エントリーシートと履歴書の違いとは? 内定者が語る使い分けのコツ

エントリーシートと履歴書は違いを理解したうえで作成しよう

「エントリーシートと履歴書に書く内容は同じことを書いても良いの?」「エントリーシートと履歴書の違いはなに?」などと疑問に思う人も少なくないでしょう。

結論として、エントリーシートと履歴書の違いは以下の通りです。

エントリーシート:選考の際に参考にする資料
履歴書:選考が終わった後も従業員のデータとして保管しておくケースが多い資料

特に履歴書は公的書類なので、記載内容に嘘があると、場合によっては文書偽造の罪になることがあり、不採用や解雇につながるケースもあります。そのためエントリーシートと履歴書の違いをしっかり把握しておくことが重要です。

この記事ではエントリーシートと履歴書の違いを解説するだけでなく、エントリーシートと履歴書を書く前に押さえておきたいポイントなどについても解説します。先輩たちの体験談のもとに、企業にささるエントリーシートと履歴書の書き方を学んでいきましょう。

現役就活生・内定者に直撃! エントリーシートと履歴書の違いについて聞いてみた

ここでは、現役就活生や内定者にエントリーシートと履歴書の違いについて聞いてみたことを紹介します。現役就活生や内定者の声を聞くことで、エントリーシートと履歴書を書く目的も見えてくるはずです。

エントリーシートと履歴書の違いは何だと思う?

エントリーシートと履歴書の違いを押さえることで、この記事でこれから紹介する以下のポイントが理解しやすくなります。

履歴書やエントリーシートを作成する際のそれぞれのポイント
履歴書やエントリーシートでアピールするポイントの違い

現役就活生や内定者の考えを参考に、エントリーシートと履歴書の違いを押さえておきましょう

キャリアステージ編集部

エントリーシートと履歴書、それぞれの違いは何だと思いますか?

R・N 4年生大学

履歴書はその人のこれまでの実績に着目しており、エントリーシートはその人の人格を重要視しているのではないでしょうか。

Y・A 4年制大学

履歴書では、一人ひとりの経歴や実績に重きを置いており、エントリーシートではその経験の裏でどのように考え行動したのかなど、よりパーソナルな部分が重要視されていると思います。

M・N 4年制大学

履歴書は主観も客観もない事実としての自分を書いていて、エントリーシートは自分自身が自分について考え、アピールしながら書いている気持ちでした。

M・W 学習院大学

エントリーシートは具体的なエピソードを書き、履歴書は自分の経歴や事実を書くという区別があると思います。

エントリーシートと履歴書、よく使ったのはどっち?

ここからは、エントリーシートと履歴書でよく使ったのはどちらか、先輩たちの体験談をもとに紹介していきます

キャリアステージ編集部

就活を進めるうえで、エントリーシートと履歴書、どちらの方が使う機会が多かったですか?

R・N 4年生大学

断然、エントリーシートを使う機会が多かったです。どちらも求められるといったことはなく、どちらか一方のみの提出でした!

N・T 4年制大学

エントリーシートのみの企業が圧倒的に多かったです。履歴書のみで提出したことはありません。履歴書の提出が求められる際は必ずエントリーシートと両方の提出が必要でした。

M・W 学習院大学

エントリーシートの中に履歴書の要素も入っているような企業が多かったです。エントリーシートの記載欄に高校や大学などの経歴も書かせる企業が多いと思います。

Y・K 4年制大学

エントリーシートの方が多かったです。履歴書の情報に関しても、エントリーシートに含まれているようなものもありました。

エントリーシートと履歴書の使いわけで悩んだ経験は?

エントリーシートと履歴書はどちらも就活で求められる書類ですが、就活を始めて間もないときは、それぞれをどのように使いわければ良いのか悩む人も多いです

それでは、先輩たちがエントリーシートと履歴書の使い分けで悩んだ経験はあるのか聞いてみましょう。

キャリアステージ編集部

エントリーシートと履歴書、それぞれの使い分けや違いについて悩んだ経験はありますか?

M・N 4年制大学

履歴書とエントリーシート、どちらの提出も求められたことがあり、まったく同じ内容を二度も書いてもいいのか悩みました。

M・W 学習院大学

履歴書は字数の制限がないので、エントリーシートに書くようなエピソードを、どれほど具体的に書くべきか迷いました!

選考前に要チェック! エントリーシートと履歴書の違い

 履歴書とエントリーシートの違い

ここからは実際にエントリーシートと履歴書の違いを企業側の視点と学生側の視点に分けて解説します。両者の視点を理解することで作成時に注意するポイントが見えてくるはずです。

企業側の視点

まずは企業側のエントリーシートと履歴書の見方を把握しましょう。企業の認識をしっかり把握することで、この後解説するエントリーシートと履歴書の書き方のポイントの理解が深まります

自分が想像していた企業の視点と相違がないかチェックしてみてください。エントリーシートと履歴書を企業側は以下のように認識しています。

エントリーシート:採用時の参考書類
履歴書:入社後にも保管する公的文書

それではエントリーシートから解説していきます。

キャリアステージ編集部

企業はエントリーシートと履歴書を用いて、それぞれどんな視点で何を見ていると思いますか?

R・N 4年生大学

企業側の視点として、履歴書では即戦力として何を活かせるかを見ており、エントリーシートではその人がどのように成長していくかに焦点をあてて見ていると思います。

H・T 4年制大学

企業側は履歴書で経歴などを確認し、エントリーシートでは企業側がオリジナルの設問を設定できるため、そのオリジナルの設問に対する就活生側の考えを知るために使っているのではないでしょうか。

M・W 学習院大学

履歴書ではその人の経歴という「事実」を見て、エントリーシートではその人の「人柄」を見ているのかと思いました。

エントリーシート:採用時の参考書類

エントリーシートは企業にとって採用時に使う参考書類としての役割を担っています。エントリーシートの記入事項は企業によって異なり、文章だけでなく写真やイラストを求めるケースもあります。

企業によって求める人物像や採用基準に違いがあるからこそ、そこを見極めるためにエントリーシートを活用し、次の選考に通すか検討したり、面接で質問する際の参考として使っているのです

履歴書:入社後にも保管する公的文書

履歴書は「入社後も社員データとして保管する公的文書」です。そのため、学校名は省略せず正式名称で書く必要があります。もし学歴や資格などを偽って入社した場合、文書偽造の罪などに問われる可能性があります。

履歴書はJIS規格に基づき販売されているため、どの履歴書を使っても記載する内容はほとんど同じです。しかし、企業によっては、学校指定の履歴書の使用を求められるケースがあるため、念頭に入れておきましょう

学生側の視点

学生にとって、エントリーシートと履歴書の違いは何でしょうか。学生側の視点でのエントリーシートと履歴書の違いは以下の通りです。

エントリーシート:自己アピールするための書類
履歴書:学歴やプロフィールを伝えるための書類

企業側の視点だけでなく、学生側の視点から見ても、エントリーシートと履歴書で目的が違うことを理解しましょう

エントリーシート:自己アピールをするための書類

エントリーシートは採用時に使われる重要な書類なので、自己アピールをするのが大事です。エントリーシートによっては字数指定があったり、ルールがあったりするケースもあるので、注意事項を守って記載するようにしましょう。

エントリーシートでは自己分析でわかった自分の魅力を踏まえ、どのように企業に貢献できるかを明確に書くと良いです

こちらではエントリーシートを書く際に役立つ自己分析のコツについて解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き

履歴書:学歴やプロフィールを伝えるための書類

履歴書は、企業に学歴やプロフィールなど、自分の基本情報を知ってもらうための書類です。そのため学歴や住所、保有資格などを正確に書く必要があります

先輩が教える! エントリーシートを作成する際のポイント

エントリーシートを作成する際のポイント

ここからはエントリーシートを作成する際に押さえておきたいポイントについて解説します。

この章を理解することで、企業にわかりやすく自分の魅力をアピールできるようになります。順番に解説するので、ぜひ参考にしながらエントリーシートを作成しましょう。

企業が求める人物像を意識する

エントリーシートを作成する際は、企業がどんな人物を求めているのかを意識しながら書くと良いでしょう。企業によって求める人物像は異なり、選考を通じて社風や業務内容などとの適性が見られています。アピール内容を無理に寄せる必要はありませんが、「企業はどんな人材を欲しているのか」を意識して内容を考えることで、企業に響くエントリーシートとなります。

企業が求める人物像は、企業の公式HPの採用ページに明記されていることが多くあります。そこでもし「自ら主体的に動ける人」と書かれていたら、自分で率先して行動したエピソードを交えながらエントリーシートを記載すると良いでしょう。

企業の公式HPの採用ページに求める人物像が書かれていなくても、企業説明会やインターンシップで社員と話をすると、どんなタイプの人がいるのかわかることもあります。エントリーシートでは、自分が「企業が求める人物であること」をアピールすると、効果的に自分をPRできるのです

キャリアステージ編集部

企業の求める人物像を確認するのにおすすめの方法を教えてください!

R・N 4年生大学

企業の求めている人物像は、企業の社員紹介ページを見てみたり、座談会でリーダークラスの方に質問したりという方法で把握することがおすすめです。

M・W 学習院大学

統合報告書やホームページ(HP)の求める人材を見て学んだり、実際にOB・OG訪問してどんな人物が多いかを知ったりすることで把握できると思います。

N・T 4年制大学

企業の新卒採用ページを確認することが一番手っ取り早いと思います。記載されていない場合には、説明会や座談会の際に質問してみると教えてくれると思います。

過去の経験だけでなく未来に焦点をあてる

エントリーシートで「自己PR」や「自分の長所と短所」を書く際、エピソードも含めて書くと説得力が増します。しかしエピソードを書く場合でも、未来に焦点をあててエントリーシートを書くようにしましょう。

なぜなら、即戦力を求める中途採用と異なり、新卒採用は「どれだけ未来に活躍の可能性があるか」を重視して合否を決める傾向にあるからです。そのため、未来を意識して、自分が入社後に企業でどのように活躍できる人材であるかをアピールすると良いでしょう

PREP法を意識した文章作成

履歴書やエントリーシートで使えるPREP法の使い方

エントリーシートで「学生時代に力を入れたこと」や「挫折した経験」を書く場合、PREP法を意識して文章を書くとスマートに内容を伝えられます。PREP法とは、「①結論」「②理由」「③具体例」「④結論」の順番で話の内容を伝える方法のことです。

PREP法を用いて文章作成することで得られるメリットは以下の通りです。

説得力が増す
読み手に内容を理解してもらいやすくなる
簡潔に話を伝えられる

PREP法は会議の資料作成やメール作成など、ビジネスでも用いられることが多い手法です。今のうちからPREP法の使い方をマスターしておきましょう。

パネリストがエントリーシートの書き方で意識したこととは?

N・T
N・T
4年制大学/文系学部
読み手が理解しやすいかを第一に考えた

最も意識したことは、初めに結論を書くことです。1日に何十ものESを読む企業の人にとって、簡潔にわかりやすく書くことはとても重要だと考えたからです。

具体的な文章構成としては、結論、具体的なエピソード、まとめというような順で書いていました。また、より相手に内容がわかりやすく伝わるように、複数のエピソードを書くよりも1つのエピソードに絞り具体的に書くことを意識していました。

文字数に問題がなければ、強調したい部分にかぎ括弧を付け、エントリーシートを読む企業側の人に視覚的にわかりやすいような工夫をおこなうこともありました。

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
「会いたい!」と思わせるような内容を作ろう

ESでは、自分の個性と実体験をできるだけアピールできるように意識していました。

理由としては2つあります。まず1つ目に、面接はESをもとに進めるため、現実性のあるエピソードでないと話す内容にも綻びが出てしまうためです。そのため、面接で話すことも考慮にいれ、実体験中心のエピソードを盛り込むようにしていました。

2つ目は多数の就活生の中から「会ってみたい」と面接官に思ってもらえるような内容にするためです。そのためにもほかの就活生と一線を画すような独自の取り組みを書き出すようにしました。

エントリーシートと異なる! 履歴書の作成で大事なポイント

履歴書の作成で大事なポイント

履歴書もエントリーシート作成時と同様に、作成する前に押さえておくべきポイントがあります。注意するポイントが守られていないと、企業側にマイナスイメージを植え付けてしまう原因につながります。

ここからは履歴書作成時の大事なポイントについて順番に解説していきます。

新卒用履歴書の基本的な書き方はこちらの記事で詳しく解説しているので、基本ルールやアピールの仕方に不安がある人は、一度目を通しておきましょう。
新卒向け! 面接行き確定の履歴書を書く秘訣| 内定者の記入例付き

基本ルールを徹底する

公的文書となる履歴書を書く際は、履歴書の基本ルールを理解したうえで記載しましょう。具体的な基本ルールは以下の通りです。

・和暦と西暦をどちらかに統一させる
・学校名は中学校から記載する
・学校名は「私立○○中学校」「●●県立●●高等学校」のように私立や県立から正しく正式名称で書く
・大学名は学科やコースまで記載し、卒業前の場合は「卒業見込み」と書く
・アルバイトは職歴に含めない
・手書きの場合、油性かゲルインクのボールペンで記入する
・書き間違えた場合は新しい用紙にはじめから書く

上記の基本ルールは押さえられていないと、「最低限のルールを理解していない就活生」という印象をもたれかねません。基本ルールをしっかり押さえたうえで、履歴書を作成しましょう。

すべての情報を正式名称で書く

履歴書は学校名や資格、免許などを正式名称で書くのが基本です。間違えてしまいやすい略語は以下の通りです。

・自動車免許:普通自動車第一種運転免許
・MOS:Microsoft Office Specialist
・英検:実用英語技能検定
・日商簿記:商工会議所簿記検定試験

履歴書は正式名称で書くとわかっていても、思わぬところで間違えていることもあります。履歴書を書いたら、正式名称で書けているか、最後に忘れずに見直しましょう。正式名称が合っているか自信がない場合は、資格の公式HPや受検時の資料を確認すると安心です

キャリアステージ編集部

履歴書を書くときに間違えやすい内容や名称があれば教えてください!

H・T 4年制大学

普通自動車第一種運転免許(AT限定)などが間違いやすいのではないかなと思います。日常生活では、「運転免許」などと略してしまい、車もAT(オートマチックトランスミッション)と呼ばれる種類を取得している人が多いうえに、AT限定の免許でも支障がないからです。

M・N 4年制大学

名称ではないですが、何年に入学して何年に卒業したかの欄がややこしくて、ときどき書き間違えることがたまにありました。

M・W 学習院大学

「運転免許」を「普通自動車第1種免許」と書くことかなと思います。「運転免許」だけでは略しすぎている名称になってしまい、企業に失礼に当たるため避けるべきです。

エントリーシートよりも簡潔に書く

履歴書はエントリーシートと同様に「志望動機」や「自己PR」を書く項目がありますが、書ける範囲も限られているため、簡潔に書くことが大事です。履歴書の見本を見ながら、大きすぎず小さすぎない字で書くようにしましょう。簡潔に書くためのポイントは以下の通りです。

・1文は長くても1行~2行におさめる
・「志望動機」や「自己PR」は所定のスペースが埋まる程度の文字数で書く
・1文につき1つの情報だけを書くことを意識する

先輩から学ぶ! エントリーシートと履歴書で共通する考え方

エントリーシートと履歴書で共通する考え方

ここまでエントリーシートと履歴書を書く目的の違いや、エントリーシートと履歴書を書く際に気を付けるポイントをそれぞれ解説しました。しかし、エントリーシートと履歴書で共通する考え方や注意事項もあります。1つずつ解説するので、応募書類の基礎知識として理解しておきましょう。

内容が重複することは問題ない

エントリーシートと履歴書で内容が重複していても問題はありません。なぜなら、エントリーシートは選考で使う資料、履歴書は入社後の社員データとしての書類というように、2つの書類で目的が異なるからです

たとえばエントリーシートと履歴書のどちらにも「志望動機」を書く欄があった場合、エントリーシートで書いた要約版を履歴書に記載しても構いません。選考の際にはエントリーシートだけでなく履歴書も見ますが、選考ではエントリーシートを重点的に見る傾向にあります。

エントリーシートや履歴書を提出するタイミングは企業によって異なりますが、なかには内定後に履歴書の提出を求める企業もあります。大学のキャリアセンターによっては、選考時にどんな書類の提出を求められたのか情報を持っている場合もあるので、気になる場合はキャリアセンターに問い合わせてみると良いでしょう。

それぞれの記載内容に一貫性を持たせる

エントリーシートと履歴書に書く内容は、一貫性を持たせないと混乱を招いてしまう原因になり得ます。たとえばエントリーシートに「自ら積極的に行動できるのが強み」と書いたのにもかかわらず、履歴書に「主体性がないことが弱み」と書いてあると企業はあなたがどんな人柄なのかがつかめません

エントリーシートと履歴書は矛盾を生じさせないようにしましょう

指定文字数の8割以上は書く

エントリーシートも履歴書も、指定されている文字数の8割以上は書くようにしましょう。文字数指定がない場合は、記入するスペースの8割は文字で埋めるようにすると良いです。

なぜなら、余白が多いと企業側に志望熱意が伝わらないからです。それだけでなく、内容が薄いと思われてしまったり、伝えたい内容が十分に伝わらなかったりするので、最低でも指定文字数の8割以上は書くようにしましょう。

ただいくら熱意を伝えたいからといって、指定されている文字数の上限を超えてしまうと「ルールを守れない人」と思われてしまいかねません。指定された条件下でアピールしたい内容を盛り込むようにしましょう。

キャリアステージ編集部

ESや履歴書では、どれくらいの文字数を埋めることを意識していましたか?

H・Y 4年制大学

少なくとも制限文字数の8割は埋めるようにしていました。文量が少なすぎると、それだけ志望度が低いと捉えられてしまう可能性もあるので、絶対に8割は死守して書くようにしていました。

N・T 4年制大学

私は9割以上埋められるように意識していました。どうしても書くことがない場合も、8割は埋めた方がいいと思います。たくさん書いた方が熱意も伝わりやすいです。

R・N 4年生大学

制限文字数ギリギリまで書くようにしていました。文字数が少なすぎると志望度が伝わらないと考え、できる限り書くようにしました。

M・W 学習院大学

9割くらいは埋めるようにしてました。200字の制限だったら180字以上、400字が制限の時は、380字以上埋めていました。

面接で深掘りされることを想定しながら書く

面接では、面接官がエントリーシートや履歴書を見ながら質問することが多いです。たとえばエントリーシートや履歴書に「アルバイトで売上を上げるために試行錯誤をした」と書いた場合「どんなふうに試行錯誤したの?」と聞かれることがあります。

面接でエントリーシートや履歴書に書いたことを深掘りされた時に、慌ててしまわないためにも、面接で深掘りされることを想定したうえでエントリーシートや履歴書を作成しましょう

エントリーシートや履歴書の内容について面接で聞かれた経験はある?

R・N
R・N
4年生大学/理系学部
選んだ行動それぞれに「なぜ?」と聞き返された

たとえば、趣味で「音楽」などと書いた場合は、どれくらいの期間を通して取り組んでいるのか、また、趣味に対して工夫して取り組んだことはあるかなどの深掘り質問をされたことがあります。

またそのほかにも、この大学を選んだ理由は何か、またそこでどういったことを学んでいるか、どう社会に活かしていきたいか、といった内容を深掘りする質問もありました。

自己PRについては、それに取り組もうと思った理由であったり、その取り組みを通して最も苦労したことなどさまざまな深堀りの質問をされました。

K・G
K・G
名古屋市立大学/経済学部
基本情報をもとに気になったポイントを次々聞かれた

ESの内容に沿って質問をしてくる企業が大半を占めていたと思います。

企業は基本的な情報をESや履歴書で確認して、その情報を前提に、気になった点についての深掘りなどの話が進んでいくことが多かった印象です。

たとえば、ガクチカや趣味、自己PRなどは必須で回答させる企業が多いため、面接ではその内容に沿って話が始まっていきました。ESに書く内容の中でも、志望動機を面接前に一読してくれている企業が多く、それに沿って面接官を選んでくれる企業もありました。

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
資格取得の過程や役割を深掘りされた

私は自己PRで、資格を取得した経験から得た学びをアピールしており、その点に関して一番深掘りをされました。

その資格は独占業務ができる国家資格であるため、どうしてその資格をとったのか、その資格が活かせる仕事は考えなかったのかなどをよく聞かれていました。

また、ガクチカではアルバイトではなく、学内活動での経験をアピールしていたので、実際にチームではどのような役割を担っていたのかなどを深掘りされました。

いずれにしても履歴書やESに関連する深掘りは、テンプレ通りの内容を聞かれることが多いので、面接の数をこなせば自然に話せるようになると思います。

手書きの場合は修正液や修正テープは使用しない

エントリーシートや履歴書を手書きで書いて間違えてしまった場合、修正液や修正テープは使用しないようにしましょう。もし間違えてしまったら、はじめから書き直すのが基本ルールです。どうしても替えの用紙がない場合は、二重線を引いて訂正印を押すやり方もありますが、あまりにも訂正印が多いとマイナスイメージがついてしまいます。

また、間違えたくないからといって、消せるボールペンを使用するのは厳禁です。書いた内容を書き換えられてしまう恐れがあるからです。もし不安な場合は、最初に薄くシャーペンで下書きを書き、そのうえからボールペンでなぞり、シャーペンを消すと良いでしょう。

キャリアステージ編集部

手書きのESや履歴書を書くとき、書き損じた場合はどうしていましたか?

N・T 4年制大学

郵送で提出する必要がある場合は、一から書き直していました。スキャンしてマイページにアップロードする場合は、修正テープを使用していました。書き損じを防ぐには鉛筆で下書きをしておくのが1番良いと思います。

M・W 学習院大学

私は手書きの場合は一から書き直していました。手書きをPDFにする場合は修正テープを使っていましたが、送るときは新しく書き直してました。

履歴書の下書きの有無についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、下書きするかどうか迷っている人はぜひ参考にしてください。
履歴書の下書きは必要? 完璧に仕上げる10の極意を経験者が伝授

作成後コピーを取っておく

エントリーシートや履歴書は面接時に深掘りされることがあるため、作成後にコピーを取っておきましょう。コピーを取っておくことで、面接前、エントリーシートや履歴書に何を書いたのか振り返ることができます。

面接前にコピーを見直すことで、書いた内容を思い出すことができ、書類と面接での発言内容に一貫性を持たせることができます。コピーは、企業説明会でもらった資料と同じクリアファイルに入れて保管しておくのがおすすめです。

パネリストにも聞いた! エントリーシートと履歴書に共通するポイントを教えて

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
オンリーワンになるためにオリジナリティは重要!

履歴書とエントリーシートのどちらにも共通して大事なことは、オリジナリティを出すことです。

特に、人気の企業の選考では、面接官は何万人もの書類を読んで審査するため、その中で「自分自身だからできたこと」をわかりやすく伝えることが重要になると思います。

オリジナリティを出すために表現や具体性を意識した
そこで、オリジナリティを出すために以下2点を意識していました。まず、キャッチコピーなどを用いて、読む人にとって自分が印象に残るような表現を使うことです。アピールの概要が同じ人の中でも、1番目立つ言葉を考えて書くように意識していました。

そして、自分の思考の流れや背景を書くことも意識していました。似た経験をした人の中でも、自分がどう考え行動したのかを書くことで、私だけにしかできない経験として書くことができると思い、必ず行動した理由やそう考えた理由を説明するように書いていました。

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
長所を一つに絞って一貫性のあるアピールをしよう

私は履歴書・ESの両者ともに気をつけていたことが2つあります。

1つ目は、話に一貫性をもたせることです。たとえば、履歴書では自己PRを「粘り強さ」と書いていたのに、ESでは「協調性」と書くなど、自分のいろいろな面をアピールするために違う内容を書いてしまうのではなく、履歴書・ESともに共通した長所を書くのがおすすめです。

話に一貫性がなければ、会社に本当の自分を知ってもらうことなく、反対に「自己PRが信用できない人」という認識を持たれてしまい、書類の時点で落とされてしまうと思います。

企業に選んでもらえる差別化をした
2つ目は、説明会や会社のHPを見て、その会社が求めている人物像やその会社の特徴を理解しておくことです。正直、会社は選ばなければいけないことが山ほどあるので、意識しなければ大勢の学生の違いを一つひとつ探すことは難しいと思います。

エントリーシートと履歴書の違いを理解してアピールするコツ

ここからは、エントリーシートと履歴書の違いを理解してアピールするコツについて解説していきます。履歴書とエントリーシートはそれぞれ企業の目的が異なるからこそ、アピールのコツにも違いがあります。どちらでも自分自身を最大限アピールできるよう、アピールの方向性を押さえておきましょう。

D・T
D・T
千葉大学/法政経学部
履歴書とエントリーシートの違いは動機が過去か未来か

エントリーシートと履歴書を書くうえで意識していたことは、志望動機などを裏付けるのが「自分の過去」か「自分の将来像」かの違いです。

履歴書では、自分の学歴や資格などの過去を明示したうえで志望動機やアピールポイントを記入します。そのため、その学歴や資格、バイト経験を参照してもらえるような書き方を意識することで、合理的で納得感を持たせることができます。

エントリーシートでは将来像から逆算したアピールをした
反対にエントリーシートでは、自分が将来こうなりたいからその企業を志望している、という事を具体的に書きます。私の場合は特にキャリアビジョンをイメージしてもらえるように書いていました。

このようにすることで、それぞれで自分の事を違う角度から見てもらうことができ、読み手の自分に対する理解度が上がると思います。注意点としては、この2つを別々に書くときに致命的な矛盾が出ないようにすることや、面接で聞かれた時に答えられるようにしておくことです。

エントリーシートと履歴書で別々のエピソードを盛り込む

エントリーシートと履歴書は同じエピソードでも構いませんが、アピールする内容は同じでも根拠となるエピソードを別々にすると説得力が増します

たとえば「コミュニケーション能力の高さ」をアピールしたい場合、履歴書に「部活で役職決めの時に同期が揉めたが、1人ひとりと個別で話し合いをして打開策を練ったらすんなり役職決めができた」というエピソードを書いたとします。

その場合、エントリーシートには「保険営業のコールセンターでどうしたら新規顧客を獲得できるかを考え、セールス断ろうとしている顧客に理由や悩みを聞きだすことで新規顧客の獲得が1.5倍アップした」と書きます。こうすることで、「コミュニケーション能力の高さ」に説得力が増し、企業側にも人柄が伝わりやすくなるはずです。

パネリストは同じエピソードを盛り込んでいた声が多数!

キャリアステージ編集部

エントリーシートと履歴書で、志望動機やガクチカは同じ内容を記載していましたか?

M・W 学習院大学

同じ内容を記載しました。ただ、履歴書よりエントリーシートの字数が多い場合があり、より具体的に書くように心がけてました。

R・N 4年生大学

同じ内容を記載するようにしていました。理由は、面接において内容が違う場合、混乱してしまう可能性があり、それを懸念に思ったためです。

M・N 4年制大学

内容は同じことを書いていました。ただ、ESは特に細かく書き、履歴書はその要点をまとめるといった形の書き分けはしていました。

H・T 4年制大学

同じ内容を記載していました。しかし、履歴書はESより文字数が少ないことが多かったので、先にESを書いてその内容を添削して履歴書を作成していました。

過去(履歴書)と未来(ES)に一貫性を持たせる

履歴書に書く内容は過去の自分の経歴が中心ですが、エントリーシートは将来の可能性をアピールするためのものです。そのため、履歴書は過去、エントリーシートは過去から思い描かれる未来といったイメージで、一貫性を持たせて書くことが肝心です

たとえば、履歴書で「継続力が強みなので、ダイエットのために毎日1万歩歩くように意識していました」と記入したとします。反対に、エントリーシートでは「継続力を活かして日々最新のIT技術を学びながら、SEとして活躍できるように精進いたします」と書いたとします。こうすることで、過去と未来に一貫性を持たせることができます。

ボリュームや表現の工夫で差別化を図る

多くの場合、履歴書はエントリーシートよりも記入できるスペースが小さいです。そのため、履歴書は自分の強みや特徴を一目でわかるように書くと良いでしょう。

対してエントリーシートは、企業に対する入社意欲や自分の可能性をアピールする書類です。履歴書よりもスペースにゆとりがあるケースが多いので、履歴書以上の分量で熱意を伝え、自分の将来性をアピールすると良いでしょう。

たとえ履歴書とエントリーシートで同じ内容を書くとしても、エントリーシートでは「入社後やりたいこと」など入社後のことをボリュームアップさせて書くと熱意が伝わります

エントリーシートや履歴書の提出前に確認するべき3つのこと

エントリーシートや履歴書の提出前は、必ず内容を読み返しましょう。特に注意して確認するべき事項が3つあります。

1つでも当てはまっていると、採用の合否を左右してしまうケースもあるため、必ずチェックしましょう。

ちょっとした確認不足によって次の選考に進めなくなることも珍しくありません。書類選考で落ちる原因についてはこちらの記事で解説しているので、履歴書やエントリーシートに不安がある人は参考にしましょう。
書類選考に落ちる……体験談付きで合格につながる書き方を徹底解説

パネリストにも確認不足で後悔した経験があった

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
見落としで誤字・脱字や形式の指定を見逃していた……

私の失敗談は2つあります。1つ目は、履歴書内の誤字・脱字です。私は履歴書などは締め切りギリギリに出す癖があったので、文章の見直しを怠り、不出来な状態で提出した経験があります。

2つ目の失敗談は、その企業専用のエントリーシートが指定されているにもかかわらず、学校の履歴書を提出してしまった経験です。これは、私がメール内に添付されていたPDFを見落としていたことが原因です。それ以降、PDFが添付されている可能性を踏まえて、メールは提出日などの期日の確認だけでなく、内容全てに目を通すようになりました。

①誤字脱字がないか

エントリーシートや履歴書など重要書類で誤字脱字をしてしまうと、「大事な書類なのに読み返してないの?」と思われてしまいかねません。

とくに、漢字の間違いや送り仮名の間違いといった初歩的なミスで企業側の印象を下げてしまうことは、非常にもったいないことです。誤字脱字があると「書類の作成時やメールの作成時にも誤字脱字をしてしまうのでは?」と思われてしまうケースもあります。

エントリーシートや履歴書を作成し終わったら、何度も読み返して誤字脱字がないかチェックするようにしましょう

キャリアステージ編集部

どのように誤字・脱字のチェックをおこなっていたか教えてください!

H・Y 4年制大学

ChatGPTを使って誤字脱字チェックをおこなっていました.意外と精度よく修正してくれるのですが、100%を修正してくれるわけではないので、後で友達に見てもらったり、自分で確認したりと何重もチェックしていました。

M・N 4年制大学

私は下書きをWordに書いていたので、それで誤字・脱字だけでなく、文章の間違いもチェックしていました。

M・W 学習院大学

友人や家族に読んでもらうようにしてました。特に24卒の先輩に添削してもらった時には、就活が終わったばっかりだったので、誤字以外のアドバイスもいただけて良かったです!

②言葉遣いが正しいか

エントリーシートや履歴書では、書き言葉で記入する必要があります。日常の話し言葉で使っている言葉をそのまま書いてしまうと、間違っている可能性があります。提出前には正しい言葉で記入できているか確認しましょう。とくに就活生が間違えてしまいやすい言葉遣いは以下の通りです。

・(接続詞としての)なので→そのため(そこで)
・(個人的には~の)的には→私としては
・~じゃない→~ではない
・ちゃんと→しっかり(きちんと)
・多分→おそらく

また、ら抜き言葉やい抜き言葉にも注意が必要です。ら抜き言葉とい抜き言葉の具体例は以下の通りです。

・講義では貴重な知識を得(ら)れる
・御社では他部署との連携も大切にして業務に挑みたいと思って(い)ます

パネリストが言葉遣いや表現で意識したポイントを教えて!

D・T
D・T
千葉大学/法政経学部
正しい言葉遣いと的確な表現を心がけよう

エントリーシートで私がついつい書いてしまいがちなのが、「話し言葉」です。たとえば、「だから」や「なので」という言葉は「したがって」などの書き言葉が正しく、そのまま書くと失礼にあたります。

また、「御社」という言葉もエントリーシートでよく使用していたのですが「貴社」という言葉が書き言葉として適切です。とはいえこのような間違いはあまり重要視されないと個人的には感じます。一番避けるべきは指示語やあいまいな表現だと思っており、こそあど言葉は自分は理解できますが、読み手の立場だとわからないことも多いため注意が必必要です。

また、「さまざまな」や「いろいろな」という言葉を安易に使ってしまうと、それを読んで「実際にどんな内容なの?」と聞かれた時に自分がどういう意図で書いたか思い出せず首を絞めることになりかねません。読み手からの見え方を意識しながら書くことが一番大事なことだと思います。

Y・K
Y・K
4年制大学/文系学部
相手と自分の情報量が違うことに注意!

注意した方が良いものとして、まず「この」や「あの」、「その」などのこそあど言葉を使う時は気をつけるべきだと思います。特にESで自分のことについて記入する際に、自分自身ではわかっているからこそ書いてしまうような文章がありますが、そのような「自分本位な文章」を書く時に上記の言葉を使いすぎてしまう傾向があるかと思います。

しかし、会社の人事の方や面接官は自分のことについて全く知らない状態からその文章を読むため、お互いの前提や「当たり前」が異なります。だからこそ、しっかりと第三者がこの文章を読んでどう感じるか、理解できるかという点は意識しながら文章を書くべきだと思います。

③エントリーシートと履歴書の内容に矛盾がないか

エントリーシートと履歴書の内容に矛盾があると、採用担当者を混乱させてしまい、自分の信憑性にも影響が出てしまう可能性があります。そのため、エントリーシートと履歴書の内容には、一貫性を持たせるようにしましょう。

たとえばエントリーシートに「積極的に行動できる」と書いてある反面、履歴書には「周囲に合わせて行動できる」と書いてあるとします。その場合、採用担当者のなかで「あなた」という人柄をうまくイメージしづらくなってしまいます。エントリーシートと履歴書の内容は照らし合わせて確認し、一貫性があるかチェックしましょう

エントリーシートと履歴書の頻出項目と書き方の違い

エントリーシートと履歴書の頻出項目は以下の通りです。それぞれの頻出項目を押さえたうえで、書き方の違いについて理解しましょう。

・①自己PR
・②志望動機
・③学生時代力を入れたこと
・④入社後に実現したいこと
・⑤趣味・特技
・⑥長所・短所

①自己PR

自己PRは、エントリーシートと履歴書では高確率で記入する項目です。自身の強みがいくつかある場合は、その企業が求める人物像に合った強みをアピールすると効果的にアピールできるでしょう。

企業が求める人物像をイメージする方法は上述の通りですが、ホームページだけでなく、説明会やインターンシップなどに参加してつかむようにしましょう

自己PRの例文

私の強みはリーダーシップです。

私は大学3年生の時のゼミでリーダーを務めました。当時のゼミでは発言する人がいる一方、発言しない人もいました。そこで私はゼミのメンバー全員で成果をあげるために大事なのは「十分な話し合いで意思を統一させること」だと考えました。そのため、週1回のミーティングでは、以下のことを実行しました。

①全員が発言できるように進行する
②メンバーの意見をじっくり聞き、まずは良いと思った点を褒めてから自分の意見を伝える
③全員が納得する結論が出るまで話し合う

その結果、ゼミのメンバー全員が主体的になって「このチームのために自分にできることは何か」を考えるようになり、チームワークが高まりました。また、自分だけで何でもこなすのではなく、メンバーと役割分担をして課題を進められるようになりました。

そのため、入社後も私のリーダーシップを活かして仕事を進めたいと思います。

上記の例文を履歴書に書く場合は、文字数がオーバーしてしまう可能性があります。その場合は①~③を記載せず、「そのため、週1回のミーティングでは、以下のことを実行しました」を「そのため、週1回のミーティングでは、試行錯誤をしてゼミリーダーとして進行を務めあげました」と記載しましょう。こうすることで、強みとなる根拠を簡潔に伝えることができます。

パネリストはどうした? 自己PRを書く時のコツ

キャリアステージ編集部

自己PRを書くとき、内容を履歴書とESでどう差別化したか教えてください。

M・W 学習院大学

履歴書よりエントリーシートの方が分量が多いことが多いので、エントリーシートの場合は履歴書よりもエピソードを濃く書いていました。

Y・A 4年制大学

履歴書では端的に一言で自己PRを書き、エントリーシートでは自己PRを象徴するエピソードまで書くようにしていました。

エントリーシートで魅力的な自己PRを作成する方法についてはこちらを参考にしてください。
内定者が教える! エントリーシートの自己PRの書き方3ステップ

②志望動機

志望動機も自己PRと同様に、エントリーシートと履歴書ではほぼ確実に記入する項目です。志望動機では就活生がどのぐらい業界・企業のことを理解しているのか、どのぐらい熱意があるのかをみます。

志望動機を記入する際は「どうしてその企業でないといけないのか」を明確に書く必要があります

志望動機の例文

私は幼いころから新聞記者に憧れていました。しかし、本格的に新聞記者を志すようになったのは、社会学のゼミで調査し、研究活動に取り組んでからです。「女性が妊娠を希望しなくなったのはなぜか」をテーマに統計調査をおこないながら研究を進めました。すると、若年者層の経済問題や保育環境をめぐる問題などの社会背景が見えてきました。

社会問題に重きを置いた新聞を刊行している貴社で、貴社として真の社会問題を追求し、新聞記者として活躍したいと考えています。

例文では基本的な志望動機を紹介しました。履歴書の場合は例文のように簡潔に志望動機を書くと良いでしょう。

志望動機を書くスペースにゆとりがある場合は、自分の強みと合わせて志望動機を書くとより説得力が増します。もし自分の強みが「リーダーシップを発揮して仲間をまとめあげることが強み」の場合は、自分の強みを明記したうえで「新聞記者として自ら率先して取材をし、情報を世間の皆様にお伝えできるよう、チームメンバーと協力しながら情報発信に努めたいです」と書き加えると将来性もアピールできます。

パネリストはどうした? 志望動機を書く時のコツ

キャリアステージ編集部

志望動機を書くとき、履歴書とESでどう差別化したか教えてください。

Y・K 4年制大学

ESでは、履歴書よりもより具体的に例などを用いて記入するべきだと思います。ESは志望理由だったり具体性がより求められるため、さらに深く書くことをおすすめします。

M・W 学習院大学

履歴書で志望動機を求められることは少ないと思いますが、それを前提に話すとそれぞれで文量が異なるので、志望動機を具体的に書いたり、反対に抽象的に書いたりして調整していました。

エントリーシートの志望動機に書くことがない、どれほど具体的に書けばいいかわからないという人は、この記事を参考にしてみてくださいね。
エントリーシートの志望動機どう書く? 実際に通過した回答を大公開

③学生時代力を入れたこと

学生時代に力を入れたことは、エントリーシートでよく記入する項目です。採用担当者は学生時代に力を入れたことを読んで、その就活生が入社後にどのような仕事ぶりを発揮するのかをイメージします。

課題をどのように克服したのかエピソードを交えて書くと、入社後も同じような姿勢で仕事に取り組むイメージが湧きます

学生時代力を入れたことの例文

私は大学時代、バレーボール部に所属していました。部長として仲間をまとめあげるのはもちろん、日々練習や試合に力を入れていました。私が部長になった当初、強力なアタッカーがいなかったため、どうすれば強いチームになれるか部員たちに相談しました。

そこで連携プレーを強化することで、ライバルとの戦いで勝ち抜いていくことが大事だと結論が出ました。そのため、部員一人ひとりの性格やプレースタイルを部員全員に共有しました。その結果、「こういう状況ではこの戦術で戦う」ということが一人ひとりに浸透していきました。そこで毎年2回戦で敗退していた私たちのチームが、地区大会出場まで成長しました。

私はこの経験で、困難な環境下でも、仲間に相談することを大事に日々鍛錬を積めば、成果につながることがわかりました。

上記の例文を履歴書に書く場合、より簡潔に伝えるためには削れる部分は削ることが大事です。たとえば、「そこで連携プレーを強化し、ライバルとの戦いで勝ち抜いていくことが大事だと結論が出ました」は「そこで連携プレーを強化することが大事だと結論が出ました」と削ることができます。

一方、上記の例文をエントリーシートに書く場合は、焦点を未来に当てることが重要です。そのため、たとえば例文の最後に「入社後も部署を問わずかかわる人とのコミュニケーションを大切にして業務に取り組みます」と加えると、将来のイメージが膨らみます。

キャリアステージ編集部

ガクチカを書くとき、履歴書とエントリーシートで内容を差別化した方法を教えてください。

M・W 学習院大学

基本的に同じように書いていました。しかし、履歴書の場合は、字数制限がない場合が多いので、一度下書きしてエピソードが多すぎるときは、削って書いてました。

Y・A 4年制大学

履歴書はエントリーシートに比べて文字数が少ないため、自分が何をした結果どうなったのかを端的に書き、ESでは取り組む背景やその中の課題、自分の立ち振る舞いなどの詳細も書くようにしていました。

ガクチカの詳しい書き方はこちらの記事で解説しています。エントリーシート・履歴書だけでなく、面接で聞かれることも多い質問なので、効果的なアピールの参考にしましょう。
先輩のガクチカ例文19選|ガクチカの作り方から書き方まで一挙解説

④入社後に実現したいこと

入社後に実現したいことは、エントリーシートでよく聞かれる項目です。就活生が入社後に活躍できるかを判断し、就活生と企業側のミスマッチを防ぐために聞かれます。

そのため、会社説明会でもらった企業紹介のパンフレットをよく読んで、仕事内容を理解しておく必要があります。そのうえで、自分の強みと合わせて入社後に実現したいことを記入すると説得力が増すでしょう

入社後に実現したいことの例文

入社後はアニメのCM制作事業に携わり、今までの経験を活かしたいと思っています。貴社はアニメを使ったビジネスに力を入れています。アニメコンテンツを売りにしてほかの飲食企業とのコラボなど、世間を圧倒させる意外なコラボレーションが魅力的だと思っています。

私は映像研究部でアニメを作成していて、ただおもしろいアニメを作るだけでなく、アニメを活かした広告に興味があります。実際、昨年の文化祭では、ファッションデザイン部とコラボしてアニメを活かしたアパレルを販売し、当日は大盛況でした。この行動力を活かして、貴社の業績に貢献していきたいです。

入社後に実現したいことを履歴書に書く場合は、上記の例文のように簡潔にまとめましょう。一方、入社後に実現したいことをエントリーシートに書く場合は、「なぜアニメを活かした広告に興味を持っているのか」や「どうしてアニメを活かしたアパレルを販売しようと思ったのか」などを掘り下げて書くと深みが増します。

⑤趣味・特技

趣味や特技はエントリーシートでときどき質問される項目です。就活生の人柄を理解するために質問されます。趣味の取り組み方によって、どのように仕事に取り組むのかを想像されることもあります。また、趣味や特技を聞くことで、仕事への適性をはかる場合もあります。

趣味・特技の例文

私の特技はブラインドタッチです。小さいころ、両親がパソコンを買ってきたとき、兄とタイピングゲームをして、どちらがタイピングが早いか競争していました。兄は4歳年上で、何回勝負しても勝つことができませんでした。

しかし、幼少期のタイピング練習の甲斐もあり、今ではキーボードを見ないで文字入力することができます。また、私の趣味は小説を書くことなので、ブラインドタッチが趣味にも活かされています。

上記の例文は質問内容に対して簡潔にまとめられているため、履歴書に記入する例文としては丁度良いボリューム感です。

しかし、エントリーシートに書く場合は、将来に重点を置くのが大事なので、将来をイメージさせるような一文を最後につけ加えると良いでしょう。具体的には「ブラインドタッチを活かし、DTPオペレーターとして素早く業務が遂行できるように精進します」という一文があげられます。

特技が浮かばない人は、こちらの記事がおすすめです。人事の目を引く特技を紹介しています。
おもしろい特技28選|ネタに走ると危険? 特技の探し方や伝え方

⑥長所・短所

長所・短所はエントリーシートでよく書く項目です。企業の求める人物像に合致するかを見極めています。長所と短所に一貫性をもたせるためにも、長所と短所は表裏一体に書くことがおすすめです。また、短所は改善策も合わせて伝えることが大切です。

長所・短所の例文

私の長所は計画性があることです。大学時代、卒業論文の制作時には、卒業論文の提出日から逆算して、「第1章は5月末まで、第2章は6月末まで、第3章は7月末まで、第4章は8月末まで、全体の見直しや訂正は10月末まで」といった形でスケジュールを組み、無事に10月中旬に4万字の卒業論文を提出することができました。

一方で、短所としては心配性なところがあります。そのため、心配を防ぐためにもうまくいかなかった時の対処法をあらかじめ考えて物事に挑むようにしています。

長所と短所は、履歴書に書く場合は、上記の例文のように簡単にまとめると良いでしょう。しかし、エントリーシートに書く場合は、将来をイメージさせる文章を盛り込むことが重要です。

そのため、たとえば長所の例文の最後に「入社後もプロジェクトを遂行させるために余裕をもってスケジュールを組んで仕事に臨みます」という一文を加えると良いでしょう。

履歴書の長所・短所の書き方はこちらの記事で詳しく解説しています。例文も紹介しているため、書き方のイメージを掴むためにも確認しておきましょう。
面接に一歩近づく履歴書の長所・短所の書き方|内定者はこう書いた!

パネリストはどうした? 長所・短所を書く時のコツ

キャリアステージ編集部

長所・短所を書くとき、書く内容を履歴書とESでどう差別化したか教えてください。

H・T 4年制大学

履歴書では簡単に長所と短所の要点を書き、ESではその長所と短所に関するキャッチフレーズを作って書いていました。

M・W 学習院大学

長所・短所は履歴書では一言でまとめられることが多いので、わかりやすくなるように端的に書いてました。エントリーシートには、その具体的な中身も書きました。

内定者からのアドバイス! 履歴書とエントリーシートの違いに関する悩みと対処法

ここからは、履歴書とエントリーシートの違いに関するよくある悩みに回答していきます。「履歴書とエントリーシートを書くことを想定」もしくは、「自分が書いた履歴書とエントリーシートと照らし合わせて」この章を読んで問題解決につなげてみてください。

履歴書とエントリーシートはどちらを先に書くべき?

履歴書とエントリーシートをどちらも提出する場合は、先にエントリーシートを書いてしまうと良いでしょう。なぜなら、履歴書はエントリーシートに比べて記入するスペースに限りがある場合が多く、簡潔にまとめにくいからです。

先にエントリーシートに具体的なエピソードを盛り込んで書き、その後に要約版を履歴書に書けば簡潔にまとめられます

エントリーシートと履歴書のどちらが先か、パネリストの意見はさまざま

キャリアステージ編集部

履歴書とエントリーシートが一緒にもとめられる場合、どちらを先に書くべきでしょうか?

M・W 学習院大学

履歴書だと思います。理由は、エントリーシートよりも志望動機やガクチカが求められなくて、簡単だからです。私は早めに履歴書を書いて、そのあとエントリーシートを書きました。

Y・K 4年制大学

履歴書が先の方が良いと思います。理由としては、履歴書は自分自身の経歴だったり、大まかな自分についてのまとめができたりするため、まずはESの前に履歴書の方がわかりやすいと思います。

H・T 4年制大学

私はエントリーシートから書いていました。その理由は、エントリーシートの方が書く内容が多く、大変なことが多かったので、時間がかかる作業は先に終わらせておきたかったからです。

どうしてもエントリーシートと履歴書の内容が似てしまう……

エントリーシートや履歴書に書いた「強み」や「志望動機」が似ていることは、一貫性があるため良いです。しかし、エントリーシートと履歴書に書く内容で違いを持たせたい場合は、異なるエピソードを用いるのがおすすめです

たとえば、エントリーシートの自己PRでアルバイトの経験から自分の強みをアピールした場合は、履歴書の自己PRではアルバイト以外の経験で同じ強みをアピールしましょう。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
行動や経験の背景をしっかりと伝えよう

履歴書とエントリーシートの内容が似てしまう場合、履歴書ではこれまでやってきたことや経験、経歴などの概要を書き、エントリーシートでは経験という事実の詳細だけでなく、自分がその中でどう考え、その選択肢を選んだかなどの、思考の背景まで書くようにすることで差別化すると良いと思います。

たとえ同じ経験をした人でも、その経験の中でどう考えて周りに働きかけたのか、どう思って行動したのかの部分にパーソナリティが現れると思うので、エントリーシートではそこを強調しました。

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
あえて同じ内容で一貫性を持たせるのも戦略

私はESと履歴書の内容が似てしまうのは特に問題ないと考えています。その理由は、全く違う内容を書いてしまうと、話に一貫性がない人だと思われてしまうからです。私はその一貫性が失われるのであれば、ある程度似た内容を書いて一貫性を保つべきだと思っています。

しかし、どうしても書き方を変えたいのであれば、履歴書では大まかに概要を書いて、ESではその内容の詳細を書くのがおすすめです。履歴書の方がESよりも文字数が少ないため、文字数に応じてアピール方法を変えるのも効果的だと思います。

エントリーシートと履歴書の文字数調整が難しい……

エントリーシートと履歴書の文字数を調整したい場合は、エピソードの内容の表現を変えるなどして簡潔にまとめたり、文章を削ったりして文字数を減らしましょう。逆に文字数を増やしたい場合も、エピソードを膨らませて書くのがおすすめです。

パネリストが実践した履歴書で簡潔にまとめるコツ

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
内容を修飾する部分を極力そぎ落とした

私はESの中で具体的に書きすぎていた部分を、履歴書では削除していました。

具体的には、「この話がなくてもある程度は伝わるな」と思った部分や、「ちょっと詳しく書きすぎてるな」と思った部分を添削し、場合によっては削除して少なくしていました。

反対に履歴書にも書いていたものは、伝えたい内容の結論です。結論はなによりも大事なので、私が今からどの内容について話したいのかという部分を示すためにも、そこだけは省きませんでした。慣れると簡単に添削できるようになるため、まずはESを書いてその内容をもとに履歴書を作成することをおすすめします。

K・T
K・T
明治大学大学院/教養デザイン研究科
簡潔な情報のみで自分のアピールにつなげた

新卒で履歴書を書く際には、限られた枠を有効に使うために、以下の点を意識しました。

まず、応募先企業にとって重要でない情報を削除し、学歴や職歴は最新のものだけを記載した後に、長々とした表現を避けながら簡潔で明確な言葉を使いました。

また、箇条書きを活用すると情報が整理され見やすくなるため、具体的な数字や実績を挙げて、学業やインターンシップでの成果を強調しながら自身のアピールポイントを明確に伝える事を心がけています。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
誰にでもわかる表現で簡潔さを意識しよう

履歴書を書く際には、「事象」をベースとして書くことを意識すると良いと思います。

具体的には、どのような経歴を持っているか、どのような資格を持っているか、何を学んだかなどについて端的に事実を書き、経歴をアピールすることを心がけます。

また、一目見て履歴書の内容を把握してもらうため、箇条書きで書くことや、ひとつの経験に対して50文字程度にまとめて書いていくなど、誰が見てもわかることだけを書くと良いと思います。

反対に文字数が足りないときはどうやって完成させた?

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
省略語と表現の見直しで文字数を稼ぐ!

文字数が足りない場合には、以下の2つの方法をおこなうのがおすすめです。

まず、全体の文章を読み直して、省略語が出てこないか確認しましょう。もしあった場合はその修飾語の修正をします。自然と普段から省略してしまっている言葉を使っている可能性があるため、正しい言葉に直すことで文字数を多くすることができます。

2つ目に、抽象的な表現になっている部分を、より具体的な表現に治すことも効果的です。たとえば、「尽力しました」と記載している部分を「誰よりも成果をあげるため、日々努力を重ねました」という風に具体的にすると文字数を増やすこともでき、かつその時の状況も伝わりやすくなります。

Y・K
Y・K
4年制大学/文系学部
略語と接続詞を見直してみよう

文字数が足りない場合は、略語がないか、という点を確認するのはおすすめです。

ESを書く際に多いのは、意外と普段の日常生活で話すような口語の言葉を使ってしまったり、丁寧な言葉を少し略して書いてしまっている場合が多いため、しっかりと確認すれば文字数を増やすことができる可能性が高いです。

また、それでも足りない場合は接続詞を見直すというのもおすすめです。接続詞はさまざまな種類があり、意外と普段使っているものよりも文字数が多く、しかもより適切な表現に直せる接続詞もあるため、ネットなどで調べながらチェックしてみてください。

エントリーシートと履歴書の違いを理解して書類選考を突破しよう

エントリーシートと履歴書は使用目的が異なるため、それぞれの役割を理解したうえで自分の魅力をアピールしましょう。エントリーシートは採用を決める際に使用する用紙であるため、自分の将来性をアピールすることが大事です。

一方で、履歴書は個人データなので、過去の経歴を簡潔に正確に伝えることが重要です。それぞれの役割を理解しないまま記入すると、採用担当者の意図に沿わないアピールになってしまう恐れがあります。

この記事を参考に、採用担当者の心に刺さるエントリーシートと履歴書を作成してみてください。

編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる