文系の職業選びは優先度決めが重要! 先輩たちの今から逆算キャリアを考えてみよう
「文系から就職できる職業ってなにがあるの?」「みんなはどうやって就職先を決めたんだろう……」
文系から就職できる職業は幅広く、就活未経験者はどんな選択肢があるのか知らない人も多いのではないでしょうか。
就活の第一歩となる仕事選びは、数多くの職業の中から自分に合ったものを選ぶことが重要です。マッチする職業を選ぶには、選択肢の中身から逆算して自分の適性を導きましょう。
この記事では文系学生の就活手引きとして、就職できる職業内容と自分の優先順位を理解した選び方を、経験談を交えて紹介します。職業選びに悩む人はぜひ参考にしてください。
初めの一歩を正しく進もう|文系の職業決めで知っておくべき2つのこと
就活は、内定を掴むまでにやるべきことが多数あるため、時間との戦いが続きます。そんな中で、初めの一歩となる職業決めを間違ってしまうと、「こんな職業があるなんて知らなかった」と後戻りしてしまい時間のロスを生むことも。
文系の職業選びをスムーズにするには、大前提として知っておくべきポイントを理解しておくことが大切です。先入観にとらわれない仕事選びをするためにもぜひチェックしてくださいね。
その①専門性よりも将来性や人間性を重視した採用が多い
文系の職業選びでは「自分には仕事で活躍できるようなスキルがない」と悩む人もいるでしょう。
大学での選考や研究内容などで採用が決まる理系と違い、文系は将来性や人間性などのポテンシャルで判断される傾向にあります。したがって、必須条件に明確なスキルが書かれていなければ、どんな仕事にもチャレンジすることができるのです。
制限が少なく多数の選択肢を持てるのは、経験で判断される中途採用でなく、スキル重視な理系でもない「文系新卒」だからこそです。文系であることはマイナスではなくプラスと捉えて就活にのぞんでくださいね。
その②選択肢が幅広いので「自分に合った」仕事選びが大切
人は多数の選択肢が現れると、情報をすべて把握できず適切な判断ができなくなってしまいます。文系の職業選びでも、幅広い選択肢に情報処理が追いつかず、曖昧な基準で仕事を決めてしまうこともあるでしょう。
職業選びで後悔しないためには、自分の適性ややりたいことに合った仕事選びをすることが大切です。多数の情報に惑わされないように、事前に自分の考えをしっかり整理し、経験者の選んだ理由も参考にしたうえで進めていきましょう。
選択肢が幅広いからこそ、学歴フィルターがかかりやすいのではと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。学歴フィルターについて次の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
学歴フィルターは本当にある? 就活生が語る絞り込みの実態とは
みんなはどうやって決めたの? 知って得する文系の職業選びの3つのパターン
専門分野やスキルを重視する理系と異なり、文系の職業選びでは、いろいろな要因から仕事を選ぶことができます。職業選びを何から決めれば良いか迷ったときは、よくある3つのパターンから考えてみましょう。
経験者が文系という立ち位置を踏まえて就職先をどう選んだのかも参考にしながら、これからの進め方をイメージしてみてくださいね。
私は、アルバイト経験として個別指導塾で3年間ほど活動していたことがあります。その経験の中で、目標を決めて生徒と伴走していき、自分の価値提供で生徒の成績を上げることができた、合格を掴み取ることができた、という瞬間に楽しさを見出していました。
そのため、クライアントと伴走して支援をおこない、経営課題を解決することができる、コンサルタントを志望しました。また、もともと自分自身の家庭が裕福ではなかったため、将来的に起業したいと思っており、新卒で入社する会社では、企業経営について学びたいと思っていたので、コンサルタントが最適だと考えていました。
年収や勤務地などの生活面も重視した
年収面においてもかなり重要視しており、新卒で年収500万円を超えたいと思っていたので、コンサル業界か外資系企業に絞る必要がありました。また、勤務地においても、主要都市にいたいと思っていたので、コンサルが最適であると考えました。仕事のやりがい、将来実現したいこと、勤務地や年収など、自分の希望の条件をかなえられる業界や職種で選びました。
パターン①やりたい仕事内容から選ぶ
「人に喜ばれる仕事がしたい」「数字を使う仕事がしたい」など、具体的にチャレンジしたい仕事内容がある人におすすめの選び方です。やりたい仕事内容を通して何を達成したいのかを考え、職業を絞り込んでいきましょう。
①「人に喜ばれる仕事」とは どんな仕事? |
・人:お客様 ・何をして喜んでもらうか: 自分とのかかわり、 提案、接客 |
②お客様に提案や接客をするような職業は? | ・販売、コンサル、接客、営業 |
③自分の特性や方向性をもとに ②の中から気になる職種を選ぶ |
・法人ではなく個人と接したい ・極端に数字で競り合うことは苦手 →販売業 |
例のように、やりたい仕事が何かを深掘りして段階的に掘り下げることで、動機や興味が明確になり職業へと結びつけることができます。
やりたい仕事内容から職業を探すと、選んだ理由が明確になるので、その後に作る志望理由や自己PRもスムーズに作成できます。「法人ではなく個人と仕事がしたい」など、考える前では気付かなかった自分の中の新たな条件を見つけることもできるでしょう。
パターン②仕事の系統や業界から選ぶ
「不動産業界」などの働きたい業界や、「食に関する仕事」などの仕事の系統から職業を選ぶパターンです。大枠だけが決まっていて職業を絞り込めず悩んでいる人は、逆算して興味のある職業を見つけましょう。
たとえば気になる業界があれば、業界内で活躍する職業を調べます。調べる中で興味が出た職業の仕事内容や働き方を深掘りしていくことで、仕事理解が深まり、自分の目指す職業を見つけられるでしょう。
パターン②で職業選びをすると、全体像から調べるため業界研究にもつながり、それぞれの職業との関連性も深く理解できるので、以降の就職でも活躍する知識が身に付きます。
パターン③叶えたい条件や将来像から選ぶ
「高収入を叶えたい」「海外で活躍したい」など、叶えたい条件から職業を選ぶこともできます。このパターンでは、条件や将来像をかなえるために必要な環境を考え、職業へと結びつけると良いでしょう。
たとえば「海外で活躍したい」場合は、海外に子会社があったり海外企業と取引のある企業への就職を目指すことで、条件をかなえる環境に身を置くことができます。そこから海外とのやり取りをする外資系や商社などが結びつけられるでしょう。
業界が結びつけば、パターン②と同じ方法で職業まで掘り下げて考えると、就職する職業を見つけることができます。
かなえたい条件はあくまで就活の職業選びの一貫として考えるので、「1年で10億円稼ぐ」など飛躍しすぎず、実現可能な内容であることがおすすめです。
文系で就職できる職業10選|経験者の選び方とその後も聞いてみよう
ここからは実際に文系で就職できる職業名を10種類紹介します。仕事内容や文系から目指すポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
①営業
営業とは、製品・サービスなどを得意先や顧客に販売する職業です。ものを売ることで会社の利益になるので、貢献していることが目に見えて感じられ、やりがいが大きい仕事といえるでしょう。
営業は売るものや業界によって呼び方が変わることもあります。求人を探しても募集がなかったと判断しないように、名前や簡単な意味を把握しておきましょう。
売るものや対象で変わる場合
・新規営業:取引したことない企業や顧客を対象とした営業
・既存営業:取引実績のある企業や顧客を対象とした営業。ルート営業とも呼ばれる
・ソリューション営業:製品やサービスを通して顧客の課題解決をする営業
・メーカー営業:自社製品を売る営業
業界で変わる場合
・アカウントエグゼクティブ:広告業界(主に代理店)における営業
・MR:医療・薬品業界の営業
・人材営業:人材紹介業の営業
営業を目指す場合は、向上心や臨機応変な対応力が求められることに加えて、魅力的な話し方やニーズを聞き取る力も大切です。明確なスキルではなく、本人のポテンシャルで採用されることが多く、文系が就職を目指しやすい職業の1つでしょう。
営業職を経験した就活生パネリストの声
私は特にやりたいことがなかったので、「今後取り組んで、絶対損がないものは何か」ということを考えた結果、営業職を選ぶことにしました。絶対やって損をしないと考えた理由として、スキルや経験にもよりますが、どんな業界でも営業力があれば必要とされる人材になると思ったからです。
いってしまえば、営業のスキルがある人が集まると、社内・社外問わずコミュニケーションを円滑にとれることが多く、業務が進みやすいこともあります。今私は社会人6年目になりますが、管理職として8名ほどのメンバーをまとめつつ、プレイヤーとしても仕事に従事していると、営業力とは仕事の総合力だと感じる場面が多くあります。
どうして営業職の仕事に就いたかというと、「文系の4大卒で良い給料を得るためには、販売の営業職に就くしかない」と大学教授にアドバイスされたからです。
実際にやってみて、休日出勤・残業は当たり前で、鬼のようなノルマがあり、達成できれば給料も良くまさに天国ですが、達成できないと地獄です。しかし、自分はとにかくお金が仕事のモチベーションなので向いていると実感しました。
その後のキャリアとして、係長まで上り詰めましたが、結婚し子供が産まれたことでお金より時間がほしくなり転職し、現在は建設業で経理の仕事をしています。
営業職を希望職種のひとつとして考えている人は以下の記事も併せてチェックしてみましょう。営業経験者に聞く志望動機の書き方について詳しく解説しています。これを読めばライバルに差をつけることができるでしょう。
営業職の志望動機例文32選|営業経験者に書き方のコツを直撃
②事務
社内の縁の下の力持ちとして活躍するのが事務であり、コツコツした作業や人のサポートが好きな人に向いている職業です。
営業事務、労務事務と役割が明確になることが多いですが、企業によっては人事から総務まで一括して求められることも。就職を目指す場合は、パソコンスキルに加えて、いろいろな業務を同時進行する要領の良さも必要とされます。
事務の種類
・一般事務
・経理事務
・営業事務
・労務事務
・医療事務
・大学事務
事務職は、医療事務のように専門知識が必要な仕事もあるので、分野をつきつめていく楽しさも感じられます。男女問わず活躍でき、休みや残業も比較的少ないためワーク・ライフ・バランスがとりやすいという特徴のある職業です。
事務職を経験したパネリストの声
大学を卒業後、冠婚葬祭をおこなう業界の総合職として就職し、営業や採用関係を担う事務職としての配属となりました。
大学では心理学を専攻していたのですが、人生の中で大きな幸せを感じる瞬間である結婚式、そして大切な人との別れの時間である葬儀。喜びや幸せ、悲しさや寂しさと感情の違いはありますが、人生の大切な瞬間であることは間違いありません。その大切な時間を心穏やかに過ごせるように事務職としてサポートできていたのではないかと思います。
結果として、社風が合わなかったことや挑戦したい仕事ができたことで転職をしましたが、業界を志望したときの気持ちは今も変わっていません。その後、人材業界の営業職に転職し、転職支援や採用支援といった仕事に従事し、現在は自身の結婚を経て同業界のサポート職として働いています。
新卒で入社したときも、現在も常にサービスの先にあるお客様のことを考えながら、現場の社員が丁寧なサービスをおこなうためのサポートができていると思っています。
卒業後、初めは違う業種に就職しましたが、結婚を機に事務職に転職しました。
結婚してから、家事をする時間や、しっかりと家族との時間を取りたいと思ったため、それが一番実現しやすくて自分にも向いてると感じたのが事務職だったからです。
今の職場の仕事は、良くも悪くも自分次第なので、明日にしようと仕事に見切りをつけて早く帰るなど、自分で仕事を調節することができます。そのため、私はとても働きやすい環境で仕事ができていると思います。また、家のことにも集中できるので、今の働き方はとても自分に合っていると感じます。
③経理
企業内のお金の動きを管理するのが経理の仕事です。請求書の作成、領収書の整理や会社の預金管理をおこない、より専門的な業務では決算書の作成なども任されます。
新卒採用は経験は問われないため、文系でも就職を目指しやすい仕事ではありますが、簿記3級を取得していたり、会計学を専攻していると優遇されやすいでしょう。資格やスキルがない場合でも、数字にひるまず向き合うことができる人が求められます。
経理の仕事は経験を積んでいくと専門的な技術と知識を身に付けることができ、将来的に独立を目指すこともできる職業です。自分の中の専門性を高めたい人はぜひチャレンジしてみましょう。
経理職を経験したパネリストの声
文系大学出身者の私がどうして経理の仕事を選んだのかというと、人のサポートをすることが好きだったからです。
実際に仕事をしてみてキャパオーバーになっている人のフォローや、細かい気配りをすることで、喜んでもらえたり、困っている人を手助けできることが好きな人はとても向いていると思います。私も「サポートが好き」という点がこの職に向いていました。
キャリアとしてのその後は細かいところに気を付けながら、先読みして事務仕事をこなしていくことで、現在は社長秘書を任せてもらえるようになり、給料も上がりました。
④マーケティング
マーケティングとは、企業の製品やサービスの魅力を消費者に適切に伝え、販売促進する職業です。パソコンに向き合うような仕事が想像されやすいですが、社内の会議に参加したりイベント企画をして消費者から意見を集めるなど、社内外で活動的に動く仕事となります。
文系から就職を目指すと「専門スキルが必要なのでは?」と考えてしまいますが、専門スキルよりも、論理的思考やめげずに何度も調査と実行を繰り返せるような粘り強さが必要とされます。もちろん、マーケティング職ならではの専門用語を理解しておくと歓迎されるので、入門書などで知識を付けておくのもおすすめです。
⑤総務
企業が円滑にまわるために欠かせないのが総務の仕事です。仕事内容は企業によりさまざまであり、会社の備品補充や社宅の手配、来客対応など社内外で活躍する職業です。
業務内容が多岐に渡るため、文系からの就職ではどうアピールすべきか迷ってしまいますが、臨機応変な対応力やコミュニケーション能力をアピールできると良いでしょう。
ほか、社内報などの資料作成もおこなうので、パソコンやデザインスキルを身に付けておくと歓迎されます。
⑥人事
企業内の人材管理に携わるのが人事の仕事です。採用業務だけでなく、在籍社員が能力を適切に活かせるような配置を考えるなど、一人ひとりが能力を発揮して企業に貢献できるような環境づくりをおこないます。
対外的に仕事をすることが多いので、対人マナーやコミュニケーション能力が求められる仕事といえるでしょう。また、企業に合った人物を採用する必要があるため、自社の特性や強みをよく理解しておく必要があります。
人事の仕事を経験していくと、採用や社内人事の計画そのものに携わることもできます。企業の運営を支える1人として活躍できる職業であるといえるでしょう。
⑦販売
洋服や家電など、私たちがお店で商品を購入するときにサポートをしてくれるのが販売職です。
店頭に立ち顧客のニーズに応えた提案をし、売上につなげることで企業に貢献します。同時進行で店内レイアウトや在庫管理などもおこなうため、進行能力や視野の広さも求められるでしょう。
顧客のニーズを把握する力や魅力的な言葉選びなどの対外コミュニケーションに加えて、マルチタスクをこなすことが得意な人にはピッタリな職業です。
販売職を経験したパネリストの声
大学の教授からのアドバイスで、販売職に就いたことがあります。
具体的には個人・法人問わず顧客に自動車販売、自動車保険、生命保険、火災保険の販売営業をおこなっていました。
実際にやってみて、若いうちから周りの友人よりも圧倒的に多い給料を貰うことができたので、とにかくお金を稼ぎたかった新卒の自分にはとても魅力的でマッチングしていたと思います。
休みや仕事終わりの時間はまったくといって良いほどありませんでしたが、目標を持って業務をおこなうことができるので、ひと月ごと、1週間ごとに達成感ややりがいを感じることができるのは魅力だと考えています。
⑧生産管理
製品を造るために、計画に基づいて管理進行をおこなうのが生産管理です。必要な費用・人員・道具や材料をもとに、生産計画の立案から携わり、生産後も品質管理をおこなうなど幅広い業務が求められます。
計画が滞りなく進むためのスケジュール管理能力や、トラブルが起きたときに冷静に対処する対応力が必要とされる職業のため、責任の大きい職業といえるでしょう。
⑨コンサルタント
企業の持つ課題への解決策を考えアドバイスする職業がコンサルタントです。ただ相談を聞くだけではなく、課題を見つけて、解決のためには何が必要か具体策を検討・提案しなくてはいけないため、問題解決能力が求められます。
コンサルタントは学科指定もなく、文系も応募がしやすい職業ですが、選考では独自のテストや面接がある傾向にあるため、念入りな対策して臨みましょう。
人事コンサルやDXコンサルなどクライアントを限定している企業もあるため、コンサルタントを目指す中でも、どんな分野に興味があるかにより明確に職業選びができます。
⑩その他
上記で紹介した職業以外にも、文系が就職を目指せるものはたくさんあります。
その他の職業の例
・通訳
・秘書
・カウンセラー
・エンジニア
・教育者
・助手
・記者
・広報
秘書やカウンセラーといった専門職のように感じる職業や、理系の職業だと思われやすいエンジニアなども文系から就職を目指すことができます。
就職する職業を見つけるには、まず選択肢を作らなくてはいけません。普段よく行くお店や利用しているサービスなど、日常に目を向けると、さまざまな人が活躍して私たちを支えてくれています。
「どんな人が働いているんだろう?」と考えてみることで、新たな就職先が見えてくるかもしれません。経験者の選んだ職業とその理由も参考に、社会人としての知見を広げる一環で職業選びをしてみてくださいね。
就活生パネリストに聞く! 今の仕事を選んだ理由や歩んできたキャリア
私が営業職を選んだ理由は、将来身に付けておけば困ることがないスキルや経験が得られると感じたからです。
結局のところ、仕事は自分以外とのコミュニケーションで成り立っているので、そのコミュニケーションが円滑に進めば仕事も順調に進みます。自分が進めたい方向に意識を向けることもでき、交渉や営業をしていくうちにメンタルが強くなったり忍耐力が上がったりします。
泥臭くて苦労することもたくさんありますが、長期的に考えたときにメリットしかないです。反対に、短期的なメリットになるものは、スキルとしても短期的に活きるものが多いと思います。長期的に身に付けたものは太い木の幹のように図太く自分の中で活き続けます。
また、考え方次第では30代までにリーダーやマネージャーになれるチャンスもたくさんあると思っています。現に私は管理職をやっていて、8名のメンバーをまとめながら、プレイヤーとしても活動しています。
総合職としての採用で、入社後しばらくは本配属がわからないという状況でした。結果、配属先となった事務職は、向いていたけれど、好きではない仕事だったと感じます。
事務職も会社によってカラーが違うと思いますが、私が新卒で入った会社の事務職はルーティーンの業務を淡々とこなす仕事が多い環境でした。私はどちらかというと、もう少し周囲とコミュニケーションをとり、創意工夫するような仕事が好きだったので、毎日同じことの繰り返しが続く業務は、あまりやりがいを感じることができませんでした。
その後、人材業界の営業職に転職し、今は同業界のサポート職として働いています。1社目と同じくサポートの仕事でも、臨機応変な対応が必要な現職はやりがいも大きく自分の好きなこと、適性、共に満たせている環境だと感じます。
学びを活かす! 大学の学部別におすすめな文系の職業
「自分の学部から就職できる職業は何があるだろう……」
就職先を選ぶときは、大学の専攻内容から考える人も少なくはありません。4年間の学びを活かす就活ができれば、土台ができた状態で臨めるため、就職も有利に進められます。
ここからは、文系の仕事選びの方法を増やすために、大学の学部別で考える職業を紹介します。実際に大学の学びを活かして就職をした経験者のエピソードも参考にして、自分の立ち位置から就職可能な職業を考えてみましょう。
文系出身の就活生パネリストに直撃! 就職先を選ぶときに自分の専攻は影響した?
私は外国語学部でスペイン語を専攻しており、スペイン語を活かせる仕事をしてみたいと考えたこともありました。しかし、スペイン語を活かすとなるとヨーロッパや中南米に進出している企業でなければならず、選択肢がかなり絞られてしまうため、それらを諦め、英語を含む外国語を活かせる仕事に就きたいと考えるようになりました。
就職活動中には面接で、「勉強したスペイン語が活かせなくてもいいのか」という質問を受けることもありました。英語以外の外国語学部に所属している人はこの質問に対する自分の考えを持っておく必要があると思います。結果的に私は就職先として、国内で外資系企業との取引があったり、世界各地に支社を持つ会社を選びました。
私は経済学部出身で、企業の成長戦略、イノベーションマネジメントを分析するゼミに所属していました。この経験から、企業の成長であったり、会社が成長していく過程に対して興味があり、会社の成長と共に伴走支援できるコンサル業界を志望しました。
経済学部を専攻する中では主に会計学を学んでおり、簿記2級の取得のための勉強もおこなっていたので、会計知識を活かした営業ができる、ITと会計をかけ合わせたSier企業なども受けていました。今の就職先を決めた経緯は、コンサル業界の中でも、若手から裁量権を持って活動できることや成長環境が整っていると感じたからです。
私は経済学部の経済学専攻でした。「大学で学んだことを活かそう」といった思考はなく、長期的にどういう人材が生き残っていくか、何も資格やスキルがない人間は何をやった方がいいかという視点で職を選びました。
その結論としてコミュニケーションが円滑にできる、何か代替できない一人の人間として認められる「営業」という仕事が良いと感じました。その中でも特にCtoCの営業を選んだのは、法人・個人どちらでも、結局は目の前にいる相手のパーソナリティを読み取ることが必要なので、CtoCの方がその能力が身に付くと思ったからです。
そのうえで給与や契約の難易度が高く、そして泥臭い住宅不動産を選びました。最初に難しいことをやっていた方が後々楽だろうという視点で、自分に試練を課すことにしました。
大学では心理学を専攻していました。
就職先は冠婚葬祭をおこなう業界でしたが、結婚式やお葬式という人生の中でも大きなイベントに携わり、顧客がより幸せに、より心穏やかに時間を過ごせるお手伝いがしたいと思って志望しました。
総合職採用だったので、どのポジションになるかは入社するまでわかりませんでしたが、学生時代に学んだ心理学の知識も活かし、かかわる人の目線に丁寧に寄り添った仕事ができるのではないかと感じていました。
経済学部
経済の動きを学ぶ経済学部では、授業内で自分の考えを発表する機会も多く、話す力や定量的な思考が身に付きます。日本経済の見方についても学ぶことができるので、情報収集力やディスカッション力が生きる職業を視野に入れると良いでしょう。
経済学部におすすめな業界・職業
・企画・マーケティング
・人事
・経理
市場調査を必要とする企画やマーケティングの職業は、業界理解が深い経済学部出身者にはマッチしやすい職業です。経済学で企業の立ち位置や情勢に興味を持ったら、社会に貢献する企業作りのために人事の仕事を選ぶのも良いでしょう。授業で会計学への学びがあれば、経理の仕事もおすすめです。
経済学部は専攻内容によって、専門的な分野を学ぶことができるので、金融・マスコミ・メーカーなど、興味の強い業界から職業を絞り込んでいくのも1つの手段でしょう。
経営学部
企業の経営方法など、ビジネスへの知識を学べるのが経営学部です。文系の中でも数字から結果を導き出す考え方が身に付くので、俯瞰した目線で明確な結果を出す職業がマッチするでしょう。
経営学部におすすめな業界・職業
・経営企画
・営業
・コンサルタント
経営手法やアプローチ方法の学びを活かすことができるので、よく考えられる就職先に経営企画が挙げられます。また、経営学部出身者は相手を数字で見てどうアプローチすべきかが学べるので、ニーズに合った提案をする営業職や課題解決ができるコンサルタントにもぴったりです。
経営学部では事業の一貫した流れを学ぶことができるため、問題定義・企画・課題解決力を強みとして活かせる職業に注目することがおすすめです。
外国語学部
国外の知識や語学力が身に付く外国学部では、文学部の中でも専門性の高さを活かした職業を選べます。
外国学部におすすめな業界・職業
・教師
・講師
・翻訳
・通訳
・接客
・サービス
・外交官
外国学部は、英語を話す力だけでなく言語の意味や海外の文化などを学べるため、基礎知識が求められる学校教師や英語講師への就職に強いでしょう。留学や資格取得で実践的な語学力がある場合は、翻訳やホテルのフロントなどの職業を選ぶのもおすすめです。
また、語学力を軸にした交渉能力やコミュニケーションスキルなどを身に付ければ、海外と国内をつなぐ外交官をめざすこともできるでしょう。外国学部の職業選びは「人の役に立ちたい」「販売促進につなげたい」など、専門性をどのように活かしたいか考えてみてくださいね。
法学部
法律を学べる法学部では、弁護士や裁判官への就職のイメージを持つ人も多いかもしれませんが、法律そのものの意味や精神を学んで基礎ができることで、さまざまな職業への就職を目指せます。
法学部におすすめな業界・職業
・法務職(弁護士、裁判官、検察官など)
・労務
・コンサルタント
法学部では、企業法をもとにした経営や事業についての授業を取ることもできます。ほか、社員の入退職の手続きや社会保険手続きなどをする労務は、法律の知識を活かすことができる法学部と結びつきが強い職業です。さらに、法律に関する知識は、経営課題をするコンサルタントにも活かせるでしょう。
法学部は、弁護士や税理士など、最終的に資格取得をして独立を目指すことも可能です。自分が専攻した授業の中で興味を持った内容と将来像も加味した職業選びができると良いでしょう。
文学部
文学部は言語・思想・歴史など、大学や専攻によって学ぶ内容次第で選べる職業も異なります。文学部の内容は「実務につながりにくい」と考える人もいますが、授業内容をどう学んだかや、今までどんなアウトプットをしてきたかを強みにすると幅広い選択ができる学部です。
文学部におすすめな業界・職業
・出版業界
・マスコミ
・教育業界
・広告業界
・メーカー
・公務員(国家・地方)
社会学部
社会学部は、現代社会の課題についてや、組織や団体における人間の心理行動などについて学ぶ学部です。さまざまな社会問題を分析するため、社会学の中には、環境や経済、文化など幅広い分野が存在します。
社会学の中でもどのような領域を専門に勉強しているかにもよりますが、その幅広さから就職先もさまざまです。選択肢は多いですが、社会で起こる問題の根本を探る分析力や、社会のトレンドをキャッチする多角的な視野は以下のような職種で特に活きるでしょう。
社会学部におすすめな業界・職業
・新聞業界
・出版業界
・テレビ業界
・マーケティング
教育学部
教育学部は、その名の通り「教育」について研究する学部です。子どもの成長や多様な価値観を育む「学校教育」をメインとしている学部が多いですが、学校教育以外でも社会との関係性や将来について考える「キャリア教育」なども教育学に当てはまります。
教育学部の就職先というと「教員」をイメージしがちですが、教員以外にもさまざまな選択肢があります。たとえば、塾や予備校などの講師や会社の社員研修を代行する企業であれば、教育学部で培った経験や知識、指導力が活きるでしょう。
教育学部におすすめな業界・職業
・教員
・教材関係の出版社
・塾や予備校の講師
・社員研修代行企業
・人材業界
「なりたい自分」をイメージ! キャリアプラン別におすすめな文系の職業
就活では職業よりも先に将来かなえたい姿や条件を持っている人もいるのではないでしょうか。ここからは希望のキャリアプランから考える職業選びについて紹介します。
キャリアプランから職業を選ぶことをイメージしづらい人は、経験者が実際に就活したときの方法や選び方を聞いてみましょう。新しい視点を取り入れることで、自分では気付けなかった職業が見つかるかもしれませんよ。
嘘偽りなく、どんな姿になっていたいかということを仕事の面でなくプライベートの面から考えてそこから就きたい職業を導き出していました。
私は、「結婚して妻と家族と仲良く、いろんな場所に行きたい」と考えているので、まずはしっかりとお金を稼げる仕事に就く必要があるかと考えました。かといってプライベートをすべて仕事に捧げ、犠牲にすることは難しいと感じたので、いかに仕事とプライベートのバランスが取れるか、というのを重要視していました。
そこから、今までの自分史を確認しながら何をしたいのかだったり、どんなことに向いてるのかを理解し、仕事探しをおこなっていましたね。
私は就職活動時のなりたい姿として、「周りから信頼されて、一緒に仕事したいと思ってもらえるような人間になりたい」「いつでも仕事を楽しくできる組織を作りたい」という像を持っていました。
この条件に一番近道だと思ったのが「営業職」で、前述したなりたい姿を実現させるためには、自身の人間性やジョブスキルを向上させていく必要があると考えていたからです。
「好き」がずっと続くかはわからない
私が思うに、仕事内容を最初から好きなことや興味があることに目を向けると、その関心がいつまで続くかが保証できないので、あまりおすすめしないです。新卒・既卒問わず、初めから思った通りに好きなことや興味があることができない、業務内容が考えていたものとは全然違った、という状況が起こることもよくあります。
どの業界に就職しても、自分の中のなりたい姿、かなえたいことなどは共通する部分があると思うので、そちらにベクトルを向けて考えていくことができると良いと思います。私の場合は営業職であれば商材はなんでもいいと思っているところがあったのですが、その方が主観や偏見が入ってこないので、「仕事がやりにくい」という感情になりにくく、よかったと思っています。
高収入を得て経済的な自立を目指せる職業
将来的に安定した収入を得ることを優先した職業選びを考えている人もいるでしょう。以下が代表的な高収入を目指せる職業となります。
高収入を目指せる職業の例
・コンサルタント
・弁護士、税理士
・外交官
・営業
コンサルタントや営業は、成果次第でインセンティブが発生する職業であるため、新卒でも実力次第で高収入を目指すことができます。資格が必要な税理士や弁護士は、就職後すぐに高収入をめざすことは難しいですが、独立や開業ができることから将来性の高い職業であるといえるでしょう。
経済的な自立を目指すには、ただ高収入な職業に就くだけではかなえられません。就職後、どのように自分をステップアップさせるかまで考え、段階的に収入を上げることで目標達成ができるでしょう。
一例ではありますが、たとえば営業職を目指す場合、以下のようなキャリアプランを立てることができます。このように、自分の目指すべきゴールをどのように設定するかも職業選びで大事な基準となります。
年齢を問わず実力に合った仕事ができる職業
企業の評価制度では、年齢を基準にする年功序列制を取り入れていることがあります。せっかく仕事をするのであれば、年齢にかかわらず実力に見合った仕事を任されたいと考える人もいるのではないでしょうか。実力で評価されやすい職業は次のようなものがあります。
実力が評価されやすい職業
・料理人
・イラストレーター
・エンジニア
・企画
・営業
・コンサルタント
・販売
たとえば、料理人は作った料理のレベルが高いと先輩よりも新しい仕事を任され、営業は契約数が増えると担当数を増やしてもらうことができます。エンジニアも成果物重視となるので、何歳でもクライアントが求めるものを開発する技術を持っていれば評価されます。
実力で評価される職業は、結果次第で仕事量や待遇面が良くなる反面、実力がなければ評価が停滞することも事実です。結果を求められ続けるのがつらいと感じる人もいるので、どんな働き方をしたいのかで職業選びを考えましょう。
自己分析で自分の適性をよく理解して、楽しいときもつらいときも続けられる職業選びをしてくださいね。
自己分析の仕方について不安に思っている人がいたら、こちらも併せて確認してみてくださいね。就活に活きる自己分析のコツを解説しています。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き
開業や独立を視野に入れてキャリアを積んでいける職業
自分のキャリアプランを考えたとき「将来的に1人で仕事したい」と開業や独立を視野に入れる人もいるでしょう。開業や独立をするためには、知識やスキルの向上だけでなく働く環境を整える準備期間が必要です。
さらに、仕事がなければ収入が発生しないリスクもあるため、早い段階から現実的なキャリアプランを計画しておくことが求められます。
開業や独立が可能な職業
・経理
・マーケティング
・営業
・人事
・エンジニア
・カウンセラー
・記者
・税理士、弁護士、会計士
・デザイナー
税理士などの資格保持者以外にも、技術を売りにするデザイナーや記者なども開業や独立は可能です。マーケティングや人事は、独立するとコンサルタントとして企業の問題解決にかかわるケースが多いでしょう。ほかにも営業や記者など、自分にしかできない仕事を強みとして開業・独立を目指せる職業があります。
開業や独立をすると、仕事以外にも事務や経理など幅広い業務を1人でこなすことから、社会人として幅広いスキルを身に付けることができます。
職業選びにおいて、体育会系の企業で働きたいと考えている人は、次の記事もチェックしてみてください。就活における体育会系について解説しているので、将来働いている姿をより想像しやすくなりますよ。
経験者が語る「体育会系」の実態|就活のメリット・デメリットも解説
上手な仕事の選び方|マッチする文系の職業を見つける4つのステップ
文系は就職の選択肢が幅広く「どう選べば良いかわからない」と悩む人もいるでしょう。ここからは、マッチする文系の職業の選び方を紹介します。
ファーストキャリアに悩むのは当たり前! 先輩はどのように進路を決定したの?
就活を始めたばかりのときは、自分がどんな仕事をしたいのかまったく見当もつかず、正直「就職できるのであればどこでもいいや」と思っていました。そんな考えを変えるきっかけになったのが、夏休みの短期インターンシップでした。
業界問わず知ってる企業にたくさんエントリーしたのですが、そのインターンシップに参加する中で、「この仕事はやりたくない」「この仕事はワクワクするな」といった感情が芽生えるようになり、職業選びの選択肢を狭めることに成功しました。
私の志望する職種が最新技術に関する職種であり、募集枠が少ない、かつ修士課程修了者限定の募集であったため、悩んでいました。そこで視点を考えて職業を選ぶようにしました。
具体的には、これまで培ったスキルがあれば新しいことにも挑戦できるのではないかという視点です。授業で取り組んで学んで身に付いたことは、専門的なスキルだけではなく、論理的思考力といったスキルでもあるため、そういった能力を活かす方向で職業選びをおこないました。
ステップ①興味のある職業について調べる
まずは職業の絞り込みをおこないましょう。職業の中から「おもしろそう」「やってみたい」など興味の範囲でも問題ないので、気になっている仕事を選びます。この時点で複数の職業を選んでも問題ありません。
職業を選んだら、詳しい仕事内容・待遇・将来性などの項目について調べていきます。
職業 | 仕事内容 | 待遇 | 将来性 |
---|---|---|---|
販売 | ・商品を販売 ・レイアウト提案 ・予算管理 |
・シフトで 土日出勤もある ・店舗移動の可能性 ・給料は歩合が つくことも |
・店長、エリアマネージャーなどに昇進可能 ・ネット販売と実販売の ニーズが分かれる |
企画 | ・ヒアリング ・ニーズ調査 ・施策を提案 |
・土日休みが多い ・企画の進捗次第で残業も有 ・給料は固定が多い |
・将来的にリーダーととして 企画をまとめる立場に 昇進も可 |
広報 | ・自社や製品の認知を高める ・取材 ・イベント企画 ・SNS運用 |
・イベントで土日出勤があることも ・自己裁量で休みが 調整しやすい |
・チームマネジメントや、 採用戦略に携わることが できる |
このように、気になる職業を一覧にして、比較できるようにしておきましょう。
ステップ②仕事での「したいこと」と「できること」を明確にする
次に、選んで調べた職業の中から「したいこと」と「できること」のバランスを考えます。
興味や関心だけで職業を選ぶと、スキルが伴わずに仕事をこなすのが難しく感じるかもしれません。一方で、スキルだけで職業を選択した場合は、日々の仕事に楽しさややりがいを感じづらくなってしまう可能性があります。
マッチする仕事を見つけるためには、①で興味(したいこと)から選んだ職業に就職するために求められるスキル(できること)を分析し、自分が実現可能か考えましょう。
興味のある職業 | 求められるスキル |
---|---|
販売 | コミュニケーション能力 傾聴力 提案力 マルチタスク パソコンスキル |
企画 | 発想力・企画力 情報収集力 分析力 コミュニケーション力 プレゼンテーションスキル ロジカルシンキング パソコンスキル |
広報 | 情報収集能力 企画力 分析力 関係構築力 プレゼンテーション能力 |
たとえば、販売の仕事にはコミュニケーション能力が求められますが、初対面の人に話しかけるのが極端に苦手だったり、チームプレーよりも個人プレーの方が得意な場合は、したいこととやりたいことのバランスがうまく取れていないかもしれません。
逆に、企画職に興味があり、学生時代から発案するのが得意でゼミでも主体的に研究を進めていたといった経験があれば、「したいこと」と「できること」が結びついている可能性が高いといえるでしょう。
自分がどのような仕事に向いているのかについてさらに詳しく知りたい人はこちらの記事がおすすめです。経験者の声から学ぶ自分に向いている仕事の見つけ方について紹介しています。
自分に向いてる仕事の探し方12選|体験談で学ぶ自己理解のプロセス
ステップ③仕事をするうえでの優先順位を決める
②のステップで興味と実現可能な職業が見つかれば、仕事をするえうでの自分の優先順位に沿っているかも考えましょう。優先順位とは、「休み」「給料」「環境」など、仕事をするうえで自分が大切にしたい条件のことです。
たとえば、優先順位のトップが「休みと仕事のメリハリをつけたい」のであれば、残業が少なく休日がとりやすい職業に就くことが必要です。ステップ③で候補にあがっていた広報だと、イベント時期には残業が増えてしまうため、優先順位と合わない可能性もあります。
このように、気になる職業と優先順位をすり合わせておくことで、実際に働いたときにギャップが生じるのを防げます。優先順位を決めるには、自己分析から自分の価値観を理解したうえで、転職でゆずれないものを整理しましょう。
優先順位の項目の例
・給料
・昇進、昇給
・福利厚生
・勤務地
・通勤方法、時間
・仕事内容
・社風
・休み
優先順位をあらかじめ決めておくと、同じ職業の求人に悩んだときも判断基準となるので、就職の方向軸を作るためにも考えてみてくださいね。
中には、今後のライフプランを考え、「女性の私が働きやすい会社ってどんなところだろう」「これからライフステージがわっても働き続けられるかな?」と悩んでいる人もいるかもしれません。以下の記事では、ワークライフバランスの保ちやすい企業や、女性の活躍を後押しする企業を紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
女性が働きやすい会社とは? 現場の声から見極め方を解説
ステップ④②と③を加味して①の中から選択肢を絞る
②と③の要因を踏まえて、①のステップであげた候補から職業を選んでみましょう。すり合わせをしていく中で候補の職業がなくなってしまった場合は、ほかの職業に注目して同じステップを繰り返していくと、理想の職業選びをすることができます。
職業選びは自分のキャリアを決める第一歩です。少し時間をかけてでも、自分と向き合い、納得のいく仕事選びをしてくださいね。
経験談付き! 文系の就職を成功させるための事前対策
就活では職業を選ぶことができて初めてスタートラインに立てます。時間をかけて選び抜いた職業への就職を成功させるにも、初めの一歩を失敗しないための準備をしておきましょう。
ここからは文系の転職成功のために必要な対策を紹介します。経験者が希望の職業に就くためにしたことも紹介するので、次の動き出しを把握して準備万端で就活をはじめましょう。
希望職種にかかわらず、長期インターンをおこなっていた経験は、多くの人から評価をいただきました。
正直、長期インターン先で何をやっていたのかということよりも、実際にある既存の企業で業務にかかわったり、社会人の方々と交流を取りながらさまざまな経験をした、ということ自体が非常に評価されているなと感じます。
特に仕事やプライべ―トにおけるスタンス面や考え方、将来どのようなことをやりたいのかというのは、長期インターンを通じてより知見や考えが深まったと実感しています。
資格の受験はおこなっておいた方がいいと思います。特に大手企業を目指すのであればTOEICの受検をおすすめします。なぜなら、エントリーシートの記入欄にはほとんどといっていいほど、TOEICのスコアを記入する欄があるからです。
また、IT業界を志望するならば、「基本情報技術者試験」も受けておいた方がいいと思います。理由はIT用語を覚えておくことで、より詳細に業務でかかわりたい領域を説明することができ、業界の理解とともに面接でも活かせます。
就職後のキャリアプランを想像しておく
希望の職業が決まれば、入社後のキャリアプランを想像して、入社後やることや目的を明確にしておきます。目標が決まれば、達成に向けて勉強しておくことや身に付けるスキルがわかるので、将来像から段階的に今やるべきことが考えられるようになります。
キャリアプランは5年や10年先を考えられるとベストですが、まだ社会人経験のない学生ではむずかしい場合もあるので、まず1〜3年後の内容を考えましょう。
働く企業が明確でない今の時点でのキャリアプランは、想像の範囲で設定できれば問題ありません。想像の範囲であってもあらかじめ決めておくことができれば、1年目の「仕事を覚えて独り立ち」するために、仕事理解を深めたり、企画職に必要なスキルを調べて資格取得などをおこなうことができます。
さらに、いまのうちに目標を決めておけば、面接で「入社後やりたいこと」「企画職を志望した理由」などもスムーズに答えることができ、話に一貫性を持った受け答えをすることもできますよ。
就活で調べた情報や考えた将来設計で今の自分に役立っていることとは?
私は大学3年の初期の段階から就活を始めていたので、さまざまな業界や企業を見てきました。そのため、就活を通して、社会のあらゆることについて学びながら、この仕事にはこの業界がかかわっている、などの社会にある仕事や構造についての解像度を上げることができました。
だからこそ、本当に最後に自分が選ぶ企業が自分の選択の最良の決断だったということができたと思います。これだけ就活に力を注いで頑張ってきたんだから、最後に自分が選んだ企業は自分に合っているはずだと自信を持つことができたのが、就活での頑張りを自分に還元できた経験だといえると思います。
就活のときに使っていた考え方が、今の自分や自分のキャリアプランを考えるときに活きていると思います。
それは、「目標やビジョンの考え方」です。これを決める方法として、「将来ビジョンを明確に計画立てしていく方法」と「ざっくり将来ビジョンを立てて足りないものを補っていく方法」の2つの考え方を実践していました。それぞれ、前者は描いている将来が明確になっている人に、後者は将来がうまく描けない人におすすめです。私は試してみた結果、前者の方法だと、立てた計画が一瞬で崩れて自分への期待を何度も裏切る気持ちが芽生えてきたので、よく後者で将来設計をするようにしていました。
5年後10年後の未来を描くのが苦手でうまく答えられなかった
私の場合は、就職活動をしているとき、自分の5年後10年後の将来像を描くのが苦手でした。就活でよく聞かれる質問であったにもかかわらず、うまく回答できないことが多かったです。そのため、私は「今不足しているものを補って普通のレベルまで上げていく」という考え方を意識して、苦手なことに対しても臆せず挑戦できるようになる、逃げ癖をなくす、といった目標を立てて、気付けばいろんなことができているね、という状態を目指せるように仕組みづくりをすることにしました。
こういった考えを持ったまま社会人になったので、自分の将来設計をするときにももちろん役に立っていると思います。就活の時に「5年後10年後はどういったことを目指すか」を聞かれるからこそ、「目標の立て方」自体を学んでおいて良かったと感じています。
社会人スキルをアップさせる資格取得を目指す
なりたい職業を叶えるには、仕事で求められるもの以外にも、社会人としてのスキルを磨いておかなくてはいけません。特に文系の就職はポテンシャル採用が多いため、マナーや言葉遣いなど、基礎的なスキルをアップしておくとどの職業の就職にも有利になります。
基礎的な社会人スキルをアップさせるためには、資格の取得がおすすめです。
職種 | 資格 |
---|---|
営業 | ・営業士 |
事務 | ・秘書検定 ・MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト) |
経理 | ・簿記 |
マーケティング | ・マーケティングビジネス実務検定 ・マーケティング検定 |
総務 | ・ファイナンシャルプランナー ・PRプランナー資格認定制度 |
人事 | ・メンタルヘルス・マネジメント検定 |
販売 | ・販売士検定 ・接客サービスマナー検定 |
生産管理 | ・ビジネス・キャリア検定 |
コンサルタント | ・TOEIC |
上記のようにパソコンスキルやマナー関連の資格に加えて、希望の職業と関連性のある資格も取得しておくと、基礎知識が付くだけなく意欲もアピールできます。
ほかに、IT関連なら「ITパスポート」、経理なら「簿記」など未経験者でも取れる資格はたくさんあるのでぜひチャレンジしてみてください。経験者が就活のために取得した資格も参考にしてくださいね。
直接的に自分が取得した資格を褒められた経験もありましたが、多くの企業はその資格を取るに至った経緯や取るまでのプロセスを重視して評価していると思います。
実際に、資格を書く欄に自分の保有資格を記載すると、だいたい6割以上の企業が「なぜその資格を取ろうとしたのか」という旨を聞いてきました。
また、私はIT系の資格を保有していたのでITの企業にはウケが良く、今後取ろうとしている資格も同時に聞かれることもありました。
基本情報技術者試験を取得したところ、就活に役立ったと感じています。この資格を取っているかいないかで、ITに関する知識に大きな差が開くため、IT業界を志望している人にとっては差になると思います。
たとえば、「アジャイル開発」というワードがあるのですが、これは昨今のIT業界において重要な位置づけにある開発手法を指す言葉です。この資格を取得する際に、インプットする内容ですが、なぜアジャイル開発でなければだめなのか、ほかの開発手法との違いは何かなど、業界で必要になる知識を事前にインプットできるため、二次面接や最終面接でIT用語を含む質問が来たとしても、対応することができます。
私はこの経験のおかげで、プラスの評価を得ることにつながった経験があるので、志望する業界の知識を得ることを目的に勉強することをおすすめします。
できるだけ多くの人から体験談を聞いて視野を広げる
希望の職業への就職を目指すためには、経験者からできるだけ多くの話を聞き、実体験を踏まえた対策をしておくことが効果的です。
文系の就職で意識したことや対策した内容など就活関連の話はもちろん、文系大学を卒業して今のキャリアを築いた経緯など、将来設計の参考になる話も聞けると良いでしょう。
同じ文系出身者となる大学の先輩や、気になる企業のOB・OG訪問など、周囲の人を頼って、視野を広げる行動をすることで理想の職業への就職をかなえましょう。
「文系だから」と諦めている人必見! 理系の職業に興味が出たときの対処法
就活で情報収集していくと、理系の職業に興味が出てしまうこともあります。そんなときは「文系だから」とあきらめてしまうのではなく、興味をもった仕事に就職できる方法がないのかを考えてみましょう。
ここからは文系が理系の職業へ就職するためのポイントを紹介します。
希望の職業への就職方法を調べる
まずは気になった職業への就職条件を調べてみましょう。エンジニアに文系が就職できるように、理系の職業だと決めつけてしまっているケースもあるからです。
理系・文系どちらも就職できる職業
・SE、プログラマー
・研究職
・建築士
・施工管理
採用の方向性は年々変化があり、昔は理系しか採っていなかった職業でも今では選考の間口が広がっているものもあります。調べてみたうえで、理系大学出身者のみだった場合でも、希望の職業と関連性のある仕事を選ぶなど、興味が強いものに近い選択肢を検討してみましょう。
理系・文系でもどちらでも挑戦できる職業として、SEやプログラマーを挙げましたが、IT業界の職業について興味のある人はこちらの記事もおすすめです。IT業界に刺さる志望動機の作り方を紹介しています。
IT業界に刺さる志望動機の作り方|内定者の体験談と12例文付き
希望の職業への転職を見据えた就職先を考える
理系の職業は、就職後に資格取得や条件を満たすことで将来的に就職をかなえられる場合もあります。たとえば、分析や統計学が必要とされるデータサイエンティストの職業では、数字に強い理系学生が歓迎される傾向にあります。
文系からの就職を目指すなら、エンジニアとして就職して開発スキルを学んでいき、AI(人工知能)の使用技術を身に付けることで、将来的にデータサイエンティストになることが可能です。
長い目で見たキャリアを考え就職先を決めることも、上手な職業の選び方だといえるでしょう。
希望の職種や応募したい企業が決まったらいよいよ応募書類の作成に移りましょう。以下の記事では選考に通過する応募書類の書き方について詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
書類選考に落ちる……体験談付きで合格につながる書き方を徹底解説
文系の職業は自分との話し合いが大切! 迷ったら経験者の将来像からヒントを得よう
文系の職業選びは選択肢の多さから、どんな職業があるのか、どのように選ぶべきなのか、悩みが多岐にわたります。自分に合った職業選びをするには、体験談を参考にしながら、自分のしたい事とやりたい事のバランスを考えることが大切です。
文系の就活は、理系に負けないポテンシャルを活かして、幅広い選択肢からマッチした仕事を見つけられるのが魅力です。「自分には何もない」と考えずに、なりたい自分をかなえる職業選びをおこないましょう。
志望企業、志望職種がなかなか見つからないという方も多いのではないでしょうか。そういった方に私がお伝えする2つの考え方をこちらでもご紹介します。
1つ目は「したい仕事」だけでなく「得意な仕事」から考えるということです。就職活動を進める中で、「自分がしたい仕事は何だろう」と考えることは自然なことですが、「自分が得意とすること」をもとに職業を選ぶことも重要です。得意な仕事は結果として成功しやすく、やりがいを感じやすい傾向にあります。過去の経験で得意だったことや、人から褒められたことを思い出してみてください。そうした出来事はあなたの強みを示しているはずです。
「得意なこと」は、自分が自然にできることであり、ストレスが少なく、持続的にパフォーマンスを発揮しやすいのです。自分の強みを活かせる仕事を選ぶことで、仕事に対する満足度や成長の実感を得やすくなります。
2つ目は「したい仕事」を追求するのではなく、「したくない仕事」を除外していく考え方です。多くの就活生は、「したい仕事」を探しますが、あえて「したくない仕事」以外はすべて試してみるという姿勢でアプローチすることで、新たな発見ができるかもしれません。特定の業界に興味がなかったとしても、自分に合った職種が存在するかもしれず、予想外の仕事が実は自分にとって非常にやりがいのあるものだったというケースもあります。
多様な選択肢を持って最適な職業を見つけよう
このように、固定観念にとらわれず、多様な選択肢を検討することで、最終的に自分に最適な職業を見つけることができます。就職活動は自分自身を知る絶好の機会です。さまざまな職業や業界を調べ、自分にとっての「適職」を見つけてください。
私は大学時代に外国語学部に所属しており、将来も言語を活かした仕事をしたいと考えていました。初めは、金融業界・不動産業界・食品のメーカー業界・旅行業界・建設業界など多岐にわたる業界の中で、海外に支社を持っている企業を中心に興味を抱くようになりました。
しかし、幅広い業界を見ているうちに、秋ごろには就職活動の軸として、「人の生活を根底から支える仕事がしたい」と感じるようになり、インフラに携わることができる業界に興味を持つなどの変化がありました。外資系企業と取引があったり、海外に支社がある企業且つ、若手から海外事業に携われるインフラを支えたりする業界とは何か、と考えたときに、海運業界と建設業界にが当てはまったことで、今度はそれらの業界に惹かれるようになりました。
避けたい職種を明確にして志望職種を絞っていった
職種に関しては、営業という仕事に対して自信がなかったため、1年目からバリバリと数字を追う営業をするような企業は避けていました。結果として事務職として働き、経験を積んで成長したのちに営業にも携わることができる、海運業界や大手ゼネコンを志望するようになりました。