就職したくないと感じたら? 就職する・しないで変わる未来を徹底比較!
「就職したくない」と思う要因はさまざまにありますが、アルバイトや授業を自分で選択できる自由がある大学生からすると、1日の3分の1を仕事に使う生活は想像しがたい部分もありますよね。
しかし、就職をする・しないは将来を大きく左右する重要な意思決定になります。将来を深く考えずに、安易に「働かない」という選択をすると、3年後、5年後の自分の可能性を狭めることにつながってしまうかもしれません。
「就職したくない」と感じたときこそ、自分の将来を考える良いチャンスです。自分が就職したらどうなるのか、就職しなかったらどうなるのか、それぞれの未来を比較したうえで、自分にとって最善な意思決定をしましょう。
この記事では、就職をしなかった場合の選択肢についての解説や、先輩の体験談を交えて就職したくないと感じるときの対処法を紹介します。経験豊富な先輩からのアドバイスを参考に、一度理想の生き方について考えてみてくださいね。
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「就職したくない」と考えたことはある? パネリストの体験談
まずは就活を経験したパネリストや、今実際に社会人として活躍しているパネリストに、「就職したくない」と感じた経験や、働いているからこそ感じる率直な意見を聞いてみました。
「就職したくないという考えは甘えなのだろうか」といった、核心に迫るリアルな意見も聞いてみたので、今まさに「就職したくない」と感じている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
いつ「就職したくない」と感じた?
それでは、就活経験者や社会人のパネリストが「就職したくない」「働きたくない」と感じたことがあるか見てみましょう。
就職したくないと思う理由や状況は人によってさまざまですが、どういったタイミングで感じたことがあるのかを聞いてみました。
就職した友人が、忙しさのあまり精神的に病んでしまったのを聞いた時に「就職したくない」と思いました。病んでいなくても、仕事の大変さなどを聞いているときも「就職したくない」と思ってしまいます。
就職活動を始める前に、何から始めたら良いかわからない、働くイメージが持てない、という状況と、実際に就活があまり上手くいかなかったこともあり、つい「働きたくないな」と考えてしまうことがありました。
大学1、2年生の頃は、将来やりたいことがまったく見えず、就職して働く自分が想像できませんでした。また、周りの先輩や親から大学院に進学することを勧められたりしたので、就職しない選択肢もありだなと考えていました。
それでは、現役社会人のみなさん、「就職したくない」と考えたことがあるか教えてください!
すでに就職しているのですが、働きたくないなーと感じることはよくあります。仕事の疲れが溜まっていると、家族と過ごすような居心地の良い時間のまま仕事の時間が来なかったら良いのにな……とぼんやり考えてしまいます。
就職してから、特に結婚をしてから以前よりも「働きたくないな」と感じるようになりました。自分の時間はなかなか取れないし、子供がいると余計に「家でできる仕事が良いな」と思うこともあり、もっと時間をうまく使える方が羨ましいと感じました。就職となるとやはり雇われる側なので自由がないのが嫌なところです。
中にはすでに企業に就職していながらも「会社に行きたくない」と感じている人もいるでしょう。この記事では就職後に感じる「行きたくない」気持ちについて、経験者からのアドバイスを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
会社に行きたくない……体験談から知る乗り越え方と休むときの心持ち
「就職したくない」という意見は甘え? ぶっちゃけどう思う?
「就職したくない」という考えは就活や働くことからの逃げなのでしょうか。
その人の立場や状況、経験によって「誰でもそう思う瞬間はあるから甘えではない」「社会人として働くことで得られることもある」「新卒から独立するのは難しい」など、多種多様な意見が出てくる質問です。
就活を経験したてのパネリストと、社会人として働いているパネリストの両者にどう思っているかを述べてもらいましょう。
「就職したくない」という意見は甘えだと思いますか? 就活生のみなさん、教えてください!
やりたいことがほかにあるなら甘えではないと思います。大学の4年間で新たにやりたいことを見つける人はいるし、逆に何も見つからない、これから探したいという人もいると思います。
もっと研究や留学、ワーキングホリデーをしたいなど、就職したくない理由が明確にあるのなら甘えではないと思います。しかし「働きたくないから」という理由で就職したくないと言うのは甘えだと思います。
甘えではないと思います。企業に就職せずに、自分で起業する人もいるし、フリーターとしてアルバイトをして生計を立てる人もいるので人それぞれです。
甘えではないと思います。お金の稼ぎ方はそれぞれあって、自分の趣味で資金源を作れるのならば、それは素晴らしいと思います。
社会人経験のあるみなさんは、「就職したくない」という意見は甘えだと思いますか?
目的や明確な事情があるのなら良いのではないかと思います。私の周囲にも、就職はせず海外旅行とアルバイトを交互にしている人や、多忙な親に変わり家事全般を担っている友人がいます。
ただ働きたくなくて親に何でも払ってもらうとか、そういっただらしのない生活を送っている人は甘えだと思いますが、全員がそうではないと思います。ほかに目的があって自分で自分のことをやっているのであれば、それは良いことだと思います。
ただ怠惰で働きたくないのであれば考えを改めるべきですが、しっかりとした考えがあって「起業したい」「フリーランスとして自由な働き方がしたい」とかであれば甘えとは感じません。行動に意味を持ってるか持ってないかだと思います。
やりたいこと、将来のビジョンが明確であるのであれば、それは甘えではないと思います。今の時代、ほかと違う生き方をして成功を掴んでいる人は大勢います。就職をしてみんなと同じように生きるのはナンセンスだと思います。
就職しないまま進学や就活浪人する進路のイメージは?
企業に就職せずに大学へ留まったり、就職を遅らせたりする選択をする人もいますね。
中には高度な知識や専門性を得るために進学を選ぶ人もいます。ここからは、就職せずに進学や就活浪人を進路を選ぶことへのイメージについてざっくばらんな意見を聞いてみました。
就職せずに進学や留学、就活浪人をする、という進路について、印象を自由に教えてください!
進学や留学は学びが多いし、新しい道の発見にもつながると思うので、一つの選択肢として良いと思います。一方で、就活浪人に関しては、1年間就活とアルバイトしかやることがなく、ダラダラと過ごしてしまう可能性があると思います。どうしても入社したい企業があり、就活浪人をしたのにもかかわらず、受からなかったという話も聞いたことがあるためリスクの高い選択だと感じました。
自分の目標や、やりたい方向に素直に進もうとする姿勢はとても羨ましいなと思います。個人的には確実でない道には不安を覚えるからです。
就職してからはできない経験や、若いうちにしかできない経験もあると思うので、就職する前に一旦休憩して自分を見つめなおす期間を作るのが良いと思います。実際、海外では社歴と年齢にギャップがあるのが普通だと聞きました。人生がより豊かになるのであれば決して無駄な時間ではないと思います。
とても頑張っているなと感じます。私の周りにも、大学を卒業後に専門学校や大学院に進学した友人がいますが、大学時代よりも授業の密度が濃く、大変な環境で目標に向かって頑張っていて尊敬します。周囲の大半が就職する中、学生でいることにプレッシャーもあったと思うので、それに打ち勝ちながら、目標に向かい頑張れる人はすごいと思います。
やりたいことが明確に決まっているからこそできる選択だと思うので、周りがそれを理解し支えてくれる環境であるなら、とても良いことだと思います。そういう人は働けなかった期間分、自分のやりたいことをやれるようになってから恩返ししている印象があります。
その進学や留学に意味を持っているのであれば、とても良いことだと思います。正直、就活一択の世界ではないので、やりたいことがあるということ、その道に進むと決意すること自体はとてもポジティブだと感じます。
新卒での就職を見送り「既卒」となったら、就職はどのように変化するのでしょうか。以下の記事では既卒就職の具体的な流れや実態を解説しています。これから既卒就活を始める人はチェックしてみてくださいね。
既卒とは? 既卒就活の実態や進め方をリアルな体験記付きで解説
就職せずにフリーランスや起業で独立する進路をどう思う?
大学にも留まらず、組織企業にも属さない、という選択肢がある人もいます。
この場合、理想の働き方を自分自身で実現させることができる一方で、顧客から求められる専門性の高いスキルが必要になったり、自分の事業に責任を持つ必要があったりと、大変な側面もあります。
ここでは、自力で将来を切り開く選択肢についての印象をフラットに述べてもらいました。
企業に属さずにフリーランスになるという進路への印象を自由に教えてください!
フリーランスは企業で働いた経験があり、コネがあってこそ、そのスキルを活かせるのではないかと考えています。もちろん、社会人顔負けのスキルを大学時代に手に入れているのであれば、フリーランスに挑戦してみるのもひとつの手であるとは思いますが、安定した収入を望むのであれば、まずは一般企業に入社し、人脈作りをするのが良いのではないかと感じます。
個人的には実力もあるし、時間も自由に使えるフリーランスに憧れはあります。ただ、その分不安定な面もあるので大変な世界ではあるんだろうな、とも思いますね。
個人的な意見になりますが、1人でビジネスを起こしたり、フリーランスとして活動するのはすごいと思います。やはり、ある程度のスキルが無いとやっていけないイメージがあります。
自分がその道を選ぶとなると不安だな、と感じます。自由度が高い反面、すべてが自分の責任になる働き方なので、計画力やバイタリティ、自分を律する力がないとやっていけないのではないかと思います。スキルがないうちは厳しい働き方だと思うので、数年企業で経験や実績を積んだのちに選ぶのが良いのかなというイメージです。
私は仕事を個人でやりたい派なので、とても良いことだと思っています。自由に時間も使えるし、良いことも悪いこともすべて自分次第なので、やりようによってはお金もしっかり稼げるし挑戦してみたいなとは考えています。
企業に属することとフリーランスで働くことにはそれぞれ一長一短あります。それぞれの特性を理解して、長期的にどちらの方が自分にとってメリットがあるのかを考えてから判断すると良いのではと思います。
就職したくない人に知ってほしい選択肢8選
ここまでは、パネリストの率直な意見や進路について見てきました。さまざまな意見がありましたが、参考になるものはありましたか。
ここからは、もし「就職しない」という選択をした場合、どのような進路があるかを考えていきましょう。ここでは、「就職したくない」と考えている人へ視野を広めるために知ってほしい選択肢を解説します。
就職をしない代わりに得られる経験やスキルなどもあわせて紹介していくので、それぞれのメリット・デメリットについて知っていきましょう。
①就活浪人として就職を遅らせる
1つ目は、就職を後ろ倒しにして就活浪人をする、という選択肢です。
メリットとしては急いで就職をする必要がなく、1年間を自由に使うことができるため、自分のやりたいことを見つけたり、就職をする以外のほかの選択肢を模索したりできる点です。
デメリットとしては、1年後に「就職する」と決めたときに、企業によっては応募ができない可能性があることです。数年単位の留年経験がある学生や就活浪人生に対して、企業は採用に慎重になる傾向があるため、履歴書のブランクが原因で書類選考が通らない、というケースも存在します。
また、ライバルがその年の新卒ということもあり、内定率も変化します。就活浪人した理由を明確に伝えられない場合や、「1年遅れていてもこの人材が欲しい」と思ってもらえなければ、就職したくても受け入れてくれる企業がない、という事態に陥る可能性もあるため、注意が必要です。
以下の記事では実際に既卒として就職活動をおこなった経験者の体験談をもとに、注意が必要なポイントについて解説しています。ぜひ既卒として就職する人は以下の記事を参考に内定を目指していきましょう。
既卒就活は新卒より不利? 経験者が語る選考の実態と必勝法
②休学や進学で大学に留まる
2つ目は学生の立場のまま大学に留まることで就職することを避ける選択です。休学と進学、どちらにも共通するメリットは、学校に籍を置きながら行動をすることができるため、卒業後に就活をするとなった場合でも、新卒として応募をすることが可能な点です。
休学や進学をすることによって、直接的に就活で不利になるということはありませんが、面接時に「なぜ休学をしたのか・進学を選んだのか」を言語化できていないと、卒業時期が遅れていることへの説明が不十分だと判断されるおそれもあります。
休学・進学に至った経緯を整理するとともに、手続きを始める前にはあらかじめ所属している学校の規則を確認しておきましょう。
休学をするときの注意点
・大学に申請する期日が設けられている
・休学費や在籍費がかかる大学もある
・休学の期間が定められていることがある(前期のみの休学不可、など)
・奨学金制度を利用している場合は受け取りができなくなる場合がある
進学をするときの注意点
・進学の際に必要な試験勉強をしなくてはいけない
・金銭的な負担をしなくてはいけない
・ある程度の自主性がないと卒業ができない可能性がある
③海外へ留学する
休学もしくは卒業と同時に海外へ留学するのも手段の一つです。海外への留学は語学力を向上させられるうえに、日本では体験することができない文化に触れたり、経験をすることで、自分自身の知見を広められるなどのメリットがあります。
留学を支援する外部のプログラムも存在し、文部科学省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」という制度では世界各国への留学を支援するほか、奨学金の案内を掲載しています。ほかにも、NCN米国大学機構が一定の成績を収めた人へアメリカ留学の奨学金制度を提供しています。
留学のデメリットとしては、支援を受けられなかった場合には自己負担の額が大きいことや、後に就職をするときに「どうして卒業後留学するに至ったか」を説明しなくてはなりません。何年後に帰国するか、留学した分遅れた社会人のキャリア形成をどうリカバリーしていくのかを考えてから動き出しましょう。
④起業やフリーランスになるなどで独立する
就職をしない場合、一番イメージが湧きやすいのが、起業やフリーランスという選択肢ではないでしょうか。
自分で起業したり、フリーランスとして独立したりする大きなメリットとして、働く場所や時間を自分自身で決めることができる、ということが挙げられます。代表的な例として有名なのは、Webデザイナーやエンジニア、ライターやブロガーなどです。
ただし、企業に属さずに売り上げを上げるためには、「この人だから任せたい」と思われるようなスキルや営業力が必要になることや、個人事業主として全責任を取らなくてはいけないなどの注意点もあります。未経験でフリーランスになる場合、スキルの基盤ができるまではアルバイトやフリーターとして収入を得て、その傍らでスキルを身に付けるための勉強が必要になります。
ほかにも、収入が安定しないことから社会的信用を得にくい、確定申告などの税金周りも自身で管理しなくてはいけないなど、自分で努力しなくてはいけない場面も多くあります。
⑤実家の家業を継ぐ
実家が自営業や会社を運営しているという人は、家業を継ぐことも選択肢の一つになります。実家を継いで仕事をする場合、すぐに社長や代表として働いていくケースと、社員として入社しキャリアを積んでいくケースがあります。
どちらもメリットとしては就職活動をしなくても正社員になれるうえに、働きながら事業や会社の強みについて学ぶことができます。また、小さいころから親の仕事を見ていたという人であれば、仕事への親和性が高いことから適職になる可能性もあります。
すぐに社長に就任する場合は自分一人に大きな責任が伴います。「就職したくないから」と生半可な気持ちで取り組むと後で挫折したり悩んだりする事態に陥りかねないので、しっかりと覚悟を決めてから決断したほうが賢明です。
そのまま家業を存続できる場合は問題ありませんが、将来的に自分も後継者を探す必要があったり、経営不振になった場合は借金などの負債も自分に降りかかることになります。加えて、事業内容やキャリアによっては他業界・他業種への再就職が難しい場合もあります。
⑥資格を取得する
就職せずに国家資格や検定の取得に時間を使うのも、スキルを獲得する有効な手段です。特に、持っているだけで特定の業界や業種で重宝されるものであれば、いざ就職するとなったとしても有利に選考を進めることができます。
また、就職せずに資格取得に身を入れる場合は、検定でも上級レベルのものや国家資格などでないと評価につながらない可能性があることを覚えておきましょう。
以下は就職のときにアピールにつながりやすく、勉強で業界の知識を得ることができる資格やスキルです。持っているだけで評価につながる資格もあるので、ぜひ面白そうと感じるものがあれば挑戦してみてくださいね。
業界全般で役立つ資格
IT業界やデザイナー職で活かせる資格
⑦公務員を目指す
就職活動をせずに、公務員試験のために勉強し、試験を受ける選択肢です。
公務員試験は比較的勉強に必要な時間が長く、一つひとつの試験の間に数カ月の期間が空くのが特徴です。また、受験に必要な科目の数も多いため、あらかじめ勉強をしておくことに損はありません。
ただし、公務員自体が人気の職業のため、試験自体の倍率が高いこと、民間の就職活動と比較すると長期戦になることが想定されること、公務員試験には年齢制限があり、大学卒業後の数年しか受験資格が得られないことに注意しましょう。
⑧フリーターとしてアルバイトをする
企業に属さずに好きなアルバイトを選びながら働くのも手段の一つです。
フリーターとしてアルバイトをする場合、自分で仕事をする量やスケジュールを決めることができるため、柔軟な働き方が叶うことがメリットに挙げられます。ほかにも、将来的に叶えたい夢や目標がある人は、時間をその活動に費やしながら、空いた時間でアルバイトに取り組むなど、効率的な時間の使い方もできます。
デメリットとしては、働き方を選べる代わりに収入が安定しないことや、賞与やインセンティブがもらえない傾向にあること、正社員と比べると昇給の割合が低いことが挙げられます。
短期的に生活費をまかなうことは可能ですが、自分が怪我や病気をするリスクを考えると収入の面で不利になる可能性があることを理解しておきましょう。
人によって進路はさまざま! みんなの卒業後の進路を大公開
ここまでは就職しない場合の選択肢について解説しました。前述した選択肢の中に「やってみたい」「こんな選択肢もアリだな」と感じる候補はありましたか。
どの選択肢を選んでもメリット・デメリットの両方があり、自分が実現させたい働き方をするには一定の努力が必要です。とはいえ、就活は人生において重要な選択のタイミング。意思決定の仕方や、どんな進路が自分に合っているかわからない人もいるでしょう。
そんな人に向けて、パネリストに進路を選んだときの経緯や当時の体験談を聞いてみました。「就職したくない」と考えていても、実際に働いてみると面白い経験ができたという人もいれば、「就職したくない」という考えから実際に別の道に進んだ人もいるので、たくさんの決断を見ていきましょう。
会社員になる以外の選択を選ぼうと思ったことはありますか?
大学の授業も実践的な内容が増え出す時期だったので、それらが面白く、どうしても大学院に進学したいと思っていた時がありました。結果的には就職にしました。
私の周りには起業をしている友人がいないので、就職一本という感じでしたが、仮にいたとしたら刺激を受けて自分もそのように活動していたかもしれないです。
会社員になる選択以外は私にはなかったです。ですが、周りにはレーサーを目指した人や、起業した人がいました。その人たちは大学への登校を減らすという選択を取っていました。
自分が憧れていた職業に外交官や政府機関があったのですが、それらの職は院卒の方が有利なので悩んだことがあります。しかし、実際にその職業に就いている人にお会いする機会があり、実際の話を聞くと、「運と実力だ」と言われたうえに、自分が就きたいポジションは数年に一回募集があるかないかという状況でした。この賭けに出るのは怖いなと諦めました。
実際には就職しましたが、私の周りは1人で仕事をやっている人が多いです。みんな始めは企業に就職しましたが、その後独立するような形でした。自分の父親、祖父母、親戚は起業して生計を立てている家系なので、自分も1人でやろうかなと考えたことは何度もあります。
私は思わなかったです。やりたいこともなかったし、自分に何ができるのかもわからなかったからです。友人でフリーランスとして働いている人が数名いましたがやりたいことが明確になっていた人だったからこそ実現できていたのかなと思います。
「就職したくない」と感じつつも就職した人の意見
それでは、「就職したくない」と思ったことがあっても、今現在は企業で働いているパネリストの話を聞いてみましょう。心境の変化やどのような経緯で入社に至ったのかを教えてもらいました。
漠然と「就職したくないな……」という不安や憂鬱といった気持ちを抱いていましたが、結果的に正社員として就職しました。
進学や公務員試験といったことも考えましたが、並行しておこなっていた一般的な就職活動の中で、興味のある企業と出会えたことで就職の道を選ぶことになりました。新卒で入ったその会社は結果的にあまり合わず短期間で辞めてしまったのですが、就職という選択肢を選んだことは良かったと感じています。
現在勤めている3社目の会社まで、良いことも悪いこともたくさんありましたが、どの会社でも「入社しなければ良かった」と感じることはなく、良い縁や経験を得ることができたからです。それぞれの会社での時間もそうですが、「転職」の経験自体に関しても、自分にとってとても良い経験になったと感じています。
私は一度就職をして、現在は事務の職に就いています。結婚もし、子供もいるのでとりあえずは確実にお金がもらえるようにと正社員で働いています。
実際、働いていて学ぶことはたくさんあるので、自分のやりたいと思う分野とは違う職業だとしても、何かしらで経験を活かせると感じていますし、お金をもらいながら次の道を考えることができるので、後悔などはありません。
ただ、早く雇われる側から抜けたいなとは感じています。転職をする前はストレッチトレーナーをしていたので、今はその経験を活かしてフリーランスでやろうかと考えています。
就職先から独立しようとしている人の意見も見てみよう
こちらは就職したけどここから独立を目指す、という人の意見です。選んだ進路に対する率直な感想や、今感じているメリット・デメリットを語ってもらったので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
一度就職して手に職をつけることができたのと、かなりハードに働いていたのに自分になかなか還元されなかったので、これを1人でやったらもっと稼げるようになると思い、ここからはフリーランスとして独立して仕事をしようかと考えています。
今考えられるメリットは時間も休みも自分で決められる、子供との時間も取ることができる点です。デメリットはやはり「確実に稼げる」という保証がまったくないので不安定である点だと思います。
一度就職したことによって、自分の経験や視野が広がったので今の選択でまったく後悔はありません。
徹底比較|就職する・就職しないで変わる将来の可能性
ここまでは就職しない場合にどんな選択肢があるか、メリット・デメリットを解説したうえで、先輩の意思決定についての体験談を紹介してきました。
自分自身の将来だからこそ、一時の感情に惑わされずにしっかりと向き合わなければ、あとで取り返しのつかない機会損失になってしまいます。
今まさに「就職したくない」と考えている人は、就職した場合としなかった場合の将来の違いを理解したうえで決断をしていきましょう。
ここからは、働いて得られる収入や働き方、働いた後のキャリアなどの観点から「就職した場合」「就職しない場合」について見比べていきます。また、就職する・就職しないの立場によって、周囲から得られる信頼や、転職・再就職の選択肢が少しずつ変化するので、その点も含めて解説していきます。
働くことへの不安から「働くのが怖い」と感じる人もいるのではないでしょうか。将来、自分のしたい仕事が見つかった時に後悔したくないと思っている人は、ぜひ次の記事を読んでみてください。「働くのが怖い」と感じる理由とその解決方法を紹介しています。
ポイント①収入面
まず比較していくポイントは収入についてです。
正社員の場合にもらえる給与の平均と、フリーランスやフリーターになって収入を得ることを想定した場合で、金額にどれほどの差があるのかを比較していきます。
就職した場合
国税庁が公開している令和4年分民間給与実態統計調査では、社会人として1年働いたときの平均年収は458万円というデータが出ています。また、このデータには派遣社員を含めた非正規雇用者も含まれており、正社員のみで平均年収を算出するとその金額は523万円となります。
この平均年収を稼ぎながら22〜60歳まで働き、昇給やボーナスなどが加わっていくと、一人当たりの生涯年収は約2億3,200万円といわれています。月給で換算すると、正社員の場合はひと月にもらえる給与の平均は43.5万円程度になり、正社員以外の雇用形態の場合は35.2万円となります。
就職しない場合
ここでは、企業に属さないまま収入を得られるフリーランス・フリーターの2つを例に出して比較してみましょう。
フリーランスの場合
フリーランス協会が公開している「フリーランス白書2023」では、現在の年収が「200万未満」という回答が19.5%、「200〜400万未満」だと回答した人の割合が27.9%、「400〜600万未満」と回答した人は20.9%と、600万未満の層がボリュームゾーンになっています。反対に、600万以上の収入を得ている人は、全体の3割程度となっています。
回答の多かった200~600万円の平均を月収に換算すると、ひと月に33.3万円ほどの収入が見込める計算になりますが、仕事のスケジュールが柔軟な分、収入がない月があることにも注意が必要です。
フリーターの場合
国税庁が公開している令和4年分民間給与実態統計調査結果によると、フリーター全体の平均年収は約200万円です。
もちろん、働き先の時給や待遇にも寄りますが、それぞれの時給による年収・月収の違いは以下の通りです。一番低い時給額は、東京都の最低賃金1,113円になっています。
時給 | 労働時間 | 月収 | 年収 | ||||||||||||||||
1,113円 | 1日8時間×週5日 | 17万8,080円 | 213万6,960円 | ||||||||||||||||
1,200円 | 19万2,000円 | 230万4,000円 | |||||||||||||||||
1,300円 | 20万8,000円 | 249万6,000円 | |||||||||||||||||
1,400円 | 22万4,000円 | 268万8,000円 |
このように高時給のアルバイトを正社員と同じ時間働いたとしても、210〜270万円の収入となり、働く時間を増やせば増やすほどほかのことに使う時間がなくなっていきます。もちろん、ここから税金が差し引かれるため、手元に残る収入はより少なくなります。
就職しない場合の収入面のメリット・デメリットは?
企業へ就職しなかった場合、収入面でメリット・デメリットに思うことは何ですか?
実家暮らしや親の援助がない限りは、収入が少なく、生活するのが難しいのではないかと感じます。メリットは特に思いつきませんでした。
フリーランスになるにしても、勉強代や機材を揃えるなど初期費用にかなりお金が必要なので、卒業後すぐフリーランスなどとなると普通に生活できるようになるまでかなりの時間を要するだろうと思います。
最初はスキルがないところからなので、少額から収入を得ていく必要があると思います。フリーランス系だとWebマーケなどのスキルがあると、割と安泰なイメージです。WebやSNSが得意だといろいろな応用ができるので、時間が取れるフリーランスが一番稼ぎやすいジャンルでもあります。
フリーランスになることを想定すると、やはり収入面では完全に出来高制になるため、安定するまでは特に、仕事量の増減に伴い、収入が不安定になるだろうなと思います。また、フリーターを想定しても、多くはシフト制だと思うので、仕事先との調整で1カ月あたりの収入が見えづらい点、祝日が休みの仕事の場合は、大型連休がある月に収入が激減する点(月給制ではないから)はデメリットだと思います。対して、働く時間帯や日数に関して自由度が上がる点はメリットに感じます。
ポイント②働き方
次は働き方の比較です。ここでは改めて正社員として企業に勤務するケースと、勤務の形を選ばずに働く場合についての特徴を見比べていきます。
就職した場合
就職した場合、基本的には企業の就業規則に基づいて仕事をしていきます。
もちろん、決められた時間に出勤し、1日8時間を仕事に費やすことになります。現在の日本の平均休日日数は115日ほどですが、近年では120〜129日の休みを定める企業の割合が増えており、正社員として入社すれば好きなタイミングで有給を消化することができます。
正社員の働き方の特徴としては、一つの企業で長期的に勤務することが前提のため、勤務年数が長ければ長いほど昇進のチャンスがあり、仕事上の裁量を得やすいという点です。ほかにも、企業が設けている福利厚生や社会保険を頼ることができるため、万が一の保証を受けることも可能です。
一般的な働き方は上記の通りですが、中にはフレックスタイムや時短勤務と呼ばれる、働く時間を任意で選べる制度や、シフト制で出勤する曜日や時間帯が変化する形態を導入することで、柔軟性を実現している企業も存在します。
就職しない場合
どんな形であれ、企業に属さずに働く場合の特徴は、好きな時間に働く、好きな服装で働く、自分の決めた仕事の量をこなす、など生活をカスタマイズできることです。
ほかにも、人間関係を煩わしく感じている人や仕事を一人でしたいと思っている人は組織に属さずに行動ができる気軽さもあります。
仕事にもよりますが、顧客を確保する積極性や身の回りのタスクを決められた期日までに納品する管理能力があれば、空いた時間をやりたいことに費やすこともできます。
就職しない場合の働き方のメリット・デメリットは?
企業へ就職しなかった場合、働き方の面でメリット・デメリットに思うことは何ですか?
時間や場所に縛られずに働けることがメリットであると思います。デメリットとしては、正社員同様の福利厚生が受けられないことが挙げられると思います。
卒業してすぐ働く環境や、条件が整ってない点は大きなデメリットだと思います。代わりに働き方に限らず自由に生活を決められるというのはメリットだとも思います。
自分から仕事を取りにいかないといけないのでそのやり方やスキルがないと厳しいのではと想定しています。ある程度社会人経験があればスキルを活かすこともできますが、その経験がないと少し苦労しそうです。メリットとしてはなんでも挑戦できるので、場合によってはたくさん仕事をもらえるチャンスが眠っているといったイメージです。
企業であれば分業しそれぞれやっている仕事をすべて自分で管理しないといけない点はとても大変だろうなと思います。たとえば、仕事を取りにいくような営業、確定申告や経費の管理といった経理などです。反面、時間や働き方に融通が利くこと、自分の裁量で仕事を進めていける点は働きやすさや面白さもありそうだと感じます。
ポイント③キャリアアップや将来の選択肢
それでは、それぞれのキャリアはどのように変化するのでしょうか。将来性や「キャリアを変えたい」と感じたときの方向性の違いを解説していきます。
就職した場合
就職して企業で働く場合、キャリアアップの基準が企業で明確に定められていれば一定の年数で昇進をすることになります。昇進をすればするほど、裁量を与えられることになり、仕事での実力や信頼を得られるため、新規事業にアサインされたり、さらなるキャリアを目指したりと、自分の選択肢を増やしていくことにつながりますよ。
希望する職種が社内にある人は、社内のキャリアチェンジやジョブチェンジの制度を活用することで、希望の職種にチャレンジできる可能性があります。
大手企業や従業員数の多い中小企業では、新卒から着実に勤務年数を重ねていけば、少しずつ昇進・昇給する傾向にあります。反対に、ベンチャー企業や成長期にある企業では社員の能力や実績に応じて昇進を推奨する仕組みが整っていることが多く、若いうちから裁量を持って働くことも可能です。
就職しない場合
就職せずに自分の持つスキルや実績によって、チャレンジしたいことに取り組む機会が変化すると考えたほうが良いでしょう。たとえば、デザインスキルがある人なら、それを活かせる企画職やアートディレクターなどの職にチャレンジすることもできるほか、今までの顧客との人脈などで予期せぬキャリアを切り開くチャンスが巡ってくる可能性もあります。
就職せず企業にも属さないままで新しいことにチャレンジしたい、しかしスキルや実績がない、という人の場合は、ゼロからのスタートとして独学やスクールなどに通いながら基盤を作っていくことになります。
つまり、新しいキャリアに挑戦したり、ステップアップをしていくにも、それを実現させるための実力が既に備わっている必要があります。
就職しない場合のキャリアアップのメリット・デメリットは?
企業へ就職しなかった場合、キャリアや実績の面でメリット・デメリットに思うことは何ですか?
フリーランスなどは実績やコネが大事な世界だと思っています。一般企業への就職経験なし、つまり未経験の人間に降ってくる仕事はかなり少ないのでは、と感じてしまいます。進学などの選択肢であれば、専門性を高めた状態で就職をすることになるので、逆に重宝されるんじゃないかと思います。
フリーランスとして活動するためにはまず、資格やスキルが必要になると思いますし、仕事量も自分が仕事を取りにいかないとやっていけないと思います。そのため、収入が安定しないことにつながるのだと思います。
単発案件や少額案件を多数こなしただけだと正直実績としては語れないと思います。もし将来、企業に就職することも視野に入れているのであれば、どういうスキルを企業側が求めているのかをあらかじめ知っておくと良いです。フリーランスは自ら仕事を探すため、主体性が身に付く点は評価されるかもしれないですね。
ネガティブな考えかもしれませんが、進学やフリーター、フリーランスの道がうまく軌道に乗らず、一般就職に切り替えようと考えたとき、今までの仕事がうまくいかなかったが故に、語れる実績や経験がないのではと考えてしまいます。その点で再就職に苦労しそうだと思ううえに、一般企業で同じ年数、正社員として働いている人に見劣りしない経験を自分の力で積まなくてはいけないというのは、かなりパワーが必要だろうなと思います。
ポイント④社会的立ち位置
住居を借りたり、クレジットカードを発行したり、サービスを受けるために契約を交わしたりするとき、その人が信用に値するかどうかを審査することがあります。この時チェックされるのが「社会的信用」と呼ばれる、「その人の経済力や地位からどれほど信頼できるか」という指標です。
これが低いとライフイベントや大きい買い物をする時に、審査が通りにくくなったり、取引や契約を断られたりするリスクがあります。
社会的信頼が求められる場面の例
・クレジットカードを発行するとき
・賃貸を利用するとき
・物を購入するためのローンを組むとき
・結婚するとき
・企業や顧客と取引をするとき
就職した場合
企業に属して働く場合、安定的な収入を得られることや企業の後ろ盾があることから、上述した「社会的信用」を得やすい傾向にあります。
「社会的信用」はその人の経済力や仕事の地位に裏付けされるため、安定した収入を得られるということは急に支払いができなくなるという心配が少ないと考えられているのです。
そのため、ローンやクレジットカードの発行などの手続きでは、困ることは少ないといえます。
就職しない場合
すべての人に当てはまるわけではありませんが、企業に属さず働くフリーランスやパート社員、フリーターは、収入が安定しないという実態から、社会的信用を得られない場合があります。
この社会的信用が得られないことで起こる弊害としては、ローンを組みにくくなる、組めたとしても金利が高く設定される、賃貸契約を断られる、企業との取引を断られるなどがあります。
企業との取引に関しては長い時間をかけて信頼と実績を積むことで緩和されることはありますが、それでも正社員と比較して支払い能力や社会的に保証してくれる存在がないという点で、信頼が得にくいといわざるをえません。
就職しない場合の社会的立ち位置のメリット・デメリットは?
就職しなかった場合、社会的な立ち位置の面でメリット・デメリットに思うことは何ですか?
進学の場合は例外ですが、それ以外の場合はいわゆる「新卒カード」を失ってしまうことは大きいと思います。日本は新卒に対しての恩恵が多く、自分の実力やスペック以上の会社に入ることができるため、不用意に捨ててしまうのはデメリットになるのではと思います。
卒業してすぐなので、特に実績や肩書きもない状態というのはデメリットになるのかなと思います。フリーランスなら仕事もあまり入らないだろうし、フリーターならいずれ就職するにあたって空白期間となってしまうからです。
社会的立場については何をやってきたか実績も含めて評価されるので、そこまで実績がないと社会的立場としてはあまり良く見られない可能性もあります。ただ業界や業種によってはむしろ歓迎されることもあるので、正しい選択をすれば良い条件で採用されることもあると思います。
実績や経験といった点で語れるものがなかった場合は「不安定な仕事をしている」という印象を持たれるのではないかと思います。また、細かい話ですがクレジットや賃貸契約といった面でも審査に落ちたりするのではないかと心配です。メリットに感じる点としては、リスクが高い道を選んで自分の力で仕事をしているという芯の強さや実現力といった面を評価してもらえる場面もあるのではないかと思います。
ポイント⑤転職・再就職するとき
就職した人と、就職しなかった人。もし将来的に「転職しよう」「再就職しよう」と考えたときに、どのような違いがあると思いますか。
ここでは、一度就職を経験した人が転職して職を変えるときと、就職しない進路を選んだ人が再度キャリアチェンジをすることを想定して、就職に関する状況や難易度を比較していきます。
就職した場合
正社員としての職歴がある状態で転職をするときは、前職での経験や社会人としての経歴、転職先で何を実現させたいかを見られることが多いです。
また、希望する転職先が前職にかかわりがある人は即戦力として評価される傾向にあり、年収アップやさらなるキャリアアップが実現する可能性が大きいです。
未経験の業界や業種に挑戦するときは、業務への熱意や志望度をアピールしたうえで、ポテンシャルを見込んで採用をしてもらうことも可能ですが、転職時の年齢が高くなればなるほどスキルや資格、実績を求められる傾向にあるため注意です。
就職しない場合
再就職をするときは、転職者と同じ中途採用として企業に応募することになります。中途採用で重要視されるのは即戦力になる人材かどうか以外にも、どのような経緯でキャリアを歩んできたのか、ポテンシャルがあるかなどを評価されます。
そのため、専門的な知識や経験、具体的な実績がある人はそれらを棚卸することでアピールに使うことができます。
明確に企業に提示できる経験がある人は、正社員としての再就職が叶う可能性が高いといえますが、裏を返せば、キャリアの年数に対してスキルが伴っていないと判断されてしまうと、就職自体が厳しいという状況に陥るケースも存在します。
就職しない場合の転職・再就職するときのメリット・デメリットは?
就職しなかった場合、転職や再就職するときのメリット・デメリットは何だと思いますか?
やはり改めて就活を開始するにあたって、何かしらの実績がないというのはかなり不利になるのかなと思います。ただ、勉学と両立することなくじっくりと自分の進路を考えられる点はメリットかもしれません。
やはり企業で働く経験がないと一般的なビジネスマナーなどが身に付いていないと思うので転職が難しいと思います。
ビジネススキルがあるかどうかは見られます。企業で働くとなるとそこは当たり前にできていないと厳しいなと感じます。周りのフリーランスを見ていると、少し基礎的なビジネスマナーが抜けている自由奔放な方が多いイメージです。ただ、やっている仕事によってはすぐに「欲しい」と言われるのもフリーランスだと思います。
転職や再就職の場でライバルになるのは、正社員として経験を積んだ方が大半だと思うので、経験やスキルの面で見劣りしてしまうのではないかと思います。また、どうしてその道を選んだのかは必ず聞かれると思うので、動機によってはマイナスの印象につながってしまうかもしれません。メリットとしては、就職しなかった道で成功していた場合、その行動力や実現力といった面を評価いただける可能性があるように思います。その場合、積んだ経験も密度の濃いものであることから、即戦力として判断いただける可能性もあるのではと考えています。
就職する場合と就職しない場合の違い
ここまで比較してきたポイントについて、表で振り返ってみましょう。
就職した場合 | 就職しない場合 | ||||||||||||||||||
収入面 | 収入は安定する | 必ずしも安定とは限らない | |||||||||||||||||
働き方 | 企業の規定に従って働く | 時間や組織に縛られずに働く | |||||||||||||||||
キャリアや実績 | 昇進やキャリアアップの チャンスがある |
自身のスキルや実績で選んでいく | |||||||||||||||||
社会的立ち位置 | 企業の後ろ盾があり 信頼を得やすい |
社会的立ち位置を 得にくい場合がある |
|||||||||||||||||
転職・再就職 するとき |
社会人経験や実績が アピールできる |
専門的な知識やスキルが アピールできる |
なんとなくの「就職したくない」は理由を明確にしてみよう
明確な理由がない状態で、「就職したくない」という気持ちになっている人は、一度そう思う理由を追及してみましょう。
もしかしたら、その就職したくない気持ちには、「就活が面倒くさい」「働いている自分がイメージできない」など働くこと以外に理由があるのかもしれません。
ここからは、就職したくないと感じてしまう主な理由を紹介していくので、自分に当てはまる例がないか探しながら読み進めてくださいね。
①就活がつらい・面倒くさい
就職活動をすること自体が面倒に感じている、面接をしても不合格が続くなど、就職に対するフラストレーションがたまっている状態だと、そもそも就職するために動くこと自体がストレスになっている可能性があります。
就職活動では書類を用意したり、面接のマナーを覚えたりする必要があったりと、やることも多く、苦手意識が芽生えやすいことから「就活自体を考えたくない」ということもあります。
②自分のやりたいことが見つからない
自分のやりたい事や実現したいことがわからないから、就職にもゴールが見いだせない人もいますよね。
自分の打ち込める仕事が何なのか、何を楽しいと思うかの輪郭がはっきりしないことから、考えるのが面倒になっているケースが考えられます。また、好きなことを見つけるための自己分析にもいき詰まってしまってしまい、働くことへのモチベーションが下がっている状況といえるでしょう。
③働くことに良いイメージを持てない・楽をしたい
就活のイメージや周囲の社会人を見ていて、働くことが大変そうだ、楽をして生きていきたいと感じている人は「就職しないで働かずにいたい」と感じるでしょう。
ほかにも、自分の将来や働いている姿が具体的に想像できていない、自由がなくなるような感覚があるという人は就職することに抵抗があります。
④就職せずにやりたいことがある
就職の代わりにやりたいことがある、熱中したいことがあるという人にとっては、仕事で1日8時間の拘束をされることは苦痛に感じることもありますよね。今までめいっぱい時間を使えていたことができなくなることのストレスを感じる人は「就職したくない」と感じやすい傾向にあります。
やりたいことを仕事にして収入や経験を得られる場合は、そのまま手に職をつけることが可能ですが、趣味やビジネス向きではない場合は、就職をするか、趣味として続けるか、本格的にビジネスとして昇華していく覚悟を持つか、など両立をする方法を考える必要もあります。
⑤人間関係や組織にストレスを感じたくない
人間関係を構築することを億劫に感じる場合は、企業に属しながらチームプレイをすることに苦手意識を感じる人もいます。
社会人になると必ず自分よりも立場が上の社員とかかわらなくてはいけないため、上下関係に悩んだり、同僚や同期とコミュニティの中に属しながらコミュニケーションを取ったりすることに気が向かない人は、それらを避けるために「就職したくない」と考えることがあります。
パネリストに質問! 「就職したくない」の理由は何だった?
「就職したくないな」と一度でも感じたことがある人に質問です。どのような状況で「働きたくない」「就職したくないな」と感じましたか?
就職活動があまりうまくいっていなかった際に、周りの友人が海外の大学院に進学するという話を聞き、私も就職せずに海外にいきたいと考えたことがあります。
周りの先輩方に社会人になった話を聞いてみると、好きなことが自由にできたり、時間を自由に使えたりする大学生の魅力を改めて確認し「社会に縛られるのは大変だな」と思った時に感じました。
一つ上や二つ上の先輩が仕事で苦労している面を見ると、「働くって大変だな」と思いますし、就職したら時間が無くなってしまうことから感じました。
現役社会人が伝える 「就職して良かった」と思った経験
自分が苦手としていたことが少しずつ改善されたり、何度か転職したことで視野が広がり、「人生、自分の力で何とかなりそうだ」と感じることができたという実感があります。
何もやりたいことがなかったり、自分の能力にあまり自信がなかったりと自己肯定感が低い自分でも、社会を経験して少しずつ変わることができたと思うので、今悲観的になっている人は就職すること自体に希望を持つというより、とりあえず何かしら挑戦してみる、という気概の方が良いと思います。
自分に合わないと感じたらほかのことにチャレンジするだけ
やってみて続かないものなんていくらでもあります。もしその仕事が自分には向いてなかったとわかったら、また違うことに挑戦してみる、という繰り返しで良いと思います。「楽しいな」と思ったものは少し長く続けて、少しずつ前に進んでいくことが大事です。
短期的にすべてを得られるものは長くは続かないです。長期にわたって習得したスキルや経験は、その後長く自分に役立ちます。人生どうにかなることの方が多いのでぜひ頑張ってみてください。
周囲に多くの社員がいることで、お互いに学ぶ機会があるのは企業に属していて良かったことかもしれません。特に、仕事を始めたての頃は、壁にぶつかった時に教えを乞える先輩や上司がいたことが心強かったです。
就職という転機を前に、「嫌だな」としんどく感じてしまうこともあると思います。もちろん、仕事をしていると辛いこともたくさんありますが、少しずつ自分自身に力がついてくる・できることが増えるといったことを実感する場面が必ずやってきますし、私はそれがモチベーションになっていました。
社会人になったからこその充実も楽しみの一つ
それに、収入が安定する分、学生時代とはまた違った形で趣味などの時間も充実させることができますよ。また、学生時代にはかかわりのなかった層の人たちと知り合える機会も増えるので、新しい友人や学びの機会が得られることもありました。
どうしても、「仕事=しんどい」という印象がぬぐえないこともあると思いますが、楽しいことも同じくらい増えるので、今を乗り切って存分に社会人生活を謳歌してほしいなと思います。
「就職したくないからしない」と決める前に確認するべき5つのこと
ここまでは就職した場合と就職しない場合の進路について解説や比較をしてきました。
それぞれの働き方に特徴があり、人生で何を優先したいかによって臨む働き方も変化します。進路を決めるうえで特に気を付けたいのが、将来を考えずに意思決定をしていないか、ということです。
なんとなくの軽い気持ちで進路を選んでしまうと、のちのちできることに差が付いてきます。一度きりの人生、年齢を重ねたタイミングで後悔をしないように「就職しない」と決める前に考えるべきことについて解説していきます。
一時の感情で動いていないか
就活が面倒くさい、内定がもらえない、自由な時間がほしいから、という一時の感情で「就職しない」と決めてしまうのは危険です。
上述した通り、もし進学や留学をするのなら高額な費用がかかり、企業やフリーランスになるのであれば顧客に求められるような高度な技術やスキルが必要です。既に準備が整っている人は問題ありませんが、目標や目的を決めないまま選んでしまうと理想の働き方からは遠ざかってしまうでしょう。
今の状況から逃げたい、嫌なことと向き合いたくないという人もいるかもしれませんが、一度、「面倒くさい」「つらい」という感情から「働きたくない」という考えにとらわれていないか、自分自身と向き合う必要があります。
一度きりの新卒カードを使わなくていいのか
新卒の採用はいわば「ポテンシャル採用」。経験や知識ではなく、その人材の将来性や活躍できるかどうかを企業は評価しています。
そのため、未経験の業界・業種でも熱意があれば挑戦がしやすく、やりたい仕事に取り組めるチャンスが一番多くなるのが新卒就活です。また就職を何年か遅らせると、面接ではそれ相応の理由を求められる傾向にあります。
近年では、優秀な人材の確保や就職の機会を広く設けることを目的として、国が「大学卒業後、3年以内の人材も新卒として募集可能」と方針を変化させています。そのため、1〜2年ほど就職を遅らせた学生でも、新卒カードを使うこと自体は可能ですが、企業の判断によるところも大きく、線引きを厳しくしている企業も少なくありません。
もし、やりたいことが明確にある、将来的に実現させたいことがある、という人はそれにつながる仕事ができる企業に新卒のうちにチャレンジするのがおすすめです。一度だけ使える新卒カードを有効活用するか、使用しないかはしっかりと見極めましょう。
再度就職しようと思ったときにリカバリーできるのか
正社員からフリーランスやフリーター、起業や独立に挑戦することは可能ですが、フリーランスやフリーターから企業に就職する場合はそれ相応の実績やスキルがない限りは難しくなります。
前述した通り、実家の家業を継ぐ場合も、仕事内容によっては再就職先を見つけるのに難航する可能性があります。
20代のうちは再就職が不可能ではありませんが、若手や即戦力になれる人材が重宝される就職市場では、30代以上かつ未経験者やスキルがない人材は、就職や正社員雇用が難しいことが考えられます。
独立して仕事をした後、正社員歴がある他の人よりも自分を選んでもらうためのスキルや実績、経験を得るための努力ができるかどうかは深く考える必要があります。
生活を成り立たせるための収入を得られるか
もし、就職しなかった場合、自分の生活費をまかなう収入を得られるのかはしっかりと考えておきましょう。
学生時代のアルバイトと異なり、社会に出ると税金を支払うのが義務になり、予期せぬ病気や怪我を負うリスクも高くなります。万が一のときに自分を守ってくれる保険や保証に申し込む際にも、安定した収入があるかどうかが審査の対象になることがあります。
仮に、自立して家を借りて生活する場合、成人の1カ月の生活費はおよそ19〜21万円、家賃がいらない場合でも税金やライフラインを確保するためには11〜13万円の費用がかかります。
また、将来的に結婚や住宅の購入など、実現させたいライフイベントがある場合は、それ以上のお金が必要になります。いざという時のために使える貯蓄をすることを考えてから進路を決定していきましょう。
就職せずにやりたいことが明確にあるのか
就職する選択肢を捨ててもやりたいことがはっきりしているのか、今一度考えてみましょう。もちろん、若い今の時期にしかできないこともありますが、自分のやりたいことだけで生活を成り立たせることができるのか、自分の臨む生活水準に達するまで頑張り続けられるのかをフラットに整理しましょう。
今は楽しいことや趣味などに熱中したい人もいるかもしれませんが、その道に本気になれるのか、それだけで収入やスキルを得る覚悟があるかによって、将来の方向性も変化します。
また、今では想像がつきにくいライフイベントが起こる可能性もゼロではないため、就職のタイミングを逃しても後悔しないかどうかはしっかり見直してくださいね。
進路を決めるうえで意識したいポイントは? 現役社会人に聞いてみよう!
もし今働かないならいつ働くか、これから何十年と生きていくうえで、どこかのタイミングで働いていくことになるなら、どこかでけじめは付けないといけなくなります。
その動き出しのタイミングが遅ければ遅いほど人生に制限がかかってきますし、行動が早ければ早いほどチャンスが多く降ってきます。結局は、そのたった2つの選択肢のどちらを選ぶかです。人生はほとんどが選択肢を選ぶことの繰り返しで成り立ちます。
一度間違っても早く行動していれば修正は効く
自分にとって正しい行動をすれば、人生がより良くなります。もちろん、間違った選択をすることもありますが、ほかのことを選択するときに正しい方を選べばいつでも修正は効くものです。
世の中でより良い人生を過ごしている人は働いた経験がある人が多いのか、それとも働いていない人が多いのか、それをフラットに自分の中で考えてみる必要があると思います。人は幸せになるために行動するので、自分にとっての「幸せ」を勝ち取るための選択かはしっかり考えましょう。
就職をしないという道も、目標や夢、事情があるのであれば全然良いことだと思います。ですが、ただ働くことに対して「嫌だ」という気持ちから就職したくないと考えているのであれば、ぜひ立ち止まって考えてみてほしいと思います。
再就職したいと思った時に周囲の人に勝てるのか
数年後、改めて「就職したい」と考えたとして、周りの同年代の人は正社員としてコツコツと経験を積んできた人が大半です。きっと今より就職のハードルは高くなってしまっていると思います。
もちろん、絶対に就職できないというわけではありませんが、周囲の人以上の努力が必要になると思います。夢や目標がある人はもちろんぜひ頑張ってほしいと思いますが、自分の人生なので、選んだ道のリスクも確認したうえで、納得できる道を選んで素敵な社会人生活を歩んでいってほしいなと思います。
パネリスト直伝! 就職したくない気持ちが拭えない人へ知ってほしい対処法
ここまでは、「就職したくない」と感じる主な理由や、進路を見極める時に考えたいポイントについて解説をしてきました。あなたの状況に当てはまる原因はありましたか。「就職したくない」と思っていても、一つの事実として新卒の大多数が企業へ就職をしています。
働くこと自体をポジティブに捉えられない、就活へのモチベーションを保てない、など「就職したくない」という気持ちのまま就職活動をしていても、良い結果にはつながりません。
明るい将来や進路を手に入れるためにも、自分の「就職したくない」という気持ちへはなるべく対処できるようにしておきましょう。
ここからはモチベーションを維持したり、テンションを上げて前向きになるための具体的な方法を紹介します。すぐにできる方法もあるため、定期的に取り組んでみてくださいね。
就活のモチベーションを上げる
まずは、就職を一番身近に感じる就活のモチベーションを上げていきましょう。働くイメージがわかない、就活がうまくいかない、などが原因で気分が落ち込んでいるのなら、実際に行動してもやもやした気持ちを解消するのが一番の解決策です。
気軽にできて就活のためにもなることをまとめたので、参考にしながらできることがないか探してみてください。また、一人で就活をしていると孤独に感じたり、自然と視野が狭まって思考が固まったりしていることがあるので、友人や先輩、もしくは学校のキャリアセンターなどで話をするだけでもリフレッシュになります。
今までは希望する業界や業種しか見ていなかった、という人は社会見学的にまったく関係のない業界・業種の説明会や業界研究をすると、良い刺激になりますよ。
就活のモチベーションを上げる方法
・自分の知らない業界・業種を幅広く見てみる
・企業のOB・OG訪問をする
・インターンシップに参加する
・面接練習をして内定を狙っていく
・改めて自己分析をしてみる
・自分にご褒美を設定する
内定者が実際におこなった面接練習法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。効果的な練習をして選考を通過し、就活のモチベーションを上げていきましょう。
面接練習みんなは何をした? 経験者から学ぶ効果的な練習法13選
インターンに参加したい人にはこちらの記事がおすすめです。インターンに行くタイミングや周りと差をつけるインターン準備について解説しています。
インターンはいつから行くのがベスト? 学生のリアルな声から解明
パネリスト直伝! 就活のモチベーションを上げる方法
就活でモチベーションを上げるためにおこなっていたことは、1カ月に1回のご褒美デーを作ることです。何と私は土日のどちらかに必ず食べ放題にいってました。
ほかにも、ゲーム感覚で就活をすると良いと思います。いくつかの企業に書類を出して通過したら、その企業の対策を徹底的におこない、落ちたら「まあ、仕方ないかー」程度の心持ちになるように、量をこなしましょう。
たくさんの企業を受けていくと、選考に落ちた時のダメージが少なくなるのでおすすめです。
就活では、祝われている自分を想像することでモチベーションを上げていました。「すげえ! そんな有名企業に入ったんか! おめでとう!」といった成果報告をした際の自分を思い浮かべることで、心が高揚し、「頑張ろう」という気持ちになれました。
また、「内定が決まったら旅行にいける」という楽しみをつくって、就職活動をおこなうことで、挫折しないようにしました。ほかにも友人と切磋琢磨して進捗を報告し合うことで、良い意味での焦りが生まれ、さぼりたい欲をおさえることができたと思います。
友人同士でお疲れ様会を実施していました。
居酒屋やカフェなど、その時により場所は違いますが、同じく就活をしている友人と美味しい料理を食べて、失敗したことを笑い飛ばしたり、頑張ろうねと励まし合うことで、モチベーションを保っていました。
面接先の企業近くでは合流しないように気を付けていましたが、面接終わりにスーツのまま皆で集まって、就活やそのほかのことをたくさん喋ったことは今でも良い思い出です。
やりたいことを見つけるために自己分析を徹底する
やりたいことが見つからない、という人におすすめなのが何度も自己分析をしていき、自分の「好き・嫌い」を見つけていく作業です。
「自己分析=大変」というイメージを持っている人もいますが、最初から何時間もの時間をかけて自分と向き合うのは大変なことです。まずは身近な話題や簡単な質問から自身について考え、そこから派生させて自己理解を深めていきましょう。
簡単に答えられる自己分析の話題
・何を楽しい・やりたいと思うか
・何をつまらない・したくないかと思うか
・今までで一番うれしいと思ったことは何か
・今までで一番つらかったことは何か
・どんな仕事で誰を幸せにしたいと思うか
・お金/勤務地/仕事内容/休日の優先順位はどんなものか
代表的な自己分析として、「自分史」を作成して自分の人生を振り返る、「マインドマップ」で好き・嫌いや気持ちの整理をおこなう、「ジョハリの窓」で自分の知らない自分を発見する、「モチベーショングラフ」を使って感情の動き方を自覚するなどの方法があります。ぜひ、自分に合う方法を試してみてください。また、一人では気が付かない強みや弱みを探すために、友人や周囲の人に他己分析を頼んでみるのもおすすめです。
自分の好きなものを調べていくうちに、そこから派生した職業を知ることもできます。たとえば、「英語が好きだ」という人は外国語を使う仕事を探していくうちに、塾の英語教師や通訳、翻訳家といった職を見つけられるように、自己分析が職探しにつながる可能性は大きいです。自分への理解を深めて、自分が「楽しい」と思える仕事を少しずつ開拓していきましょう。
就活経験者に質問! 「やりたいこと」の見つけ方
「やりたいことが見つからない」と思った時にしたことは、たくさんの企業のインターンシップを受けまくり、実際に参加することです。
実際に私も業界・業種を絞らずに、30社以上のインターンに参加しました。その過程の中で、やりたいことが明確になるとまではいかなくても、「自分はこういう仕事をしたいのかも!」というなんとなくの感覚がわかってきたと思います。
夏の段階で業界・業種を絞ってしまうのは非常にもったいないと思っています。やりたいことが見つからない場合は積極的にやりたいことを見つけられる機会に参加してみてください。
「やりたいことが見つからない」と思った際に私がしていたことは、「やりたくないことを見つける」ということです。
たとえば「転勤したくないな」と思えば、全国に支店を持つ企業の営業はやめておこう、という風に消去法で探していくことも一つの手です。
また、私の場合は「システムエンジニアとコンサルティングならどっちが良い? それだったらシステムエンジニアかな」、「じゃあシステムエンジニアとマーケターならどっちが良い?」というように、職種を二択で出して次々に絞っていく方法も有効的でした。このようにしていろいろな方法を試して絞っていくことで自己分析につなげました。
やりたいことが実現できた人でも2~3年すると仕事に飽きてきたり、「ちょっと違ったな」と思って迷走する人もいます。
私は「やりたいこと」がなかったので将来あったら役立つスキルを身に付けられるという理由で営業職を選んでいました。
別にやりたいことを無理やり探さなくても良いと思います。20代なのであればいろいろチャレンジできる時なので、無理に決め打ちしてしまうのではなくまずチャレンジをしてみると良いと思いますし、将来の自分を楽しみに着々とステップアップすることを意識しています。
私も就活を始めた頃は、「どんな仕事をして良いかわからない」という時期がありました。その時は、大学、部活、アルバイトなど、自分が身を置くコミュニティの中で、どのような場面でやりがいを感じるかという経験に目を向けていました。
業界や職種として考えると難しいですが、私の場合は「何かしら人の役に立てる仕事がしたい」「支えになれる役割でありたい」というざっくりした気持ちがありました。
そこから、説明会などを通し、その企業がどのように社会やお客様の役に立っているのかを知ることで自分に合った職場を探そうと模索しました。
就活だけでなく自分の強みや弱みを自覚することは、自分に合った働き方や適職を探すのに効果的です。この記事では自己分析の具体的な方法や自分に合った自己分析の見つけ方を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き
仕事の中で実現させたい自分像を探す
仕事をするうえでなりたい自分像について考えてみましょう。将来のなりたい姿を明確にすると、就職活動でも説得力のあるアピールができるうえ、仕事の目標ができることによってモチベーションを維持しやすくなります。
まずは将来叶えたいことや挑戦したいことを書き出し、それに必要な費用や時間、キャリアについてより詳細に分析していきましょう。ここで書き出す内容ややりたいことは、自分に正直に、あるだけ書き出して問題ありません。
たとえば、「人を笑顔にしたい」など、仕事で得られるやりがいを書き出しても良いですね。ほかにも、「入社して5年目にはマネージャーになる」というキャリアプランなら、入社してからのキャリアアップの制度や評価方法が整っている企業を選ぶと実現しやすいですよね。
このように、自分が得たいやりがいや仕事で成し遂げたいものを目的にして、自分の仕事の意味づけをしていくと、目指すべき地点が明確になり、働くことを前向きに捉えやすくなります。
パネリストの仕事へのスタンスや目標はどのようなもの?
仕事への向き合い方として、「仕事は育成ゲームである」と考えるのが良いと思っています。
自分や後輩、周囲にいる人をキャラクター化し、どのように仕事を覚えさせていくか、攻略情報という名のマニュアルを考えることで、成長を楽しみ、進めていくことができます。
その結果、新人教育の際にも役に立つ知識を身に付けることができ、楽な気持ちで仕事に取り組めるようになります。
もし怒られるようなことがあっても、「これじゃ自分のレベルを上げることができないから怒られているんだなあ」と思うようにすることで、精神的に追い詰められることも少なくなると思います。
社会人として基礎的に必要なスキルを学べる場所、および実践の仕事をする環境が職場なのだと捉えれば良いと思います。
学生と社会人の違いはたくさんあると思いますが、「責任感」という点が大きな違いになってくるかと思います。
自分仕事をする責任感と、それが上手くできたときの達成感を味わうことや、失敗したときにどう活かすかという大切なステップを、経験として身に付けられる場だと思いましょう。
「就職に良いイメージがない」とか「今後の日本には期待ができない」とか、「働いても給料は低い水準のまま」など、持っている先入観にもよりますが、現実としてそういうことは当然あります。
ただ時代は100年時代で、生きている以上は生活をするために働くことになります。私はネガティブな性格で、他人と比較して落ち込んだり、うまくいっている人に追いつこうと頑張ったりしていましたが、全然うまくいかず、メンタル不調になって退職し、数カ月間仕事がないなど絶望した時期もありました。
そういった経験を経て言えるのは、人生は長いし、日本がどうかとか気にしないようにした方が良いということです。自分からネガティブになる必要はないと思いますし、楽しさを見いだせればだんだんとポジティブな思考になってきます。
同じ年齢で活躍している人が目立つのは当たり前で、そもそも育ちが違ったり、考え方やスタンスによる違いで、結果の出し方にも違いがあるんだということもわかってきて、「凡人は凡人なりにやっていくしかない」と吹っ切れると気持ちが楽になりました。
「仕事」と聞くと、やはり「大変そう」「しんどそう」というイメージが先行してしまう人もきっと多いと思います。私自身、「これから社会人か……」とため息をつくような気持ちだったことを覚えています。
しかし、社会人になったからといってすべての環境が変わるわけではなく、学校と同じように同期や先輩とワイワイ楽しく過ごす場面もあります。学生時代のアルバイトと違うのは、より責任ある仕事を任せてもらえる点です。最初はプレッシャーも感じるかもしれませんが、信じて任せていただいた仕事が成功した時は大きな達成感を感じることができました。
私は、自分が前に出て何か成し遂げるよりも、サポートや育成という面に関心があるので、今後はそういった面で活躍していきたいと考えています。
世の中にはたくさんの会社があって、その会社の中にもたくさんのポジションがあります。1社目が合わなくても、今は転職が当たり前の社会になっているので、次に向けて切り替えたらきっと大丈夫です。私自身も3社目でやっとしっくりくる会社に出会えました。きっと楽しく働ける職場が見つかると思うので、気負いすぎずに就活を見つめてみてください。
生活の中で手に入れたいものや働き方の軸を探す
自分が将来叶えたい暮らし方や生活水準、時間の使い方などから軸を定めていく方法です。
前述した「仕事の中で実現させたい自分像を探す」方法と似ている部分もありますが、ここで探す軸は生活や働き方についての要素が強く、キャリアビジョンを作るのが難しいという人でも想像しやすいためおすすめです。
まずは、「現時点では実現が難しいが、将来的に叶えたいと思うこと」を書き出してみましょう。具体的な例を挙げて解説するので、思いつかないという人は参考にしてください。
理想の働き方の例
・将来は広い家に住みたい
・27歳で自分の車を買いたい
・独立してデザイナーになりたい
・結婚して家庭を持ちたい
・海外に住みながら働きたい
・興味のあることを追及して資格を取りたい
・リモートワークで働きたい
書き出した後は、これらを実現させるために必要なことが何かを詳細に調べていきます。たとえば「27歳までに自分の車を買いたい」という人であれば、入社してから3年程度で100~300万円を貯蓄できる企業で働く必要があり、「独立してデザイナーになりたい」と思っている人は、それを実現させるためのスキルや実績を社会人のうちに手に入れる必要があります。
このように、将来的に叶えたいことを具体的にして対策をしていくことによって、何をするべきか、どんな企業を選ぶべきかを明確にすることができます。実現の仕方が思いつかないという人はこの後に紹介する、就職エージェントや社会人へ相談する方法も参考にしてくださいね。
パネリストの「譲れない条件」は何だった?
新卒の就活の際は、給料や休日といった待遇面にはまったくこだわっておらず、仕事内容が自分の希望する内容であるかどうかが一番の譲れない軸でした。
私の場合は、お客様を直接近くでサポートできるような仕事に就きたいと思っていたため、当時はサービス業界や福祉業界を中心に検討していました。
現在は転職を経験して3社目に在籍していますが、この企業に入った際は、業務内容に加え、リモートワークができること、完全週休2日制・120日以上の年間休日があること、残業が30時間以内であることは働き方の条件として持っていました。
私にとって絶対に譲れない軸は2つあります。
1つ目は地元の企業であることです。私は仕事とプライベートの両方を充実させたいと思っているのですが、プライベートを充実させるうえで、自分にとってストレス発散になるのは友人や家族に会うことでした。休日を充実させることによって仕事もはかどり、モチベーションにもつながると考えているので、友人や家族のいる地元の企業で働くことは絶対に譲れない軸です。
2つ目は大学の研究でかかわってきた分野の知識を活かせる業種であることです。研究を通してその分野の今後の可能性や、自分が得られるやりがいをとても感じています。将来的にもこのやりがいを感じながら新たな可能性を追求したいという思いがあるので2つ目の軸も重要視しています。
社会見学的に企業を見てみる
まったく視野に入れていなかった企業や志望している業界・業種以外の企業研究や説明会に参加するのも、就職や就活へのモチベーション維持に効果的です。
実は新社会人に「就活でもっとやっておけばよかったことは何か」を聞くと、一番回答が多いのが「もっと多くの業界を見ておけばよかった」という意見です。実際に就活メディアキャリタス就活が実施した入社1年目社員のキャリア満足度調査では、全体の34.9%の新卒社員が「もっと幅広く業界をみておけば良かった」、31.2%の人が「もっと多くの企業を受ければ良かった」と回答していることが明らかになりました。
ほかの業界や業種について知っていくと、選べる選択肢が増えていくため、本当に自分に合う企業ややりたいことが叶う仕事が見つかるケースもあります。入社後のギャップを減らすためにも、一度視野を広げた就職活動をしてみると、今までの就職活動では得られなかった情報も見つかるなど可能性が広がりますよ。
実際はどうしたの? 就活で視野を広めるコツ
私はプログラミングやITに関する知識を大学で学んでいたのですが、食品業界という自分の領域とは違う業界の説明会と選考を受けました。
視野を広める方法として、たとえば私だったらITに関する知識を持つことで、営業で取引先ごとの特徴をプログラミングで分析したり、取引先のアプリ利用に関する改善点についてまとめ、開発者チームに伝えるなど、ほかの就活生とは違った活躍ができるという利点を軸に考えるようにしました。
このように身に付けた知識をどう活かすかを思考することで、興味のある業界を広げていくことが可能になりました。また業界の視野を広げることで、単純に選考に参加できる企業数が増え、練習対策にもつながるという点ではかなりのメリットが得られます。
合同説明会などに参加した際は、あえてあまり興味がない業界の話も聞きにいっていました。ブースにいくきっかけは本当に些細なもので、声をかけられた・見たことある会社だった・人事の雰囲気が良さそうだったなどさまざまでした。
ふらっと聞きにいった説明会で、新たな業界に関心が湧くかもしれませんし、さまざまな業界の話を聞くことで視野を広げられると感じました。知らなかった業界や職種について知ることはもちろん発見になりますが、福利厚生や給料といった待遇面についても、業界により特徴があったりします。
いろいろな業界の情報を比較、検討することは、適職を探す役にも立つと思うので、ぜひ積極的に話を聞いてみてほしいです。
就職エージェントや社会人に相談してアドバイスをもらう
やりたいことが見つからない、やりたいことを見つけるための自己分析ができない、なりたい姿が出てこない、と悩む人は、素直に第三者のアドバイスをもらいにいくことをおすすめします。
というのも、業界・業種・仕事内容にはある程度マッチしやすい性格や強みがありますが、社会経験がない段階でそれを見極めるのは困難です。就職エージェントや周囲の社会人から客観的な意見をもらうこと、自己分析のやり方や自分の強みを最大限に活かせる職を一緒に考えてもらうことが可能になります。
前述した「仕事でのなりたい姿」や「手に入れたい働き方」が明確になった人は、絶対に譲れない軸とその理由を就職エージェントに伝え、実現可能性が高い企業や求人を探してもらうことも効果的です。
「相談して良かった」と思う相手は誰だった?
就職エージェントに相談した際にアドバイスをいただき、将来設計において重要なことを学んだなと実感したことがあります。
それは、2年目、5年目、10年目でそれぞれ自分の働き方のイメージを明確にしておくということです。たとえば就職して2年目では、研修で学んだ内容は先輩方に完璧に説明できるように理解しておき、5年目は後輩の研修の際に、自分がつまづいた点をまとめておきマニュアルとしして明確化しておく……などいった具体的なビジョンを考えると、入社して働いているイメージとつながるため、良い評価を与えることができると学びました。
私は24卒の1番親しい友人に相談をしていました。一つ上の先輩でもあり、かつ親友だったので、就活や自分の性格について客観視してくれ、とてもお世話になりました。
この過程の中で、自分が思ってもいなかった意外な性格を教えてくれたりしたので自己分析の一環にもなっていたと振り返って思います。アドバイスとしては就活や将来設計について1人で悩まず人を頼った方が良いということです。
学生時代は、よく話をしていた教授に進路の相談に乗っていただいていました。その教授の専門分野に関係する仕事も検討していたため、試験のアドバイスや、今私が持っているイメージを教授の経験談からリアルな内容に変えていただくなどしました。
結果的にその仕事は途中で目指さないことに決めたのですが、その教授のおかげで理想だけで突き進まず現実を見て決断することができたので、その道に詳しい方に相談することは非常にためになると感じます。
将来設計も含め、何か計画を立てる時「やりたい」という気持ちが強いと、ついつい悪い面が見えなくなってしまいます。しかしその教授との時間を経験したことで、大きな決断をする時はリスクやデメリットについてもしっかり目を向け、それを追ってでも「やろう!」という覚悟が自分にあるのか問いかけることが大切だと考えるようになりました。
「就職したくない」という今の気持ちへ向き合いながら将来を考えて意思決定をしよう
この記事ではパネリストの進路の決め方や就職しない場合の選択肢、就職したときとの将来の違いや、「就職したくない」という気持ちへの向き合い方について解説してきました。
「就職したくない」という考え自体は後ろめたいことではありません。働いている誰しもが一度は考えることでもあり、実際に働かない選択肢を選んで自分の将来を切り開いていく人もいます。
解説してきたとおり、企業に就職をする、企業に就職しない、どちらの選択肢にも、それぞれ得られるものやその価値が違ってきます。人生において何を重要視したいかによって進路は変わるため、明確な正解はありません。
ただし、忘れずにいてほしいことは今の状況だけで判断するのではなく、長期的な視点を持ったうえで意思決定をすることです。就職先を決めることは、人生を左右する重要なターニングポイントになります。後悔の無い選択のために念入りな比較検討をしてから、実現させたい将来に向けて行動していきましょう。
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