転職で給与が下がると不安なときは体験談でメリット・デメリットの確認をしよう!
転職したいけど給料が下がるかもしれない、給料とやりたい仕事どっちを取るべきか悩んでいる、など転職先の給料に関する悩みを持つ人は少なくありません。
「給料が下がってもやりたい仕事に就けるのであれば問題ない」と思ってはいても、生活と給料は切り離せないのが現実。経済的な問題にどう折り合いをつけるか、踏ん切りがつかない人もいるのではないでしょうか。
そんなときは、給料が下がっても転職をするべきか、現職に留まるべきかを客観的に判断し、メリットとデメリットを把握したうえで決断をすることをおすすめします。
この記事では実際に転職経験者の体験談をもとに、どのように決断をするべきかや、給料を下げない対策などを解説していきます。
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転職と給料が上がる・下がるにまつわる転職経験者の本音
まずは、転職経験者に実際に直面した給与が上がる・下がる問題に関する体験談を聞いてみました。
給与が重要か、仕事が重要かなどは人によってさまざまですが、転職する・しないをどのように決断したか、リアルな意見を募ったので、一緒に見ていきましょう。今の自分と同じ悩みに直面した転職経験者の話もあるかもしれませんよ。
ぶっちゃけ給料とやりたいことのどちらが大事?
やりたい仕事ではあるけど、給料が低くなることで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。ここでは転職経験者に「お金が大事かやりたいことが大事か」を率直に聞いてみました。
転職します。私は転職をして、前職よりも少し給料が下がりましたが、社用車の支給などの福利厚生が良いこと、ワークライフバランスが取れることを優先して転職を決めたからです。
今の会社が嫌なので、給料が多少下がるくらいなら転職を選びます。結婚をして子供もいるため、お金はあるに越したことはないと思います。しかし、仕事のせいで家族との時間が取れなくなるのは嫌なので、バランスの取れた働き方ができる企業なら転職を選ぶと思います。
大幅な減少でなければ転職する可能性があると考えています。20代のうちに挑戦してみたいと感じる仕事内容なら、多少は許容できると思うからです。
実際に、転職後の給料が下がる経験をしたことがあります。当時は20代前半でチャレンジがしやすいと考え、どうしても挑戦してみたと思っていた職種へ応募しました。当時は給料にこだわらず転職を決めましたね。
給料が下がったとしても、「自分のやりたいことがやれる」「今の仕事よりもプライベートの時間が確保できる」「今よりもストレスが少ない仕事」などのメリットがあれば転職すると思います。
基本的には転職しません。しかし、今後給料が上がる見込みがあれば、転職を迷いますね。また、転職の理由が給与以外の残業や人間関係に関するものであれば、「環境を変える」という目的で転職を選ぶと思います。
現在の仕事に対してネガティブに感じている人は、お金よりもやりたいことを叶えて環境を変化させたいと考えている人もいるようですね。
ほかにも、やりたいことができたり、プライベートの時間を増やせたりするなどのメリットがあれば、多少給与が下がっても転職を選択するという意見の人もいました。
転職経験者は転職して給料が上がった? 下がった?
次に、転職をしたことで給与が上がったのか、下がったのか、ほかではなかなか聞けない実態について教えてもらいましょう。
ただ単に給与が下がったという人もいれば、賞与やインセンティブ制度など、企業の給与制度が変化したことによって給与の額が変わったという人もいるようです。
転職をしたことによって、給料は増えましたか? 減りましたか?
転職によって、ひと月の給料は変わらなかったのですが、ボーナスが減りました。しかし、社用車がもらえたり、福利厚生がしっかりしているので、そこまで大きなマイナスには感じていません。
転職したことによって、給料は結構減りました。もともとはインセンティブがつき、ボーナスはない仕事をしていました。今の仕事では、ボーナスはあるのですが、額が本当に少なく、前職給料には勝らない気がします。
2回転職を経験して、そのたびにひと月の給料が減ったり増えたりしました。減ったときの仕事は、インセンティブで給料を上げていくという体系の仕事で、増えたときは、純粋に基本給が上がったのが理由です。
私も2回転職をしたのですが、業界・職種共に未経験で転職した1回目の転職時は、基本給が下がりました。2回目の転職は同業界への就職だったこともあり、前職と比べて大幅に年収が上がりました。
転職で給料が下がるとわかったときどうやって決断した?
転職先の給与が今よりも下がるとわかったとき、どのように転職する・しないを決断したのかを教えてもらいました。
今まさに給与が理由で転職をするべきか、現職に留まるべきかを迷っている人は、経験者のリアルな意見を参考にしてみてくださいね。
転職先の給料が少なくなるとわかったとき、どんなことを考えて転職する・しないを判断しましたか?
転職する目的を見直しました。もともと給料より、ワークライフバランスを重視しようと思っていたので、そこまでこだわらずに転職を選びました。ただ、少しでも前職との年収の差を埋められるように、副業ができる会社を選ぶようにしていました。
私も、もともとは働き方や勤務時間などを変えたいと思って転職活動をしていたので、給料の優先度は低かったです。給料よりも、自分の理想とする働き方ができるかどうかに着目しました。
正直なところ、給料が減るのは残念でしたが、実績や経験を得たかったので転職を決断をしました。まだ20代で結婚もしていなかったですし、減るのはお金だけと考えたら、別に大したことではないと考えたからです。
給料が減ることに対して、もちろん残念な気持ちはありました。しかし、当時は未経験からの挑戦で、その仕事に就くことが一番の目的だったので、入社後頑張って挽回すれば良いと考えていました。
転職先の給料が下がっても「転職して良かった」と感じた成功談は?
もちろん、その人の幸せを決定するのはお金だけではありません。転職先の給与が低くなっても、転職を決断して良かったと感じる人ももちろんいます。
給与よりも働き方を優先した人や、自分のやりたい仕事に就けた人が感じた「転職して良かった」という経験談を聞いてみましょう。
前職は年収がとても高く、それに大満足していました。しかし、給料が高いからこそ仕事に追われ、プライベートの時間がなかなか取れないことにストレスを感じる毎日でした。
そこで、「給料面よりプライベートの時間を大切にしたい」という思いから転職を決断した結果、プライベートの時間も増えたことで、前職より給料が少なくなっても「転職して良かった」と感じています。
もちろん給料が減ることに心配はあったので、転職活動の際は「副業がOK」「副業をする時間が確保できる」という2つに着目しながら企業を選んで選んで転職しました。
前職はサービス業に従事しており、かつシフト制での勤務をしていたため、有休がなかなか取れなかったり、帰宅時間が23時だったりという生活が普通でした。
結婚を機に、「こんな働き方で家事をする時間も、家族と過ごす時間も取れないのでは」と考えて、転職に踏み切りました。転職後に給料は下がりましたが、今の職場は残業はほぼないうえに、育児休暇や時短勤務の制度も整っています。
今の時代、そういった会社が増えているという背景もあると思いますが、生活と両立する働き方ができるようになっただけでも、職場を変えて良かったと感じます。今は自分の心身を休ませながら家族との時間も取れるので、転職に踏み切ったときの目的は達成できたかなと思います。
転職先の給料が下がって「失敗した」と感じたエピソードは?
給与だけが人生の良い・悪いを決める要素ではありませんが、それでも生活とは切り離せないもの。
ここでは、転職先の給与が減ったことによって感じる、不安やトラブルについてのリアルな体験談を教えてもらいました。
私は転職をしたことによって、ボーナスの額が約100万円、ひと月の給料は約1万円下がりました。また、転職して最初の月は、中途半端な日からの出勤だったので、満額の給料がもらえず将来のことがとても心配になりました。
ですが、副業が波に乗ってくると、ひと月の収入が安定するようになりました。今は本業・副業と並行して固定費の見直しや日々の節約、人生で初めて家計簿をつけるなど、自分なりに工夫をしながら、少しでも将来のお金の不安を減らそうと努力しています。
転職を経て現在3社目となる企業へ入社しましたが、現在進行形で金銭面に不安があります。給料自体は上がっているのですが、前職では福利厚生として家賃補助が出ていたため、それも加味すると収入ダウンになりました。そのため、生活水準を若干下げる必要が出てきたのです。
これまでは値段を気にせずに買い物をしていましたが、転職をしてからはしっかり家計簿をつけるようになりました。
ただ、現在の会社は、前職と比較すると残業時間が3分の1程度になったため、空いた時間で副業をして、減ってしまった給料分を補っている状況です。今は、本業での昇進を狙いつつ、副業と並行しながら資格の勉強にも力を入れています。
転職をすると給料が下がる可能性は? 実際のデータと給料の傾向
実際に給料が下がると言っても、どれくらいの割合で、どれくらいの額の減少なのか、全体像を掴むためにも転職の給与にまつわるデータを確認しておきましょう。
ここから先は厚生労働省が提示している令和3年雇用動向調査結果の概況のデータを参考に、転職後の給与や満足度について紹介していきます。
転職で給料が下がるのは全体の3割程度
令和3年におこなわれた調査で、転職者の給料の変動を見てみると、前職の給料と比較して給料が「増加した」という人は34.6%、「減少した」と回答した人は35.2%でした。
さらに、「減少した」と回答した人の中で、前職の給料から1割以上の減少だった人は26.3%となりました。転職者のうち、3割程度が給料が下がる経験をしていることがわかります。
転職理由
そもそも、転職を選んでいる人にはどのような背景があるのでしょうか。ここでは、転職を選んだ人が、どのような理由で前職を離れることにしたのか、男女別の転職理由をランキング形式で紹介します。
性別や年齢によって現職を退く決断をした要因はさまざまですが、「個人的な理由」という選択肢を除くと「定年・契約期間の満了」が一番多く、次点は男性は「職場の人間関係が好ましくなかった」、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」となっています。
転職時の面接で「転職理由」を聞かれたらなんと答えるのが適切か、悩んでいる人は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
面接で転職理由を聞かれたら? 転職成功者のリアル回答を大公開
転職時の年齢が上がると転職先の給料が下がる可能性が高くなる
転職時の年齢と、給料の上がる・下がるには関係があるのかも見てみましょう。ここでは、転職時の年齢別に、給料が「減少した」と回答した人の割合を紹介しています。
このデータによると、転職のタイミングが50~54歳以上になると、転職先の給与が「減少した」という回答が3割を超え、60歳以上になると、給料が減る割合がぐっと上がることがわかりますね。
このように、45歳以上で転職をする際は、その後の年齢が高くなればなるほど、転職先の給与が下がりやすいということがわかります。
転職によって給料が下がる6つのケース
ここまでは転職における給料の話題について、具体的なデータを取り上げながら解説してきました。もちろん、転職の目的は人によってさまざまです。給料を重視するか、やりたいことを重視するかによって転職後の満足度は変化します。
転職後の給料は、仕事内容や役職の違いなど、さまざまな要因が組み合わさることで変化します。そのため、給料以上に手に入れたいものがある場合は、ある程度の妥協が必要なケースも。
給与が下がるのは仕方ないことなのか、それとももっといい条件があるのかと悩んでいる人に向けて、ここからは転職で給与が下がる6つのケースについて解説していきます。
①異業界・異業種への転職
未経験で現職とは異なる業界・業種に転職する場合は、転職先の給料は下がりやすいと言えます。
転職活動では前職での経験やスキルが評価されやすいため、即戦力となる実績がない場合は前職の給料よりも低い条件で採用される可能性が高くなります。
言ってしまえば、キャリアもスキルも0の状態から新しいキャリアをスタートさせることになるため、現職の給料から大幅アップ、というケースは稀でしょう。
同業界・同職種へ転職すると給料は上がるの?
もともとは人材業界で営業の仕事をしていたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、会社の業績が悪化したとき、ボーナスが通常の5分の1以下にまで減ってしまったことがあります。
そのときはさすがに不安を感じ、給料以外にもライフイベントとの兼ね合いや、上司との関係で悩んでいたこともあったので、経験を活かせる同業界で、よりワークライフバランスの取れるサポート職に転職しようと決めて、転職活動を始めました。
結果、ワークライフバランスが取れる職業で、前職よりも良い給与条件でサポート職として採用いただいた経験があります。
②大手企業から企業規模が小さい企業への転職
近年、従来の年功序列制度や終身雇用の安定性が不安視される声もある中で、より自由な社風で働きたい、スピード感のある昇進を目指して企業規模の小さい会社に転職する人も増加しています。
しかし、ブランドとしての力が強い・競合他社が少ないという特徴を持った大手企業は福利厚生や評価制度が整っている傾向にあるため、中小・ベンチャー、小規模なスタートアップの企業に転職をする場合、入社直後の給料は以前よりも下がってしまうかもしれません。
ただし、大手企業にありがちな年功序列の風潮は弱く、活躍に応じてすぐにポストに付ける可能性が高いという点では生涯年収が跳ね上がるタイミングが来ることもあります。
③役職・ポジションが変化する転職
仕事への責任が増えるため、給与に役職手当を付ける企業も多くあります。そのため、役職が下がる、一般職からのスタートになる転職の場合は給料が下がる可能性があります。
また、企業ごとに役職の意味合いや立場は異なるため、「同じ名前の役職に就けると思っていたら実態は違った」「自分の役職がほかの企業には存在しなかった」というケースには要注意です。
④賞与や評価制度が異なる企業への転職
企業ごとに賞与の支給額や評価制度は異なるため、月給が同じ水準だったとしても基本給以外の面で差がつくこともあります。企業ごとに評価基準・評価の厳しさも異なるため、前職で評価されていたことが転職先では通用しない、というケースも存在します。
成果によって給料とは別に報酬を支給するインセンティブ制度を導入している企業や、そもそもの給与水準が高いと言われている業界など、前職の給与水準が良かった人は、転職先の評価が厳しくなかなか昇給のチャンスがないと苦しむ場面もあるかもしれません。
⑤残業時間が少ない企業への転職
残業代ありきで給与が成り立っていた人は、残業が少ない企業に転職すると給与が下がる傾向にあります。
注意しなくてはいけないのが「見込み残業代」という制度です。あらかじめ規定の金額を基本給に含めて支給している企業もあるため「基本給に加えてこれだけの残業代があれば高収入だ」と思っていると、実は残業代が支給されないなんてケースも。
事前に、残業代が別途支給されるのか、あらかじめ支給されているのか、残業はどれくらい発生するのかを事前に調べておきましょう。
残業代を含めることで希望給与が叶った人の体験談
IT業界の販売会社からSIerへ転職する際、給料が原因で悩んだことがあります。当時の状況としては、基本給のみでは希望年収には満たないものの、残業代を考慮すると希望の年収以上になる給与水準でした。
悩んだポイントとしては、給料が残業代ありきになってしまい、残業がないときは生活が多少苦しくなるという点でした。しかし、入社後に基本給がある程度上がることが期待でき、残業代に関しても問題がないと判断して転職することにしました。
実際に転職した後は、希望すればするだけ働くことができて、残業代で給料を稼ぐことによって希望の給与水準以上の収入を得ることもできました。もちろん、基本給のみで希望が叶うのが望ましいことではあるのですが、残業代を含めて希望が満たされるケースもあるので、転職を迷っている人は検討してもいいかもしれません。
⑥地元や地方の企業への転職
主要都市に比べると、地方での給与水準は低い傾向にあり、拠点を変えるような転職の場合は給料の低下につながることもあります。
そのため、転職先が地方や地元ならではの企業や、大手企業の支店などでない場合は、給与が低くなる可能性が高いでしょう。
近年では地方や出身地で働ける企業に転職する、「Uターン」「Iターン」と呼ばれる就職を選択する人もいます。都市部と比較して物価が安いというメリットはありますが、環境の変化や移住に費用がかかることがあるため、生活が成り立つか一度確認しておきましょう。
Uターン・Iターンについて気になる人は、この記事でメリット・デメリットを確認してから動きだしましょう。経験者からの貴重なアドバイスも紹介しているので、参考にしてくださいね。
Uターン・Iターンの良し悪しとは|仕事や生活を体験談から徹底解剖
転職で給料が下がるとわかったら? 転職を決断する前に見直すべきポイント5選
転職先として魅力的に思える仕事や企業が見つかっても、今よりも給料が下がってしまうと分かると、どうしても迷ってしまいますよね。しかし、給料のことばかり考えて踏みとどまってしまったら、もうチャンスが来ないかも……と不安になることもあるでしょう。
どんな決断をするのかはあなた次第ですが、冷静に状況を確認してから意思決定したほうが、納得感のある選択につながりやすくなりますよ。
ここからは転職先の給料が今よりも下がる、という状況で迷った時にチェックしたいことを5つ紹介していきます。
①給料が下がっても環境を変えて働きたいか
仕事の環境を変えることは、まだ見ぬ自分の可能性を試したり、新しいチームメンバーとの交流から刺激を受けたりと、得られるメリットも多くあります。しかし、給料が下がることと引き換えに、今の仕事の環境を変える必要があるのかを見直しましょう。
「なんとなく」の気持ちでむやみに転職を実行してしまうと、転職後の生活で経済的に苦しい思いをすることもあるかもしれません。環境を変えることで自分が得られるメリットと、給料が下がることによって発生するデメリットを天秤にかけて吟味しましょう。あとで生活が立ち行かなくなり、結局また転職が必要、というループに陥るケースもあります。
転職を考えている人の中には、「今の仕事がなんとなくしっくりこない」という人も、「今すぐにでも環境を変えて働きたい」という人までさまざまです。どうして今の自分に転職が必要なのか、転職の軸や必要性を見直してから決断しても遅くはありませんよ。
②転職先で給料が上がる見込みがあるか
働き始めの給料が下がっても、ゆくゆく昇給の見込みがあるのなら問題ない、と考える人もいるでしょう。特に、転職先がベンチャー企業や成果主義の風潮があるのであれば、自分の頑張り次第で給与が跳ね上がる可能性もあります。
また、転職先の評価制度によってはすぐに評価を受けられる可能性もあり、さらに即戦力としての採用なのであれば、幹部候補としてスピード感のある昇進も期待できます。
評価制度については事前の企業研究で情報収集することが効果的です。評価の基準が何なのか、査定を受けられるのはいつ頃になるのかをあらかじめ確認しておきましょう。
③生活水準が下がることを受け入れられるか
すでに高い給与水準で生活をしている人は、生活水準を落とすことをどこまで許容できるかを考えておきましょう。一般的に、現在の給料や年収の1割程度が減額の許容範囲と言われています。しかし、これはあくまで目安の限度額なので、「1割減るから転職しない」とすぐに判断するのではなく、一つの基準として捉えましょう。
また、給料が減少することによって、結婚や住居の購入、自家用車の購入など、今後のライフイベントに制限がかかる可能性があります。
もし転職前の生活水準を落とすことに妥協できない人は、現在の給与の3〜5カ月分を貯金し、資金を貯めてから転職活動をおこなうなどの対策をおすすめします。どうしても今の生活を維持したいということであれば、転職をしない決断をするのも一つの手段です。
④転職後の給料で税金や維持費が支払えるか
転職後に考えなくてはいけないのは生活水準だけではありません。注意しなくてはいけないのは税金や今の生活を成り立たせている維持費についてです。
自治体が管理する住民税などは、前年の給与を基に算出されます。そのため、転職後に給与が下がったからといって、税金の額も少なくなるというわけではありません。また、すでに購入している住居や自家用車にローンを組んでいるなど、継続的に支払い義務が発生する費用を賄えるかの計算は必須です。
⑤転職先で身に付けたいスキルややりたい仕事があるか
「やりたい仕事をとるかお金を取るか」という問題ではありますが、その仕事を今の会社で実現することが不可能なのか、転職をしないと携われない仕事なのかを客観的に評価しましょう。
給与が下がってもやりたいと思える仕事であれば、思い切って飛び込んでみるのも一つです。ただし、もし自分のやりたい仕事や身に付けたいスキルが今の環境でもできるのであれば、もしかしたらやりたいことを実現することが目的なのではなく、ただ環境を変えたいだけなのかもしれません。
転職後に「やっぱり給与が良い企業の方が合ってるな」と思っても、前の企業に戻ることは困難です。本当に転職先でなくてはいけないのか、客観的に状況を見てみましょう。
給料が下がっても実現させたい目的は何でしたか?
私は、自分が目指していた職種に就けるかどうかを最優先していたので、給与が希望に満たなくても転職する道を選びました。
内定者面談があったので、その面談でインセンティブの制度や昇給についても話し、大体どれくらいの期間で前職の年収に戻せそうか、どれくらいの成果を出せばプラスアルファで給料がもらえるのか、といった点を入念に確認しました。しっかりと話をして、納得感を持てたことも決断の後押しになったと思います。
転職理由が何かにもよりますが、自分が転職で何を叶えたいかを振り返り、給与よりも優先度が高い条件が叶うのであれば、踏み出すことを前向きに考えても良いのではないかなと思います。
転職をして、前職よりも給料は下がりました。しかし、もともと給料よりも時間を大切にしたいと思って活動を始めたので、転職先の給料が下がるとわかっても、何のためらいもありませんでした。
得られる収入よりも、支出の方に注目してみると、確かに給料は下がるのですが、自分で負担しなくてはいけないお金も減ることがわかったので、トータルとしてはそんなに変わらないのではと考えて決断しました。
転職後に給料が下がる場合に申請が可能な手当
どうしても給料に関する不安がぬぐえないという人は、転職時に国から受給できる補助金制度を利用するのも一つの手段です。
雇用や再就職の際に受けられる補助の中に「失業手当」ということを聞いたことがある人もいるかもしれません。正式名称は「雇用保険の失業等給付の基本手当」とされ、雇用の継続が困難となる状況に陥った際に生活の安定を図る目的で給付される手当のことです。
この「失業等給付」にふくまれる制度から、転職の際に利用できる補助や、転職先の給料が前職よりも下がる場合のみ申請が可能な支援制度を2つ紹介します。
参考:
厚生労働省/失業等給付について
再就職手当
再就職手当とは、失業後なるべく早い段階で再就職することを支援する目的で支給される手当のことです。
失業後すぐに再就職すれば支給されるものではなく、一度「失業している状態である」と認定を受け、雇用保険の一部である「基本手当」の受給資格を満たしている必要があります。
ほかにも受給に際して、厚生労働省が提示している8つの条件をすべて満たす必要がありますが、受給できた場合は再就職先の給与と、再就職手当の2つを収入として得ることができるため、生活への不安を軽減することができます。
参考:
厚生労働省/就職促進給付
厚生労働省/再就職手当のご案内
就業促進定着手当
前に説明した「再就職手当」を受給した人が受給資格を得られるのが「就業促進定着手当」です。これは、再就職に成功した人が就職先に定着することを目的に支給される手当のことです。条件として、再就職先での6カ月間の賃金が、転職前の給料よりも少ないことが提示されています。
この就業促進定着手当は「再就職手当」を受給した人に受給資格があるため、「就業促進定着手当」のみの受け取りはできません。また、受給するまでに数週間期間が空くため、それまでは転職先に勤務し続けていることが必要になります。
参考:
厚生労働省/就職促進給付
厚生労働省/就業促進定着手当申請案内リーフレット
国からの補助を受けた経験はありますか?
転職や再就職先の際に受けられる補助や手当のことを知っていましたか?
失業保険、再就職手当、就業促進定着手当といった補助をもとから知っていて、かつ転職時には利用もしました。
代表的な失業保険、再就職手当、教育訓練給付金などの制度を知っていました。私の場合は。退職日が3月31日、再就職日が4月1日だったので利用せずにそのまま転職をしました。
ほとんど知りませんでした。調べればわかるのですが、それが面倒だったんです。転職するときも、自力で前職を辞めてから次の職場で初出勤するまでの期間がないように調整し、退職日の次の日から入社という形を取りました。
転職活動中に収入が得られないと不安を感じる人は、働きながら転職活動を進めていくことで経済的な不安を軽減できます。具体的な方法はこちらの記事でチェックしてみてくださいね。
働きながら転職を経験した先輩に聞く! 仕事と転職活動を両立するコツ
転職で給料が下がる可能性を低くするための対策
ここまでは、転職する際の給与によって申請可能な補助制度について解説してきました。どうしても自分のしたい職に就きたいという人は、転職前に申請してみるのがおすすめです。
また、転職で働く環境を変えたいけれど給与を下げるのは避けたい、という人に向けて、転職先の給与に関する対策を紹介していきます。
転職の目的と優先順位をはっきりさせる
給与に関係なく「やりたい仕事をする」「未経験でチャレンジがしたい」と考えているけれど、いざ転職活動をすると給与が下がることが気になってしまう場合は、転職の条件や優先順位をはっきりさせる必要がありま
す。
もし、やりたい仕事ができるのに給与面でかなり悩んでいるのであれば、「やりたいこと」よりも「給与」の方が優先順位が上なのかもしれません。
どうして転職をする必要があるのかを明確にすれば、給与に対する見方も変化する可能性があります。そもそも給与が重要で転職の選択をするのか、やりたいことに挑戦するための転職なのかをはっきりさせ、自分の納得感を醸成するために向き合う時間を作りましょう。
今の仕事を辞めるべきか・続けるべきか迷っている人は、以下の記事の体験談を参考にしてみてください。この記事では仕事を変えるタイミングや、その見極め方について解説しています。
仕事の辞めどきを冷静に見極める5ステップ|リアル体験談付きで解説
給料の妥協ラインを設ける
「年収が下がるから転職に踏み出せない」と、極端に経済的な面にばかり目を向けてしまうと、無意識のうちに自分の可能性を狭めてしまいます。
「年収が下がる」という抽象的な見方ではなく、「ひと月の給与が大体〇〇円程度になる」と月単位での計算をしたり、「ここまでの減額なら妥協できる」と自分の中で許せるラインをあらかじめ決定し、転職活動の軸にしてみましょう。
一般的には、現在の給与の手取りから1割減った給与になると、生活水準に影響が出やすくなると言われているため、迷った人は「1割減まで」と基準を設けることをおすすめします。
現職と同じ業界や同じ職種に転職する
給与額を下げたくない場合、現在の仕事の業界・業種と同じ、もしくは似通っている企業を選ぶことで対策が可能です。
新卒での就職活動と異なり、転職活動では自分のこれまでの経験や実績を武器に、希望の給与額で交渉をすることも可能です。そのため、これまで培ったスキルを活かしやすい同業界・同業種への転職であれば、それだけ転職先からの期待値も高くなり、給与アップが狙えます。
「現在の仕事は気に入っているけど、働く環境を変化させたい」「年収アップだけを目的に転職活動がしたい」という人には効果的な手段です。
成長性のある業界や業種にチャレンジする
仕事内容を変化させたいという人は、成長性のある業界・業種へ視野を向けるものおすすめです。というのも、将来性のある業界には中長期的に需要が見込まれ、業界としての安定性や拡大の可能性が高いことから、社員の待遇が良くなりやすい傾向にあるからです。
そのため、働き始めの給与が低くても、将来的な給与の上がり幅が大きい、活躍による昇格・昇進のスピードが早い、などの点で恩恵を受けられる人もいるでしょう。
企業研究で評価制度や労働条件を調べておく
企業研究で給与体制や賞与、残業時間について念入りに調べておくことも重要です。
企業によって査定にかかわる評価の回数が異なったり、賞与として支払われる額に差があったりと、会社からもらえる金額は月の給与額だけで判断できるものではありません。
たとえば、月給20万円の企業Aと、月給25万円と書いている企業Bであれば、後者の企業Bの方が条件が良く見えますよね。しかし、実は企業Aでは残業代が別途支給され実際の給与は28万円ほどに、企業Bは25万円の中に「見込み残業代」としてすでに残業代が含まれている額だったとしたらどうでしょうか。
ほかにも企業Aでは評価の回数が多く活躍できれば昇給がしやすい、企業Bは企業Aよりも賞与の額が1カ月分高い、とたくさんの条件を見比べて、給与の高い・低いを判断する必要があるため、情報収集を怠らず求人情報の確認をおこないましょう。
事前に給料の交渉をする
転職活動では希望の給与・年収を企業と交渉しながら進めることが可能です。この相談は個人でももちろん可能ですが、就職エージェントを利用している場合は、エージェントが企業との仲介をしてくれる可能性もあります。年収を下げたくない人は、あらかじめ給与の交渉をおこなうことで金銭面のギャップを少なくすることができます。
また、そもそも金額の交渉が可能かどうかがわからない場合は、人事との面談の場でそれとなく話題に出して探るのも手段の一つです。
面接で「希望の年収額を教えてください」と質問される可能性もありますが、そこで求人票とかけ離れた額や、本当に希望する額を答えてしまうと「年収が理由で弊社を志望している」「求人票を確認していない」という評価につながる可能性もあります。
あらかじめ給料に関する交渉が可能か、可能な場合はどれくらいの範囲で希望を出すのが適切かを情報収集してから面接に臨みましょう。
転職後の給料を下げないようにできることを教えてください
転職で給料を下げたくない場合は、なるべく即戦力として働けるポジションや、経験のある業界・業種を選ぶのがおすすめです。
やはり未経験での転職だと、企業側からしてもポテンシャルを鑑みての採用になり、最初から高額な給与を与えることにリスクがあるので、あまり良い条件は出してくれません。
そのため、自分の経験を活かせるポジションを選ぶことで年収が減ることを防げると思いますよ。また、直接希望の年収を伝えにくいと感じる場合は、エージェントに間に入ってもらうなどの対策ができると安心です。
異業界・異業種への転職となると、どうしても収入が下がるリスクがあります。
そのため、同業他社への転職を視野に入れたり、希望の年収を聞かれた際は今の年収より50万円ほどプラスで交渉し、現在の年収を下回らないように立ち回ったりと工夫をすると、給料が下がる不安はなくなるかなと思います。
現職で住宅手当や資格手当などが別途支給されている場合、そういった要素も含めた金額を具体的に出して交渉するのがおすすめです。複数内定を持っているなら、他社に提示されている年収を持ち出して交渉することも有効ですよ。
転職で給与が下がることが不安なときは転職の目的をしっかり確認して決断しよう
ここまで、転職経験者のリアルな意見をもとに、給与が下がる可能性が高い転職のパターンや、実際に転職先に就職をするべきか・しないべきかの判断基準などについて解説してきました。
「給料が下がるから転職しない」と決めつけてしまうと、自分の選択肢やチャンスを狭めてしまったり、「やりたいことをするならお金は二の次」と踏み出したら生活が立ち行かなくなってしまったりと、給与とキャリアのバランスに悩むことは多々あるでしょう。
しかし、転職の目的はお金だけではないはず。目の前の条件だけで判断するのではなく、転職する理由をはっきりさせた状態で意思決定ができるよう、転職の軸や条件の優先順位を明確にしてキャリアを選択していきましょう。
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