「残業したくない」は甘えなの? 残業の削減方法をリアルな体験談とともに解説
「残業したくないけどまだみんな残ってる……」
「帰りたいのになかなか仕事が終わらない……」
「残業続きで働き方に限界を感じる……」
仕事が終わらずに帰宅が遅くなってしまったり、「残業しない=甘え」という考えの上司や残業が普通になっていたりする職場にいると誰しも「残業したくない」と思うのではないでしょうか。
「残業がつらい」「帰りたい」と思いながらする仕事にはなかなか身が入らず、ネガティブなまま仕事と向き合うのは精神的にストレスに感じますよね。
この記事では、そんな「残業したくない」という気持ちを解決するための方法や、先輩のリアルな声を交えながら残業への意見を聞いてみました。働き方に限界を感じている人や、残業を軽減したいという人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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「残業したくない」に対する先輩のぶっちゃけた意見を大公開!
時代の流れとともに残業の在り方も変化していることもあり、残業に対する考え方は人によってさまざまです。
そこで、まずは社会人の残業に対する意見を聞いてみましょう。気になる「残業したくない」という意見に対しても本音で語ってもらったので、同じ考えに共感してもよし、新しい考え方を知るもよし、あなたの考えと似ている意見がないか確認しながら読み進めてみてくださいね。
そもそも残業には賛成派? 反対派?
最初に残業自体に賛成か、反対かを自由に述べてもらいました。
残業をすれば仕事が多くできるので行動量が増え、成長につながるとポジティブに考えている人もいれば、非効率にだらだら仕事をしているのはネガティブであると考えている人もいるようです。
また、残業の意味を考えたうえで、賛成でもあるし反対でもある、というスタンスで仕事に取り組んでいる人もいるようですね。
賛成でもあり反対でもあります。何のための残業なのかを考えたときに、生産性を落として残業をするのが日常になっているのであれば、残業をしないように効率化を考えるべきだと思います。日々の業務を時間内に終えて、自分自身でもっと頑張りたいという気持ちから、必要な努力をする残業はありだと思っています。
どちらかというと反対です。限られた時間の中で業務を終えられるよう効率的に日中の業務を進めることが重要だと思います。また、時間内に終わらない業務が降ってくる職場は仕組み自体に問題があると思うからです。もちろん、何か大きなトラブルがあったり、休みの人の代理業務があったりという場面もあると思いますが「残業しているから頑張っている」というような価値観を無くし、適切な業務配分や効率化をしている会社や社員が評価されるようになればいいなと感じます。
反対です。私は効率良く、素早く仕事を終わらせたいタイプなので、なるべく時間内にやり切れるように業務の効率化をしています。残業はしない、と徹底した方が勤務時間が充実すると思います。残業してもいいと時間に対する姿勢を緩くするよりも、限られた時間で集中したほうがいいのではないか、という意見です。
「残業に賛成」という意見の人に質問です。 どうしてそう思ったのか、教えてください!
日々の業務がしっかりできている前提で、任意で残業をするのは良いと考えています。行動量が多い分、仕事の量は増えますが、もっと成長したい、差を付けたい、など明確な目標があるのであれば残業を肯定したいです。ただ残業をしすぎて体調を崩してしまうと本末転倒なので注意が必要だと思います。
「残業に反対」意見の人に質問です。 残業に反対だと思う理由や、どんな状況であれば残業を許容できるかを教えてください!
突発的なトラブル、一時的な繁忙期や欠員、大きな事業計画に向かって前向きな取り組みがある場合などは残業をしてもいいのではないかと思います。ただ、社員が残業をしてくれるからと、明らかに業務時間内で終わらない業務を投げたり、人員補充をしないような状況だったり、ダラダラと仕事をして遅くまで残ったりするような残業は良くないと思います。
ミスのリカバリーや突発的な仕事など、普段からきちんとやっていても対応しきれないことに関しては、残業で対応するのは良い考えだと思います。誰かが休んでいるのであればチーム複数人でカバーした方が効率が良いと思うので、そういう場合は多少許容します。
現職の残業の状況は?
実際の残業時間が少ないから「残業に賛成」という人もいるでしょう。反対に、ひと月の残業時間が多すぎるがゆえに「残業に反対」という意見もあります。
それぞれの職場環境や役職によって残業の時間や発生頻度は異なるため、月にどれくらいの残業をしているか、それを「多い」と感じるか、「少ない」と感じるかを聞いてみました。
もしかしたら、自分が思っているよりも周囲は残業をしていないのかもしれませんし、キャリアアップや昇給のためには一定必要なことかも……という気付きになるかもしれませんよ。
1カ月あたりの残業時間を教えてください。また、その残業時間に関して、多いと思うか少ないと思うか教えてください。
月15~20時間程度です。特に多いと感じたことはありません。私は40時間ぐらいであれば問題なく残業ができると思っています。在宅での仕事か出社して仕事をしているかで変わる部分ですが、残業があること自体を懸念には感じていません。営業をしていたときは、60時間ほどの残業に加えて、休日出勤しないと仕事が回らないこともあり、その際はさすがにしんどいと感じました。
現職は平均で月10〜15時間程度です。前職で30〜45時間程度の残業をしていたので、かなり少なくなったと思います。ただ、前職より定時が1時間遅くなったこともあり、退勤後はバタバタとすることが増えたので、定時の時間や在宅勤務の有無によっても感じ方が変わるような気がします。
今の仕事では残業は月5時間もないと思います。ほぼ毎日定時で帰っているので、周りの社員の中でもかなり少ない方だと思います。それこそ残業するのは突発的な問題があった時のみで、基本的に残業しません。
仕事の役職が変化したり、キャリアアップによって、残業時間は変化しましたか?
そこまで変化はしなかったです。業務と同時にメンバーをマネジメントできる環境にあるので、別で残業が増えるということは起こりませんでした。目標やスケジュールの管理などで少し策を練ったりするのに時間はかかっていますが、それでもほんの少し増えた程度です。
残業への価値観が変化したことはありますか?
新卒の時と比べると、残業に対する価値観は変わったと思います。現在の仕事はスピードが命なので、顧客からの連絡には、すぐに対応することを心掛けています。それが業務時間外になることがしばしばあるのですが、自身の使命感でやっていることでもあるので、残業をしていても「必要なこと」と割り切れています。
進んで残業をしているということがあれば、どのような理由で残業をしているのかを教えてください!
自己成長のためにやっていることが多いです。ほかの人がやっていない取り組みを業務時間外にやることで行動量と経験を増やしています。その積み重ねが数年後大きな差を生みだすと考えているので、残業にそこまで抵抗感はないです。もちろん、仕事以外の時間も大事なのでやりすぎないように30時間以内に抑えています。
「残業したくない」という意見に対してどう思う?
最後に、一番気になる「残業したくない」という意見について回答してもらいましょう。
「残業したくない」と伝えると、上司に「甘えていると思われるかも」「自己中心的に捉えられるかも」と不安を抱えることもありますよね。また、残業が普通になっている職場では少し冷めた目で見られるなど、居心地が悪くなる経験をした人もいるのではないでしょうか。
ここでは、周囲の「残業したくない」という人に対して抱くイメージや、後輩社員が「残業したくない」という意見の持ち主だったらどうするか、などを聞いてみました。
働いている職場に、「残業したくない」という意見の人はいますか? そのような意見の人に対してどう思っているか正直に教えてください。
私は事務職なのですが、事務職をしているほかの社員も残業しない派です。自分もなるべく残業をしたくないので、それぞれが自分の仕事をきちんと管理できているなら、無理にしなくていいと思います。ただ、明らかに人よりも忙しい人がいるのにそそくさと帰られてしまうときは「手伝ってほしいな」と感じてしまいます。
定時の5分前から鞄の荷物を入れ始め、定時と同時に席を立つ方がいます。残業せずに早く帰りたいという意見には私も大賛成なのですが、ほかの人の業務に影響が出るような仕事が終わっていない状況でそれをされるとどうしてもモヤモヤとしてしまいます。ほかの人がかかわる業務に支障が出ず、誰かが代わりに業務を被る、という状況にならないのなら、すぐに帰っても問題ないと思います。
もしも後輩に「残業したくない」という社員がいたらどうする?
「残業は嫌だよね」と共感したうえで、残業をしないように、どう業務を改善したらいいかを一緒に考えています。
また、どれだけ効率化しても突発的に残業が必要な場面は出てくると思うので、そういった場面ではその日に対応しなくてはいけない理由や、時間を置くことでトラブルが発生するリスクを一緒に伝えています。
その分、何事もない日は「定時だから帰って大丈夫だよ」と帰りやすいような声掛けをして、安心して仕事ができるような環境づくりを心掛けています。
残業が嫌な人に当たり前のことだ、と言っても伝わりづらいと思いますし、私自身も早く仕事を終えたいと思うので、できるだけスタンスを尊重できるようなかかわり方を意識しています。
基本的に残業は強制ではないので、残業しないためにどうすればいいかを一緒に考えます。
手こずっている部分や、仕事が終わらない原因を洗い出し、優先順位を付けて改善できるように計画を立てるのが効果的だと思います。
一度業務改善ができれば、今後の効率化にもつながりますし、「残業したくない」という言葉自体がなるべく出ないように早急にケアするような基盤ができます。
人によっては「残業したくない」という意見に対してネガティブに感じる人もいると思いますが「言わせない・周りに聞かせない」という対策をするのが私の考えです。
残業=悪とは言い切れない! 残業をきっかけに自分の働き方を見直してみよう
ここまで、いろいろな意見を紹介してきましたが、ひとつ覚えておいてほしいことは、「残業は必ずしも悪ではない」ということです。
働き手の中には、自己研鑽や行動量を担保することを目的にして残業をしている人もいますし、それを努力と認め評価する企業も一定数存在します。また、早く次のステップに進んで仕事への理解を深めたいという人は、多く業務を経験をするために残業する、という手段を取ることもありますよね。
もちろん「残業したくない」という意見も、わがままや自己中心的な考えではありません。残業の時間を減らして、家庭や趣味の時間と両立させたいという考えは近年増加傾向にあり、「ワークライフバランス」という言葉もよく話題に上がるようになりました。
残業をするかしないかは、生活の中で何を優先させるかによって変わります。「残業する」「残業しない」のどちらにも優劣はありませんし、無理に意見や働き方を変える必要もありません。周囲に異なる意見の人がいても、「そういう考えの人もいるよね」とひとつの価値観として捉えられると良いですね。
とはいえ、無理やりに残業させられている、残業時間が長すぎて私生活に影響が出ている、自分の体調が限界を迎えているという場合には、一度働き方を見直す必要があります。残業を働き方の目安として置き、いざというときはアラートを鳴らせるようにするのが理想的と言えるでしょう。
データで見る残業の実態と時代の変化
残業に関する意見を一通りみてきましたが、就職をしていた年代や時代背景とともに、残業のあり方も変化しています。
最近では「働き方改革」を国が推し進めていることもあり、企業も残業の軽減やプライベートとの両立を実現できるよう、さまざまな制度の見直しをしています。もちろん、古い気質を持った企業も存在しますが、今と昔で残業がどのように変化してきたのか、残業をする理由などを見ていきましょう。
まずは、「残業をしたいかどうか?」という質問への回答を見てみましょう。識学が実施した「残業に関する調査」では、「残業は絶対にしたくない」と回答した人が23.1%、「どちらかというと残業がしたくない」と回答した人が56.3%となり、全体のおよそ80%の働き手が残業を避けたいと考えています。
残業をしたくない理由として「家庭を優先したいから」や、「心身ともに疲弊するから」「ワークライフバランスを大事にしたい」という意見が見受けられました。
また、この調査では「残業へのイメージTOP5」として、社員にとっての残業と、企業にとっての残業の2つの視点から回答を募っています。社員視点からは1位・2位が「(残業は)嫌だ」「効率が悪い」というネガティブな意見が見受けられるのに対し、企業からの視点では1位の「(残業は)嫌だ」に次いで、2位に「仕事を頑張っている」という意見が出ています。
また、この「仕事を頑張っている」に関しては、社員からの意見としても3位に上がっていることから、残業をポジティブなものだと捉えている人も一定数存在していることがわかります。
あなたの仕事の残業は多い? 少ない?
残業についての考え方と、実際の仕事の残業量について教えてください!
仕事とプライベートをはっきりと分けたいと考えているので、残業はあまり好ましく思っていません。現在月10〜15時間程度の残業をしていますが、前職よりかなり時間が減ったので、少ない印象を持っています。
ない方がプライベートも充実するのでいいと思いますが、悪いものではないと考えています。中には「もっと成長したいから」という理由であえて残業で行動量増やしている人もいるくらいですから、本人の捉え方次第だと思います。
残業はとても嫌いです。自分は残業が少ない会社を選んだので、ほとんど定時に帰れます。残業したとしても数日のことなので、その程度であれば自分は許容範囲です。仕事によっては削減できないこともあると思いますが、私は時間内に仕事を終わらせて家のことをしたいので、仕事だけに時間を取られたくないと感じています。
「残業したくない」は通用するの? 意見を言う前に覚えておくべき3つのこと
社会人として企業に属している以上、企業の取り決めたルールには従わなくてはなりません。「残業したくない」と思っていても、残業をしなくてはいけないケースもありますし、反対に企業側が残業のルールを破っているというケースもゼロではありません。
まずは、「残業したくない」という意見を発信する前に、残業とはどういったものなのかを理解するところから始めましょう。
①残業には上限がある
まずは残業についての基本的な情報を整理しておきましょう。
労働基準法32条によって、働き手の労働時間は一日8時間、つまり週に40時間と決められています。この法律で定められている労働時間のことを「法定労働時間」と言います。
この「法定労働時間」を超えて仕事をする時間を「時間外労働」と呼ぶのですが、これがいわゆる「残業」にあたります。
企業が社員に残業をしてもらうには条件があり、一つ目に「労使協定(36協定)」という取り決めを社員と結んでいること、二つ目に労働基準監督署へ定期的に届け出を出すことの2つが課されているのです。
労働基準法第36条第3項・第4項では、残業の上限はひと月に最大で45時間、1年間で360時間を越してはいけないという制限が設けられています。例外は存在しますが、基本的にはこれを超す労働を企業が課してはいけません。
残業時間があまりにも多いという人は、一度自分の業務が法律に違反していないか、違反する余地がないかを確認してみましょう。
厚生労働省が公開している「36協定で定める時間外労働及び休日労働 について留意すべき事項に関する指針」では、残業に関する決まりが簡単にわかりやすくまとめられているので、残業についてより詳しく知りたい人はチェックしてみてくださいね。
②企業の残業命令には従わなくてはいけない
それでは、いざ企業や上司から残業を命じられたときに「残業をしたくない」という意見が通用するのでしょうか?
一般的に企業は、上記で説明した「労使協定の締結」と「労働基準監督署への届け出」に加えて、社員の労働契約書と企業の就業規則に残業についての旨を記載しなくてはなりません。結論として、以下の条件が揃っている場合は残業命令は正当な権利であるため、社員は残業をする必要があります。
①企業が社員と労使協定(36協定)を締結している
②労働基準監督署へ届け出が完了している
③労働契約書と就業規則に残業についての規約が明記されているかつ広く公開されている
とはいえ、企業は社員に無限に残業をさせることはできませんし、労働基準法に定められている「1日8時間、週40時間」を超える業務は基本的に義務ではありません。「残業したくない」と考えている人は、義務ではないが、やらなくてはいけない場面があると理解しておきましょう。
③正当な理由がある場合は拒否ができる
上記で説明した通り、基本的な条件がそろっていれば残業命令を無視することはできません。しかし企業側に違法性がある、働くのが困難な状況にある、など正当な理由があれば、残業命令を拒否できる場合もあります。
当てはまるのは以下のパターンです。
・企業が労使協定の締結や届け出をしていない、労働契約書・就業規則に明記していない
・業務上不必要な残業である
・労使協定(36協定)の残業上限を超えている
・体調不良である
・妊娠している、もしくは出産してから1年未満である
・育児や介護の必要性がある
上記いずれかに当てはまる場合は、残業を正当に断ることが可能となります。業務をするうえで不必要な残業かどうかは厳密に線引きがないため個人の判断によりますが、体調不良やライフイベントにかかわるものは、残業を拒否できる権利があることが労働基準法や介護育児休業法に明記されています。
入社前に確認するべきポイントは?
今勤めている会社は前職と同じ業界なのですが、残業が多い業界だということを知っていたので、会社の平均残業時間ではなく、私の受けているポジションの社員が、実際にどれだけ残業しているのかを確認しました。
見込み残業代として、月に40時間ほどの手当がついていたことがかなり不安だったのですが、聞いてみると実働は月10時間程度とのことでした。
入社して数年経ちますが、月の平均残業時間は10〜15時間程度に収まっているので大きなギャップは感じず働くことができています。
事前に求人内容や就業規則を確認するようにしていました。なぜなら、就業中に何かあった際に、そのトラブルが労働条件や規則に大きく反していないかを判断するためです。
また、残業についてはパワーハラスメント的な要素がないかどうかをしっかりと確認しました。新卒で入った企業は東証一部上場企業だったので、労働基準については厳しい部分もありました。反対にベンチャー企業の場合は、基準があいまいになっている部分があったり、規定があったとしても形だけだったりすることがあります。
社風に従えばいいという雰囲気になることもあるので、周りの雰囲気に違和感を感じたときのために、事前に詳細なチェックをすることをおすすめします。
本音で語る! 「残業したくない」と感じる5つの状況
近年では働き方改革とともに、仕事とプライベートの両立を心掛ける「ワークライフバランス」という考え方が浸透してきました。就職の軸に「ワークライフバランスが取れる企業」を挙げる学生も多く存在します。
しかし上司が「残業=企業への貢献」という流れを受けて残業を多くしてきた人や、「残業しない=甘え」という空気が残っている企業では「残業したくない」という意見自体が理解されにくい場面もありますよね。
ここでは、そんな今の働き手が「残業したくない」と考える主な状況や理由を、リアルな声を交えながら紹介していきます。自分の「残業したくない」という気持ちもどこから来るのか、あてはめて考えながら見てみてくださいね。
①業務の量が多くて仕事が終わらないと感じたとき
そもそもの業務量が多く、残業が終わらないことに対しての絶望感を感じたとき、「残業したくない」と考えることが多くなります。
この場合、元より仕事の振り分けに無理があるのか、職業上突発的な業務が入ってしまうのか、それとも効率的に仕事ができていないのか、など原因はさまざまですが、定時を大幅に過ぎても終わらない状況や、過度な残業が連続したときには「残業したくない」と考えるのは当然でしょう。
②家庭に時間を使いたいとき
働いている人の中には、待っている家族がいる人も。一口に「家庭」と言っても、誰かと共同生活を送っていたり、実家の家族と一緒に住みながら勤務していたりなどさまざまです。
仕事の時間ばかりではなく、家にいる家族や同居人との時間を大切にしたい、イベントや記念日などは一緒に過ごしたい、というスタンスの人は、残業してしまうと家族との時間を切り詰めてしまうことになるため、なるべく残業を避けて帰宅したいという意見もあるようです。
③趣味や一人の時間を充実させたいとき
仕事だけが人生ではありません。漫画、ゲーム、読書、推し活、筋トレ……自分の好きな趣味に没頭することで、仕事のストレスを発散し、適度なリフレッシュができます。リフレッシュすること以外にも、資格取得のために勉強をしたり、副業などで活動をしている場合は、「自由に使える時間が多く欲しい」という意見を持っている人が多いでしょう。
中には趣味に必要な金銭を稼ぐために仕事をしているなど、仕事以上に趣味にモチベーションをもっている人もおり、仕事以外の時間で自己研鑽をしている人もいます。もちろん一日の多くは仕事に割いていますが、それ以外の時間は「プライベート」と線引きをして、趣味と両立したいと考えている働き手は少なくありません。
④仕事がつまらないと感じているとき
「今自分のしている仕事に意味があるのかわからない」
「自分の目指すキャリアとつながっているかわからない」
「やりたい仕事ではない」
自分の仕事をつまらなく感じていたり、やる気が出ない状態だったりすると、1分でも早く仕事を切り上げたいと感じる人もいるでしょう。
ほかにも、自分が思い描いていたイメージと実際の仕事内容にギャップを感じている、頑張っているのになかなか成果が出ない、という状況に陥っていると、残業することにメリットがないと考えてしまう傾向にあります。
仕事がつまらない、面倒くさいと感じながら働くのは精神的にもストレスになります。この記事ではそんなネガティブな気持ちと向き合う方法を体験談を交えながら紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
仕事めんどくさい…みんなの体験談から紐解く「気持ちの切り替え方」
⑤会社の居心地が悪いと感じたとき
上司が怖い、人間関係がうまくいっていない、会社全体の雰囲気が悪い、など安心して仕事をする環境でない場合、なるべく職場にいたくない、という気持ちから残業をしたくないという人もいますよね。
コミュニケーションが円滑に取れない、常に社員や上司の機嫌が悪いという職場や精神的に疲れることが多い企業では、残業せずに一刻も早く帰宅したいと考える働き手は多くいます。
「マズローの欲求5段階説」という学説では、人間の抱く欲求を5段階にわけています。これらの欲求は、一つ下の欲求が満たされると一つ上の欲求を抱く、といったように段階的に生まれていくものとされています。
そのため、健康で経済的な余裕がある状態(=安全欲求が満たされている)だからこそ、その一つ上の欲求である社会的欲求が生まれ、組織へのつながりや希薄な人間関係に悩み、会社の居心地が悪く感じているのかもしれません。
深刻な場合は第三者に相談したり、早急に改善を測らなくてはいけないケースもありますので、このあとに紹介する残業への対処法も参考にしてくださいね。
パネリストはどんな時に残業へのストレスを感じる?
もともと「仕事とプライベートははっきり分けたい」という考えを持っているので、残業の多い日が続いて、だんだんとメリハリがなくなってしまうと、仕事に対するモチベーションが下がってしまいます。
以前は仕事中心の生活をしており、それはそれで充実もしていましたが、今は結婚などのライフイベントを経て生活環境が変わったこともあり、残業が長引くと私生活への影響が大きくなるためかなりストレスが溜まります……。
また、正直なところ仕事をする前に「どうせ残業だろう……」と予想がついてしまうと、やる気も下がってしまう気がします。勤務時間中に効率良く仕事を終わらせて、定時外は家のことやプライベートを楽しむ生活ができるのが理想だと思います。
私は、「収入が欲しいから働いている」というスタンスなので、本音を言うと仕事にかける時間は最小限にしたいです。
自分のやりたい仕事があるのであれば、また話は変わってきますが、私にとっての仕事の優先順位はかなり下なので、労働時間が延びる残業は嫌いです。
残業をするとダラダラと過ごしてしまうような気がして、時間がもったいない、と思うことがストレスに感じます。
限られた時間で仕事をこなし、スッキリした気持ちで自分の時間を過ごすというルーティーンができないと、余計に仕事にやる気が出なくなってしまいます。
残業をしたくないのに…… 残業がなくならない原因とは
ここまでは、残業についての知識や「残業をしたくない」と考える理由について紹介してきました。自分の状況に当てはまるものや、「わかる!」と共感できる理由はありましたか。
「残業したくない」と思ってはいても残業時間が減らない人は、今発生している残業が外部の要因によるものなのか、自分の仕事の効率が要因なのかを確認してみましょう。原因を特定できれば対処法を実践することで、残業の軽減ができるかもしれません。
ここからは、残業を発生させる主な要因について解説していきます。もし心当たりのある項目があれば、残業を少しでも軽減できるように、あとに紹介する対処法までチェックしてみてくださいね。
会社の労働環境や社風が原因
まずは、仕事をする職場や、人間関係も含めた社風に関連する項目です。どちらかというと自分ではなく、自分を取りまく環境に原因があるパターンのため、すぐの改善が難しい場合もありますが、中には自分の行動で対処できるケースも存在します。
給与が残業代だよりになっている
経済的な理由で残業せざるを得ないケースもありますね。企業によっては固定残業代を導入している場合もありますが、残業時間に別途給与が支払われる形態を取っている企業では、給料を高くするために会社に残る人もいるようです。
実際に、識学が2023年に実施した「残業に関する調査」によると、「残業をしたいか」という問いに対して8割の人が「残業したくない」と回答したのに対し、2割の人が「できれば残業をしたい」と答えるという結果になりました。「残業をしたい」と回答した人には、「残業代なしでは生活が苦しいから」「給料が増えるから」といった経済的な理由が見受けられました。
残業することが普通になっている
定時を過ぎてもずっとオフィスに残っている社員が多いと、帰る際に何ともいえない気まずさを感じますよね。一緒に働いている人が夜遅くまで仕事をしているといわゆる「付き合い残業」が発生していることもあるのではないでしょうか。
また、「残業=頑張っている・当然」という価値観の企業では、強制されていなくても、暗黙の了解として残業することを迫られているように感じてしまうのも一因です。
また、一部のベンチャー企業や体育会系の気質を持つ業界・業種では、企業自体が成長環境にあったり、業績を伸ばすために残業を支持していることもあります。
仕事のパフォーマンスが出ない環境で働いている
業務を進めるうえで仕事のパフォーマンスが出しにくい状況で働いている可能性もあります。たとえば、社内で使用するツールやシステムに支障がある、業務遂行上必要な権限が与えられていない、などから業務が困難になっている例です。ツールや道具などの外的要因で、いちいち仕事に足止めを食らうことがストレスに感じるという人もいるのではないでしょうか。
業務で必要な物が十分に揃っていないこと以外にも、モチベーションの面で、自分の仕事に責任感を持てない、業務をする動機がわからない、業務に必要な能力やスキルが足りていない、などの理由が挙げられます。
また、残業が原因で生活習慣が乱れている人は、睡眠不足や私生活の乱れも仕事のパフォーマンスを出せない要因になっている可能性があり、これを放置するのは危険です。
円滑に業務がすすめられていないことがストレスに感じている人や、仕事に動機づけができていない人、自分の体調に問題を抱えている人は、業務量は適切なのに仕事へのパフォーマンスを出しにくくなっていることから、業務全体が滞っていることも考えられます。
仕事内容や業務量が原因
次は、職業の特性から残業が発生したり、業務量が多いことで仕事が終わらないという場合の原因を紹介します。
中には自分の仕事の進め方を改善すれば、残業の改善につながる可能性もあります。
業務量が多い・計画性がないなどで仕事が終わらない
残業の発生理由として一番起こりうるのが、この「仕事が終わらない」という状況です。
これに関しては、そもそも与えられている業務量が多くて仕事が終わらないのか、それとも自分のスケジュール管理や仕事のこなし方が非効率的なのか、など考えられる原因はさまざまです。
ほかにも、退職者が連続したり、ライフイベントによって休暇を取る社員がいれば、残りの人員で業務量を確保しなくてはいけないため、一人当たりの負担が大きくなることで「仕事が終わらない」という状況になることもあります。
その日の仕事が終わらないと「終わっていない状況で帰ってはいけない」という気持ちになり、残業をして片づけている人もいるとは思いますが、人によってできる仕事のキャパシティは異なるため、限界を迎える前にどうして仕事が終わらないのかをセルフチェックしましょう。
仕事が終わらずに残業が発生しているという人は、この記事もあわせてチェックしましょう。経験者が仕事の効率化のコツを紹介しているので、思わぬ解決方法が見つかるかもしれませんよ。
仕事が終わらない人のお助け帳|体験談から知る乗り越え方と解決手順
顧客対応や突発的な業務が発生している
接客業や営業で起こりがちなのが、突発的な顧客への対応です。相手がいて初めて成り立つ職業では、自分のスケジュールよりも顧客のスケジュールにあわせて動くことが求められます。
これにより予想外の業務が発生し、しなければいけない仕事が後回しになる、というサイクルに陥ってしまうと、慢性的な残業が続き、それが習慣化することも考えられます。
繁忙期が多い
年に何度も繁忙期がある業界では、忙しい時期は残業をする、という考え方前提の企業や社員も少なくありません。
サービス業であれば大型連休のゴールデンウィークや年末年始、不動産業であれば引っ越しの多くなる1〜3月や9〜10月などが繁忙期です。これら以外の業界でも、年末年始や年度末にあたる3月、年度始まりの4月などは、人事異動や決算などの理由からどの企業でも業務が多くなる傾向にあります。
繁忙期が多い業界では、忙しいがゆえに人の増減が盛んになり、慢性的に人員不足という状況もできあがりやすいと言えるでしょう。
あなたの残業の原因は何だった?
現在は営業社員のサポートのような立ち位置にいるのですが、午前中から夕方くらいまでは営業担当の社員が顧客対応で社外で業務をしており、夕方以降に社内への業務の指示が降りてきます。
そのため、夕方以降からバタバタと仕事に取り組むことが多く、一定の残業が発生しています。急ぎではない業務については次の日の午前中に対応するなど、大きな残業にならないようにルールが決まっていますが、当日中に対応が必要なものについては、都度残業することで対応しています。
そのため、個人的な予定や通院などでどうしても残業ができない日は、前日や当日の朝に、「当日対応が必要なものは○時までにご連絡ください」とアナウンスをするなど工夫しています。
効率が著しく悪いか、計画が明確に立てられていなくて、やることが不透明になっていることが多く残業の要因となっていました。
そのため、仕事を進めるうえで一番大事なのは計画性だと思います。やらなければいけないものをすべてピックアップし、その中で緊急の仕事と重要な仕事を分けていきます。分別した仕事の中でもさらに優先順位を付けていくと仕事がしやすく、だんだんとミスも減っていきます。
また同じような作業が複数ある場合はそれを一気にやってしまう、同じことは同じ時間にすべてやりきるなど、仕事にまとまりを持たせることで効率性は上がりました。
残業削減への道! 定時で終わるよう仕事の効率化をする方法を伝授
ここまでは、残業の主な原因を紹介してきました。あなたの残業が減らない原因はありましたか。残業が増えることを見て見ぬふりすると、だんだんと自分のケアもできなくなってくるうえに、仕事の疲れで休日も無気力になってしまうなど、私生活への支障も出てきます。
そうなってしまう前に「残業したくない」という気持ちの解決と、残業を減らすためにできることを実践していきましょう。ここからは残業を減らすためのちょっとしたコツや、自分の仕事の効率化をする方法を紹介していきます。
明日から試せる簡単なものもあるので、自分だったらどれから始めようかイメージしながらチェックしてみてくださいね。
スケジュールを計画的に立てる
始業時間になったら、まずメールのチェックか社内からの連絡を確認する……そんな習慣がついていませんか。
仕事の効率化の第一歩として、1日・1週間・ひと月の予定を計画的に考えることから始めましょう。仕事が始まったら一番最初に考えるのは「その日の過ごし方」です。ひと月単位で目標が決まっている人は、1カ月単位、1週間単位で計画を立ててもいいですね。
計画を立てるときはなるべく具体的に日付や数字、内容を入れ、納期や締め切りがある場合は多少の余裕を持ってスケジュールに組み込みましょう。
良くない例
・今週中に開発を終わらせる
・今日の午後までにメールに返信する
・月初までにアポイントと資料作成とプレゼン準備をする
良い例
・4月20日までに開発のテストを終わらせる
・今日の午後14時までの時間でメールに返信する
・5月1日までにアポイントを5件獲得とプレゼンの準備、5月2日の13時までに資料作成を済ませる
ほかにも、GoogleカレンダーやMicrosoft To Do.、社内で使用しているスケジュール管理ツールに予定を入力し、周囲に見えるようにしておくこともおすすめです。
残業を避けるには「自分の仕事を業務時間内に終わらせる」ことが一番の近道です。朝の5分でメールをチェックをせずに、まずは自分で1日の計画を立ててみるだけでも、仕事の効率は少しずつ変わってきますよ。
タスクの線引きをする
残業が発生している人には、その日にマストで終わらせなくてはいけない仕事・そうではない仕事の区別をつけていない人が多く見られます。
また、その日にやることが決まっていても、タスクの優先順位を決めておらず、終業時間まで重要な仕事が残っている、ということから残業が発生していることも考えられます。
そんな人におすすめしたいのが
①その日のマストのタスクを決める
②マストの業務には優先順位を付ける
の2つです。
①ではまず、「今日絶対に終わらせないといけないこと」を考えておきます。明日に回すことで自分の仕事の進捗が悪くなったり、締め切りが迫っているもの、連絡しなくてはいけないことを抜けもれなく考えます。
②では、①で挙げた、「絶対にしなくてはいけない仕事」に優先順位をつけましょう。優先順位を決めるときは、
・時間が決まっているもの(電話・会議のアポイントメントなど)
・締め切り・納期が直近に迫っているもの
・自分以外の人(チームメンバー・顧客)が複数人かかわっているもの
などの観点から、進める順番を決めておくのがおすすめです。仕事に手間取っているうちは、自分で決めた優先順位を上司に確認してもらうのも効果的ですよ。
もし、優先順位の決め方に迷うという人は以下のフォーマットに仕事をあてはめてみて下さい。①〜④の順番で優先順位を可視化できれば、おのずと緊急・重要度の高い仕事から進めることができますよ。
目標時間を作りタスクを細分化する
スケジュールの管理もできている、タスクの優先順位もしっかり決めている、1日でやることを明確化しているのに、なぜか定時を過ぎても残業している……という人は、一つひとつのタスクに目標の時間を決めましょう。
たとえば、「顧客への電話はこの10分間でまとめておこなう」「資料作成は30分だけ時間を使う」など、決めた時間のなかでその業務に集中します。最初のうちは携帯のストップウォッチやリマインダ―などの機能を使用して、費やしている時間を測定するのもおすすめです。
一度仕事にかかる目安の時間を分析すると、自分が思っていたより時間がかかっていたり、途中で集中が切れて別のことをしていたりなどの傾向がわかるかもしれません。
また、制限時間を設けたら、その時間でおこなうタスクも一緒に細分化しましょう。たとえば、「資料を作る」と言っても、大枠の構成を作る、文章を入力する、データを挿入する、仕上げる、ミスがないか確認する、印刷する、などの細かな作業が存在します。
「資料作成を30分で終わらせる」と決めたら、「最初の10分で構成を作り、15分で入力、最後の5分で最終確認をする」と詳細を決めてから動き出してみましょう。
朝にクリエイティブな仕事/夜に単純作業をおこなう
人間の脳は朝と夜で得意なことが変わります。朝の間、脳はアイデアやひらめきをする機能が得意で、夜は単純作業や記憶の定着に優れています。テスト勉強をするときに、「朝早く勉強して、夜寝る前に暗記をするのが効果的」と言われた人もいるのではないでしょうか。
起床してから3〜4時間後に脳の動きが活発化することから、柔軟な思考やクリエイティブな業務ではパフォーマンスが上がりやすいため、自分にとって難易度の高い仕事やプレゼンテーションなどに着手すると集中しやすくなりますよ。
反対に、起床してから時間が経てば立つほど、脳を活発化させるホルモンが少なくなってくるため、単純作業や事務作業の方が集中しやすくなってきます。
脳の働きを有効活用しながら業務に取り組めると、自然と仕事をしやすいと感じることが増える可能性もあります。「朝にクリエイティブな仕事、夜に単純作業」と覚えて、実践してみてください。また、始業時間に合わせて起床時間をコントロールするなど、生活習慣を整えることもおすすめします。
属人化している仕事がないか確認する
自分がしている仕事、もしくはチームや上司のしている仕事の中に、特定の人しかやり方を知らないという仕事はないでしょうか。
もしあなたのしている仕事が、あなたしか対応方法をしらない仕事であれば、属人化している業務によって残業が発生している可能性があります。
「ほかの人でもできるのに、自分がいないと進まない仕事」がないか一度振り返ってみましょう。あなたしかできないがゆえに、その業務が占める仕事の割合が高くなっているかもしれません。もしほかの人でもできるものであれば、マニュアルを作成して公表する、やり方をほかの人に伝授するなどの手段を試しましょう。
自分のノー残業デーを作る
そもそもの前提として、働き手は定時を過ぎたら帰宅することができます。もし定時になっても帰りにくい雰囲気や環境の中で働いている人は、会社にノー残業デーの制度がなくても、マイルールとしての「ノー残業デー」を作ってみてはいかがでしょうか。
たとえば、毎週水曜日は定時で帰るようにする、仕事が全部終わった日はすぐに退勤する、月に3回は家族との時間を設けるなど、自分のライフスタイルや仕事のスケジュールに合わせながら、「残業しない日」を作ってみましょう。
周りが残業していて帰りにくい、という人も、理由を聞かれたときに「予定があるので、今日はお先に失礼します」と簡単に挨拶して退勤すれば、悪い印象にはなりません。業務量の関係で難しいこともあるかもしれませんが、メリハリを付けることで集中力も高まります。
自分の仕事は終わっているものの、周りが残業していて帰りにくいという人は、「自分のタスクはやりきった」と割り切るのも一つの手段です。
仕事とのバランスが取れてきたころに「ノー残業デー」を増やしていくなどして、プライベートとのバランスを取れるようになれば、仕事もしやすくなります。
残業するときは目安を決める
残業が発生したとしても「今日はどうせ残業だから……」と、だらだら時間を使うのではなく、なるべく早く切り上げることを意識しましょう。
特に次の日が休日だと、つい「明日は休みだから」という油断から長時間の残業をしがちです。残業時間で何をしなくてはいけないのか、その仕事は必ず今でなくてはいけないのかを考えながら、大まかな目安を作って作業をすすめてみてください。
仕事が終わらないと帰れない、明日に回すと上司に嫌な顔をされる、という心配があるのであれば、まずはキリのいいタイミングで「残業で終わらせたこと・明日やるつもりの仕事」をまとめましょう。
それを上司に報告したり、目標と比較してどこまで急ぐ必要があるかを確認してから帰宅するなど、周囲への情報共有や報・連・相を意識しながら動けば、「どうしてあの時言わなかったんだ」と後に怒られる可能性も少なくなります。
無理なく働くために! 業務量や業務内容について相談する方法を伝授
ここまでは、主体的に仕事を効率化させるコツを紹介してきました。業務時間内に仕事を終わらせることが重要とはいえ、仕事は一人で完結するケースの方が少なく、周囲の協力が必要なときもありますよね。
ここからは、残業につらさを感じたとき、限界を感じたとき、周囲に助けを求めたいときに、アラートを鳴らしたり、働く環境を変化させるきっかけとして使える方法を紹介します。
自分のキャパシティを伝える
マネジメントに携わる上司も、個人によってこなせる業務量に差があることは理解しています。
残業時間を増やしてキャパシティ以上の仕事をこなしていても、いずれ「あの社員は今以上にタスクをこなせる」と認識にずれが起き、従来以上の仕事を任される可能性もあります。業務量と自分のキャパシティが釣り合っていないと感じたら、素直に業務量を変えられないか上司に相談しましょう。
ただし、ただ業務を減らしてほしいという要望だけでは不明瞭な部分が多く、調整する側も困ってしまう可能性があります。
自分のひと月の業務時間と残業時間、業務をこなすスピードや、得意不得意も客観視したうえで、「ここまでなら可能です」と言った代替案を持って状況を発信できると、業務を管理する側も対応しやすくなります。
定期的なミーティングで残業の状況を共有する
上司との面談や個人面談の機会がある場合は、残業の状況を報告するのも手段の一つです。本来、そういった上司との機会は、仕事の進捗や実績以外の話題も共有し、相互理解を目的として設けられています。
「最近残業が増えていて、少しストレスに感じている」とそれとなく上司に相談を持ちかけてみれば、きっと一緒に解決方法を探すなど対応してくれます。
大勢を率いている組織の場合、上司が一人ひとりの残業時間を細かく把握することができないこともあるため、残業をどのくらいしているのか、何時間くらい増えているのか、何に時間を欠けているのかを具体的に話せるようにしておきましょう。
ミーティングで上司と相談したい! と思っても、言いづらい環境にあったり、自分の意見を聞いてもらえない環境にある場合は、もしかするとブラック企業の可能性があります。次の記事でブラック企業の特徴について解説しています。参考にしてみてくだい。
就活生が見たブラック企業の特徴18選|求人や面接で見分けるコツ
残業したくない理由をあらかじめ話しておく
残業をしたくない理由を、個別で上司に伝えたり、軽く周囲と共有しておく方法です。
予定を知られたくない場合や、公にしたくない場合には詳細に伝達する必要はなく、「私用があるため定時で失礼します」程度で共有したりするほか、以下の方法が有効です。
・朝のミーティングや集合時間で一言帰宅する旨を伝えておく
・帰宅時に「お先に失礼します」と挨拶して退勤する
・「○時までなら対応できます」など対応できる時間を公表しておく
私用やプライベートで残業をしたくない理由をオープンにしても問題ないという人は、あらかじめチームメンバーや同僚に共有したり、社内のミーティングやカレンダーのツールを使用したりしてアピールをすることも手段の一つです。
周囲を頼り協力を仰ぐ
残業する・残業しないにかかわらず仕事が終わりそうにないときは、遠慮せず周囲に協力を仰ぐことも重要です。特に個人主義ではなくチームで仕事をしている場合は属人化しているタスクも少なく、ほかの人でも対応できる可能性があります。
もちろん、「自分の仕事を他人に振っていいのだろうか」という気持ちを抱く人も少なくないとは思いますが、社員の予算や仕事の管理をしている側からすると、仕事が進まないことが一番のデメリットです。
自分が遠慮することによってチームや事業にデメリットを与える可能性があるならば、恥ずかしがらずに周囲に協力してもらいましょう。
ほかの人に頼むときは「どうしても自分でやらなくてはいけないこと」と「ほかの人がしても支障のない仕事」を明確にします。
また、急に業務が発生すると、頼まれた相手にとって不都合な場合もあるため、自分の仕事が終わらなさそうだと感じたタイミングで周りを頼ることを視野に入れておくと良いでしょう。
残業の軽減のために工夫していることは?
残業をしないために、業務の優先順位や取り組み方の改善などは常に意識しています。急ぐ必要があるものや誰かを待たせているような業務は最優先で対応し、急ぎでない業務は余力のある日に対応することで日々のバランスを保っています。
私の所属する会社や業界は残業が当たり前の風土であり、サポートやアシスタントのポジションのみが少し早めに帰れているような状況です。バタバタした雰囲気の中で帰宅するときは申し訳ないな、という気持ちになることもありますが、「勤務時間中は全力で対応する」「必要な時に残業し周囲に負荷をかけないよう意識する」の2つを徹底して、月10〜15時間程度の残業をしながら働いています。
人によって仕事へのスタンスが違うことを尊重しよう
人の価値観はさまざまなので、仕事が大好きだ! という人もいれば、仕事中心の生活だと疲れてしまう人もいると思います。任された業務をきちんとこなすこと、必要な時に残業し、柔軟に対応することを意識すれば、日常的に残業せず働くスタンスもアリだと思っています。
メリハリをつけて働いていけるよう、日々業務の取り組み方を見直すなどして、効率よく業務を終わらせられるよう頑張りましょう!
残業が発生する理由の多くは、効率が著しく悪いか、やるべき業務が不透明になっていて、「何をすればいいか」「何をしなくていいか」がわからない、という状況です。
私自身は計画性をもって仕事を進めるために、まずは「重要なもの」「緊急なもの」の2つのカテゴリに分けてから、それぞれどのように進めるかの優先順位をつけていました。
上司に業務のコツや進め方を聞いた
残業をしないために工夫していたこととして、自分が担当している仕事を、自分の上司だったらどのように進めていくかを直接聞いてみるのが効果的だと思います。その時に自分の意見も踏まえて話せると上司との意見交換も活発になります。
知っている人から学ぶのが一番の近道です。上司は部下がいまやっている仕事を既に経験していることが多いので、ある程度効率良くできる方法を伝授してもらいましょう。
こんな「残業したくない」は要注意! 改善が必要な3つの状況
残業を回避するための仕事の効率化や、周囲に伝達する方法を紹介しましたが、それでも残業が軽減されない、周囲の協力も得られそうにない……という人もいるでしょう。
もしあなたの「残業したくない」という気持ちが以下の状態から生まれているのであれば、働き方や職場環境について見直しが必要そうです。
自分の働き方が当てはまっている場合はしかるべき機関や相談相手を見つける必要があるため、「残業に限界を感じている」「残業に疲れ切っている」という人は心当たりがないか一度確認をしてみましょう。
精神的な影響が出ている
仕事のストレスや残業の疲労によって、精神的にダメージを受けている場合は、労働環境を変える必要があるかもしれません。
残業だけでなく、残業を強制されてやりたくないのにしなくてはいけない、残業をせずに帰ろうとすると嫌味を言われるなど、上司や社風から強くストレスを感じている人も少なくありません。中には残業しなくてはいけないという強迫観念から精神疾患を抱える人も一定数存在します。
強制的に残業を強いることや、働き手の健康を損なう残業はパワハラや労働基準法に違反します。改善の傾向が見られない場合は、この後に紹介する対処法を試してみてください。
私生活に悪影響が出ている
仕事以外のプライベートで無気力になってしまう、やる気が起きない、生活習慣が整わないなどが見られる場合は要注意です。
また、月に80時間の残業は「過労死ライン」とも呼ばれ、これを超えていると残業と身体的・精神的健康被害への関連性が高まります。
生活に支障が出ていて普段の生活がままならない人や、精神的に負荷がかかっている場合は、病院への受診を検討しましょう。下記のような兆候が表れている人は要注意です。
・物忘れが激しくなる
・欠勤や早退が増える
・業務上のミスが増えた
・業務をする体力がなくなってきた
・常にイライラしている
・身だしなみに気を遣わなくなる
上記に当てはまる場合、専門の機関へ問い合わせたり、働き方の改善ができないかを一度見直す必要がありそうです。できない場合は、その働き方を手放すことを視野に入れてみることもおすすめします。
企業からの未払いが発生している
残業をしているのに残業代が支払われない、支払いの滞納は労働基準法への違反にあたります。この場合、企業は労働基準監督署から改善の指示や罰金など、公的な処置を受ける対象になります。
自分の企業に残業代の未払いや滞納がある場合、社員は残業をすることを拒否することができます。もし残業代が支払われていないのに残業を強いられる状況なのであれば、企業に残業代の請求をおこなうか、労働基準監督署に通告をする選択肢があり、それでも企業の未払いが続く場合には裁判にまで発展するケースも見られます。
一人で会社に残業代を請求することもできますが、悪質な場合は個人だからと対応がなおざりになる可能性も出てきます。そういった場合には弁護士に相談したり、法的な措置を受けさせるための準備をしていく必要が出てきます。
残業が原因で悪影響が出たことはある? パネリストの実体験
長時間の残業が日常的にあった時期は、平日の仕事に精一杯で休みの土日は家で寝続けてしまうという日々が続いていました。
なんとか頑張って友人と会う機会を作っても疲れが勝ってしまい、なかなか気持ちが盛り上がらないまま、気を遣わせないような空元気でさらに疲れる……という状態でした。
当時の残業の理由は退職者が相次いだことによる業務量の増加と、個人の営業成績が良かったタイミングが重なり、パンクしかけていたことにありました。
この時は上司に相談し、今でなくても良い業務やアシスタントの方で対応可能な業務を一時的に外してもらうことで乗り越えました。
注文住宅営業をやっていた際に多忙な時期があり、休日出勤することもあるくらいでした。
その時期は休日でも顧客から連絡があったり、仕事以外を考える隙がなかったりと、かなり精神的にキツかったです。初めて契約をもらった時期の体験だったのですが同時期に2件の獲得だったので通常よりも2〜3倍業務がある状態になり、改善しようにも難しかったです。
ただ少しでも早く帰れるように業務の優先順位を決めたり、同じような業務は一気にやってしまうなど工夫した点もあったので、残業をしないように最低限やり方は考えるべきだと感じています。
残業をしたくないのに軽減できないときの対処法
前述したように、残業の軽減に励んでも改善されない、自分以外の環境や企業のせいで働き方がなかなか変わらないという人は、外部のサービスや第三者に助けを求めることもおすすめします。
ここからは、働き手の味方になってくれる相談相手や会社の中での制度について解説します。
労務へ相談する
まずは企業の中にある労務部へ相談するという手段です。一般的な立ち位置としては社員の勤怠管理や保険などの手続き、福利厚生の見直しなど、働き手のサポートをしている部署として組織されています。
まずこの労務に対して相談を持ちかけるのが良いのですが、企業の制度の中には労務とは別にホットラインを整備している場合もあります。
労務での対応が難しい、企業内にホットラインが整備されていない、という人は全国労働組合総連合会が提供している、労働相談ホットラインなどを使ってみてください。ほかにも、厚生労働省が運営している労働条件相談ほっとラインでは匿名での電話相談が可能です。
社労士との面談を依頼する
社労士とは、いわば労務のエキスパートのことです。広い知識を持っており、労働環境や残業時間に関する相談や、申請書類の代理作成などさまざまな対応が可能な存在でもあります。
社労士に残業についての相談をする場合は、以下のサポートを受けることができます。
・未払いの残業代の計算
・パワハラなどに対する相談と対処
・労働条件監督署との面談に同席
・内容証明のための書類の作成
社労士によっては対応できることに個人差がありますが、残業代の未払いに関してのサポートを受けられ、返金の手助けなどもしてくれます。また、労働条件監督署との面談では同伴者を付けることが許可されるのですが、専門的な知識を持つ社労士に同席してもらうことで、より解決に近づくこともあります。
残業代や残業を強制するなどのパワハラに困っている人は、一度自分の状況に合わせて社労士との面談を希望することも有力です。
弁護士に相談する
労働基準法などの法律がかかわる残業の話題は、弁護士に相談するのもおすすめです。また、弁護士がバックにつくことで、企業も好き勝手に残業を強制したり、事実を隠ぺいしたりすることも難しくなります。
弁護士に頼る場合は残業代の請求はもちろん、裁判以外の解決方法や証拠を回収する手助けをしてくれる力強い味方になってくれます。また、前述した社労士ではできない対応は弁護士であれば対処できるケースもあります。
ただし、弁護士への相談は相談をしてから、証拠を集める、裁判をする、正式に企業から残業代の支払いを完了してもらうなどの対応で力強い味方になってもらえる代わりに、約20〜45万ほどの費用がかかります。
費用と相談という例もありますが、事態が深刻な場合や自分一人では太刀打ちするのが難しい状況であれば、弁護士を最後の手段として捉えておきましょう。
転職を視野に入れる
残業に対しての制度改革や認識にギャップがあるままであれば、思いきって転職することもひとつの手段です。
近年では、働き方改革やワークライフバランスを取れるように働く、という認識が広まっていることから、会社の休暇制度や勤務制度、福利厚生の見直しをしている企業も多くなってきました。
このまま残業を許容するのではなく、自分の働き方にあった職業を選び、環境を変化させることも効果的な手段です。
とはいえ転職活動に不安を感じる場合は、転職エージェントに登録をしたまま情報収集をしてみたり、実際にアドバイザーと面談してみたりして、客観的な意見をもらうのも良いでしょう。
自分が他者と比べてどれくらい残業が多いのか、少ないのかを知るきっかけにもなりますよ。
パネリストは残業にどう対処した?
残業が多いとき、改善のためにどのようなアクションをとりましたか?
業務量の調整を上司にお願いしました。また、自分の体調を崩さないために、絶対に早めに帰る日を決めて、その日はトラブルがない限り、残業せず早めに帰宅して休むように心掛けました。
他者から学ぶ、自ら学ぶという姿勢がNO残業への道だと思います。具体的には、先輩や上司にやり方を教わるのが一番早いと思います。なぜなら、今の自分と同じ道を通っていることがほとんどだからです。管理職になっているのは自分と同じようなことを数々達成してきたからであって、効率のいいやり方を既に編み出していることが多いです。もちろん自分で考えて効率化できる部分もあるので主体的に学んでいく姿勢も重要だと思います。
誰しも初めての転職を不安に思うものです。以下の記事では、そんな転職の不安についての要因や対処法について、経験者の体験記を交えて解説しています。職場環境を変えたいけど決断できない……という人は当てはまるものがないかぜひチェックしてみてくださいね。
転職の不安はどこからくる? 経験者に聞く自分の不安と向き合う方法
ほかにも、残業が多いからという理由で退職を切り出しにくいという人には以下の記事がおすすめです。経験者が語る注意点を予習して、新しい環境へチャレンジするための一歩を踏み出しましょう。
経験者が語るベストな退職の切り出し方|今だからわかる注意点とは
残業をしたくないと感じても大丈夫! 自分にあわせた働き方で業務をやりぬこう
この記事では、「残業をしたくない」という意見に対して、残業に関する前提知識や対処法なども交えて解説してきました。中には共感できる意見や、「あるある」と感じる話題もあったのではないでしょうか。
残業を苦にしない人も残業したくないと考える人も、どちらも一つの価値観として正しくあり、どちらの考え方も間違っているというわけではありません。個人が自分の人生において、何を優先しているかによって残業への考え方は変化します。
大切なことはいきいきと働けているかどうかです。無理に周囲の考え方や働き方に合わせるのではなく、自分のスタイルでのびのび働いた方が、仕事もプライベートも楽しむことができますよ。
とはいえ、過度の残業や労働は働くうえで一番大切な「健康」という資本を脅かしかねません。もし「残業したくない」という気持ちが自分以外の要因によって引き起こされていたり、残業自体の改善が見込めないと感じたりする場合は、第三者へ相談する、その職場を離れるなどの手段で、働き方を見直していきましょう。
残業をしたくない方に気をつけてほしいことは、「生産性の向上=労働時間の削減」ではないということです。「生産性」とは、どれだけ効率よく仕事をして成果を上げられるかです。残業という労働時間をいくら減らしても、提供する価値が大幅に下がれば生産性も下がることになります。
もちろん、生産性を上げるための一つの要素として「残業をしないこと」はありますが、最も大事なのは「生み出したその余力で何をするか」です。
趣味で仕事に対する活力を取り戻したり、自己学習や人脈作りに時間を充てて成果につなげるなど、作り出した余暇の時間を、自分なりの意図を持って仕事への投資としていく意識は持っておきましょう。
残業をしたくないならまず意識を変えよう
また残業をしたくない人は、自分の仕事の進め方を見直すことも大事です。私が意識している、「定時で帰るためのコツ」を紹介します。まずは、どれか一つ試してみるところから始めてみてください。
・自分の業務は見える化する
・「自分でやらなくてはいけない仕事」と「誰かに依頼できる仕事」を見極めて分散できないか考える
・タスクは15〜30分刻みに分解して把握する
・長時間連続で同じ仕事をせずに、こまめに気分転換する
・同時並行でいろいろな仕事に手を付けず、1つの仕事に集中する
・ゴールから逆算してスケジュールを引く
・期限よりも少し早めに提出して、差し戻されたときの余裕を持つ
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面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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