますか?
先輩や後輩に聞きたい質問
先輩や後輩は、親しい友人とはまた違い、上下関係や役割分担の中であなたを知っています。そのため、責任感や協調性、リーダーシップなど、社会人として必要なスキルについて、具体的なフィードバックが期待できます。
先輩であれば、あなたの成長過程や過去の経験を踏まえたアドバイスをもらえるでしょう。一方、後輩であれば、あなたが周囲に与えている影響や、リーダーシップのあり方について、新鮮な視点からの意見が得られるかもしれません。
先輩や後輩に他己分析を依頼するときの質問例
- 私の普段の行動や言動で、特に印象に残っていることは何ですか?
- チームで活動する際、私の役割や貢献度はどうでしたか?
- 私がリーダーシップを発揮した場面はありますか?
- 私が改善すべき点や、もっと伸ばすべき点はどこだと思いますか?
- あなたから見て、私の強みは何だと思いますか?
大学の教授やキャリアアドバイザーに聞きたい質問
大学の教授やキャリアアドバイザーは、あなたの学業や研究活動への取り組み方を知っている存在です。自分で評価するのはなかなか難しい問題解決能力、論理的思考力などを客観的な視点からフィードバックしてくれるでしょう。
大学の教授やキャリアアドバイザーに他己分析を依頼するときの質問例
- 私の学業における強みや弱みは何だと思いますか?
- ゼミや研究活動での私の取り組み方はどうでしたか?
- 私の将来のキャリアについて、どんな可能性を感じますか?
- 私が志望する業界・企業に適性があると思いますか?
- 私とほかの学生を比較して、私が優れている点・改善すべき点はどこですか?
効果的な他己分析のコツとは? 内定者が教える成功への近道
他己分析はただ質問をすれば良いというわけではありません。他己分析をうまく活用できれば、自己理解を深めて自信を持ち就職活動に臨めます。しかし、具体的な進め方や注意点がわからないと、せっかくの機会を最大限に活かせない可能性も……。
そこで、内定者たちが実践した「効果的な他己分析のコツ」を紹介します。これらのコツを押さえれば、有益なフィードバックを得て自己理解の質も高められるでしょう。
さまざまな関係性の人に協力してもらう
繰り返しにはなりますが、他己分析をおこなう際は、友人や家族だけでなく、アルバイト先の先輩、大学の教授、ゼミの仲間など、さまざまな関係性を持つ人々に協力してもらいましょう。
なぜなら、それぞれの立場によって、あなたを見る視点や知っている情報が異なるからです。たとえば、友人からはあなたのプライベートな性格や価値観について、アルバイト先の先輩からは仕事への取り組み方や責任感について、といったように、多様なフィードバックを得ることができます。
さまざまな視点からの意見を聞くことで、自分では気付かなかった新たな一面を発見したり、自分の強みを再確認したりすることができます。結果として、より深く自分自身を理解し、自己成長へとつなげられるでしょう。
本音を引き出すために他己分析の目的を伝える
他己分析を依頼する際は、単に質問を投げかけるだけでなく、「自己理解を深め、自分の強みや弱み、就活でアピールできるスキルを客観的に把握したい」という目的を相手にしっかりと伝えましょう。そうすることで、相手もあなたの真剣な思いを理解し、協力的な姿勢でフィードバックを提供してくれるはずです。
さらに、「率直な意見が聞きたい」「厳しい意見でも構わない」といった言葉を添えれば、相手は遠慮せずに本音で答えてくれるでしょう。
他己分析を効果的におこなうために気を付けていたことを聞いてみた!
他己分析をより効果的におこなうために、気を付けていたことはありますか?
事前に質問項目をいくつか用意しておくことです。具体的には、私の性格や強み、そしてどのようなときに強みを発揮できるのかというようなことを聞こうとあらかじめ考えていました。 そして先に質問内容を大まかに共有することで、相手からより具体的な意見を引き出せるように工夫していましたね。
同じ質問を自分自身にも問いかけるようにしていました。これにより、自己認識と他人からの評価のギャップや共通点を明確に把握することができたと思います。
具体的な質問と「なぜ?」を深掘りする
漠然とした質問では、相手も答えにくいだけでなく、得られる回答も抽象的になりがちです。具体的な質問を用意し、さらに「なぜそう思うのか?」と深掘りすることで、有益なフィードバックを得られます。
たとえば、単に「私の強みは何だと思いますか?」と聞いて終わりにするのではなく、「なぜそう思うのか」や「強み感じた具体的なエピソードはあるか」などの深掘り質問をしましょう。
深掘りの目安は、相手から具体的なエピソードや行動、発言などを聞けるまでおこなうのがおすすめです。 たとえば「優しいから」などの表面的な理由ではなく「いつも困っている人に声をかけているから」のように、具体的な回答が得られてこそ他己分析の意味があるでしょう。
このように、具体的な質問と「なぜ?」の深掘りは、相手から詳細なフィードバックを引き出すための言葉です。積極的に質問し、うまく他己分析を活用してくださいね。
「なぜ?」を深掘り質問することによってどんな気付きがあった?
他己分析で「なぜ?」と深掘りすることで、自分自身の本当の姿が見えてきました。
たとえば、「あなたから見て、私の良いところと悪いところはどんなところですか?」と質問した際に、「良いところは自ら先頭に立って行動できるところ、悪いところは突っ走りすぎてしまうところ」という回答をもらったことがあります。そこで、「どのようなときにそう感じましたか?」「授業中にもそういった場面はありましたか?」と具体的に質問することで、より深く掘り下げてみました。
その結果、私生活と授業中で異なるキャラクターを使い分けていることが判明。さらに、その使い分けが周囲には好印象を与えているという、新たな発見もありました。
他己分析の際に「なぜ?」と深掘りすることで、自分自身の性格に対する理解を深められたと思います。具体的には、友人たちに「私の強みと弱みは何だと思いますか? それはなぜですか? また、どういうときにそう思いますか?」というように質問していました。
複数の友人から「努力家」だと言われることが多く、その理由として「部活や高校時代の勉強に人一倍粘り強く取り組んでいたから」という意見がありました。自分では特に人よりも努力しているという自覚がなかったため、粘り強さや努力する点は強みだとは思っていませんでしたが、「なぜ?」と深掘りしたことで、新たな強みを発見できただけでなく、高校時代の具体的なエピソードも思い出せたので効果的だったと思います。
他己分析で自分の魅力を最大限引き出して内定への第一歩にしよう
他己分析をおこなうことで、自分自身を客観的に捉えられ、強みや弱みを明確にできることがわかりました。つまり、自己PRや面接でのアピールポイントを見つけるための鍵となるということです。
「他己分析って時間がかかりそうだし、面倒くさい……」。そう感じて、なかなか踏み出せない人もいるかもしれません。しかし、他己分析は決して遠回りな対策ではありません。むしろ、魅力を最大限に引き出し、企業とのマッチングを高めるための近道となるでしょう。
この記事を参考に、ぜひ積極的に他己分析に取り組んでみてください。きっと、新たな自分自身を発見し、自信を持って就職活動に臨めるはずですよ。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
\今すぐ!無料で就活力を診断しよう!/
診断スタート(無料)
就職活動において、他己分析は必須とまでは言いませんが、非常に有効な対策だと考えています。初めての集団面接で、自分と他人から見た長所をそれぞれ答える質問が出た際、ほかの就活生がスムーズに答えているのを見て、他己分析の重要性を痛感しました。彼らは事前に他己分析をおこない、客観的な視点から自分の強みを把握していたのです。
客観的な視点で説得力UP!
自己PRにおいても、単に「私の強みは〇〇です」と述べるだけでなく、「〇〇という強みを活かし、サークル活動で一年生ながらイベント企画に携わりました。その際、先輩から『〇〇は君の強みだね。もっと伸ばせるよ』と評価していただきました」のように、具体的なエピソードと他者からの評価を交えて伝えることで、より説得力が増すことを学びました。