HSPに向いてる仕事は特性と適性で探す! 自分と向き合うことも忘れないようにしよう
HSPの人は、周囲の動きに敏感で高い感受性を持ちます。
そのようなHSPの学生が就活をすると、働くイメージがうまくできず「自分が無理しない仕事はなんだろう」と頭を悩ませてしまう場合もあるでしょう。「そもそもちゃんと就職できるの?」と不安になってしまうケースも決してめずらしくはありません。
HSPに向いてる仕事を探すには「繊細な人の特性」と「自分の適性」の2つを踏まえて判断しましょう。「HSPに向いてる仕事」と一括りにするのではなく、自分ならではの仕事選びができる視点を持つのが大切です。
この記事では、HSPに向いてる仕事の探し方について、同じ性質を持つ先輩の意見を交えながら解説します。具体的な職種も紹介するので、就活で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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ちゃんと仕事に就ける……? HSP傾向の先輩に就職の実情を聞いてみた
HSPの傾向を自覚していると「こんな性格で選考に通過できるの?」「就職してもすぐに辞めないかな?」と、就活自体に不安がよぎることもあるでしょう。
結論としてHSPの性質を持っていても就職は可能です。現在、国内のHSPの割合は1〜2割程度と言われており、単純計算すると5人に1人は繊細な気質を持っていると考えられます。
もし社会人の5人に1人がHSPによって就職困難となれば、日本の企業は機能するのが難しくなってしまいます。現在日本の経済はしっかりと回っているため、HSP気質を持っていても仕事に就いて働き続けている人はたくさんいることがわかるのではないでしょうか。
そのようなことから「HSPだから仕事に就けない」と悩む必要はありません。自分の適性のある仕事が見つかれば、選考通過はもちろん、長期的な就業の実現もできるでしょう。
これから前向きな気持ちで就活するためには、まずはいまの「就職できないかも」という不安を解消するのが大切です。まずは、HSP気質を持つ先輩が実際に働いて感じたことを知り、「自分も就職できる」というイメージに切り替えましょう。

私もHSPの気質を持っており、社会人生活でその繊細さに苦労することはありますが、この特性が強みとして輝く場面も数多く経験してきました。
たとえば、お客様対応では気を遣いすぎて疲れやすい一方で、ちょっとした仕草や口調から意図を素早く察知し、先回りした対応ができるという点があります。相手の言いたいことや考えを正確に受け止め、その立場や目線に立った対応ができるのもHSPならではの特徴だと感じています。
実際に「〇〇さんは全部先回りして対応してくれる」「いつも言いたいことを正確に受け止めてくれるのでやりやすい」「こちらの目線を大切にしてくれてありがとう」など、周囲から温かい言葉をいただくことができました。
学生時代も「人間関係がしんどい」と感じる一方で、「あなたに話を聞いてもらうと楽になる」といった言葉をもらった経験を持っている人も多いのではないでしょうか。
後ろ向きではなく前向きに自分の気質と向き合ってあげよう
社会人生活でも同様に、HSPだからこそできる対応や、この気質が活きる場面が必ずあります。
この特性をネガティブに捉えるのではなく、むしろ自分ならではの強みとして肯定的に活かしていってほしいです。
HSPに向いてる仕事を探すための「内的要因」と「外的要因」とは
HSPに向いてる仕事を探すには、「繊細な人の特性」と「自分の適性」の2つを踏まえて判断する必要性があると紹介しました。
HSPの自分に合った仕事を探そうとすると、多くの人が「一般的に」HSPに合うと言われる情報のみに耳を傾けてしまいます。しかし、HSPには軽重や種類があるうえに、人の性格自体もそれぞれ異なります。
単に「HSPに向いてるから」という情報だけで就職先を判断すると、自分には合わない仕事に就いてしまうかもしれません。
そのため、「HSPな気質を持つ自分」に向いてる仕事を探すには、HSP全般に言える特性(外的要因)と自分の適性(内的要因)のバランスを意識することが大切です。

たとえば、HSPの特性ばかり意識すると、自分の適性に合った仕事選びがおろそかになります。その結果「自分に合った仕事を選んだはずなのに成果が出せない」と、強みを活かせず悩んでしまうかもしれません。
一方で、自分の興味関心や性格を重視しすぎると、業務内容は合っているものの環境がマッチしない仕事に就いてしまうことも。「仕事は楽しいけど職場の人と合わない……」と、居心地の悪さでストレスを感じてしまう可能性があるでしょう。
2つのバランスを取って生きやすい社会人生活を送るには、HSPそのものへの理解と自己理解を深めて就活を進めることが大切です。多角的な視点で判断できるよう、「内的要因」と「外的要因」について理解し、就活に役立ててみてくださいね。
HSPだからこそうまく就活を進めるために意識したことは?

私が仕事を選ぶ際に意識していたのは、自身の経験からストレスを感じる要素は避けるよう行動することです。
特に私は、同じ人との継続的なかかわりに過剰に神経を使ってしまう性質があり、その場限りの営業なら対応できても、関係構築が前提となる営業は苦手だと感じていました。
ただし、すべてを「できない」と決めつけるのではなく、できることとできないことを細かく分類して考えるようにしていました。このように部分的に分析することで、当初狭めていた視野が広がり「絶対に無理」という考えから「これなら挑戦できるかも」という思考に変化し、自信につながっていきましたね。

これまでの経験を振り返り、「自分が苦手としてきたこと」や「心理的負担を感じた場面」などを詳細に分析するために、自己分析からおこなうようにしていました。
その後、多くて週に5社程度の企業説明会やインターンシップに参加し、各企業に対して評価基準を設けて点数付けをおこなっていました。この自己分析と企業分析を繰り返す過程で、私に適した企業の特徴が明確になってきたと思っています。
そこから自分に合う企業を理解することができ、これらの基準をもとに、最終的な就職先を決めることができました。
価値観や重視する要素は人によって異なるものですが、実際に企業とかかわりながら、自分なりの評価軸を柔軟に調整していくことが重要だと考えています。
自分にあった仕事選びの方法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて確認してみましょう。
まずはHSPの特性を理解しよう
HSPに向いてる仕事を探すには、外的要因と内的要因のバランスが必要であると紹介しました。ここからは、まず外的要因の一つであるHSPの特性について、定義・種類・長所の3つに分けて解説します。
すでに理解していると思っていても、意外と知らない内容があるかもしれません。復習もかねて一つずつ確認してみてくださいね。
HSPとは
HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で日本語では「高敏感者」と訳されており、1996年に心理学者であるエレイン・アーロンにより提唱されたのが発祥です。
日本ではHSPを専門とする心理カウンセラーの開業や専門書籍の発行など、2020年頃から徐々に認知が広まり、今や性格を示す一般的な言葉の一つとして使われるようになりました。
そのようなHSPの特徴としては、次のようなものが挙げられます。
HSP傾向を持つ人の特徴
- 環境の細かな変化に敏感
- 他人の感情を強く感じ取る
- 騒音や強い光などの刺激に過敏
- 深く物事を考える傾向がある
- 芸術や音楽に強く反応する
- 決断に時間がかかることがある
- ストレスを受けやすい
HSPは視覚や聴覚などが敏感で、感受性が高いことが特徴とされており、真面目さや謙虚さを特性とする日本人に当てはまりやすい性格です。
また、HSPは病名ではなく性格の分類であるため、日常生活に支障がなければ病院で診断や治療を受けられません。就職前に自分が本当にHSPなのか知りたい人は、セルフチェックできるアプリやツールを使って自己判断し、結果が気になるようであれば病院を受診すると良いでしょう。
HSPのセルフチェックに使用したツールやサイトを教えて!

HSPのセルフチェックで使ったツールやサイトを教えてください。

「HSP診断テスト」というサイトを使用しました。約50問近くある質問に答えて最終的に結果が出てくるサイトです。

私も「HSP診断テスト」というサイトを使いました。「hsp 診断」とネットで検索したときに発見しました。
HSPの種類
HSPには次の4つの種類があるといわれています。
内向型HSP 「HSP」 |
繊細で刺激が苦手 HSPの中で最も割合が 多いタイプ |
・衝動的ではない ・物事を深くじっくり考えてから行動する ・1人の時間が欠かせない ・人と接すると疲れやすい |
外向型HSP 「HSE」 |
人とかかわるのが好きだけど 刺激に弱い外向けな HSPのタイプ |
・衝動的ではない ・物事を深くじっくり考えてから行動する ・人から否定されるのが苦手 ・率先してリーダーには ならないものの、人に頼られやすい |
刺激追求型の 内向型HSP 「HSS型HSP」 |
HSPの特性と 刺激を求めるHSSの特性が 合わさったもので、 HSPと感じられにくいタイプ |
・1人で挑戦するのが好き ・社交的ではないが、 興味のある人とかかわる ・活動は好きだが疲れやすい |
刺激追求型の 外向型HSP 「HSS型HSE」 |
HSEにHSSの特性が 合わさったもので、 活動的なものの 疲れやすく刺激に弱いタイプ |
・思い立ったらすぐに行動 ・人とのかかわりを積極的に好む ・みずから進んでリーダーになるものの 周囲には敏感 ・ささいな事で深く考え込む |
このように、同じHSPでも内向的・外交的・行動的と種類ごとにタイプが異なるのがわかりますね。就活でHSPに向いてる仕事を探したい場合は、必ず自分がどのタイプなのかを棲み分けしてから進めましょう。
HSPの長所
HSPは「繊細さん」「生きづらい」と言われるなど、悪いイメージを持たれる場合もあります。しかし、繊細で感受性豊かな性格はすべてにマイナスに働くわけではなく、長所もたくさんあるのです。
HSPの長所
- 共感力が高い
- 視野が広い
- 先のリスクを考えて行動できる
- 集団でも細かい気配りができる
- 相手の気持ちになって考えられる
感覚が鋭敏なHSPは、自分だけでなく周囲の気持ちに共感をしやすく、広い視野を持った行動が得意です。ほか、感受性豊かな性格を持つので、相手の気持ちになった聞き上手な人物として活躍できます。
HSP気質の人は、日頃から「気遣いができる」「相談しやすい」といった評価を受けることも多いのではないでしょうか。
就活でHSPな性質がネックになると感じている人は、このように捉え方を少し変えてみるだけで、自分の弱みも強みになります。自分の性格を否定するだけでなく良い部分も認めることで、強みを活かせる仕事選びをしてみてくださいね。
HSPに向いてる仕事75選!経験者が選んだ職種と理由も紹介
次はHSPに向いている具体的な仕事内容について解説します。
この記事では「一般的に」HSPに向いてる仕事について紹介するので、意思決定をするためではなく、選択肢を作る情報として参考にしてください。気になる仕事を見つけて「自分には合っているかな?」と適性を見極めるために活用するのが効果的です。
また、HSPの先輩たちの仕事の見つけ方も貴重な情報になります。経験者が今の仕事を選んだ理由についても耳を傾け、就職先選びの方法を具体的にしていきましょう。
HSPに向いている仕事はどのようにして選んだ?

私は現在フリーランスでWebライターをしており、いずれはSEの道に進む予定でいます。
どちらの職種もHSP特有の思考力を活かしながら、繊細な面もほかの職種よりケアしやすいかなと思いこの道を考えるようになりました。
1人でコツコツすることが好きなので、どちらもリモートワークが多い業界であることも大きな魅力で、HSP気質の私に合っているのではないかと考えています。
ですが、実際にはフリーランス業は自らクライアントと連絡を取って業務のすり合わせをしますし、SEもチーム単位で動きコミュニケーションが必須の職業になります。そのため「完全に一人で黙々とできる」と考えているとギャップがあるかもしれません。

現職への転職活動時、私はHSPとしての特性をそれほど意識していませんでした。しかし、実際に働き始めてから、HSPの特徴である繊細さが活きる場面と、ストレス耐性の低さゆえに苦労する場面の両方があることに気付きました。
特に、繊細さが強みとなっているのが事業部門との折衝です。人当たりの良さや誠実な対応を心掛けることで、多くの方から信頼を得られるようになり、頼られる機会も増えてきました。
人とかかわりの少ない仕事
人とのかかわりの少ない仕事の例
- 研究者
- 図書館職員
- 清掃員
- 工場ライン担当
- 梱包作業員
- 警備員
- データ入力
- 倉庫管理主任者
- 翻訳者
- 校正者
- 夜間警備員
- 森林管理士
- 天文学者
人とかかわりの少ない仕事は、周囲の視線や対人からの刺激が苦手な「内向型HSP」の人に向いています。普段から人と話すと焦ってミスをしてしまったり、視線を気にしすぎて仕事が進まないといった経験があったりする人は、当てはまる可能性があるでしょう。
ただし、人とかかわりの少ない仕事には研究者・翻訳者など就職難易度が高い職種もあります。向いてるか判断するには、今の自分のスキルで就職可能か見極めることが大切です。
人とかかわりが少ないといっても、仕事をするのであれば少なからず対人でのやりとりが発生します。「人とかかわらない仕事=対人の業務が無い」と認識しないようにしておくことも必要です。
人とかかわるのが億劫と悩んでいる場合、HSP気質とは異なる原因が隠れている可能性があります。こちらの記事では、働きたくない・人とかかわりたくないという気持ちへの対応策について解説しています。
在宅ワークが叶いやすい仕事
在宅ワークが叶いやすい仕事の例
- 経理事務
- 総務
- エンジニア
- プログラマー
- Webライター
- 動画編集者
- 在宅秘書
- Webデザイナー
- イラストレーター
- オンライン英語講師
- データアナリスト
- ボイスアクター
- 法務
就活するHSPの学生の中には、在宅ワークを検討する人も多いのではないでしょうか。
居心地の良い自宅で勤務できて通勤がない在宅ワークは、HSPにとって適した仕事環境の一つです。Webライターやエンジニアなどは特に1人で完結しやすい性質を持っているので、業務内容と環境どちらもHSP向けな点が多いでしょう。
ただし、在宅ワークは「顔が見えない分さらに気を遣う」「相手の指示が理解しづらくてストレスになる」など、場合によって働きづらさを感じるときも。HSPの中でも周囲とのコミュニケーションが得意な「HSS型HSE」の人に向いてる仕事であると考えられます。
ストレスのない仕事について以下の記事で紹介しているので、気になる人は参考にしてみてくださいね。
人の悩みを解決する仕事
人の悩みを解決する仕事の例
- カウンセラー
- ソーシャルワーカー
- 心理療法士
- キャリアコンサルタント
- 栄養士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- メンタルヘルスコーチ
- ライフコーチ
- 家族療法カウンセラー
- アートセラピスト
- 音楽療法士
共感力が高いHSPは周囲をよく観察しているため、悩みや相談を聞くのが得意です。そのため、カウンセラーやキャリアコンサルタントといった仕事に向いています。
特に周囲を牽引できる「HSS型HSE」や、興味のある人物と深くかかわれる「HSS型HSP」は適性が高く、感受性の高さや察しの良さを活かして活躍できるでしょう。
ただし、HSPは人とかかわりすぎると疲れやすい特徴を持っています。人の悩みを解決する仕事を選ぶときには、自分が寄り添いすぎて疲れないよう対処法を持っておくことが大切です。
人間以外を相手にする仕事
人間以外を相手にする仕事の例
- 獣医
- 園芸員
- 調教師
- トリマー
- フラワーコーディネーター
- 動物園飼育員
- 水族館飼育員
- 植物学者
- 自然保護官
- ペットシッター
- 昆虫学者
- 海洋生物学者
- 農業従事者
人と接して疲れやすくなるHSPには、仕事選びに「人以外に向き合う」という選択肢を入れてみるのも一つの手段です。
生き物や自然を相手にする獣医や園芸員などは、人目も気にならないうえに刺激も少ないので、居心地良く仕事ができる可能性があります。HSPの中でも繊細さや感受性の高い「内向型HSP」に向いてるといえるでしょう。
ただし、人間以外を相手にする仕事は専門知識を求められやすいので、職種によって実現がむずかしい場合があります。加えて、飼い主や来客対応など人とかかわる業務も少なからず発生するため、就職難易度や対人業務の割合も調べながら就活を進めることがポイントです。
自分のペースで進めやすい仕事
自分のペースで進めやすい仕事の例
- トラックドライバー
- 郵便配達員
- 作曲家
- 写真家
- ブロガー
- デザイナー
- ポスティング
- 技術開発者
- 自動販売機配送スタッフ
- 手工芸作家
物事を慎重に取り組むHSPは、自分のペースで業務を進められる仕事を選ぶと対人のストレスが少なく済みます。そのため、ドライバーや個人で活動するデザイナーなど、裁量権が自分に多い仕事を選んでみると良いでしょう。
しかし、中には「自分のペースで進めやすいけど人とのかかわりが多い」ジャンルの仕事もあります。
人物を撮る写真家やコンペの参加が必要なデザイナーなどは、自己判断で仕事を進めやすいものの、対人でのアクションが多い仕事です。
自分のペースで進めやすいからといって向いてると判断するのではなく、仕事内容までよく調べ、自分の適性を見ながら応募に進む必要があるでしょう。
黙々と打ち込める仕事
黙々と打ち込める仕事の例
- 家事代行
- ゲームテスター
- ビル管理士
- 校閲担当者
- クリーニング師
- デバッカー
- 会計士
- 統計学者
- アーキビスト(文書管理者)
- 職人
- 貴金属装身具製作
- 考古学者
- 文化財修復技術者
黙々と打ち込める仕事は、事前に目的や作業内容が決まっているため、周囲とやり取りをする回数が少なく済みます。「自分の行動が間違っていないか」「発言を間違えたかも」といった心配をせず打ち込めるので、HSP気質の人には向いてる仕事です。
ただその一方で、目的が決まっているがゆえに、責任能力や成果を求められる場合もあります。緊急性のある仕事が発生するデバッカーや、一つの間違いが問題になりやすい会計士など、仕事によってはプレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。
HSPの中でも特に刺激に弱い「HSS型HSE」や「HSE」タイプの人は、自分の性格とすり合わせながら選ぶのがポイントです。
HSPに不向きな仕事3選
- 競争が求められる仕事
- 強制的なコミュニケーションが必要な仕事
- 人とのかかわりが多い仕事
避けるべき選択肢を明確にするためにも、HSPに向いてる仕事だけでなく、不向きな仕事も知っておきましょう。
これまでと同様に「一般的な」情報を紹介するので、外的要因の一つとしての活用をおすすめします。「仕事自体に興味はあるけど、HSPに向いていないならやめておこうと判断するのではなく、「向いてない可能性があるから自分の強みや性質も踏まえて考えてみよう」と、捉えるようにしてくださいね。
HSPに不向きだと思う仕事は?

HSPの特性を持つ者として、突発的な依頼や短納期での業務が求められる職種は不向きだと実感しています。
具体例として管理会計の業務が挙げられます。「明日までにこのデータが欲しい」といった要望が、平日休日を問わず役員から寄せられることがあります。HSPの特徴を持つ人にとって、このような急なプレッシャーは大きな精神的負担となり、心身の不調につながりかねません。
そのため、HSPの特性を活かすには、業務量や納期を自身でコントロールできる職種が適していると考えています。

営業職は、私のようなHSPには向いていないと実感しています。
対人業務では相手の気持ちに寄り添い理解することが重要で、HSPの強みを活かせる側面があるものの、私の場合「人」と「数字」の板挟みに苦しむ結果となりました。
営業として数字の責任を負う立場上「その人のために」という思いを最優先にしたくても、ときには会社の利益を優先せざるを得ない状況が生じます。HSP気質の人々にとって、このような状況での割り切りは特に困難です。
さらに相手に深く共感しすぎるあまり、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまう問題も経験しました。「役に立ちたい」という思いから仕事を持ち帰るようになり、結果として精神的な負担が大きく蓄積されてしまいました。
競争が求められる仕事
競争が求められる仕事の例
- 営業職(ノルマ制)
- トレーダー
- 投資家
- コンサルタント
人目を気にしやすく刺激に敏感なHSP気質を持つ人は、誰かと競い合うような仕事内容は適性が低いといえます。優劣が付くことによるプレッシャーや、うまくいかなかったときの精神的な負担でストレスを感じやすく業務をしていてつらくなってしまうでしょう。
また、競争社会では周囲からマイナスな感情を向けられる場合もあるため、共感力が高いHSPは疲労を溜めやすい環境に身を置く結果になります。
集団生活が得意で積極的なHSS型でも、刺激には弱いことから「仕事が終わって帰宅するとどっと疲れる」といったような状態になりかねません。
個人の能力や興味関心の強さでは活躍できる可能性もあるので、自分がどのような環境でストレスを感じやすいのかを理解しておくことが大切です。
強制的なコミュニケーションが必要な仕事
強制的なコミュニケーションが必要な仕事の例
- オペレーター
- 受付、案内係
- テレマーケティング
- ウェディングプランナー
自分の意思に関係なくコミュニケーションを取る仕事に就くと、即座の対応を求められるプレッシャーや予期せぬ事態の発生でHSPは負担を感じやすくなります。
特にオペレーターのような仕事は自分の周囲で多くの話し声や電話音が鳴り響き、とても静かとは言えない状態です。HSPは感覚の過負荷によるストレスを受けやすいため、過ごしづらい環境が職場になってしまうことも。
ただし、仕事によっては在宅可能な業務やいつでも休憩が取れる職場もあります。気になった仕事があれば、労働環境や休日形態なども加味しながら、仕事選びをするようにしましょう。
人とのかかわりが多い仕事
人とのかかわりが多い仕事の例
- タレント
- アナウンサー
- 人事担当者
- 教師(大規模クラス)
周囲の視線や態度に過敏なHSPは、人とのかかわりが多い仕事は避ける方が良いでしょう。特に常に注目を浴びるタレントやアナウンサーのような仕事は、精神的な負荷も多く、HSP気質が強い内向型タイプは合わない傾向が強いと考えられます。
ほかにも、人とのかかわりが多い仕事は業務上の性質だけでなく、カメラのフラッシュ・大勢の話し声・拍手や歓声など、環境的にもHSPに向かない要素が多々あります。
ただ、人とのかかわりが多い仕事は華やかなものが多く憧れやすい仕事でもあるため、興味を持つ人もいるはずです。不向きな点を踏まえても応募したい仕事がある場合は、継続できるストレス管理力が自分にあるかどうか検討していくようにしましょう。
HSPに向いてる仕事を見つけるための4つの自己分析
- 仕事への興味関心
- 自分の強みと弱み
- ストレスを感じる原因やきっかけ
- 自分の過ごしやすい環境
ここからは、HSPの仕事選びに必要な自己分析のポイントを4つに分けて解説します。就活ですでに自己分析が終わっている人は、分析後の結果をもとに判断したり、足りていない情報を補足する形で進めましょう。
加えて、HSP気質を持つ先輩が、向いている仕事を選ぶためにどんな部分を意識したのかも知っておくと、自己分析で注目すべき点が明確になります。体験談も参考に、今の自己理解度をワンランクアップさせましょう。
自己分析の方法を幅広く知りたい人は、こちらの記事で就活によく使われる手法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
HSPに向いている仕事を見つける方法は?

HSPの感受性は、適切に活用すれば必ず良い方向に進むと確信しています。しかし、その繊細さゆえに活かされる前に離職してしまうことは、最も避けたいシナリオです。
そのため、「自分がストレスを感じるタイミング」や「仕事相手にどう対処するか」などを、深く知っておくことが重要だと考えています。
社会人4年目の同級生たちが口を揃えて言うように、どの会社にも必ず変わった人が存在します。もし変わった人がいなくとも、単純に相性の合わない人もいるでしょう。業務内容の不一致やパワハラなどの明確な理由があれば別ですが、人との相性だけを求めて転職を繰り返すのは運任せとなってしまいます。
HSPが最も影響を受けやすい対人関係は、企業に属して給与をいただく以上、避けられない課題です。そのため、ストレスとの向き合い方をしっかりと確立しておくことが大切です。
私自身HSP気質を持つ者として、自分と他人との会話を第三者視点で観察できるようになったことで、苦手な上司との関係を「仕事」として割り切り、より良いコミュニケーションが取れるようになりました。

私はHSPの自己理解において、2つの重要な観点があると考えています。
1つ目は自らの強みです。HSPの人はとても繊細な傾向にあり、自分の不得意な領域における能力が求められる職種に就いてしまった場合、自らと他者を比較してしまい自己嫌悪に陥り、精神疾患等につながる可能性があります。
自己分析の際には、これまでの人生においてHSPの特性の一つである繊細さを活かして活躍できた場面はないか、まずは探してみましょう。
2つ目は自分が許容できるストレスの閾値です。HSPは繊細が故にストレスを多く感じることが多いのではないかと思います。
これまでの人生において、どのような場面でストレスを感じ、どの程度までなら許容できたのかを振り返りましょう。

HSP気質の人の特徴は、人の感情への敏感さにあります。そのため、人に寄り添うことやサポートすることは得意な分野といえるでしょう。
しかし、周囲の人の影響を受けやすい特性から、常に緊張感のある仕事やストレスが溜まりやすい仕事は避けた方が望ましいと考えられます。
ただし、HSPといえども一括りにはできません。HSPの中でも、自分が「どのような場面や人に対しストレスを受けやすいのか」という個人レベルでの理解が大切になってきます。
また、強みが活かされる一方で、ストレスも溜まる仕事も存在します。「無理をせず安心して働ける」「強みを活かし積極的に活躍する」のどちらに自分の思考が近いのか考えておくようにしましょう。
その①仕事への興味関心
HSPに向いてる仕事がわかったとしても、そもそも業務に関心がない場合、入社後のモチベーションが維持しづらくなります。次第に「職場環境は合うけど仕事が面白くない」と感じて、転職や退職を検討する結果になるかもしれません。
就職後に長く仕事を継続するためにも、自分の興味関心をしっかりと分析したうえで就活を進めていきましょう。
モチベーショングラフ | 幼少期から現在までモチベーションの変化を 曲線のグラフを用いて表す、自己分析の手法 |
自己分析ノート | これまでの自己分析結果をまとめたもので 自分の適性や特性をひと目で網羅できる |
マインドマップ | 一つのテーマに沿って 頭の中にある思考を整理する手法 |
これまでの過去の経験から自分の気持ちが動いた瞬間を読み取るモチベーショングラフは、直近の出来事ではなく過去の自分の考えを読み取るので、本質的な自分の興味関心を見出せます。
すでに自己分析が進んでいる人は、自己分析ノートでこれまでの結果をまとめ、情報を整理・俯瞰して自分の興味関心を見出しましょう。複数の結果を統合することでわかる気付きがあるかもしれません。
マインドマップは、自分の興味関心というテーマで思いついたフレーズをどんどん挙げていく手法です。「頭にはあるけど文章にできない」と、思考の言語化に苦労している人にはぴったりの方法でしょう。
自己分析の手法は上記で紹介した以外にも複数あります。キャリアセンターや周囲にもどんな自己分析をしたのか聞きながら、複数の方法にチャレンジして自分の興味関心の幅を広げられるようにしてくださいね。
自己分析ノートの詳しい作り方が知りたい人は、こちらの記事で詳細を解説しているので、ぜひチェックしてください。
その②自分の強みと弱み
HSPに向いている仕事に就職できると、ストレスを感じにくい環境で居心地良く業務に取り組めるようになります。ところが、仕事内容が苦手な業務の場合、成果を出せずプレッシャーを感じてしまい、結果的に居心地の悪い環境になってしまうかもしれません。
居心地の良さを継続させるためにも、強みと弱みを把握し、自分の能力が発揮できる職場に就職できるようにしましょう。
SWOT分析 | 強み・弱み・機会・脅威という4つの領域に自分の特性を分ける手法 |
他己分析 | 第三者に自分の強みや弱みを評価してもらう自己分析方法 |
自分の特性を4つに分類するSWOT分析は、企業で戦略を立てる際にも使用される方法です。一度覚えておくと入社後も使えるスキルなので、自己分析もかねてぜひチャレンジしてみてください。
第三者の視点で自分を評価してもらえる他己分析は、自分の知らない強みや弱みを発見できます。自己分析では限界のある範囲以外を網羅できるので、時間がある場合はやってみるべき手法です。
自分の強みや弱みは「コミュニケーション能力」「責任感」など、直接関連する言葉を探すと難航してしまう場合もあります。特にHSPは「違うと思われたらどうしよう」と、周囲の評価を気にして結果に自信を持てない人も少なくありません。
悩んだときはいきなり答えを見つけようとせず「過去に褒められた経験」「うまくいったと感じた経験」というような、自分の体験から段階的に考えてみましょう。どんな人もかならず自分の良い・悪い部分はあるので、あせらず探してみてくださいね。
その③ストレスを感じる原因やきっかけ
HSPに向いてる仕事を探すときは、自分がどんな出来事やタイミングでしんどくなるかを分析し、ストレス要因ができるだけ少ない仕事を選べるようにしましょう。
手順 | 具体例 |
①過去の経験から 「自分がストレスを感じた」出来事を 思い浮かべる |
卒業論文の制作がストレスだった |
②①の出来事について 「なぜストレスだったのか」を深掘りする |
教授に修正案を持って行くたびに訂正が出たので 「教授からの評価が下がるのでは」と心配になったから |
ー |
結果→(自信がないことに対して)他人になにかを 評価されるのが苦手・ストレスになる |
ストレス要因を分析するには、直近で嫌な気持ちを感じた出来事の深掘りから始めることが大切です。
卒業論文がストレスだったAさんを分析すると、修正によって「教授の評価が下がるかも」という焦りや不安が原因と見受けられます。そこから、Aさんは他人に何かの評価をされることがストレス要因になると考えられますね。
向いてる仕事を探すときは、自分の裁量権が多い仕事や、自己完結しやすい業務を選ぶとマッチしやすいと予想できます。
このように、直近の出来事から分析すれば、今の自分のストレス要因を導き出すことができます。複数の経験を掘り起こすことで、信憑性が高い自分の特性を見つけられるでしょう。
その④自分の過ごしやすい環境
HSPの仕事選びでは、ストレス要因を知っておくのと同様に、自分が居心地の良い環境も具体的にしておきましょう。頭では「この環境が過ごしやすい」とわかっていても、実際に仕事を選ぶ条件として言語化すると難しい場合もあるので、整理しておくのが大切です。
自分の過ごしやすい環境を見分けるポイント
- 仕事において絶対にしたくないことはなにか
- いま「過ごしやすい」と思っている環境はどんな場所か
たとえば「納期がある仕事は絶対にやりたくない」と整理できていれば、日常的に締め切りが発生するライターやデザイナーといった仕事は避けるべきだとわかります。
過ごしやすく居心地の良いアルバイト先について「アパレルの仕事だけど、売り上げ目標がないからプレッシャーを感じずにいられる」と分析できると、競争が発生しづらい仕事に向いてると判断できるでしょう。
このように、自分が居心地の良い環境について「なぜ」を深掘りしていくと、向いている仕事選びの条件が明確になります。仕事に置き換えて想像できるよう、大学のサークルや部活動など、なるべくコミュニティの幅が広い環境で考えるのがおすすめです。
先輩直伝|HSPが生きやすくなる仕事術とは
ここまではHSPに向いてる仕事を探すためのノウハウについて解説してきました。HSPに合った仕事を見つけられると、ストレスを感じづらく楽しみややりがいを持って仕事に取り組めるようになります。
しかし、仕事で起こるストレスのすべてを予測することはできません。HSPといった性格にかかわらず、どんな人でも確実にストレスを回避し続けることは難しいでしょう。
最後は、前向きな気持ちのまま仕事探しができるよう「HSPの生きやすくなる仕事術」を紹介します。安心して就職するためのお守りとして、自分なりの「社会の歩き方」を知っておきましょう。
周囲を気にしないための仕事の向き合い方を教えて!

周囲の視線や自分の発言を気にしないために、日頃から意識している仕事との向き合い方を教えてください!

毎日こなしたタスクを振り返り整理することで、なるべく自分に自信を持てるようにしています。

余計なことを考えすぎてしまうため、ある程度のところで意識して思考をストップするように心掛けています。
思考を切り替えるルーティンを持つ
HSPの性質を持つ人は、些細な刺激や相手の反応が自分の思考に影響を与えてしまいます。
そのため、小さな違和感から「今の発言は相手の気分を悪くしたかも」「さっき提出した資料は不要だったのでは」というような考えが浮かんでしまうこともあるでしょう。
一度自分の中でモヤモヤした気持ちが膨らみうまく処理できないと、その後の仕事にも影響してしまうかもしれません。余計なストレスの発生を防ぐためにも、一度生まれた思考を切り替えるルーティンを持っておきましょう。
思考を切り替えるルーティンの例
- 嫌な思考のループに陥った→嫌な思考が浮かぶたびに小さく手をたたく
- 相手の気分や変化に影響されてしまった→個室で10秒ほど深呼吸・瞑想する
- 終わった出来事に対して次々と心配事が浮かぶ→目の前の仕事を整理してタスクを作る
ルーティンは基本的に「いつでも」「どこでも」取り組めるのがポイントで、仕事中でもできるような短時間で済むものを選ぶことが大切です。
また、ルーティンとして身に付けるまでには、何度か繰り返して「この行動をすると嫌な気持ちがなくなる」と自分に刷り込みをする必要があります。
即効性が低いので明日からできるものではありませんが、学生のうちから意識しておくと、就職後すぐに役立てられます。これからのためにぜひ自分だけのルーティンを身に付けておきましょう。
ストレス発散方法を見つける
ストレスを完璧に回避するのが難しいと紹介したように、どんな人でも仕事をしていると嫌な気持ちや落ち込むときはあります。そのようなときにいつでも自分のストレスを発散できる方法があると、気持ち的にも少し安心しますよね。
ストレス発散方法を見つけるには、一般的に言われている手法を試すやり方と、自分の経験からさかのぼる方法があります。
一般的なストレス発散方法
- 体を動かす
- 美味しいものを食べる
- 泣ける映画を見る
- 趣味に没頭する
- 人に話を聞いてもらう
- しっかりと睡眠を取る
一般的なストレス発散方法を参考にするときは、試しながら自分に合う・合わないを見つけていくことが大切です。何度か繰り返して気持ちがすっきりするものを見極めましょう。
手順 | 具体例 |
①過去の経験から 「自分がストレスを感じた」出来事を 思い浮かべる |
卒業論文の制作がストレスだった |
②①の出来事について 「なぜストレスだったのか」を深掘りする |
教授に修正案を持って行くたびに 訂正が出たので 「教授からの評価が下がるのでは」と 心配になったから |
③①が解消されたタイミングときっかけを考える →②がストレス要因 ③が発散方法(対策)として分析できる |
訂正が出たとき、友達に不安な気持ちを 相談することで気持ちが落ち着いていた |
④ストレスを感じたときに③を実践し、 解消できたなら継続、 解消不足なら修正する |
ー |
経験をさかのぼるときは「ストレス要因を見つける」やり方に紐づけて考える方法がおすすめです。例を参考にすると、Aさんの場合は「相手の反応を気にしすぎる」ことがストレス要因で、「人に話す」と発散できるとわかりますね。
このように、ストレスが解消された経験を深掘りし、どんな行動が自分の発散行動になっているのかを導き出しましょう。
ストレス発散方法は、複数持っておくとどんな状況でも対応できるようになります。見極めるまで時間がかかる場合もありますが、学生のうちに自分なりの方法を見つけてみてくださいね。
いつでも話せる相談先を確保する
感受性が豊かで繊細なHSPの人は、仕事でストレスを感じたとき、嫌な思考のループに陥りやすくなります。そのようなとき気持ちを1人で処理できずに放置してしまうと、ストレスがどんどん膨らんでしまうことも。
そこで、周囲に頼ってストレス解消する選択肢を作るために、いつでも気軽に相談できる相手を見つけておきましょう。
相談先は、気軽に話せるのであれば両親や友人でも問題はありません。しかし、HSPの人は周囲に気を遣う傾向が高いので、身近な人だと「いまは迷惑かも」と自分のストレスより相手の都合を優先してしまうかもしれません。
そのような場合は、公的なサービスや医療機関の利用を検討してみてください。相談を受けること自体が仕事のスタッフが揃っているので、後ろめたい気持ちを持って話す必要はありません。
周囲を気遣える性格はHSPの良い部分ですが、ストレスは放っておくと心身に影響する可能性もあります。相談先に限っては「自分優先で動ける」という点を重視して考えてくださいね。
「休む=悪い」と認識しないようにする
仕事にストレスを感じてしまったときは、有給や休職をして心と身体を休めることが大切です。ところがHSP傾向が強い場合「周りに迷惑をかける」「急に休んだら悪く思われるかも」と、休みに抵抗を感じてしまう人がいます。
嫌な気持ちやつらい気分になっているときは、HSPにかかわらずどんな人でも休息が必要です。無理をして仕事を続けると、普段はしないようなミスを繰り返すなどして、さらに心身に支障をきたしてしまうかもしれません。
自分のためだと休みを取りづらい人は「周囲へ迷惑をかけないためにも休む」と、周りへの影響を考えてみるのもおすすめです。休日を取得することへの抵抗が、多少は和らぐのではないでしょうか。
HSPでも向いてる仕事は必ず見つかる! 自己理解も深めて広い視野で判断しよう
HSP気質な人に向いてる仕事の選び方や就職後の向き合い方について紹介しました。HSPに向いてる仕事を探すには、一般的に言われる特性と自分の適性のバランスを意識した就職先選びが大切です。
繊細な性質を持つHSPは「そもそも就職できるのか」と就活スタートの時点から不安を感じてしまう人もいますが、同じ悩みを持つ社会人はたくさんいるので、心配しすぎなくても大丈夫です。
自分ならではの仕事選びができれば、HSPの性質を持っていても納得のいく就職先はきっと見つかります。不安にならず、一つずつ条件を整理して就活を進めてくださいね。

一般的にHSPの人特有の長所は「共感力が高い」「深い思考力」「感性の豊かさ」などです。その特徴を活かせるような職場には下記のようなものがあります。
・静かで落ち着いた職場:過度に刺激が多い環境より、集中しやすい環境
・柔軟な働き方が可能:リモートワークやフレックスタイム制など、自己管理しやすい環境
・人間関係が良好:協力的でお互いを尊重する文化がある職場
・自分のペースで働ける:短時間での成果よりも、計画的な取り組みが評価される環境
合う環境を探すのはもちろん「環境に合わせる」ことも大切
一方で私は、「その環境に自分を適応させる力」も重要だと考えています。具体的には下記のようなことです。
・自分の限界を認識し、無理をしない
→負担が大きいと感じたときは、無理に耐え続けるのではなく、自分の感情や体調に気を配りながらペースを調整しましょう。
・休息を大切にする
→感受性が高いぶん、刺激にさらされると疲れやすい傾向があります。短時間でもリフレッシュできる休憩を取り入れることが重要です。
・自己主張を適切におこなう
→職場で困ったことや助けが必要な場面では、自分の特性を説明し、サポートを求めることを恐れないようにしましょう。
・ポジティブなフィードバックを取り入れる
→自分が得意なことやうまくいった経験を振り返り、自信につなげることで、不安や緊張を軽減できます。
・柔軟性を持つ
→自分の理想の環境に完全に合致する職場は少ないかもしれません。そのため、環境に適応する努力も重要です。たとえば、集中できるようにデスク周りを工夫するなど、小さな調整から始めましょう。
これらを参考にして、無理のない範囲で働いてみてください。そうすれば、だんだんと仕事がしやすくなっていくでしょう。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
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私自身もHSPの気質があり、どのWeb診断でも一貫してその傾向が指摘されます。HSP特有の「考えすぎてしまう性格」を持ち合わせているため、先々のことを考えて不安になる感覚には深く共感できます。
そんな皆さんへのアドバイスとして「意識すべきこと」と「実践すべきこと」があります。
まず、意識すべきこととして「職業に対する視野を狭めないこと」です。私の経験から、人の不安は視野が狭まるほど強くなるものだと考えています。特に、私たちHSPが敏感な「不安」という感情に飲み込まれないようにすることが重要です。
視野を広く保つために、さまざまな人の経験談やアドバイスに耳を傾け、多様な働き方や業界について徹底的に調査することをおすすめします。必ずHSPの特性に合った職種や働き方が見つかるはずです。無理に苦手な環境に身を置く必要はありません。
思考を整理する癖をつけて溜め込まないようにしよう
次に、具体的な「実践すべきこと」についてお伝えします。HSPの方々の頭の中は、往々にして不安や悩みで溢れていることでしょう。これらの思考を思いつくままに紙に書き出して、客観的に見る習慣を身に付けてください。頭の中だけで抱え込むと混乱を招くため、外部に出して整理することが大切です。
こうすることで悩みの本質が明確になり、「対処すべき課題」「受け入れるべき現実」「具体的な行動計画」が見えてくるのではないでしょうか。
HSPの繊細な思考力は、かけがえのない財産です。不安に足を引っ張られるのではなく、この特性を味方に付けて仕事に活かすことで、きっと素敵な社会人になれると思いますよ。