就活を成功に導く3つの持ち駒の増やし方|効率化こそ内定への近道

就活の一般的な持ち駒の数は〇社

就活が本格的に始まると「持ち駒」という言葉を耳にしたことがある学生もいるでしょう。特に複数の企業のスケジュールを細かく管理しながら並行して選考を受けている学生には、聞き慣れた言葉かも知れません。

持ち駒の数は、就活の成功に直結する非常に重要な要素です。事前に用意しておくべき持ち駒の数を誤ってしまうと、その後の就活に支障をきたす可能性もあります。

今回は就活における持ち駒の数について、詳しく解説していきます。就活を進めるにあたっての平均的なエントリー数も解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

就活における平均的な持ち駒の数とは

就活における持ち駒とは、エントリーまたは選考まで進んでいる企業のことを指しています。

キャリタス就活2024の「6月1日時点の就職活動調査」によると、24年卒業予定の学生1人あたりのエントリー社数は23.9社となっており、就活における持ち駒の平均は20~30社程度といえます

エントリーしたすべての企業で選考に進めるとは限らないため、実際に選考に進むのは10~15社程度と考えられるでしょう。

あくまで平均の数字なので、必ずしも約30社の企業にエントリーをしなければならないわけではありません。参考データの一つとして覚えておきましょう。自分の状況やキャパシティ、志望企業の倍率などを考えながら、エントリーを進めることが大切です。

選考の中では持ち駒という表現は控えるべき

持ち駒という言葉は、あくまで学生が就活を進める中で使う言葉であり、企業に向けた言葉としては不適切です

企業を下に見るニュアンスのある言葉とも捉えかねられないので、選考の場で誤って使わないように注意しましょう。

就活の持ち駒は行動とマインドを変えればすぐに増やせる!

就活をスムーズに進めるには、持ち駒の数のコントロールが重要です。中には持ち駒が全滅し、就活が一気にストップしてしまう学生もいるからです。

この記事では、持ち駒を増やすための方法や持ち駒が全滅した時の対策などを詳細に紹介しているため、記事を読めばすぐに準備に取り掛かることができます。

面接に臨む前にぜひこの記事を一読して、準備の参考にしてくださいね。

持ち駒を増やす行動をするためには、まず就活全体の流れを把握することが大切かもしれません。次の記事で流れについて解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
就活の流れを徹底解説|内定者たちはいつから準備してた?

就活の持ち駒は増やした方が良い?

結論から言えば、就活の持ち駒の数は多いに越したことはありません。就活のスケジュールはどうしても企業の都合に左右されてしまう部分があるため、自分の予想に反してある日いきなり持ち駒が減っていき、最終的には全滅してしまうケースも珍しくありません。

予想に反して選考の早めの段階で落ちてしまうこともあるので、視野をなるべく広げて多くの企業と接点を持っておくことがおすすめです。

就活の持ち駒がなくなってきた時には視点を変えてみよう!

持ち駒が減ってきたときに変えるべき視点

・業界
・職種
・企業の規模
・選考の形式
・勤務地

周りの学生がどんどん内定を獲得していく状況で、自分は持ち駒が減っていると、当然焦りも生じてしまいますよね。持ち駒を増やす際には、まずは今までの企業選びの視点を変えてみることが大切です。

やみくもに企業にエントリーしても、対策が不十分であれば内定には手が届かないかもしれません。持ち駒の正しい増やし方を一緒に確認していきましょう。

業界

まずは志望業界に縛られるのを一回やめて、志望企業を増やしていきましょう。もちろん、就活の軸を持って選考に進むことは良いことですが、結果として、選択の幅を狭め過ぎてしまっているケースもあるでしょう。

たとえば「英語力を活かして働きたい」という場合、海外勤務のある企業を大きく狙う、貿易関連の仕事を狙う、など業界に縛られずに就職先も考えることができますよね。「志望業界」に縛られすぎず、視野を切り替えてみましょう。

職種

業界と似た部分もありますが、特定の職業や部署への強いこだわりを持ちすぎるのも、持ち駒が少なくなる原因になりかねません。「自分のやりたいことができるのは本当にその職種しかないのか」という視点で、もう一度企業選びについて考えてみましょう

企業の規模

就活の持ち駒がなくなってきた時には、企業の規模を見る視点も変えてみましょう。特に大手にこだわって就活を続けてきた学生は、一度中小企業やベンチャー企業も視野に入れてみてください

大手を除くと、本当の優良企業を知っている学生は少数です。名の知れた企業だけが、優良企業ではありません。日本には企業が300万社以上あると言われています。その中から自分に本当に合う企業を探すには、視野を広げて持ち駒を増やす必要があるでしょう。

勤務地

仕事の内容にもよりますが、最近ではオンラインが普及したことで、場所を選ばず仕事ができる環境が整いつつあります。「地元だけ」「首都圏だけ」などの考え方を一度捨ててみて、勤務地の許容範囲を広げてみるのも良いでしょう。

特に事情があるわけではなくなんとなくで勤務地にこだわっている学生は、住む場所は自由に選べるという視点をもって、持ち駒を増やしてみるのも良いですよ。

効率よく持ち駒を増やすには何をすれば良い?

持ち駒の数を増やそうと思っても、適当な企業にエントリーをしたり、ひとまず視野を広げてみるだけではなかなか上手く持ち駒を増やすことはできません。ここでは、効率よく持ち駒を増やすための行動を解説します。

①逆求人サイトで企業からスカウトをもらう

効率よく持ち駒の増やしたいなら、逆求人サイトで企業からスカウトをもらうのも良いでしょう。

転職のイメージが強い人もいるかも知れませんが、新卒の学生でも企業からスカウトをもらって就活できる逆求人サイトもあります。大手が狙える、理系・大学院生向け、ベンチャーに強い、ITエンジニア特化など、サイトによって特徴も多種多様です

②合同選考イベントで複数の企業と直接会話する

通常、筆記試験や面接は別日程を組んで実施します。一方、合同選考イベントではそれらの採用試験を1日でまとめて済ませてしまい、合否は後日通知する形が一般的です

筆記試験や面接を別日程でおこなわない分、選考のスピードが速いため、持ち駒を増やしたい学生にはピッタリでしょう。学生にとっても1日にまとめられていることで、スケジュールを調整しやすいほか、交通費や宿泊費などの費用も抑えることができます。

③就活エージェントに企業を紹介してもらう

就職エージェントを利用すれば、自分だけでは見逃しがちな優良企業に出会える可能性が上がります。就職エージェントでは、数ある求人の中からプロのアドバイザーが学生の就活の軸に沿って企業を探してくれるでしょう。

プロの視点からのアドバイスを踏まえて紹介してくれるため、思いもよらなかった企業とマッチングすることも。相性の良い企業に出会えれば、持ち駒を増やすきっかけにもなり得るでしょう。

就活で持ち駒がなくなる3つの理由

就活で持ち駒がなくなる3つの理由

①希望の企業に固執しすぎる
②そもそもの持ち駒が少なすぎる
③持ち駒を増やすタイミングが遅い

余裕を持って就活を進めていたつもりだけれど、気が付いたら意外と持ち駒が少なかった」という学生は多いものです。持ち駒が減ってしまうのには、理由があります。準備の段階で心構えを変えれば、持ち駒を大きく減らすことなく、スムーズに就活を進められるかもしれません。

①希望の企業に固執しすぎる

希望の業界や企業に固執しすぎる人は、就活で持ち駒がなくなりやすい傾向にあります。たとえば、「エンタメ業界1本でいきます」とエンタメ業界の難関企業しか受けていなかったりするケースです。

シンプルな話ですが、受ける企業の数が多いほど内定の確率も上がり、少ないほど内定をもらえる可能性は低くなります。企業へのこだわりが強すぎると、就活で持ち駒がなくなる原因になりかねません。

②そもそもの持ち駒が少なすぎる

そもそも初めから持ち駒が少なかったというケースも考えられます。

もちろん、どんな企業でも良いから数が多ければ良いというわけでもありません。しかし就活を円滑に進めるためには、心の余裕を保つためにもある程度持ち駒は持っておきましょう。少なすぎるとすぐに持ち駒がなくなってしまい、就活がストップしてしまうからです。

効率よく就活を進めるためにも、ゼロにならない範囲で、うまく持ち駒の数を調整しましょう。

③持ち駒を増やすタイミングが遅い

持ち駒を増やすタイミングが遅いのも、就活で持ち駒がなくなる理由の一つです。

「今はまだこの企業が選考に進んでいるから大丈夫だろう」と油断していると、思わぬタイミングで持ち駒を失うケースもあります。就活では、先を見すえた一歩早めの行動が結果を左右するため、持ち駒はなるべくある程度の数を担保しながら選考を進めていくのが理想です

就活の持ち駒を増やすメリット

就活の持ち駒を増やすメリット

就活の持ち駒を増やすメリットは、大きく分けて2つに分かれます。

実際の就活に対するアプローチを増やせるという行動数へのメリットと、持ち駒があることで精神的に余裕が出るというメンタル面へのメリットです。ここからは、より詳しく就活の持ち駒を増やすメリットを解説していきます。

余裕をもって就活に臨める

複数の持ち駒を持っていると、それだけでも精神的に安心して就活を進められます。

持ち駒がゼロになってしまう、または、ゼロに近くなってしまってから対策しても、焦りや不安から就活そのものが空回りしてしまうことも。「この企業に落ちてもまだ自分には持ち駒がある」という精神的な余裕が、学生に自信を持たせるケースもあることを覚えておきましょう。

選考に進む企業の幅が広がる

複数の持ち駒を持たずに就活を進めてしまうと、一つの企業のことしか考えられず、選択肢が狭まってしまう危険性があります。

当然ですが、一つの企業に固執してしまうと、その企業の選考に万が一落ちてしまったときにゼロから就活をやり直すことになります。

また、いくつか選択肢を持ったうえで就活を進めることで、最後は比較したうえで企業を選ぶことができる点も良いでしょう

効率よく情報収集ができる

複数の持ち駒を持って就活を進めることで、実際の選考の中で新たな発見があったり、競合他社の比較をしやすくなります。たとえば、業界の中で1社を受ける学生よりも、2社、3社と受けている学生の方が、各社の主力商品の違いを理解しているケースもありますよね。

このように、複数の持ち駒を持つことによって、効率よく情報収集ができることもメリットの一つです。

就活の持ち駒を増やす際の3つの注意点

就活の持ち駒を増やす際の3つの注意点

①自分の就活の軸に沿ってエントリーする
②スケジュール管理を徹底する
③体調管理にも気を遣う

就活の持ち駒を増やす際には、注意点があります。一回減ってしまった持ち駒も、きちんと対策を取れば数を増やすことはできますが、ただエントリー数を増やすだけでは、かえって就活を失敗させる原因になってしまうケースも。

内定が遠のくという最悪の事態を防ぐためにも、ここでは就活の持ち駒を増やす際の注意点を解説します。

①自分の就活の軸に沿ってエントリーする

「持ち駒を減らしてしまった」という不安や焦りから、本当は入りたくない業界・企業にエントリーしてしまうのは本末転倒です。

自分に合っていない企業に受かり、仮に入社してしまってもミスマッチから早期退社につながってしまうのはもったいないですよね。内定への焦りから、自分の企業選びの軸を大きく曲げて持ち駒を増やすのは禁物です。持ち駒を増やす際は、自分の就活の軸に沿ってエントリーしましょう。

②スケジュール管理を徹底する

最近では就活のスタイルはオンラインが主流になり、多くの企業の選考を1日に受ける学生も珍しくありません。エントリー数を増やすことは良いことですが、あまりに企業数を増やしすぎて、スケジュールを管理しきれなくなってしまうことがないようにしましょう。

最悪の場合、ダブルブッキングも考えられます。持ち駒は、自分が予定を管理できる範囲で増やしましょう

③体調管理にも気を遣う

スケジュールの管理に似た部分ですが、持ち駒の数を増やすということは、体力面でその企業に対してエネルギーを割くということでもあります。

就活では、体調やメンタルの管理も選考対策のうちに入ります。過度に持ち駒を増やしてしまったがゆえに疲れてしまい、「本番で本来の力を発揮できなかった」ということがないように、持ち駒を増やす時は自分の体調にも気を配りましょう。

就活の持ち駒が全滅した時は?

立て続けに選考に落ちてしまい、予想に反して持ち駒が全滅することもあります。特に就活後半になると、選考をおこなっている企業の数が少なくなり、全滅する可能性も上がります。

しかし、仮に全滅してしまったとしても、焦ることはありません。きちんと対処法を知ってピンチを脱出しましょう。

持ち駒が全滅してしまい、入社したいと思える企業が少なくなったときに、「再応募することは可能なのかな」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。次の記事で詳しく解説しているので、確認してみてくださいね。
一度落ちた会社への再応募は可能|大逆転する秘訣とメール例文を紹介

二次募集・グループ企業を探す

持ち駒が全滅した場合は、一度受けた企業の二次募集やグループ企業に目を向けてみましょう。

企業は選考において、それぞれ採用予定人数を定めています。しかし、1回の選考で目標数を確実に採用できるとは限りませんよね。思っていたとおりの優秀な人材が集まらなかったり、学生が内定を辞退する場合もあるでしょう。

企業によっては、最初から二次募集、三次募集の枠を設けているケースもあります。子会社や関連企業なら仕事内容や条件が似ていることも多いです。親会社だけにこだわらず、系列の中で選考を突破しやすい企業を探してみましょう。

隠れた優良企業を探す

就活では学生が知らないだけで、隠れた優良企業も数多く存在します。名を知られた企業に目がいってしまいがちですが、隠れ優良企業は名前こそ知られていないものの、条件面を含めて狙い目なケースが多いです

また誰もが憧れる企業でも、実際に入社して働いてみると、思っていたのとは違うとギャップを感じる可能性もあるでしょう。知名度が低くても優れた企業は存在するため、今まで受けてこなかった企業に目を向けることも大切です。

持ち駒を増やす手伝いをしてもらう

持ち駒が全滅して、どうすれば良いかわからない学生は、就活のプロに持ち駒を増やす手伝いをしてもらうのもおすすめです。

プロのアドバイザーが面接対策などの選考対策だけでなく、持ち駒を増やすための方法を一緒に考え、スケジュール管理も手伝ってくれます。持ち駒が全滅して焦っている時こそ、第三者の視点が役に立つこともあるでしょう。

あなたの将来を考えながら、持ち駒を増やして就活を逆転させる方法を教えてくれますよ。

持ち駒の数を増やして効率よく内定を取ろう

今回は、就活で成功をつかむための持ち駒の増やし方について、網羅的に解説してきました。準備の段階での心構えが、持ち駒の数を維持しながら就活を進めるうえで一番大切なポイントです。

就活のゴールは、あなたが自分に合う企業に入社していきいきと働くことです。今回解説した3つの方法で効率よく持ち駒を増やし、希望の企業の内定を勝ち取りましょう。

編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる