大切にしている価値観の回答に正解ってある? 価値観を見つけ出すメリットを知ろう
就活中に「大切にしている価値観は何ですか?」と聞かれることもあるでしょう。そんなときに何を答えたら良いのか迷い、受かりそうな回答をしてしまう人もいますよね。
しかし、当たり障りのない回答をしてしまうことで、皆さんの良さが十分に伝わらない可能性もあります。この記事では、就活経験者のアドバイスをもとに大切にしている価値観の回答を導く方法と、採用担当に好印象を残せる回答方法を解説していきます。
あわせて、現役社会人に、大切にしている価値観が入社後に与えた意外な影響も聞いてみました。幅広い視点から自分なりの回答を見つけていきましょう。
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大切にしている価値観は人生観や信条にかかわるため回答は強制ではない
「大切にしている価値観」は、その人の信条を表したものであると言え、就活の場では適性や能力以外のもの採否を決めてはならないとされています。これは、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」に掲載されている内容です。そのため、「答えたくない」という場合は、回答を控えても問題ありません。
また、質問をするだけで採否に影響を与えないといっても、そこには限界があります。回答を知ることで多少でもバイアスがかかってしまうため、そもそも信条に関する質問をする企業が減っている傾向にもあると覚えておきましょう。
「大切にしている価値観」を聞かれたことはある? 内定者のリアル回答を紹介!
まずは、「大切にしている価値観を教えてください」と聞かれたことのある内定者たちに、実際の回答を聞いてみました。
この質問は抽象性が高いため、事前に対策をしていないと回答に困ってしまうことも多いでしょう。そこで内定者たちの回答を手本にして、「自分だったらどう答えようか」と考えてみてくださいね。
「大切にしている価値観は何ですか」と聞かれたことがあり、下記のように答えました。
「私は常に挑戦・成長する姿勢を大切にしていて、バンドサークルの活動で大きな成長を遂げた経験があります。入部当初、高音を出せるボーカルが募集されていました。応募しようか迷ったときに、中学時代のエピソードを思い出しました。
大勢の観客が見ている中、合唱コンクールでソロに挑戦したことです。もともと控えめだった自分が変わることのできた瞬間を今でも覚えていて、そのときの思い出が自分の背中を押してくれました。今では高音の曲はすべて任せてもらえるまでに成長することができました。この経験から挑戦し、成長する姿勢を大切にしています」
大切にしている価値観について広告業界で多く聞かれましたが、その際は以下のように回答していました。
「私は世の中に溢れている良い物やサービスが適切に評価されず消えていくことに、人一倍悔しさやもどかしさを感じます。そして、それが自分の行動の原動力となることが多々ありました。
その考えに至ったのは、小学生の頃に地域学習で学んだ地元の町工場での経験が関係しています。世界でもそこでしか作れないものが多く存在するにもかかわらず、知られることがないから評価されずにいつの間にか倒産していたという話を聞き、自分が誇りに感じている物が知られず評価されないということが悔しいと感じました。
ほかの人や企業においても、同様の経験があると感じています。私にはそのギャップを埋めていきたいという思いがあり、それが行動の原動力になっているのです」
人材業界で、「大切にしている価値観は何ですか」と聞かれたことがあります。私は、大切にしている価値観は、「相手の立場に立って考えること」と伝えていました。特にこの業界は、人材を商品として扱うため、相手の立場に共感できる人が求められていると考えていたからです。
また、自分一人だけの力では仕事が回らないこともあると考えているため、チームプレーができる姿勢をアピールしようと思っていました。
大切にしている価値観は、人それぞれ違うと思いますが、自分が大切にしている価値観は、複数個あると思います。そのなかで、業界ごとに大切にしていることを変えると、話しやすいと思います。
価値観に関する質問と似た質問で「あなたの働く理由は何ですか」という質問が聞かれることもあります。この質問も抽象的で、回答するのが難しいと感じますよね。下記の記事から「社会人たちの働く理由」を見てみることで、答えが見つかるかもしれません。
「なぜ働くのか」社会人に聞いてみた|体験談で見つける働く理由
大切にしている価値観と、「仕事をする上で大切なこと」はよく似た質問にもみえますね。今までの経験を元に、2つの質問の答えを考えることができるかもしれません。気になる人は、次の記事をチェックしてみてください。
「仕事をする上で大切なこと」回答例23選|内定者直伝の作成法とは
SPIを元に職務や組織への適応のしやすをみることもあります。企業にあわせず、自身の価値観に正直に回答することで企業とのミスマッチを防ぐことができるかもしれません。次の記事で、ぜひ自分の価値観を見直すヒントを探してみてくださいね。
SPIの結果は確認可能? 先輩が実践した予想方法と評価基準を解説
「大切にしている価値観」を聞く3つの理由
先輩たちのリアルな回答を紹介してきました。しかし、そもそもなぜ企業はこの質問をするのでしょうか。企業が質問をする意図を押さえておくと回答も作りやすいため、必ず押さえておきましょう。
前提として、企業が価値観に関する質問するのは、「学生の大切にしている価値観」と「企業の大切にしている価値観」が合うかを見るためです。それを理解したうえで、どんな内容を伝えればマッチ度がアピールできるのか、その方法を確認してみてくださいね。
①学生の人柄を知るため
そもそも価値観とは、その人の物事に対する考え方や判断基準のことを指します。企業側は価値観を知ることで学生の人柄を知ろうとしていると覚えておきましょう。
採用基準の一つとして「人柄の良さ」を考慮している企業も少なくないでしょう。たとえば、どれだけ仕事ができたとしても周りに感謝ができない人であれば、チームの雰囲気を乱してしまう可能性があります。
そのため、企業側も普段のあなたの様子を知りたいと思っています。繕った回答をしてしまうと皆さんの良さが伝わらないこともあるため、素の自分を表現する回答を伝えてみてくださいね。
②既存社員の価値観となじむか判断するため
大切にしている価値観を知る質問では、学生と企業の価値観がマッチしているかを見ていると確認してきました。企業側の価値観が表れるのは「求める人物像」で、今まさに企業で働いている社員はその人物像に当てはまっているといえます。
企業は価値観の質問から「学生がその企業になじめそうか」を確認しているのです。考え方やコミュニケーションの取り方、モチベーションの保ち方など、さまざまな部分が既存社員の価値観と一致するだろうかという点を知ろうとしていると覚えておきましょう。
お互いの価値観がなじまないと、入社後に働きにくさを感じる場合もあります。お互いが働きやすい環境を作っていくためには、価値観の親和性も大切になってくるため、自分を偽らないようにしてみてくださいね。
③学生の仕事への向き合い方を理解するため
大切にしている価値観を知ることで、「どうやって仕事を進めていくかタイプか」を知りたいという意図もあります。考え方の違いは行動に表れるため、大きな違いがあると業務に支障が及ぶこともあるからです。
たとえば、全体像をしっかりとつかんでから仕事を始めたいと思う人、業務をに取り組みながら学んでいきたいという人では、行動に差が出ます。正解・不正解はないものの、企業全体で推奨されている仕事の進め方によっては、考え方の違いがやりにくさを生む場面もあるかもしれません。
そのため、企業側も学生もストレスなく働けるように、仕事に対する考え方を確認していると覚えておきましょう。
採用担当の経験者に聞く! 価値観を知る質問をする理由
学生の価値観を知るための質問をする意図は何だと考えるか、採用担当者の目線で教えてください。
入社後、仕事にどれくらいの熱量で取り組めそうかを判断するためだと思います。実際「お金と時間のどちらを大切にしていますか」という質問をして、応募者の素直な気持ちを聞くようにしています。
自社とよりマッチした人材を採用するために確認しています。仕事への姿勢や信念、人間関係やコミュニケーション、報酬面など、選考の段階で価値観を確認することで、双方にとって良い形の採用ができるよう意識しています。
仕事に対して前向きに取り組むには、働きやすい環境が必要です。この記事を読んでいる人のなかには、私生活との両立ができる環境で働きたいという人もいるのではないでしょうか。以下の記事ではワークライフバランスが整っている企業について紹介しています。エントリーをする際の参考にしてみてくださいね。
女性が働きやすい会社とは? 現場の声から見極め方を解説
自分の価値観を明確にすることで、自分らしいキャリアビジョンを描くことができるかもしれません。次の記事では、キャリアビジョンを作成するときに「自分の価値観」をどのように活用したらいいのかを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
経験者が教えるキャリアビジョンの手引き|面接での答え方も徹底解説
偽りはNG! 企業に寄せた「大切にしている価値観」を伝えて後悔した体験談
企業が学生の大切にしている価値観を知りたい理由は、企業と学生とのマッチ度を図るためでしたね。そもそも、もしお互いの価値観がマッチしていない状態で入社してしまった場合、何か不利益があるのでしょうか。
そこで、社会人の先輩たちと就活生に価値観のミスマッチを感じて、苦労したタイミングを聞いてみました。面接中や入社後に価値観の不一致を感じて、肩身の狭い思いをした人もいたようですよ。
本来の自分とは異なる大切にしている価値観について話した経験があります。そもそも根本的に企業に合った価値観を持っている人間であることをアピールするために、本来の自分とは異なる価値観をあえて設定しました。
企業理念には合っていたため、おそらく好印象だったと思います。しかし、これによりデメリットもありました。それは、本来の自分とは異なるため、自己PRや志望動機などのエピソードに齟齬が少なからず出てしまうことです。そのため深掘りの質問がいつもと比べて鋭く感じることが多々ありました。
一次面接で企業の求める人物像に寄せて自分の価値観について話した経験があります。そこまで自分の価値観と乖離したことを話したわけではありませんが、その後の二次面接などで、回答があやふやになってしまいました。
そのときは内定をいただき特にミスマッチを感じたわけではありませんが、その後は自分の価値観を正直に伝えるようにしました。どのような部分がその企業の求める人物像と一致しているのかを確認して話すと良いと思います。
100%ありのままの自分と合う企業はないと思っているので、選考の際はその会社に合わせて話す内容を変えていました。しかし、「嘘」を言ってもお互いにメリットがないので、「本当」の範囲で、どの部分を強調して話すかを調整していたようなイメージです。
強調することによって、素の自分とは少し違った話にはなってしまうので、社風との相性などでギャップを感じたことはあります。ただ、働くうえではキャラクターを作ることも大切だと考えているので、そこまで大きく気になったことはありません。しかし、キャラクターのオンオフを切り替えることが難しい人は避けた方が良いと思います。
企業と大切にしている価値観の不一致を感じると、それが働きにくさにつながってしまうこともあります。最悪の場合、その居心地の悪さから仕事を辞めたいと思ってしまう人も少なくありません。皆さんが将来的に仕事を辞めたいと思ったときどのような行動を取るべきなのか、社会人の先輩たちの体験談から確認してみてくださいね。
仕事が合わない……転職すべき? 経験者に聞く見極め方と悩みの解消法
みんなもつまずいた! 大切にしている価値観を見つけるまでの3つの壁
価値観を偽って伝えることのリスクについて解説してきましたが、自分の大事にしている価値観を言語化するのは簡単なことではないですよね。
「そもそも大切にしている価値観がないかもしれない」「自分の思っていることをそのまま伝えて良いのか」と迷うこともあるでしょう。まずは、価値観を見つけるまでに陥りがちな3つの壁を知って、大切にしている価値観探しの準備をしましょう。
①自分の大切にしている価値観がわからない
自大切にしている価値観がわからないと悩んだことはありますか?
大切にしている価値観がないと悩んだことがあります。それほど、日常生活で価値観を意識していなかったためです。
大切にしている価値観が見当たらないと悩んだことがあります。日常的に大切にしている価値観を意識せずに過ごしているので、自分だけで考えるのは難しいと思いました。
大切にしている価値観の質問には正解はありません。価値観とは、それぞれの人が生きてきた過程のなかで作られるもので、過去の選択が適切だったかどうか判断する術もないですよね。その正解のなさに、大切にしている価値観を探し出す難しさがあるのです。
「これが自分の大切にしている価値観だ」と思っても、自分のなかで答え合わせができなかったりすることもあるでしょう。そんなときは、まず過去の経験を振り返ってみてください。経験を振り返ることで、自分が持っている考え方や感情の動き方の共通点が見つかり、大切にしている価値観に確信が持てるようになります。この記事で、その方法を解説していくので実践してみてくださいね。
自信を持って回答できるか不安な状態だと、面接に臨むことが怖いと感じてしまいますよね。内定者たちも、同じように怖いという気持ちを感じたことがあるようです。以下の記事では、なぜ怖いと思うのか、どうすれば解決できるのかを解説しているので気になる人はチェックしてみましょう。
内定者のアドバイス付き|「面接が怖い」を解消する3ステップ
②好印象につながる価値観がわからない
大切にしている価値観の回答を考えるなかで、「どんな回答が好印象かわからない」と悩んだ経験はありますか?
どんな回答をすれば良いのか悩んだことはあります。企業理念とマッチしていなければ、不利になると考えたためです。
人それぞれ大切にしてる価値観は異なるううえに、正解がないと思っていたため、何が好印象につながるのかわかりづらかったです。なので、友人の意見や家族の意見を取り入れつつ考えました。
価値観はわかっていても、この価値観を伝えてどのように思われるかと心配になる人も多いでしょう。企業が重視する価値観や働き方がわからないと、自分の回答に自信が持てないのも無理はありません。
だからこそ、価値観の質問で好印象を残すためには、その企業で働く社員の価値観をあらかじめ知っておく必要があります。この記事の後半では、企業が求める人物像や価値観を知る方法を解説します。OB・OG訪問はハードルが高いという人でもできる方法も解説しているので、一度目を通してみてくださいね。
面接官に好印象をもってもらえるかどうか不安だと、面接で緊張してしまうこともありますよね。そんな皆さんのために、内定者が実際におこなった緊張をほぐす方法を以下の記事で公開しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
面接で緊張しない方法11選|先輩たちのリアルな体験談付きで解説
③大切にしている価値観の効果的な伝え方がわからない
大切にしている価値観の伝え方について悩んだことはありますか?
就活初期のこと、価値観を伝える際の話し方で悩んでいました。私の場合は、エピソードを紐づけて具体的に説明することで、悩みを克服することができました。
具体的なエピーソードをどのように話すべきか迷いました。大切にしてる価値観とエピソードの一貫性が重要だと思っていたため、エピソードの選定に苦労した覚えがあります。
たとえ、企業の大切にしている価値観と一致していたとしても、その伝え方が誤っていれば企業に上手くアピールにすることはできません。せっかく回答を導いたにもかかわらず、伝え方がわからずに面接を通過できないと悔しいですよね。
そこで、この記事において、より魅力的に価値観を伝える方法を解説していきます。自分と企業の大切にしている価値観が一致するとアピールすることができれば採用が近づきます。採用担当に刺さる伝え方で、就活を有利に進めていきましょう。
自分が大切にしている価値観を知るうえでの4つの心構え
大切にしている価値観の回答を出すときにつまずいてしまうのは、価値観の内容や選考基準に自信が持てないからでしたね。そんなときに覚えておいてほしいのは、大切にしている価値観は誰からも否定されることはなく、価値観と向き合うこと自体が自分自身にメリットがあるということです。
ここからは、大切にしている価値観の回答を出すうえで持っておいてほしい、4つの心構えを紹介していきます。心構えを理解しておくことで、「自分の回答に自信が持てない」「大切にしている価値観を知ることのメリットがわからない」というモヤモヤが解消されますよ。
①価値観はアップデートしていけば良い
大切にしている価値観は、一つであるとは限りません。生活しているうちに、価値観が変わることもあるでしょう。だからこそ、「自分の価値観はこれでなくては」と縛り付ける必要も、「大切にしている価値観はこれなのか」と必要以上に悩む必要はないと覚えておきましょう。
人は成長する過程で、さまざまな人とかかわります。自分にはない考えを持っているの価値観に触れることで、自分の価値観が変わることもあるでしょう。
さまざまな経験をしてきた今抱いている価値観を、「私が大切にしている価値観です」と伝えてみてください。企業側もあなたの人となりを見たいと思っているため、非の打ち所がない価値観を伝える必要はありません。過去の経験があるからこそ今のあなたが存在していると覚えておきましょう。
②価値観に正解不正解はない
皆さんが大切にしている価値観というのは、皆さんの経験のなかで作られてきたものであり、誰かに否定されるものではありません。
たとえば、数学の問題などではある一定の規則性があり、それに従うことで回答を出すことができ、それによって点数が決まりますよね。しかし、人生の選択には規則性が存在していません。そのため、相応しいであろう選択を予想することしかできないのです。
選択した結果を、誰かの手で後から変えることはできないため、価値観には正解・不正解はありません。なぜその価値観を大切にしているのか、自分の経験をもとに語ってみてくださいね。
③価値観は自分軸で考えるのが良い
面接を通過する学生は、企業が求めている人物像にあっている学生だといえます。だからこそ、大切にしている価値観の回答も「企業に寄せて考えてしまう人」や「受かりそうな人の真似をする人」も多いかもしれません。
しかし、大切にしている価値観の回答は自分軸で考えるのが好ましいです。企業に受かりそうな人の真似をしたところで、入社後にその企業で働くのは自分以外の誰でもありません。
面接で見えた学生の価値観や考え方が配属部署の判断材料となることもあるため、偽った内容を伝えると、自分とそぐわない環境で働いて苦労をすることも考えられます。だからこそ、入社後の自分の働きやすさを守るためにも、自分軸で価値観を考えるようにしてみてくださいね。
仕事をしていると、日々の忙しさに追われて自分らしさを失ってしまうこともあります。社会人になっても自分軸で生きるコツは何なのか、下記の記事から確認してみてくださいね。
自分らしく生きるには|悩んだ20代が語る他人を気にせず生きる術
④価値観を見つけることが働きやすさにつながる
この記事でも、企業と自分の大切にしている価値観が一致していると働きやすくなると、現役就活生の体験談から確認しましたね。仕事に対する向き合い方が合致していると、一緒に仕事をするなかでストレスなく働くことができます。
その働きやすさを作り出すには、企業と自分自身、それぞれの大切にしている価値観を見つける必要がありますよ。この記事でも、「自分の大切にしている価値観を見つける方法」、「企業の大切にしている価値観を見つける方法」を解説していくので、それらの方法を実践してみてくださいね。
就活生たちは価値観を考えるうえで何を大切にしていた?
価値観はあくまで自分を表すものであるため、できる限り回答内容を偽らないことを意識していました。理由は偽りすぎた価値観を伝えても、かえって深掘り質問が鋭くなり、自分に返ってくると考えたためです。
そのため、企業理念と合致している部分から逆算して、自分の過去の経験にから大切にしている価値観を考えるようにしました。回答によって、企業側がある程度のマッチ度を図る可能性もありますが、その人が大切にしている価値観自体に正解・不正解はないと思います。
大切にしている価値観を探すうえでは、浮かんできた考えを否定しないということが大事だと思います。そもそも答えが一つに定まるかどうかは難しいところですし、一つに決めようとするとどうしても耳障りの良い言葉や経験のみを考えてしまいます。
しかし、それでは実際に企業での面接に際して聞かれたときに、薄っぺらい内容になり、深掘りに対しても対応しきれません。そのため、良い経験も失敗した経験も書き留めるなど記録に残し、最後に総合的に見てどのような価値観があるのかを考えることが大事だと思います。
ツールを使った「大切にしている価値観」の見つけ方
大切にしている価値観の回答を作っている最中に悩んでしまったときは、解説した4つの心構えに立ち返るようにしてみてくださいね。
ここからは大切にしている価値観の見つけ方を3つの方法にわけて紹介していきます。大切にしている価値観がなかなか見つからないという人は、まずツールを使って、自分を客観的に見つめなおしてみましょう。その結果から、自分の譲れないものが見えてくるはずです。
①自己分析ツール
大切にしている価値観を見つけるために自己分析ツールを利用したことはありますか?
はい。自己分析ツールを使うことで、自分についての理解が深まり、どのような価値観を持っているのか客観的に知ることができました。
大切な価値観は自己分析をすることで導きだせます。自己分析の方法がわからないという人は下記のツールを使って、自己分析を進めてみてください。
自己分析ツールの例
リクナビ自己分析ツール
キャリタスクエスト
適性診断 MATCH plus
自己分析をすると自分の長所や短所、挫折経験や成功体験を知ることができ、そこから自分の価値観を探ることができます。たとえば、長所は粘り強さで短所は物事に時間がかかってしまうことだとしますね。この長所短所をかけ合わせると、大切にしている価値観は「時間がかかっても実行する」といえるでしょう。
自己分析ツールではいくつかの質問に答えて考え方の癖や行動特性が知れるため、「自分で自己分析を始めるのはハードルが高い」というときに使ってみると良いでしょう。
自己分析の基本的なやり方が知りたいという人は下記の記事を確認してみてくださいね。就活生たちがやってよかったと思う自己分析法を知ることができますよ。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き
②MBTI診断ツール
大切にしている価値観を見つけるためにMBTI診断ツールを利用したことはありますか?
MBTI診断を使いました。MBTI診断をおこない、自分がどういった人間か知っておくことで、価値観というのを少しイメージしやすくなると考えたためです。実際に、MBTI診断ツールを用いて、価値観をより強固なものへと変化させることができるようになりました。しかし、あくまで企業理念との合致とまではいかないため、それをもとに自分のエピソードから価値観との合致を判断しつつ、入社後にこの価値観でどう活躍できるかを明確にするようにしました。
MBTI診断が流行っていたこともあり、やってみたところ、自分の性格や普段の行動と合っている箇所が多かったため、参考にしました。
MBTI診断をして、自分の行動パターンを把握しようとしていました。そこからどのようなことに価値観の重きを置いているか考えました
MBTI診断とは、心理学をもとに人を16個の性格タイプに分類する性格診断のことです。イギリスのNERIS Analytics社が展開している「16 Personalities」から、質問に答えていくと、4つのアルファベットで示された性格タイプがわかります。
それぞれのアルファベットから、自分自身の考え方の癖や行動タイプが読み取れるため、大切にしている価値観を見出すことができるのです。
I:興味関心の方向性が内向的 | E:興味関心の方向性が外交的 |
N:物事の判断基準が直感的 | S:物事の判断基準が感覚的 |
T:物事の考え方が合理的 | F:物事の考え方が感情的 |
J:行動の仕方が計画的 | P:行動の仕方が衝動的 |
それぞれアルファベットの種類によって、違いがありますよね。たとえば、Fという診断が出た場合、「合理的な結果よりも周囲の人の感情を優先すること」を大切にしている傾向にある可能性が高いです。出てきたMBTIから自分自身の性格タイプを知り、なかでも譲れないものを言語化してみてくださいね。
③心理テスト
大切にしている価値観を見つけるために心理テストをやってみたことはありますか?
心理テストで大切にしている価値観を探そうとしたことがあります。あまり効果を実感することはありませんでしたが、自己理解という面で心理状態を把握することが、価値観の発見につながると考えたためです。
心理テストとは、診断を受ける人の性格や精神状態・潜在的な意識を理解するためのテストです。心理テストでは選んだ回答によって、あなたの価値観を導き出すことができます。いくつかの質問に回答してみることで考え方や行動の仕方に共通項が見えてくるはずです。
心理テストの例
向いてる職業がわかる性格心理テスト
ジョブリシャス診断
ただし、心理テストでは「こうありたい」という願望や深層心理が、回答に影響を及ぼすことがあります。その日の感情によって結果が左右されてしまうこともあるため、あくまで、大切にしている価値観を知る補強ツールとしてとらえておくのがおすすめです。
過去の経験から紐解く「大切にしている価値観」の見つけ方
大切にしている価値観を見つけることが難しそうと思っている人も、診断ツールであれば質問に答えるだけで自分の傾向が見えてくるかもしれません。ツールを使って自分の大切にしている価値観が見つけられると、「あのときの経験は〇〇という価値観が影響していたのかも」と思い出される経験もあるでしょう。
ここからは、過去の経験から大切にしている価値観を見つけてる方法を解説します。選考を突破するためにも、価値観を形成した経験も振り返っておきましょう。
①過去の辛い経験を振り返ってみる
辛い経験というのは、記憶に強く残るものです。そんな辛い経験が価値観を形成することもあります。辛い経験をバネにしようとする気持ちは強い原動力となり、その後の行動をするうえでのモチベーションとなることも少なくありません。
過去の辛い経験を振り返るときには、「なぜそれが辛かったのか」「その辛い経験を乗り越えるためにしたことはあるか」を考えてみてください。辛い経験を経て、その後の行動が少しでも変わっていれば、そこで価値観が形成されたといえるでしょう。
過去の辛い経験を振り返ることで、「私ってメンタルが弱いかも」と考えてしまうかもしれません。メンタルが弱いと、どの企業の社風にもなじめないのではと思ってしまうこともありますよね。ただし、それは大きな誤解です。以下の記事では、メンタルが弱い人の持つ魅力やメンタルの弱さを乗り越える方法について解説しています。気になる人はチェックしてみてくださいね。
メンタルが弱い人が持つ5つの才能|社会人が教える弱点克服法とは?
②誰かに指摘をしたくなる瞬間を考えてみる
誰かに指摘をしたくなる瞬間を考えてみると、自分の中の譲れないものが見えてきます。自分のことを傷つけられたり、人として相応しくない行動を見かけたりすると、どこかモヤモヤした気持ちになりませんか。
相手の行動や言動を不快に感じてしまうのは、自分の信念から外れた行動をしている相手に怒りの感情を抱いているからかもしれません。つまり、指摘をしたくなるような瞬間には、自分の大切にしている価値観が表れているということです。
指摘をしたくなる瞬間を振り返る際には、「なぜその発言や言動が気に障ったのか」「自分だったらどうするか」を考えてみてください。「自分だったらこうするのに……」という行動こそが自分の譲れない価値観かもしれませんよ。
③言われてうれしかった言葉を書き出してみる
周囲の人から言われた何気ない一言がうれしかったという経験はありませんか。うれしい言葉をもらえたのは、あなたが自分の大切にしている価値観を体現できたからかもしれません。だからこそ、言われてうれしかった言葉を書き出して共通項が見つけられると、自分の信念を導くことができるでしょう。
たとえば「いつも挨拶をしてくれてありがとう」という言葉がうれしかったとします。これを言われた人は、自分から進んで挨拶をしている人なのでしょう。挨拶は誰でもできる行動ではあるものの、しない人もいます。挨拶という手間があっても、相手と何かしらのコミュニケーションを取ろうとするその姿勢に、大切にしている価値観を見つけるきっかけが隠れてるでしょう。
言われてうれしかった言葉を書き出してみるときは、「その言葉の何がどううれしかったのか」「その行動につながったのはなぜか」を考えてみてください。その行動を始めた経験も見つけることができれば、その価値観を形成した原体験もわかるはずです。
④好きなコンテンツの共通点を探ってみる
好きなものには、自分の感性や大切にしている価値観が表れます。映画や本などを選ぶときに、どのような基準で選んでいるか、またどのようなシーンに感動するかなど、好きなコンテンツの共通点を探ると、大切にしている価値観が見えてくるかもしれません。
「好き」という感情が生まれるのは、何かしらの感性が満たされるからです。そのコンテンツが好きだと感じる瞬間を集めることで、自分の価値観を形成しているのか何かを探っていきましょう。
⑤人に聞いてみる
過去の経験をさかのぼってみても、いまいち大切にしている価値観がわからないという人もいるかもしれません。そんなときは、自分のことをよく知る周りの人にたずねてみることがおすすめです。
人に聞いてみる際は、知り合った場所が違う複数の人に聞いてみましう。小学校の友人に見せる顔と、大学の友人に見せる顔、アルバイト先で見せる顔は違う可能性もありますよね。
それぞれの人から見た共通項があれば、それはどんな場面でも共通して大切にしている価値観だといえるでしょう。一方、どこかの場面だけで見えるものがあれば、何かしらの経験を経て価値観が変わっていた可能性もあります。大切にしている価値観は一つとは限らないため、さまざまな側面から自分を見つめ直してみましょう。
就活生たちが大切にしている価値観の原体験を見つけた方法!
大切にしている価値観の原体験は、過去のエピソードを振り返ることで見つけられると考えます。結果から逆算して、どのような考えや思いがあったから成し遂げられたのかという部分を自分なりに整理すると良いと思います。
また、過去のエピソードを整理するときは、PDCAサイクルに当てはめて出来事を整理し、C(チェック・評価)の部分について深く考えることがおすすめです。理由はCの部分が最も自分の価値観を色濃く反映しているためです。D(実行)の部分で足りなかったことや逆に達成できたことをチェックする項目であるため、自分がどんなところに達成感を感じるのか、また何に対して足りないと感じるのかがわかり、価値観に対してより深く向き合えると思います。
大切にしている価値観を伝えるうえでの原体験を見つけるには、幼少期・小学校・中学校・高校・大学のすべての年代で印象深かったエピソードを10個ずつ書き出し、自己分析をするのが良いと思います。
エピソードの内容は大きなものでなくても良く、なぜそのエピソードが印象深いのか、そのときどのような気持ちだったのか、なぜそのようなことがあったのか、最低でも3回の深掘りをしていました。そのなかで、いろいろなエピソードに通じるキーワードやモチベーションを見つけることで、自分のなかに根付いた価値観が自然とわかるようになりました。
また、このような自己分析で見つけた価値観が行動として現れたエピソードについて家族や友人に聞いて他己分析をおこなうことで、より一層自分にしかない価値観を見つけられるようになりました。時間はかかるかもしれませんが、これを丁寧にやる事が自分に対する理解に大きくつながったと思います。
こちらの記事ではノートを使った自己分析について、詳しく解説していますよ。実際に使用していたノートについても紹介しているので、過去の経験をどのように書き出すか悩んでいる人は参考にしてみてくださいね。
自己分析ノートの作り方4ステップ|内定者のノート写真付き
自分と企業の親和性を探る! 「企業が大切にしている価値観」の見つけ方
ここまでは「大切にしている価値観」を見つけるさまざまな方法について解説してきました。ぜひ自分に合った方法で大切にする価値観を見つけてみてくださいね。
自分が大切にしている価値観が見つかったら、その価値観が企業にマッチしているかどうかを探っていきましょう。ここからは、「企業が大切にしている価値観」を見つけることができる3つの行動を解説していきます。企業との親和性を伝えて選考突破に近づきましょう。
①OB・OG訪問で社員の共通項を探る
複数の人にOB・OG訪問をすることで、企業で働く人の共通項を見出すことができます。その共通項こそが企業が大切にしている価値観なのです。OB・OG訪問では「仕事をしていてやりがいを感じた瞬間」、「仕事での挫折経験とその乗り越え方」を聞くと、大切にしている価値観が捉えやすいですよ。
既存社員となじむ価値観であれば選考通過の可能性が高くなるため、既存社員の価値観を知っておきましょう。
OB・OG訪問についてはこちらの記事で詳しく解説しています。まだ、OB・OG訪問をしたことがないという人は、一連の流れや質問の仕方などについて記事のなかでチェックしてみてくださいね。
OB・OG訪問とは|就活経験者が教えるおすすめ質問一覧付き
②社員の著書やSNSから仕事への姿勢を知る
直接社員と話さなくとも、企業が大切にしている価値観をSNSや著書から知る方法があります。社長や経営層だけでなく、企業の若手社員もSNSで仕事の様子を発信していることがあるため、検索してチェックしてみましょう。
SNSや著書では仕事への向き合い方や仕事で感情が動いた瞬間など、普段の様子を探ることができるかもしれません。複数のSNSや著書を見てみることで、その企業に共通している考え方や文化が見えてくることがあるので情報収集はできるだけ幅広くおこないましょう。
チェックすべきSNSの例
X
instagram
Facebook
TikTok
note
③社史から変化や困難との向き合い方を知る
志望企業の求める人物像とは、どのように作られたのか考えてみたことはありますか。皆さんの価値観も過去の経験から作られたように、企業の求める人物像もこれまでの歴史から作られているのです。
企業の歴史を知るには社史がおすすめで、特に変化があった瞬間に着目すると「企業が大切にしている価値観」を見つかりやすいです。どんな取り組みをして変化や困難と向き合ったかを探ることで、企業が大切にしているものが見えてくるでしょう。
社史を知るには、企業の公式サイトで調べるか、社史をまとめた本を読んでみてくださいね。
内定者に学ぶ! 企業が大切にしている価値観に近づける方法
選考企業に合わせて自分の価値観を伝えるために、インターンシップでおこなわれた社員との座談会を活用しました。社員の間で大切にしていることがわかるため、企業に沿った価値観を作成し、ほかの学生との差別化を図りたいと思ったためです。
実際、これにより、企業とのマッチ度の高い価値観を作成することができました。またこの作成した価値観を基に自己PRなどの修正をおこなうこともできたため、結果的に最適な行動であったと考えます。
選考企業に合わせた自分の大切にしている価値観を伝えるために、OB・OG訪問をたくさんしました。企業のホームページやインタービュー記事からも企業が大切にしている価値観を汲み取ることは可能ですが、もっと自分の肌で感じたことを言語化するためには自身の耳で聞くことが大事だと考えていました。
そのため、OB・OG訪問を重ねることで社員の方々が大事にしている価値観や、自然と全員に浸透している価値観を知り、それを自身の価値観や原体験につなげていました。
社会人に実態を聞いた! 「企業が大切にしている価値観」はどこから読み取れる?
企業の大切にしている価値観を知ることで、企業との親和性をよりアピールすることができます。OB・OG訪問をするのはハードルが高いという人は、まずインターネットや本を使って価値観を探ってみてくださいね。
ここからは、現役社会人たちにも「どこから企業の大切にしている価値観が読み取れるか」を聞いてみました。ここを見れば大切にしている価値観がわかるというポイントを紹介していくので、価値観を知るうえでの近道が見つかるはずですよ。
他社には無い、その企業独特の制度や福利厚生があるかに注目するべきだと思います。私は就活時に「金曜日には創造タイムと題して、社員各自がしたい研究を自由におこなう時間を必ず確保している」という企業に出会いました。この制度に着目しながら企業説明会の質疑応答などに参加したところ、「人材育成に力を入れ、個人の主体性を大切にする」という価値観を重要視していることがわかりました。
このように、企業の大切にしている価値観を反映した制度や福利厚生、昇給制度などが必ず一つはあると思います。その制度に着目し、質疑応答などを通してその制度を設けている理由などを知ることで、大切にしている価値観を知れると思います。
企業理念が、企業が大切にしている価値観の根幹となっていることが多いのではないかなと思います。大会社であると、そこまで社内全体になじんでいるか微妙なところではありますが、社員数が少ない企業などはコミュニケーションロスを避けるため、上層部と理念やモットーについての意識のすり合わせをおこなう機会が多いです。
個人的に、特にベンチャーはその傾向が強いと思うため、企業理念や代表の想いや目標などは着目すべきポイントだと思います。
私の所属している会社の大切にしている価値観は、「社員の幸せと働きやすさを最優先する」というものです。私の会社では、面接で「チーム・会社・顧客の意見が衝突していると仮定し、優先順位をつけてください」という質問が必ず投げかけられます。
答えはホームページに記載されていないものだった
事前に面接官から、「社員の健康と幸せがあってこそ顧客が満足するサービスを提供できる」という説明を受けたため、私は「チーム」、「会社」、「顧客」の順で答えることができましたが、「顧客が一番大切」と答えた方は不採用になったと聞いています。
この価値観は会社のホームページや企業理念には記載されていないため、企業の価値観を知るためには面接中の話をよく聞き、相手の価値観を理解することが重要だと感じました。
「企業が大切にしている価値観や考え方」を知るために、Webサイトや会社資料を読み込むだけでなく、面接や面談でその企業で働いている人に逆質問していました。たとえば、「企業の価値観を実際に体現できた案件や具体的なエピソードはありますか」など聞いていました。
基本的にどの企業の社員さんもちゃんと答えてはくれますが、そのなかでも自分の価値観に合う・共感できる回答をしてくださった企業はより志望度が高まりました。転職の際には新卒よりもたくさん企業に応募すると思うので、自分が次の面接に進みたいか否かを、上記の回答によって検討していました。
大切にしている価値観を体現して仕事ができていると感じる
また、私はデザイン会社で勤務しているのですが、企業の価値観として「デザインで良い社会を作ること」を掲げています。そのためデザイン提案の際にも、クライアントとその先のお客様だけでなく、世の中的に貢献できているのかまで見据えて提案をおこなっている点が企業の価値観が反映されていると感じています。
大切にしている価値観の伝え方4ステップ
ここからは、面接で「大切にしている価値観」をより魅力的に伝える4ステップを解説していきます。
面接では伝え方一つで合否が変わってしまうこともあるため、面接官に、価値観の回答を通して皆さんの魅力を知ってもらえるよう、伝え方も工夫してみてくださいね。
ステップ①大切にしている価値観とその理由を簡潔に述べる
面接の回答方法での基本は、「結論ファースト」です。面接官から聞かれた質問に対する答えを、最初にわかりやすく提示するようにしましょう。特に価値観の質問は、抽象的だからこそ、回りくどい回答になってしまうことも多いので注意が必要です。
回答をする際は「私の大切にしている価値観は〇〇です」や「私は〇〇を大切にしてます」と答えるようにしましょう。そのあとに、「〇〇という経験から、その価値観を形成したました」と伝えると、よりわかりやすい回答になります。答えとその根拠を簡潔に伝えることで、相手の興味を誘う回答にしましょう。
そのため、価値観を形成した原体験が何だったのかも織り交ぜるようにしましょう。面接官側もどんな経験から価値観を形成されたのかが気になるため、就活生側から伝えられると質問の展開が予想しやすいですよ。
ステップ②価値観を形成した原体験を話す
面接官側は、どんな経験からあなたの価値観ができあがったのかを知りたいと確認しましたね。だからこそ、価値観を形成した原体験も忘れずに伝えましょう。ここで大事にしたいのは、原体験をできるだけ具体的に示すということです。
価値観に関する回答は抽象的になりやすいため、原体験における状況・過程・結果などを数字などを用いて分かりやすく伝えましょう。そのなかで、どんな感情の動きや経験がもとになって、価値観が形成されたのかを伝えることで、より説得力のある回答になりますよ。
ステップ③価値観に基づいた入社後のモットーを伝える
企業と自分の大切にしている価値観が一致していると、企業とのマッチ度合いをアピールできる可能性が高くなると確認しましたね。大切にしている価値観を通して、その学生が「入社後も活躍できそう」と判断できるからこそ、内定に近づくのです。
入社後の展望について伝える際には、「入社後もこれまでの価値観をもとに〇〇な働き方をしたいと思っています」と伝えることが効果的です。企業の求める人物像を想像しながら、既存社員とうまくやっていける働き方ができる学生だと思ってもらうことが、回答のコツですよ。
ステップ④企業でどのようにして価値観を活かすか述べる
最後に、価値観を活かして企業でどのように活躍したいかを述べましょう。面接ではいかに自分が企業が求める人材に当てはまるかをアピールすることが大切です。
たとえば、「無理だと思ったことでも行動をしてみる」というのが大切にしている価値観だとしましょう。その場合、企業が新規事業に取り組む際などに、あなたの価値観を活かして活躍することができるかもしれません。企業の中期経営計画表や直近の行動目標などを見ながら、自分の価値観をどの部分で活かせそうか考えて、伝えてみてくださいね。
就活生直伝! 大切にしている価値観の伝え方
相手に共感し、傾聴する姿勢を採用担当者に見てもらいたいと思い、回答を伝えていました。特に、私が志望する職種はチームワークが必要な職種だったので、メンバーをリスペクトする姿勢が強く求められます。意見がぶつかり合うこともこの先多々あると思われるからこそ、上手くコミュニケーションを取っていける人材が求められていると考えていました。
意見の違いを活かしていく姿勢をアピールした実回答
「価値観は人それぞれで、多種多様です。大切なのは相手の価値観を少しでも共感する姿勢を持つことだと、自分自身、今まで心してまいりました。どのような場合でも意見の相違が生じる場面は多々あります。そして、その意見の相違は、大抵が価値観の違いからくるものであると考えています。
相手の意見をしっかり聞き理解することは、相手を尊重する姿勢として重要だと認識しています。そして、相手の意見で理解できない部分は質問をし、解釈する努力をみせることも大事です。相手の意見に共感し、聞き入れ、そのうえで、自分の考えを述べることが社会人としての節度だと思います」
私は、冒頭に一言で大切にしている価値観を伝えるようにしていました。そして、その価値観を形成したエピソードを後から述べるようにしていたのが、私なりのこだわりポイントです。
面接官が大切にしている価値観を聞くときはその人の行動指針などを知ることで企業でどのように仕事をするのか知りたいという目的があると思いますが、価値観に基づいた行動の結果は必ずしも良いものばかりではありません。そのため、伝えるエピソードは必ずしも成功である必要はなく、失敗体験でも価値観がにじみ出ていれば良いと思います。
大切にしている価値観による弊害も考えておくと差が付く
あわせて、その価値観に従った行動がもたらすリスクについて触れることで、自己分析をしっかりしていることをさらにアピールできます。面接官がその学生の価値観について考えるときに、活躍の場面と同時に「こんなところが危うそう」というイメージも持たれると思います。そのような点に対して自分が自覚していて、しっかりと対策をしている事を示すことで企業にとって魅力のある人材としてアピールできます。
「大切にしている価値観」の回答例文10選
面接で「大切にしている価値観は何ですか」と聞かれたときの答え方をマスターすることはできましたか。見つけ方から答え方まで知ることができれば、面接でも自信を持って回答することができるでしょう。
自分の回答にさらに自信を持って答えるためにも、「大切にしている価値観」の回答例文も確認してみてくださいね。行動タイプや物事の判断基準でよくある価値観別に例文を紹介していくので、自分の価値観と近しい例文を参考にしてみましょう。
①率先して行動することを大切にしている
率先して行動していく価値観の例文
私は焼き鳥屋のアルバイト経験から、「自分から進んで行動すること」を大切にするようになりました。
ある日キッチン担当の1人が怪我をして1カ月ほど出勤できないという事態が発生し、料理の提供時間が遅くなるなどの問題が頻発するようになったのです。そこで、私はホール担当ではあったものの、率先してほかのアルバイトメンバーと話し合いを設け、サポートできることを考えました。
結果、食器洗いや、簡単な盛り付けを手が空いたスタッフがサポートするような仕組みを作り、提供時間の短縮に貢献することができました。この経験から、率先して行動する姿勢でチームをサポートすることにやりがいを持つようになったのです。入社後もこの経験を活かして、自ら率先して行動して、御社に貢献できるよう努力いたします。
困難な状況を、乗り越えるために率先して行動する姿勢が良く書かれていますね。他人事ではなくチームとしての問題ととらえている姿勢も、協調性がある印象を持たれるでしょう。
②実績を重視している
実績を重視する価値観の例文
私は、結果を重視するタイプです。
大学の外国語選択で韓国語を選択していたのですが、授業で学んだことをそのままにせず、何かしらの形にしたいと思っていました。そこで、授業と並行して韓国語能力試験を受験することを決めたのです。毎日2時間の自習時間を確保して資格の勉強を進め、3カ月で4級を取得することができたため、達成感を感じました。
私にとって、努力の結果を形に残すことは、何よりもやる気につながります。この価値観を大切に社会人になっても結果にこだわる姿勢を貫きたいです。
「何がやる気につながるか」という部分が明確なため、どんな仕事でも結果にこだわって完遂してくれそうだなという印象を持ちますね。3カ月という期間があることで、短期間でも集中して頑張れる人だと印象を残せます。
③人との縁を大切にしている
人との縁を大切にする価値観の例文
私は人との縁を大切にしています。
子ども食堂のボランティアに週1回参加しているのですが、物価高の影響で食材の予算がオーバーしてしまうという事態がありました。そのことを厨房で話していると、子ども食堂に来ていた親子が「うちのおばあちゃんが農家だからぶこつ野菜をもらえるか聞いてみる」と言ってくれたことがあります。その輪が広がり、今ではいろいろな方が食材を寄付してくれる子ども食堂に成長しました。
このことから、人とのつながりのなかでしか得られない経験があるのだなと学びました。社会人になっても、出会う方々とのご縁を大切にしながら仕事に邁進したいです。
ボランティア活動をするなかで起こったトラブルや、それを打破したエピソードが描かれていますね。短い文章のなかでも、人と人とのつながりや温かみのある食堂の様子が伝わります。
④新しい挑戦を大切にしている
新しい挑戦を大切にする価値観の例文
私は、新しい挑戦をすることを常に大切にしていて、最近では趣味を多く持ちたいと思い、いろいろなことに挑戦しています。
直近もマリンスポーツに挑戦をしましたが、きっかけは写真でした。趣味で写真撮影しているうちに、海中の景色を自分の目で見て、カメラに収めたいと思うようになりました。泳ぎに自信はなかったのですが、海中で撮影をしたいという思いが強かったため、一歩踏み出してみることにしました。
すると、思っていた以上に気持ちが良く、泳ぐことが楽しくなりました。さらには、念願であった海中での撮影もすることができ、マリンスポーツは私の新たな趣味となりました。
このように、どんなことにも挑戦することで新たな世界が広がる楽しさを私は知っています。これからもこの価値観を大切にしながら、社会人としても挑戦を楽しんでいきたいです。
多趣味なことが伺えるエピソードのため、アクティブな印象を与えることができますね。また、挑戦することで新たな世界が広がる楽しさ、という表現が、前向きにどんな仕事でも取り組んでくれそうな人だと好印象です。
⑤独自性を重視している
独自性を重視する価値観の例文
私は独自性を大切にすることを心掛けています。私のゼミでは半期に1度プレゼン大会があり、第1回目のテーマはSDGsの観点でレストランメニューを考えるというものでした。
ほかのゼミ生は、廃棄される食材を使うことを提案するなか、私はあえてメニュー数を1つにするというアイディアを出しました。これはほかのゼミ生や教授にも好評で、プレゼン大会で優勝することができました。
入社後も、既存のアイディアに囚われずに、柔軟性や独自性を活かしながら貢献していきたいです。
実際に独自性を活かしたエピソードがあることで、説得力のある回答になっていますね。また、「最後の既存のアイディアに囚われず」という表現が、新入社員として企業に新たな視点をくれそうな存在だなという印象を与えることができます。
⑥規則や秩序を重視している
規則や秩序を重視する価値観の例文
私は規則や秩序を重視することを大切にしています。最近では、朝起きてからヨガをすることをルーティンにしています。始めたきっかけは、オンライン授業が増えて体を動かす機会が減ったなと感じたことからでした。
毎朝6時に起きて、45分間をヨガの時間に充てると決めてから1年間継続して実施しています。このルーティンを取り入れてから、気分の切り替えができるようになり、毎日続けることで心地良く1日のスタートを切れるようになりました。
どんな業務でも、この価値観を活かして、既存のルールをなぞりながら、いち早く仕事を覚えていきたいです。
規則や秩序をルーティンに結び付けた回答ですね。1年間もルーティンを続けていることで、スケジュール管理が得意なことや、継続力もアピールできる回答となっていますね。
⑦周りの意見を尊重している
周りの意見を尊重する価値観の例文
私は周りの意見を尊重することを大切にしています。
以前、ボランティアサークルでおこなった「読み聞かせ会」の方法で意見が割れたことがありました。その際に、私はサークルの代表として双方の折衷案を考えることを重視しました。その理由としては、両方の意見の思いは「こどもたちに読み聞かせを楽しんでもらいたい」という思いで一致していたからです。
その思いの一致を全体に伝え、折衷案をサークル全体で考え当日を迎えることができました。社会人になっても、周囲と協調性を持ちながら業務遂行することは大切だと思います。より良い仕事にするために、いろいろな人のアイデアを吸収していけるように活躍したいです。
サークルの代表として周囲の意見を拾い上げながら、場をうまくまとめたことが想像できる回答ですね。周囲と協働していけそうな人だなという印象を持てるでしょう。
⑧歴史や伝統を大切にしている
歴史や伝統を重んじる価値観の例文
私は歴史や伝統を大切にしています。地域おこしプロジェクトに参加して、廃線になった駅舎をリニューアルする活動に取り組んだことがあります。
若者が集まるスポットとしてリニューアルしようというアイデアもありましたが、私は「ここの思い出を懐かしみたい人もいるのでは」と思い、駅舎の歴史がわかる写真館と休憩所を兼ねたリニューアルを提案しました。最終的に、そのアイデアが採用され、現在駅舎をリニューアル中です。
この経験から、歴史などを大切にしながら新しい案を生み出す楽しさを私は学びました。入社後は御社の先輩方がつないできた歴史や伝統を受け継ぎながら、業務に邁進していきたいです。
歴史や伝統をただ大切にするのではなく、新しいアイデアにつなげるということが前向きな印象を持たれますね。また、その価値観をどのように業務につなげるのかという姿勢を伝えていることで、企業での活躍の可能性を見出せるでしょう。
⑨過程を重視している
過程を重視する価値観の例文
私は物事に取り組むときに、結果だけではなくその過程を重視しています。私は大学時代に、吹奏楽部としてコンクールに出場しましたが、良い結果が得られませんでした。そこでそれまでの過程を見直し、部内のコミュニケーションの希薄さが問題点として挙げられました。
そこからパートを超えたコミュニケーションをおこなうようになり、互いの改善点などを言いやすい空気感を作ることができました。結果、次のコンクールでは以前よりも高い評価をもらうことができました。
このような経験から、過程を重視することで、結果も良い方向に向かうと私は学びました。今後仕事をするうえでも、過程を丁寧に見返しながら良い成果を上げられるように邁進したいです。
実体験が具体的に表現されているため、採用側はその状況を良くイメージしやすいですね。特に過程を見直すことで改善点を見つけたという部分が、現状維持ではない向上心を感じられるポイントです。
⑩苦手なことでもやり遂げることを大切にしている
苦手なことでもやり遂げる価値観の例文
苦手なことでもやり遂げることを大切にしています。私は人見知りで、アルバイトでは裏方として、個別学習塾の教材作りをしていました。しかしある日、塾講師が不足しているため、講師をやってみないかと塾長に打診されました。最初は断ろうと思いましたが、まずはやってみようという気持ちで取り組むことにしました。
最初は戸惑うことも多かったのですが、やってみると「こう伝えた方がわかりやすいかも」などと向上心が生まれて楽しくなりました。今も生徒の成長をサポートできるこの仕事が私は大好きです。
この経験から、苦手なことでもまずは挑戦することで成長につながると私は思いました。この姿勢を社会人になっても大切にしていきたいです。
苦手なことに挑戦する状況で、「最初は戸惑った」などの感情を記載しているところが特に良いですね。素直な表現をしていることで、人柄が表現されて関心がぐっと高まります。
大切にしている価値観が企業と一致すると働きやすくなる! 偽らない自分で働こう
ここまで、大切にしている価値観の見つけ方から回答の仕方まで「大切にしている価値観」の疑問を一挙に解説してきました。対策をしていて困ったときは、見つけ方・回答の作り方に漏れはないか、それぞれのステップに立ち返ってみると良いでしょう。
晴れて、大切にしている価値観を見つけられたら、それが「本当に大切にしている価値観か」を自分に問いかけてみてください。大切にしているものが一致している企業であれば居心地の良さを感じられるため、偽らない自分で面接に臨むようにしてみてくださいね。入社後に働きやすさを実感できるはずですよ。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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広告業界を受けていましたが、エントリーシート(ES)でも面接でも大切にしている価値観を聞かれることは多かったです。その際には、以下の3つを答えていました
①周りの人の笑顔のために全身全霊で行動すること
②チームで協力して取り組むこと
③好きな物のためなら何でもやること
いずれも広告業界で働くうえで大切になるものであるため、この3つをベースに受ける企業のカラーごとに変えて答えていました。たとえば「チームで仕事をすることを重要視している企業」は、②の価値観を伝えていました。