既卒とは? 既卒就活の実態や進め方をリアルな体験記付きで解説

既卒とは。経験者が語る既卒就活の現実

既卒とは? 新卒との違いは? 生の声から既卒就活の実態を知ろう!

「自分は既卒に当てはまるのだろうか?」「既卒が内定をもらうのは難しい?」

大学卒業後に就活を始める人にとって、既卒の定義を知っているのと知らないのとでは、その後の就活に大きくかかわります。既卒とは何かを正確に把握することで、採用枠が広がり、選考も有利に進められるのです。

この記事では、既卒の定義を明らかにし、既卒就活の進め方やメリット・デメリットを整理します。既卒就活の経験者や、いままさに頑張っている人たちの体験談をふんだんに織り込んで解説していくので、自身の経験と照らし合わせながら読み進めてくださいね。

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既卒とは? 就活における意味を理解しよう

既卒の就活は新卒のときと全く同じように捉えてしまうと、自分に合った仕事に出会うチャンスを逃してしまうことも。応募枠を正確に理解するためにも、まずは既卒の意味や新卒・第二新卒、フリーターとの違いを把握しましょう。

既卒の意味

既卒とは、大学や専門学校などの学校を卒業後3年以内で、正社員としての就業経験がない人のことを指します

学校を卒業した人がすべて当てはまると思われがちですが、一般的に卒業後4年目以降の人は該当しないことを押さえておきましょう。

新卒・第二新卒との違い

新卒と既卒との違いは、学校を卒業しているかどうか。就職活動においては、年度末に学校を卒業見込みで就職活動をしている学生を新卒と呼びます。

第二新卒は、就職後1~3年の短期間で退職をしたり、転職を検討している人を指します。既卒との違いは、正社員としての就業経験があることです。

25歳前後の人を第二新卒と考える場合が多いですが、採用枠は企業によっても異なります。

フリーターとの違い

フリーターは、卒業後に正社員ではなくアルバイトやパートとして働いている人のこと。フリーターで、学校卒業後3年以内かつ正社員経験がなければ既卒に当てはまります

フリーター向けの採用の間口があるわけではないため、25歳前後で一度も正社員経験のないフリーターは既卒として、それよりも年齢が高いフリーターは中途採用枠で求職活動をすることが多いです。

既卒で就活をするときの採用枠とは?

新卒生や転職者の採用フローは想像がしやすいですが、既卒のみを募集している企業は珍しく、既卒の人がどう企業に応募すればいいかのイメージはつきづらいでしょう。

意外に感じるかもしれませんが、既卒生は新卒枠と第二新卒枠の両方に応募できる可能性があります。応募時の心掛けとともに、それぞれの採用枠について詳しく説明します。

新卒枠で応募する

既卒生が新卒枠で応募することを可能にしている企業は全体の約7割。多くの企業で、既卒生にも新卒生と等しくチャンスがあります。厚生労働省が発表する労働経済動向調査(令和4年8月)によれば、2022年度に新卒採用をおこなった事業所のうち、「既卒者の応募が可能だった」とする事業所の割合は69%でした。

2010年以降、政府から経済団体などに対し「卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒の人も新卒採用枠で応募できるようにすること」と要請されています。つまり、既卒生を新卒枠で受け入れることは国としても推奨していることなのです

内定を獲得できるかどうかは自分次第ですが、学校を卒業したからといって新卒採用を諦める必要はありません。新卒枠で挑戦したい場合は、志望企業が実際に既卒生を受け入れているかどうかを募集要項で事前に確認したうえでぜひ応募してみましょう。

第二新卒枠に応募する

企業にもよりますが、既卒生は第二新卒枠にも応募することができます。就業年数が少ない第二新卒は、即戦力になることよりもポテンシャルを期待されている場合がほとんど。そのため、適性や将来性をアピールできれば既卒の人も第二新卒枠で採用される可能性があるのです。

企業が第二新卒に期待していること

  • 既存の仕事の仕方や考えにとらわれず仕事に取り組めること
  • 業務に対する熱意や関心

ただし、ポテンシャルと数年間磨いたビジネススキルとを両方持つ人たちもライバルになりうるので、自分なりにアピールできる点を携えて挑む必要があることは忘れないでくださいね

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焦らなくていい! 既卒就活が不利にならない理由

既卒生の募集を受け入れていても、採用されるのはわずかなのではないか、新卒のほうが有利なのではないかと不安に思う人もいるかもしれませんが、大きな心配をする必要はありません。昨今の就活において、既卒が不利にならない背景を確認しましょう。

多くの企業が既卒者を積極的に受け入れている

マイナビが2021年に発表したリサーチ(既卒者採用の10年間とこれから)によると、66.5%の企業が新卒もしくは中途採用枠で既卒者の応募を受け入れていると回答しました

また、2022年度 既卒者の就職活動に関する調査によれば、2023年4月入社予定の既卒者の内定保有率(2022年9月時点)は44.8%。さらにこの数値は2年連続で上がっています。

約7割の企業が既卒者の受け入れをおこなっており、加えて既卒者の内定保有率も徐々に上がっているのです。既卒者の就活を「厳しそう」と捉える必要はないのですよ。

社会人経験がないという点では新卒生も変わらない

既卒の人が新卒採用に応募すると、新卒生と比較検討されることになります。既卒の人は、卒業したのに社会人経験がない点をネックに思いがちですが、新卒生も同じく社会人としての経験はありません。

既卒だからといって特別な経験をもとめられるわけではないので、新卒の就活と同じくこれまでの経験や志望企業とのマッチ度をアピールすれば大丈夫です

また、既卒生が自分と比較しがちな第二新卒の中にも、このタイミングで未経験の業界に挑戦する人が多くいます。経験値を比べてためらうことなく、一歩踏み出しましょう。ビジネスマナーは書籍などで情報収集しながら入社後に身に付けていけば良いので、心配する必要はありませんよ。

既卒向け求人を探す方法4選

既卒就活を進めるうえで、求人の探し方がよくわからないという人もいるのではないでしょうか。ここからは、既卒向けの求人を探す方法を挙げていきます。既卒就活の経験者によるアンケートも参考にしてみてくださいね。

求人サイトから探す

既卒向けの求人は、新卒と同様に求人サイトから探すことができます。既卒の求人のみを扱うサイトはないため、新卒向け、転職者向けのサイトで既卒の応募を受け付けている求人を確認してみましょう。また、既卒・第二新卒といった20代を広くターゲットにしているサイトには「既卒歓迎」とされている求人も多くあるので、一度チェックしてみてください。

求人サイトのメリットは、一度に大量の求人を比較検討できること。自分に合った求人にまとめてエントリーすることも可能なので、なるべく多くの企業に応募したいと思う人には特におすすめです。

就職エージェントから探す

就活における悩みを相談しながら伴走してくれることが、就職エージェントの大きな強みです。既卒として就活をするうえでの不安があれば、正直に伝えてみましょう。

担当者が客観的に判断し、向いている求人を紹介してくれることもあります。自分ひとりで求人を探すのは心許ないという人はぜひ視野に入れてみてください

企業の採用サイトから応募する

興味のある企業がリストアップできている場合、企業の採用サイトから直接エントリーするのも一つの手です。新卒採用だけでなく通年採用をおこなっている企業もあるため、一般的な就活スケジュールにとらわれずチャレンジしてみてください。

他の企業にエントリーしたついでではなく、その企業のみを目掛けて応募することになるため、志望度のアピールにつながることもあります。実際に既卒生を受け入れているかどうかは各々の募集要項で確認してから応募しましょう。

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ハローワークで探す

ハローワークでも既卒の求人が豊富に見つかります。ハローワークは就職したい人に向けて求人紹介や就活のサポートをしている場所で、全国に500カ所以上設置されています。

既卒で卒業後3年以内の人は「新卒応援ハローワーク」を利用することができます。就職に関する知識・経験を豊富に持つ「就職支援ナビゲーター」が一人ひとりについてサポートしてくれるため、心強い環境で就活を進められるのがポイントです

卒業後4年目以上の人は、「わかものハローワーク」を利用してみてください。こちらでもマンツーマンで就職サポートやスキルアップの支援を受けられます。

既卒就活にネガティブなイメージを持っていて、きちんと内定がもらえるのか不安な人は次の記事を読んでみてくださいね。既卒で就活をするときのポイントを紹介しています。

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志望業界・企業の幅を広げてみる

先ほど述べた通り、新卒もしくは中途採用枠で既卒者の応募を受け入れている企業は約7割。社会人経験のない既卒者の場合、新卒よりも応募の機会が減ることは確かです。

自分とマッチする就職先を見つけるために志望業界・企業を絞ることも大切ですが、最初から応募数を減らすとその分内定を得られる確率も下がってしまいます。視野を広げ、興味を持った企業には積極的にエントリーしましょう。

特に新卒時に強いこだわりを持って就活していた人は、自己分析をして志望業界や企業を一度見直し、周辺の業界や関連企業にも目を向けてみてください。

アピールポイントやキャリアプランを再確認する

既卒として就活に再挑戦する人の中には、新卒時に「ここで働きたい!」と思える企業に出会えなかったり、社会人として働くイメージが湧かなかった人もいるのではないでしょうか。

既卒就活では自分の強みや適性、社会人として実現したいことや貢献できることを洗い出してから臨むようにしましょう

「こうなりたい」というキャリアプランを描くことで目的意識を持って取り組める仕事を見つけることができ、アピールポイントを把握していれば、企業とマッチする部分を面接で的確に伝えられますよ。

既卒になった理由を言えるようにしておく

マイナビの2022年度 既卒者の就職活動に関する調査によれば、既卒生が就職活動で最も大変だったと思うことは、「既卒者として活動している理由を聞かれること」(47.9%)でした。ここでしっかり準備すれば、面接にも堂々と臨めるはず。

在学中に就職活動をする人が多い中でなぜ卒業後に就活をする選択肢をとったのかは、企業も気になるところです。「働く意欲が低いのではないか」などの消極的なイメージを持たれてしまうこともあるので、そのような懸念も解消されるようにきちんと理由を伝えましょう。

中には、「就活に失敗した」「やりたい仕事が見つからなかった」など、ネガティブな理由がある人もいるでしょう。正直に伝えつつ、在学中の就活を踏まえた改善点や意気込みも述べることを意識してください

空白期間も言えるようにする

空白期間とは、4年生になり就活が解禁されてから卒業までの間または卒業後に就活をしなかった期間のことを指します。「就活ができるはずの期間は何をしていたのか」は、既卒になった理由と同じく企業が必ず聞きたいところ。ここで採用担当者を納得させることが、既卒就活を成功させる肝となりますよ。

嘘をついてごまかしたりせず素直に答えることをおすすめしますが、「入社後にちゃんと業務をこなしてくれるのだろうか」と不安に思わせるような回答は避けましょう。

たとえば4年生のときは就職する気が湧かず何もしていなかったという場合、その事実だけを伝えるのではなく、今は向上心を持って就活に取り組んでいることが伝わるように意識してください

就活ストレスに押しつぶされていませんか?

就活では、自分の弱みと向き合ったり、ほかの学生と比較してしまったり、ストレスを感じる場面が多いです。就活のストレスを、抱え込んだままにしていませんか?

就活力診断テスト」では、あなたがストレスを感じやすい瞬間がわかります。ストレスを察知しておくと、上手に就活と向き合うことができるでしょう。

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即戦力に近づけるようスキルや資格を身に付ける

既卒生は、新卒と違って大学の課題や単位取得を気にしたりする必要がなく、比較的時間が作りやすいです。この期間を使って、興味がある分野や志望職種にかかわるスキルを身に付けたり資格を取ると、他の既卒生と差を付けることができますよ。

勉強を続けることは継続力や向上心をアピールするエピソードにもなり、何か武器を持っていると自信を持って就活を進めることができます。描いているキャリアや自分の興味関心に合わせ、身に付けると良さそうなスキルを一度調べてみてください。

こちらの記事では、既卒就活の体験談をもとに、既卒就活の進め方や選考対策をより詳しく解説しています。経験者が実践していた対策が気になる人は、ぜひ参考にしてください。

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既卒で就活する人に知ってほしい注意点

既卒の就活を必要以上にネガティブに捉える必要はありませんが、納得いく就活を進めるために、頭に入れておいてほしいこともあります。既卒就活をするときの注意点を3つ解説するので、確実に押さえておきましょう。

空白期間は長いほど不利になってしまう

アルバイトをしながらやりたい仕事を見つけたり、海外に留学するなど、空白期間の過ごし方は人によってさまざま。しかし空白期間が長ければ長いほど、企業からは「就職をしない代わりに何かに打ち込んだのだろうか」など、それだけの経験や理由をもとめられます

意思を持って何かに取り組んでいた場合はアピールポイントにすることもできますが、何もせず過ごした時期が長いと、採用においては不利になるケースがほとんどです。

病気や家庭の事情などで長い空白期間ができてしまった場合は、正直に伝えて問題ありません。ただし企業にとって「入社後は問題なく働けるのか」は知っておきたい点なので、その懸念が払拭できるような伝え方をしましょう。

新卒より情報収集が難しい

既卒生は新卒のときより情報収集がしづらいことを把握しておきましょう。新卒と違い周りに就活をする人が少なく、学校やアルバイト先などの同級生と相談しあったりアドバイスを受ける機会がどうしても減ってしまいます。

また、卒業後は大学のキャリアセンターを利用できない場合があるので、業界知識や選考対策などは自分で積極的に調べる必要があります

卒業後4年を過ぎてしまうと既卒枠から外れることが多い

既卒の人にはまだ多くのチャンスがありますが、卒業後4年目になると、既卒として扱われず新卒はもちろん第二新卒枠での採用も厳しいケースが多いです。

卒業後4年目以上は中途採用枠で応募できる企業もありますが、一般的には採用される可能性が低くなってしまうのが事実です。年齢を追うごとに相応のスキルも求められるため、就業経験がゼロだと他の候補者と比較された際どうしても不利になります。就職したいと思ったら、なるべく早く行動に移しましょう。

既卒だからと焦る必要はない! 自分と向き合って納得のいく就活をしよう

既卒と新卒・第二新卒との違いや既卒就活の進め方、就活を成功させるために押さえてほしいことを経験者の声をふまえ説明しました。

大卒者のおよそ97%が新卒として就職していくなかで、既卒の就活は成功しづらいのではないかと前向きになれない人もいるはずです。しかし、既卒だからといって新卒や第二新卒の人たちと比べて心配する必要はありません。自己分析や情報収集をしっかりとおこない、落ち着いて就活に臨みましょう。

就活力診断テストはもう使いましたか?

就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。

面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。

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編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる