「大学で学んだこと」のベストな伝え方を押さえて好印象につなげよう
「大学で学んだことってどのように答えるのが正解なの?」
「そもそも話す内容が思いつかない」
「大学で学んだこと」は、面接やエントリーシート(ES)でよく聞かれる頻出質問です。しかし、大学での学びをどのように企業に伝えるのが適切なのか、回答に迷ってしまう学生も少なくありません。採用担当の意図から逸れた回答をしてしまうと、マイナスな印象につながってしまうことも。
この記事では、「大学で学んだこと」の作成方法やアピールするコツを現役就活生の経験談や例文を交えて解説します。回答や作成に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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そもそも企業が「大学で学んだこと」を聞く意図とは
まずは、企業が「大学で学んだこと」を聞く意図をしっかりと理解することが重要です。企業の意図を踏まえた回答を意識することで、好印象につながりやすくなるからです。ここでしっかりポイントをおさえましょう。
勉学に励む姿勢から「人柄」や「強み」を知るため
大学への勉強への取り組み方は、人それぞれです。そのため、企業は「大学で学んだこと」から、学生の「人柄」や「強み」を把握したいと考えています。また、企業の社風に学生がマッチしているか判断したいという狙いもあります。
たとえば、以下2人の学生がいた時、あなたはそれぞれの学生に対してどのような印象を抱くでしょうか。
- Aさん:ゼミ活動ではリーダーに立候補し、15人のゼミ生の意見交換が活発になるように努めた
- Bさん:ゼミ活動ではリーダーのサポートに徹して、主に研究発表までのスケジュール管理をおこなった
まずAさんは、リーダーに自ら立候補するという主体性や、積極性を持っていると想像できます。また、ゼミ生の意見交換がより活発になるように、周りに働きかける力や場を引っ張るリーダーシップが強みであるという印象を受けます。
それに対してBさんは、Aさんほどリーダーシップがあるようには見えません。しかし、リーダーを支えるサポート力や、緻密にスケジュール管理をおこなえる計画性を持っているという印象を受けます。
このように、企業は学生の学業への取り組み方から「人柄」や「強み」を理解し、学生への理解度をより上げようとしているのです。
大学での学びの経験を「自社で発揮できるか」確認するため
企業は、自社の成長に貢献できる人材を求めています。そのため、「大学で学んだこと」を通じて学生の能力やスキルを知り、学生の経験が「自社で発揮できるか」を見極めています。
また、ここでの「能力」や「スキル」は、専門的な学問の知識だけではありません。たとえば、ゼミ活動を通じて「成果が出るまで諦めない粘り強さを学んだ」という学生がいるとします。この場合、企業は「自社に入社しても、この忍耐力を活かして活躍してくれそう」と考えるでしょう。
つまり、企業は知識だけでなく、仕事を遂行するうえで必要不可欠な「人間力」にも注目しているのです。
採用担当経験者に聞く! 「大学で学んだこと」を聞く意図とは

質問の意図としては、大きく分けて2つあります。1つ目は、大学で学んだことのエピソードを通して学生の人柄や価値観を知りたいという意図です。2つ目は、学んだことやその過程(挫折や工夫など含む)を確認し、自社の中で活かせるスキルや考え方があるか・親和性のある経験をしているか、などを確認するためです。
具体的に目標やゴールを掲げ努力した経験や、壁にぶつかったときにどう乗り越え良い結果につなげたのかが理解できる回答は好印象につながるかと思います。
反対に、取り上げるテーマ自体はなんでもOKですが、あまりに当たり前の回答(専攻している学問の知識など)や短すぎる回答(指定の1/3程度)などは良い印象につながらないかと思います。

「大学で学んだこと」を聞く意図として「大学時代にどのようなことを学んできて、就職後にそれをどのように活かすことができるのかを考えるため」というのがあります。
マイナスな印象だなと思う回答は、就活後仕事にまったく活かせそうにないことに関しての回答です。なぜなら、どれだけ立派なことを回答してもらっても、その職種とあまりにかけ離れているのであれば、「違う業種の企業に行かれたほうが良いのでは?」と思うからです。
内定者の回答から学ぶ「大学で学んだこと」のベストアンサー
「先輩たちは、面接やESでどのように回答したのだろう……」
就活の先輩たちが、実際にどのように回答したのか気になる人も多いでしょう。ここからは、実際に選考を経験した先輩たちが「大学で学んだこと」をどのように回答したのかを紹介していきます。
実際に回答した内容をチェックし、自分の回答を練る際の参考にしてみてくださいね。

私は、「大学で学んだこと」に関して、以下のように答えていました。
「私は、経済学を専攻していました。ここでは、専門的な知識を深めるだけでなく、実際の社会問題や課題にどのように役立てるかを考える力を学びました。具体的には、経済学の授業で学んだ『経済理論』をもとに、現実の社会問題(たとえば格差や失業)の解決方法を考えるグループワークをおこないました。この経験を通じて、理論と現実をつなげる重要性を実感し、企業で問題解決に向けたアプローチをする際に活かせると考えています」
学びを仕事でどう活かせるかを紐づけて語ろう
回答で工夫した点は、抽象的な話ではなく、実際に取り組んだ課題やプロジェクトを具体的に挙げて説明したことです。また、学びがどのように企業で活かせるかを結びつけることで、自己PRかつ前向きな印象を与えられるように意識していました。

私が実際に面接で伝えていた回答例を紹介します。
「私は、授業のグループワークで5人ほどのメンバーと協力してアプリ開発をおこないました。特に意識して伝えたポイントは、自分の強みである「計画性」を活かしてチームの進行管理やスケジュール調整を担ったことです。グループワークでは各メンバーの強みや特徴が異なるため、それぞれの役割を明確にし、プロジェクトを円滑に進められるように工夫しました。具体的には、自分が中心となって全体のスケジュールを組み立て、定期的に進捗状況を確認し、遅れが生じた場合はメンバーと話し合って早めに対策を立てました。このように計画的に行動した結果、期限内にアプリを完成させることができました」
自分の強みをチーム活動でどのように発揮したのかを伝えよう
回答の際には、面接官には自分の強みをどのようにチームに貢献させ、課題を解決したのかをわかりやすく伝えるように工夫しました。

私は、以下のように回答しました。
「私の研究は、医療データから病名を予測することに焦点を当てています。具体的には、画像データ、検査データ、そして電子カルテのデータの3つのデータを使用して、より正確な病名予測を試みています。
1つ目に、検査数値などの個人情報データは、本格的に研究室に属する4年生から使用が認められるため、この研究では、あるデータセットを利用しました。2つ目に、画像データについてですが、これで苦労したのは、特徴量が膨大な数になり、データの扱いが困難だった点です。最終的に、満足できる結果には至りませんでした。このような結果になった要因として『特徴量が多すぎること』と『おこなう必要がなかった工程を踏んだこと』ということが考えられました。そこで、別の手法を試みました。
それが、転移学習による病名予想です。これにより、非常に高い正解率を達成できました。この結果から、3つのデータによる病名予測について、人間の脳の神経回路を模した機械学習モデルであるニューラルネットワークを用いることができれば、高い予測精度につながるのではないかと考えました。今後は、そこに着目した研究をおこなう予定です。
3つ目に、電子カルテのデータについてです。これは実際のデータを扱いました。しかし病名についてラベルがなく、診断された病名がそれぞれ異なり、さらにその件数が数件であったため、学習が困難でした。
昨今、電子カルテは病院によりさまざまな形式でプログラミングが構築されています。しかし、集約されるデータから導き出す疾患名は共通しており、一貫性がなければ誤診につながる恐れが懸念されます。私が着目したのは、この電子カルテを共通なプラットフォームに構築し、各病院・医師が共有できるシステムづくりです」
相手に話の流れを理解してもらえるように構成を意識しよう
このように回答しましたが、私の研究分野は専門性がかなり高く、端的に回答するのは難しかったです。そのため、はじめに研究内容の概要を伝えました。
そして、「1つ目は~」と接続フレーズを活用して面接官に話の流れを理解しやすく伝えることがコツだと思います。また、研究の過程で困難だったこと、施策、結果をできるだけ簡潔にまとめることを意識しました。

私が面接で実際に答えた内容は、以下のものです。
「私は『組合せ最適化』について研究しました。組合せ最適化とは、日常で使われている例を挙げると、電車の路線案内のアプリが当てはまります。出発駅と到着駅を入力すると、その間の最短のルートが計算されますが、これの計算に組合せ最適化のアルゴリズムが使用されています。
この研究では、相手が達成したい条件・要望を言語化することが非常に難しいと感じました。事前のヒアリング調査で相手の考慮している条件や制約を可能な限り言語化してもらいましたが、私が考案した結果を見せた後に新たな要望や考えが相手から出ることがありました。
これは、多くの条件が当たり前すぎて認識されていないためだと考えました。データサイエンティストとして働く際も、同様の課題があると思います。そのため、クライアントの課題解決には、1回のヒアリングですべての条件を洗い出すのではなく、複数回のヒアリングを前提にスケジュールを組むことが重要だと学びました」
具体例を交えて面接官に研究内容をイメージしやすく伝えよう
回答の際に工夫した点は、自分の研究内容を具体例を用いて説明することで、面接官がより理解しやすいように伝えることです。
具体的には、「自分の研究内容が世の中でどう使われているか」「世の中の問題をどう解決できるか」と考え、実務での応用ができる場面を初心者の人にもわかるように説明していました。そうすることで、よりイメージしやすく伝えらえていたと思います。

私は面接で、卒論や一番印象に残った授業について聞かれたことがあります。卒論については、大学内でジェンダーに関する授業を学び、それについてもっと深く知りたいと思ったためジェンダー関連のゼミに入り、卒論を仕上げた話をしました。
印象に残った授業については、授業内で映画鑑賞をする際、それを宣伝する方法について議論したことを中心に話しました。実際に見た映画は差別や戦争についての内容だったので、学んでいない人には興味がそそられる可能性が低い内容です。そのため、どうしたら興味を持ってもらえるかを考えた宣伝が一番難しかったことを伝えました。
そう思った経緯や自分の考えなど「思考の部分」を明確に伝えよう
回答のときに工夫したポイントは、置かれた状況で自分が思ったことや考えた経緯について伝えることです。「私はこういう考えを持っている人だ」ということをアピールしていました。
また、卒論についての話は面接官の方と特に盛り上がった話題でした。私はジェンダー関連の卒論を作成していたので、今話題のトピックであることもあり、深掘りされても話しやすかったです。大学で学んだことが思いつかないという人も、卒論は書いている途中の人が多いと思うので、卒論を中心に話してみても良いと思います。
【学部別】 「大学で学んだこと」の回答例文10選
ここからは、学部別に「大学で学んだこと」の回答例文を紹介します。自分が所属している学部の例文をチェックし、回答のイメージを膨らませましょう。
①経済学部
経済学部の例文
私は経済学部で、専門的な知識を相手の立場に立って提案する大切さを学びました。
金融資産運用論の授業で「20代の資産形成と意識」というアンケート課題に取り組みました。30人へのインタビューを目標に取り組みましたが、資産運用に無関心な人が多く苦労しました。
そこで私は、経済学部で学んだ知識を活かし、資産運用に関する情報をわかりやすく提示し、興味を抱かせるような工夫をしました。たとえば、クイズ形式での質問や投資シミュレーションを使った説明などです。その結果、資産運用への不安や知識不足など、具体的な回答が集まり課題を完成させることができました。この経験から、相手ごとの状況や知識に合わせた説明や、興味付けの重要性を学びました。
御社で働く際にも、顧客が金融商品に興味を持ち理解してもらう工夫が必要だと考えています。この経験を活かし、顧客の金融リテラシーに合わせた提案で成約を取れるように尽力します。
難しい専門知識を、相手の立場に立って伝える重要性を学んだことがわかる例文です。専門知識が求められる志望企業で、経済学部での学びをどのように活かせるかアピールできている点が良いですね。
②経営学部
経営学部の例文
私は大学でマーケティングを専攻し、消費者の購買行動に影響を与える要因や、売れる仕組みについて学びました。
所属するゼミでは、グループプロジェクトとして新製品のマーケティング戦略を立案しました。私たちのチームは「30代女性向けのルームウェア」というテーマのもと、コンセプト設計からブランドポジショニング、広告戦略の立案までをおこない、グループで発表しました。その結果、5チームのなかから最優秀賞を受賞しました。
この経験を通じて、マーケティング戦略の立案や市場分析のスキルを身に付け、実践的な知識を深めることができました。御社でもマーケティング職として、ターゲットに響く付加価値の高い商品を企画・提案し、貢献したいと考えています。
この例文では、はじめに大学での学びを簡潔に伝えてから、ゼミ活動の概要をわかりやすく伝えています。数字を用いることで、状況や背景をより具体的に想像しやすくなります。
③法学部
法学部の例文
私は大学で法学を専攻し、主に民法、憲法、刑法などの基礎的な法律を学びました。
ゼミ活動では実際の裁判例を取り上げ、8人のチームでグループディスカッションをおこないました。そのなかで、相手チームの意見を理解しつつ、論理的に整理し、自分の意見を主張する力を養いました。
この経験を通じて、異なる立場の意見を尊重しながら、自分の考えを論理的に伝えるスキルを身に付けました。多様な意見交換を重視する御社においても、この強みを活かし、円滑なコミュニケーションと論理的な議論を通じて貢献していきたいと考えています。
ゼミ活動を通じてどのような能力を身に付けることができたのかを具体的に伝えられている例文です。また、志望先企業との共通点を示すことで、企業と自分のマッチ度の高さをアピールすることができています。
④文学部
文学部の例文
文学部に所属し「興味を追求する大切さ」を学びました。
私は幼少期から小説が好きで、その知識を深めたいと思い文学部を志望しました。入学してからは、日本文学に関する授業を専攻しています。さらに、授業の合間や週末には、大学の図書館で夏目漱石や芥川龍之介などの作品や生き方を自主的に調べています。
彼らに関する情報は限られているため、一つの作品のとらえ方を変えて多角的に分析する力が身に付きました。その結果、普段つらいことがあっても「彼らならどう解決するだろう」「違った視点で考えられないだろうか」などと、視野が広がり精神的な成長にもつながっています。
御社に入社後も、主体的に行動する姿勢を大切にしながら業務に取り組みます。
追求心や自主性など、どのような業界や企業でも評価してもらいやすい強みを持つ人材だと伝わる例文です。文学部での学びを日常でどのように活かしているか伝えることで、業務での再現性の高さもアピールできています。
⑤社会学部
社会学部の例文
私は、社会学部での勉強を通して、異なる価値観や意見を尊重する重要性を学びました。
社会学部では、民俗学という授業があり、大学がある地域の文化を学ぶ機会があります。その課題として、地域住民に「この地域ならではの慣習」を聞くインタビューを実施しました。
同じ慣習でも10代と60代ではとらえ方が異なり、価値観の違いを感じ初めは戸惑いました。しかし、深掘りして話を聞くなかで、それぞれに明確な意見や他人を尊重する思いがあると気付きました。
この経験から「異なる考えでも、頭ごなしに否定せず聞く大切さ」を実感しました。多様な視点や尊重する姿勢が、良い人間関係につながるのだと感じます。
企業や顧客のなかにも、多様な意見を持つさまざまな方がいると思います。どのような相手でも、尊重し協力しながら業務できる人材でありたいです。
社会学部の授業をきっかけに、価値観が変わった経験を伝えている例文です。価値観が変わった際の素直な感情を伝えることで、自分にしかアピールできない大学で学んだことになっている点もポイントです。
⑥心理学部
心理学部の例文
私は心理学部で勉強するなかで「知識を実践する大切さ」を学びました。
心理学部では多くの生徒が、心理カウンセリングの授業に参加します。しかし、学んだ知識を活かせる場面が限られていました。私は「活かせない知識は無駄だ」と考え、友人を相手に実践しました。
たとえば、アルバイト先の人間関係に悩んでいる友人の相談に乗り、ロジャーズの三原則(共感・肯定・信頼構築)を意識するなどです。継続するうちに「気持ちが楽になる」と評判が広まり、今では「心理学部の駆け込み寺」とあだ名が付いています。この経験から、勉強は活かせる知識に変えてこそ価値があると学びました。
御社に入社後は、業務で必要な知識を吸収し、誰よりも早く実践レベルまで落とし込みます。そして、1日でも早く即戦力として売上に貢献できるよう尽力します。
なぜ取り組もうと思ったかが伝わるため、感情や人柄がわかる例文です。取り組みの結果として、周囲からの評判をあだ名を使ってアピールできている点も、リアリティを感じられて良いですね。
⑦工学部
工学部の例文
私は工学部で勉強するなかで、抽象的な視点で物事を考える大切さを学びました。
ゼミに所属し、主に人類や動物の進化を工学設計に活かす研究をしています。たとえば、水中でも自在に動けるロボットを開発するために、魚の動きを取り入れられないか研究しています。
しかし、立てた仮説がうまくいかず困難の連続でした。そのようななか、教授に相談した際に「原理を抽象化して考えることが大切だ」とアドバイスをいただいてから視点が変わり、研究がスムーズに進むようになりました。
それ以来、研究や人間関係、アルバイトなどで思い悩んでも「視野を広げてみよう」と、俯瞰して考える力が身に付きました。抽象的に考える視点は、人生のどの場面でも役立つと学びました。
私は御社の研究職を志望しています。入社後も、抽象と具体の考えを行き来することで、難易度の高い製品でも開発できる技術者になります。
周囲からのアドバイスをきっかけに、工学部での研究や人間関係、アルバイトなどに活かせる視点を学んだ例文です。志望職種を伝えたうえで、大学で学んだことの活かし方を説明できているため志望度の高さも伝わりますね。
⑧薬学部
薬学部の例文
私は薬学部に所属し、人の命を預かる責任について学びました。
薬学部では、薬の調剤に関する知識を身に付けたり、実際の調剤練習をしたりします。しかし、ある程度の知識が付き、気が緩みはじめた大学2年生の頃、調剤練習で計量ミスをしてしまいました。
先生から「実際の現場なら患者さんの命にかかわる重大なミスだ」とお叱りを受け、とても落ち込んだ経験があります。それからは同じミスを繰り返さないために、計量過程を紙に書き出したり指差し確認をしたり、ダブルチェックを依頼するなど工夫し、今まで一度もミスをしていません。
この経験から、薬剤師としての責任感や、薬剤師として顧客の命を預かる覚悟がいっそう高まりました。御社でも、自分の行動が周囲に与える影響を考え、責任を持って業務に取り組みます。
志望職種で働くために、薬学部で必要なことを学んだ経験が伝わる例文です。ミスをしてしまった経験でも、成長につなげられているエピソードのため、ポジティブに受け取ってもらえますよ。
⑨理学部
理学部の例文
私は、理学部で物理学を勉強するなかで「周囲に流されずに、努力し続ける大切さ」を学びました。
専攻している物理学のゼミでは複雑な内容が多く、行き詰まることが多々ありました。周りが諦めモードに入るなか、私は「必ず突破口があるはず」と考え、教授に質問したり、300ページほどある難解な参考書を「毎日1冊は読破する」と決め行動し続けました。
これらを6カ月諦めずに継続した結果、徐々に教授の話を理解できるようになりました。今ではゼミ内の誰よりも、物理に関する知識があると自信を持って言えます。
私はコンサルティング職を志望しているのですが、業務でも解決案が出ず悩むケースがあると思います。しかしそのような状況でも、決してめげずに結果が出るまで取り組み、顧客の役に立つ人材になります。
例文では、努力の過程が伝わるように、勉強量や継続した期間を数字で説明できています。成果を出すために、努力できる人材を求めている企業はたくさんあります。例文のような大学で学んだことがないか、経験を振り返ってみてくださいね。
⑩情報学部
情報学部の例文
私は情報学部に所属し、自己研鑽し続ける大切さを学びました。
大学1年生の冬に「せっかく情報学部に入学したのに、何も成し遂げられていない」と危機感を覚えていました。そこで、大学卒業までにHTML、CSS、PHP、Ruby、Javaを習得するという目標を設定し行動しました。
初めはまったく理解できず苦労しました。しかし、毎日コードを200行以上は書く、どれだけ忙しくても平日は3時間、週末は5時間勉強すると決め3年間継続しました。「一度でも辞めると諦め癖がついてしまう」と言い聞かせ、頑張ってきました。
その結果、今では簡単なWebサイトの開発・デザインができるまでになっています。この経験から、継続的な努力の重要性を学びました。
御社でも、初めは役に立てる場面が少ないかと思います。ですが、この経験のように地道に努力を継続し、数年後にはなくてはならない存在のプログラマーになります。
挫折しそうな状況でも、諦めずに取り組める人柄が伝わる例文です。例文のように、大学で学んだことが志望職種でも活かせる内容なら、即戦力になる人材としても評価してもらえるでしょう。
【エピソード別】 「大学で学んだこと」の回答例文5選
ここからは、エピソード別に「大学で学んだこと」の回答例文を紹介します。自分の経験と照らし合わせて、回答作成時の参考にしてみてくださいね。
①大学での講義
大学での講義の例文
私は、大学での講義で「学び続ける楽しさ」を実感しました。
入学した大学は第2志望だったため、どこか劣等感を感じていました。そこで「4年間で後悔を晴らしたい」と考え、最大の48単位まで授業を取り勉強に励みました。平日は毎日2時間の予習、週末は授業で学んだ内容の参考書を読むことを4年生になった今も継続しているほどです。
その甲斐もあり、大学の成績は入学時からGPA3.5以上を維持できています。現状に満足していなくても、自分の力で道を切り開けると学びました。
御社でもし希望の環境で業務ができなかったとしても、この経験のように100%の力を出し、結果を残せる社員になります。
後悔や劣等感を感じている環境でも、腐らずに前を向いて努力できる人間性が伝わる例文です。希望の配属先でなくても頑張る姿勢が伝わるため、志望度の高さを感じられて良いですね。
②ゼミ活動・研究室
ゼミ活動・研究室の例文
私は大学で、行動経済学をテーマにしたゼミに所属し、「より納得度の高い意思決定をするためには」というテーマで、4人グループで約半年間研究をおこないました。
研究発表に向けて、テーマの策定から調査の取りまとめ、発表練習まで、すべてをグループ内でおこなう必要がありました。しかし、進行管理が難しく、スムーズに進めるための明確な計画が必要不可欠でした。
そこで私は、研究発表までに必要な作業をリストアップし、優先順位を考えました。そのうえで、「何を・いつまでに終わらせるべきか」を明確にし、スケジュールを立てて適宜グループメンバーに共有しました。
その結果、研究を円滑に進めることができ、約150人へのアンケート調査を実施し、研究結果をまとめることができました。
御社で働くうえでも、計画性は円滑に業務を進めるうえで重要だと考えています。この経験で培った計画力を活かし、業務の優先順位を的確に判断しながら、確実に実行することで貢献していきたいです。
グループ研究を進めるなかでの、自分自身の役割や努力した点を具体的に伝えられています。チーム全体で取り組んだことではなく、自分自身がおこなったことを中心に伝えることがポイントです。
③実習
実習の例文
私は教育学部に所属し、約1カ月、中学校での教育実習に参加しました。
最も印象に残っているのは、生徒一人ひとりに合った指導の大切さを実感したことです。初めは計画書通りに授業を円滑に進めることを重要視していましたが、実際の授業では、生徒の理解度や反応に応じて臨機応変に対応する力が必要だと気づきました。そのため、授業後には約30人の生徒一人ひとりに声をかけたり、指導方法を状況に応じて練り直すことで、「先生の授業がわかりやすい」と生徒から言ってもらえる機会が増えました。
この経験を通じて、計画を立てながらも状況に応じた柔軟な対応をする力や、相手の立場を考えてコミュニケーションを取る力が身に付きました。教育業界に限らず、社会に出てもこの学びを活かし、周囲と協力しながら成果を出していきたいと考えています。
教育実習の経験を通じて得た学びと、その学びを今後どのように活かしていきたいかが具体的に伝えられている例文です。この例文から、多くの企業が求める柔軟性やコミュニケーション能力をアピールすることができます。
④留学
留学の例文
私は国際学部に所属し、フランスに約8カ月間留学しました。
中高生の頃からフランスの文化や言語に興味があり、現地で多くのフランス人と交流するうえで文化や言語をさらに深く学びたいと思ったのがきっかけです。はじめは現地の方のフランス語が理解できず、スムーズに会話をすることができませんでした。しかし、毎日の授業に加えて3時間の単語学習を継続し、大学や電車などで現地の方に積極的に話しかけることを意識しました。その結果、現地の方のフランス語を一度で理解できるようになり、コミュニケーションを円滑に取れるようになりました。
この経験を通じて、困難な状況でも自己研鑽に努めることの重要性を学びました。御社で働くうえでも、結果がすぐに出なくても自己研鑽を重ね、活躍していきたいです。
フランスへの留学の動機や、困難、それに対する取り組みを簡潔に伝えらえれている例文です。すぐに結果が出なくても粘り強く努力する姿勢は、社会人に必要とされる重要な能力のため好印象につながります。
⑤学内イベント
学内イベントの例文
大学では、自分の意見を押し通すのではなく、折衷案を考えチームをまとめる大切さを学びました。
私はフットサルサークルに所属しています。大学3年生のときに、学園祭にサークルで出店することが決まりました。しかし、出店内容の意見が2つに分かれ、準備が進まない状況になりました。
それぞれが自分の意見を通すことを目的にしているなか、私は「全員が納得できる案でなければ議論は平行線のままだ」と考え、仲介役に徹しました。特に意識した点は、発言が少ない人にも話を振りながら進めたことです。全員が当事者意識を持って議論を進められたおかげで、それぞれの良い点を組み合わせた出店内容がまとまりました。
営業では、意見を押し付けるのではなく、顧客の考えを聞いたり尊重したりするほうが大切だと聞きました。御社でもこの経験を活かし「◯◯さんからなら安心して商品を購入できる」と、信頼してもらえる営業担当を目指します。
学園祭の話し合いで意見が分かれた際、仲介役としてチームをまとめた例文です。多くの企業では、チームで業務を進めます。意見が対立した際、利己的になるのではなく、チームのためを思って行動できる人材は重宝されるでしょう。
「大学で学んだこと」を回答する際の3つの事前準備
「大学で学んだこと」を効果的に伝えるためには、事前準備が必須です。まずは、回答を組み立てるにあたって必要な材料を洗い出しておきましょう。先輩の経験談も参考にしながら、準備を進めてみてくださいね。
①所属していたゼミの活動や履修した講義を振り返る
大学入学時から現在までの履修科目をすべて鮮明に覚えている就活生は多くはないでしょう。特に大学1・2年生の講義は、時間が経過していて忘れてしまっているかもしれません。
しかし、就活で活用できるエピソードが潜んでいるかもしれないので、まずは成績表や時間割から自身の履修科目を振り返ることが大切です。
振り返る際には、以下6つのカテゴリーで分類して、それぞれの項目に当てはまる履修科目を書き出してみましょう。書き出してこれまでの経験を可視化することが重要です。
- 好きだった科目
- 専攻していた科目
- 好成績だった科目
- 最初は苦手意識があったが乗り越えた科目
- 単位を取るのに苦労した科目
- 印象に残っている科目
それぞれの項目に該当する科目を挙げられたら、「それはなぜ?」と深掘りしてみましょう。深掘りすることで、これまで気づかなかった価値観や志向性が明らかになり、さらに自己理解が深まります。
深掘りの例
- 心理学が好きだった
→なぜ?
→人の思考や行動の仕組みを知ることがおもしろかったから
→働くうえでも、人の思考や行動に何らかの影響を与えられる仕事だと面白そう - 計量経済学に興味を持てなかった
→なぜ?
→数字を扱い、データをまとめることが苦手だったから
→働くうえでも、数字と常に向き合うマーケティングの仕事は向いていないかも
就活を経験した先輩たちにも、大学での学びを振り返る際に意識していたポイントを聞いてみました。

ゼミ活動や講義を振り返る際に意識していたポイントや、振り返る際の具体的な方法を教えてください!

私は、ゼミ活動について振り返る時に、自分がどのような立ち回り、役割をしていたのか主観的に、客観的に考えることを意識しました。

私は、振り返る際には特に「成果・功績」に着目しました。 料理でたとえるとするなら、自分のためになった本題を「メインディッシュ」として、そこへむけてのエピソードを「前菜」のように付け加えるような方法をとりました。最後は、さらに貴社でどのように飛躍させ成長したいかといった「デザート」を付けて、一連の流れをレストランのフルコースのように結びつけて、過去経験の振り返りをおこないました。 あくまで個人的なイメージですが、このような順番で要素を考えると良いと思います。
なお、どんな質問に対する回答でも、回答を準備するために自己分析は非常に重要です。自己分析の方法について、さらに詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
②どのような学びにつながったのかを抽象化する
次に、それぞれの履修科目から学んだことをまとめましょう。ここでは、専門的な知識を仕事に活かせるように汎用性の高いスキルに抽象化することが大切です。
実際、大学で学んだ専門知識がそのまま仕事に活かせることは少ないです。その場合、企業は「大学で学んだ専門知識を直接仕事に活かせなくても、学んだことを活かしてどのように活躍してくれる人材なのか」を把握したいと考えています。そのため、社会人として働くうえでより多くの場面で大学で学んだことを活かせるように、学んだことを抽象化してみましょう。
たとえば、以下を参考にしてみてください。
- ミクロ経済学のゲーム理論でナッシュ均衡について学んだ
→個人や企業の意思決定について学んだ - 社会学でジェンダーや「社会的性差」がどのようなものであるかを学んだ
→社会や人間、社会と人間の関係について学んだ
③入社後それをどのように活かせるのかを考える
最後に、大学での学びを入社後にどのように活かせるのかをまとめましょう。繰り返しになりますが、企業は大学での勉学を通じて学んだ知識やスキルを活かして、活躍できる人材を求めています。
たとえば、「相手に寄り添った提案をすることで、顧客の課題を解決して活躍していきたい」「目標から逆算して緻密に計画を立てることで、業務を着実におこない御社に貢献していきたい」などです。
なお、志望企業によって、「大学での学びをどのように活かして企業に貢献できるか」を言語化し結び付けることが大切です。志望企業がどのような能力や素質を持った人材を求めているか調べたうえで、考えてみましょう。
「大学で学んだこと」を伝える時の基本構成
ここからは、「大学で学んだこと」を面接やESで聞かれた際に伝える時の回答の構成を紹介します。
事前準備で洗い出した経験をエピソードごとに整理し、組み立てることで、伝わりやすい回答になります。それぞれのステップに沿って回答を組み立てて、自分だけの回答を作成しましょう。
例文 | |
---|---|
①大学で何を学んだか(結論) | 私は大学で○○について学びました。 |
②具体的なエピソード | ゼミ活動では〇〇をテーマに○○の研究をおこないました。 |
③②から得た学び | この経験から〇〇を学びました。 |
④入社後の活かし方 | 御社で働くうえでも、〇〇として活躍していきたいです。 |
①大学で何を学んだかを簡潔に伝える
はじめに、大学で何を学んだか結論を簡潔に伝えます。ポイントは、この導入部分であなたが大学で学んだことの概要を端的に伝えることです。
たとえば、「私は、ゼミ活動に取り組みました」だけだと、抽象度が高くどのようなゼミに所属していたかまで理解できません。これに対して「私は、メディア社会学をテーマにしたゼミに所属していました」だと、どのようなテーマのゼミに所属していたのか、瞬時に理解することができます。
結論から話すことで、採用担当者が最も知りたい内容を最初に伝えることができ、理解してもらいやすくなります。結論ファーストで答えることは、「大学で学んだこと」以外にもすべての質問において意識したい重要なポイントです。
②具体的なエピソードを伝える
次に、大学で学んだことに関しての具体的なエピソードを伝えます。たとえば、ゼミ活動や研究室、留学に「どれくらいの期間・どれくらいの人数で・どのような研究をおこなったのか」まとめてみましょう。
エピソードをまとめる際のポイント
- 具体的に背景を伝える
- 主体的に取り組んだことに注目する
- 学習内容を冗長に話さない
面接官があなたの状況を想像できるように具体的に背景を伝えることが大切です。たとえば、「ゼミ活動で、スピーチコンテストに参加し、優勝しました」よりも、「ゼミ活動で、スピーチコンテストに5人チームで参加し、10チーム中で優勝しました」と数字を用いて伝えるほうが、より具体的に状況をイメージできますよね。
ただし、学習内容を長く話しすぎることは避けましょう。企業は、大学で学んだ学問の詳細ではなく、大学で学んだことを通じて得たスキルやあなたの人柄を知りたいのです。そのため、学習内容の詳細は省きましょう。
③どんな学びを得たかを伝える
次に、②の経験から得た学びを伝えます。その学問を学ぶことを通じて、どのような知識を得たり、知見を深めることができたのかまとめてみましょう。
なお、大きな成果を上げていたり、成功していなくても問題ありません。企業は、結果とともに過程にも着目しています。「最終的には失敗してしまったけど、自分なりに全力を尽くし、多くの学びを得られた」と思えるエピソードを選びましょう。
④入社後の活かし方を伝える
最後に、③の学びを入社後にどのように活かすのかを伝えます。
たとえば、「私は○○を学んだ。だからこそ、御社で働く際にも〇〇を活かしていきたい」と、その学びがあったからこそ、「どのように活躍できるか・活躍していきたいか」を企業にアピールしましょう。
学びを活かして入社後に活躍し、企業に貢献できることを伝えることで、「採用する価値がある」と感じてもらうことができます。
「大学で学んだこと」の回答で周りと差を付ける3つの秘訣

「回答の構成をまとめることはできたけど、面接でうまく伝えられない」
「より好印象を持ってもらえる回答の仕方を知りたい」
このように、回答の準備はできたものの、面接の場でうまく伝えられない人もいるかもしれません。ここからは、「大学で学んだこと」を面接でより効果的に伝えるポイントを解説します。就活生からの生のアドバイスにも耳を傾けて、面接当日をイメージしながらチェックしてみてください。
①働くうえでの「再現性」を意識する

「大学で学んだこと」を伝えるうえでは、学びを活かして入社後に活躍する姿を企業に想像してもらうことが重要です。ポイントは、習得した「知識」と勉学から身に付けた「能力や価値観」を分けて考えることです。
エンジニアとして働くうえでの「再現性」を伝える例
- 大学の講義で学んだマーケティングの知識を活かしたい(知識)
- ゼミ活動の経験から得た、コツコツと取り組み続ける粘り強さを活かしたい(能力)
エンジニアとして必要な知識・スキルとして、プログラミング言語やITの基礎知識、論理的思考力や学習意欲の高さなどが挙げられます。そのため、この場合は、知識よりも能力を活かしたいと伝えることで、自分自身の強みを活かして活躍できることをアピールできます。
つまり、大学での学びを通じて得た強みと、志望企業で働くうえで活かせそうな強みを結び付けて伝えることが大切です。そのため、その科目の履修を通じて得た「知識」と「強み・能力」をそれぞれまとめてみましょう。
②「大学で学んだこと」と志望動機を結びつける
志望企業に興味を持った理由をより説得力のあるものにするために、大学での学びと志望動機に関連性を持たせることが大切です。
たとえば、「労働経済学を学ぶなかで、日本人の働くことへのモチベーションの低さが課題だと感じた。そのため、人材系の企業に就職し、日本人の就職支援をおこなって皆が前向きに働ける社会を実現したい」と伝えると、志望理由により納得感が増します。
そもそも志望動機が思いつかず、作成方法にも不安があるという人は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
③現役就活生からのアドバイスを活用する
ここからは、現役就活生のアドバイスを紹介します。多くの面接を経験してきた先輩のアドバイスから面接でより好印象を持ってもらえるコツを学びましょう。

「大学で学んだこと」を面接で伝える時に、特に意識していたポイントやコツを教えてください。

組織の中での自分の役割を具体的に伝えることです。そうすることで、俯瞰して行動できることをアピールできたと思います。

大学で学んだことを実務にどう活かすかを強調し、具体例を交えて伝えることです。面接官は興味を持ってくれたようで、さらに詳しく掘り下げて質問してくれました。

単に「学んだこと」を説明するのではなく、「なぜ学んだことだと言えるのか」という根拠を示すことです。私は、必ず失敗話を取り入れ、そこからどう奮起し、学びにつなげることができたのかという理由を具体的に伝えました。

学んだことだけを説明するのではなく、どのように学びを深めたか、自分なりの工夫点を伝えることです。そうすることで、面接官は具体的にどのような工夫をしたのかについて深掘りしてくれました。

なぜ自分がこれを学ぼうと考えたのか、という自分の思考の部分を話すことです。論理的思考力や、学習姿勢をアピールできたと思っています。
また、「回答は考えられたけど、実際の面接での受け答えが不安……」という人は、こちらの記事も参考にしてみてください。面接で好印象を残す受け答えの極意や練習法などを内定者からのアドバイス付きで紹介しています。
「大学で学んだこと」を回答するのに陥りやすい悩み別の対処法
ここからは、多くの学生がつまずきやすい状況への対処法を紹介します。先輩からのアドバイスや経験談も参考にして、同じ悩みに陥ってしまっても打破できる術を身に付けましょう。
アピールできる内容がない
大学で学んだことの経験の洗い出しができても、自信を持ってアピールできる内容がないと悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
その場合は、「特に大変だった科目」や「苦労した科目」を振り返ってみましょう。そして、その大変だったことをどのように乗り越えたのか、努力の過程も具体的に振り返りましょう。企業は、大変なことを乗り越えようとする努力の過程や、向き合い方にも着目しています。
ただ、自分では大変だと思わずにそつなくこなしている場合もあります。特に得意なことや好きなことだと、苦労を感じずに取り組めることがあります。その場合は、「特に時間を費やした科目」を考えてみましょう。費やした時間のなかに、あなたなりの努力や苦労が隠れているはずです。

私は、ゼミにも所属しておらず、成績も自慢できるようなものではありませんでした。また、大学での専攻と志望業界がまったく関係が無かったため、アピールできる内容が無いと不安を感じていました。
しかし、面接では「何を学んできたか」に焦点をあてるのではなく、「その学びでどのような能力を身に付けることができたのか」を伝えることを特に意識しました。
私のように大学での学びに自信がない人でも、伝え方によってはアピールできることも必ず見つかるはずです!

私は、大学での専攻が志望企業の実務と直接関連することが少なかったため、就活していた当時は自信が持てませんでした。
そのなかでも、大学での学びから培ったスキルや経験をどのように実務に活かせるか考え、具体的なエピソードを交えて話すことを意識しました。私と同じ状況で困っている人も、焦らず自分を信じて、「自分なりの強み」を自信を持って伝えてみてください。

就活を始めたての頃は、大学での学びに対して自信があるかないかの以前に、何をアピールすれば良いのかさえ見えていませんでした。
しかし、大学のキャリアセンターで、学びは必ずしも功績である必要はないことを教えてもらいました。輝かしい受賞歴や大会への出場経験はなくても、学問を通じて自分が挑戦したことやその経験を通じて自分が変われたことが大切であると気付きました。
また、周りに助けられて乗り越えられたことにも注目してみてください。社会で働くうえでは、周りの人とのつながりや助け合いが必要不可欠です。友人や先輩と切磋琢磨しながらやり切ったことを思い出すことで、頑張ったことが浮かんでくるようになり、自信を持ってアピールできるようになりました。
私と同じ悩みを持っている人も、挑戦したことや、自分が変わるくらい印象的だったこと、そして周りとやり切った経験を振り返ってみてください。
仕事との関連性が低い
「教育学部だけど、教員ではなく一般企業への就職が気になっている」
「理系学生だけど、文系職を志望している」
このように、大学で学んだことと志望業界が直接的に関係がないことに悩んでしまう人もいるかもしれません。結論、大学で学んだことと仕事の関連性が低くても、問題ありません。ただ、明確な志望理由を伝えることとと入社後に活かせる強みをしっかり言語化することが重要です。
たとえば、面接の締めくくりに「専攻とは直接関係ありませんが、研究で培ったリーダーシップを活かして御社で活躍したいです」と伝えることで、企業に意欲を伝えられます。
大学で学んだことと仕事の関連性が低い場合は、面接で深掘りされることが予想されます。そのため、深掘りに対応できるように徹底的に自己分析をおこない、志望理由と入社後に活かせる強みを具体的に伝えることが大切です。

大学で学んだことと関連性が無い企業を志望した理由を教えてください!

私の専攻は、言語学や日本語教育についてでした。しかし、私が将来やりたいことは通訳でも日本語教師でもなかったため、やりたいことに関連性のある企業への就職を希望していました。

私は法学部ですが、自由選択の科目を学ぶことで別の分野に興味関心が生まれたからです。

私は、企業の成長性や自分のスキルを活かせる可能性の大きさに魅力を感じたため、大学で学んだことと関連性の薄い企業を志望していました。

「大学で学んだこと」と志望企業に関連が無い場合、そのことに関して質問されたことはありますか?

あります。 私はスペイン語を専攻していましたが、スペイン語圏に支社のない会社を受けました。その際に、スペイン語を使って働ける企業でなくて良いのかと突っ込まれました。 そこで私は、「スペイン語を主眼に置いているのではなく、ひとつのツールとしてもしかしたら今後使える機会があるかもしれない」「スペイン語圏だけにこだわるよりも御社で世界中の役に立てる仕事がしたい」と自分の考えを明確に伝えていました。

私もあります! その際は、「大学でいろいろな学問を学ぶなかで、出会った人たちに刺激を受けて〇〇に関心を持つようになりました」と興味を持ったきっかけを伝えていました。

私もあります。 私の場合は、大学での学びと志望企業が関連性が無いからこそ自分のことを「白いキャンパス」であると捉え、「今後の可能性」を強調しました。 白いキャンパスなら、これから多彩な色でカラフルな表現をすることができます。つまり、専門知識がないからこそ、柔軟に育成しやすいと感じてもらえるような視点を面接官に提案しました。
専門的すぎて伝えづらい
「大学で学んだこと」が専門的で伝えづらい場合は、簡単な言葉に置き換えて、かみ砕いた表現をすることが大切です。
ここでの注意点は、専門用語を多用しないことです。面接官は、学問のプロではありません。専門用語を羅列してしまうと、そもそも回答を面接官に理解してもらえません。
ただ、面接官が自分の学んでいる学問について知識があるケースもあります。その状況では、初心者向けの説明をする必要はありません。話しながら面接官の反応を確認し、相手の理解度に合わせて話すことが重要です。

専門性が高い大学での学びについて面接官にわかりやすく伝えるために、意識していたポイントやコツはありますか?

私はメタバースについて学んでいました。面接前にまず親に話して、わかりにくかった点を聞き出し、それを噛みくだいて、面接で話すようにしていました。

私は、具体的な成果や実務にどう活かせるかを具体例を挙げて説明することを意識しました。

私は、小学生でも理解できるように、専門用語を避け、身近な例を使って説明することを意識しました。また、難しい概念もシンプルな言葉に言い換え、具体的なエピソードを交えて伝えることで、面接官に興味を持ってもらえるよう工夫しました。

私は、個人的に企業側は応募者の技術・知見がどの程度のレベルか知りたがっているのだと思います。 そのため、面接官が専門外の人ではなく、志望職種の現場の人で、ある程度専門用語が伝わるのであれば、業界用語を使ってできる限り具体的に得意なこと・定着させた知見について伝えるようにしました。 そうすることで、自分のスキルの定着率や知識の幅を評価してもらえると思ったからです。今思えば、伝えたことは、ほぼ卒論にむけての具体的な研究内容やゼミの内容だったと思います。
サークルやアルバイトの話をしている
サークルやアルバイトなど、学業以外の話題のほうが話しやすいと感じている学生もいるかもしれません。しかし、「大学で学んだこと」を聞かれた際は、なるべく学業に絞って伝えるようにしましょう。
企業は、「大学で学んだこと」を通じてどのようスキルや知識を得たのかを知りたいと考えています。学業以外の話をしてしまうと質問に対する回答ズレがあると面接官は感じ、「質問の意図を汲み取れないのかな」とマイナスな印象につながってしまうことがあります。
どうしても学業の話が思いつかないという人も、これまでの解説や例文を参考にし、学業に絞って伝えられるように準備しましょう。また、サークルやアルバイトで学んだことは、「学生時代に力を入れたこと」や「学業以外で努力したこと」を聞かれた際に伝えるのが最適です。

「大学で学んだこと」を面接で聞かれた時に、サークルやアルバイトなど学業以外について話した経験はありますか?

あります。当時、学業以外のことのほうが話しやすいと感じていました。サークルで出会った仲間たちから刺激を受けた経験が、自分にとって特に印象深かったからです。

私も、あります。具体的には、塾講師のアルバイト経験を話したことがあります。 アルバイトの仕事内容と関連する業界の選考を受けた際に、受験生の希望を叶えるために工夫した経験と就活生として重要な創意工夫をする場面が似ていたため、共通点を見つけて面接で語りたかったからです。
大学の成績に自信がない
GPAが低かったり、単位が取得できなかった科目がある人は、学業について自信を持って話せないと悩んでいるかもしれません。しかし、企業は採用したい人材かどうかを大学の成績だけでは判断しません。大学の成績に自信がない場合は、努力の過程と今後の目標を伝えましょう。
たとえば、「データ分析がどうしても苦手だったため、データ分析に関する書籍を1カ月で3冊読んだ(努力の過程)」「知識の吸収はできていたが、知識を実践する機会が少なかったためテストでは解くことができなかった。そのため、今後は知識を吸収する時間とともに演習の時間を確保する(今後の目標)」などです。成績が振るわなかった原因を分析し、改善しようと今後の行動を考えられていることが大切です。

自分の大学の成績に自信がなくても、「大学で学んだこと」を効果的に伝えるポイントを教えてください!

成績が悪くても、学んだことや努力した部分を伝え、そこで得た経験を主張しました。また、成績が振るわなかった経験を今後に活かす意欲を見せることが大切だと思います。

面接では、成績の悪さには触れすぎず、「困難があってもコツコツと努力を続けた姿勢」を主張しました。具体的には、授業や課題に対して真面目に取り組み、諦めずに学び続けた経験を伝えました。 同じ境遇の人は、成績以外の努力や成長をアピールし、自分の強みを前向きに伝えることが大切だと思います。
「大学で学んだこと」の回答は事前準備が必須! 質問意図に沿った回答を意識しよう
「大学で学んだこと」の回答方法について解説してきました。
「大学で学んだこと」は、学業を通じて得た知識や強みを知るために質問されます。大学での学びを活かし、入社後も活躍できるという「再現性」をアピールすることを意識しましょう。
回答に困ったときは、体験談や先輩からのアドバイスも参考にしながら準備し、当日自信を持って答えられるようにしてくださいね。

「バイトばかりしていて、大学で学んだことを答えるのが難しい」「自信を持ってアピールできることがない……」など、大学での学びを言語化できず、悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
そのような人も、4年間大学に通っているなかで学んだことは確実にあって、それらにまだ気付いていないだけかもしれません。大学生活を振り返ってみると、1つや2つはアピールにつながる話題があるはずです。
「自分が何を学んだのか、大学での学びを将来どう活かしたいのか」を、今までの経験から整理し、相手にわかりやすく伝えられるよう準備を進めましょう。
企業の質問の意図を理解して回答を用意するのがカギ
企業が「大学で学んだこと」を学生に聞く質問の意図は、学生時代の学びが企業で活かせるか、という視点だけではありません。学業への取り組み姿勢から、仕事への取り組み姿勢をイメージしたり、入社後の活躍の可能性を確認したいなど、質問の意図はさまざまです。
そのため、企業が求める人物像とあなたとの接点(適合性)を意識し、あなたへの成長・活躍の期待値が高まる回答を用意しましょう。また、採用担当者にあなたの違う一面を知ってもらえるよう、ガクチカや自己PRとは違う話題で、アピールにつながる回答を準備することも大切です。
とはいえ、「大学で何を学んだのかな……?」と悩む人は、大学が高校生向けに公開しているパンフレットやホームページを見てみてください。自分の学部・学科で何が学べるのか、わかりやすく言語化するうえでのヒントが見つかるかもしれません。ほかにも、実際の講義や活動を思い返し、自分にとっての学びを洗い出してみる、というのも良いでしょう。
また、チームで取り組んだ経験や他者とのかかわりから学んだことなどもアピールにつながります。一つひとつじっくりと大学での学びを振り返り、アピールにつながりそうな話題を考えてみてくださいね。
なお、「一人で悩んでもなかなか浮かばない……」という場合には、キャリアセンターや、大学であなたのことをよく知っている教授、講師への相談もおすすめです。まずは、自分なりに内容を考えたうえで相談してみてください。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
面接力39点以下だと...就活のやり方を再検討することが必要ですよ。
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学生がどこまで将来を考えてその選択をしたのか、学んできたことが業務とどれくらい親和性があるかを確認するためです。実際に学んだ内容をすぐに活かせるパターンは稀なので、専攻内容よりもどのように学び、何を得たのかという過程を見ています。
好印象の回答としては、学んだ動機や過程が具体的にわかるものです。たとえば、データを用いた課題解決に興味を持って、専攻とは異なる統計学のゼミを取ったなど、向上心や将来設計が感じられるものは高評価です。
逆にマイナスな印象の回答としては、具体的に学んだものがわからないものです。興味本位で学ぶのは良いのですが、留学などで最終的に楽しんで終わったような答え方だと、旅行しに行ったようにも捉えられてしまいます。なので具体的なきっかけや学んだこと、それを将来どう活かしていきたいかを明確にするのが良いと思います。