上司と合わないときはどう対処する? 経験者に聞く原因別の改善方法

上司と合わない 解決に進むための4つのルート

「上司と合わない」と悩んでいる人必見! リアル体験談や状況改善する方法を紹介

会社員として働く中で、職場環境に関する悩みはさまざまありますが、上司との対人関係に頭を抱える人もいるのではないでしょうか。上司と合わない悩みを抱えたままでいると、会社へいくことも億劫になってしまいますよね。

この記事では、上司と合わない状況を改善するための方法について解説します。同じ悩みを経験した人の乗り越え方も紹介するので、上司との関係性にストレスを抱えている人はぜひ参考にしてみてください。

あなただけじゃない! 経験者に聞く「上司と合わない」エピソード

上司と合わない環境で仕事をすると、嫌な気持ちが膨らみ、不安感や劣等感を持ってしまいますよね。次第に「上司とうまくいいかない原因は自分にあるかもしれない」と、自分自身を責めてしまうこともあるでしょう。

対人関係における接し方や相性の感じ方は人それぞれで、不満を持つのは珍しくありません。実際に日経メディカルが調査した「職場の上司に対する意識調査」でも、上司への満足度について約55%の部下が否定的な意見を示しています。

上司への満足度

上司との関係性に悩むのは決して自分1人ではなく、多くの人が同じ悩みを抱え乗り越えています。経験者の実体験も聞いて、まずは「自分だけじゃない」と、気持ちの切り替えをしてくださいね。

上司に対して悩んだ経験談を教えて!

D・M
D・M
成城大学/経済学部
昔ながらの考えを持つ上司の元に配属となってしまった……

新卒で入った住宅メーカーで、昭和のやり方がかなり残った上司のもとで働くことになってしまいました。

同期が60人いて、その半分は同じ営業職への配属となりましたが、ほとんどが口を揃えて「上司は優しい」と言っていたので、自分を含め数名だけが昭和っぽい考えの上司に当たったんだとわかりました。

その上司とそりが合わずに辞めた人は1年間で3名ほどおり、住宅展示場という数名しかいない空間でメンバーが少なくなっていったので非常に不安になりました。

頑張ってみたが裏目に出てメンタル面に影響が
そんな中でも「そういう苦い経験をしていくことも、今後辛いことがあった際に乗り越えられる糧になる」と思って頑張りました。

ただ、過ごしていく中でだんだんと心が疲弊してきて、最終的にはメンタルが崩れました。そうならないように自分で予防するべきだったのですが、目の前のことに精一杯で自分のケアを後回しにしてしまいました。

メンタルを崩したものの、営業所をまたいで異動することができました。その上司とはほぼかかわらない環境でリスタートでき、その後は安心して働くことができました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
上司からの嫌がらせに遭い仕事に支障が出て悩んでいた

2社目に経験した会社では、上司と合わない状況にひどく悩んだことがあります。

入社した当初は物腰も柔らかく、丁寧に話を聞いてくれる印象だったのですが、仕事に慣れて成果が上がってくるにつれ、必要な情報共有をしてもらえなかったり、報告した内容を、「報告は受けていない」とさらに上の上司に伝えられていたりと、上司に嘘をつかれる状況が多くなって仕事に支障をきたすようになってしまいました。

最初は優しかったことや、会社からの評価は高い上司だったので、「私が何か失礼なことをして睨まれてしまっているのかもしれない……」と心苦しい日々が続きました。しかし、ある日先輩たちとの飲み会でぶっちゃけて相談をしたところ、「あの人はそういう人だから本気で相手しちゃダメ」と言われ、周囲も似たような経験をしていることがわかりました。

周囲に助けを求めることも大切、無理せずに周りに相談しよう
その後も何度も嫌がらせに遭い、仕事のミスをなすりつけられてしまったり、ひどいときはその人との人間関係が理由で退職者が出たりといった場面が何度かありました。

しかし、退職者たちが会社に赤裸々に事実を語ってから退職していったことや、在籍メンバーからの相談も相次いだことが理由で、会社の上層部も事態を重く受け止めてくれるようになり、その上司は最終的に部署で居場所をなくしていき、最後には転職されました。

とてもつらい日々かつ長い戦いでしたが、最終的に頑張っているメンバーが守られる形になり嬉しかったです。私自身は転職先で快適に働くことができています。状況を改善する道はかならずあるはずなので、思い詰めずに同じ悩みを持つ仲間を探して、相談し合いながら過ごしてほしいです。

K・U
K・U
名古屋学院大学/経済学部
初就職の上司にパワハラ思考があった

新卒で入社した会社の上司は、個人的に苦手なタイプの人でした。彼はプレイヤーとしては非常に優秀で、実績を評価されて課長になった人でしたが「新卒で勉強中の身分で残業代を申請する神経がわからない」「俺が若い頃は、始業1時間前に出勤して率先して仕事していた」など、今ではパワハラとして問題視されるような言動をする人でした。

当時はその会社しか知らなかったため、「これが普通なのか」と思って我慢していました。しかし、業務の進め方に関しても毎日のように叱責をされるようになり、だんだん仕事に行くのが憂鬱になっていきました。

悩みは周囲へ相談し、ときには思い切った行動も大切だと感じた
同じ会社の同期や、ほかの会社の友人に相談したところ、「上司のその言動はおかしい、あなたは悪くない」と言ってもらえ、気持ちが楽になりました。その上司のさらに上司への相談も検討しましたが、結局、転職という選択を取ることにしました。

転職先の会社の上司は、フラットに接してくれる方で、人間関係でのストレスは環境を変えたことがきっかけでなくなったと思います。この経験から、思い切って環境を変えることで解決する悩みもあるのだと学びました。

上司と合わないのは、自分のメンタルが弱いからではないのか、と不安に思っている人もいるでしょう。こちらの記事ではメンタルの弱い人が持つ魅力や、それを強みに変える方法などを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
メンタルが弱い人が持つ5つの才能|社会人が教える弱点克服法とは?

経験者からのアドバイス|上司と合わない環境を改善しないとどうなる?

上司と合わないと感じてはいるものの、改善方法がわからず「自分が我慢すればいい」「そのうちなんとかなるかも」と、状況を放置してしまう人もいるでしょう。

目の前の問題をそのままにすると、気付かないうちにストレスが溜まり、結果的に「早く動けば良かった」と後悔してしまうこともあります。

状況改善に動くべきか悩んでいる人は、いまの状況を放置すると起こり得るリスクを知って、将来の自分のためにどうすべきかを検討してみてくださいね。

心身に影響が出る

職場での対人関係によるストレスは、日々のなかでじわじわと増幅し、やがてみずからの心身に悪影響を及ぼす可能性があります。夜眠れない・食欲がわかないなどから始まり、適応障害やうつ病などを引き起こすリスクも。

一時のストレスが、今後の仕事や人生に大きな影響を与えるトラブルにもなりかねません。なかでも、真面目で責任感が強い人や、ストレス耐性が低い傾向がある人は、上司と合わないと感じ始めたら早めの対処で改善しましょう。

「改善できない」「周りに迷惑をかけるかも」と心配してしまうかもしれませんが、まずは声を上げることが大切です

上司と合わないストレスから仕事がつらいと感じる人は、こちらの記事で対処法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
仕事が辛いときみんなはどうした? 経験談から知る対処法3ステップ

仕事のパフォーマンスが下がる

職場の上司とは業務上どうしてもかかわりが必要となるので、関係性の悪さが仕事へ影響することも考えられます

「会話を避けているうちに問題の報告が遅くなり、事態が悪化した」
「わからない業務の質問ができず、効率が下がった」

話したくないという心理から自然と会話を控え、このようなトラブルが起きかねません。

仕事のパフォーマンス低下は、周囲へ迷惑をかけてしまう事態にもなるため、自分や周りのためにも早期の解決を目指すことがおすすめです

上司に理不尽に怒られた経験があると、それ以降なかなか業務について相談できなかったりすることもあるでしょう。そんな状況から抜け出すためにはどうしたら良いのかについて以下の記事で解説してます。
理不尽に怒られる……同じ経験をした社会人が語る対処法とは

キャリア形成の妨げになる

上司と合わない状況を放置すると、自分のキャリア形成への影響も考えられます。適切な指導を受けられずスキルアップの妨げになる場合や、不相応な評価で昇格の機会を逃すかもしれません

自分の能力の成長を感じられないことや、実力にあった仕事を任せてもらえないストレスは次第に職場全体へと広がっていきます。

上司との相性が理由で、職場への不満が募ってしまわないためにも、早めの改善を目指すべきといえるでしょう。

合わない上司と働くうえでどんな影響があった?

K・U
K・U
名古屋学院大学/経済学部
上司からのプレッシャーで眠れなくなってしまったことも……

自動車ディーラーで営業をしていたときのことです。たまたま仕事でトラブルが連発して、そのときの上司だった支店長にスケジュールや仕事内容をすべて管理されるようになってしまいました。

トラブル対応やスケジュールが管理されていることで、自分の業務が円滑に進まず、さらにトラブルが増えていきました。毎日仕事に行くのが本当に嫌で、正直次の日の仕事のことを考えると眠れない夜もあり、転職活動を始めました。そうしたら、自分が別の店舗へ異動になり、このときは転職はしませんでした。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
うつ病になり仕事が手につかない状態になった

まったくモチベーションも上がらないし、ミスもかなり増えてきました。結局1年ぐらい我慢していたのですが、メンタルが崩壊してしまいうつ状態になりました。

仕事場に着くと途端に頭がぼーっとして集中力がまったくない状態で、上司と顔を合わせると緊張して、心拍数が上昇し、体全体が熱くなる・動機や息苦しさが出るなどが毎日のようにありました。仕事が全然手につかなくなってしまい、やむを得ず異動を申し立てることになりました。

体験談でしか聞けない原因解明のヒント! 上司と合わない理由を解説

ここからは具体的に状況改善を目指す方法として、上司と合わない原因を深掘りしていきます。上司と合わないと感じる原因とその理由について詳しく解説するので、自分に近いものを見つけてくださいね。

同じ悩みの経験者に、いまだからこそわかる、上司と合わなかった理由も聞いてみました。原因解明の参考にしっかりとチェックしておきましょう。

上司と合わないと思う理由は何だったと思う?

D・M
D・M
成城大学/経済学部
上司との性格の不一致が大きな原因だった

まず上司がどのような性格をしているのかを客観的に見てみるべきだと思います。

「自分が単純に怠けているから」とか「逃げているだけ」などが理由なら、正直どこで働いても同じ状況に陥るので、自分を変えることでしか解決しないです。ただ、上司の性格が原因でどうしようもなかったら、遠慮なく離れていくべきだと思います。

私は上司の性格が悪くても、どうやったらそれを解決できるかを考えていましたが、その期間が長すぎた結果、メンタルを崩してしまいました。期限を設け、それまでに解決しなかったら離れるなどと判断軸を用意すると良かったのでは、と今となって感じています。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
今振り返ると上司の一方的な態度が原因だったと実感

私の職場の場合、上司と関係が悪くなってしまう原因は、部署内で競い合う社風と、上司も同じプレイングマネージャーであったことが原因だと思います。

もちろん、その上司の性格が難ありだったのは大前提なのですが、営業という仕事柄、やはりどうしても好調なメンバーに対して嫉妬心を持つ場面があると思います。その上司の場合も、自分よりも高い成果を出す人間をロックオンする傾向があり、その時期に活躍しているメンバーが被害に遭いがちでした。

マネジメント側の立場ですが、プレイングマネージャーとして仕事をされており、一営業としての成果も求められる環境にいらっしゃったので、余計に「メンバーを育てる・導く」という考えよりも、「競う対象」として見てしまうことがあったのかもしれません。

どうしても悩んでいる最中は「自分が何かしてしまったのでは……」と自分を責める思考になってしまいがちなのですが、今振り返ると私ではどうしようもない状況だったと思います。このような癖の強い上司とうまくやっていこうと意識を巡らせるのは非常にパワーがいるので、転職して環境を変えられたことは本当に良かったと思っています。

T・H
T・H
福井大学大学院/工学部・工学研究科
自分を犠牲にしてしまうことが大きな原因となる

必要以上に自己犠牲しないことが大事だと思います。

もちろん仕事なので、ある程度我慢が必要な場面はあります。しかし、周囲に相談して「それは間違っている」と言われるような状況になったら、意見を発信してみることも大事です。

直属の上司に直接意見するのが難しければ、先輩社員やほかの上司の助けを借りて状況を変えていくことができます。自分の気持ちと組織の都合、双方がバランスが取れている状況にすることができれば、長く働きやすい環境になると思いますよ。

上司と考えや価値観が合っていない

対人関係の相性が悪いと感じる場合、その人の考え方や価値観に賛同できないことが理由の一つと考えられます。

たとえば「仕事はやりがいや楽しさを重視するもの」と捉える部下と、「仕事は成果重視で得られる報酬が重要」とする上司では、業務の進め方やスタイルが異なりますね。

自分とは異なる考えや価値観に触れ続けると、次第に相手への不満や不安が蓄積されていき「合わない」と感じるようになるでしょう

ほか、「この業務にはこのやり方」と固執した考えを持っていて、新しいやり方を取り入れようとしないなど、仕事の進め方に違和感を感じるケースも考えられます。

お互いのコミュニケーション不足

上司と最低限しか言葉を交わさないことから距離感ができてしまい、関係性の構築に影響が出ているケースです。

話しづらいと感じて会話を避け、邪魔にならないようにとの遠慮からコミュニケーションが不足した結果「合わない」と感じる状態に

また、近年はパワハラに敏感になっている企業も多いため、上司みずから必要以上の会話をしないようにしている可能性もあります。上司と合わない理由は、そもそもの会話不足が原因かもしれません。

上司にハラスメントの傾向がある

高圧的な態度、意図的な無視、男女差別など、上司のハラスメントが原因で合わないと感じることもあるでしょう

近年ではハラスメントを厳しく取り締まっている企業も多いですが、会社の風潮や昔から根付いた風習が残っており、良からぬ態度を取る人もいます。

社会人経験の少ない新卒の場合は、上司にハラスメントの傾向があっても判断しづらいかもしれません。ただ、一般的な対人でのやり取りと比較し、明らかな違和感を感じるときは、早めの対処をすべき状況だといえます。

ハラスメントの範囲でなかったとしても、ストレスを抱えるほどの嫌な発言や圧力を感じるような態度を取る上司であれば、いずれにせよ今の環境を変える対応が必要となるでしょう。

上司の指導能力不足

通常、多くの企業では、上司が部下に仕事の指導をして人材育成する形が取り入れられています。ところが、上司からの指導が受けられず、どのように仕事を進めれば良いかわからない状況から不満が生まれ「合わない」と感じる結果を招くことに

または、指導は受けるものの、具体的でない・的確でないなど、上司の力量不足が影響している可能性もあるでしょう

基本的に仕事の裁量権は上司の方が大きいため、指導能力が不足していると、業務の進行や部下の能力向上に影響します。上司からの指示や指導内容に違和感を持つ人は、上司の指導能力が原因と捉えて良いのかもしれません。

動き出しが肝心! 上司と合わない現状を改善するときの注意点

上司とうまくいかない環境は誰もが「早く改善したい」と考えますよね。そのため、いやな気持ちを感じたら、すぐに動こうとする行動派の人もいるのではないでしょうか。

対人関係の改善には、状況に応じたアプローチを慎重におこなっていく必要があります。感情的に動いたり、無計画ではじめようとするのはおすすめできません。

考えなしに行動して後悔しないためにも、上司と合わない状況を改善するときの注意点について知っておきましょう。今まさに行動に移そうとしている人も、良い結果にするためにぜひチェックしてみてくださいね。

上司との関係を改善しようとして失敗した経験はある?

D・M
D・M
成城大学/経済学部
まずは「耐えてみよう」と試みた

上司は変わらないと思ったので、耐えてまず「信頼してもらおう」と考えていました。しかし、その上司のそばで働いていくなかで、ほかの人と上司がぶつかり合ったり、対立したりするのを見て、自分が反抗したり感情的になったりすると逆効果だなと考えました。

その上司はボスっぽい独裁的な人で、営業所の所長をしていたのですが、他店の店長もその上司から詰められてたじたじになっている場面も目撃してしまったので、最初のうちは「どうにか耐えるしかない」と結論付けました。

ただそうして耐え続けた結果、メンタルを崩したので離れることも大事と感じました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
低姿勢な接し方を心掛けた

非常にプライドの高い上司だったので、「教えてください」という姿勢でいること、頼りにしている雰囲気でかかわることを意識していたことがあります。

たしかに、しばらくは気持ち良く対応してくださるのですが、やはり上司の機嫌や仕事の状況次第でコロッと関係が悪化してしまうので、なんだか振り回されて余計にしんどくなってしまいました。

同じ職場で働いていますし尊敬する部分もないわけではなかったので、上手に関係を築きたかったのですが、途中から関係構築は諦め、いかにその上司の嘘に巻き込まれないようにするか、という方向に気持ちを切り替えました。

すべて1人で解決しようとしない

上司と合わない状況を変えようとするとき、1人で改善方法を考えたり、直談判して解決しようとする人もいます。

主体的に動く姿勢はとても大事ですが、上司との関係性を改善するには、自分よりも立場が上の人間とやり取りをする方がスムーズに対応が進むことがあります。

また、上下関係がある状態での改善は難しく、やり方を間違えると部下側が不利になってしまうこともあるでしょう。さらに、1人で改善しようとするとできることが限られてしまいます。人事や別の上司に頼ると、個人ではなく会社としての対応をしてもらえるので、安心感を持って改善に臨めますよ。

「自分の問題だから」と責任を感じてしまうかもしれませんが、改善の選択肢を増やすためにも、周囲を頼ってみてくださいね

原因が不明確なまま動かない

「今の状況が嫌でとりあえず直談判をした」
「会話しなければ解決すると思ったら仕事しづらくなった」

このように、上司と合わない原因を明確にせず動くと、状況は悪化の一途をたどるかもしれません。

状況を改善するためには、原因にあったアプローチが一番の効果的です「合わない」と感じた気持ちはどこで生まれたのか、なぜそう思ったのかを深堀りし、根本的な改善を目指しましょう

相談は信頼できる人物にする

上司と合わない状況の改善には、周りを頼ることも必要と紹介しましたね。周囲へ相談するときは、話す相手も意識しておきましょう。

気軽に社内の同僚や先輩に話してしまうと、自分の思わぬところで事態が動いてしまい、改善に動く前に上司へ不満が伝わるリスクもあります

センシティブな問題であるからこそ、いまの気持ちを相談するときは、信頼できる人物や専門窓口の担当者などにしぼって悩みを打ち明けましょう。話が漏れない外部の友人や、キャリアカウンセラーなどもおすすめです。

自分にも非がないかを確認する

上司と合わない原因に成り得るのは、相手だけとは限りません。自分自身の接し方や捉え方が原因となることもあるので、改善に動く前には、みずからの態度や姿勢の確認も必要です

上司の態度が悪くなるような言動をしていないか、仕事の評価が厳しくなるミスを連発していないかなど、直近の行動から自分に原因がないか振り返ってみましょう

相手に働きかける前に、自分を変えることで改善する状況もあるかもしれませんよ。

先輩のリアルな対処法から学ぶ|上司と合わない状況を改善する4つのルート

上司と合わない状況を改善する4つのルート

ここからは上司との関係性の改善に動く方法を紹介します。合わない原因ごとに4つの対処法を解説するので、自分に近い状況から解決の道を見つけてくださいね。

経験者が実際に改善した方法も交えて紹介するので、対処に動く自分をイメージしながらチェックしていきましょう。

ルート①上司に直接働きかける

直接働きかける方法が有効なパターン

・普段からあまり話さない
・仕事の進め方が合わない
・意見を聞いてくれない

上司とのコミュニケーション不足や、仕事のやり方に相違を感じている場合は、直接相手への働きかけで改善を目指します。単に話し方や回数を増やすのではなく、相手の気持ちを引き出すアプローチや、話す内容への意識が大切です

自分の接し方を変えるため、慣れるまで大変に感じることもありますが、後半ではうまく進められるコツやポイントについて解説するので参考にしてくださいね。

ちなみに、ルート①の解決法が有効なパターンは、上司とある程度のコミュニケーションが取れるものの、関係性がうまくいかない場合です。話しかけても会話を無視されたり、一方的な態度を取られている場合はルート②の方法が適切です。

上司に直接働きかけた先輩たちの体験談

D・M
D・M
成城大学/経済学部
積極的な姿勢で上司へアプローチを試みた

営業職だったので、その上司から学ぶ姿勢をアピールしたり、上司の仕事を手伝って仕事を覚えるなどをしていました。できないなりに努力することがアピールにつながると思っていたので、少しでも積極的な姿勢は見せるようにしていました。

あとは当たり前のことを当たり前にできるように、周りへの気配りや発言なども注意していました。だたその上司が求めるものと自分の行動量が足りなかったようで、上司との良い関係を築くにはまだ甘かったようでした。

T・H
T・H
福井大学大学院/工学部・工学研究科
無理に合わせようとしたことで関係が悪化した

馬が合わなかった上司との関係をよくしたいと思い、コミュニケーションを積極的に取っていましたが、なかなか距離を縮めることができませんでした、

上司と少しでもコミュニケーションを取りたいと思い、私自身は初心者にもかかわらず、定休日に上司の大好きなゴルフへ一緒に行きました。同じカートで回っていたのですが、特にこれといって会話もせずに、自分のスコアの悪さで相手の機嫌が悪くなり、ゴルフに一緒に行く前より関係が悪化してしまったこともあります。

せっかくお金をかけてゴルフセットを買い、休日を使い一緒に行きましたが逆効果で残念です。

ルート②職場環境を改善する

職場環境を改善する方法が有効なパターン

・ハラスメントの傾向がある
・手柄を自分のものにされる
・業務の指導をしてもらえない
・評価に偏りがある

上司にハラスメントの傾向がある、指導をしてもらえないなどの場合は、こちらからの働きかけで改善が難しい状況です。そのため、周囲の力を借りながら環境を変えられるように進めましょう。

職場環境を改善するときの行動のポイントとしては、「誰に」「どのように」「どこで」話すかに注目しましょう。上司と合わない内容によって相談方法が少し異なるので、事前に原因と状況の整理も大切ですよ。

職場環境を変えようと思ったことはありますか?

D・M
D・M
成城大学/経済学部
先輩を通じて人事に話しを通してもらった

直接上司に異動希望を伝える勇気が持てなかったので、先輩社員に相談するところから始め、人事を通じて異動することにしました。

当時は「異動ができないのであれば辞める」ぐらい強く言っていたことによって異動が実現したと思います。親身になってくれる相談相手をしっかり選ぶことや、理由を曖昧にしないではっきりと意見を言うことが大事だと実感した経験です。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
証拠を持って上司の上司へ相談

合わない上司のさらに上司と面談をした際に、具体的なトラブルのエピソードや理不尽な嘘で仕事に支障が出ている証拠を持っていき、できるだけかかわらずに済む方法はないかと相談したことがあります。

その結果、部署内で小さな配置転換が発生したタイミングで、その上司の直下ポジションから外れることができました。

仕事柄、チームが変わってもかかわりをゼロにすることはできないので、その後も何度かトラブルはありました。しかし、圧倒的に数が減ったうえに、安心して相談できる上司の直属に変わったことで精神的にとても安定しました。

ルート③自分の考え方を変える

自分の考え方を変える方法が有効なパターン

・反応が冷たい
・相手によって態度を変える
・人柄が苦手

ハラスメント以外の理由で、上司の反応や人間性が合わないと感じる場合は、人事にかけあったとしても異動できる可能性は低いでしょう。今の状況を改善するには、自分自身の考え方を変えてみることがおすすめです

上司の見方や、言葉の捉え方など、少しの意識を変えると自分の受け取り方が変わるかもしれません。周囲を巻き込まず、自分で解決できると知ると気持ちも楽になりますよね。自分の意識改革で、今の状況を改善できるように動いてみましょう

人柄が合わない上司に対してどのように接した?

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
自分の受け取り方を変えることで乗り切った

営業部内の成績によるパワーバランスと上司自身の成績が良いか悪いかで、その人の機嫌や人とのかかわり方が変わる状況だったので、割り切ることを大切にしていました。

機嫌が良く、良い形でコミュニケーションをとってくださるときは「ラッキー!」と思い、機嫌が悪く振り回されるタイミングでは事故に遭っていると思うようにしていました。

関係改善のためにこちらのかかわり方を変えるなど頑張った時期もありましたが、結局はすべて上司の機嫌次第なので、最終的にはこの割り切るスタイルに落ち着きました。

ルート④転職して新しい環境で働く

転職して新しい環境で働く方法が有効なパターン

・上司の考えが社内でも共通している
・ルート①②で働きかけたうえで変化の兆しが見られない

上司と合わない状況は、こちらが行動しても変えられないケースもあるため、環境自体を変えることも一つの手段です。ところが、転職を考えながらも「決断する基準はなに?」「自分はまだ我慢すべき?」と、躊躇して悩むこともありますよね。

記事の後半では、いまの状況から転職を目指すための行動について解説します。決断に迷っている人も、まずはイメージをつけるためにチェックしてみてくださいね。

転職を判断する材料として、合わない上司がきっかけで転職した経験者のエピソードにも耳を傾けてみましょう。

働きながらの転職を考えている場合は、こちらの記事をチェックして先輩の体験談を聞いてみましょう。
働きながら転職を経験した先輩に聞く! 仕事と転職活動を両立するコツ

転職を検討したきっかけは何だった?

D・M
D・M
成城大学/経済学部
尊敬する気持ちを感じられなくなってしまった

営業会社なので、厳しい上司はいる、という前提で入社しましたが、上層部も昭和気質がある40~50代の方が多かったので「耐えることが美徳」みたいなところがあり、転職意欲が半端な状態だとすぐに引き留められたりします。

私は4回上司が変わって2人が合わない上司でした。ほかの2名の上司は昭和なやり方を良しとしない方針で非常に働きやすかったです。

私が当時合わない上司の特徴は「独裁的」「悪口が多い」「正論で詰めて論破してくる」などがあり、人としてまず尊敬できる部分がなかったです。少し主観も入れてますが、客観的に見てもその上司を好いている人はほとんどいなかったです。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
できることはやったうえで「これ以上は無理だ」と感じたのがきっかけになった

総合的な理由で転職したので、上司との問題がすべてではありません。ただ、上司に関する問題が改善しなかったときは転職しようかな、と考え始めたときに背中を押してくるような出来事がありました。

当時悩んでいた上司は、非常にプライドが高く、そのときの機嫌や自分の成績によって部下とのかかわり方に大きな波がある上司でした。上司自身も一営業として活躍していた状況もあり、ほかメンバーが自分よりも成果を上げると、嘘をついて振り回したり、必要な情報を回さなかったりと理不尽なおこないをすることが多く、私含め多くのメンバーが被害に遭いました。

関係改善のためにコミュニケーションも変えましたし、さらに上の上司にも相談しましたが根本的な解決にはならず、力のあるメンバーが続々と退職し始める事態となりました。私自身も、きっとこの状況は変わらないし、この会社は頑張っているメンバーよりもこの上司を守るスタンスなんだなと感じてしまい、これ以上耐える必要はないと判断して、転職の意思を固めていきました。

転職の意向を伝えても、場合によっては引き留められることもあるでしょう。以下の記事では、会社が辞めさせてくれない場合の対処法や、経験者が退職の意思を貫いた方法などを紹介しているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
会社が辞めさせてくれない……経験者が「退職したい」を貫いた方法

ルート①上司に直接働きかける|周りも頼りながら行動しよう

上司に意見を伝えるときのコツ

ここからは、自分から働きかける形で上司と合わない状況を改善する方法を解説します。

いつもの行動への意識を変える必要があるので、はじめは慣れずに苦労する部分もあるかもしれませんが、一つずつチャレンジすることで改善の兆しが見えるでしょう。

上司の反応を見ながらどの行動が効果的か判断するため、一気に全部試すのではなく、一つずつ試してみることが大切です

質問の方法を変えてみる

上司と仕事の進め方が合わない・意見を聞いてくれないといった場合は、質問方法を変えてみることがおすすめです。

とはいえ、進め方が一方的、意見が通らないなど、上司の行動が合わない原因の場合、「質問の改善をしても意味がないのでは?」と感じる人もいますよね。しかし、上司が仕事の方針などの考えを決める前に、こちらから質問という形でアプローチをおこなえば、関係性の改善を試みることが可能です

例として、営業の進め方のやり取りを改善する方法を紹介します。

悩み
上司はいつも自分の進め方で私に仕事をさせようとしてくるが、私には私のやり方があると感じており悩んでいる

➡今回の会話の内容である新商品の営業手法について相談したい

改善前

いつも上司からの指示に意見をしている

改善後

先にこちらの考えを示したうえで、仕事の進め方について質問した

具体的な質問:
「新商品の営業方法についてなのですが、いつもは新規登録者からアピールしていきますよね。今回は昔の商品のリニューアルバージョンということなので、既存顧客を優先して営業していくのはいかがでしょうか?」

このような形で、自分の意見を根拠を踏まえて質問することで、上司の先入観に新しい選択肢を持ってもらいます。「提案したい」と率直に伝えると話が通じない場合があるので、質問という形をとれば自分の意見を伝えられるでしょう

仕事の進め方以外でも、考えが固執している場合や話を聞いてもらえない場合にも効果的ですよ。

自分の能力を把握してもらう

仕事で上司が部下の話や考えを取り入れてくれないときは、コミュニケーションの不足が考えられます。コミュニケーションが少ないと、上司が部下の仕事への姿勢などを正しく把握できないため、実際の能力よりも過小評価されてしまうことがあるでしょう

自分の能力を正確に把握してもらうには、こちらからのアピールが大切です。

能力をアピールする方法

・業務の計画表や、今やっている業務を一覧にして提出
・相談は自分の考えを伝えたうえでおこなう
・直近の成果や達成率について紙面で報告

上司は業務の指示は出しているものの、達成に向け部下がどのような考えをもって動いているかまでは把握できていないことがあります。部下の仕事の進め方や・考え方・捉え方などをはっきりと提示すること、上司の認識に変化をもたらすのです

特に直近の成果や達成率は、自分の人事評価へもつながるので、正確な認識を持ってもらうべき点です。将来の自分のためにも、業務の振り返りをおこなってみましょう。

やり取りを「見える化」する

上司とのやり取りで違和感を感じる場合は、やり取りをメールやチャットに残すようにしてみましょう。会話がうまく進められないときでも相手に話を振り直しやすく、違和感を感じた点の振り返りもできます

口頭での会話だと「あのとき感じた違和感は何の会話だったかな」と、時間が経つうちに忘れてしまうので、スムーズに改善を目指すためにも、やり取りの見える化は効果的です。

口頭で上司から指示を得た場合でも、後から再確認も兼ねてメールやチャットで送信しておくと、お互いの認識のズレも防ぐことができますよ

上司と合わない状況の改善だけでなく、仕事をミスなく進めるうえでもおすすめな方法です。

ルート②職場環境を改善する|話す準備をして動くことが重要

職場環境を変えて上司と合わない状況を改善するには、周囲の力を借りて動いていくことが重要です。上司の対応や状況によって、改善すべき環境と相談相手は異なるので、下記の表を参考にしてみてくださいね。

状況別の環境改善方法
状況 改善すべき環境 相談すべき相手
ハラスメント傾向がある ・部署やチームの異動
・担当上司の変更
・人事
・相談窓口
手柄を自分のものにされる ・上司への指導で改善 ・管理職
・相談窓口
業務の指導をしてもらえない ・部署やチームの異動
・上司への指導で改善
・担当上司の変更
・管理職
・相談窓口
評価に偏りがある ・部署やチームの異動
・上司への指導で改善
・担当上司の変更
・人事
・相談窓口

周囲へ改善の相談を持ちかける場合、自分の状況と要望を正確に伝える必要があります。相談相手へは口頭だけではなく書面でも伝え、会議室などの個室であらためて時間を確保してもらったうえで話すように心掛けましょう。

注意点でも話したように、解決を目指すには感情的にならず冷静な対応が大切です。事前の準備をしっかり整えてから動いてくださいね。

上司と合わないことをどんな人に相談したの?

キャリアステージ編集部

上司と合わない悩みをどんな人へ相談しましたか?

D・M 成城大学

同じ場所で働く先輩社員や、場所は違うが同じ営業所の人に相談していました。同じように思っている人もいたので共感してくれる人に相談していました。

S・K 4年制大学

同じ環境で働いている同僚や先輩には頻繁に相談しており、さらに上の上司とも定期面談の場では決まってこの方について話をしていました。また、友人にも愚痴という形で話を聞いてもらっていました。

K・U 名古屋学院大学

同じ営業所の店長と合わなかったので、一緒の営業所にいた歳の近かった先輩に相談をしました。同期にも相談しましたが、営業所が違うためなかなか共感が得られませんでした。

部署の異動を申請する

上司に改善の余地がなく、業務や自分の心身に悪影響が出ているような点が考えられるケースは、上司より上の立場の人間や人事に対し、部署の異動を申請して改善しましょう。

特にハラスメントの場合、すぐの改善が見込めない可能性や、上司が態度を改めた場合でも部下側にストレスが残ることが考えられるので、仕事環境自体を変えてしまうのは有効な手段の一つです

上司よりも立場が上の人間へ相談する

「成果を横取りされてしまう」「適切な指導が受けられない」など、上司の行動に原因がある場合は、合わない上司より上の管理職の人間へ伝え、指導してもらうことで改善を試みましょう

上司よりさらに上の立場の管理職は、部下(合わない上司)の不適切な行動への指導も業務の一つです。行動をメールや書面で訴えて形に残し、どのように改善してほしいのかまで伝えられると具体的な改善が望めます。

人事へ訴えても改善はできますが、まずは現場に近い管理職へ相談する方が、内容も理解されやすく迅速な対応が期待できます。現場で一番役職が高いのが上司である場合や、管理職へ訴えても効果が無いときは人事へ相談してくださいね。

社内の窓口へ相談する

企業によっては、社員の退職を防ぐために悩み相談の窓口が設けられています。評価に偏りがある、ハラスメントの傾向がみられる場合は、社内の相談窓口へかけあいましょう

特にハラスメントの窓口に関しては設置している企業が多く、プライバシー保護のために外部の相談員を導入しているケースもあります。人事や管理職よりもさらに専門的なアドバイスを受けられ、安心感を持って改善に動くことができるでしょう。

「伝えたところで意味がない」と考える人もいるかもしれませんが、状況をきちんと整理し、自分への影響も伝えると、少なからず会社は改善に向けた対応をしてくれます。まずは勇気を出して行動してみてくださいね。

ルート③自分の考え方を変える

上司の反応が冷たい・自分だけ違う態度が気になるなどの場合は、接する機会を最小限に減らすとストレスがかかりづらくなります。

人間性が合わない、という理由だけでは部署異動や上司への指導の相談は難しい可能性が高いので、まずは自分の対応で状況の改善を試みましょう。すでに自分を変えたうえでも改善が見られない場合は、原因を見直すか、ルート④の改善方法に移ることもおすすめです。

これから紹介する方法を一度に全部試すのではなく、少しずつの実践を心掛けてみると、合わない上司にはどの対応が効果的か判断がしやすくなります。まずは1〜2つ程度の改善法を実行してみましょう。

仕事は仕事と割り切る

仕事は自身の生活のため、経験を積むために必要と割り切り、上司とのコミュニケーションもその過程と捉えるのも一つの手段です

「上司と必要以上に人間関係を築く必要はない」と考えられると、冷たい態度や人間性にも気負わず接することができるでしょう。

ただし、仕事へ影響が出ないよう、業務に必要なコミュニケーションは上司と取っていく必要があります。「割り切る」と「諦める」を誤認せずに、社会人らしい対応を心掛けてくださいね。

上司のタイプに合った接し方をする

上司への接し方に迷う場合は、タイプごとに接し方を変えるとコミュニケーションを取るストレスも少なくなります。

上司のタイプ別対応方法の一例

直情型タイプ
(機嫌の良し悪しや人の好き嫌いで
対応を変える)
・業務以外にも雑談をすることで
良好な関係性を構築しておく
(「お気に入り」と言われるような
存在になっておく)
承認欲求が強いタイプ
(プライベートについてなど
必要以上のコミュニケーションを求める、
関係性の作り方が合わない)
・共有スケジュールに自分の予定を入れて
忙しい事実を伝える
・話を聞く時は尊重する姿勢で聞く
・質問をされたときは「〇〇さんはどうなんですか?」と相手へ話題が移るように聞き返す。
事なかれ主義タイプ
(仕事に大きな支障を出さない程度に無関心、責任感がない、部署内のいざこざなどには口をはさまない)
・相談をするときは2人きりの個室で
上司が周りを気にしない環境を作る
・会話はメールやチャットで内容を残す
・動かなかったときのデメリットを示す

自分の上司の行動の特徴を思い返し、上記の表を参考にしながらタイプに当てはめてみてくださいね

上司の行動を整理して書き留めておくと、改善できずに上の人間に相談するときなどにも役立つので、万が一のためにもチャレンジしてみてください。

会話の受け取り方を変えてみる

上司の対応が気になるときは、受け取り方をポジティブに捉えてみるのも良いでしょう。

ポジティブな受け取り方の例

・自分にだけ冷たい:期待されている、指導熱心な上司かもしれない
・必要以上に会話してくる:雰囲気を良くしようとしてくれている
・プライベートな質問が多い:関係構築をしてくれている

このように、目の前の事実を異なる視点で考える方法は、心理学でリフレーミングという手法として定義されており、自分の選択肢を広げるスキルとして有効です。上司の態度や接し方を言語化し、ほかの言葉へ変換してみましょう。

態度や接し方を変換するイメージ

自分にだけ冷たい

自分に注目してくれている

期待からの注目、本当は指導熱心な上司かもしれない

受け取り方の変換は、業務上の指摘を聞き入れないなど、自分の非を認めないという意味ではありません。感情的になっていないか、常に注意しておくことが大切です。

上司の態度を強制的に変えるのはむずかしいですが、自分のなかでの捉え方を変えるのは自由です。気持ちよく仕事をするためにも、うまく上司と向き合う工夫としてやってみましょう。

ルート④転職して新しい環境で働く|見切り発進には要注意

企業の対応方法や環境次第では、上司と合わない環境改善を試みてもうまくいかないケースもあるでしょう。状況改善が見込めない場合、新しい環境への転職も一つの手段です。

転職活動をするときは、いきなり退職をするのではなく、念入りな準備と情報収集が大切です。とはいえ、状況を変えるために早めに行動したいと焦る気持ちもありますよね。

ここからは、上司と合わない環境から転職を進める方法や準備しておくべきポイントについて解説します。転職すべきか悩む人も、判断するためのイメージ作りとして読み進めてみてくださいね。

キャリアステージ編集部

上司と合わず転職したときから、どれくらいで転職先を決定しましたか?

D・M 成城大学

メンタルが崩壊していたので、早急に会社を離れる必要がありました。決意してから1カ月後に退職して、2~3カ月ぐらい空けて転職しました。

S・K 4年制大学

3カ月ほどだったかと思います。ほかにも転職を考えた理由がある状況だったので、思い立ってからはすぐに行動し始めました。

K・U 名古屋学院大学

そのときは実際に転職しなかったのですが、上司と一緒に働くようになって約3カ月で転職を決め、初めて転職サイトに登録をしました。この上司とは本当に合わないなと、一緒に働き始めて1カ月経った頃から感じていました。

転職スケジュールの検討と情報収集をする

転職を進めるには何よりもスケジュールの把握が必要です。

計画を立てずに動くと「応募したい求人があるのに書類を作っていない」「求人を調べたけど何が良いかわからない」など、転職活動がうまく進まず、いつまでも状況が改善できないことも。

まずは転職に必要な準備を明確にし、目標の入社時期から逆算してスケジュールを計画しましょう

転職スケジュールの立て方

例のように「10月1日に入社したい」という目標が決まると、面接から内定までの期間や書類作成に必要な時間などを逆算して考えられます。直近でやるべきことは、条件の整理や経験の振り返りとわかりますね。

やることが見える化されると、転職が具体的になってやる気にもつながり、上司と合わないだけで行動すべきか悩んでいた人も一歩踏み出しやすくなるでしょう

転職に必要な準備や行動について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
みんなの転職タイミングはいつ? 経験者が語るおすすめの時期と準備

転職の理由を明確にしておく

上司と合わないことが理由で転職する場合、どのように合わないのか、環境をどう改善したいのかを自分自身で理解しておく必要があります。転職する理由を明確にしておかなければ、また同じような環境の職場を選んでしまうかもしれません。

理由を明確にすると求人を選ぶ指標ができるので、方向性に迷わず転職活動が進められます。客観的な状況整理が苦手な人は、周囲へ相談したり、キャリアカウンセラーを頼ることもおすすめです。

もし転職をしない場合でも、上司と合わない状態の改善を目指すには、根本的な原因解明が必要です。今後のためにも、合わないと感じたやり取りや、上司の行動を振り返って、自分の中で整理してみてくださいね。

経験者のリアルな転職理由が気になる方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
面接で転職理由を聞かれたら? 転職成功者のリアル回答を大公開

体験者が実践した対処法は? 上司と合わないストレスを解消する方法を紹介

ここまでは上司と合わない状況を段階的に改善する方法について解説しました。しかし、悩みを抱える人のなかには「今すぐどうにかしたい」「困ったときに咄嗟に対処できるようにしておきたい」など、即効性のある方法を知りたい人もいますよね。

同じ悩みを経験した人は、合わない上司へどのように対応していたのでしょうか。実際に対処したエピソードについて聞いてみました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
「耐えない」ことが一番の対処法

一番は耐え続けないことです。耐え続けると、気付かないうちに自分のメンタルが崩壊している可能性があります。これは徐々にくるものなので注意です。

どう努力しても「合わないな」と感じたのであれば、人事に直接相談して事実を正直に伝え、異動を志願するか、新しい環境でスタートするために転職活動をするのがおすすめです。

人生は長いので、異動することや転職することは大したことではないと捉えています。心が生きていれば、その後のことはいくらでもどうにかなりますよ。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
自分は1人じゃない」と感じられる環境を作ろう

私が1番大切だったなと感じるのは、同じ状況で悩む仲間を見つけることです。問題の上司に理不尽なことをされているメンバーはほかにもいたので、お互いに状況や気持ちを話し合うことで、とても心が救われる感覚がありました。

上司と合わない環境で辛かったのは、「私が何かやってしまったのでは……」「ほかの人だったらもっと上手にかかわれるのでは……」と自分自身を責めてしまうことでした。そのため、同じ悩みを持つ人と話したことで、「自分だけじゃないし、辛く感じてしまうのは仕方ないことだ」と気持ちを受け入れることができるようになりました。

また、お互いの状況を知っているので、誰かが被害に遭っているときはほかのメンバーで協力しあい、上司と被害に遭う人の会話や状況に耳をそばだて、何かあった際はお互いに証人になり、守り合うことができました。

上司と合わない状況は変えられる! 視野を広く持って無理のない選択をしよう

上司と合わない環境での勤務は、職場へ行くのも億劫になり、我慢すると心身へ影響が出る可能性もあるので早めの対処が必要です。「合わない」の原因を明確にし、周囲も頼りながら行動に移しましょう。

改善に動くときは、感情的にならずに原因に合ったアプローチをすることが効果的です。動き方に迷ったら、上司と合わない状態を乗り越えた体験談を参考にしつつ、自分に近い状況と照らし合わせながら改善方法を見つけてくださいね。どうにもできないと判断した場合は、無理をせずに転職を視野に入れ、自分のベストな環境で働ける方法を探しましょう。

編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる