仕事の辞めどきって実際いつなの? キャリアを考えるうえで重要な判断軸を解説
「この仕事、そろそろ辞めどきかも…」。そう感じるきっかけはさまざまです。
しかし、辞めどきだと思ったら即座に退職して転職するのが正しいかと言われると、判断に困ってしまう人が多いのではないでしょうか。
この記事では、多くの人が辞めどきを意識するサインと、サインを意識した場合に考えておいた方がいい項目について解説します。過去に辞めどきを意識した先輩たちの体験談もたくさん紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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みんなが感じた「辞めどき」のサインとは? 辞めたいと感じる要因16選を解説
「仕事を辞めたい」、「そろそろ辞めどきかも?」と感じる要因は人によって、それぞれ異なります。まずは退職を意識したきっかけとなる「辞めどきサイン」16種類をピックアップして解説します。
この中にあなたが今「この仕事、辞めどきかもしれない」と考えている要因があれば、みんなも同じように悩んでいるということかもしれません。まずは、実際に仕事の辞めどきを意識したことのある経験者に話を聞いてみました。
就活生パネリストが仕事の辞めどきを意識したタイミング
「このまま今の仕事を3年続けたとして、自分はほかの組織でやっていけるのだろうか」という疑問をもったのが、仕事の辞めどきを初めて意識したタイミングでした。
私自身、就職浪人をしていた経験があります。就職浪人をしていた23歳のときに「自分は組織の外に放り出されるとこんなにも無力なのか」と身をもって経験しました。そのため「いつ組織の外に放り出されたとしても、どこでもやっていけるスキルを早くから身に付けておこう」という意識を新卒入社時から持っていました。
その観点から考えたときに、新卒入社した会社での仕事は違うと感じたため、早々に辞めどきを感じました。
私の場合「人間関係」が要因となり、仕事の辞めどきを意識しました。上司と馬が合わず、会社にいること自体が嫌になってしまった経験があります。当時は同期たち30人と切磋琢磨しながら、注文住宅営業をしていました。
しかし、たまたま私が相性の悪い上司と同じチームになってしまい、1年頑張ったもののメンタルが崩れてしまったのです。そこから何度か会社都合で異動をしたものの、3回目の異動先の上司とも合わず、再度メンタルを崩してしまいました。
結果として、会社に所属しているだけで不快感を覚えるようになってしまったため、退職を決意しました。
いかがでしたか。自分と同じように悩んだ経験のある先輩たちのエピソードを聞いて、「自分だけではないんだ」と少し気持ちが楽になったのではないでしょうか。
ここからは、「今の仕事、辞めどきかもしれない」と感じる、代表的な要因を16個紹介します。自分の状況や感情と照らし合わせながら読み進めてくださいね。
①職場の人間関係が悪く雰囲気が悪い
人間関係は、仕事をするうえで重要なポイントです。あなたが会社員として働く以上、上司や先輩、同僚と協力して業績を上げなければなりません。しかし、残念ながら人間関係が悪い職場というものは実際に存在します。
人間関係が原因で「辞めどき」と感じる例
- 上司がいつもイライラして、不機嫌である
- 先輩が自分のやりたくない仕事を押し付けてくる
- 同僚のやる気が見られず、こちらのモチベーションにも影響する
このような状況の中にいると「この会社にいて大丈夫かな」と思ってしまいますよね。実は、エン・ジャパンが2022年に発表した本当の退職理由実態調査によると、会社には伝えなかった本当の退職理由の1位は「人間関係」なのだそうです。多くの人が人間関係に悩みを抱えていることがわかりますね。
在宅勤務などでなければ、毎日職場の人とは顔を合わせることになります。人間関係に不満がある場合、「会社に行きたくない」と悩んでしまうこともあるでしょう。以下の記事では、同じように「会社に行きたくない」と悩む就活生パネリストの体験談をもとに、気持ちの切り替え方について解説しています。
②ハラスメントが容認されている
パワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)が当然のように容認されている職場も働きづらいと感じる要因の一つとなるでしょう。
【パワハラの例】
- 身体的な攻撃(殴る・身体を蹴る・机を蹴るなど)
- 精神的な攻撃(怒鳴りつける・暴言を吐く・無視をするなど)
- 過大あるいは過小な要求(明らかに無理なノルマを与える・逆に仕事をまったく与えないなど)
【セクハラの例】
- 身体接触型(髪や身体に触る・通りすがりにわざと胸に触れるなど)
- 発言型(性的な冗談を言う・恋人の有無を聞く・結婚時期をしつこく聞くなど)
- 視覚型(卑猥なポスターを掲示する・職場のパソコンでアダルトサイトを見るなど)
このような行為は本来であれば、事業主が対策し、取り締まらなければなりません。しかし実際には、まだまだハラスメントが横行している会社も見られ、ニュースなどで取り上げられることもしばしば。若手社員がストレスを溜める原因となっているのです。
③残業や休日出勤が多くワークライフバランスが取れない
労働時間が過剰に長いことから、辞めどきを意識する人も多いです。労働基準法では、月の残業は最長で45時間と定められています。あなたの会社が長時間労働を当たり前としているのであれば、所謂ブラック企業なのかもしれません。
また、仮にブラック企業というほどでなかったとしても、労働時間を苦痛に感じる基準は人によって異なります。あなたが以下のような項目で悩んでいる場合、それは辞めどきサインかもしれませんよ。
- 長時間労働で個人的な時間や家族との時間が確保できない
- 有給休暇の取得が希望通りにできない
- 持ち帰りの仕事が多く、家にいてもリラックスできない
このような状況が長く続いたら、多くの人は疲れ切ってしまいますよね。常に頭の中が仕事でいっぱいになってしまう日が続く場合、休職や転職を検討するタイミングかもしれません。
④給与が低い上に昇給も期待できない
給与面への不満も、仕事の辞めどきを意識するサインとしてよく挙げられます。
就職活動が思ったように進められず、そもそも入社時から納得がいっていなかったという人もいるでしょう。一方で業績の悪化から待遇面が下がってしまったというケースも考えられます。たとえば以下のようなことで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
- 業績を上げたのに、翌年以降の給与面への反映がほとんどない
- ボーナスがあると言われていたのにカットになった
- 上司や先輩の収入を聞いて絶望してしまった
やりがいのある仕事がしたい、努力して成果を上げたらその分給与にも反映してほしいと思うのは当然の心理です。いくら頑張っても収入アップにつながらなければ、モチベーションを保つのも難しくなってしまうでしょう。あなたや同期だけでなく、上司や先輩の給与も上がっていないのだとしたら、あなたが辞めどきだと感じてしまうのも無理はありません。
⑤自分の仕事が正当に評価されていないと感じる
人事評価制度が整っていない会社で働いていると「これだけ結果を出しているのに正当に評価されていない」と感じる場合があります。評価に関する不満としては、以下のようなものがよく挙げられます。
- 評価基準が明確でなく、上司の価値観に左右されているように見える
- 自己評価より低い評価をつけられたが、説明がなく理由が不明である
- 成果のみが評価され、プロセスに対する評価軸が存在しない
不当な評価をされ続けると、自尊心が損なわれたり、モチベーションが低下してしまったりするおそれがあります。もちろんあなた自身の自己評価が本当に正しいかを省みる必要もあるかもしれませんが、評価への不満を溜めながら働き続けるのは苦しいでしょう。客観的な評価制度が整った会社への転職を検討してみてもいいかもしれませんね。
⑥同じような仕事ばかりで成長を感じられない
毎日の仕事がルーティンワークの繰り返しだと「成長できないのではないか」「市場価値が下がっていくのではないか」と不安になりますよね。学習意欲の高い、熱心な人ほど、このような不安から辞めどきを意識してしまう傾向があるようです。「成長を感じられない」と考える要因としては、以下のようなものがあります。
- 毎年同じような仕事の繰り返しだと感じる
- 業務改善に後ろ向きで、上司が新しいアイディアを取り入れようとしない
- できること自体は増えているが、イメージしている成長像につながらない
会社には会社の計画やペースというものがあるので、常にあなたの期待通りに成長の機会を与えられるような会社は多くはないかもしれません。それでも、周囲の友人と比べても「あまりにも成長できていない」と感じるのであれば、新たなキャリアを考えてみてもいいでしょう。
成長できていないと感じるのは、そもそも仕事が自分に合っていない可能性もあります。こちらの記事では、仕事が合わないときに転職すべきかどうかの見極め方について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
⑦経営方針への不満や周囲との価値観の不一致がある
会社の経営方針と自分の価値観が合わないパターンとしては、企業選択の時点でミスマッチだったと入ってから気付く場合と、あなた自身の価値観が変化したという場合の両方がありえます。できれば上司や同僚と同じ方向を向いて仕事をしたいと思いながら、以下のようなギャップを感じて悩み、辞めどきを意識する人も少なくありません。
- 利益追求型の理念に共感していたが、社会貢献を重視したくなった
- 成果主義の仕事を求められるが、プロセスも評価してほしいと思っている
- 目の前の顧客の満足度向上を優先したいが、どんどん新規拡大するよう求められる
周囲と仕事の価値観が合わない状態が続いてしまうと、仕事をすること自体がつらくなってしまいますよね。価値観の相違からモチベーションを上げづらく感じる人が多いようです。
⑧直属の上司と合わない
会社には多種多様な人たちがいますが、あなたの仕事に大きな影響を及ぼすのはやはり直属の上司でしょう。日々接触する上司と性格や考え方が合わないときに、働きづらさを感じたり、仕事に行くのが嫌になったりする人はたくさんいます。たとえば上司に関して以下のような悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。
- 質問すると不機嫌になるので話しかけにくい
- 問題が発生したときに対応をこちらに押し付けてくる
- そもそも性格や価値観が合わない
上司を苦手だと感じる要因は多岐に渡ります。より上の役職の人や先輩、人事に相談して解消できる場合もありますが、残念ながら希望通りにならない場合もあるでしょう。そのような状態が続いたときにあなたが「辞めどきかな」と感じてしまうのは、当然の心理かもしれません。
上司と合わないのは自分の思い込みではないかと悩む人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では、上司との関係性をセルフチェックする方法について紹介しています。対策方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
⑨自社の商品やサービスに自信を持てない
どんな会社でも、顧客に商品やサービスを提供して利益を得ています。しかし、ときにはあなた自身が自社の商材を好きになれない場合もあるでしょう。本気で良いと思えない商材を販売するのは、想像以上に苦しい仕事です。内心の自信のなさは顧客にも伝わってしまうため、成果も出づらくなってしまいます。商品やサービスに自信が持てない人の中には、以下の悪循環に陥っている人もいるでしょう。
- 自社の商品やサービスに自信がない
- 自信がないので営業しても成果が出ない
- 成果が出ないため評価が上がらない
このような悪循環に陥ると、働くことが苦しくなってしまいます。その商材の取り扱いが一時的なものであれば、我慢するのも有効です。しかし年単位で取り扱うのが確定している場合は、転職を検討してもいいかもしれませんね。
自社の商品やサービスに自信が持てなければ、仕事に対してなかなか「やりがい」を感じることは難しいでしょう。こちらの記事では就活生パネリストの「仕事のやりがい」についてざっくばらんな意見を知ることができます。この記事を参考に仕事のやりがいを見つけてみましょう。
⑩クレーム対応が重なり疲弊している
業種によっては、顧客からのクレーム対応が業務内容に含まれます。回数がそこまで頻繁でなければ、または明らかに自分に非がある状況でのクレームであれば、ある程度は我慢できるかもしれません。
しかし、クレームについて、タイミングや頻度を自分でコントロールするのは不可能なのが現実です。以下のような悩みを持つ人は、クレーム対応によって疲れきってしまっているかもしれません。
- あまりにも頻繁にクレーム対応をする必要がある
- 自分以外の担当者のミスについて、クレームを受けざるを得ない
- 取引先の担当者がやたらと怒りっぽくて耐えられない
他者からマイナスの感情を向けられ続けたら、誰でも疲弊してしまいますよね。配置転換を打診して状況を改善できるケースもありますが、難しい場合はその仕事の辞めどきかもしれません。
営業をしていると、理不尽に怒られることがある人もいるのではないでしょうか。次の記事では、経験者が「営業が辛い」と思った時の乗り越え方や、理不尽に怒られたときの対処法について紹介しています。気になる人はぜひ、チェックしてみてください。
営業が辛い
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⑪昇進や昇格を逃してしまった
昇進や昇格を期待して努力してきたにもかかわらず実現できなかったときに、辞めどきを意識する人は多いです。たとえば以下のような悩みがある場合には「いっそ新しい環境でやり直した方がいいのかな」と迷ってしまいますよね。
- 同期や同僚に先を越されたように感じて辛い
- 次のタイミングでも確実に昇進できるか分からない
- 上のポジションが埋まっており、今後当面チャンスが来そうにない
こういった場合、今後あなたの努力次第で昇進の可能性があるなら、諦めずに上の役職を目指す方が賢明かもしれません。しかし、あなた自身の努力によって解決できない要因から昇進が難しいと判断した際には、転職を視野に入れるのもおすすめです。
ただし「昇進できなかったので辞めました」と転職活動で伝えるわけにはいきません。これまで昇進・昇格を目指す中で身に付けてきたスキルを言語化しておきましょう。
⑫仕事が楽しいと思えずモチベーションが上がらない
仕事をするうえでは、淡々とやるべきことをやることも大切ですが、やはり「楽しい」「頑張りたい」と思える瞬間も必要です。しかし、以下のような状況が続くと、楽しいと思える要素がなくなり、仕事へのモチベーションを失ってしまう場合があります。
- 業務内容そのものに興味が持てない
- 憧れの仕事だったがいざやってみたら想像と違った
- 人間関係や社内の雰囲気でやる気が損なわれてしまった
モチベーションが上がらなくなってしまう原因はさまざまです。まずは自分がどういう点を楽しめないと感じているのか、さらにその原因を取り除くことはできないか検討してみましょう。モチベーション低下を理由に転職する場合は、同じことを繰り返してしまわないように冷静な自己分析をおこなうのがおすすめです。
仕事が楽しくないのは、仕事がめんどくさいからかもしれません。誰しも一度は「仕事したくないな」、「めんどくさいな」と感じたことがあるのではないでしょうか。こちらの記事では、パネリストの体験談をもとに、仕事がめんどくさいと感じたときの気持ちの切り替え方について解説しています。
⑬夜眠れなかったり朝起きられなかったりする
疲労やストレスが溜まってくると、夜寝つきが悪くなる場合があります。逆にやたらと眠くなり、朝起きられなくなる人もいるようです。睡眠に関して、以下のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
- 眠気を感じているのになぜか寝付けない
- 深夜や早朝に自然と目が覚めてしまう
- 朝決まった時間に起きるのが困難になる
こういった症状が長く続くと、本格的に心身のバランスを崩してしまうおそれがあります。睡眠に関する不調には注意が必要です。デスクワークをしている人であれば軽い運動をすることで軽減される場合もありますが、100%解決できる方法だとはいえません。
もしあなた自身が、睡眠リズムが乱れる原因は仕事だと判断するならば、継続してその会社で働いていても大丈夫か、あるいは辞めどきではないかを検討してみましょう。
⑭ストレスで体調が悪化しているのを感じる
仕事のストレスが溜まり続けることで、体調に影響を及ぼしてしまうケースもゼロではありません。以下のような体調不良が長く続くようであれば、あなたの心身が悲鳴を上げているのかもしれませんよ。
- 出勤しようとすると吐き気がする
- 思い当たる原因はないのに腹痛が起きたりお腹を下したりする
- 頭痛や動悸に悩まされるようになった
ストレスからさまざまな症状に悩んでいる人はたくさんいます。また、ストレスが原因でないとしても身体の不調を放置することは危険です。ひとりで抱え込まず、適切な医療機関にも相談してみることを推奨します。また、誰かに相談しにくいという人は、厚生労働省のまもろうよ こころを利用するのもおすすめです。電話やSNSで気軽に相談することができますよ。
いずれにせよ、過剰なストレスが原因で自律神経に影響が出ている場合には、休職や転職を検討する必要があるので、自分のことを第一優先で考えてくださいね。
体調が悪化している原因として、仕事が向いてないことが挙げられるかもしれません。自分の仕事が向いていないのか判断したい人は次の記事を読んでみてくださいね。
⑮離職率が年々上がっている
周囲の社員がどんどん辞めていく会社で働いていると、不安になりますよね。会社の将来が心配になるのはもちろん、退職者が多い職場では人手不足から目の前の仕事がハードになっていく可能性もあります。以下のような状況にある職場で働いている場合に、辞めどきを意識する人は多いようです。
- 同期や若手がどんどん辞めていく
- 尊敬していた先輩や上司の転職が相次いでいる
- 退職する人が理由を曖昧に濁そうとする
このような会社で働いているあなたも、離職率が高い原因に気づいているのではないでしょうか。あなた自身がそれでも働き続けられるのか、新たなキャリアを探すべきなのか、冷静な判断をする必要があります。退職した人の中に信頼している相手がいる場合は相談してみるのもおすすめです。
⑯会社の業績が悪く先行きが不安である
会社の業績が悪化していると、職場の労働環境にも影響が出てきます。そんな中で働いていると、嫌でも辞めどきを意識してしまいますよね。業績悪化のサインは日常のさまざまなところに現れます。あなたの会社で以下のようなことが起きている場合、経営状態が苦しくなっていると言えるでしょう。
- 過剰な経費削減が命じられる
- ボーナスが削減されたり、なくなったりする
- 退職者が出てもその後新しい人が採用されない
業績が振るわない状態が続くと、徐々に職場の雰囲気もピリピリしてきて居心地が悪くなってしまうことが多いです。また、周囲で退職する人が増え、自分の仕事が増えてしまうこともあります。転職を検討する場合には、今の経営不振が「業界全体の問題なのか」、「今いる会社だけの問題なのか」も情報収集して選ぶのがおすすめです。
本当に辞めて良いの? 仕事の辞めどきを冷静に見極めるための5ステップ
仕事の辞めどきを意識したからといって、すぐに辞める決断をする人は多くありません。「本当にこれが原因で会社を辞めても大丈夫かな」と不安になる人の方が多いのではないでしょうか。
この章では、本当に退職や転職をするべきかどうか、冷静に見極めるための方法を5ステップに分けて解説します。経験者のリアルな声もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
こちらの記事でも、すぐ辞めて良いのかの判断基準を紹介していますので、併せて読んでみてくださいね。
就活生パネリストに直撃! 辞めどきを感じてから行動に移すまでどのくらいかかった?
辞めどきだと感じてから、実際に行動に移すまでにどれくらいの期間を要しましたか?
辞めどきだと感じてから実際に退職するまでは3カ月ほどでした。転職活動自体はすぐに始めていたので、退職するまでの期間と転職活動期間は同じくらいの期間でした。
入社してから仕事に違和感を感じるまでの期間は1カ月でした。そこから転職をするための準備期間に1年半、実際に退職するまでに2カ月を要しました。私は、部署異動をすするために必要な資格を1年半かけて取得していました。しかし部署移動は厳しいと言われてしまったので、上長からその旨を伝えられた翌日には転職サイトに登録していました。
ステップ①辞めたい理由を洗い出す
「辞めどきなのでは」と感じたら、まずはどうして辞めどきだと感じたのか理由を洗い出して、整理してみましょう。仕事を辞めたくなった要因はひとつではないかもしれません。
「上司と合わない」「給与に不満がある」「職場が遠い」など、リストアップしたうえで自分が辛いと感じる順に並べてみましょう。自分の中の価値基準や優先順位がはっきり見えることで、冷静な判断がしやすくなるはずです。
ステップ②「自分で解決できる問題」と「自分で解決できない問題」に分類する
辞めどきを意識する要素はさまざまですが、大きく「自分で解決できる問題」と「自分で解決できない問題」に分けられます。ステップ①で洗い出した辞めたい理由がどちらなのか、それぞれ分類していってみましょう。
自分で解決できる可能性が高い | 自分で解決できない可能性が高い |
---|---|
仕事の進め方に自信が持てない | 職場が遠い |
コミュニケーションがうまく取れない | 経営層との価値観に大きなずれがある |
自分のスキルが低くてついていけない | ハラスメントを受けている |
分類してみた結果、自分で解決できる問題の方が多く、解決できそうなビジョンも見える場合には、今の会社で頑張った方がキャリアアップにつながることもあります。
逆に、自分ではどうしようもないことが辞めたい理由なのであれば、転職を検討する必要があるかもしれません。
ステップ③「自分で解決できる問題」なら「解決したいか」を考える
あなたが「仕事を辞めたい」と思った理由のうち、自分で解決できる問題が多かった場合には、その問題を解決できそうか、また解決したいと思えるかを検討してみましょう。
- 直属の上司と合わないが、人事部に申し出れば部署移動が可能である
- より成長するための配置転換の希望を出すチャンスがある
- 人間関係を改善するために働きかけようと思える
もちろん「解決できる」と「解決したい」は別の問題です。解決できそうなら転職すべきではないということではありません。
たとえば年度途中で異動の希望を出しても半年以上我慢する必要がある、というケースは多いでしょう。解決のタイミングを待ちきれない、それまで耐えられないということであれば、転職活動の準備を始めることも一つの選択肢です。
ステップ④「自分で解決できない問題」なら「環境が変わる可能性があるか」を考える
会社員として働く中で、誰でも「自分にはどうしようもない問題」に直面します。自分が辞めたい理由が、自力での解決が難しいものである場合には、近いうちに今の環境が変わる可能性の有無を考えてみましょう。
- 部署異動を申し出ることで労働環境をがらっと変えることが可能かどうか
- 経営方針が変わる予定、つまり上層部が大幅に入れ替わる予定があるか
- 近いうちに待遇面が納得のいくレベルまで改善される可能性があるか
まずは今の会社について念入りに情報収集をしてみましょう。社内報や年次報告書が発行されている会社であれば、そこから経営状況や今後の戦略といった情報を得られます。
会社のウェブサイトの投資家へ向けたコーナーにも、将来のプロジェクトについて書かれている場合があるでしょう。そういったものがない場合は、上司や先輩との会話の中から今後の展望について積極的に情報を仕入れるのもおすすめです。
あなたが現在辛いと感じ、また自分の力では解決が難しいと考えているポイントが、実は数年以内に改善されるかもしれません。
ステップ⑤周囲にも相談して仕事を続けるかどうかの判断をする
状況の改善を図るのが難しいと改めて判断したときには、ひとりで抱え込まず必ず誰かに相談してみましょう。
上司に相談するのであれば、あらかじめ時間を取ってもらい、相談内容を整理しておくのがおすすめです。上司に直接悩みを打ち明けることで、あなたが辞めたいと感じた要因が改善される可能性もありますよ。
同期など職場の身近な人に相談するのもひとつの手段です。一緒に働いているだけに、同じ悩みを抱いていて、あなたの考えを深く理解してくれるかもしれません。ただし、「辞めたい」という気持ちが職場のほかの人に伝わらないよう、話す相手の選択には十分な注意が必要です。
また、家族や友人に相談するのも良いでしょう。職場の実情を知らない分、客観的に判断してくれる可能性が高いです。ただし、相手は現場を見ていないので、あなたの辛さが伝わり切らないリスクがあることも覚えておきましょう。
誰に相談した? 仕事の辞めどきを感じたときの相談相手
転職を支援する人材業界の企業に勤めていたこともあり、私の場合はすでに退職した元社員の先輩に相談していました。業務のことや私自身のスキル、プライベートの事情も把握してくれているので、非常に話しやすかったです。
相談した際、その先輩からは転職することを後押してもらい、その先輩自身が転職して「こんなふうに働く環境改善されたよ」といったようなポジティブな体験談も知ることができました。同じ企業にいて似たような悩みを持っていた分、その話を聞いて頑張って転職しようという気持ちが増しました。
私は結婚を機に転職したため、転職の相談は夫にしていました。結婚をする前から勤務形態的に限界を感じ、長くは続けられないと思っていて、ちょうど結婚のタイミングが重なり転職をするのに良い機会だと感じました。
当時、私にとって夫は1番に味方になってくれる人でした。夫も私の働き方はよく知っていたので、どちらかというと早く仕事を変えてほしいと思っていたようです。そのこともあり、私は思い切って転職に踏み切ることにしました。
転職後は、自分の体力的にも余裕ができ、プライベートの時間も取ることができるようになりました。
転職を検討している人向け|次のキャリアにスムーズに進むためのコツ7選
本章では、ここまで読んできて「私の辞めどきサインは間違っていなかった」「やっぱり転職した方がいいんだろうな」と感じているあなたに向けて、転職活動をおこなううえでのコツを紹介します。
転職しようと決断したといっても、すぐに今の会社を退職するのはおすすめできません。次の会社を決める前に退職してしまうと、就職先がなかなか見つからなかった場合に焦ってしまいますよね。焦って会社を選ぶと、結果的にミスマッチになってしまうおそれがあります。
そこで転職活動にはどのような事前準備が必要なのか、先輩たちの体験談も交えて解説します。
以下の記事では、転職成功に欠かせない事前準備について詳しく解説しているので、本格的に転職の準備を進めたい人はぜひあわせてチェックしてみてくださいね。
①自分の状況を踏まえてスケジュールを立てる
転職に向けて、まずは自分自身の中長期的なスケジュールを立てましょう。
いくら辞めるからといっても、今の会社に迷惑をかけるような転職活動をするのは避けた方が賢明です。特に同業種で転職する場合には、今の会社が後の取引先になる可能性もあることを忘れてはいけません。
転職活動が本格的になってくると、面接のために半休や有休を取得する必要性が生じてきます。転職活動のピークの時期が、今の会社の繁忙期と被らないように調整しましょう。
転職活動には3カ月から半年くらいかかるのが一般的です。転職スケジュールを立てるには、まず「これくらいの時期に新しい会社に入社したい」という目安の時期を設定し、そこから逆算していくのがおすすめです。
転職活動をする前に、おおまかなスケジュールを事前に組んでいましたか?
顧客の引継ぎや部署の人員状況など配慮すべきことがあったので、大まかなスケジュールは決めていました。また、賞与のタイミングが近かったため、かなりハードに頑張った分、賞与をもらってから退職したいな……という個人的な気持ちもありました。転職活動期間は短く済ませたかったので、気になっている企業は同じタイミングで一気に応募し、結果が同じ頃に出るように意識して進めました。
業務の繁忙期、引継ぎにかかる時間、有休休暇の消化日数、それらをすべて考慮したかったため、スケジュールを立てるようにしていました。たしかに法律上は2週間前に伝えれば退職することはできますが、世間は狭いので立つ鳥後を濁さない方が無難です。私の場合、転職先の会社からやってきた人が前職にいたりということがありました。誰がどこでつながっているかわからないので、転職したい時期を決めて逆算して活動を始めることをおすすめします。
いつ転職をするのか、転職をするタイミングは初めてあればなおさら悩むポイントではないでしょうか。そこで以下の記事では、転職を経験しているパネリストに転職をしたタイミングを聞いてみました。経験者の意見を参考に転職時期について考えていきましょう。
②自分のスキルや経験の棚卸しをする
転職活動を実際に開始する前に、自分がこれまでの業務経験で身に付けたスキルを整理してみましょう。同じ職種を志望するのであれば、今のスキルをそのまま転職活動の際にアピールできます。異なる職種に転職したい場合にも、自分のできることを整理しておけば、そこから志望先の職種にふさわしいスキルを強調して伝えられるはずです。
たとえば年間の目標の達成率や売り上げ成績をアピールできれば、面接時にそれをアピールできます。課内や同期内でのランキングが使えるのであれば、そこも売り込みポイントにしていきましょう。
あなたが普段している仕事について「どんな目的があって」「そのためにどんな工夫をして」「どのような結果が得られたか」を書き出してみましょう。逆に苦手なこともはっきりさせると、さらに自己理解が進みます。
スキルの棚卸しをおこなうことで、あなたがどんな業務が得意で、何にやりがいを感じているかが明らかになり、職務経歴書の作成などもスムーズになりますよ。
③情報収集を徹底する
転職するにあたっては、事前の情報収集が必須です。収集すべき項目の例を以下に記載します。
- 転職市場の動向:社会全体の状況や、求められるスキルの傾向など
- 業界のリサーチ:業界全体の成長性やトレンドについて
- 職種について:具体的な業務内容や、求められるスキルセットは何か
- 求人情報について:募集がどれくらいあり、平均的な待遇はどれくらいか
- 企業研究:社風やワークライフバランスといった企業文化や、企業の経営状況について
- 口コミ研究:SNSや転職サイトの評判はどうか
業界について調べるには、大手コンサルティング会社や市場調査会社が発行しているレポートを読むのがおすすめです。SMBCコンサルティングの業界レポートのように無料で読めるものから、日経業界分析のように有料のレポートまでさまざまあるのでチェックしてみましょう。
転職情報や具体的な求人については、転職サイトを活用して調べましょう。口コミサイトとしては、openworkや転職会議などが有名です。
転職活動を成功させるには、少数の会社に絞らず幅広い調査をする必要があります。同じ業種でも一社一社に経営理念があり、求められる価値観やスキルも異なるからです。
なお、口コミについては基本的に「辞めた人が書くもの」です。すべてを真に受けないように気をつけましょう。
みんなはいつ話したの……? 就活生パネリストが退職の報告をした時期とは
退職の報告を上司にしたタイミングは、いつでしたか?
退職の2カ月前に、上司に退職を申し出ました。残っている有休と、引継ぎに必要な期間を考慮してのタイミングでした。また、早すぎるタイミングで退職を伝えるとかなり引き止めがあると退職した方に聞いていたため、適切なタイミングで話すことを心掛けました。退職を伝える際は、自身の業務や会社の引き止めなどへのスタンス、そして就業規則の内容をしっかり確認しておくと良いと思います。
退職の3カ月前には、退職の意思を伝えました。転職先への入社日、有給休暇の消化、業務の引継ぎなどを考えると、2~3カ月前に伝えるのがベストかと思います。実際、引き止めの面談はありました。面談の際は「自分の中で明確な意思をもって転職をするのだ」ということをハッキリと伝えることが必要だと思います。
パネリストの体験談にもあったように、退職の意思を伝えた際、場合によっては引き止められることもあるでしょう。そこで、以下の記事では会社が辞めさせてくれない場合の対処法を解説しているので、ぜひ一緒に読んでみてくださいね。
④面接対策にはしっかり時間を取る
転職活動をする際には、必ず面接を受けることになります。
新卒就活のときと大きく違うのは、今の会社での勤務の合間に準備をしなければならないという点です。新卒就活のときに面接を経験しているかもしれませんが、転職活動の面接で聞かれる内容は新卒時とは少し異なります。あらかじめ準備しておかないと、思わぬ失敗をしてしまうかもしれませんよ。
たとえば「これまでの業務経験で成功したこと・失敗したこと」や「前職ではできなかった課題をこれからどうクリアするか」といった質問が想定されます。
また、面接時に今の会社の悪口を言うのは避けましょう。なぜなら、辞めたい理由を強調するよりも、応募先の企業への入社意欲や今後の自分の展望をアピールする方が好印象につながるからです。実際には後ろ向きな理由から退職するのであっても、前向きな転職理由をスムーズに話せるよう準備しておきましょう。
就活生パネリストに聞いた! 面接対策の時間はどうやって確保した?
面接対策をする時間をどのように捻出していましたか?
通勤に電車で1時間かかっていたため、毎日電車の中で転職活動の準備を進めていました。私の場合、正社員勤務であると、朝9時から夜9時までの労働が必要で、仕事以外の時間を作ることが難しい状況でした。そのため、正社員からバイトに切り替えて時間に融通を効かせるようにしました。
通勤時間や、会社が休みの日を利用して就活を進めていました。休みの日にWordでポイントをまとめ、それをスマホで共有しておくと、通勤中でも就活の対策を進めることができます。仕事を続けているからこそ、隙間時間を活用できるよう工夫していました。
面接対策をしっかりおこなうことで「転職先が決まらない」という状況を防ぐことができます。しかし、そのような事態に陥る可能性はゼロではありません。もしも今あなたが転職が決まらなくて悩んでいるなら、こちらの記事を参考にして転職を成功させてくださいね。
⑤譲れない条件や優先順位をはっきりさせる
志望企業を絞り込むために、自分の中での優先順位を決めておきましょう。
あなたの希望すべてを叶えられる会社を見つけられるのが理想ではありますが、実際には妥協も必要になります。その際に、絶対に譲れない部分と、多少は目をつぶってもいいかなと思える部分を決めておくことで、志望順位を定めやすくなります。たとえば以下の項目の中でどれを特に重視したいか、ランキングをつけてみましょう。
- 月収や年収
- 福利厚生
- ワークライフバランス
- 入社後のキャリアパス
- 経営理念や社風
「多少忙しくてもいいから給与の高い会社がいい」という人もいれば「多少給与が安くてもいいから残業なしで働きたい」という人もいますよね。あなた自身の優先順位を明確にしておきましょう。
とはいえ、働きながら転職活動をするのは想像以上に大変なこともあるかもしれません。こちらの記事では、働きながら転職を成功させた経験者に話を聞き、仕事と転職活動を両立するコツについて一緒に解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
⑥転職先が決まったら就業規則を確認して上司に伝える
無事に転職活動が終了し、転職先が決まったら上司に退職の報告をしましょう。報告する際には、以下のような項目に留意しておくとトラブルを防げます。
- 就業規則の退職にまつわる項目を読んで内容を確認する
- 最初は必ず直属の上司に直接伝える
- 「退職の相談」ではなく「退職の報告」であることをはっきり伝える
- 会社への不満ではなく前向きな転職理由を話す
- 転職先の企業名は言わなくてよい
- 退職する日は協議のうえで決定する
マナーを守りながらも、転職先が決定している旨をはっきりと伝え、お互いの条件をしっかりとすり合わせることを意識しましょう。
もし引き止められても、法律上は労働者の退職の意思が優先されます。転職先の会社の入社日や家族との約束を理由に、丁寧に断るようにしてくださいね。
退職理由をどのように伝えていましたか?
転職活動を始める前に退職する意思を伝えました。今の仕事だと仕事と私生活の両立が難しい勤務形態なため、次の仕事が決まり次第退職したいと話しました。あくまで寿退社のような形で退職できるように伝えていました。
⑦社内外への引継ぎをおこなう
退職するときには、しっかりと引継ぎをおこなうのがマナーです。転職活動と並行して準備をしておいてもいいかもしれません。引継ぎに必要なものは会社やあなたのポジションによって異なりますが、一般的には以下のような書類を用意することが多いです。
- 年間と月間それぞれの業務スケジュール
- 業務の目的と概要、具体的な作業手順
- 社内の関連部署や担当者の名前
- 担当していた顧客の名前や取引内容、注意事項
あなたの職種によっては取引先に直接挨拶の連絡をするケースもあるでしょう。その場合は、これまでの取引に対する感謝を伝え、後任の担当者の紹介をすれば大丈夫です。転職理由や転職先について話す必要はありません。引き続き安心して取引してもらうことを優先させましょう。
先輩教えて! 円満に退職するためのコツ
あなたが円満退職をするために意識したことは何でしたか?
「結婚をするので辞めます」と寿退社ということをアピールすることです。あくまでもこの会社が嫌だから辞めるのではなく、結婚をするから辞めざるを得ないということを伝えました。
結婚をするため今の仕事を続けることができないという点を押し出しつつ、学ばせてもらったことに関してお礼を丁寧に伝えました。また、退職することで少なからず負担をかけてしまうので、引継ぎに関しては口頭だけでなく詳細な資料を残すように心掛けました。
今の仕事を続けることも検討している人向け|状況を改善するためのコツ4選
ここまでは転職を決意した人に向けて解説してきましたが、5つの見極めステップを経て「やっぱり今の仕事を続けよう」と決断した人もいることでしょう。
とはいえ、現状維持のまま勤務を続けても、いずれまた仕事を辞めたいと感じる確率が高くなってしまいます。ここからは、現職を続けながら、少しでも状況を改善するためのコツを解説します。
先輩たちが考えたことや実践したことも紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
先輩はなぜ続けた? 仕事の辞めどきを乗り越えた理由
「今の仕事、辞めどきかもしれない」と考えつつも、仕事を続ける選択をした人に質問です。続けようと思った理由を教えてください。
わずかな希望にかけて、仕事を続けていました。正直辛くて辛くてしょうがない状況にあったものの、異動したらどうにかなったりするかな……と考えていました。また、メンタルが落ちている状態だと転職活動もうまくいかないものだと考えていたので、何かをやり遂げた後に辞めることも手だと思っていました。
①休みをとってリフレッシュする
少しの間休みをとり、仕事から離れてリフレッシュしましょう。忙しくて、会社を出てからも仕事のことで頭がいっぱいな状態だと、土日の休みだけでは疲労を回復しきれませんよね。中には仕事を持ち帰ってしまうという人もいるでしょう。
「リフレッシュのために仕事を休むなんて……」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、有給休暇を使うことは労働者の権利です。安心して活用しましょう。休暇を取るときに押さえておきたいポイントには以下のようなものがあります。
- 会社の年間スケジュールを確認し、繁忙期の連続休暇は避ける
- なるべく早めに休暇の届出を行い、休暇中の仕事の引継ぎをおこなう
- 緊急時の連絡先をあらかじめ共有しておく
- 顧客や取引先にも事前に伝えておく
仕事から完全に離れてゆっくり休むことで、体力や気力が回復し、前向きになれる効果が期待できます。また、仕事から離れてみることによって新しい視点やアイディアに気付き、メリハリを持って働けるようになることもあります。
きちんとした手順を踏んでから休みをとれば、戻ったときに嫌な顔をされることもないはずです。しっかりと休み、復帰後は気持ちを切り替えて職場に戻りましょう。
仕事を続けた先輩からのアドバイス! 仕事のリフレッシュ法
休みなどを取ってリフレッシュしたことで、仕事を続けられたといった経験があれば教えてください。
今後につながるリフレッシュを心掛けていました。不健康に向かうか健康に向かうかの違いです。お酒をたくさん飲んだり、友人たちと暴飲暴食をするのは避けていました。健康的な食事で体の中から体調を整えることを意識しました。運動でリフレッシュをし、睡眠で自律神経を整えることでメンタルを良い状態に持っていくと、前向きな気持ちで仕事を続けることができましたよ。
②直属の先輩や人事に相談する
今後も今の会社で働いていくためには、自分が「辞めどきかも」と思った要素について相談してみるのも有効です。あなたが辞めどきを意識したということは、何か仕事をするうえでしんどい、きついと思うポイントがあるはずです。それを先輩や上司、あるいは人事に相談するだけで、以下のように状況が改善される場合があります。
- 個人としての仕事の進め方についてアドバイスをもらえる
- 部署内での仕事の分担を再考してもらえる
- 相談することによって年度途中でも部署を異動できるケースもある
一人で悩んでいると「どうせ何も変えられないだろう」と諦め、我慢してしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、相談してみたら意外にもあっさり改善されるケースもよくあります。ぜひ信頼できる人に相談してみましょう。
相談することで仕事を続けられた体験談を紹介
上司や先輩社員をとおして、人事に相談をしたことがあります。新卒1社目ということもあり、人事担当の方が気を遣ってくれたことで、ひとまず退職を逃れました。
当時はエリアを変えることで、苦痛な状況からは脱することができました。退職を考えたのは、上司との人間関係が上手くいかなかったことが原因です。それが原因でメンタルも崩壊してしまい、転職活動もできる状態ではありませんでした。
このまま辞めても両親に心配をかけるだけだと思い、まず人事に相談するという選択肢を選びました。思い切って相談してみるのもひとつの手だと思います。
転職後の最初の部署で業務にやりがいを感じられず、さらには上司との人間関係がうまくいかないことがあり、辞めどきを感じました。
私はそのときに「派遣できている外部の方に話を聞いてもらう」という手段をとりました。所属していた部署には、コンサルティングファームや派遣会社など、業務委託契約で派遣をされている人が多くいました。業務をとおして仲良くなった数名に話を聞いてもらうことでストレスが発散され、その部署での仕事を続けることができました。
当時相談した派遣社員の方は、ほかの企業を経験しているため視野も広く、また出世などの直接的な利害関係がなかったため、社内の人間よりも相談しやすかったです。
③仕事への取り組みや姿勢を見直す
あなた自身が仕事に対する取り組み方を改善することによって、苦しい状況を改善できる場合があります。たとえば以下のような項目について具体的に考え、行動してみることで、仕事に対して前向きになれるかもしれません。
- なぜ今の仕事を続けようと思ったのか、ポジティブな理由を書き出してみる
- 仕事を続けていくための新たな目標を設定する
- 業務プロセスの中で効率化できる部分がないか検討する
- 仕事の進め方について先輩や上司からアドバイスをもらう
一度は退職を考えながらも、引き続き働こうと決断したのは立派なことです。せっかく今の会社で頑張ろうと思えたのであれば、少しでも環境を良くできるように自分でも工夫してみましょう。
心機一転! 仕事への向き合い方を変えることで仕事を続けた体験談
現職で何度か辞めたいと思ったことはありました。しかし2回転職をしていることもあり、少し辞め癖がついていると自分でもわかっていました。「どうにか在籍したい」と考えていたため、私は仕事に対しての向き合い方を変えることにしました。
会社側に不満を持つより、自分自身の考え方を変えることで解決できることがあるのだと感じたからです。「給料が上がらないのは、実績が足りないから」、「待遇面に不満があるのは、自分の転職時の調べが甘いから」と自分の欲に対して厳しい目線で見ることが大事と感じました。
転職後はじめて配属された部署で、入社後のギャップを感じて退職を考えました。簿記を勉強し、それを仕事にしたくて経理という職に転職しました。しかし、初歩的な会計処理の質問や会計システムの操作方法の問い合わせ対応が大量にくる最初の部署は、当初自分が思い描いていた経理職とは程遠く感じられるものでした。
すぐに辞めるということは避けたかったため、仕事への向き合い方を変えることにしました。「顧客と接する機会がめったにないバックオフィス部門において、これだけ問い合わせ対応をする機会があるのは自分の幅を広げるチャンスだ」と発想を転換したことで、乗り切ることができました。部署異動をした今でも当時の経験が活きているため、あのときに腐らず発想を転換して良かったなと思います。
④部署異動を検討する
直属の上司や、現在の業務内容そのものが退職を検討した要因である場合には、部署を異動することも検討してみましょう。たとえば営業部と経理部では、同じ会社内であっても業務内容は大きく異なりますよね。
転職せずに部署を異動した場合、社内で使用しているシステムや専門用語はそのままで、職場の環境や周囲の人間関係をリセットできる点がメリットです。あなたの会社の異動システムについて、上司や人事に確認してみましょう。
あなたの仕事がサービス業や小売業である場合にも、担当店舗を異動することで環境をがらりと変える効果が期待できます。多店舗展開しているような業種の場合、立地や上長のキャラクター次第で雰囲気がまったく異なることが多いです。異動のシステムについて、あらかじめ調べておきましょう。
仕事の辞めどきを社内で解決した体験談
1社目で上司との人間関係に悩みメンタルが崩壊した結果、営業のエリアを異動するという選択肢を取りました。また、当初の配属先が車で75分ほどかかる遠いエリアだったため、今思えば、心身のストレスは上司との人間関係だけでなく、通勤面の辛さも関係していたのではないかと思います。
そのため通勤面も考慮してもらい、通勤時間の短いエリアに変えてもらうことができました。幸い、異動先の上司も優しく面倒見が良い方だったため、安心して働くことができました。結果として、異動を伝えたことによって、人間関係のトラブルも通勤時間によるストレスも改善されました。
すぐに退職と考える前に、一度社内で相談をしてみることもおすすめです。
簿記の知識を活かしたいと思って転職をしたものの、転職直後はそれが叶わない業務をしていました。初歩的な会計処理の質問や会計システムの操作方法の問い合わせ対応が大量にくる最初の部署は、当初自分が思い描いていた経理職とは程遠く感じられるものでした。
当時は「一体あと何年この部署にいるのだろう」「よりアカデミックな領域で仕事をしたい。勉強したことがそのまま仕事に直結するような領域で仕事がしたい」という思いがどんどん強くなっていました。私が出した結論は「税務部へ異動希望をだして、それが通らなければ辞めよう」というものでした。
その後人事や税務部長に直談判し、無事異動することができました。現在は税務部で悪戦苦闘中ですが、以前より充実した日々を送っています!
辞めどきかどうか悩んでいるあなたに! 経験者からのメッセージ
最後に先輩たちから、あなたへのメッセージを紹介します。たくさんの人たちが、働く中で「辞めるべきか、続けるべきか」について悩んだ経験を持っています。
あなたと同じように悩み、それを乗り越えてきた先輩たちのアドバイスから、ぜひ今後を考えるためのヒントをつかみ取ってくださいね。
辞めどきかもしれないと感じながらも、仕事内容や職場の同僚たちが好きだったり、自分のキャリアに心配があったりすると、本当に今辞めて大丈夫なのかと不安になることはあると思います。もちろん辞める選択が絶対の正解ではありません。
それでも、辞めどきだと感じた内容によっては思い切って踏み出してみることも一つの手です。たとえば「以前から何度も相談をしているのに改善されず辛い思いをしている」、「明らかに理不尽な状況にいるうえに、改善の見込みもない」などであれば辞める方向に踏み出してもいいのかなと思います。
反対に、まだやりたいと感じていることが現職に残っていたり、悩んでいることについて会社が改善しようと取り組んでいる状況にある人もいると思います。好転する可能性があるのであれば、もう少し頑張ってもいいのかもしれません。
現職に残る未来と転職後の未来を天秤にかけてみよう
私は、会社への不満が我慢の限界を超えたタイミングと、結婚のタイミングが重なり転職することを決意しました。実際、転職してみて悩んでいたことは解消され、プライベートとのバランスも取れるようになってきました。
「現職に残ることと転職することのどちらが、働きやすくなるか」、「どちらが自分のキャリアのためになりそうか」、「どちらの選択をすることが今抱える悩みを解消することへ近づけそうか」ゆっくり比較して考えてみてください。
「10年後、20年後に自分がどんな生活を送っていたいのか。今の職場で働き続けることで、それは実現できるのか」を判断軸にして、転職をするかどうかを考えてもらいたいなと思います。もちろん社会人経験が浅い段階では、なかなか難しいかもしれません。
ただ、それほど仰々しいものでなくても良いのです。「タワーマンションに住みたい」、「週3回はジムでパーソナルトレーニングができる時間とお金がほしい」、「毎日好きなものを食べる生活がしたい」など、些細で欲求に忠実なもので良いと思います。転職というのはあくまで自己実現のための手段のひとつで、目的のない転職は度重なる早期離職にもつながりかねません。
転職サイトのコマーシャルなどで「外資系企業に転職してキャリアアップしよう」、「今の会社で本当に良いのですか」、「今のスキルのままで他社で通用しますか」といった言葉を耳にすることもあると思います。
それでも、今みなさんが理想の将来像を実現できる会社にいるのであれば、たとえ自分がおこなっている業務がその会社でしか通用しないスキルであったとしても構わないのです。なりたい将来像は自分が夢中になっていることだったり、身近にある欲求にヒントがあると思います。
違和感を感じたらすぐに転職をすることが吉
ただ、もし理想の将来像が今の会社で描けないようであれば、今すぐに行動しましょう。転職における最大の武器は、資格でも実務経験でもなく若さだからです。「もう少し様子を見てから……」と思っている間に、あっという間に賞味期限切れです。
最後に繰り返しになってしまいますが、「転職」はあくまでも自己実現のための手段のひとつに過ぎません。今みなさんが抱えている悩みや不満をすべて解決してくれる万能薬でもないです。まずは理想の生活像を思い描いて、そこから逆算してみてください。今の環境で良いのであればそのままで良い、違うのであれば即刻行動する、ということを忘れないでいただきたいです。
辞めどきかも……と感じたときの直感を信じてほしいです。そう感じたということは、きっとなにかしらのSOSだと思うからです。悩んでズルズルと続けている時間がもったいないと、私は思います。
「次の仕事が見つかるかな」、「新しい環境になじめるかな」と、転職においては勇気と不安が必要な場面が多くあると思います。それでも今動けば、動かないでいるよりももっと働きやすく、自分に合った場所を見つけられる可能性が出てくると思います。
自分のキャリアをしっかりと想像することが後悔ない転職のカギ
私自身、辞めたいなと何度も感じていたものの、きっかけをつかめずにいました。そんな私も結婚を機に転職をして、無理なく働ける仕事に就くことができました。今後どう働いていきたいかを想像し、その軸をぶらさずに仕事を探したことが後悔のない転職につながったのかなと感じています。
みなさんも「自分が今後どう働いていきたいか」をしっかりと考えたうえで仕事を探してみてください。早く辞めれば良かったと後から思うくらいなら、今動いてみてたくさんを経験したら良いのではないかと思います!
自分の感じる「辞めどきサイン」を無視せずに納得のいくキャリアを築いていこう
「この仕事、辞めどきかもしれない」と感じることは、決して悪いことではありません。むしろ、あなたの視野が仕事を通して広がった証拠と捉えることもできます。
今こそが、今後のキャリアを考える絶好のチャンスです。あなたが働くときに特に大切にしたいことや、あなた自身がこれまで身に付けてきたスキルを整理して、最適な手段を選びましょう。
仕事の辞めどきを見極めるには、感情や勢いだけに任せて、安易な判断をしないことが大切です。そのためにも第三者に相談して、客観的な視点から退職を検討しましょう。
もちろん、上司や同期、家族や親友など、身近な人に相談することも効果的ですが、距離が近すぎると本人の気持ちに共感して、客観的な意見がもらえない可能性もあるのです。
そんなときは、最近あまり会えていない友人や違う企業で勤める知り合い、総合労働相談コーナーや転職エージェントなど、少し距離感のある人に相談すると良いでしょう。客観的な視点でアドバイスをしてくれる可能性が高いですよ。
また、退職を考えているときは「辞めることが前提」になり、辞めるメリットに焦点があたりがちです。そんなときこそ、いったん冷静になって、辞めることのデメリットも考えてみましょう。メリットとデメリットを天秤にかけて検討することで、後悔のない選択ができるからです。
第三者の意見も交えて退職の意思が固まったら、円満退職をするようにしましょう。昨今、退職代行が使われることも多いですが、次のキャリアは「職場の人から応援されること」で始まります。応援されるためには、業務の引き継ぎをしっかりおこなう、挨拶回りをする、繁忙期は避けて退職するなど、職場への気遣いも必要です。気持ち良く次のキャリアにつなげるためにも、応援されるような退職をしましょう。
次のキャリアを正解にできるかどうかは自分次第
しかし、なかには辞めどきを考えているうちに、本当に辞めても良いのかと悩み始める人もいますよね。そんなときにお伝えしたいのが「自分が選んだ道を正解にする」という言葉です。人生の選択肢に正解はないため、「その後の行動で自分が正解を作る」という覚悟を持っておいてくださいね。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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評価制度の不透明性や上司の誤った仕事観、退職率の高さなどから、勤めていた会社に不安や疑問を感じて退職を考えました。
これらについては、かなり前から会社の上層部に相談をしていました。しかしそれでも改善されず、退職者が続いたことで業務負荷まで増してくる状態でした。ちょうどその時期に結婚することが決まったこともあり、さまざまな要因が重なった今が辞めどきだろうと転職を決意しました。
大きなきっかけとなった結婚と、ちりつもになっていた会社への不満が重なったため、転職の決断を悩まずに下すことができました。