ジョハリの窓の正しいやり方を理解して効果的な自己分析を
自己分析を深めるために、これまで試したことのない「ジョハリの窓」に興味を持つ人は多いでしょう。しかし、具体的なやり方がわからず、結局行動に移せないままになってしまうケースも珍しくありません。
客観的な視点を取り入れられるジョハリの窓は、正しく実践すれば新しい自分に気づける自己分析手法です。選考で活かすためには、正しい方法でおこなう必要があります。
この記事では、自己分析に効果的なジョハリの窓のやり方を解説します。実践した先輩たちのアドバイスも参考にしながら、自分の魅力を深掘りしていきましょう。
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【体験談】ジョハリの窓を使った就活生に話を聞いてみた!
まずはジョハリの窓をおこなったことのある就活生に、当時のことを聞いてみました。数ある自己分析のなかからなぜ選んだのか、どのタイミングで始めたのかについても聞いているので、参考にしてみてくださいね。
就活時に一つの自己分析のツールとして使用したことはあります。4項目あることでより明確に区分ができる点において、試す価値はあると思いました。
自分だけでやるとなかなか空白が埋まらないので、グループワークでやったり、自分をよく知っている人たちとやるのがおすすめですね。時期としては就活をしたのが遅めだったので、大学3年生の冬辺りにやった覚えがあります。
ジョハリの窓は、長所や短所に客観性を加え、より説得力があるものにするのに役立ちました。
自分に対する理解というのは、自分のみで完結するものではないと私は考えます。客観的な視点が担保されてこそ、自己理解につながるのです。
ジョハリの窓を通し、友人たちの意見も取り入れたうえで、私自身の強みは「柔軟性」、弱みは「計画性のなさ」だと判明しました。
その結果も交えつつ、ある面接で「自分の短所は計画性がないことだけど、一方で柔軟性があるから予想外のことが起きても臨機応変に対応できる」と回答したことで、面接官から「自分の短所をとらえつつ、前向きな姿勢を保っていて素晴らしい」と言ってもらえました。
自分からの視点のみならず、客観的視点も取り入れられたからこそ、強みや弱み、それらに付随するエピソードすべてに一貫性が出たのだと思います。
就活時には活用しなかったのですが、人事として新卒社員や内定者への研修をおこなうツールとして利用しています。
私の就活のタイミングは新型コロナウイルス感染症が流行していて、複数人で集まって自己分析・他己分析をすることがなかなか難しく、自分一人で振り返る自分史などをメインでおこなっていました。
研修のアンケートでは「自分の知らない強みに気づくことができた」という意見が多く好評でした。私も部署内で試したところ自己理解と他者理解につなげることができ、チームの連携も強まる効果もあったため、友人同士で試す価値はあると思います。
ジョハリの窓以外の自己分析の方法として「自分史」が挙げられます。自分史の書き方については以下の記事で解説しているので、気になる人は読んでみてください。
ジョハリの窓とは? 4つの窓について理解しよう

ジョハリの窓とは、簡単に言うと自分と他人の視点を組み合わせて「自分」を多角的に分析する手法です。自分の強みはもちろん、今まで気づかなかった意外な一面を発見できることが大きなメリットです。
では、どのような視点で自分を分析していくのか、ジョハリの窓をおこなううえで欠かせない「4つの項目」について解説します。
①開放の窓:自分も他人も知っている性格
「開放の窓」とは、自分も自覚しており、他人からもそう思われている性格のことです。周囲との認識のズレがないため、面接官に伝えても納得してもらいやすいでしょう。
自分が認識している強みと、他人からの評価が一致しているため、裏付けとなるエピソードも想起しやすいと言えます。「周囲からもよく〇〇だと言われます」と添えることで、説得力のある面接の回答になるでしょう。
②秘密の窓:自分は知っていて他人は気付いていない性格
「秘密の窓」は、自分では認識しているが、他人には知られていない性格を意味する項目です。内面に秘めておきたい気持ちから、あえて周囲に見せていない側面を指します。
秘密の窓に当てはまる性格を選考で使うか迷うときは「凝り性な自分を知られるのが恥ずかしい」など、周囲に見せてこなかった理由を振り返ることが大切です。「企業が求める人物像に近いから」という理由だけで無理にここを伝えてしまうと、入社後も「偽りの自分」を演じ続けなければならず、ミスマッチの原因になりかねません。
③盲点の窓:自分は気付かず他人は知っている性格
自分では気づいていないものの、他人は理解をしている項目が「盲点の窓」です。自己認識と他者評価のギャップがある部分であり、主に自身の思い込みや客観視できていない性格が該当します。
盲点の窓に気づくことは、自己成長の第一歩です。他者の視点を取り入れ、自分のなかに意識的に取り入れていくことで、あらたな魅力をアピールできるようになるでしょう。
④未知の窓:自分も他人も気付いていない性格
「未知の窓」は、自分も他人も気づいていない性格特性を意味します。あなたの中に眠る「未知の領域」です。現時点では認識できていませんが、環境を変えたり新しいことに取り組んだりすることで、突如として現れる可能性があります。
未知の窓を広げるには、今まで避けてきたことにあえてチャレンジしたり、理想の自分があるなら、それに向けて努力をしたりすると良いでしょう。
就活は新たな自分に出会う旅でもあるため、少しでも興味のある分野がある場合には積極的に足を踏み入れてみましょう。
【テンプレ付き】ジョハリの窓をやる前にしておく準備
ジョハリの窓は、ただ項目を埋めるだけでは意味がありません。選考で使えるものにするためには、正しい手順で進める必要があります。
そこでまずは失敗しないための準備についてを解説します。そのまま使えるテンプレートも用意しているので、スムーズに準備を進めていきましょう。
①協力者を4人以上集めよう
まずは、ジョハリの窓を一緒におこなう協力者を集めましょう。多様な視点からのフィードバックがあれば、それだけ自己分析の精度を高められるため、4人以上での実施がおすすめです。
協力を呼びかける際は、全員が知り合い同士であることをおすすめします。お互いの性格を理解している者同士で実施すれば、適切な評価を得られるようになります。
協力を依頼する際は、ジョハリの窓の目的と手順を明確に伝えることが大切です。「就職活動に向けた自己分析のために、自分の性格について意見を聞かせてほしい」といった具合に、参加する意義を説明しましょう。
ジョハリの窓を何人でおこなった?

ジョハリの窓を実践したとき、何人でおこないましたか?

サークルの同期5人でおこないました。一番身近にいて、自分のことを知っている存在だと思ったからです。

4人でおこないました。 「自分がどういう人間か」を判断してもらうためには、親密度が高い人が複数いる必要があると考えたためです。

新卒研修の一環としての話になりますが、4~5名のグループディスカッションの際に用いました。 自分には見えない強み、弱みを複数人で炙り出すとともに、自己開示と他者理解につなげることで、同期間での関係構築に役立てられると感じたからです。
②記載する性格を決定しよう
ジョハリの窓をおこなうには、性格を表すキーワードをリスト化する必要があります。
選択する数は、15~20個程度をおすすめします。少ないとあらたな気づきを得られる可能性が減ってしまい、逆に多すぎると集計に時間がかかってしまうためです。
また、就活で役立てるためにも、社会人として求められるスキルや資質を重視することを意識しましょう。
性格を表すキーワードの例
- リーダーシップがある
- 協調性がある
- 責任感がある
- 思いやりがある
- 創造力がある
- 礼儀正しい
- 向上心がある
- 決断力がある
- 落ち着きがある
- 行動力がある
- 論理的思考力がある
- コミュニケーション能力がある
- 傾聴力がある
- 探究心がある
- 時間管理能力がある
- 表現力がある
- 責任感が強い
- チャレンジ精神がある
- 度胸がある
- 慎重
- 誠実
- おおらか
- 謙虚
- 好奇心旺盛
- 盛り上げ上手
- 裏表がない
- 縁の下の力持ち
性格は何個設定した?

ジョハリの窓に記載する性格は、何個設定しましたか?

8個程度のキーワードを設定しました。多過ぎても選ぶのに時間がかかり、少なすぎると分析の意味がなくなるからです。

50個ほど設定しました。理由はキャリアセンターで渡された性格一覧表というのが50個記載されていたためです。

3つ4つぐらいだったと思います。量を出しすぎるとかえって一つひとつに時間がかかってしまうため、あえて少なめにしていました。

確か3〜4個だった覚えがあります。別の機会で試したときに多く出しすぎてしまい、時間がかかりすぎたので少なくしました。
記載する性格は何を選んだ?

ジョハリの窓に記載する性格には何を選びましたか?

「明るい」「論理的思考力がある」「人を優先して行動する」など、ポジティブなワードを設定していたと思います。

「集中力が高い」「まじめである」「社交性がある」「リーダーシップがある」「柔軟性がある」「計画性がある」などの性格を選びました。

「子供が好き」「頑固」「責任感が強い」を選択しました。実際に自身が思う性格と周りが自分に対して感じている性格をしっかり考えたうえで取り入れるのがポイントです。
③テンプレートを参考にシートを用意しよう

ジョハリの窓を実施する際は、専用のシートを用意すると便利です。協力者に配布のうえ記入してもらうことで、効率的に情報を収集できるようになります。
性格の部分を記載したうえで、印刷したものをそれぞれ人数分配れば準備完了です。シートの細かい使い方は、次に次の章で説明していきます。
ジョハリの窓を使った自己分析のやり方
ジョハリの窓を実践するための準備が完了したら、いよいよ実践に移っていきましょう。ここでは、実際にどのようにすれば自己分析につながるのかを含めた実施方法を紹介します。
①自分に当てはまる項目を選択する
自分の性格だと思う要素を、あらかじめ記入してある性格一覧から選びます。特に何個までなどの制限はないため、当てはまると思う番号をメモ用紙などにどんどん記入してください。
正しく自己分析をするためには、素直に回答することが大切です。もし他人の目を気にして偽った回答を重ねてしまうと、自分に当てはまらない結果が出るだけで、なにも得られるものがありません。
ジョハリの窓を始めたからには「自分の性質を正しく把握する」ことを意識すると、実施がしやすくなるでしょう。
②他人に当てはまる項目を選択する
次は、違う紙に他人に当てはまる項目を選択肢から選んでいきましょう。
もし知っている仲である場合は、率直に当てはまると感じた性格を選ぶことが大切です。「相手を褒めたい」という感情に従い、あまり思ってもいない項目を選択しても、結果が正しく反映せず相手のためになりません。
「アルバイトで大変なとき、こんなふうに助けてくれた」など、当てはまると思った根拠を思い出しながら選んでみてください。後ほど選定理由をフィードバックするときに、説得力のある説明ができるようになるでしょう。
記入を終えたら、相手へ紙を渡していきます。この時点で、自分が書いた紙と、他人から渡された紙が手元に残るはずです。
③「4つの窓」に分類する
紙を1枚ずつ確認し、シート下部にある「4つの窓」のなかに、以下のように分類をし記載していきます。
| 該当した項目 | 分類する窓 |
|---|---|
| ①・② | 開放の窓 |
| ①のみ | 秘密の窓 |
| ②のみ | 盲点の窓 |
| 該当なし | 未知の窓 |
- 自分が書いた番号
- メンバーが書いた番号

たとえば、「①自分が書いた番号」「②メンバーが書いた番号」どちらにも「積極的である」の番号があった場合、解放の窓の欄にその番号を記載していきます。①・②どちらにも当てはまらないのであれば、未知の窓に番号を書きましょう。
正確な結果を導き出すためにも、記入に間違いがないか見直しをする時間を取ることをおすすめします。また、それぞれの窓の意味についてもあらためてチェックしておくと、今後の分析がスムーズになります。
④個別にフィードバックを実施する
すべての集計が終わったら、全員が結果を開示したうえで、一人ひとりフィードバックをおこないましょう。結果だけを確認するのではなく、なぜそう思ったのかをお互い教え合いましょう。
重要なのは「どの場面で」「どのように思ったのか」をハッキリと伝え合うことです。面接では、自分の強みをエピソードとともに話すことで説得力が増すため、この機会に共有をしたうえで、自分のなかに落とし込んでおきましょう。
フィードバックについては、時間の許すかぎりたっぷりとおこなうことをおすすめします。作成したシートは自己分析ノートに貼り付けるなどして、いつでも振り返れるようにしておくと良いでしょう。
「3カ月後にもう一度同じメンバーで実施する」「今度は趣味の仲間だけでやってみる」など、時期や環境を変えるだけで、あらたな発見につながる可能性があります。一回目との違いを意識しながら、自分をどんどん深堀りしていくイメージでおこなうと、ジョハリの窓を実践する効果と楽しさに気づけるでしょう。
どんなふうにジョハリの窓を実践したか教えて!
何人でも良いので、自分のことを知っている友人に協力してもらって実践しました。
やり方としてはまず、ジョハリの窓が記載された紙を一人1枚用意します。次にいくつか性格が書かれた紙を一人あたり全体の人数分用意します。これでおおよその準備完了です。
あとはその性格が書かれた紙に自分が該当している性格に〇をつけて、参加者にも自分の性格に適していると思う箇所に〇をつけてもらい、ジョハリの窓に記入していく方法で実践しました。参加者を多く用意すれば用意するほど、統計的に信憑性の高いものになると気づきました。
自己分析ノートの作り方については以下の記事で解説しています。ジョハリの窓以外の自己分析の仕方も紹介しているので、あわせて確認してみてくださいね。
ジョハリの窓の結果を就活に役立てる4つの方法
ジョハリの窓は、実践のみで終わりにしてしまっては、効果的な自己分析ができたとは言えません。結果を就活で役立てることを意識し、自分のなかに新しい自分を取り込んでいく意識が大切です。
ここでは、ジョハリの窓の効果をアップさせ、選考で活用できるようになる4つの方法を解説します。
①「盲点の窓」を取り入れて長所にする
自分では気づかないが他者は認識している長所の「盲点の窓」は、自己認識を深め、あらたな強みを発見するチャンスです。
フィードバックの時間を多く取ってもらい、「なぜこの性格が自分に当てはまると思ったのか」の根拠となる具体的なエピソードまで聞き出してみてください。
長所としてアピールできるレベルまで分析をすれば、エントリーシート(ES)や面接ですぐに活用できるようになるでしょう。
自分の長所や短所が見つからないという人は以下の記事で一覧表を紹介しているので、チェックしてみてください。
②「未知の窓」から長所にできるものがないかを検討する
「未知の窓」は、自分も他者も気づいていない潜在的な特性を表しています。まずは、ここに当てはまった性格をすでに備えていないかを考えてみることで、自分だけの隠れた強みや価値観の発見につなげることが可能です。
たとえば、「課題解決力」や「コミュニケーション能力」などが未知の窓に該当したとします。それらの長所をフックにして過去の経験を思い起こしてみたら「ボランティア活動のなかで初対面の人と大きな問題を解決した」ことのある自分に気づけるかもしれません。
「秘密の窓」をきっかけにし、自分のまだ見ぬ部分に光を当てることで、開放の窓を大きくしていくことを目標にするとわかりやすいでしょう。
③「秘密の窓」から自分の理想像を具体化する
他者には知られていない自分の側面である「秘密の窓」を手がかりに、なりたい自分の姿を明確にしていきましょう。具体的には、自分の本当の願望や価値観を探るイメージをもつことが大切です。
たとえば「統率力があるイメージを持たれているが、実は誰かを裏側からサポートする瞬間が好き」である場合、秘密の窓に「縁の下の力持ち」が当てはまっている可能性があります。
選考で活躍できる長所として打ち出すためには、他人からの評価を得た説得力のあるエピソードを用意する必要があります。もし秘密の窓へ該当した状態のままだと、周囲からの認識もされていないため、面接官にアピールする材料が少ないことが考えられるでしょう。
自分とマッチした会社で働いていくためにも、この機会にまだ明かしていない性格を積極的に自己開示してみることをおすすめします。周囲への理解を得る努力を重ねていけば、面接で伝えられる頼もしい長所になるはずです。
④「開放の窓」に該当した性格を言い換えて短所を発見する
自他ともに認める特性を表す「開放の窓」は、別の角度から見ると短所が見えてくることもあります。面接では長所とあわせて短所を聞かれることがあるため、自己分析の一環として有効です。
短所の発見につなげることを目的に、挙げられた性格や特徴を見直し、それぞれの裏側にある課題点を考えてみましょう。長所と短所は表裏一体である認識を持ちながら、以下のような言い換えをおこなってみるとスムーズです。
長所→短所の言い換え例
- 信念がある → 頑固
- 決断力がある → 短気
- 慎重 → 優柔不断
- 好奇心旺盛 → 飽きっぽい
面接で長所短所を聞かれたときの答え方は、以下の記事で詳しく解説しています。内定者が実際にどのような回答をしたかも紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ジョハリの窓をしたことによる発見はあった?
日頃からリーダーシップを意識的に発揮する努力をしていたので、開放の窓では自分でもリーダーシップという項目に〇をつけていたのですが、正直なところ自信がありませんでした。
しかし、ジョハリの窓を実践したメンバーのほとんどが自分に対して「リーダーシップがある」と判断してくれた結果に。ここからリーダーシップを自信を持って面接でアピールできるようになりました。
これが大きな収穫であり、発見でしたね。
今までは自分自身の思っていた性格だけを伝えていましたが、ジョハリの窓を通して自分では感じてこなかった性格を先輩や同期の子からも話してもらうことができました。
そうすることで自身の強みが新たに発見できたり、仕事をするうえで活かせる点をつかむことができたりしましたね。
また、強みが見つかることで、転職などの面接でも相手の人にわかりやすく話ができるようにもなりました。反対に、盲点も明らかになったため、そこに対する分析と改善策を立てられたのも良かったです。
「ジョハリの窓」で自己分析をおこなうときの注意点
ジョハリ窓をおこなう際の注意点
ジョハリの窓は、自分の内面や他人の本音に触れる自己分析の手法であることから、いくつか考慮しておくべき点があります。実施結果を就活へ効果的に活かしていくためにも、実際にジョハリの窓をおこなう前に理解しておくべき注意点について解説します。
メンバーによって結果が変わることを考慮する
ジョハリの窓を用いた自己分析では、フィードバックをもらうメンバーによって結果が大きく左右されます。
家族や親しい友人、アルバイト先の上司など、関係性によって自分の見られ方は千差万別です。多様な意見を収集するためにも、可能であればジョハリ窓を何度か実施し、できる限り多岐にわたる人々から意見を聞くことをおすすめします。
また、メンバーの主観的な印象に振り回されることなく、複数の意見を俯瞰的に見渡す意識も大切です。
知られたくない部分が開示されることを把握する
自分では秘密にしておきたい側面が、ジョハリの窓をきっかけに周囲へ知れ渡ることがある点には注意が必要です。
具体的には「秘密の窓」に該当する部分が浮き彫りになり、これまでとは違う印象を相手に与えるケースが考えられます。どうしても見られたくない部分がある場合は、ジョハリの窓の実施を再検討すると良いでしょう。
とはいえ、秘密の窓の開示により、「そういえば、あのときこんな分析力を感じられるような行動をしていたよね」などと、他者から面接で話せるようなエピソードを提示してもらえる可能性も少なくありません。
また、自分では隠しているつもりでも、実は他人も認識しており「開放の窓」へ分類されるケースもありえます。知られたくない部分が開示されるリスクを事前に理解し、フィードバックを素直に受け止める気持ちを持って実践に臨みましょう。
ネガティブに捉える必要がないことを理解したうえで実践する
ジョハリの窓による自己分析では、自分の短所や課題も同時に発見してしまうことがあります。しかし、結果をネガティブに受け取る必要はありません。むしろ、自分の弱点を直視し、改善策を模索できる絶好の機会と捉えるべきです。
また、面接では短所を聞かれることもあります。就活においては、むしろ弱点の発見はポジティブに捉えるべきだと考えられるでしょう。ジョハリの窓が自己成長のためのツールであることを認識したうえで、前向きな姿勢で実施をしてみてくださいね。
時間がない……ジョハリの窓を簡単におこなう方法
ジョハリの窓を簡単におこなう方法
選考まであまり時間がない場合、ジョハリの窓を本格的におこなうのは難しいかもしれません。そのようなときは、オンラインツールを活用したデータ共有や、自己分析ツールによる簡易診断などの方法を積極的に取り入れましょう。
オンラインにてデータを共有しながら実施する
選考までの時間が限られている場合でも、オンラインツールを駆使することでジョハリの窓を効率的に実施できます。具体的には、「Google スプレッドシート」などの共有可能なツールを用いて、自己評価と他者評価のデータを迅速に収集・分析する方法が有効です。
オンラインツールには「画面共有」という機能があります。一つの画面にリアルタイムでデータを追記していけるため、対面でおこなっているのと同等の効果を得られます。スムーズな進行をおこなうために、目的や記入の仕方など、事前の説明を入念におこなったうえでの実践が大切です。
短期間で効果的な自己分析が可能である反面、表情や声のトーンなどの非言語的な情報が伝わりにくいため、誤解が生じないようお互いの配慮が必要です。
オンラインでジョハリの窓をしたパネリストに聞いてみた!

オンラインでジョハリの窓を実践した方にお聞きします。オンラインならではの新しい発見などがあれば教えてください。

ある企業のインターンシップの中で実施しました。知らない人同士でおこなったため、オンラインだと少しぎこちなく感じました。ただ、実際には自分のとても意外な一面を知ることにつながりました。

オンラインの内定者研修の一環で使用しました。 オンラインの特性上、一人が話し終わるまではほかの人が発言しにくい部分はありました。そのため、一人あたりの話題にかけられる時間が少なく、最後のほうの人はほとんど時間が取れずに延長。タイムテーブルが押してしまう不便さはありましたね。
自己分析ツールを使い一人で診断する
オンラインの適性診断ツールを利用すれば、他者の協力を得ずに一人でジョハリの窓の実践が可能です。たとえば、100万人ものデータをもとに個人の特性を分析する「AnalyzeU+」のような診断ツールがおすすめです。
まずは、自らの性格や特徴をできるだけ紙に書き出すことから始めてください。他者には見られることがないので、気にせずに何個あげても問題ありません。
次に、適性診断ツールの質問に回答をしていき、結果と自分で書き出した内容を照らし合わせてみてください。共通点や相違点が出た部分をそれぞれジョハリの窓の4つのエリアに分類すれば完了です。
もし時間があれば、診断結果を他人に見せて、フィードバックをもらうことを実践してみてください。どんどんジョハリの窓本来の自己分析に近づいていき、面接でもアピールできる要素が見つかるでしょう。
ジョハリの窓のやり方を押さえて自分を多角的に見つめてみよう
就活を進めるうえで、自己分析は欠かせないプロセスです。しかし、自分の特性を客観的に捉えることは簡単ではありません。そのようなときにおすすめできるのが「ジョハリの窓」を活用した自己分析です。
自己認知と他者認知のズレを可視化して、自分では気づかなかった強みや改善点を明らかにしてみてください。他者からの評価を真摯に受け止めることで、面接での質問対策に活かすこともできるようになるはずです。
時間があれば、いろいろな立場の人とジョハリの窓を実践してみることをおすすめします。自分の可能性を最大限に引き出し、内定獲得に向けて前進する力を身に付けていきましょう。
ジョハリの窓を活用した自己分析は、就職活動において自分自身を理解するうえで有効です。他人の力も借りるので手間はかかりますが、その分効果もあると思います。
また、その行動を通じて「自分自身が見えていない自分を知り、より良くなることに意欲的である」ことを示すことにも有効です。「自分が知る自分」と「他者が知る自分」を比較し、自己理解を深めるだけでなく、現状の自分の課題や問題にもきちんと向き合える姿勢や成長意欲をアピールできます。企業は入社以降の成長を期待して採用するため、自ら成長する意欲の高い学生は企業から見て魅力的です。
「自分自身を成長させられる人材だ」と面接官に感じさせよう
そのため、他者からの指摘をもとに行動を変え、成果を出した具体例を面接で伝えると、柔軟性や成長意欲もアピールできます。
たとえば、「友人から説明が速すぎると言われ、それ以来ペースを調整するよう心掛けた結果、チームの意見がスムーズにまとまるようになった」といった具体性のあるエピソードだと、多くの企業が「この学生は自分を成長させられる人材だ」と感じると思いますよ。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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ジョハリの窓を実際におこなったことがあります。大学3年生の4月ごろ、キャリアセンターの就活準備講座で自己分析のやり方を解説してもらったのがきっかけでした。オリエンテーションのような雰囲気で周囲の人と共におこなったのですが、もっとも理論的かつ客観的に自分を知ることができた手段だったように思います。