ゆるブラックって何? 企業の特徴やキャリアの損・得を現役社会人とチェックしよう
企業選びの際に「ゆるブラック」という言葉を耳にしたことはありますか。近年、労働環境を改善する動きが活発になっている一方で、ブラック企業ともホワイト企業とも言い切れない、グレーゾーンにいる企業として話題に上がることもあります。
この記事では、そんなゆるブラック企業の特徴や生まれた背景、実際に働いた社会人の体験談、肯定派か否定派かなどの意見をもとに、「ゆるブラック」と呼ばれる企業について解説していきます。
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まずは全体像をチェック! ゆるブラック企業の概要
結論から言うと、「ゆるブラック企業」と呼ばれる企業に明確な定義はありません。
しかし、長時間の労働がない、残業時間が少ない、など労働環境が「ゆるい」代わりに、昇進や昇給のチャンスが少ない、自己成長を感じにくい、といったキャリアの面での懸念が生まれやすいことが特徴です。
ゆるブラック企業
ブラック企業ほど労働環境は悪くないものの、成長実感やキャリアアップが実感しにくく、ホワイト企業とも言えない企業のこと
黒の次に暗い色である紫を取って「パープル企業」という別名で呼ばれることもある
どうして、この「ゆるブラック企業」なるものが生まれることになったのか、具体的にどういった点に「ブラックさ」があるのかは、この後詳しく解説していきます。
ゆるブラックとは異なる、ブラック企業の特徴についてより深く知りたいという人は併せてこの記事もチェックしてみてください。
「ゆるブラック」という言葉を聞いたことはある?
言葉を聞いたことはありますが、あまり詳細は知らなかったです。 イメージとしては、「絶妙にブラックなのかな?」と感じる労働環境かなと思っていました。たとえば残業時間が月50時間などで、ぎりぎり規定を超えているような企業です。
私は、SNSで転職についての情報収集をしているとき、「ゆるブラック」というワードが出てきたことがあり、それで初めて言葉の存在を知りました。
ゆるブラック企業が生まれた背景
ゆるブラック企業が生まれた背景には、一般的に「働き方改革」や「パワハラ防止法」と呼ばれる、雇用者がいきいきと働くための法制定が進んだことが挙げられます。
2019年に施行された「働き方改革関連法」では、時間外労働の上限規制や、有給休暇の取得が義務化されるなど、労働環境の見直しを促す法律が制定されました。2022年からは、すべての企業に「労働施策総合推進法」、いわゆる「パワハラ防止法」が適用されるなど、働き方の改善を図る動きが活発になり、現在は雇用者に無理な労働を強いる企業は、法律によって裁かれる社会になりました。
この社会全体の変化により、企業には社員が定時で帰宅できる量の仕事を割り振る必要や、ハラスメントが起きないように極端な指導を避ける必要が出てきました。結果、社員がおこなう仕事がルーティン化・容易な仕事ばかりになり、満足な指導や教育が行き届かないことからスキルも身に付けにくい、という環境ができ上がったのです。
このような、社員が仕事への満足感や自己成長の実感がしにくく、スキルも得にくいことから昇給やキャリアアップも見込めない、という「労働環境は良いがやりがいを見いだせない企業」が「ゆるブラック企業」として浸透している傾向にあります。
ゆるブラック企業が「働きやすい」と実感しやすい3つ理由
ゆるブラック企業の特徴として、労働環境の面では満足度を感じやすいことが挙げられます。
ゆるブラック企業の「ゆる」の部分には、働きやすさや職場環境の良さが焦点に当たることが多いです。それゆえに新しい環境に挑戦する意欲や気力がなくなってしまうという、一長一短な点もあります。
ゆるブラック企業には、具体的にどのような働きやすさがあるのかを3つ紹介します。
①職場環境・人間関係に居心地の良さを感じる
ゆるブラック企業では、働き方やハラスメントへの意識があるゆえに、職場の雰囲気や人間関係が良い傾向にあります。働きやすい職場であること、一緒に働く仲間との関係が良好であることは、仕事のパフォーマンスにもかかわる重要な要素ですよね。
もちろん、ゆるブラック企業すべてに当てはまるわけではありませんが、ハラスメントが起きる可能性が低いのと同時に、きついノルマがない状態で仕事を進めることができるため、ストレスフリーな状態で業務ができることは大きな魅力と言えます。
②残業が少なくワークライフバランスを取りやすい
こちらも企業によって程度は異なりますが、極端にきついノルマを課せられることが少なく、基本的に定時退社ができる業務量が割り当てられていることが多いです。また、休日出勤が必要といったイレギュラーな事態が発生することもなく、しっかりと休暇を取れるのも「働きやすい」と感じやすい理由の一つです。
そのため、仕事とプライベートのバランスがとりやすく、趣味や家族との時間を充実させることができます。仕事よりも私生活を充実させたい人や、生活できるだけの収入があれば良いという人であれば、無理なく働き続けられる点もゆるブラックならではの特徴と言えるでしょう。
③精神的な負荷が軽い
職場の人間関係が良好で、かつ適切な量の業務を円滑に進められる環境は、仕事で抱えやすいストレス要因が少ないことを意味します。また、与えられた仕事をしっかりと全うしていけば、残業が少なく、収入も安定するという状況は、仕事においてかなりの安心感をもたらしますよね。
このように仕事全体を通してストレスを感じにくく、かつゆとりを持って働くことができると、職場への満足度は高くなります。仕事内容や昇給・昇進にあまりこだわらない、という人にとっては、理想の職場に近しい環境と言えますね。
ゆるブラックな働き方についてどう思う?
働き方などの面から、「ゆるブラック」企業が良いなと感じることはありますか?
現在私は、ワークライフバランスが取れる仕事にいますが、確かに、昇給や昇格はほぼないと感じます。 しかし、だからと言ってやりがいがないわけではなく、そこそこ忙しい時期もあるので、「ゆるブラック」に当てはまるのかはわかりませんが、その働き方は自分に合っていると思っています。
仕事に疲れてしまう人や、仕事はあくまで生計を立てるだけの手段と考えて、それ以外のことに生きがいを見出している人にとっては、そのような働き方がマッチしているのではないかなと感じることがあります。
ゆるブラック企業にいると感じやすい4つのストレス
ゆるブラック企業にいると得られるメリットとして、働きやすさの観点から具体的な魅力を3つ解説してきました。とはいえ、ゆる「ブラック」という呼び名があるように、ゆるブラック企業には長期間働くうえでのデメリットも存在します。
「働きやすい」というメリットと一緒に、キャリアやスキルの視点からデメリットを確認したうえで、理想の働き方を考えていきましょう。
また、今現在の職場で働く中で、これから紹介するストレス要因に心当たりのあるものがあれば、一度叶えたいキャリアやライフプランと向き合い、環境を変える必要があるかを見極めていくことをおすすめします。
これから挙げること以外にも、職場にはたくさんのストレス要因があります。今の仕事に少なからずストレスや悩みを抱えている人は、この記事を参考に自分にとって理想の環境について考えてみてくださいね。
昇格・昇進が見込めない
ゆるブラック企業の職場が働きやすいと感じている人が多ければ、それだけ役職のポストが空きにくいと言えます。誰もが「働き続けたい」と感じる人の流動性が鈍い環境では、なかなかキャリアアップのチャンスがなく、昇格ができなければ昇給も見込めない、という状況に陥る可能性があります。
「チャンスがあれば」「今昇進できなくても〇年後なら」と少なからず昇進をしたいと考えている人や、キャリアに変化がないままあっという間に時間が経っていることにストレスを感じている人は、環境の見直しが必要かもしれません。
この記事では、反対に「出世したくない」と考えて、昇格・昇進を避けている人向けに、キャリアにおけるメリット・デメリットを解説しています。もしもチャンスが巡ってきたとき、キャリアの面で後悔をしないようにチェックしておきましょう。
給料が上がらない
残業が少なく、かつ昇進の可能性が低いということは、それだけ給料も上がりにくいということを意味します。もちろん、働きぶりや会社の制度に応じて差はありますが、一気に収入が増えるということは望み薄かもしれません。
仕事とプライベートを線引きして、ワークライフバランスを重視できるといっても、それはあくまで時間的な側面の話です。収入が残業ありきで成り立つ人や、自己成長の証拠として給料をものさしにしている人にとって、ゆるブラック企業の環境は「なかなか給料が上がらない」というストレスを感じやすいでしょう。
以下の記事では給料の高い仕事を紹介しています。収入の多さや昇給が仕事のモチベーションになるという人は、給料の高い仕事の選択肢を知っておきましょう。ぜひチェックしてみてくださいね。
仕事のやりがいを感じられない
業務がルーティン化していると、毎日が目の前の仕事の繰り返しだと感じやすく、仕事の楽しさややりがいを得ることが少なくなってしまいます。
ありきたりな仕事や、誰にでもできるような仕事をこなしている人であれば、自分の能力を発揮できずにストレスを感じる人もいるでしょう。そういった仕事は、責任の伴わない業務や重要度の低い業務であることが多いため、仕事に対する責任感も希薄になりがちです。
ゆるブラック企業では、このような「仕事に満足感を得られない」「自分の能力を活かせない」という環境がストレスの大きな要因になる傾向にあります。
仕事のモチベーションが湧かないと感じる人は、原因を解明したうえで働く環境を見直しましょう。この記事では同じ状況に陥った社会人の体験談や、実際に試した解消法を紹介しています。
スキルが身に付かない
一つ前でも解説した「仕事のやりがいを感じられない」に関連する部分でもありますが、任される業務の特性上、スキルが身に付きにくいこともゆるブラック企業では起こりがちなデメリットです。
自分の業務が「誰でもできる仕事」なのであれば、その仕事に特別なスキルはいらないということになりますよね。つまり、誰でもできる仕事をし続けている間は、新しいスキルを身に付けたり、実績を積んだりすることができず、キャリアの面で市場価値を上げることが難しいと言えます。
このデメリットは一見、普段の業務をしていると実感しにくいものではありますが、「環境を変えよう」と転職活動を始めるときにはハードルになります。これについては後ほど詳しく解説していきます。
現役社会人に質問! どんな環境だと自己成長を感じにくい?
仕事をするうえで、どんな状況・環境だと「自己成長がない」と感じますか?
深く考えなくても、淡々と作業をするだけでこなせてしまう仕事が多い環境だと、どうしても怠けてしまって、成長が見込めないと思います。
ルーティンワークすぎて工夫の余地がない業務になってくると、自己成長を実感しにくいと思います。 たとえ事務処理の繰り返しだったとしても、それをどう効率化するかなど考える余地があれば良いのですが、それさえもまったく必要ないレベルだと、自己成長を見込むのは難しいかもしれません。
毎日変化がなく、同じルーティーンの繰り返しだと、そこからの成長は見込めないと思います。 もちろん、仕事を覚える最初の段階は成長を感じると思いますが、すぐに覚えてしまって、作業になってしまうとマンネリ化しますよね。
ゆるブラック企業に対して肯定派? 否定派? 現役社会人の声
ここまでは、具体的なゆるブラック企業の働きやすい点・懸念される点について解説していました。「ゆるブラック」という呼称こそあれど、働きやすさを最優先にする人やプライベート重視の働き手からすると、ゆるブラック企業のスタンスは理想の働き方に近いとも言えます。
働き手として何を優先するかによって、ゆるブラック企業の見方も変化します。そこで、現在社会人として働くパネリストに、ゆるブラック企業への印象や考え方、どんな人が合う・合わないのかなどを聞いてみました。
実際に「ゆるブラック」な環境で働いたことのある人の体験談も紹介するので、「もしかしたら自分の職場はゆるブラックなのかも……」と気になっている人は、「あるある」と共感できるものがあるか、チェックしてみてくださいね。
仕事において最も重要なことは何?
社会人経験のある方に質問です。あなたが仕事選びをする・したとき、一番優先したいことは何ですか?
私は、仕事を選んだとき、家事・育児にもしっかりと時間が取れるか、家族との時間を取れるかどうかを一番優先しました。そのため、働き方・勤務時間、取得できる休みの日数はしっかりと確認しました。
私は、結婚して子供も産まれたので、仕事を選ぶときはプライベートの時間を大切に考えています。実際に、時間を一番優先したいと思ったことがきっかけで転職をしました。
私は、上司との距離が近く、風通しの良い職場環境を重視しています。自分のキャリアアップや自己成長を求めているため、目の前の業務に取り組むだけでなく、会社全体の事業を理解したうえで、自分がどの位置でどのように貢献できるのかを把握しながら仕事に取り組みたいと考えています。
私が優先したいのは、裁量が大きく、新しいことにどんどん挑戦できる環境です。もちろん、最低限のワークライフバランスは大事ですが、多くのことを経験してスキルアップをし、年収や市場価値を上げていきたいです。
なるほど! それでは、皆さんは、「自分の時間を取りやすいがやりがいを得にくい企業」と、「ある程度つらくてもやりがいや自己成長を感じられる企業」のどちらに就職したいですか?
多少しんどくても、やりがいのある企業を選ぶと思います。そのうえで、家族との時間は取れるように仕事の効率を上げようと考えます。 一日のほとんどを仕事に費やすため、私はやりがいがなければ自分の時間が取れたとしても続けられる自信はありません。
私は、絶対に仕事がゆるく、自分のプライベートの時間を確保できる企業に就職をしたいです。 やりがいや自己成長よりも、自分の時間を大切にします。
ある程度やりがいを感じられる後者に就職したいです。 自己成長がなければ、会社で過ごす時間が無駄になってしまうと思うからです。 会社で結果を出すことが最終的な目標ですが、結果を出すためには、やはりその過程とそれに伴う自己成長が欠かせないと考えています。
私も、やりがいを感じられる方の企業を選びます。 やりがいがない状態では、仕事のモチベーションもパフォーマンスも下がり、結果的にしんどくなるからです。肉体的につらくても、やりがいや成長が感じられる環境のほうが、私にとっては精神衛生上良いと感じています。
あなたはゆるブラック企業に賛成? 反対?
ゆるブラック企業の存在に対して、肯定派ですか? 否定派ですか?
否定派です。やりがいがなければ社員の意欲も湧きにくいと思うので、活気のないだらけた職場になってしまいそうだからです。
私は肯定派です。現状維持を望む人は必ずいるので、そういった人にあった企業があっても良いと思います。一方でゆるブラックが合わない人は、今の世の中転職のハードルも低いので、行動して環境を変えたら良いのではないかと思います。
私は否定派です。仕事が緩くてやりがいを感じられないと、何のために働いているのかという目的がわからなくなるからです。また、仕事を通じて自己成長を目指しているため、仕事で得た考え方やスキルを私生活にも活かすことができると考えています。そのため、やりがいのある仕事は必要だと思います。
私は肯定派です。人にはそれぞれ自分の価値観があり、仕事に対するやりがいよりもゆるい仕事を希望している人がいるのも事実です。 一定数、ゆるブラックに合う人もいると思います。
ゆるブラックな企業に居続けるとどうなる? 経験者の体験談
ゆるブラック企業に対する意見を見てきました。人によってさまざまな意見があったように、必ずしも、「ゆるブラック企業で働くことが悪い」というわけでありません。理想の働き方は人によって異なるので、自分のキャリアプランやプライベートの過ごし方などから、環境について考えてみるのも良いですね。
とはいえ、ゆるブラック企業で生じるデメリットも解説したように、スキルが身に付かない・給料が上がらない、という環境で長期間働くことには知っておきたい注意点もあります。
ここからはそんな環境に身を置いていた人の実体験を交えながら、ゆるブラック企業で働き続けるときの注意点を3つ解説していきます。
実際に、「ゆるブラック」な環境で働いたことのある人に質問です。働いていて何をストレスに感じたのか教えてください。
本当に仕事が何もないタイミングがあるのですが、そのときは、仕事もなければやりがいもなく、毎日出社するのが本当に苦痛に感じた経験があります。
「ゆるブラック」と呼ばれる企業の環境が合う人・合わない人の特徴を教えてください!
ゆるブラックとは少し違う点があるかもしれないのですが、「しんどさはないが基本的に昇給がないパート」の立場と重なる点があります。 そのため、継続的に安定した収入が得られさえすれば良い、と思う人には労働環境が合うと思います。逆に、高収入や成長がやりがいになる人には向いていないと言えます。
ゆるい環境から脱する気力がなくなる
ゆるブラック企業の魅力な点である「働きやすさ」から、環境を変えようと思ってもなかなか踏ん切りがつかない、という状況に陥る人は少なくありません。
職場の雰囲気も人間関係も良ければ、新しい環境に順応できるかという不安がある選択をしようとは思いませんよね。しかし、「いつかは転職する」「いずれ自分の能力を持ってチャレンジする」と選択肢を先延ばしにすればするほど、環境を変えるためのフットワークは重くなっていきます。
「しばらくは今のままでいいや」という考えが、後の自分のキャリアの選択肢を狭める可能性があることを忘れずにいましょうね。
収入が上がらずライフプランの実現が難しくなる
人生で叶えたいライフイベントがある人は、経済的な面でそれが実現可能かを冷静に分析してみましょう。
たとえば、リクルートが運営するゼクシィの「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、結婚に必要な費用は総額平均で371万程度という結果になりました。仮にパートナーと費用を分割したとしても、一人当たり135万円が必要です。また、住宅や自家用車の購入など、人生において大きな買い物とされるものを購入するという目標があれば、それ相応の費用がかかります。
大きな買い物でなくても、趣味やプライベートを充実させるために収入を増やしたいという人もいますよね。年齢が上がるにつれて、病気や健康面のリスクも増えてくることなども考えると、収入の上がり幅というのはどれだけ人生の選択肢を広めるかにとても重要な要素になりますよ。
ゆるブラックな環境で危機感を持った社会人の体験談
私の実体験ですが、ゆるブラックな環境と言えど、意外と一人で生きていくには十分な収入が得られ、生活自体はできるなと感じたことがあります。
ただ、それは「今」だけを切り取ってみたときの話であり、もしこれからライフイベントや大きな買い物をする、ということがあれば、その働き方では無理があるのではないかと考えます。
今は労働もきつくなく、自分の責任も最小限で良いなと思いますが、将来のライフイベントなどを考え、それらすべてが今の収入では絶対に厳しいと思ったとき、強い危機感を感じて環境を変えようかと考えました。
結論、「今が良ければ良い」のか、「将来のために今動いてみる」かのどちらかだと思うので、自分の人生という大きな単位で考えてみることをおすすめします。
スキルが身に付かず転職のハードルが上がる
ゆるブラック企業で仕事をする際、任されている業務が定型化業務だったり、誰でもできる仕事が多かったりする場合は、スキルが身に付かないことがデメリットになり得ます。
これはゆるブラック企業で働けば働くほど、後の自分にとって課題になる可能性が高く、転職の際には次の職場を見つけることが難しくなる要因になります。
たとえばあなたが採用担当者だったとして、同じ年齢の人材が一つの採用枠を争っていたとします。選ぶとなったとき、同じ年数社会人をしているのであれば、スキルや実績がある人の方が、経歴的にも能力の面でも説得力がありますよね。
これはあくまで一例ですが、いざ環境を変えようと試みたときに、強みとしてのスキルがなければ、次の企業に採用してもらうことが難しくなりますよね。今ゆるブラック企業で働いている人は、今の仕事で強みとして主張できるスキルが身に付きそうかを考えてみましょう。
ゆるブラックから抜け出すには? すぐにできる具体的なアクション4選
ゆるブラックにいることで起こりうるデメリットについて解説してきました。
もちろん環境にも寄りますが、常に変化と技術のアップデートが求められるエンジニア職や、自己成長を感じながらどんどんキャリアアップをしたい、という人にとって、ゆるブラック企業に居続けることは良いことだけではありません。
ここからは、実際にゆるブラックな環境から抜け出す選択をしたとき、具体的にどんなアクションを起こせば良いのかを解説していきます。
①自分にはどんな環境が合っているのかを見極める
働く環境は企業によって千差万別です。そのため、今ゆるブラック企業にいることで、「仕事が暇だ」「キャリアアップしたい」と悩んでいる人は、どんな環境でどんな仕事をしているのであれば、もっといきいきと働けるのかを考えてみましょう。
たとえば、「キャリアアップしたい」と考えていても、何年も昇格・昇進ができず、ずっと同じ人が役職に居座り続けている環境では、キャリアアップは望み薄です。同様に、「仕事が暇すぎてストレスだ」と感じているからといって、極端に仕事量の多い職業に就いても、そのギャップにまたストレスを感じてしまう可能性があります。
まずは、自分のストレス要因をどんな環境であれば解決できるのか、キャリア上の目標はどんな職場であれば達成できるのかを見極めてから、今の職場に残るべきか・転職を視野に入れるべきかを客観視するようにしましょう。
この記事では、自分に向いている仕事や働き方、働く環境などを見極めるための方法について解説しています。自分の理想の働き方やキャリアを実現させるために、先人の体験談を参考にしてみてくださいね。
②上長に現状の相談をする
すぐに環境を変えてしまう前に、まずは今の職場の上長に現状の相談をしましょう。ゆるブラック企業でやりがいが見出せなくなる理由には、上司のマネジメント不足、社員の目標設計不足、そもそも社員の目標をかなえることができない環境、などが挙げられるからです。
まずは自分の想定するキャリアプランと、そのために6カ月~1年ほどで達成すべき目標を用意し、その企業で実現可能かどうか見極める必要があります。また、素直に「この仕事にやりがいを見い出せていない」「〇年後にはこの役職までいきたいと考えている」など、現状と自分の考えを上司に知ってもらうことも重要です。
これをきっかけに上司と新しい目標を考えるきっかけにもなるかもしれません。もし相談したタイミングで、あまり上司の反応が良くない場合やその場限りの相談で改善が見込めない場合は、いよいよ環境を変えることを視野に入れましょう。
③転職時に活かせるスキルを身に付ける
ゆるブラック企業の特徴には、仕事のやりやすさや仕事の難易度から、スキルが身に付きにくいというものがありました。これによって、転職をしたいと思っても、アピールできる強みがない、と焦る人もいるかもしれません。
その場合は、転職活動を進める前に強みとして押し出せるスキルを身に付けることを優先したほうが、転職成功率がぐっと上がります。もちろん、未経験で募集をしている職業もありますが、社会で活かせる能力やスキルは持っていて損はありません。
もしも今プライベートの時間が十分にあるのであれば、そのうちの何時間かを資格取得に充てたり、会社の休憩時間や「暇だ」と時間を持て余しているときに少しでも知識を増やしたりすることをおすすめします。
転職のタイミングに迷って踏み切れずにいる、という人はこの記事を参考にしてみてくださいね。転職経験者からのリアルなアドバイスを交えながら、状況別にベストな転職タイミングを解説します。
転職したいけど目立ったスキルがない、という人はこの記事を参考にしてみてください。転職を成功させるための解決方法や対処方法を紹介します。
④転職アドバイザーやキャリアコンサルタントに相談する
キャリア形成や転職のプロに相談をして、自分の現在地や目標、どんな企業に挑戦するべきかを第三者目線からアドバイスしてもらうのも効果的な手段の一つです。
転職アドバイザーやキャリアコンサルタントに現状の悩みや職場環境を相談することのメリットは、同世代がどんな働き方をしているか、同じスキルを持っている人はどんな仕事をしているのかをフラットに情報収集できる点にあります。
ゆるブラック企業にいることで定着した考え方に刺激を受ける要素になるうえ、自分にはどんな選択肢があるのか、今後のキャリアのためにどのように舵を切るか、視野を広める・方針を定めることにも役立ちますよ。
こういったキャリア形成に精通した人に相談する場合、転職エージェントサービスに申し込んで面談の場を設けてもらうなどが可能です。サービスによってはあなたに合った企業や求人の紹介、面接対策をおこなうものもあります。またキャリアコンサルタントに相談する場合は、厚生労働省が紹介しているキャリコンサーチなどを利用するのも手段の一つです。
今の環境に悩んだら? 同じ悩みを抱えた先輩からのアドバイス
以前の勤め先で働く中で「これ以上社会人として得られるものがないな」と感じ、フリーランスの活動に移行する選択をしたことがあります。あくまで次の就職先が見つかるまでのつなぎとしてフリーランスになった側面はありますが、新たな形態で働くことを通して、間違いなく成長があったと感じています。そして、その経験から世間に対する視野が少し広くなったと自負しています。
働く環境について考えるときは、「ずっと同じ環境にいて良いのか」という漠然とした悩みに一歩踏み込んでみて、その悩みの本質を知ることが重要です。「成長したいから?」「惰性は良くないから?」といろいろな視点から「どうして今の環境で悩んでしまうのか」を考えてみましょう。もし前向きな理由が自分の中で見つかったのなら、思い切って環境を変えてみるのも手段の一つです。
環境を変えない限りは「同じ環境で良いのかな」という悩みが心身を疲弊させ続けます。思った時点で自分の気持ちに正直に勇気をもって踏み出してみることで、心が晴れやかになると思いますよ。
ただし、例外として、なんとなく周りに流されて「このままではだめなのでは」と思うのなら、環境を変えない方が良いかもしれません。そのケースは悩みの原因が周囲にあって、環境を変えた先で以前の環境の快適さを思い出し、「やめておけばよかった」と後悔する可能性が高いです。
「ゆるブラック=すべてがダメな会社」ではない! 企業を選ぶとき忘れずにいてほしいこと
ゆるブラック企業の環境から脱却するためにできるアクションについて見てきましたが、すぐにできそうなものはありましたか。
ここまで、ゆるブラック企業にいることで感じやすいストレスや、長期的に働くことで生じるデメリットについて紹介してきました。しかし、ゆるブラック企業で働くことが必ずしも悪いことではないこともあります。
ゆるブラック企業でもなくても、自分の働く環境を選ぶうえで忘れずにいてほしいポイントを3つ紹介します。
「自己成長」を企業頼りにしない
「今の環境では成長が感じられない」という理由だけで、自分のいる企業が「ゆるブラックだ」とは言い切れません。重要なのは「この企業にいれば自己成長ができる」と、自分の成長を企業頼りにしないことです。
もちろん、企業も社員を成長させるために研修や講義を設けることもあります。しかし、企業は社員一人ひとりの成長を0から100まで、すべてを丁寧にアシストしてくれる存在ではありません。
「自己成長」は、流れのまま仕事をこなしていれば手に入れられるものではなく、主体的に目標を設定し、少なからず自分の力でやり抜くことも必要であることを覚えておきましょう。
社内環境がマッチする人もいる
ゆるブラック企業の社内の雰囲気が良い、残業が少ない、などの特徴がマッチする人がいるのも事実です。
特に、プライベートの時間を充実させたい人や、お金よりも時間やストレスフリーな職場の方が優先度が高い人にとって、ゆるブラック企業は理想の職場に近いと言えるでしょう。いきいきと働けているのであれば、無理に環境を変える必要はありません。
ゆるブラック企業が完全に良くない、というわけではなく、人それぞれに働きやすい環境は異なることを忘れずにいましょうね。
「ゆるブラック」でもキャリア面での良し・悪しはひとそれぞれ
一つ前に触れたように、ゆるブラック企業の職場環境が働き方としてマッチする人がいることも事実です。これはキャリアの面でも言えることで、キャリアアップをしないこと・スキルを身に付けないことが完全に悪いわけではありません。中には、生活ができるだけの収入があれば良いと考える人もいるでしょう。
反対に、ガツガツ働いてキャリアアップをしていきたい、幅広くスキルを身に付けたい、専門的な職業や役職に挑戦したいという人は、残念ながらゆるブラック企業でキャリアを実現しにくい傾向にあります。
「働きやすさ」を重視するか、「やりがい」を重視するかは人それぞれです。自分の中での優先順位をはっきりさせてから今の環境を手放すべきか、新しい環境に飛び込むべきかを決めていきましょう。
キャリアプランが思いつかない……と感じる人はこの記事を参考に、自分ならではのキャリアプランを考えてみましょう。どのように人生設計をするべきか、先輩の声を交えて解説しています。
何を取るかは自分次第! 優先順位とキャリアプランを決めて働き方を見直そう!
この記事ではゆるブラック企業と呼ばれる企業の特徴や、メリット・デメリットについて解説してきました。
忘れずにいてほしいことは、ゆるブラック企業にいることが悪い、ということではなく、短期的に感じられるメリットと、長期的な視点から生じ得るデメリットを理解したうえで働く場所を選ぶことです。
今は良くても、将来の人生設計に影響を及ぼす可能性もあります。現在の行動が将来の自分の選択肢を増やすと考え、後悔のないようにキャリアプランやライフイベントに沿った働き方はどんなものなのかを見直してみましょう。
「ゆるブラック」と呼ばれる企業で働くメリット・デメリットや、キャリアとしての注意点について、どのようなことを考えれば良いのか迷う人はこれから説明する方法を試してください。
まずは、2つのクラブ活動をイメージしてみてください。一つは苛烈な練習量でコーチも厳しく、友人とのポジション争いがあるが、日本一を目指せるクラブ。もう一方は、まったりと放課後の時間を楽しみながら、安心感を感じられるが一回戦負けが当たり前のクラブ。
あなたは、どちらに身を置きたいと考えますか。また、どちらに比重を置いた選択をしたいですか。このように、状況を簡単に置き換えて考えるプロセスを通して、自分自身は人生において何を求めているかを、おおまかにでも把握しておくことが大事です。
自己成長は自分の積極性でコントロールできる!
私生活を大事にしつつ、成長も諦めたくないならば、主体的に外部に働きかけをしましょう。どのような組織にいても、同じ人と話して同じ仕事ばかりしていれば、次第に順応し成長はストップしてしまうものです。これはゆるブラックだろうが、そうでないほかの企業だろうが同じことです。
自分の成長を会社に任せきってしまうのではなく、やりたいことがあるなら実現できそうな方法を探す、会って話をしたい人がいるなら自由な時間を活用して会いに行く、こうした積極性で自分の人生をコントロールすることはいくらでもできますよ。
就活力診断テストはもう使いましたか?
「就活力診断テスト」では、十分な就活準備ができているかがわかります。就活マナーや、就活への心持ちなど、不安がある人は自分のことを客観視してみましょう。
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「ゆるブラック」という言葉を聞いたことはありますか?