エントリーシートの志望動機どう書く? 実際に通過した回答を大公開

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現役就活生のエントリーシートを調査! 人事の目に留まる志望動機の書き方とは

「志望動機の書き方がわからない……」「入社したい気持ちはあるけど、理由をうまくまとめられない」

エントリーシート(ES)に記載する志望動機は、入社したいという気持ちを表す、ESの肝となる部分です。企業の特徴をつかめていなかったり、ありきたりで自分と企業の共通点が伝わらない志望動機を書くと、「うちの会社じゃなくていいのではないか」と思われ、面接までたどり着けずに選考が終わってしまいます。

この記事では、現役就活生や内定者が実際に書いた志望動機や体験談を通して、基本構成や魅力的に仕上げるコツを解説します。さらに、志望動機にまつわるリアルな悩みに対して、就活生が実体験をもとにアドバイスしているので、書類選考への苦手意識も解消されるはずです。

ESを読んだ採用担当が「会ってみたい」と思うような志望動機を作成するためにも、ぜひ参考にしてくださいね。

志望動機の書き方に迷う人は、こちらの記事も読んでみてください。書き出しから採用担当の心をつかみ、書類選考突破を目指しましょう。
例文12選|志望動機の書き出しはエピソードの切り口がポイント!

すぐ参考にできる! 実際に書類選考を通過したESの志望動機とポイント

無事就活を成功させた人たちから、書類選考を通過した志望動機を集めました。選考通過を目指して意識したポイントも教えてもらったので、参考にしながら志望動機を考えてみましょう

M・W
M・W
学習院大学/文系学部
エネルギー業界に関心を持ったきっかけとビジネスモデルに注目した

エネルギー業界の志望動機では下記のような内容をESに書きました。

志望する理由は2点ある。
①貴社及びエネルギー業界の理解だ。大学の講義にて、EV車はハイブリッド車よりもエネルギー効率が低く、その向上にも限界があることを知った。そのため、脱炭素社会の実現の為に盲目的にEV車を推進することに疑問を抱くようになり、これをきっかけに、エネルギー問題の解決に興味を持ちはじめるようになった。脱炭素社会を掲げる世界で、エネルギー業界が果たす役割は非常に大きい。貴社の4つのサービス事業領域において低炭素で持続可能な社会の実現に挑戦するために、どのような取組みがおこなわれているのか実際に学びを得て、知見を深めたい。

②貴社のビジネスモデルを体感したい。強みである「○○な顧客基盤」を活かしながら、エネルギー供給のみならず、地域社会に対してさまざまな価値提供をおこなう貴社が魅力的だ。社会共創の実現に向けて信頼関係を築きながら人々の生活に貢献する貴社にて課題解決スキルを身に付けたい。

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
企業説明会で強調されている点に注目した

私は法律業界を受けていました。志望動機の内容は、企業説明会での対応や参加者の質問に対し真摯に答えていた点が印象的だった旨をよく書いていました。

私は企業説明会に参加する際、エントリーシートを書くために採用担当者さんのお話の内容をメモしていて、そのメモを見て何度も繰り返し説明していると思った部分を書いています。何度も繰り返し言っていることは、企業にとってもとめている人物像の軸であると考えて良いと思います。そこに注目し、自分は企業のもとめている人物像にマッチしているとアピールすることがポイントです。

エントリーシートの志望動機を書くまえに、エントリーシートと履歴書の違いを理解しておくことも大切かもしれません。次の記事では、履歴書の志望動機の書き方や、エントリーシートとの違いについて解説しているので、併せて読んでみてくださいね。
新卒向け! 面接行き確定の履歴書を書く秘訣|内定者の記入例付き

もう一歩だった志望動機と改善策は? 生の声もチェック

選考通過まであと一歩だった志望動機についても聞いてみました。惜しかったポイントやその改善策もチェックして、志望動機をブラッシュアップするヒントにしましょう

たとえば、志望動機そのものが伝わりにくい構成になっていたり、エピソードと志望動機のつながりが薄く説得力がない志望動機は、志望度の高さが伝わりづらいです。採用担当の立場に立って、「面接で詳しく話を聞きたい」と思われるような志望動機を目指しましょう。

志望動機を書くときのNGポイント
・結論から述べていない
・誰にでも当てはまるようなエピソードを書いている
・エピソードが志望動機の裏付けになっていない
・入社後の展望や意気込みに触れていない

「あと一歩だった…」。そう感じた志望動機はどんなものだった?

K・T
K・T
明治大学大学院/教養デザイン研究科
コンサル企業の中でも「なぜこの会社なのか」が伝わりづらかった

コンサルティング企業のESに書いた志望動機の中で、業界の成長性や専門知識の習得を挙げました。

しかし、具体的な事例や企業理念などに触れて言及できておらず、その企業が他社と比較して何が特別で自分がどこに魅力を感じているのかわかりづらかったことが不合格につながったかもしれません。企業理念に関する言及や、企業への理解を深めるためのリサーチが不足していたのではないかと思います。

エントリーシートを作成している人の多くは、これから本選考を控えている人でしょう。本選考を受けるにあたって、これをしておけばよかったなどの後悔をしたくない人は次の記事を読んでみてください。先輩の体験談と併せて就活の流れについて解説しています。
就活の流れを徹底解説|内定者たちはいつから準備してた?

企業が志望動機から知りたい3つのこと

企業が志望動機から知りたい3つのことの画像

書類選考においては、ES全体で自分の意欲や強みを表現し、採用担当に「もっと知りたい、面接に進んでほしい」と思わせることが大切です。

筋違いな内容になることを防ぎ、採用担当の目に留まる志望動機にするためにも、企業が志望動機から知りたいことを把握しておきましょう。

①入社意欲の高さ

志望動機を聞く目的の一つは、入社意欲の確認です。

採用した学生が内定を辞退したり、早期に離職してしまうと、再び人材を補充するためのコストや時間が必要になってしまいます。そのため、内定後入社してくれる可能性が高いと感じたり、やりたいことと企業の方針とがマッチしていて、長期間在籍してくれそうな人材を採用したいと考えます。

志望動機は「入社したい理由」をダイレクトに伝えるためのもの。企業研究を経て知った情報や、自らの経験に基づいた志望動機を書くことで入社意欲が伝わり、採用担当に「面接に進んでほしい」と思わせることができます。

②自社で活躍できる人材かどうか

志望動機から、自社で活躍できる人材かどうかを見極める目的もあります。

志望動機は、事業や業務のどのような点に魅力を感じているか、自分の特徴を活かしながらどう働いていきたいかを伝えるものです。たとえば、商品の営業に力を入れていきたい企業の採用担当が「提案力を活かして貴社の商品を普及させたい」という内容の志望動機を読んだら、自社にマッチしそうだと感じるでしょう。

このように自社での活躍イメージを確かめることは、学生のやりたいことと企業の方向性がかけ離れていてモチベーションが低いまま働いたり、早期に離職したりすることを防ぐことにつながります

自社で活躍できるか見極める判断材料のひとつとして、就活の軸が挙げられるかもしれません。そんな就活の軸の見つけ方を次の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
転職の軸を固める4ステップ|転職活動シーン別の活用方法付き

③学生の人柄

志望動機からは、学生の人となりも確かめることができるのです

たとえば、志望動機で「闘争心を強みにして、同期の中で一番の営業成績を収めたい」と述べた場合、チーム営業を推進している企業よりも、単独営業が主流の企業や、プロジェクトマネージャーとして一人で動くことがもとめられる企業のほうが強みを発揮しやすいのではないかと想像できますよね。

また、エピソードから学生の関心や興味、得意なことを確かめて、社風と合っていたり、ほかの社員とバランスがとれそうかどうかも確認できます。

これから書類選考を控えている人は、この記事を読んで対策をするのもおすすめです。書類選考突破の秘訣を、現役就活生や内定者の体験談付きで紹介しています。
書類選考に落ちる……体験談付きで合格につながる書き方を徹底解説

履歴書に書く志望動機とESとの違いを押さえよう

履歴書は簡潔に事実を記載し、ESでは自分のアピールにつながる情報を書くものと覚えておきましょう。

履歴書とESの違い
履歴書:主に学歴や所有する資格など、自分のプロフィールを伝える書類
ES:入社意欲や適性など、自分と企業とのマッチ度を伝える書類

履歴書の志望動機欄はESの記入欄より小さい場合もあります。志望理由と根拠となるエピソード、入社後の展望を簡潔に記入するのがおすすめです。ESは履歴書で書ききれなかった内容も含めて詳細に書きましょう。エピソードに自分の心情をしっかり盛り込んだり、実際の業務内容に触れながら入社後のビジョンを書くと、具体的で熱意が伝わりやすい志望動機に仕上がりますよ

基本的な志望動機の構成は記事の後半で紹介するので、履歴書に簡潔な志望動機を記載するときはぜひ参考にしてくださいね。

現役就活生や内定者は実際どのように書き分けていたのか、リアルな対策も聞いてみました。

キャリアステージ編集部

志望動機を書くとき、履歴書とESでどう差別化したか教えてください!

N・T 4年制大学

履歴書もESも同じ内容を書いていました。履歴書のほうが記載する文字数が少なかったため、できるだけ簡潔に記載していました。ESの方ではより具体的にエピソードや挑戦したいことなどを書くようにしていました。

M・N 4年制大学

ESには自分の思いをしっかり書き、履歴書は書く欄が小さいので、ESの内容をまとめるような形で書き分けていました。

ESに書く志望動機の基本構成をチェック!

ESに書く志望動機の基本構成の画像

企業が志望動機で見ているポイントがわかったら、基本構成を確認してES作りに取り掛かりましょう。学生たちに、書面で志望動機を伝えるときに実際に意識したことも聞いてみました。

①志望するポイント

まずは志望の決め手を端的に述べます。結論から述べることで、その後に続く内容が読み手の頭に入りやすくなります

このように伝えたいメイントピックを最初に持ってくる「PREP法」は志望動機だけでなく自己PRなどでも活用できます。特に書類で自分のことを伝えるうえでは、最後までスムーズに読んでもらえることを目指し、PREP法でわかりやすく書くことを意識しましょう。

PREP法とは
・相手に物事をわかりやすく伝えるためのコミュニケーション方法。就活でも活用できるほか、ビジネスの場でもよく使われる。
Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字をとって「PREP法」と呼ばれている

志望するポイントの例
・「知られざる街の魅力を発信し、日本全国を元気にする」という企業理念に共感し貴社を志望します。

②裏付けるエピソード

次に、志望のきっかけとなったエピソードを述べます。数値や固有名詞を使い、具体的なエピソードにしましょう

具体性に欠けたり、誰でも書けるようなエピソードにしてしまうと、最初に述べた志望する理由の納得感がなくなってしまいます。

エピソードからは学生のパーソナリティや興味関心、過去に力を入れてきたことなども伝わります。印象に残るESにするためにも、まわりくどくならないことを意識しつつ、人物像が浮かぶようにできるだけ具体的に書くことを心掛けてください。

エピソードの例
所属していたマスコミ研究会のフリーペーパーで、島根県の安来市という街を紹介することになりました。安来市は県庁所在地の松江市と違って比較的知名度が低く、特に若者の観光客が少ない街でした。実際に取材に赴き、伝統芸能や郷土料理など、ガイド誌には載っていないニッチな観光ポイントを紹介しました。

するとフリーペーパーの発刊後、大学内で安来市の話題が広がり、旅先に選ぶ人が増え、取材に協力してくれた観光協会の方からも「おかげで20代の観光客数が増えた」と喜びの声をもらいやりがいを感じました。この経験から、知られていない街の関係人口を増やして街を元気にすることや、なくなってしまいそうな文化を広めることに携わりたいと思うようになりました。

エピソードを考えるときに、自分はどんなきっかけで興味を持ったのか? 掘り下げて考えたことがない人もいますよね。次の記事では、「文章を書くことが好き」だけじゃない、深堀りする方法について紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
文章を書く仕事15選|夢を叶えた人の体験談から適職を見つけよう!

③入社後のビジョン

最後に入社後のビジョンで締めくくります。入社したらどのようなキャリアを歩んでいきたいか、どんなことに挑戦したいかを書きましょう

企業は志望動機から、学生がいざ入社した後自社で活躍できるかどうかをチェックしています。入社後のビジョンが曖昧だったり、その企業で叶いそうにないものだと「マッチしていない」と判断されてしまう可能性があるのです。

その企業でできうることを軸に、どのような業務に携わりたいか、どんな強みを活かせるか明らかにしましょう。

注意すべきなのは、「うちに入らなくても良さそう」もしくは「特定のことしかしたくないのではないか」と思われてしまうことです。総合職採用の場合は特に、特定の部署や業務に固執している印象にならないよう、企業の特徴を意識しながらビジョンを作りましょう。

入社後のビジョンの例
入社後は、貴社の主力事業であるメディア事業で地域について発信し、関係人口を増やして街の活性化に貢献したいです。また、デジタルマーケティングへの関心を活かし、貴社の新規事業である「地方に滞在したい人と地方自治体とのマッチング事業」についても挑戦したいと考えています。

面接ではなくESだからこそのポイントとは?

キャリアステージ編集部

志望動機をESに書くときに意識していることは何ですか? 特に、口頭ではなく書面でアピールするうえでのポイントを教えてください!

M・W 学習院大学

志望動機は必ずしも1つではないと思うので、視覚的にも伝わりやすいように「志望動機は2つだ。①~。②~。」と箇条書きをするようにしています。

Y・M 成蹊大学

見やすさを意識して、なぜその企業を志望するのか・培ってきた経験・発揮したい強みなど、1つの話題ごとに必ず改行するようにしていました。

志望動機の作成をしている人のなかには、営業職を希望している人も多いのではないでしょうか。次の記事は、営業職の志望動機作成方法を紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
営業職の志望動機例文32選|営業経験者に書き方のコツを直撃

志望動機の構成のポイントについてより詳しく知りたい人は次の記事をチェックしてみてくださいね。
志望動機は構成で心を掴む|内定者が解説する伝わる志望動機の書き方

選考突破につながる志望動機に仕上げるためのTODOリスト

選考突破につながる志望動機に仕上げるためのTODOリストの画像

ここからは、「自社に来てほしい」と思わせる志望動機を作るためにすべきことを紹介します。

志望したい気持ちがあっても、納得感のある志望動機を作成するためには事前準備が不可欠です。特に、漠然と入社したい気持ちがあるけどうまく志望動機をまとめられないという人はぜひチェックしておいてください。

キャリアステージ編集部

志望動機がうまく言語化できないときにおこなったことを教えてください。

H・T 4年制大学

会社の企業理念やもとめている人物像の欄をよく見て、何か自分に当てはまるところは何かを探していました。当てはまるところがなければ、「その企業の良さが自分には魅力的に感じた」という点を押し出して書いていました。

Y・M 成蹊大学

まずはじめに企業分析をして、どのような人がこの企業に合っているのかを調べました。そして自分の経験と照らし合わせて、企業とマッチしていそうな経験を志望動機に盛り込むようにしていました。

①企業リサーチをする

まずは企業についてリサーチします。なんとなく知っている情報だけで志望動機を作成しようとすると、古い情報を取り入れてしまったりして的外れな志望動機になる可能性があります。公式サイトで基本情報を確認するだけでなく、採用サイトの社員インタビューなどを読んで働き方や社風をイメージしておきましょう。

また、直近発表したプレスリリースやIR情報について確認するのもおすすめです。対外的な取り組みを知ることで、共感できるポイントがさらに見つかる可能性があります。

リサーチ方法
・公式サイトや採用サイトを見る
・公式SNSを見る
・競合他社の公式サイトを見る
・プレスリリースを見る

リサーチするポイント
・業界におけるその企業の位置づけ
・企業の基本情報
・提供している商品やサービス
・企業理念や社風
・社員について
・実際の業務にかかわること

プレスリリースとは
・新商品や人事、経営などにまつわる新しい企業情報を、報道機関向けにまとめた文書のこと

IR情報とは
・「Investor Relations(インベスター・リレーションズ)」の略語で、企業が投資家や株主などに発信する、投資判断に必要な自社情報のこと。主には財務状況や新製品・サービスのリリース情報のことを指す

②OB・OG訪問をする

OB・OG訪問からも企業の魅力をつかむことができます。企業サイトなどで収集した情報をもとに、実際にその企業で働いている人からしか聞けない情報を聞くようにしましょう。

先輩たちが学生のころはどのような点に魅力を感じたのか、個人の意見を聞いてみるのもおすすめです

また、OB・OG訪問をした事実や在籍する社員からしか得られない情報を用いて選考に臨むことで、「社員に会って話を聞くくらい志望度が高いのか」と受け取られ、熱意を示すことにもつながります。

OB・OG訪問での質問例
・〇〇事業部に関心があるのですが、実際の業務内容や働く楽しさを教えてください。
・御社で活躍している人にはどんな特徴がありますか?
・入社前後でギャップはありましたか?

③企業の「いいな」と思ったポイントを洗い出す

リサーチやOB・OG訪問から得た情報をもとに、魅力を感じたポイントをすべて洗い出します。さらに、魅力を強く感じた順に整理したり、その理由について考えてみましょう。

ここで福利厚生やフレックス制度などの条件面を取り上げるのは避ける方が安心です。働くうえでは待遇も大切な条件の一つですが、それらを軸にした志望動機にしてしまうと、待遇にしかやりがいを感じないのではないかと懸念され、働くモチベーションが低いと見なされてしまいます。

条件面を志望動機に取り入れたいときは、それが志望動機の主軸にならないように心掛け、「自分ならこう活用する」「利用することで自分や企業にもメリットがある」と伝わるように表現しましょう。

例文
私は貴社で自治体や教育機関を巻き込んだまちづくりに挑戦したいため、志望いたします。また、スキルアップ休暇制度を活用して語学を学び、貴社が取り組み始めている海外拠点の立ち上げにもかかわりたいと考えています。

④自己分析をする

加えて、企業だけでなく自分についても掘り下げます。幼少期からこれまでの経験を振り返って深掘りすることで、自分の価値観を明らかにしましょう。

企業の「いいな」と思ったポイントにどうして魅力を感じているのかを導き出し、自分の価値観や強みと併せて主張することで、根拠がある志望動機に仕上げることができます

魅力を感じる理由を整理する例
・「知られざる街の魅力を発信し、日本全国を元気にする」という企業理念に共感した。
→それはなぜか
・知られざる街の魅力を引き出すことにやりがいを感じた経験があるから
→やりがいを感じたのはなぜか、原体験は何か
・高校の部活でも廃部寸前のところから部員を増やし存続させる活動に取り組んでいた。
・「知られていない」を「知る」にするなど、マイナスをゼロ、もしくはそれ以上にすることにやりがいを感じ、モチベーション高く取り組める。

自己分析の方法としては、マインドマップや自分史、モチベーショングラフなどが存在します。志望動機を書くときは、「好きなこと」「得意なこと」「頑張ってきたこと」など、自己PRのもととなる各要素を、マインドマップで連想しながらまとめていくのがおすすめです。

自己分析をおこなうときにはこちらの記事も参考にしてください。経験者たちが実際に自己分析したときのエピソードを参考に、自分への理解を深めていきましょう。
王道の自己分析法と就活に活かすコツ|「やってよかった」体験談付き

通過率を上げるためにチェック! ESの志望動機をまとめるときの注意点

ESの志望動機をまとめるときに意外と見落としがちなポイントを紹介します。他の学生との差をつけようとして内容を盛りだくさんにしたり、よく読むとその企業でないといけない理由が見出しづらくなっていたりするのは志望動機においてよくあることです。ESの通過率をアップするためにもぜひ参考にしてくださいね。

一つの項目に対して要素を盛り込みすぎない

志望動機の項目それぞれに対して多くの要素を盛り込むのは避けましょう。

その企業に魅力を感じたポイントやエピソードについて、「多く盛り込んだほうが採用担当の目を引くのではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、記載されている要素が多すぎると本当に伝えたいことがぼやけてしまい、魅力を感じている点や志望理由の根拠が伝わりにくくなります

「志望するポイント」「裏付けるエピソード」「入社後のビジョン」という、志望動機を構成するそれぞれの項目に対して、書くトピックは1~2つに絞りましょう。

NG例文

私は事業内容に自分の強みを活かせると感じ、さらに貴社の社風に魅力を感じているため志望します。また、教育体制がしっかりしていることや、企業理念にも惹かれています。

OB・OG訪問でお話した社員の方々も〇〇事業への関心が強く、さらにお話したときにやりがいを持って働いている方が多いと感じました。先輩方のように楽しく働ける企業が良いなと思い魅力を感じています。

先輩方のお話を聞いて、社風が自分に合っていて、いきいき働けるのではないかと思っています。また、プログラミングのスキルを活かせると思い、貴社を志望します。

OK例文

私は貴社の若手がチャレンジしやすい社風に魅力を感じ志望します。

〇〇業界においては慎重さがもとめられたり、若手にはチャンスが巡ってきづらい風潮があると感じます。そんな中、「早いと3年目からメイン担当としてプロジェクトを任せられることがある」とOB・OG訪問でお聞きし、そのように若手のうちから新しいことに挑戦できる環境を魅力に感じました。

私は、アルバイト先でも社員の方と同じように新商品の提案をするなど、これまでも年次や立場関係なくアイデアを出せる環境で強みを発揮してきました。入社後も発想力や行動力を活かしてチームに貢献していきたいです。

同業他社にも通じる内容は避ける

同業他社にも通じる志望動機を書くと、その企業への入社意欲が伝わりにくくなるため避けましょう。

事業内容など、他の企業にも共通する要素のみに触れた志望動機は同業他社にも当てはまるものになりがちです。その企業が特に注力している事業や、OB・OG訪問で得た情報などを交えるなどして、その企業にしかない特徴に言及するよう意識してみてくださいね

NG例文

私は貴社でデジタルマーケティングへの興味やスキルを活かしたいため志望します。

貴社はデジタルトランスフォーメーションに関する事業を積極的に進めている企業で、業界でも知名度が高いです。

今後社会人として長期的に役に立つスキルが身に付くと考えているため、貴社を志望します。入社後もデジタルマーケティングへの知見を深めて貴社に貢献したいと考えます。

OK例文

私は貴社の制作する教材を通じて全国の子どもたちがどこにいても勉強や課外活動ができる社会づくりに貢献したく志望します。

大学のゼミ活動で地方に赴いて学習ボランティアをした際、過疎化が進む地域では、教員不足や交通の便の悪さから学習塾や習い事が思い通りにできない児童生徒がたくさんいることを知り、この課題を解決したいと強く思いました。

貴社は教育×デジタルの分野で業界トップシェアを誇り、すでに35都道府県の教育委員会とタッグを組んでデジタル教材の普及を進めています。貴社にて営業職として全国47都道府県、ないしは海外へのプロダクトの普及に貢献し、より多くの子どもたちの可能性を広げたいと考えます。

ESを提出する前のチェックリスト|みんながチェックするポイントは?

志望動機をまとめるときは、内容だけでなく受け取った相手が読みやすいものになっているかどうかに気を配ることも大切です

一生懸命に志望動機を書いていると、意外と誤字を見逃したり、記入欄に対して文字が多すぎて読みづらく仕上がっていることもあるかもしれません。

以下のチェックリストを参考にして、提出する前に確認してくださいね。

ESを提出する前のチェックリスト
・誤字脱字はないか
・文字の大きさは小さすぎないか
・記入欄に対して文字数は多すぎず少なすぎないか
・専門用語など伝わりにくい言葉を使っていないか
・文体は統一されているか
・質問に対する答えから述べられているか

キャリアステージ編集部

みなさんは、ESの提出前に志望動機のどんな点をチェックしていますか?

N・T 4年制大学

誤字脱字はもちろんのこと、同業他社の志望動機を使い回している場合は、他の企業の情報を間違って書いていないかきちんと見返す必要があると思います。その企業ならではの魅力に触れているかも確認すると良いと思います。

Y・S 明治大学

企業理念などを書く際、本当に正しい文言になっているか確認をすると良いと思います。また、誤字脱字はないかも必ずチェックしていました。

志望ポイント別ESの志望動機例文5選

ここからは、志望するポイント別に例文を紹介します。「その企業ではないといけない理由」をどのように示せば良いか、例文を参考に考えてみましょう。

①企業理念

企業理念が志望ポイントになっている例文

私は貴社の「ミライがもとめる働くを目指す」という理念に惹かれて志望しました。

私は現在、学童保育のアルバイトをしています。そこでは以前、保護者への連絡を全てプリントで管理をしていましたが、ある日、保護者と学童の連絡システムが導入されました。すると、働く保護者から「ペーパーレスになったことで、時短につながるし、情報が見やすくなってとても助かる」という声をいただくようになりました。このことがきっかけで、ITシステムで私たちはもっと暮らしやすくなるのだと実感することができました。

貴社のサービスはITシステムを介しての業務効率化はもちろん、導入したお客様へのサポートがとにかく厚いことが特徴と伺っています。1社でも多くのお客様の働きやすさを追求する一員として、貴社の企業理念の実現に向けて活躍していきたいです。

企業理念は一社ごとに違うため、「どうしてその理念の実現を目指したいのか」という理由を書くことで説得力が増します。また、サポートが厚いという企業の特徴を記載しているため、「しっかり企業研究をしてくれているな」と好印象を持たれるでしょう。

②事業戦略

事業戦略が志望ポイントになっている例文

私は貴社の「子どもが気軽に買える値段設定や、地域に愛される事業展開」にこだわる姿勢に惹かれ、志望しました。

私自身も小学生の頃、貴社のおやつを買いにお小遣いを握りしめて買い物に行った経験があり、とても身近な存在でした。貴社の説明会に参加した際に、「地域で愛されて育った企業だからこそ、地域に恩返しがしたい。そのために手軽に買える値段設定を続けている。」というお話を伺い、物価高のなかでも品質保持や価格設定への企業努力が垣間見えました。

応募に際して、実際に貴社の店舗に10店舗ほど足を運びました。どの店舗でも、社員の皆様が穏やかな表情で接してくれるため、どこか懐かしく、ほっとした気持ちになることができました。

私も、地域に愛される企業の一員として、今後の発展に貢献していきたいです。

事業戦略に関心を持った背景が詳細に書かれています。また、「10店舗ほど足を運んだ」というように、具体的に数字を取り入れることで熱意が伝わりやすくなりますよ

③社風・社員

社風・社員が志望ポイントになっている例文

貴社の「社員のキャリアを応援する」社風に惹かれ、志望しました。説明会で、働く人を応援する会社だからこそ、社員のキャリアも応援したいという想いを社長がお話していたことが印象的で、他の職種にお試しでチャレンジできる「キャリチャレ」の制度を聞いたときには驚きました。

私は高校で吹奏楽部に所属しており、最初はフルートを担当していましたが、途中でドラムに興味が出て、パート変更をした経緯がありました。結果的に、どちらのスキルも身に付いてより音楽が大好きになりました。

現在私は、貴社の営業職を志望しており、幅広い経験を積みたいという気持ちがあります。入社してすぐにキャリチャレを利用するということは考えていませんが、自分のキャリアについてもじっくり向き合える環境で、貴社の一員として貢献していきたいです。

社風はインターンや座談会などに参加しないと具体的につかめない場合が多いですが、今回のように、社内での取り組みに目を向けるのも良いでしょう。好奇心が強いことだけではなく、会社への貢献意識もアピールできている例文です。

④教育制度

教育制度が志望ポイントになっている例文

貴社の「メンター制度」を通した教育制度に共感をし、志望しました。私は大学のボランティアで学生メンターをしています。私自身が入学時不安だったことを思い返し、後輩たちに接することで日々気づきが生まれています。

貴社では、入社5年以内の先輩メンターが新入社員をサポートしてくれると伺いました。実際にインターンシップに参加した際に、入社3年目の方が「メンター制度があったからこそ挫けそうなときも乗り越えることができた」とお話されていたことが印象的でした。

仕事の経験ももちろんですが、成長を見守ってくれる存在がいるのは大きな成長のチャンスだと思います。メンター制度に頼ってばかりではなく、自分からも主体的に動いて学んでいきたいです。そして、いつか後輩ができたときには、メンター側として活躍できるように、貴社の一員として成長していきたいです。

企業によって独自の教育制度が用意されている場合もあり、その企業ならではの志望動機を作りやすくなるのでぜひ一度調べてみてください。この例文では、メンター側としても活躍したいというフレーズが前向きな印象を与えます。

⑤業界での立ち位置

業界での立ち位置が志望ポイントになっている例文

国内エレベーターでシェアトップクラスでありながら、業界初の商品開発へ余念がない貴社の姿勢に惹かれて志望しました。

私は大学の研究で移動ロボットの制御における研究をしています。何度も何度も失敗しながらも、この研究が人々の暮らしを少し良くできるかもしれないというモチベーションで日々続けています。

以前、OB・OG訪問をさせていただいた際に「国内でトップクラスのシェアがあるからこそ、状況に甘んじることなく業界初の製品をチームで作り、社会へ還元していきたい」という言葉を先輩社員からお話していただき、強く共感しました。

いま研究室で得ている知識やスキルを総動員しながら、貴社の目指す業界初の製品作りに貢献したいです。そして、貴社が目指すグローバル展開にも寄与できるよう尽力します。

「業界でトップクラスのシェアだから志望しました」という業界での立ち位置にかかわることだけではなく、その企業の姿勢にも目を向けると、しっかり企業を調べている姿勢が伝わります。企業が目指す「業界初」に向けて自分のスキルを活かして更なる発展に貢献してくれそうな印象を与えるでしょう。

業界別ESの志望動機例文9選

ここかからは、業界別に志望動機を紹介します。特に事業内容に魅力を感じている場合は、他社と差別化がしづらいことがあるため、例文をヒントにするのもおすすめです。参考にしつつ、企業と自分との共通点をアピールしましょう。

①金融業界

金融業界の志望動機例文

私はお金のプロフェッショナルになりたいと思い、金融業界の中でも特に成長が目覚ましい貴社を志望しています。

そのきっかけはファイナンシャルプランナーの講義を大学内で受けたことでした。そのときに初めて知ることも多く、お金についての知識は誰もが持っているべきものだと感じました。そしてこの講義がきっかけでファイナンシャルプランナーの3級を取得し、現在は2級の取得に向けて勉強中です。

貴社のファイナンシャルプランナーは、個人はもちろん、地元の中小企業のお客様とのかかわりが多いと伺っており、地元に貢献したい意識が強い私は魅力に感じています。貴社の一員として一人でも多くのお客様の人生を支えられる存在になれるように、日々勉強を怠らず貴社の発展に尽力したいです。

金融業界に進みたい理由が、エピソードとともに詳しく書かれているため読み手が想像しやすいです。この例文の場合は顧客層ですが、企業の特徴について言及すると、志望度やそこのマッチ度も高いように感じられる前向きな志望動機に仕上がります

②商社業界

商社業界の志望動機例文

「食を通じて、豊かな社会を作る」をスローガンに事業展開をしている貴社に魅力を感じました。

私は食品商社業界で活躍したいという強い気持ちがあります。きっかけは、3カ月のアメリカへの留学です。友人作りに苦戦をしていた私は、この状況を打破したいと思い、友人にお好み焼きを振る舞いました。すると、「日本食って美味しいね! 作り方も教えて!」と喜んでもらえたことがあり、食をきっかけに多くの友人を作ることができました。友人ができたことはもちろん、日本食の美味しさを伝えられたことも嬉しい気持ちになり、日本食を世界に広める仕事をしたいと考えるようになりました。

貴社はここ数年でアジア圏に子会社を10社立ち上げて世界各国とのパイプを強固なものにしていると伺っています。私も貴社の一員として、世界中の人々に高品質な日本食をお届けし、企業成長へ貢献していきたいです。

会話文を使っていることで、その場の温度感も伝わります。商社を希望する学生は多いため、オリジナルのエピソードで他の就活生との差別化につながりますね。

③インフラ業界

インフラ業界の志望動機例文

生活に欠かせない電力インフラ業界で業界トップの貴社を志望しています。

そのきっかけは地震に伴う、3日間の停電でした。非常用の懐中電灯などはありましたが、夕方になるとだんだんと暗くなる景色や、生活の不便さに不安感を募らせていたときの、電力が復帰した安堵感は今でも忘れられません。この出来事から、電力にかかわる仕事がしたいと思い始めました。

貴社のインターンシップでは、社員の皆様の穏やかな雰囲気や、細かな質問でも真摯に答えてくれる姿勢を見て、この一員として活躍したいと思いました。何よりも、若手の「攻め」のアイデアを柔軟に取り入れる社風に魅力を感じています。今まで学んできた再生エネルギーの知識を更に発展させながら、貴社の一員として電力の安定供給に努めていきたいです。

どうして電力インフラに興味があるのか、理由が明確に書かれていてわかりやすい例文です。アイデアを柔軟に取り入れるという社風のなかで、自分はどのような活躍をしたいのかもう一言加えると、入社後の活躍イメージがさらに湧きやすくなります

④不動産業界

不動産業界の志望動機例文

私は不動産業界のなかでも、お客様の新たな門出に立ち会うことができる機会の多い賃貸仲介営業を志望しています。

大学進学に際して上京し、アパートを探していたところ、営業の方がとても親身になってお話を聞いてくれたことがきっかけです。新生活で気持ちが浮足立っているところ、あまりイメージできていなかった防犯面や、大学へのアクセスについても顧客視点で探してくれたことが印象的でした。おかげで、新生活をスムーズに送れたなと思い、賃貸仲介営業を希望するようになりました。

貴社の特徴は、そこに住むお客様のサポートを手厚くしている点だと思います。特に、インフラの手続きサポートや、住居周辺の手作りマップをお渡しするなど、営業が親身に寄り添う点が魅力です。

一人ひとりのお客様が希望を胸に抱いて新生活のスタートを切れるように、貴社の一員として全力でサポートしていきたいです。

不動産業界は事業の幅が広いですが、しっかりと職種や企業の特徴にフォーカスを当てた志望内容にすると熱意が伝わりやすくなります。また、「こういう姿勢で仕事に取り組みたい」というイメージを明確にすると、より入社後に活躍するイメージが湧きますよ。

⑤マスコミ業界

マスコミ業界の志望動機例文

人々の暮らしに役立つ情報発信に携わりたいと思い、地域密着型の情報番組制作をしている貴社を志望しています。

私は地元であるこの地域が大好きで、大学入学時からお出かけスポットをSNSで週1回発信しています。現在フォロワーは1.2万人を超えました。自分の情報発信がきっかけで、休日が楽しくなったという声をDMでいただくこともあり、更に多くの人へ暮らしが楽しくなる発信をしたいと思うようになりました。

私は貴社の夕方のカフェコーナーの番組が大好きです。有名どころばかりではなく、小さな個人店に焦点が当たることも多いのが見どころだと思っています。

貴社の一員として、地元活性化につながるような番組を一つでも多く制作できるように活躍していきたいです。

一般論にならず、自分の発信力もアピールできている例文です。フォロワー数や頻度を数字で表していることで、SNSをコツコツと続けてきたというエピソードに臨場感が増します。どのような番組を作りたいなど、具体的な目標を掲げると更に良い志望動機になるでしょう。

⑥食品業界

金融業界の志望動機例文

私は「健康的な食生活を世界中の人にしてもらいたい」という想いがあり、食品業界を志望しています。グローバルな展開を積極的に進めている貴社であればその実現に一歩近づくのではと思い志望しました。

貴社のインターンシップへ伺った際に、植物油脂の新商品企画を体験させていただきました。そのときに、先輩社員から貴社の人気商品のごま油ができるまでの過程のお話を教えていただきました。気軽に使っていただくことを考え、ヘルシーさと味の両方を追い求めた3年間のエピソードは、時間がかかれど美味しさを食卓に届けるという貴社のこだわりを感じました。

将来的には商品開発にも携わりたいと考えています。そして、貴社の製品を通して、世界中の食文化をさらに豊かなものに導けるように活躍できる存在になりたいです。

食品業界への強い想いが最初に書かれており、好印象な例文です。また、インターンに参加したからこそ商品へのこだわりを実感したという感想を述べています。このように、インターンやOB・OG訪問などに参加した経緯があれば、それに言及することで他の学生と差を付けることができますよ

⑦IT業界

IT業界の志望動機例文

私は貴社の徹底的なITの力による業務効率化支援の姿勢に惹かれて志望しました。

現在新聞社でアルバイトをしています。3年目の春に貴社の請求書システムを導入することになりました。今まではペーパーが主流だったことでお客様とのやり取りが煩雑でしたが、貴社のシステムを導入したところ、お客様から「スムーズにやり取りができるようになった」と喜びの声をいただくことが増えました。

それまでは違う業界を志望していましたが、この出来事をきっかけに、人々の暮らしやすさに寄与できる力があるIT業界を志望するようになりました。

貴社の業務のなかで、特にお客様に寄り添えるカスタマーサクセス職を希望しています。一社でも多くのお客様の業務効率化に貢献できるように尽力したいです。

アルバイトにおけるエピソードを根拠に、職種にも触れてお客様へ貢献したいという展望が示されています。このように意気込みを具体的に書くと、採用担当に「活躍してくれそうだな」という印象を持たれやすくなるでしょう

IT業界の志望動機を作るときはぜひこの記事も参考にしてください。実際にIT企業の内定を獲得した人の体験談を交えて、志望動機の作り方を紹介しています。
IT業界に刺さる志望動機の作り方|内定者の体験談と12例文付き

⑧観光業界

観光業界の志望動機例文

貴社の掲げている「フレッシュなスピード感」を大切にした観光施設の運営に共感し、志望しました。

実際に貴社を志望するようになったきっかけは、ホテル○○へ宿泊したことがきっかけでした。HPを見て予約をし、姉夫婦とその子どもと一緒に宿泊したのですが、子どもの遊び場が充実していて、とても良い時間を過ごすことができました。しかし、いつか訪れたことがあるような気がして、調べると私が10年前に修学旅行で訪れていたホテルを家族向けに大改装したということがわかり、驚きました。

貴社は創業70年という歴史がありながらも、一定の形に固執していないということが特徴だと思います。トレンドを追いつつお客様のニーズを形にして、お客様に非日常感をお届けする一員として、活躍していきたいです。

観光業界にはトレンドを取り入れて日々アップデートをしている企業もあれば、歴史や趣にこだわっている企業もあります。そのため、それぞれの魅力を的確に捉え、自分との共通点を伝える必要があるのです。顧客としての実体験を交えるのも、志望のきっかけがわかりやすくなるためおすすめですよ。

⑨小売業界

小売業界の志望動機例文

私が貴社を志望する理由は「流行、品質、キゴコチ。」というスローガンに共感しているからです。

貴社の製品を知ったのは、姉の結婚式に参列するためのワンピース選びのときです。流行のスタイルだけではなく、試着したときの触り心地が良く、購入を決めました。店頭スタッフの方に、着心地へのこだわりがあるという話を伺い、すっかり貴社のファンになりました。それ以降、お金を貯めて少しずつ貴社の製品を購入し始めました。

また、インターンシップの際に、どの職種のスタッフも、製品づくりへのアイデアを出すことができると伺い、自分のアイデアが形になるチャンスがあることにも魅力を感じています。

貴社の製品をお客様に試着していただき、反応を間近で見ることができる販売スタッフを現在は志望しています。貴社の一員として、今後の企業成長へ貢献できる存在になるため尽力したいです。

アパレル企業には、ブランドにおける界観やターゲットとする顧客層など、企業ごとにこだわりがある場合が多いです。その特徴を踏まえた志望動機を作成すると良いでしょう。企業内で挑戦したいことも明記すると、入社意欲がより伝わりやすくなります

現役就活生からアドバイス! 志望動機にまつわる悩みと対処法

志望動機の基本的な作り方はわかっていても、実際に作り始めると迷う点が出てきたという人もいるのではないでしょうか。

「複数の志望動機を書くのに苦戦する」など、就活において誰もが抱く可能性がある悩みの対処法を紹介します。現役学生だからこそ知りうるアドバイスを参考にしてみましょう。

①志望度があまり高くない企業の志望動機を書くコツを教えてください!

志望度が高くない企業の志望動機を書く秘訣は、企業・業界のリサーチを徹底し、競合他社と差別化できる点を洗い出すことです

たとえば業界3位の企業の志望動機を書くときは、「1位、2位の企業を抜くためにおこなっていることや提供している商品・サービス」などに注目してみてください。そこから共感できる点を見つけ、志望するきっかけを膨らませましょう。

実際に志望度が高くない企業の志望動機をうまくまとめられた人の声を聞いてみましょう。

K・G
K・G
名古屋市立大学/経済学部
口コミサイトなどを参考にして効率化を図った

志望度があまり高くない企業の志望動機については、口コミサイトなどを参考にしつつなるべく時間をかけずに書いた記憶があります。

ただ、選考が進んでいくにつれて、志望度が上がっていく可能性もあるので、その都度調べて、企業への理解を深めていました。

M・W
M・W
学習院大学/文系学部
その企業にしか当てはまらない要素に注目しよう

私は鉄鋼商社をいくつか受けていて、中にはそこまで志望度が高くない企業もありました。インターンシップの選考では、最近のSDGsや脱炭素の話題を取り入れて「貴社及び鉄鋼商社がこれからの時代脱炭素の為に何ができるか・どのように変化していくかについて学びたい」という内容を軸に志望動機を作っていました。

本選考では、鉄鋼商社だからといって「インフラである鉄に魅力を感じた」のような、その業界であればどの企業にも通じるようなことは書かず、「人を巻き込む力を生かして様々なステークホルダーとかかわりたい、その中で貴社は~」というような、自分の強みがどれだけその企業で活かせるかという視点で書いていました。

②1社ずつ志望動機を書く時間がありません。同業界企業の志望動機を使いまわすと通過は難しいですか?

ある企業の志望動機をまったく同じ内容のまま使いまわすことはおすすめできません。同じ業界に属しているとしても、企業理念や力を入れている事業は異なります。そのため、志望動機も企業ごとに作成しなければ、採用担当者に刺さる志望動機とはなりません。

また、ESを見た採用担当が他社の志望動機を使いまわしていることに気づくと、志望度が低いと見なされて選考通過の可能性が下がることも考えられますよ。

内定を獲得するためにも、企業との最初の接点であるESは、ぜひ時間をとって作成しましょう。それでも時間が確保できないという人は、特に志望度の高い企業を3社程度に絞ってみてください。それらのESには時間を割き、同業界の他企業においては、志望度の高い企業のESを軸に微調整する方法がおすすめです。

微調整する場合は、特に「入社後の展望」に注目してみてください。その企業の事業内容や特に注力している事業、他社と比べて革新性のある点を調べ、自分が企業でどのように活躍できそうかイメージさせる部分を企業に合わせてにアレンジしましょう。

もちろん、最初に述べる志望のきっかけが、その企業にそぐわないものになっていないかどうかは必ずチェックしてくださいね。

同業界において複数企業の志望動機を作成したいときはどうすれば良い?

M・W
M・W
学習院大学/文系学部
業界内で手当たり次第に受けていると思われないようにしよう

同じ業界間であれば、多少志望動機を使いまわすことはできると思います。ただ、どこにでも通じるような志望動機だと、同じ業界を手当たり次第に受けていると思われてしまうのではないでしょうか。「うちでなくても良さそうだ」と感じられて不合格につながる可能性もありそうです。

それを防ぐためにも、「○○を掲げ、○○な貴社に魅力を感じた」など、企業独自の要素を盛り込むことは忘れないでくださいね!

K・G
K・G
名古屋市立大学/経済学部
就活の軸と企業の特徴をマッチさせて志望動機を作った

志望動機は、就活の軸を派生させて決めていました。

たとえば就活の軸が①チームでプレーしたい②他者貢献したいの2つで、Sler企業を複数受ける際には、「SIerは、営業とSE(システムエンジニア)とCS(カスタマーサポート)が協力しておこなっていかなければならない職種であるので、チームプレーを好む自分にとっては魅力的です」というような内容と、「SlerはIT技術を用いて顧客の課題解決に務めることができる点が他者貢献の軸にあっていると思います。その中でも御社は、ワンストップソリューションで顧客に対して迅速に対応し、継続的に伴奏していく姿勢がすごく魅力的です」などの内容を使い分けるようにしていました。

③提出前に添削してほしいときはどうしていましたか?

自分だけで志望動機を完結するのが不安な人は、第三者に添削をお願いしましょう。一番おすすめなのは、すでに就活を経験している社会人の先輩や大学のキャリアセンターで見てもらうことです。企業ですでに働いている人やキャリアの専門家の目線から「企業と自分との接点をアピールできているか」「意欲が感じられるか」「活躍イメージが湧くか」をチェックしてもらうのです。

難しい場合は、家族や友人に見せるのも良いでしょう。「筋が通った文章になっているか」「読み手がどんな印象を受けるか」という点は、作成した本人ではなかなか判断できないもの。客観的な意見を聞くだけでも志望動機をブラッシュアップできますよ。

志望動機を添削してもらったことがある人の話も参考にしましょう。

K・G 名古屋市立大学

ES添削は主に先輩と同級生に依頼していました。仲間内で同じ企業を受けることが多かったので、みんなで確認することが多かったです。

④chatGPTなどのツールを使って志望動機を書いても良いのでしょうか?

chatGPTは、あくまでも構成やまとめ方の参考として活用しましょう。使用する際、細かい指示を出せば、完成度の高い志望動機が完成するかもしれません。しかし、細かく指示を出すにしても、エピソードの部分はある程度自分でまとめる必要があります。さらに、志望動機に大切なのは独自性で、当たり障りのない文章だと、採用担当の目には留まりません。

chatGPTを使いながら志望動機をまとめるときは、言い回しがおかしくなっていないかどうか、具体的なエピソードが入っているか、それが志望するきっかけの根拠になっているかを必ず確認してください。

K・G 名古屋市立大学

chatGPTなどのAI(人工知能)を使って書いたことはないですね……。AIに頼ってウソの志望動機を作っても、面接などで志望動機を話すときに、いずれバレる可能性が高いかなと思います。

エントリーシートの志望動機は企業との接点をアピールして選考を突破しよう!

ESは企業との最初の接点であり、その中の志望動機で「自分がその企業に入るべきだ」と説得するつもりで書くことが面接に進む秘訣です。

漠然としていたり、どの会社にも当てはまるような志望動機ではなく、具体的なエピソードや将来のビジョンで志望理由の納得感を強めましょう。また、入社後活躍するイメージが浮かぶよう、企業と自分との接点が伝わる志望動機にすることを心掛けてください。

「面接したい」と思わせる志望動機を仕上げ、書類選考突破を目指しましょう。

辻 太一朗
辻 太一朗
履修データセンター 代表取締役
志望動機には志望理由とその理由に至った背景を書こう

志望動機に書くべき内容は2つあると思っています。「多くの会社の中でその会社に興味がある理由」と「その理由が自分にとって重要な理由」です。しかし、多くの志望動機は前者しか書かれていません。

つまり「その志望理由が自分にとって重要な理由」が抜け落ちている志望動機が多いのです。たとえばその企業を志望する理由が社会貢献度と成長性の高さだとした場合に、なぜ自分にとって社会貢献度と成長性が重要なのかを盛り込む必要があります。

応募企業が第一志望群であるという熱量を伝えよう
また、志望している企業にしか当てはまらないような、厳格な志望理由にする必要はありません。そもそもESの志望理由だけで合否を決める会社は少なく、どちらかといえばガクチカや自己PRのほうが合否に影響しやすいと思います。感覚的には、応募したい企業のなかで第一志望群であるということが伝わる志望動機であれば十分です。

志望理由にこだわりすぎず、自分と企業との接点を盛り込むことを意識してくださいね。

編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる