仕事をすぐ辞めてもいい? 転職経験者に聞く辞めるか否かの判断基準

仕事をすぐ辞める前にみんなも考えた6つの判断基準

仕事をすぐ辞めるメリットを見出せるかが重要! 早期退職の判断基準を知ろう

入社してすぐの段階で「正直、この職場は合わないかも」と思った経験はありませんか。入社してすぐの時期は不安定な感情になりがちなため、仕事を辞めたいと感じる人もいるでしょう。

転職をした社会人たちも入社してすぐの段階で「仕事ってすぐ辞めてもいいのかな……」と迷ったことがあるようです。

この記事では、仕事をすぐ辞めることのメリットとデメリットから仕事を辞めるか否かの判断基準まで幅広く解説。仕事をすぐに辞めた経験のある先輩たちの体験談や、仕事を辞めたいという気持ちを乗り越えた先輩たちの体験談など、生の声もたくさん集めています。

リアルな声を参考にしながら、早期退職の判断基準を明確にして、後悔のないキャリアを形成しましょう。

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仕事をすぐ辞めることに対してみんなはどう思う? 経験者たちの意見を聞いてみよう

「仕事をすぐ辞めることって甘え?」
「若いうちならすぐ仕事辞めて、次を探せばいい?」

仕事をすぐ辞めることに対する捉え方は千差万別です。だからこそ、仕事をすぐ辞めたら周りからどう思われるのだろうと、早期退職を躊躇してしまう人が多いのでしょう。また、まだ関係性が浅い上司や同僚に「仕事を辞めたいのですが……」とは相談しづらいですよね。

そこで、まずは転職経験のある先輩たちに、仕事をすぐ辞めることに対してどう思うかを聞いてみました。転職経験者だからこそ知っている、すぐ辞めることのメリットとデメリット。早期退職を検討していた先輩たちの意見を参考にしてみてくださいね。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
すぐ辞めると逃げ癖がついてしまうことも

私も現職で「辞めたいな、ちょっと違うかも」と思うことが何回かありました。辞める選択は間違いではないですが、なぜ辞めたいと思ったのかを一度じっくりと考えるべきだと思います。

転職を何回かしていると少し逃げ癖がついてくることがあるからです。辞めても正直どうにかなるし、人手不足の企業なんて山ほどあるだろうからと……。さらに、私の場合は転職先に対して過度な期待を寄せ、ほかの人がどうにか助けてくれるのではないかと他力本願な考えも持っていました。

しかし「どうせ自分の期待なんてすぐに裏切られる」と考えてからは、あまり辞めたいという考えには至らなくなりました。すぐ辞めてしまう前に、まずは自分の職場に対する考え方を改めてみてください。

A・A
A・A
天理大学/国際学部
入社直後に辞めたいと思うのは普通だからこそ一度踏ん張ろう

入社してすぐに辞めることは避けた方が良いと私は思います。慣れていない仕事で、初めての環境であれば、誰しも不安やストレスが溜まる。そんな状態ですぐに辞めたとしても、次の職場でも同じことが起こる可能性もあるでしょう。

仕事に慣れるのには時間がかかるもの。「初めのうちは辞めたいと思うことも当たり前だ」と思って、慣れるまでは踏ん張れると良いと思います。また早期離職をしてしまうと、転職活動時にも「すぐに辞める人だ」と思われてしまうかもしれないので、やはり仕事をすぐ辞めることはもったいないです。

K・T
K・T
明治大学大学院/教養デザイン研究科
自分の人生を犠牲にする仕事ならすぐ辞めるのも選択肢の一つ

入社してすぐに仕事を辞めることは、ときに必要な選択だと思います。人生にはさまざまなハプニングがありますからね。たとえば、仕事内容が自分の期待と違っていたり、職場の雰囲気が合わなかったり、私生活とのバランスが取りにくかったり。

私自身、入社してすぐに仕事を辞めたいと思った経験はありませんが、周りではそういった考えを持つ人も多かったです。一つの会社で一生懸命働くことも大事だとは思います。しかし、自分の幸せや健康を犠牲にするほどの価値があるかどうかは、その人の価値観によっても変わるでしょう。だからこそ、すぐに辞めて違う道を探すために踏み出すことも大切な選択だと思います。

転職をするときは、何かと不安がつきもの。下記の記事では、転職経験者たちがその不安を乗り越えて転職を成功させたコツが確認できますよ。転職体験談を確認して、納得のいく転職にしましょう。
転職の不安はどこからくる? 経験者に聞く自分の不安と向き合う方法

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仕事をすぐ辞めることに企業は寛容? 3つのデータで見る転職動向

ここまでで、仕事をすぐやめることに対しての社会人の考えを確認してきました。転職経験者だからこその意見をざっくばらんに聞くことができましたね。

仕事をすぐ辞めたいと考えているものの迷いがある人のなかには、次の転職先が見つかるのか不安という人もいるのではないでしょうか。不安を感じるのは、早期退職に対する情報が足りていないからかもしれません。

そこで、まずは早期退職に関するデータを確認しましょう。周りの転職状況を確認すると気持ちが楽になり、行動を起こしやすくなるかもしれませんよ。

キャリアステージ編集部

転職をしている人は周りに多いですか?

D・M 成城大学

私の周りでも、転職している人は多いです。20代後半ですが、5回ぐらいしている友人もいます。20代での転職チャンスは多いため、転職という選択肢はむしろ当たり前のことだと思います。

A・A 天理大学

転職をしている人は多いと思います。ただ1人が何回も転職しているというわけではありません。転職だけでなく、私の周りでは独立をする人も多いです。前職がストレッチトレーナーだったこともあり、手に職を付けている人が自分で店を立ち上げるというケースもありました。

R・O 東海学園大学

私の周りでは、転職経験者は少ないです。周りでは教員をしている人が多く、転職に対して不安を持っている人が多い印象。転職に興味がないことはないものの、「もし上手くいかなかったらどうしよう」「今から新しいことを学び直せるのか」といった不安を感じている人が多い傾向にあります。

転職市場で重宝される20代

年齢別の転職入職率の割合

厚生労働省が年代別の中途採用状況をまとめた「中途採用に係る現状などについて」によると、第二新卒と呼ばれる20代はほかの年代と比べて転職成功率が高いことがわかります。年齢別の転職入職率からは、20代で転職を希望している人の半数以上が転職を成功させていることが見て取れますね

だからこそ、もしもやりたい仕事がある場合は、若いうちにたくさんチャレンジをしておいたほうが成功する確率は高いと考えられます。20代での転職が受け入れられやすいという企業側の事実も頭にいれておきましょう。

成長産業への転職を推奨中

20代は転職しやすいといわれているものの、自分が本当に転職できるのかと不安に思う人もいるかもしれません。ここからは転職に不安を感じている人に向けて、転職を積極的に歓迎している業界を紹介していきます。仕事をすぐ辞めて次の仕事が見つかるか不安な人は、成長産業へ転職をすることも一つの手なのですよ

政府が経済財政運営の指針について発表をした「骨太の方針」では、労働市場の改革に焦点が当てられています。具体的には終身雇用などではなく、個人の能力や適性を活かした転職を推奨していこうという方針です。この方針では、デジタルや脱炭素といった成長分野への転職が推奨されているため、転職を考える際には注目をしておくと良いでしょう。

特に人材確保が急務なのは、デジタルや脱炭素分野での技術職採用。IT業界のエンジニア職、脱炭素社会を実現するための研究職などが例です。自分の実力でキャリアを形成していける業界であるため、転職後のモチベーションが上がりやすいのも特徴といえますよ。

転職をしたいという思いはあるものの、「転職って難しいよ」などという噂を聞いてしまい、転職に踏み切れないという人もいますよね。実は、転職が難しいと感じるのは転職を成功させるためのコツを理解できていないからなのです。下記の記事では、転職を成功させた先輩たちの転職体験談が確認できますよ。
転職は難しい…? 成功に導く5つの行動をリアル体験談付きで解説

就活力39点以下は、選考通過に黄色信号...

面接官は、就活マナーを覚えていない学生を簡単に見抜いてしまいます。面接での立ち振る舞いや言葉遣いに自信はありますか。

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未経験職種への転職も可能

未経験転職の有無に関する割合

Indeedが未経験転職について調査をおこなった「未経験転職に関する調査」から、25歳~49歳の正規雇用の転職経験者の半数以上に当たる54.3%が未経験転職をしたことがあるというデータが確認できます。

また、未経験転職を経験した若年層の社会人は、その転職結果にも満足感を覚えているのです。18〜34歳で未経験転職をした人の60%以上の人が「未経験転職をしてとても良かった」「未経験転職をして良かった」と述べています。

以上のことから未経験転職に対して企業は寛大で、転職者側も未経験転職に満足感を覚えていることがわかりますね。そのため仕事をすぐ辞めることに迷っている場合は、未経験職種や業界への転職を視野に入れてみるのも良いでしょう

転職経験者に聞く! 早期退職後の転職のコツは?

D・M
D・M
成城大学/経済学部
自分の色を出す工夫で転職活動を乗り越えた

当時、注文住宅営業や飛び込み営業をやっていたこともあり、比較的ハードな営業職生活を送っていました。忍耐力や継続力がないと、ほんの数カ月で辞めてしまうぐらい泥臭い業界。入れ替わりが激しい業界でもあったため応募企業も早期の退職を理解してくれ、転職活動で苦労することは少なかったように思います。

もちろん転職を優位に進めるには、履歴書や職務経歴書の内容や書き方に工夫が必要です。ポイントはほかの人との差別化。量産型の書類か、唯一無二の書類かはすぐに判断が可能だと思います。知識など一般教養を身に付けることは大事ですが、自分自身の意見をしっかり持てるような人材であることが求められると感じています。

R・O
R・O
東海学園大学/スポーツ健康科学部
誰もが納得する転職理由と自己PRを用意しよう

転職しやすい企業としにくい企業があると感じました。常に人の入れ替わり激しい営業会社においては、面接時にストレスチェックはあるものの、比較的早く内定をもらえた印象があります。反対に、小さい会社で定着率の高い企業などは、面接時に「前職をすぐ辞めているが、うちに入社したとして辞めない根拠は?」などといった鋭い質問をされることが多く、選考が難しかったです。

辞めた理由や、自分のアピールポイントをしっかりと書類選考や面接時に伝えることができれば、在籍期間はそこまで影響しないでしょう。しかし、誰もが納得するような退職理由でないと転職は難しいのではないかと思います。

「退職をしたいな……でもいつ転職をするのが正しいのかな」と、転職のタイミングを迷うことはありませんか。今あるキャリアも大事にしたいからこそ、転職のタイミングに迷うのは当然です。実は、転職にはおすすめの時期があります。下記の記事に倣って、転職を優位に進めましょう。
みんなの転職タイミングはいつ? 経験者が語るおすすめの時期と準備

就活ストレスに押しつぶされていませんか?

就活では、自分の弱みと向き合ったり、ほかの学生と比較してしまったり、ストレスを感じる場面が多いです。就活のストレスを、抱え込んだままにしていませんか?

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仕事を今すぐ辞めたいと思ったときの行動手順

仕事を今すぐ辞めたいときの行動手順

ここまで解説してきた通り、仕事をすぐ辞めたとしても、転職できる可能性は十分にあります。「仕事をすぐ辞めるのは甘えだ」という考えは徐々に薄れてきているからこそ、転職も推奨されているのです。

ただし、仕事をすぐ辞めてしまった人の中で後悔する人がいるのも事実。自分にとって最良な決断をするためには、まずは辞めたい理由を考えてみましょう。この記事では仕事をすぐに辞めたいと思う6つの主な原因について解説したのち、早期退職するメリット・デメリットについて解説していきます。

仕事を辞めることで得られるメリットやリスクをしっかりと理解したうえで、本当に辞めるべきかどうかの6つの判断基準を解説していくので、自分の置かれている状況と照らし合わせながら考えてみてくださいね。

あなたに当てはまるのはどれ? 仕事をすぐ辞めたいと思う6つの原因

仕事をすぐ辞めたいと思う6つの原因

ここからは、仕事をすぐやめたいと思う主な6つの原因について紹介します。

仕事をすぐ辞めるかどうかを判断するのに、原因を追求することが必要です。どうして辞めたいと思っているのかを明らかにすることで、理想の職場に出会う糸口を見つけましょう。

①職場の人間関係に悩んでいる

たとえば「この人は口調が強くて、一緒に仕事をしていると気が滅入るな」と思う同僚や先輩はいませんか。人間関係の問題によって、仕事を辞めたいと思う人も多数いるのです。一人で完結する仕事は少ないからこそ、同僚との相性が悪いと仕事も億劫になっていきますよね。

よくかかわる人で思いつくのは、同じチームで働いている先輩や同僚だという人も多いのではないでしょうか。入社した段階はわからないことも多く、近くにいる先輩や同僚から指導を受けることも多いですよね。しかし、特定の社員が話しづらい雰囲気を放っていたり、馬鹿にしたような態度で接してくると、その人への嫌悪感を感じることもあります。

職場の人間関係で退職を検討しているときは、会社内で異動をするか、新しい職場に転職して関係性を築くかが得策です。人間関係のストレスのない職場では、仕事へのモチベーションが上がる可能性も多いにあります。

②労働環境が悪い

転職前に労働条件通知書を確認していたのにもかかわらず、実際は残業時間が多かった……ということも。労働環境が悪いと心身が疲れ果ててしまい、私生活にも影響が現れることもあるでしょう。私生活との両立をさせるためにも、労働環境の整備は重要です。

労働環境の劣悪さにも「仕事内容に給料が見合わない」「残業があまりにも多い」「急な休日出勤が発生し休みが取れない」などさまざまな種類があります。これらに関しては、実際に働いてみないとわからないことが多いのが特徴です。

労働環境の悪い環境にいると「ここまで大変だと思わなかった」と入社後のギャップを感じやすいでしょう。強制的な出勤や過度の残業、不当な給料減は労働基準監督署にも相談ができます。自分の心身をむしばむ環境からは退くことがおすすめです。

仕事がなかなか終わらず、残業をする日が続くと、仕事へのやる気が失われてしまうという人も多いでしょう。以下の記事では、残業についてのざっくばらんな意見や無理なく働く方法について若手社員の生の声とともに紹介しています。
残業したくない…働く若手社員の本音とともに無理なく働く方法を伝授

③仕事内容に疑問や不満がある

仕事内容へのギャップを感じると、早期退職につながりやすいです。業務理解を深めて入社したにもかかわらず、仕事内容が事前の業界研究や説明と異なると不安になりますよね。また、入社してから新たに知ることもあり、ショックを感じることも。

また、転職先の人数が足りていない場合には、想定外の業務にも触れる機会があるかもしれません。しかし入社してすぐの段階では自分の仕事を覚えるのに精一杯ですよね。そのため「自分はここまで仕事をしなくてはならないのか……」と、仕事における責任範囲に懐疑的になるケースも少なくないです。

仕事内容に懐疑的な状態で仕事を続けても、成果が上がりにくいでしょう。仕事内容に不満があるときは、まずは人事や先輩社員に相談して疑問を解消できるかどうかを判断してみてくださいね

仕事内容に不満があり、やる気がでない人もなかにはいるでしょう。次の記事では、そんなときに意識するべきことについて解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
仕事のやる気がない……働く20代に聞くモチベーションの上げ方とは

④教育体制が整っていない

教育体制が整っていないと、次になにをしたら良いのかわからず、仕事を進める手が止まってしまいますよね。転職してすぐの段階ではわからないことも多く、不安な気持ちになりやすいです。

教育制度が整っていないと、仕事をしているうちに「ここは習っているけど、このやり方は知らない」と業務の理解度に差が出ることがあります。業務への質問回数が多いと「自分はいつになったら、自信を持って仕事ができるのだろうか」と思うこともあるでしょう。

教育体制が整っていない企業では、業務へのモチベーションが上がりづらいのです。しかし入社してすぐの段階では、企業の教育体制に提言をするのも簡単ではないですよね。そのため教育体制が整っていないと感じる場合は、企業の教育体制における計画をよく確認したうえで転職をすることもおすすめです

⑤心身に不調がある

過度な残業、休日出勤による休日数の少なさ、人間関係によるストレスなどによって、体調を崩してしまうこともあります。そういった不調が長く続くと、今の仕事から離れたいと思うのも無理はありません。

仕事の影響による不調は、必ずしも身体に出るとは限りません。適応障害、鬱病など、精神的な病気にかかってしまう可能性もあるのです。仕事で体調を崩して就業が難しくなると休職が必要になるケースもあり、日常生活に影響が出てしまうかもしれません。

心身の不調が長く続く場合は、一時的に仕事を休むか、転職をして体調を整えてみるようにしましょう。仕事はあくまで生きるための一手段でしかありません。過度な無理をせず、自分を守ることを忘れないようにしてくださいね。

「メンタルが弱いかも」と感じると、これからの就業が不安になることがありませんか。仕事では、結果や数字に焦点が置かれることも多いため心配が尽きず、不安から退職を考える人も少なくありません。しかし、仕事ではその繊細さが活かされる瞬間もあるので以下の記事を参考に自分に合った仕事を見つけてみましょう。
メンタルが弱い人が持つ5つの才能|社会人が教える弱点克服法とは?

⑥自分の性格と仕事のそりが合わない

自分の性格と仕事との相性が悪い場合も、仕事を辞めたいと思うかもしれません。自分の性格と合わない仕事を続けていると、予想以上に体力を消費してしまうことも。どのようにすれば仕事に順応していけるかと考えながら、仕事をするのは簡単ではないですよね。

自分の性格が原因で仕事を辞めたくなる理由は、大きく3つです。「上昇志向で仕事が物足りない」「仕事内容に対して飽きを感じやすい」「仕事で辛いことがあると我慢できない」という理由が挙げられます。

仕事を辞めたいと感じている人のなかには、営業職の人もいるのではないでしょうか。「性格的に営業は不向きかも」と感じている場合はこちらの記事も参考にしてくださいね。
社会人に聞いた! 営業に向いてない人の特徴とは? 診断リスト付き

上昇志向で仕事が物足りない

向上心のある人は与えられた仕事に物足りなさを感じる可能性が高く、入社してすぐの段階で任される仕事のスケールの小ささに不満を抱くことも。もっと大きな成果を残せる仕事がしたいのに、このままやっていていいのかと悩むことがあるかもしれないですね。

上昇志向な人は「もっとスケールの大きい仕事をしたい」という理由で、早期退職を考えがちです。しかし入社してすぐの社員に対して、規模の大きい仕事を任せるケースは少ないことを覚えておきましょう。入社してすぐの段階では、まず企業の基礎的な業務を覚えてほしいからです。

上昇志向で仕事が物足りない人は、いったん仕事を続けてみることも一つの手です。今おこなっている仕事の仕組みを変えたり、業務効率を上げたりすることも、あなたの功績になるでしょう。

仕事内容に飽きてしまった

飽き性の人は業務の習熟レベルが一定まで上がると、仕事内容に飽きてしまう傾向にあります。入社してすぐの段階では覚えることも多く、成長や満足感を覚えやすいでしょう。しかし入社して数カ月が経つと、同じ業務を繰り返すようになるため、刺激が感じづらいことも。

飽き性な人は「刺激のある仕事がしたい」と、早期退職を考える傾向にあります。毎日新しいことに挑戦できるような仕事であれば、刺激的でしょう。しかし、どの仕事でも覚えた仕事を定着させるために、同じ業務を繰り返しおこなう期間が必要です。

仕事に飽きを感じている人は、新しいことを始めるにはスキルの定着が必要だということを覚えておきましょう。基礎的なスキルを幅広くもっていないと、新しい仕事に携わることができません。飽きがきたときに耐えることで、刺激的な仕事にかかわるチャンスが舞い降りてくるかもしれませんよ。

仕事で辛いことがあると我慢できない

仕事を始めてすぐの段階では上手くできないことも多く、自分の能力の低さに落ち込んでしまうこともあるでしょう。社内で相談できる人が少ないと、辛さに耐えられなくなってしまう人も少なくありません。

しかし、どれだけ経験や勤続年数を重ねていたとしても、企業やチームにとって意味があることであれば、やりたくないことも我慢してやらなければならないタイミングもあるでしょう。

仕事で辛いことがあると我慢できない人は、仕事には辛い瞬間が付き物だと覚えておきましょう。業務で試行錯誤をしたり、周囲の人に相談をすることで辛さを乗り越えられることもあります。ひとりだけで我慢をせずに、使える力を使って辛さを乗り越えてみてくださいね。

仕事が辛いとき、みんなはどうしているのだろうと気になる人も多いかもしれません。こちらの記事では、実際に働く社会人のリアルな体験談と共に、仕事が辛いときの対処法について詳しく解説しています。
仕事が辛いときみんなはどうした? 経験談から知る対処法3ステップ

実際はどう? 社会人たちが退職を考えたきっかけ

D・M
D・M
成城大学/経済学部
入社してすぐの退職意欲は自分の期待からくるもの

入社前の期待と入社後の現実に相違がある場合、すぐに仕事を辞めたくなってしまうことも多いと思います。実際に私も同じような考えを持っていました。入社後にミスがあっても転職先が何とかしてくれるだろうという期待があり、その期待を裏切られると就業に対するモチベーションが下がるような状況でした。

しかし、転職活動中に企業選定、面接、内定という判断を自分自身でしてきているからこそ、入社後の責任も自分にあるはずです。少し厳しめの意見にはなりますが、不要な期待感が自分を裏切ることもあるため、まずは自分の選択に責任を持った方が良いと思います。

私が過去の経験からいえることは、入社してからも企業に対して過度な期待を持たず、自分で行動するという意識が必要だということです。皆さんもぜひ、その意識を持ってみてくださいね。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
選考中に感じた違和感が退職理由に……

入社後すぐ辞めたくなるのは、正直企業にも自分にも原因があると思います。しかし、根本的な原因は企業研究など情報収集の不足が大半でしょう。たとえば私の場合、入社前に目指していた職と実際に就ける職が違いました。

選考中に、キャリアプランについてもう少し詳しく聞けていれば違和感に気付けたと思います。実は、内定式の段階で社風に関して「あれ……?」と感じる場面も。しかし、大丈夫だろうと目を背けてしまったのも自分です。

ただし、入社1日目からデスクに新人達をポツンと放置したり、女子トイレで特定の人に対する悪口大会が開かれるなど、会社の体制にも問題はあったように思います。入社してすぐ辞めたいと思ってしまわないように、自分のキャリアを守れるように、就活は慎重に丁寧におこなうべきだなと改めて思いました。

T・T
T・T
4年制大学/文系学部
スキルの停滞や働きにくさが退職のきっかけになる

仕事をすぐ辞める原因は、企業(管理職含む)側に責任があると思います。どれだけスキルがある中途採用者であっても、新しい環境にいけば適応するまでにそれなりに時間を要します。転職をしたことがない人の場合、この視点が欠落していることが多いです。

採用しても問題ないと判断したスキルをもった中途社員が、どうやったらそのスキルを十二分に発揮できるのかを考えるのが、マネジメント層の仕事だと思います。人手不足の会社でマネジメント層も半ばプレイヤーと化している会社の場合、このあたりのフォローができず中途採用者の早期退職につながっていることが多いです。

ある企業の社長がいっていた「どの会社に行っても通用する人間になってください。そのような皆さんが、それでも〇〇という会社で働きたいと思える環境を作るのがマネジメント層の仕事です」という言葉がすべてを表している気がします。

20代では、ライフステージの変化が起きやすいもの。プライベートや体調に変化があったりすると、仕事に対しても疲弊してしまうことがありますよね。そんな20代の退職意欲は、珍しいことではありません。下記の記事を読んで、20代の転職体験談を聞いてみましょう。
仕事辞めたい・疲れた20代へ|乗り越えた体験談と転職の進め方

退職自体は悪いことじゃない! 仕事をすぐ辞める5つのメリット

なぜ、自分が仕事を辞めたいと思っているのか、その原因は明らかになりましたか。自分自身のキャリアをどのように築いていくのかを考えていくうえで、自分の気持ちに向き合うことはとても重要なことです。

ここからは、早期退職するメリットについて解説していきます。転職をすることでスキルアップができたり、仕事内容に満足できたりと、転職にはメリットがさまざまあるので、一つひとつ確認していきましょう。自分が辞めたいと感じる原因が解消されるのかを考えながら読み進めてみてくださいね。

①辞めたいと思いながら仕事をしなくて済む

仕事を辞めたいと思いながら働くと、仕事へのモチベーションが上がらず後ろ向きな気持ちで仕事をすることになりますよね。仕事に身が入らず、業務への責任感が薄れてしまうこともあるでしょう。

逆に「1カ月後までに辞める」など仕事を辞める目途が立っていれば、むしろ仕事の生産性が上がることも。締め切りや期限が決まっていると集中力が上がるという「締め切り効果」というものがあるからです。

退職の目途が立ったことで仕事への集中力が上がれば、就業時間後に自分に対して割ける時間も増えるかもしれません。たとえば、資格の学校に通ったり、興味のある分野の勉強ができたり。仕事をすぐ辞められると、スキルの幅を広げられる可能性があるのです

今の仕事に適性がないと感じると、仕事を辞めたいという思いが加速していきます。実際、仕事の内容自体が合わない場合もありますが、働く環境が合っていないだけのケースもあります。自分に向いている仕事って何だろうと悩んでいる人は、下記の記事から適職の探し方を学んでみてくださいね。
この仕事向いてない……辞めたい|向き不向きをみんなはどう見極めた?

②引継ぎにかかる時間を減らせる

仕事を続けていくと必然的に携わることのできる業務が増え、自分の責任範囲が広がっていきます。そのため退職が後ろ倒しになるほど、引継ぎの業務に時間がかかるのです。

引継ぎでは、元々業務を担当していた人がいなくなっても業務が回るように引継ぎをしないといけません。そのため引継ぎの資料を作っただけでは足りず、引継ぎ指導などもする必要があるのです。転職活動をしたいのに、引継ぎ業務に時間を取られてしまうと精神的な負担が増えてしまうことも。

引継ぎにかかる時間が減ると周囲の人に割く時間も削減され、自分のための時間を作ることができます。その時間で、どういった仕事がしたいのか、どういった環境で働きたいのかを考えてみてくださいね。度重なる転職にならないように、自分を見つめ直しましょう。

③心身の健康が取り戻せる

辞めたいと思いながら働いていると、心身への不調を感じることがありませんか。不調があっても、我慢して働き続けるという人も多いです。しかし心身の不調を放置しながら働いていると、過労によって心疾患や精神疾患などを引き起こしてしまうことも。

辞めたいと思う気持ちから、体調を崩してしまったり、日常のやる気がなくなってしまったりしているときは、退職を検討しましょう。退職ができればストレスとなっていることから解放されます。気持ちが前向きになることができれば、自分のやりたいことに挑戦できますよね

退職をして心身が健康になったら、前向きな気持ちで転職準備を進めることができるでしょう。向上心を持って働けそうな職種や、出勤したいと思える環境はどういった会社なのかを探してみてくださいね。

仕事が上手くいかないと、心身にも悪影響が及んでしまうこともありますよね。ミスや失敗が原因で、あなたの良さや自分らしさまで失ってしまうことも少なくありません。そんな皆さんのために下記の記事では、自分らしく働くための考え方やコツを解説しています。いきいきと働く社会人たちに、自分らしさを保つ考え方や行動の仕方を学んでみてくださいね。
自分らしく生きるには|悩んだ20代が語る他人を気にせず生きる術

④転職活動に時間を使える

早期退職では、社内での引継ぎ業務や社外への挨拶周りなども最小限に押さえられます。在籍期間が長いと引継ぎなどの関係から退職日の延長がされることも。早期退職であれば携わっている仕事が少ない場合が多いため、比較的スムーズに退職ができるのです

引継ぎ業務や挨拶周りにかける時間を減らせれば、定時内に帰れる可能性も高くなります。退職までに多くの仕事を引き継ぐ必要があれば、予想外の残業が発生することもあるでしょう。仕事終わりに転職の面接を入れていたのに、仕事の関係で遅刻をしてしまったら嫌ですよね。

転職活動だけに集中できる時間があると、仕事のストレスと現職への不安を同時に抱えることもありません。時間や気持ちに余裕ができると転職活動を短期で終えられる可能性があるため、転職先への入職がスムーズになる確率も上がります。

⑤キャリアの再形成がしやすい

転職をしたものの「仕事内容が合わない」と感じることはありませんか。その場合、今の仕事が合っていないという可能性があるでしょう。不適切な環境で働いていると、自分のなりたい社会人像から遠ざかってしまう恐れも。

20代の早期退職であれば、キャリアの再形成がしやすい傾向にあります。実績よりもポテンシャルが見られている20代のうちは、比較的転職がしやすいからです。そのため、自分の望むキャリアを積むために、キャリアの方向性を変えることも不可能ではありません。

また、キャリアの再形成ができると、次の職場でのキャリアプランを立てやすいという傾向があります。やりたい仕事や身に付けたいスキルが明確にあれば、そこに向かって努力することができますよね。適切な環境で働ければ、前向きに仕事と向きあうことができるでしょう。

転職経験者に聞く! あなたは転職に満足している……?

D・M
D・M
成城大学/経済学部
転職が成功になるか否かは自分の行動次第

転職をしてからは、自分自身を満足させるための行動を日々意識しています。まずは、不満や不安が起きている原因は、自分の思い込みからなのか、会社の人間関係など環境面なのか明らかにしてみてください。その原因が自分の思い込みなのであれば、考え方を変えることで解決できるものが大半です。

目の前の状況を変えることができる人は良い職場を作れる
私は考え方を変えて問題を解決し、転職後の選択を後悔しないようにしてきました。思考をコントロールしてネガティブな部分を解決し、今必要なことだけに最大限集中するようにしています。もちろん、転職して満足できるようなところに転職できれば良いですが、自己解決力が身に付けば、120%満足できる環境を自分自身で作りだすことも可能です。

自分の力で状況を変えられる人であれば、いつか組織に影響力を与えられる人材にもなりうるでしょう。そういった人は、一緒に働いている人たちの味方にもなれるのではないかと思います。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
仕事をすぐ辞めたことで心身の健康を守ることができた

私は新卒で入った会社を1年半ほどで辞めてしまいましたが、結果的に早く辞めたことは良かったと感じています。大きな理由は2つ。

1つ目は、職場環境に非常に大きなストレスがあったため、長くいることで体調を崩してしまっていたかもしれなかったから。身体的にも精神的にも調子を崩してからだと転職活動にも影響が出てしまいます。かなり辛い思いをしていたため、身体をダメにしてしまう前に転職をして良かったと思っています。

望むキャリアに近づくことができるのは早期離職の利点
2つ目は、やりたい仕事が明確に決まっていたから。早い段階で転職しキャリアチェンジができたことで、転職先で多くの経験を積むことが叶いました。転職先では第二新卒からの採用であることを考慮してもらい、研修も非常に丁寧でした。さらに、職場の人間関係も良好だったので、早期に転職することができて良かったなと思っています。

現在はまた違った企業で働いていますが、自分がいる業界のことは変わらず好きで、同じ業界で働いています。

T・T
T・T
4年制大学/文系学部
転職で業務・研修・給料に対する満足度が上がった

新卒で入社した会社を約2年ほどで退職しました。しかしまったく後悔はしていません。理由は3つあります。 1つ目は希望の職種で働けているからです。「アカデミックな領域で仕事がしたい」「どの会社にいってもやっていけるスキルを身に付けたい」、この2つが早期退職で第二新卒での転職活動をした大きな動機。現在まさにそういった部署で業務をおこなえているのでとても満足しています。

2つ目は給与が上がったからです。未経験の第二新卒転職だったため、給料が下がることも覚悟していました。しかし毎月の給与や賞与が上がり、さらに前職にはなかった借り上げ社宅にも入居できたので、可処分所得も増えました。

第二新卒での転職だからこそ切迫感がなく働けている
3つ目は、第二新卒の未経験転職であったため、長い目で育ててもらえるからです。中途採用者は基本的に即戦力を求められます。特にバックオフィス系の専門職はその傾向が強いです。

ただ私の場合は第二新卒で転職したので「できなくて当たり前。数年後にできるようになるために頑張ろう」という目線で業務をおこなうことができています。即戦力が求められがちなバックオフィス系部門にこのような形で入り込めたのは、とてもラッキーでした。

希望だけではない……仕事をすぐ辞めることで起こりうる5つのリスク

ここまでで仕事をすぐ辞めることから起こるメリットを確認してきました。仕事をすぐ辞めることで、メンタルが安定したり、時間に余裕ができたりと、メリットも多くありましたね。

しかし、早期退職にはリスクもあります。「転職先が見つかるだろうか」「逃げ癖がついてしまわないか」という不安がある人もいませんか。実は、その不安に早期退職のデメリットが隠れているのです。

デメリットもきちんと確認したうえで、本当に仕事を辞めてもいいのか判断してみてくださいね。

①転職先が見つからない

早期での離職が、転職成功率を下げてしまうこともあります。採用担当から「採用してもまた辞めてしまうのではないか」と思われてしまう可能性があり、転職活動に苦戦する人も少なくありません。

転職に苦戦する可能性として、前職での経験値の少なさが挙げられます。面接では、前職でのスキルや実績が見られているのが事実。しかし、早期離職の場合は前職での経験が少ないことから、面接で話せる実績がないということもあるでしょう。

だからこそ、仕事をすぐ辞めたあとの転職活動では「自分がその仕事に就きたい理由」や「その仕事で成し遂げたいこと」を明確にしておく必要があります。仕事が嫌だからすぐ辞めたと判断されないように、転職先での覚悟を伝えることが必要ですよ。

②今よりも給料が下がる

転職入職者の賃金変動状況の割合

厚生労働省が転職後の給与相場について調査した「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、令和3年に転職をして給料が下がった人の割合は35.3%になっています。転職する人のうち3割程度は給料が下がる恐れがあるということですね。早期離職後の転職によって困窮する可能性があることも覚えておきましょう。

異業種への転職となると給料が下がることがあります。その業界での経験がゼロからのスタートとなり、経験給がつかなくなる傾向にあるからです。また、入社のタイミングによっては賞与がもらえない場合もあり、年収が下がる可能性もあるでしょう。

ただし、自分自身のスキルやポテンシャルが評価されて、年収が上がる可能性もあります。面接で活躍の可能性をうまくアピールできれば、転職先での給料がアップすることも考えられるのです。面接力を高めて、中長期的な年収アップを実現させましょう。

給料が下がっても転職するべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。こちらの記事では、給料が下がる可能性を低くするための対策について解説しています。転職経験者による体験談も紹介していますのでぜひ読んでみてくださいね。
転職で給料は下がる? リアル体験談とデータから紐解く転職給与事情

③辞め癖がついてしまう

ベテランの社員に比べて、入社すぐの退職が比較的スムーズにできる理由は、責任範囲が狭く、引き継ぎ業務なども少ない場合が多いからです。言い換えれば、退職にかかる力が少ないため、退職をしやすいということになります

さらに20代は転職市場で求められていると確認しましたね。そのため早期退職後でもすぐに転職先が決まる可能性も高いでしょう。だからこそ、「合わなかったらすぐ辞めればいいや」という考えになってしまうこともあります。辞めても若いうちは転職先が見つかりやすいからという固定概念を持ってしまうと、辞め癖がつく可能性もあるでしょう。

辞め癖がついてしまうと、自分の適職を見失ってしまう恐れも。入社して少し経つと、活躍の可能性や適性を感じる場面があります。しかし仕事をすぐに辞めてしまうと、そのチャンスを見逃してしまい、自分の強みがわからなくなってしまうこともあるのです。

仕事で正当な評価がされないと、働く意味を見いだせなくなってしまう人もいます。なぜ働くのかがわからないと、仕事へのモチベーションが落ちてしまうことも少なくありません。そんなときは下記の記事で社会人の働く理由を確認し、自分は「何のために働きたいか」を考えてみてくださいね。
「なぜ働くのか」社会人に聞いてみた|体験談で見つける働く理由

④転職先が合わないこともある

どれだけ企業研究や業界研究をおこなっていても、転職先に入社してからしかわからないこともあります。社員面談を設けてくれたとしても、離職率の高さや残業時間の多さなど、マイナスなことを伝えてくれないケースもあるでしょう。

たとえば、職場の人間関係は入社してからでないとわかりません。採用担当の社員がとても良い人だと思っても、社内にいる全員と性格が合うとは限らないですね。指導をしてくれる社員とそりが合わずストレスを感じる可能性も考えられます。

転職をしたからといって、すべてのストレスが解消されて絶対にいい方向に進むとは限らないのです。今の職場でマイナスに感じていることが本当に改善できないかを、もう一度考えてみてくださいね

理想の働き方ができる転職先を見つけるには、自己分析で自分の理想像や特性を明らかにしておく必要があります。下記の記事では転職に成功した先輩たちがおこなった自己分析と、その活用方法についてまとめています。
転職成功者はどう自己分析した? おすすめの方法と活用のコツを解説

⑤社会人としてのスキルが蓄積されない

新規プロジェクトへの参画やトラブル対応など、責任の重い業務を経験できるのは入社して数年経ったあとというケースが多いです。そのためすぐに退職をしてしまうと、責任範囲の広い仕事に携わることができず、社会人としてのスキルが不足する恐れも。

社会人としてのスキルが蓄積されないと、マネジメントをするような地位への昇格も難しくなるでしょう。マネジメントをするうえでは社会人としての基礎力と統率力が必要になるからです。そのため、将来のキャリアを形成するためにもスキル不足はリスクが伴うのです。

社会人としてのスキルを蓄積するためには、ある一定の期間就業を続けることが必要になります。早期退職後の転職で技術や経験の幅が広がることはあるものの、深度が増す可能性は少ないことを覚えておきましょう。

社会人たちが感じた早期退職のリスクとは

D・M
D・M
成城大学/経済学部
前職の勤務年数の短さによっては採用が遠のくことも

早期離職後の転職では、自分の望むキャリアを積むことは一旦諦めることになると思います。もう少し具体的にいうと、そこまでの道を遠回りせざるをえない状況にはなるでしょう。企業側は長期的に働いてくれるかどうかという観点で、求職者側を見ています。そのため、早期退職が大きな足かせになるのは事実です。

私も4年間で2回の転職(3年勤務と1年勤務)をしていますが、退職理由を聞かれる際の回答には苦手意識があり、面接での回答は慎重におこなってきました。もちろん退職理由は事実ベースで話すのですが、そこからどうやって考え方を転換してきたかを自身の中で考えてきました。ネガティブな理由をどうポジティブに変えたか、ポジティブに変えるためにどのように行動を変えていくかという変化を考えることが重要だと感じています。

転職先で長く働く想像を採用担当にさせよう
面接のなかで早期退職に対する不安を払拭するためには、転職先でのキャリアプランをしっかり立てておく必要があります。中途採用は基本的に即戦力を期待されて採用されることが多く、「どういうプランで、いつまでに、どのポジションになりたいか」を採用側は聞きたいはずです。

求職者側に計画性があるのか、その計画に具体性があるのかを見て、「それだったらうちでできますね」となれば内定も近づきます。早期退職はリスクになりますが、自己分析をしっかりおこない将来のビジョンなどを答えられるようにすれば可能性は広がると思います。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
早期退職後の転職では書類選考に苦労した

早期退職することで、転職活動が難航する点が大きなリスクだなと思います。実際に私は1年半で転職をしたのですが、未経験業界を目指していたことも重なり、書類選考のハードルが非常に高かったです。出しても出しても通過せず、精神的にもかなりしんどかったことを覚えています。

やはりキャリアが短いと、企業側には「またすぐ辞めるのではないか」という懸念が残ります。また、経歴書に書けるスキルや経験も、数年働いた人と比較すると非常に薄い内容になってしまうでしょう。

早期退職者に対してのネガティブなイメージは付きまとう
アピール方法を工夫することなどでもちろん挽回はできますが、挽回も面接の場に辿り着かないとなかなか難しいのが現実。このような「早期離職者」に対するネガティブなイメージは転職活動において重い足枷になると思います。

面接では、必ずどうしてこんなに早く辞める決断をしたのかといったことにも触れられるので、早期離職をした人は面接官が納得する内容をしっかり準備し、面接に臨むことが大切だと思います。

T・T
T・T
4年制大学/文系学部
早期退職によって転職先での活躍可能性を見出してもらえないことも

早期退職するリスクは、「転職先がみつかりにくい」ということに尽きるかと思います。もちろん本人の年齢、スキル、転職先、退職理由次第ですが、基本的に早期退職することそれ自体が転職においてプラスに働くことはないと思います。

その理由は2つ。1つ目は、「採用してもまたすぐにやめるのではないか?」と思われてしまうからです。人材の流動性が激しい一部の業界や企業を除いて、基本的に企業は一緒に長く働ける人を採用する傾向にあります。その点早期退職者は、「何か問題があるのではないか」という色眼鏡でどうしても見られがちです。

十分な経験を積むには継続が必要
2つ目は、十分なスキルが身に付かないからです。「石の上にも三年」という言葉もありますが、私の経験上これは真理だと思います。良い点も悪い点も、やはり3年程度やってみて初めて見えてきます。求人票にも、「3年以上の実務経験」という文言が載っているのはそのためかと思います。

パワハラやセクハラが横行していて健康を害してしまうなど、やむにやまれぬ事情がある場合は別ですが、そうでない場合は早期退職することはリスクがあることを頭に入れておきましょう。

自分の意思で決めよう! 仕事をすぐ辞めるか否かの6つの判断基準

仕事をすぐ辞めるか否かの6つの判断基準の画像

仕事をすぐ辞めるかどうかを迷うときの6つの原因を確認しましたね。今の自分の状況に当てはまるものはありましたか。まずは辞めたい原因を見つけることで、次の行動の手だてを探してみてくださいね。

ここからは、 仕事をすぐ辞めるか否かを決めるための6つの判断基準を解説していきます。仕事をすぐ辞めたいと思う理由が明らかになったとしても、本当に辞めていいのかと迷う気持ちはあるのではないでしょうか。解説する判断基準が自分の状況に当てはまっているかを確認しましょう。

①仕事を続ける理由が我慢以外にあるか

今辛くても少し我慢すれば状況が好転するかもしれないという意味で、石の上にも三年という言葉がありますね。この言葉のように「今は辛いけどあと少し我慢すれば、仕事が楽しくなるかも」と思っている人はいませんか。

もし、仕事を続ける理由が我慢だけになっている人は、転職を検討しても良い可能性があります。我慢をして、勤務年数を重ねるために仕事を続けていても、スキルの幅は広がりません。目の前の仕事を片付けることだけに目がいってしまうからです。

一方「〇〇という目標があるから、今は我慢する」といったように、我慢の先に目的がある場合は、仕事を続けることも選択肢の一つです。仕事を続けるうえで我慢が「目的」となっているか「手段」になっているかで、退職をすべきかどうかを考えましょう。

②仕事への不満や不安は改善できそうか

仕事に対して感じている不満は、自分の力や周りの力を借りて改善できるものでしょうか。たとえばひとりの業務負担が大きすぎる場合は、ほかの人にも仕事を分担することで解消ができるでしょう。あなたの働きかけで解消できる場合は、現職を続けられるかもしれません。

しかし、その不安や不満が解決できそうにないケースもあります。たとえば、あなたが入社する前からその問題があるものの、解決に至っていないなど。そういった場合は、改善の可能性を取って現職を続けるより、転職が得策である可能性が高いです。

仕事への不満から転職を考えている場合は、周りの社員に業務の不満が改善されたケースがあるか確認してみてください。社員の不安や不満に対して、企業がどう向き合ってきたかを知ることで、社員にとって働きやすい環境であるかどうかを判断してみましょう。

③会社に理想としたい先輩がいるか

ロールモデルにしたい先輩はいますか。先輩の立ち回り方や業務の実績を見ていると「先輩のようなキャリアを積みたい」と思うこともあるでしょう。身近に目標とする存在がいると、日々の仕事を頑張る活力にもなりますよね。

反対に理想としたい先輩がいない場合には、現職の続行に注意が必要でしょう。今見えている先輩の姿というのは、皆さんの数年後の姿です。今の先輩の姿を見て「こうなりたい」と思えないということは、今の仕事でのキャリア形成に苦戦する可能性も。

まずは、業務の実績だけでなく、人柄の面でも理想としたい先輩がいるかどうかを考えてみてください。役職や実績だけではなく、日々の業務内容の取り組み方などから理想像を見つけてみましょう。

④苦手なことばかりに挑戦しようとしていないか

苦手なことに挑戦することは、自分の想像以上に体力を使う行為です。挑戦したものの、努力と成果が比例しない例も少なくありません。どれだけ努力をしても、その物事が得意な人には叶わないケースもあると理解しておきましょう。

一方で、仕事で実績を残しているものの、そのうちいくつかの業務が苦手だというケースがあるでしょう。その場合は苦手をカバーできる強みややりがいがあるため、苦手なことに挑戦するなかでも、達成感を味わいやすい傾向にあります。

仕事をすぐ辞めるかどうかを迷っているときは、今携わっている業務の向き不向きを判断してみましょう。半数以上の業務に苦手意識がある場合は、適職ではない可能性があるため、現職で働き続けるべきかどうか考えてみる必要があります。

⑤労働量と給料が見合っているか

基本的に、仕事量に対して正当な分の給料が支払われる必要があります。なぜなら、会社の売り上げというのは、社員の仕事から成り立っているからです。そのため、今もらっている給料に納得できているか否か確認してみてください。

労働量と給料が見合っているかを確認するには、同じ業界で働いている人や先輩など、何人かに話を聞いてみることがおすすめです。自分の給料水準がどれくらいの位置にあるのかを確認できます。また、現時点で見合っていなくても、仕事を続けるうちに大きな仕事を任されるようになり、中長期的な視点で見たら、理想の給料が叶うかもしれません。

しかし、なかなか聞きづらい内容ではあるため、もし周りに同じ業界で働いている人がいなかったり、聞ける関係性の人がいなければ、転職エージェントに給料相場を尋ねてみてください。

一方、労働量と給料に対する価値観は、自分の生活スタイルが影響を与えている可能性もあります。仕事に対してやりがいを感じていたとしても、生活をするうえで給料がもっと必要なのであれば、給料を重視して転職をするのも一つの手です。

⑥仕事が原因で心身を壊していないか

仕事の重圧により体調を崩してしまった場合は、今の仕事からいったん離れてみることをおすすめします。心身に不安があるまま我慢をして働き続けてしまうと、働けない状態になってしまうこともあるでしょう。

ただし、仕事が原因で心身を壊しているのかどうかがわからないという人もいるでしょう。そういったときは、自分が下記の状況に当てはまっていないかを確認してみてくださいね。

仕事が原因で心身を壊しているサイン

・少しのことで気が滅入りやすくなった
・怒りっぽくなった
・ふとした瞬間に涙が出そうになる
・日常に対するやる気がなくなっている
・食事の量や食欲が低下している
・業務での抜け漏れが多い
・会社がある日に上手く眠れない

ここで解説した心身の不調を1カ月以上感じているかどうかを振り返ってみましょう。入社直後は、心身が安定しないことも多く、短期間のみ体調を崩してしまうこともあります。まずは自分のこれまでの体調の変化を確認してみてくださいね。

最後に何を考えた? 転職を決める際の判断基準

D・M
D・M
成城大学/経済学部
辞めたい原因を自分の力で払拭できるかどうかが転職の判断基準

私は、1年で仕事を辞めたことがあります。2回目の転職ということもありどうにかなるという精神でいたから、すぐの転職に踏み切れたと思います。

後悔しない選択をするためにも、まず今なぜ辞めたいのかをじっくり考え、自分自身の考えでその理由を改善できるのかどうかを判断してほしいです。その判断をしないままだと、また同じ理由で仕事を辞めることになるからです。

転職に成功する人は、自分で変えられるところを自分の力で変えてきた人が多いと思います。しかし、現職でどう足掻いても変えられないところは変わらないため、自分のために転職することも一つの手です。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
時間が経っても解決しないことで悩むなら転職をしよう

私は新卒で入った会社を1年半で退職しました。こんなにすぐに辞めて大丈夫かという不安や、自分に対する呆れのような感情もあり、辞めていいものか非常に悩みました。しかし、結果的に早めに退職を決意したことは良かったと思っています。

辞めるか辞めないか、決断する時に考えたのは、このまま2年3年と勤めて状況が変わるのかどうかということです。たとえば、自分の努力不足が原因なら、時間が経つにつれ業務に慣れたりコツを掴んだりと、状況が改善されることもあると思います。しかし、会社の人間関係などが問題だと、数年程度で改善は望めないような気がします。

また、やりたい仕事がほかにある場合、勤め続けても状況は変わりません。私の場合も、ほかにやりたい仕事があり、職場の人間関係も良くなかったので、数年勤め続けても変わらないだろうと転職を決意しました。

迷っている人は、今悩んでいることが時間の経過で解決される内容かどうかぜひ考えてみてください。そうでない場合は前向きに転職を考えてみてもいいかもしれません。実際私は転職先で仕事や人間関係にも恵まれ楽しく働くことができたので、皆さんも一歩踏み出してみてほしいなと思います。

転職をしたいのに、会社が辞めさせてくれないというケースも一定数存在しています。会社との退職交渉は精神的にも疲れてしまうため、退職を諦めてしまう人も。実は、辞めさせてくれない会社と粘り強く向き合い続け、転職をした社会人も多いようですよ。下記の記事から、突破口を見つけてみてくださいね。
会社が辞めさせてくれない……経験者が「退職したい」を貫いた方法

皆の退職の決め手は? 仕事をすぐ辞める決断をした人の体験談

ここまでで仕事をすぐ辞めるときの判断基準を確認しました。仕事での辛さをすぐに解消すべきか、仕事をすぐ辞めずに続けてみるか判断に迷うときは、立ち返ってみてくださいね。

ここからは、仕事をすぐ辞める決断をした人の体験談を紹介していきます。入社後半年以内、1年以内、それぞれの期間で仕事を辞める決断をした人の体験談を集めてみました。今の自分の状況に当てはまる体験談を探してみましょう。

入社して半年以内に辞める決断をした人

まずは、入社半年以内に辞める決断をした人の体験談を聞いてみましょう。半年で試用期間が終わるという企業も多く、入社後半年を退職の目途と考える人もいるようです

入社半年を目の前にして、仕事を辞めたいと思っている人は参考にしてみてくださいね。

R・O
R・O
東海学園大学/スポーツ健康科学部
辛い思いをしたからこそ明確な意思をもって転職活動をした

私は新卒入社で入った会社をちょうど半年で退職しました。初めは、キツくても社会に出たばかりだし3年は頑張ろう……と耐えていましたが、徐々に精神的疲労がではじめました。

出勤前、電車に乗った瞬間に涙がでたり、白髪が増えたり、食欲がでなかったりと、明らかに自分が今までの自分ではないと感じ、退職を決意。その後の転職活動では、「男性の多い職場から女性の多い職場に変更する」「自分の好きなことで営業をする」という明確な理由を持って面接に臨んだため、正直なところ転職の難しさはそこまで感じませんでした。

入社して1年以内に辞める決断をした人

次に、入社後1年以内に辞める決断をした人の体験談を聞いてみましょう。入社してから1年が経過すると、仕事の責任範囲も広くなっていきます。そのため、1年が経つ前に辞めて、新しいキャリアを形成しようと考える人もいます。

1年以内での転職を視野に入れている人は、その過程を参考にしてみてくださいね。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
自分の将来を見据えたときに転職をした方が良いと思った

私の場合は「給料が減るか辞めるか」という状況にあったため、辞める選択をして新たな環境で挑戦した方が自分のためになると思い、1年で退職を決断しました。良い企業に入れたという実感はあったものの、成果があまり出せなくなった際に部署異動の打診がきたことがきっかけです。

ただし異動部署が営業サポート系のポジションで給料が大きく下がることがわかっていました。異動するか辞めるかで2つしか選択肢がなかったので、給料の面もそうですが、自身の成長意欲もあり辞めて転職することを決めました。

その後の転職は特にそこまで苦労はしなかったものの、退職する旨を伝えたら翌日には退職ができたため、忙しい転職活動にはなりました。

一念発起! 入社後すぐに辞めたいと考えたが仕事を続けた人の体験談

入社後すぐに仕事を辞める選択肢を取った先輩たちの体験談を確認してきました。先輩たちの体験談を読んでみて、仕事をすぐ辞める決心がついた人もいるのではないでしょうか。

逆に先輩たちの体験談を見て、仕事をすぐ辞めるのが本当に正しいのかと迷ってきた人もいますよね……。そんな人たちのために、入社後すぐに辞めたいと考えたものの、仕事を続けた人の体験談を集めてみました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
長期的な目線で自分へのメリットを考えてみることが必要

私は、自分の考え方を変えることで仕事を辞めずに続けることができました。考え方を変えたおかげで仕事に取り組む姿勢が変わって、成果もではじめました。

考え方を変える前は、「仕事でミスがあっても誰かがどうにかしてくれるだろう」という期待がありました。そのため、誰も手を貸してくれないと辞めたいと思ってしまい、責任感に欠けた姿勢で仕事をおこなっていたのだと思います。

そんな自分を変えたいと思い、まずは目の前にある仕事の意義を考えるようになりました。目の前の仕事は何のためにあるのか、この仕事をすることでどんなスキルが身に付くのかと考えることで、仕事に対しての当事者意識が芽生え始めました。そこからは、その時間のなかで「自分自身のスキルを最大限上げよう」という考えになり、仕事へのモチベーションも回復していったのだと思います。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
すぐ辞めないことで業務の経験値が上がった

入社数日で辞めたいと感じたものの、新卒で入った会社を数日で退職するのはもったいないと思い、1年半その会社で勤め続けました。仕事を続けるなかで、責任ある業務に挑戦するなど貴重な経験もしたものの、辞めたいと感じた原因そのものは変わらないままでした。

結果的に数日で辞めず1年半耐えたことは、その後のキャリア的にも良かったのではないかと思います。数日と1年半では多少なりとも業務の経験値が違うため、数日で辞めてしまっていた場合は転職活動時のアピールもしづらく、転職活動自体難航していたかもしれないなと思います。

A・A
A・A
天理大学/国際学部
入職後に不安やストレスを感じるのは当たり前と考えよう

仕事をやり始めたときは誰でも不安で、初めのうちはできなくて嫌になってしまうこともあると知っていたので、今だけだと思って仕事を続けました。仕事を続けていくと、業務の流れがスムーズになり自分のペースで仕事ができるようになります。

続けてみないとその仕事の良いところはわからず、自分へのプラスがないままになってしまうため、続けて良かったと感じました。たとえ嫌なことだったとしても、続けてから辞めればその期間の経験は少なからず次に活かせることになるため、悪いことだけではないと感じました。

賢くキャリアを積もう! 仕事をすぐ辞めたいと思ったあとのキャリア形成

入社後すぐに辞めたいと考えたものの、仕事を続けた人の体験談を読んでみてどう感じましたか。仕事に対する不安を解消する手段は、仕事をすぐ辞めることだけではないとわかりましたね。せっかくのキャリアを無駄にしないように、慎重に選択をしましょう。

ここからは、仕事をすぐやめたいと思ったあとのキャリア形成や望む仕事に就く方法を解説していきます。仕事をすぐ辞めたいと思ったあとは、転職をしてもしなくとも、賢くキャリアを積みたいですよね。先輩たちの体験談から自分の望むキャリアを築くためのコツをつかんでみましょう。

仕事をすぐに辞めた経験をした人

まずは、仕事をすぐに辞めた経験をした先輩たちが、どのようにキャリアステップを踏んだのかを聞いてみました。早期退職をすることでできた時間を有効に使うためにも、自分の望むキャリアを築くコツを知っておきたいものです

先輩たちの体験談から、早期退職後のキャリアを想像してみてくださいね。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
成果を出せば1年で管理職へのキャリアアップもできる

現在、現職でプレイヤー兼管理職という役職に付いています。成果を出せば挑戦ができる風土であるため、ちょうど入社からちょうど1年でリーダーポジションになれました。この1年やっていったこととしては淡々と成果を出す、成果を出すための行動を自らしていくということだけです。

極論、営業職で成果が出ないのは商材が悪いか、営業の努力が足りないか。努力が足りないといわれないように成果を出すための考え方を勉強したり、自分自身で目標をしっかり立てたり、毎日を大切にすることで成果を出すことができます。

成果を出すためには絶え間ない努力が必要
まずは日常からの意識を変えて、学び続けるという習慣を付けてみてください。成果を出している人は見えないところで必ず努力をしています。努力の仕方さえ間違えないようにすればきっと良い結果が実るときが来ます。それをじっくりと楽しみに待っていることができればキャリアアップも夢ではないです。

T・T
T・T
4年制大学/文系学部
転職直後に基礎的な業務からスタートし希望の部署に異動

転職後にはまず希望していた経理業務につきました。未経験転職だったということもありいきなり決算開示業務の領域ではなく、伝票審査、予実管理、月次決算などのベーシックな業務から始まりました。それらの業務を1年半程度おこなった後に部署異動の希望をだし、より難易度の高い国際税務の部門に異動しました。

キャリアアップの秘訣は行動力
早期退職をした際、「この仕事をやりたい」と決めたらその実現に向けて資格取得や転職活動などをすぐに実行に移しました。転職先で部署異動を希望した際も人事や移動先の部長に直談判しに行くなど、行動力を活かしてキャリアアップを果たしました。部署異動を希望する際は、「専門的な技能が身に付き、ほかの会社でもやっていける能力が身に付く部署」という基準で考えていました。

仕事をすぐに辞めずに続けた人

次に、仕事を辞めたいと思ったものの仕事を続けた経験をした先輩たちが、どのようなキャリアステップを踏んだのかを確認してみましょう。仕事を続けたことで、理想のキャリアを歩むことができた先輩がいるようですよ。

先輩たちの体験談から、理想のキャリアプランを実現させる寳保を学んでみてくださいね

D・M
D・M
成城大学/経済学部
向いていない仕事でも視点を変えれば成果にたどり着く

前職が飛び込み営業で現職ではインサイドセールスをやっています。外へ出て営業するところから室内にこもって営業をするという形に変わり、思った以上に体調面で支障がありました。パソコンをずっと眺めなければいけなく、目が疲れて眼精疲労になったり、頭がぼーっとすることも多かったです。そこから、室内にこもって仕事をするのは向いてないなと思い、対面営業への早期転職を検討してました。

そこから何度か検討したものの結果的には辞めずに、現在はリーダーとして従事しています。向いていないと思ったものでも「どうしたら向いていると思えるか、どうしたら楽しいと感じるのか、そしてどうしたら結果を出せるのか」を考え抜いた結果として、営業代行の委託先で表彰もらうなど業績を上げることができました。そして今月から別の委託先でリーダーとなり自社メンバーをまとめるポジションとなっています。

人を束ねるポジションにつくには視野を広げて行動しよう
私は常に長期的な視点で考えているのですが、「凡人になるな」と自分自身に言い聞かせています。任された仕事だけするのではなく、周りに良い影響を与えれる行動をしようと考えています。

「7つの習慣」という本に「影響の輪」という言葉が出てきます。自らの考え方、言動を変えて望む結果に取り組む主体的な姿勢は、周囲からの信頼や共感を呼び起こす。これに基づいて行動しているのですが、現状の結果としてその主体性が周囲に影響を与えていると自負しています。

辞めるときは誠実な対応が必須! 円満退職の3つのコツ

ここまでで、仕事をすぐ辞めたいと思ったあとのキャリア形成の方法を確認してきました。仕事を辞めたいと思ったあとだからこそ、賢くキャリア形成をして充実感のある毎日を送れるようにしてみてくださいね。

ここからは転職先で望むキャリアを築くためにも、円満な退職をする3つのコツを確認してみましょう。辞めるからといって適当な退職手順を踏んでしまうと、退職間際にトラブルが発生してしまうことも。飛ぶ鳥跡を濁さずに、退職をできると安心ですね。

①退職希望の1~3カ月前までに意思を伝える

退職をしたい日の間際になってから、退職を告げることは避けましょう。

退職は切り出すのに勇気がいるため、できれば後ろ回しにしたいと考える気持ちもわかりますが、ギリギリになって退職希望を伝えるのは、マナー違反です。後任者を選定したり、引き継ぎ業務をすることを考えて、1〜3カ月前までには伝えるようにしましょう。また、就業規則に退職する場合の申し出期間が記載されていることが多いため、事前に確認しておきましょう。

退職の伝え方

①退職の意思を伝える
②退職を考えた理由を話す
③退職の希望日を提案する

退職を伝えるときは、会社への愚痴や不満と思われるようなことを伝えてはいけません。「〇〇さんが何となく嫌いで」「〇〇さんが生理的に受け付けなくて」のようなものが愚痴に当たります。円満な退職をするために正しい発言かどうかを考えて発言してくださいね。

退職の切り出し方について詳しく知りたいという人は下記の記事を参考にしてみてくださいね。転職経験者から退職の切り出し方のポイントを学ぶことができます。
経験者が語るベストな退職の切り出し方|今だからわかる注意点とは

②引継ぎ業務がある場合には全うする

退職をするからといって、残った仕事を適当にやるのは社会人として相応しくありません。引継ぎ業務がある場合には、自分がいなくなった後で業務が回る状態にできるように、引継ぎ業務を全うしてくださいね。

引継ぎの手順

①普段の業務で使っている資料やツールをまとめておく
②業務の流れを書類や文章にする
③業務を引き継ぐ社員に対して口頭で説明する
④実際に業務をやってもらう
⑤実際にやったうえで不明点がないかを確認する

引継ぎ業務をおこなっていると「この業務のやり方は自分しか知らないかも……」という箇所が出てくるかもしれません。その際は、この仕事をやったことがない人でもわかるように、丁寧な説明を心掛けてくださいね

③同僚や上司にこれまでの感謝を伝える

仕事をすぐ辞めるからといって、これまでかかわってきた人を粗雑に扱うのは避けましょう。今の仕事を辞めたあとも、またかかわる可能性もあるかもしれません。そのため、最後まで常識的な対応を心掛けましょう。

好印象な退職の仕方

・社内外でかかわった人に挨拶周りに行く
・直接お礼ができない人にはメールで退職の旨を伝える
・退職にあたって簡単な贈り物をする
・自分が使った社内の備品を綺麗にして返す
・自分のデスクやロッカーを掃除する

直接感謝の気持ちを伝えるのは恥ずかしいという人もいるのではないでしょうか。そういった場合でも、メールで退職のお礼を伝えるなど、きちんと退職の挨拶をするようにしてくださいね。退職後に前職の人に会っても、気まずい思いをしないような退職をすることがポイントです

D・M
D・M
成城大学/経済学部
今後もかかわる可能性があるならば退職理由は明確に

すぐに退職することに対して不安がある人もいるでしょう。ただし明確な理由があるのであれば、それをしっかりと伝えることが大事です。明確な理由を伝えることが、円満退職にもつながってくると思います。

転職先の業界や業種よっては、現職の人と今後もかかわる機会があるかもしれません。だからこそ、退職を告げるときに横柄な態度を取ることは避けた方が良いと思います。また顔を合わせたときに気まずい空気感にならないような対応を心掛けましょう。

ただ、もうかかわる機会がないのであれば、その後のことを過度に気にする必要はなでしょう。個人的には、「辞めます」の一言で終えるくらいのスタンスでも問題ないのではと思います。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
退職時は現職への感謝と転職先への意欲を伝えよう

お世話になったことのお礼と、やりたいことがあるというようなポジティブな理由を全面に押し出し退職を申し出ると良いのではないかと思います。早期退職だと、会社側もどうして? という気持ちはあると思うので、そこを納得してもらえるような内容を伝えることが必要です。

また、個人的には、どれだけ嫌な思いをした会社や相手であっても、まったくお世話になっていないことはないと思うので、きちんとお礼や挨拶はおこないました。前向きな理由を伝えて、ぜひすっきりした気持ちで次のキャリアを築いてください。

仕事をすぐ辞めるかは6つの基準で判断! 理想のキャリアを築く転職にしよう

まず前提として、仕事をすぐ辞めたとしても、転職ができる可能性は高いと、データから確認することができます。だからこそ、仕事をすぐ辞めるということを必要以上に怖がる必要はありません。ただし、早期退職にはリスクもあるため、自分なりの判断基準を持つことが大事です。

仕事をすぐ辞めるかどうか迷ったときは、仕事をすぐ辞めたいと思った原因を明らかにしてみてください。そのうえで、仕事を本当に辞めるべきなのかどうかを 6つの判断基準から見極めることがおすすめですよ。早期退職後の転職では、後悔のない転職を心掛け理想のキャリアを手に入れましょう。

安藤 奏
安藤 奏

NPO法人ブランディングポート代表理事

仕事をすぐ辞めることに納得できているか一度問いかけよう

仕事をすぐ辞めることを否定はしませんが、後悔しないキャリアを歩むには「最低必要努力投入量」という言葉を頭に入れておくと良いでしょう。「ミニマム・エフォート・リクワイアメント(MER)」とも言われ、神戸大学名誉教授の金井壽宏氏が提唱しています。

これは、「自分が期待した成果を手に入れたいなら、一定以上の努力をしてもいないのに見切りをつけない、諦めない」という考え方です。

ちなみに「一定の努力量ってどれくらい?」と思うかもしれませんが、英国のマルコム・グラッドウェル氏は「大きな成功を収めるには1万時間が必要」と謳っています。

1万時間を投入するために、1日に6時間を費やすとすると、5年はかかります。ただ、この1万時間とは、あくまでも一流のプロフェッショナルになるための時間であることと、経験の密度の濃さや振り返りによる学びの深さによっても変わってくるので、目安でしかありません。時間数ではなく、「自分としてやれることはやり切った」と言えるのかは一つの判断基準として持っておけると良いでしょう。

「仕事の意味付け力」を鍛えることで仕事への見方が変わることも
また、仕事のモチベーションを維持して長く続けるには、「仕事の意味付け力」を鍛えておくことをおすすめします。嫌な仕事や苦手な仕事、つまらない仕事にぶつかったときに、その仕事から得られる価値を主体的に捉え直す習慣を持ってほしいのです。そこでおすすめなのが「3つのシフト」という考え方です。

タイム(時間)シフト:今だけでなく、未来や過去の自分から見るとどう捉えるか
ポジション(立場)シフト:違う人の視点(著名人や関係者)から見るとどう捉えるか
フレーム(枠)シフト:会社や社会と言う枠組みで見るとどう捉えるか

報酬や環境など外部要因をモチベーションの中心におくと、周囲に左右されやすい人生になっていきます。少しでも「やらなきゃいけない仕事」から「やりたい仕事」へと自分自身で内発的に変化させることで、どんなときにも一歩を踏み出せるあなたでいてください。

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編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる