嫌いな上司にどう対応した? 社会人が語るスマートな対処法

現役社会人が教える! 嫌いな上司に悩む人へ 特徴別の立ち向かい方

嫌いな上司がいるときこそスマートに! 経験者から的確な対処法を学ぼう

「仕事のミスを大きな声で指摘された」「毎日嫌味のようなことを言われる」「自分以外をえこひいきしているように感じる」など、上司に苦手意識を感じる瞬間は人それぞれにありますよね。

自己中心的な上司や、自分のことを正当に評価してくれない、考えが古風で融通が利かないなど、職場にいる「嫌いな上司」にかかわる問題に頭を悩ませる人は多くいます。

この記事では、そんな「嫌いな上司」が職場にいるときの対処法を現役社会人のアドバイスを交えて解説したり、嫌われやすい上司の特徴を紹介したりして、人間関係のストレスを少しでも軽減する方法を説明していきます。

もし、自分の上司に当てはまる内容があれば、上司に改善をしてもらうのではなく、自分が一歩先を行くような気持ちで対処法を実践してみてください。

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嫌いな上司が職場にいる・いたことはある? 現役社会人の生の声を聞いてみた

まずは、現役社会人に嫌いな上司とのエピソードを聞いてみましょう。実際、社会に出るとあからさまに人との衝突をすることは避けるべき、とされますが、そんな状況の中で、どのように上司に対処したのかを一緒に見ていきましょう。

嫌いな上司がいたことはある? どんな職場だった?

嫌いな上司がいたときの職場の雰囲気を聞いてみましょう。その職場でその上司がいったいどんなふうに振る舞っていたのか、どんな立場の人だったかを教えてもらいました

キャリアステージ編集部

職場に苦手な上司や、嫌いな上司がいたことはありますか?

K・U 名古屋学院大学

私は基本、苦手な人がいてもそつなく仕事をこなせるタイプなのですが、1人だけどうしても嫌いな上司がいました。その人は営業所の所長でネチネチしていて、細かい性格でした。

S・K 4年制大学

営業職として働いているとき、課長クラスのポジションにいる上司に対して、非常に苦手意識を持っていました。マネジメントだけでなく、プレイヤーとしての業務もこなしている人だったのですが、プレイヤー意識が強く、メンバーをライバル・脅威と感じるのか、自身の調子が悪い時や、他の人が活躍しているときに意地悪な対応をするような人でした。

D・M 成城大学

正直なところ、たくさんいました。私自身が物静かな性格であまりしゃべらない性格だったので、ガツガツしていたり、高圧的な上司がとても苦手でした。立場としては責任者クラスの人が多かったです。

嫌いな上司はどんな性格だったの?

上司のどんな点に苦手意識を持っていたのかを教えてもらいましょう。人によって性格や苦手に感じるポイントはさまざまですが、全体的に「上司の性格が苦手なことが要因だった」という意見が目立ちます

キャリアステージ編集部

嫌いな上司のどんな点が苦手だったのか教えてください!

K・U 名古屋学院大学

いつも敵を1人決めるタイプのようで、ターゲットにされると、小さいミスを何時間もネチネチと説教されました。悪いときは、反省文などを課せられ、余計な仕事を増やされたと感じていました。

S・K 4年制大学

最初は、気分で周囲への対応が変わる点を面倒だな……と感じていたくらいでした。徐々に部下にミスを押し付けたり、管理職のみの会議など部下が弁解できない場で、嘘の報告をしてチームメンバーを陥れたりといったことが重なり、本格的に信用できなくなったことがあります。

D・M 成城大学

支配的な上司だったため、「意見を言ったところで反論されて終わり」といった感じで、独裁者のように感じていました。あとは、自分の考えを押し通したい上司もいたり、やたら口が悪く、言い方がかなりきつかったりと、さまざまに苦手だと感じる上司がいましたね。

A・A 天理大学

私が嫌いだった上司は、その人のミスなのに、あたかも私がミスしたかのように言ってくることと、それに対して謝罪などなく、注意だけをしてきた人でした。それがきっかけで「この上司とは一緒にやっていきたくないな」と感じました。また、ころころと言っていることが変わるのもすごく嫌なポイントでした。

S・H 非公開

私が苦手な上司は、性格は穏やかで、怒ってくるようなことはないのですが、何より本人に仕事へのやる気が一切ありませんでした。「とにかく楽をしたい」と考えているくせに残業代にがめつい点が嫌だなと感じました。

T・H 福井大学大学院

期待どおりの成果にならないとき、露骨に態度に出してくる上司がいて苦手でした。わかりやすくため息をついたり、机をたたいたりするなど、その人の態度が職場全体の士気に影響を与えていました。

気が合わないのは上司のせい? 自分のせい? 悩んだことはある?

嫌いな上司がいたときに、自分の思い込みなのではないかと悩む人も一定数存在します。どのような状況で上司と自分のギャップに悩んだのか、経験談を教えてもらいましょう。

キャリアステージ編集部

嫌いな上司との関係に「自分が悪いのかな」と後ろめたく感じたり、悩んだりしたことはありますか?

K・U 名古屋学院大学

顧客の不手際が原因かつ上司の対応スピードが遅かったのが要因なのに、自分が怒られた出来事がありました。長時間ずっと説教されていたのですが、時間が経つにつれて、「やはり自分のせいだったのか」とマインドコントロールされたような気持ちになったことがあります。

S・K 4年制大学

機嫌が良い時は面倒見が良く、気の良い方だったので、私が過敏になりすぎなのかな……と感じ、最初の頃は自分のコミュニケーションの取り方が悪いのではないかと、罪悪感を感じることもありました。

D・M 成城大学

営業における成果は上司の方が圧倒的に上だったので、正直「自分が悪い」と思わざるを得なかったです。あまりにも理不尽すぎる場合もありましたが、言ったところで何かが変わるのか、というと、ほとんど何も変わらないので無駄な労力は使わないようにしていました。

嫌いな上司が原因で業務やメンタルに支障が出たことはある?

上司の言動で仕事に影響が出たり、精神的なダメージを受けた経験があるのか、気になりますよね。世の中にはどんな上司がいて、それが社員にとってどれほどストレスだったのか、体験談を聞いてみましょう

K・U
K・U
名古屋学院大学/経済学部
仕事のミスが増えプライベートも楽しめなくなった

営業所の店長が苦手で、その人のターゲットにされたときのことです。

仕事でトラブルがあり、それに対して何時間も説教されました。叱責されるだけでなく、反省文や今後の対策など、別の仕事を増やされ、挙句の果てに自分の仕事をすべて上司に管理されるような体制になってしまいました。

その結果、時間を効率良く使うことができなくなってしまい、それが原因でいくつか別のトラブルを起こしてしまい、また説教、反省文を課され……と、どんどん悪いスパイラルに陥りました。これにより、プライベートもまったく楽しむことができなくて本気で転職を考えました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
上司のせいで常に緊張状態

嫌いな上司と一緒に働かなければならない案件があり、かなり精神がすり減ったことがあります。

というのも、その上司はミスを部下に押し付け、上層部にばれないようにうまく立ち回ることで有名だったので、案件に対応しつつも、いつ陥れられるのかという警戒でかなりメンタルが消耗しました。

その上司がいることで、職場ではずっと気持ちが張り詰めており、家に帰ってもイライラ・モヤモヤした気持ちから眠れなかったり、朝会社に出勤するのがつらくて、電車に乗っても途中で降りてしまったりという経験があります。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
上司が原因で何人もやめていく現場になっていた

新卒で入社した企業の上司が苦手でした。なんとか1年間その企業で頑張ったのですが、結果としてメンタルを崩したことがあります。

怒号が飛び交う・罵声を浴びせられるなどではなく、ただ冷静なトーンで人格否定のような言葉を言われたのです。その上司は独裁的な人で、「逆らうと潰される」というシーンを何度も目撃し、同じ現場で働く先輩も、その上司との人間関係が原因で辞めていきました。

また、周囲の人に相談しようにも、あまり深刻に捉えてもらえない雰囲気だったので、だんだんと1人で抱え込むようになり、追い詰められていきました。同期は全員で50人ぐらいいたのですが、業界の特性上、配属は全国バラバラになるので、あまり相談相手がいなかったというのも原因だったかもしれないです。

嫌いな上司がいることで、常に緊張していると心に余裕が得られず、新しいことを学びたいという意欲も失ってしまいますよね。それが原因で仕事が覚えられないという先輩たちの体験談を次の記事で紹介しています。気になる人はチェックしてみてください。
仕事が覚えられない|社会人の先輩が教える解決策12選を解説

嫌いな上司とはどう接するようにした?

上司に苦手意識を持っても、同じ職場で仕事をする以上、かかわりを一切絶つのは難しいことが多いです。

先輩社会人たちが嫌いな上司と接するうえで意識していたことや、コミュニケーションの頻度をどのように調整したのかを聞いてみましょう

K・U
K・U
名古屋学院大学/経済学部
上司の好きなことで距離を縮めようとした

自分は苦手な人がいてもうまく付き合っていけるタイプなので、当時苦手だった上司とも「どうにかして仲良くなりたい」と思って行動していました。また、当時はその上司が営業所の店長だったので、仲良くなっておいて損はないという打算もありましたね。

その人は大のゴルフ好きで、少しでも仲良くなろうと会社の定休日に営業所のメンバーでゴルフ場にいきました。1~2回ゴルフをしつつ交流を図ったのですが、自分の思うように仲良くはなれませんでした。むしろ、そのときの私のスコアが悪かったこともあり、逆効果だったのかもしれません。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
最低限のかかわりで周囲との協力体制を整えた

最初は仲良くなろうと雑談を通じて話す機会を増やしたり、おすすめの本の貸し借りをしたりと行動していましたが、自分の機嫌や成績で周囲への対応が変わる人だったので、途中からは諦め、最低限のかかわりに留めるようにしていました。

嘘をつくことが多い人でもあったので、社内のやり取りであって常にもエビデンスを残すことを徹底し、同じように困っている同僚と協力しながらお互いに目を光らせ、何かあったときに援護の証言ができるよう協力していました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
上司を刺激せず打算的に立ち回ることも必要

とにかく余計なことはしないように徹底していました。自分が弱い立場になっていた方が無駄な争いをしなくて済んだり、事態が大きくならずに収まるので、火に油を注がないような対応を心掛けました。

ほかに、その上司との状況に同情してくれる人を集めて、何かあったときに証言してくれたり、味方になってくれたりするように、少し打算的な立ち回りをすることもありました。それぐらい手を打っておかないと、不本意なまま仕事をする状況に陥ってしまうのでこのような形で過ごしていましたね。

上司との関係を早く改善したいけど、どうしたらいいか分からず、不安な気持ちになりますよね。 次の記事では、上司と合わない状況を改善するときの改善方法や注意点を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
上司と合わないときはどう対処する? 経験者に聞く原因別の改善方法

嫌いな上司が原因で異動や転職を考えたことはある?

先輩たちに、嫌いな上司が原因で職場を変えようと考えた経験はあるのでしょうか。その場合、どんなきっかけで転職を考え始めたか、もしくは社内での異動などほかの選択肢に落ち着いたのかを聞いてみました

キャリアステージ編集部

上司が原因で、転職や異動を検討したことはありますか?

K・U 名古屋学院大学

唯一どうしても苦手な上司がいました。なんとか仲良くなろうと努力したのですが、どうしても関係が良くならず、一緒に仕事をして約3カ月経ったくらいからは本気で転職を考えていましたね。そんなとき、仲の良い別の上司に営業所の異動を希望するように勧められ、その希望が通ったことで働く環境が変わることになりました。

S・K 4年制大学

その上司との間に入ってくれていたリーダークラスの方の退職を知ったとき、「もう私も辞めよう」と感じました。リーダー以外に慕っていた先輩も、その上司が原因で転職していたためです。もちろん、上司本人への不満もありますが、辞めた2人の先輩社員よりも、その上司を評価する会社自体が不満になりました。ちょうど結婚するタイミングだったので、良い機会と捉え転職を決意しました。

D・M 成城大学

転職も異動も検討したことがあります。自分に対して明らかに態度が変わったりした場合や自身のメンタル状態に支障が出てきそうな場合に検討しました。

転職をしたくても会社が辞めさせてくれない、という事態が発生していたら、以下の記事を参考にしてみてくださいね。経験者のアドバイスや対処法を参考にして、事態の解消に動きましょう。
会社が辞めさせてくれない……経験者が「退職したい」を貫いた方法

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嫌いな上司だと思っているのは自分だけ? 苦手に感じる上司の特徴13選

苦手に感じる上司の特徴13選

ここまでは、現役社会人の体験談から、嫌いな上司とのエピソードやコミュニケーションについて見てきました。

とはいえ、苦手に感じる上司の特徴や性格は人それぞれです。ただ単に相性の問題もあれば、上司の人間性や業務中の態度が原因で苦手意識を持つ人もいますよね。中には、「自分だけがあの上司のことを苦手に思っているのではないか」と感じる人もいるのではないでしょうか。

ここからは、嫌われやすい上司の特徴を13個紹介していきます。上司の特徴ごとに対処法も紹介するので、もしあなたの上司に当てはまるものがあれば、その後にぜひ参考にしてみてくださいね。

①仕事への責任感がない

業務上の指示を仰いでも抽象的な指示しか得られなかったり、優柔不断でいつまでも判断を先延ばしにしている上司です。

いつまでたっても指示が降りてこず、業務を進めることができない、自分の質問に関して曖昧な回答しかえられないなど、仕事の全体像や目的が上司にも見えていない場合、責任感がないように感じてしまいます

一緒に働く社員の信用も段々と失われていき、仕事へのモチベーションも下げてしまう上司の特徴です。

②発言や指示が矛盾している

仕事への責任感がない、と感じる上司の中でも、「常に言っていることに一貫性がない」と思われるような指示を出す上司にはあまり信頼を置くことができませんよね。

ひどい場合は、その場しのぎの指示で周囲を混乱させたり、「さっきと言っていることが違う」という事態に陥ったりし、業務が遂行しにくい状況を作ってしまう上司もいます

そんな上司には、どんな指示を受けてその仕事をしたのかを一緒に伝えるなど、適宜ズレがないかを確認しながら業務を進める必要があります。

③自分の考えに固執する

「自分はこの方法で成功してきた」と自己流の方法や古い考えに固執している上司がいると新しいシステムやより効率的な方法が採用されにくく、業務量が増えるなど、社員が負担を強いられる職場も少なくありません。

時代の移り変わりとともに、業務の遂行にも少なからず効率化や自動化が必要になる場面も増えてきました。

そんな中、古い考えから脱却できず、新しい方法を受け入れられない、視野の狭い上司がいると、「頭が固い」「柔軟性に欠ける」「考え方が古風だ」と感じてしまう人もいるのではないでしょうか

④特定の人をひいきして扱いを変える

嫌われやすい上司の特徴に挙がりやすいのが、上司が部下によって対応・態度を変えるなどのひいきをしているケースです

社員が大勢いる中で、上司のお気に入りの社員には対応が甘く、丁寧なのに対して、そうでない社員に対しては文句を言ったり難癖をつけるなど、平等性に欠ける上司に対しては、あまり尊敬の念を抱くことはできません。

⑤ほかの社員の悪口や愚痴を言う

ほかの社員の悪口や愚痴を、大っぴらに発信しているなど、社会人としての当然のマナーや人間性ができていないのでは、と感じさせる上司も存在します。

少なくとも人の上に立つ人間が、誰かの陰口を言っている姿を知ってしまうと、上司として信頼しても良いのか、不安に感じますよね。

陰口や悪口で盛り上がることが気持ち良いと感じている人や、誰かを貶めることで自分の優位性をアピールしようとしている上司には「もしかしたら私も悪口を言われているのかも……」と不信感を抱きかねません

⑥仕事を押し付けてくる

突然発生した仕事をなにかと理由をつけてほかのだれかに任せようとしたり、上司にもできる仕事なのに本人は仕事をさぼっていたり……。そんな上司の姿を見るとついイライラしてしまいますよね。

これにより本来こなしたかった仕事に手をつけられない、スケジュールが狂ってしまった、残業してまでも終わらせなくてはいけない仕事が増えた、など、押し付けられる側はたまったものではありません。

相手の都合を考えずに仕事を不当に割り振ってくる上司に対して怒りを感じたり、単純に仕事を押し付けようとする態度に嫌悪感を感じたりする人も多いのではないでしょうか

⑦成果を横取りしたり独占したりする

先ほど紹介した「仕事を押し付けてくる」という特徴を持っている上司にありがちなのが、誰かに押し付けた仕事の成果を、自分で独占するというものです。

社員のおかげで得られた実績をさも自分一人で成し遂げたかのように振る舞われると、現場で頑張っている社員は「自分の評価が正当にされていない」と仕事への不平感を覚えます

部下を正当に評価せず、「自分だけが評価されたい」「自分が頑張っているんだ」という利己的な性分は、嫌われやすい上司の特徴と言えます。

⑧自分に甘く他人に厳しい

自分のミスはもみ消し、他人のミスは見逃さない、そんな上司が職場にいると「上司はどうなんですか」と発言したくなる瞬間もありますよね

たちが悪いのは、立場上相手の方が上だからこそ、部下からは苦言を呈しにくいと言う点です。自分のことを棚に上げ、部下の失敗には叱責するという人間性では、一緒に仕事をしたいと思う社員は少ないのではないでしょうか。

⑨欠点を突いたり嫌味な発言をする

たとえば、休憩時間にもかかわらず過ごし方に難癖をつけたり、自己開示した情報に対して嫌味に感じる発言をあえてしたりする上司も存在します。特にプライベートにかかわる発言や行動に対して何かネガティブな言及をされると、なおさら苦手意識を持つのも無理はありません。

いちいち行動に文句をつけられるストレスと、「また何か言われるのではないか」と思わせる上司の態度から、のびのび仕事ができない環境ができあがっている職場もありますよね

理想は上司が率先して働きやすい雰囲気を作ってくれることですが、嫌味のように社員の行動を指摘してくる上司には、それはあまり期待できそうにありません。

⑩すぐに感情的になり大声を出す

ミスを叱る際に大声で怒鳴りつけたり、普段の指示をするときに大声を出す上司が苦手に感じる人もいるのではないでしょうか。厳しく後輩を育成したくて強い言葉を使う人ももちろんいますが、このケースはただ感情のままに相手を叱責していることが考えられます

感情的になって大声を出したり、部下に対して暴言を吐いたりする上司には高圧的なイメージを抱きますよね。そもそも怒鳴られるのが苦手な人にとってはかなりの負担なうえに、そんな上司に尊敬の意を抱くことはできません。

⑪自己中心的で理不尽な部分がある

自分の感情をコントロールできず理不尽に部下を叱責する上司も、嫌われやすい上司の一人です。

その時の感情で部下に当たったり、理不尽な怒りや指示をぶつけて困らせることを良しとしている人もおり、ひどいときは気分次第で資料を確認してくれない・至急の連絡にも対応してくれないなど、業務にも支障が出ます。

自己中心的に行動する相手の顔色をいちいち伺いながら仕事を進めなくてはいけない職場には、かなりのストレスを感じますね

⑫部下を正当に評価しない

本来、部下の働きぶりを評価する上司は公平でなくてはなりません。しかし、中には自分の主観や個人的な好き・嫌いで評価を決めるなど、あってはならない判断をする上司もいます

前に紹介した「特定の人をひいきする」という特徴に共通する点がありますが、「自分が上司とうまくいっていないことが原因で不当な査定を受けているのでは」と感じる人は、アクションを起こす必要がありそうです。

どうしてその評価に行きついたのか、会社全体の規定に沿って評価をしているか、改めてチェックをする、自分だけがそういった評価を受けているのか、など上司以外の人に相談を持ちかけるなどして対処しましょう。

⑬上の立場の人に良い顔をする

成果を独占する、部下にだけ厳しい態度でいる、などの特徴と似ていますが、自分よりも上の立場の人間には媚びへつらって良い顔をしている上司に嫌悪感を抱く人は多くいます。

部下のことは正当に評価しないくせに、自分は評価をしてもらおうと必死な態度だと、上司として信頼することは難しいかもしれません。また、そんな姿勢を部下の前でも出していると、いつもとは違う上司の姿に呆れてしまいますよね。

上司に対して苦手意識を持ち始めたのはどんなとき?

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
部下の成績に嫉妬して理不尽な扱いをする瞬間を見たとき

最初に上司を苦手だと感じたのは、OJTで自分の指導をしてくださっていた先輩に対するきつい態度を見たときです。

社内でも非常に活躍していた先輩だったため、その上司からすると気に食わない存在だったようです。私の前にもかかわらず、頻繁に理不尽な扱いをされていました。

その後、業務に慣れていくにつれて、私も同様の扱いを受ける場面があり、その上司と付き合っていく難しさを強く感じることになりました。マネジメントをする立場の人なので、「部下の活躍は自分の功績」とポジティブに捉えてくれたら良いのですが、自分よりも成績が良い人には意地悪をするので、もう少し管理職としての自覚を持ってほしかったなと感じます。

自分の調子が良い時は非常に機嫌が良く、お菓子をくれたり世間話を振ってきたりするのですが、気分の浮き沈みが本当に激しいので、周囲の同僚とは「あー、また始まった……」とアイコンタクトで気持ちを分かち合っていました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
高圧的な態度で周囲の士気を落とすとき

嫌いだな、苦手だな、と感じる上司の特徴に、威圧的な態度で言葉を発してくる、やたら武勇伝や過去の栄光を語ってくるなどがありました。

もちろんほかにもありますが、こういった上司を見かけると、「自分の機嫌は自分で取ってほしい」と切実に思います。また、自分の高圧的な態度が、周囲に影響を与えることに早く気付いてほしいと何度も思った経験があります。

組織はその人を中心に回っているわけではなく、チームとして仕事と人が動いているので、良い影響を与えながら、周りの見本となるような人になってほしかったです。

A・A
A・A
天理大学/国際学部
自分のミスを部下に責任転嫁していたとき

「この上司が苦手だ」と自覚したきっかけは、上司が自分のミスを私に責任転嫁してきたときです。

まず自分の間違いを認めて一言謝罪するなり、その問題についての解決策を共有してくれれば、こちらも一緒に動けるのにな、と感じてしまいます。

その上司は必要最低限のことしかコミュニケーションを取らないうえに、毎回言っていることが変わるのであまり信用できません。やはり、部下に苦手に思われる上司は、口だけで上司自身が頑張っているように見えなかったり、責任逃れをしたりする人だと思います。

S・H
S・H
非公開/文系
仕事へのやる気がなくサボっているのを間近で見たとき

直属の上司がサボリ癖のある人でした。上司と私の二人で分担する仕事をしていましたが、ほとんどの仕事を私に任せていましたね。

勤務時間中にもかかわらず、毎日のように居眠りや長電話、ほかの職員との長話をしており、自分だけが必死に仕事をこなし、上司の手柄として扱われることが耐えられませんでした。

「真面目に働いてほしい」というのが一番の願いでしたが、定年間際に心を入れ替えてくれるとも思えなかったので、3年間耐えたのち転職しました。

T・H
T・H
福井大学大学院/工学部・工学研究科
古い考え方でハラスメント一歩手前の扱いを受けたとき

5年前に新卒で入社した会社の上司がすぐに感情的になりやすく、少々時代遅れの考えを持っている人でした。

自分の気に入らないことがあると、怒鳴る、ため息をつく、机を叩くなどして周囲の士気によく影響を与えていました。また、残業をしたときに「新人でまだ役にも立てないのに残業代をつける意味がわからない。つけてもいいけど、俺はつける神経が理解できない」と言われたこともあります。

初めての会社だったので、「そんなものか」と思って我慢していましたが、転職してそれまでの環境が異常だったことに気付きました。

これらの発言や言動はひと昔前では当たり前だったと思いますが、今ではどれもハラスメントに該当する言動で、きっと昔の価値観のまま考えや環境をアップデートできていない人はこのような言動をとるのではないかと思ってしまいますね。

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嫌いな上司でも改善の余地があるかも? 付き合いの現状を確認するセルフチェック

チェックフローで現状の上司との関係を整理しよう

ここまでは、部下に嫌われやすい上司の特徴を紹介してきました。あなたの上司に当てはまる特徴はありましたか?

苦手だ、嫌いだと感じながら、仕事上ではうまくコミュニケーションを取らなくてはいけないのは、精神的にも疲弊しますよね。しかし、そんな状況をそのままにしていても、良いことはありません。上司か自分のどちらかが変わらなければ、人間関係からくるストレスはそのままになってしまいます。

まずは、自分の嫌いな上司との関係性や、上司の特徴を踏まえたうえで今の状況を整理しましょう。

ここではレベル1からレベル3までに状況を分けてセルフチェックをする方法を紹介します。上にあるセルフチェックを参考に、上司の言動や発言で業務の進行に支障が出ているか、上司の態度や発言がハラスメントとして受け取られることはあるかをチェックし、どのレベルに当てはまっているのかを確認してみてください。

レベル1:主観的に「嫌いな上司」と認識している

苦手な上司・嫌いな上司の行動や発言が、自分の仕事をするうえで影響がないのであれば、もしかしたら主観的に「嫌いな上司」と認識しているのかもしれません。たとえば、上司からもらうフィードバック自体は正論だと感じる場合や、理不尽な発言や言動をしているわけではないと感じる場合はこれに当たる可能性が高いです。

もちろん、お互いの相性などの問題もありますが、なんとなく嫌いに感じる理由が「ミスを指摘された」「そりが合わない」というものであれば、上司ではなく自分が物事の見方を変える方が、環境の改善につながることがあります。

レベル2:上司が原因で業務に支障やストレスが発生している

レベル2は上司の指示や発言、人間性で著しく業務の進行に支障が出ている状況です。

たとえば、朝もらった指示と夕方もらった指示では方針が変わっており、仕事をやり直さなくてはいけない、上司から割り振られた仕事をやり切るために長時間の残業をしなくてはいけないなど、物理的に業務に影響が出ている状態です。

ほかにも、上司にいちいち言動をチェックされる、嫌味を言われるなど、少なからず上司とのやり取りにストレスを感じている人もこの状況に当てはまります

レベル3:ハラスメントに発展している

もし、上司の言動が特定の社員に対するハラスメントと受け取られるような態度であれば、それを容認している企業にも問題があります。この場合、上司本人に改善を求めても時間がかかるケースが多く、周囲の手助けがないと根本的な解決が難しいこともあります。

上司の行き過ぎた態度によって、業務だけでなく精神的なダメージを受けている場合は、しかるべき部署に報告する、自分から退職して環境を変えるなどで、嫌いな上司から離れることを第一に対処する必要があります。

上司との関係がうまくいかない、仕事を押し付けられるなどで会社に行きたくないと感じている人は、一度働く環境を見直してみる必要がありそうです。この記事では「会社に行きたくない」という気持ちの改善方法を紹介しています。
会社に行きたくない……体験談から知る乗り越え方と休むときの心持ち

上司とのコミュニケーションがうまくいかないときはどうすればいい?

キャリアステージ編集部

上司との付き合いがうまくいかないとき、工夫していた改善方法はありますか?

K・U 名古屋学院大学

その上司と共通のネタを持つようにしました。自分の苦手だった上司はゴルフが好きだったので、私もゴルフを始めてみて、共通の話題で話すようにしました。

S・K 4年制大学

社内のテキストコミュニケーションがメールとLINEだったので、報告にいく前に要点をまとめ、送ってから「先ほど送信した件で少しお時間よろしいですか」と話しかけるようにしていました。ざっと読んだうえで話を聞いてくれるので、報告の時間が短く・簡潔なやり取りで終わるうえに、どのような報告をしたか証拠が残るので、後から言った・言わないで揉めることへの対策にもなっていました。

D・M 成城大学

上司がなぜそういう態度になっているのかを自分なりに分析して、一応上司の気持ちも理解しつつ、なるべく必要なとき以外は話さないようにしていました。

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嫌いな上司とうまく付き合うには? 経験者から学ぶ状況に合わせた対処法

まえに紹介したセルフチェックの結果はどうでしたか。どんなに嫌いな上司がいても、仕事の上ではコミュニケーションを取らないといけない、という状況はかなりのストレスを感じますよね。

上司との関係性は人によってさまざまですが、ここからは前に紹介したセルフチェックの結果ごとに、嫌いな上司への対処法を紹介していきます。上司が原因で仕事のやる気が出ない、業務に影響が出ていると不満を感じていても、スマートな対応を求められるのが社会人。上司を刺激しないよう、一歩先の大人な対応を心掛けましょう。

レベル1:主観的に「嫌いな上司」と感じている時の対処法

「なんとなく上司が苦手だな」「自分と合わないな」と感じつつも、業務に特段の差しさわりがない場合は、相性や互いの認識のずれによって仕事のやりにくさが発生している可能性があります。

この場合は、上司に対応を改善してもらうよりも自分の行動を振り返り、マインドセットすることで解決が見込まれます。自分の主観で上司が苦手だと判断していないかをフラットに確認してみましょう。

①上司への見方を変えてみる

「上司の性格がもともとこうなんだな」「根本的にそういった性分なんだな」と割り切った視点で上司を見てみると、意外と自分の思い込みだった・他人に対しても同じような態度だった、ということも少なくありません。

どんな企業にも自分にぴったり合う上司がいる可能性の方が少なく、ある程度「こんな人もいるんだな」という視点をもって仕事をすることも重要です

相手の性格や情報がわからないから冷たく見える・よく知らないけど苦手に感じる、程度の関係性であれば、相互理解の時間を設けることで改善も可能です。

②「自分の成長のため」とマインドセットして上司に向き合う

上司の態度も仕事をとりまく環境の一つとして、自分の成長の糧だというスタンスで仕事をしてみましょう。たとえば、気難しい性格の上司と付き合うことができれば、どんな職場でもある程度の関係構築が可能なうえ、関係の改善もできればコミュニケーション能力の向上にもつながります。

あえて自分に課せられた試練として捉え、上司ができないことを自分が補う気持ちで取り組むなど、ポジティブに視点を切り替えることをおすすめします。

③同期や周囲の人に相談してみる

合わない上司・苦手な上司の態度やコミュニケーションについて、第三者に相談したうえでフラットに判断してもらうのも効果的です。

よくよく同僚やほかの先輩に聞いてみると、実は誰に対しても同じ態度である、もともとそういう思考性の人である、という事実が判明することも

また相談するときは主観的な情報ではなく、客観的な事実と自分の感情を切り離して相談すると、相談を受けた人も状況を理解しやすく、よりアドバイスが具体的になります。

④自分の仕事にミスや漏れがないか見直す

上司が冷たい、対応が雑など「もしかしたら嫌われているかもしれない……」と感じている人は、上司と接するときの状況を一度振り返ってみましょう。

もしかしたら自分のミスを厳格な言葉で指摘しているだけの可能性や、話しかけたタイミングが悪くそっけない態度に見えてしまっているなど、上司が原因ではないことも考えられます。

上司の指示を仰ぐ前に、スケジュールを確認してから話しかける、自分の任された仕事に漏れやミスがないか、本当に上司の指示が必要なことなのかをダブルチェックするなどの対策をして、コミュニケーションの取り方を見直すことも重要です

上司との関係やコミュニケーションが上手くいかないときのアドバイス

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
正当な指摘であれば仕事の進め方を見直す良いチャンス!

「どうしてかわからないけど上司がちょっと苦手……」という状況であれば、まず何が嫌だったのかを思い出しましょう。

それが自分の痛いところに刺さるような指摘を受けた場面や納得せざるを得ない叱責だった場合は、悪いところをズバッと指摘されたことから転じて、相手が苦手だと感じているのかもしれません。

自分の仕事の仕方や考え方を見つめる良い機会になると捉え、あえて積極的にその方にアドバイスをもらうと、業務の上達にもつながりますよ。反対に、どう考えても理不尽なケースや、やりすぎに感じる場合、私は状況を理解してくれている職場の同僚や先輩に相談し、客観的な意見をもらうようにしています。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
つらい場合は周囲に報告・連絡・相談することも重要

新卒当初は「これも経験の一つ」と思ってマインドセットしていました。

ただ一度つらい職場を体験してメンタルが崩壊してからは、無理はせずに周りに相談したり、逃げるようにしています。

もしくは相手とのかかわりを必要最小限に抑えて、小言を言われないように最大限仕事を効率化して成果を上げるように努めました。プライベートでは現実逃避的なことは避けて、自分のメンタルを強化するために、運動やマインドフルネス系の趣味に時間を割いていました。

レベル2:上司が原因で業務に支障が出ている場合の対処法

上司の指示や人柄が原因で業務の進行に影響が出ている場合、自分の行動を変えて対処することをおすすめします。最初から上司本人に改善してもらおうと他力本願でいても、上司が自分の振る舞いに気が付いていないことや根本的な性格という要因から、あなたが我慢する時間が長くなってしまうことも考えられますよ。

自分の考え方・スタンスと上司へのかかわり方を変えてみて、少しでも自分にとって働きやすい環境を手に入れられるように、明日からできる対処法を4つ紹介します。

①「仕事」と「上司」を切り離して最低限のかかわりに抑える 

自分に任された仕事と、上司の存在を切り離して考えましょう。受け取る指示が変わったり、行動一つひとつをチェックしてコメントをされたとしても、あなた自身の仕事を終わらせれば問題ないことが大半です。「自分のことが気に入らないのかな」など、言動や行動に対して不必要に心配する必要はありません。

仕事をすること自体は将来のキャリアアップや実績を積むことに必要なことです。業務をまっとうするためにも、目の前の仕事に一生懸命に取り組み、自分の仕事に「上司が嫌い」という個人的な感情を持ち込まないようなマインドセットをすることがおすすめです。

②話し合いの場を設け本心を伝える

上司本人が、自分の態度や行動が部下に良くない影響を与えていると気が付いていない可能性もあります

その場合は個別の面談などで一度話し合いの場を設け、指示を受け取る側・一緒に働くメンバーとして何が嫌でどう改善してほしいかを主張しましょう。上司にとっても、新しい発見になるとともに、本人に意識してもらうことで改善が見られることもあります。

一人で上司に意見するのが心許ない、という人は周囲に同じ意見の人がいないか、複数人の意見を集めたうえで、総意として発言することをおすすめします。

③プライベートを充実させリフレッシュする

趣味などで自分の余暇を充実させることで「仕事」と「プライベート」で自分のモードを分ける対処法です。

仕事にストレスを感じると、自分のプライベートを楽しむ精神的な余裕が無くなってしまうこともありますが、仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切るスタンスで楽しむと、ストレス解消に効果的です

仕事だけの視点にとらわれず、リフレッシュとしてプライベートを楽しむことで気分転換が期待できます。趣味がないという人も、仕事だけにとらわれず、自分が楽しいと思うことを始めてみてはいかがですか。

④業務以外の発言を間に受けず聞き流す

仕事に関係ない内容で嫌味を言ってきたり、必要以上にプライベートに踏み込んだ話題を持ちかけたりする上司の場合、少しづつ距離を取るのが効果的です。

休憩やプライベートに関する発言、社員への嫌味や業務に関係のないコメントには、相づちを打ちながらも聞き流すように意識し、頻繁に嫌味やコメントをしてくる上司には、なるべく話題を与えないようにプライベートの話を控えるなどで対処しましょう。

もちろん、上司の中には業務を円滑に進めるための信頼関係やチームワークを構築するためにコミュニケーションを取ろうとしている場合もあります。業務に必要な指示やコミュニケーションは素直に受け取り、踏み込みすぎな場合は一歩距離を置くなど、適宜距離感を見極めながら行動することをおすすめします

上司が原因で仕事やメンタルに支障が出ているときのアドバイス

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
上司の上司に現場の状況を伝えた

上司が原因で仕事に支障が出ているとき、さらに上の立場の上司との面談を取り付けるなどの行動を起こしました。

実際の面談では、具体的に業務にどんな支障が出ているかを交えながら、部下が困っていることやそれに対する自身の気持ちなどを相談しました。上司本人に対しては、かかわりが最低限で済むようにメールやLINEをうまく使ったり、トラブルに発展しそうなときは経緯を詳細に記録し、責任を押し付けられないような対策をしたりしました。

また、定期的に職場の同僚や友人と飲み会の予定を立てて日頃の鬱憤を発散すること、休日は一切仕事の連絡を取らず、業務について考えないようにする、といったことも私にとっては効果的でした。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
本当につらい時はそこから逃げる選択も手段の一つ

上司なので距離を極端に取りすぎたり、まったくかかわらない、ということは業務上難しい可能性があります。そういうときは、ある程度時間が経ったら場所を変えることをおすすめします。同じ会社内であれば異動で、違う会社であれば転職が選択肢になります。

注意として、我慢し続けると働くやる気や生きる気力すらなくなってしまう可能性があるので、「まだいける」と限界まで耐え抜く場合は気を付けましょう。その企業・その職がすべてではないので、もちろんつらかったら逃げ、新しいスタートを切れるならそれはポジティブなことです。

なかなか異動や転職の選択をすることに踏み込めない人もいると思いますが、本当につらい・限界だと感じるのであれば、そのときだけは割り切れるよう、冷静な判断ができるように心の準備をしておきましょう。

プライベートでできることとしては、メンタル面をなるべく安定させた状態に維持できるように行動をすることですね。適度な運動、健康的な食事、十分な睡眠など心の維持に大切なことを継続しておこなうことが重要です。

レベル3:ハラスメントに発展している場合の対処法

最後は、上司の行動や態度が、社員へのハラスメントと受け取れるレベルに発展しているときの対処法を紹介します。

この場合、上司と社員だけの問題ではなく、ハラスメントを良しとしている雰囲気や、それを容認している企業の組織全体にも改善すべき点があるといえますよ。

一人で抱え込まず、然るべき部署や責任者に事実を話し、改善に動いてもらう必要があります。また、どうしてもその職場にいづらい・いたくないと感じる場合は、退職や転職も選択肢の一つです。

①社内の相談窓口やホットラインに相談する

企業には、採用や人材に関する取りまとめをおこなう人事部や、社員の労働環境を管理・改善する労務部などがあります。まずは、上司の普段の態度や自分に対する扱いなどを事実を基に伝え、人事や労務から注意できないか相談してみましょう

匿名で対応してもらえる企業も多いため、上司に言ったところで中途半端に扱われてしまいそうな場合や、直接言えないことである場合は、一度社内の信頼できる部署に面談や問い合わせをすることをおすすめします。

②社内での異動を検討する

「どうしてもその上司と仕事をしたくない」と考えている場合は、社内での部署異動を検討するのも手段の一つです。企業全体ではなく上司だけが問題であれば、嫌いな上司と距離を置き、働く環境を変えることは効果的です

部署異動の希望を出す、ジョブポスティングなどでポストの空いている部署を探す、人事部に相談をするなどで異動についての準備を進めていきましょう。

注意しなくてはいけないのは、異動を希望しても、ほとんどの場合は異動の手続きが終わるまでにある程度の時間がかかってしまうことです。異動先の部署へ配属されるまでは、もう少し現在の部署に所属し続けなくてはいけないことを覚えておきましょう。

③転職を視野に入れる

転職市場を室ための手段6選

上司の態度や企業の対応に限界を感じた場合は、転職などで会社を変えることを選択肢に入れる必要がありそうです。

嫌いな上司の態度が一度の注意ですべて改善されるというケースはあまりなく、企業側の継続的な対応が必要な場合もあります。社員に対しての指導をどれほどのスピードで、どれほどするかはその企業ごとに異なりますが、人事や労務に相談しても改善が見られない・部署異動の可能性も低い、ということであれば、ほかの企業に目を向けることも重要になってきますよ。

急に転職する、という覚悟を固めることは難しいかもしれませんが、働きながらも、情報収集をする、転職アプリに登録だけする、転職エージェントと面談だけしてみるというアクションも可能です。

転職先が決定してから退職をするのが理想的ではありますが、なるべく早く上司のもとを離れたい、という場合は退職の手続きを始めましょう。

仕事の辞めどきが今なのか、それともまだ現職にいるべきなのかに迷ったら、この記事をチェックしてみてください。今の状況を客観的に判断し、キャリアプランを立てていきましょう。
仕事の辞めどきを冷静に見極める5ステップ|リアル体験談付きで解説

転職に踏み切るときは誰しも不安に感じるものです。この記事では転職のタイミングで感じる不安との向き合い方や、踏み出し方へのアドバイスを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
転職の不安はどこからくる? 経験者に聞く自分の不安と向き合う方法

上司の態度がハラスメントに発展したときの体験談

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
同僚が距離の近い上司に悩まされていたことが……

特定の女性社員に対し不必要に距離が近い上司がおり、本人も不快に感じている、といった状況を経験したことがあります。

被害に遭っている本人から直接相談を受けており、2人が一緒にいる時はよく見ておくようにしていたのですが、明らかに上司と部下の距離感を超えた接触になっていたので、さらに数名と連携し、別の上司に報告しました。

被害に遭っているのが同僚か自分かによって、動き方や感じ方も変わると思いますが、まずは誰でも話しやすい近くの人に声をかけ状況を知ってもらうことが大切だと思います。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
周囲に心配されるまでひたすら耐える毎日

かなり厳しい態度を取られることもありましたが、上司に反抗しても不毛な議論になるし、ぐちぐち言って何も解決しないので何もしないで黙々と我慢していました。

ただ、あまりにも自分と周りとで対応が違い、それが原因で周囲からも心配されることが多くなりました。私の場合は、そんな状況に陥ってから異動や転職を考え始めました。

すべての会社が必ずしもハラスメントに対して厳しいわけではなく、ハラスメントを防ぐ意識が浸透していない場合もあるので、会社の力を頼りすぎると意外とうまくいかなかったりします。企業を選ぶときはそういった面への配慮や上層部の影響力をチェックしておくと良いと思います。

嫌いな上司への効果的な対処法を教えてください

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
プライドが高い上司は相手を立てる姿勢が効果的!

私の苦手な上司は非常にプライドが高い人だったので、その人の仕事の進捗が芳しくないときは、かかわる頻度が極力少なく済むように気をつけていました。

自分の成果が上がったときも、「いただいたアドバイスのおかげです」と上司を立てるようにすることで、「今月は部下のために時間を使ったから」とあからさまに不機嫌になることが少なくなり、納得する姿勢を見せてくれました。

仕事の状況を逐一メモし信頼を勝ち取れるよう工夫した
また、部下には意地悪をしても、さらに上の上司には上手く取り入る人だったので、事実を捻じ曲げて報告されてしまい、身に覚えのないことで注意を受ける事もありました。

これに対処するために、上の上司が介入する際には自分を信じてもらえるよう、その人と一緒に仕事を進めるときは状況や成り行きを細かく整理し、まとめておくようにしていました。

これにより、最初は苦手な上司の言い分を100%信じていた上司も、度重なる嘘や実情を知り、徐々に下のメンバーの話にも耳を傾けてくれるようになったので、逐一行動をメモしておくのは効果的かと思います。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
上司本人に対抗する手段はあまりなかったのが現実……

営業職でかなり一昔前の考えが残る住宅不動産会社に入社したため、上司本人に対するこれといった対策はありませんでした。

その会社では、ほぼ会社都合ではありますが、3回異動し、4人の上司とコミュニケーションを取りました。結果としてその中の2人とは馬が合わず、一人は支配的・独裁的な正論でこちらの主張を潰してくるタイプ、もう1人は言動が暴力的なタイプでした。

根本的な解決は周囲の力を借りる・環境を変えるなど思い切りが必要かも
かかわった上司たちは40代前半で、営業としてはかなり成績が良い人であったので、どちらともいつも捲し立てられるようなコミュニケーションだったなと感じます。上司本人に反抗しがたかったのは悔しいですが、どうしようもできないこともあるのが現実でした。

ただ周りが味方してくれたり、擁護してくれるパターンもあるので、周囲の力を借りたり、思い切って環境を変えたりするのも、根本的な解決方法になるのではないかを思います。

嫌いな上司だからとやってはいけないNG行動|先輩たちにも聞いてみた!

ここまでは嫌いな上司が職場にいた場合の対処方法を、シチュエーション別に解説してきました。自分の上司に対して、効果的な方法はありましたか?

相手に変わってもらうよりも、自分のスタンスや接し方を変えるほうが解決につながることも多くあります。しかし、嫌いな上司だからといって、間違った態度でいるとあなた自身への評価にかかわることも。ここからは苦手と感じる上司とコミュニケーションをとるうえで避けるべきNG行動を紹介します。

①自分の仕事を放棄する

どれだけ上司が苦手でも、社会人である以上は任された仕事を不当に放棄してはいいけません。仕事をしない理由が上司にある、ということがわかれば気にかけてくれる人もいるでしょうが、場合によっては「上司とのコミュニケーションがうまく取れない社員」という判断をされてしまう可能性もあります。

上司が原因で業務に支障が出ていたとしても、任された仕事はまっとうする姿勢を見せましょう。

②周囲の人に上司の悪口を言う

自分の上司の愚痴を、あえて周囲に話すのもスマートな対応とは言えません。理由としては、人づてに上司本人に伝わる可能性も高く、あなた自身も「ほかの社員の悪口を言う人」という印象を持たれてしまうためです。

上司との関係にストレスを感じるとつい、愚痴や悪口を言いたくなる気持ちになりますが、ここは冷静になって「言わぬが花」を意識しましょう

③感情的になって反抗する

上司に意見を言うこと自体は、業務上問題はありません。しかし、考え方の違いや、上司に対する不満から、感情的になって反抗したり、意見を真っ向から否定したりしていないかは要注意です。

もちろん、論理的な内容での議論であれば業務には差し障りありませんが、その反抗的な態度を上司がどう捉えるかはわかりません。上下関係を逸脱している、業務中の態度が悪い、という印象を与えないよう、接し方を見直しましょう。

④上司に恥をかかせたり仕返しをしたりする

普段の仕返しに、上司のミスを指摘して恥をかかせようとしたり、仕返しとして無視を決め込んだりするなども、おすすめしない行動の一つです。

一般的なマナーがない人、自制心のきかない人、攻撃的な人、など社会的信用を損なう可能性があります。さらに、あなたの行動で上司だけでなく、ほかの社員に迷惑がかかることも考えられます。

精神的にはすっきりするかもしれませんが、自分の評価やキャリアの選択肢を決めるのは、立場上その上司であるということは忘れずにいましょうね

⑤何も伝えずに退職する

耐えきれなくなっても無断欠勤をしたまま退職したり、なにも伝えない状況で退職をしたりするのは止めておきましょう。

突然の退職は上司だけでなく、自分の後任や業務の引き継ぎの面で、周囲にもかなりの負担がかかることになります。また、無断欠勤で現職をフェードアウトしてしまうと、転職で不利になるなど、再就職のハードルを上げてしまうことになります

退職を切り出すのに気まずさを感じる、退職日まで何を言われるかわからない、と不安に感じる人もいるかと思いますが、有休の日数を退職まで残して、最終出社日から退職日までの日数を延ばしたり、中には退職の代行サービスを利用する人もいます。自分に合った方法で新しい環境に一歩踏み込みましょう。

嫌いな上司に対して、退職を切り出しにくいと感じる人はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。この記事では基本的な退職の流れから、周囲に退職することを伝えるためのコツを、体験談を交えて紹介しています。
経験者が語るベストな退職の切り出し方|今だからわかる注意点とは

嫌いな上司がいたときに避けた方が良い行動とは?

キャリアステージ編集部

嫌いな上司や苦手な上司がいたときに、避けるべき行動は何ですか?

K・U 名古屋学院大学

「最初から苦手な上司から逃げない」ということです。もしかしたら上司は正しいことを言っていて、指導方法に問題があるだけかもしれないからです。まずはその相手とぶつかり、さらに自分で考えてから、それでもやはり相手がおかしい、と感じるのであれば自分を守るために避けても良いと思います。

S・K 4年制大学

なぜ苦手なのかわからないままにするのは避けた方がいいと思います。なぜ苦手か考えたとき、実は自分のためになることを言ってくれているケースもあるはずだからです。その場合は、「苦手だな……」という印象で止まってしまうのではなく、上手な付き合い方を考えて、自分の糧にできる道を探していくことが建設的なのではないかと思います。

D・M 成城大学

すぐに異動を希望するなどは少しわがままに思われる可能性があります。まずはその上司とかかわってきた人たちにコミュニケーションの取り方を教えてもらうなどが良いと思います。時間が経ってもつらい状況が続く場合は、そこで異動や転職を選択して逃げる、という形でも良いと思います。

N・I 東北大学大学院

ずっと苦手意識を持ったまま仕事を進めるのは避けたほうが良いかと思います。理由は自分だけで抱え込むことで、心労が溜まり、仕事の効率も上がらなくなるからです。あなたが苦手だと思っていても、指導方針にはその人なりの理由や背景があるのかもしれません。同僚やほかの上司に苦手・嫌いであることを正直に打ち明け、対処法を相談するなどをしてみてください。そうすると、気持ちを安定させながら効率の良い業務を実現できるのではないかと思いますよ。

嫌いな上司がいても焦らず・冷静に! 状況を客観視して適切に対処しよう 

この記事では嫌いな上司の特徴や、状況別の対処法などを、経験者の声を交えて紹介してきました。あなたの上司や職場の環境に当てはまるものはありそうですか。

その職場で働くまで、どんな上司がいるかや相性の良い・悪いはわかりません。だからこそ、苦手な上司がいたり、自分に対しての接し方や考え方の違いからストレスを感じる人もいるでしょう。

そんな時は、まず冷静になって自分にできることがないか探してみてください。客観的に状況を観察したら、自分の行動で状況を好転させることができるかもしれません。より良い職場環境や働くストレスの軽減を目指して、適切な対処を心掛けて接しましょう。

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編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる