20代の転職って実際どうなの? 経験者が成功のコツと進め方を紹介

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20代の転職は情報が命! 経験談から就活との違いや対策を学ぼう

周りはまだ同じ会社で働く人も多い中、20代で転職を考え始めると「20代の転職って難しいのかな」「実際何から始めたら良いんだろう」とさまざまな疑問や不安が浮かんでくると思います。

20代の転職をいかに後悔なく終えられるかは、自分に合った対策や準備をできるかが重要です。数ある情報の中から正しいものを選択して集めることにより、的確で素早い転職活動をすることができるのです。

この記事では、20代の転職事情を明らかにし、体験談を踏まえた成功のコツやポイントを紹介します。初めての転職活動で何をすればいいかわからない人も、リアルな経験から20代ならではのポイントを整理していくのでぜひ参考にしてくださいね。

20代で転職するのってどうなの? 経験者から聞くリアルな転職事情

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就職してまだ数年しか経たない20代では、転職が早すぎないか悩む人もいます。転職をするタイミングは人それぞれのため、在籍年数が短くても理由や目的がしっかりしていれば問題はありません。

同じく20代で転職を決意した経験者の理由やきっかけはどのようなものだったのか参考にして、今後の動きを考えてみましょう。

20代の中でも新卒入社から3年以内で転職活動をする人のことを一般的に第二新卒と呼びます。第二新卒での転職を検討してる人は、こちらの記事もおすすめです。
「第二新卒はやばい」の真相は? 経験談付きで実態を調査!

キャリアステージ編集部

20代で転職を決意した理由やきっかけを教えてください!

S・S 青山学院大学

アパレル販売員という職業柄、周りの上司も30歳過ぎで転職していく人が多かったので、いつか転職するくらいなら早めがいいと思って転職に至りました。

A・A 天理大学

20代で結婚することになったので、家と仕事を両立したいと思ったことがきっかけです!

D・M 成城大学

上司と馬が合わず環境を変えたかったのと、もっと視野を広げて挑戦できることがないかを見てみたかったからです。

20代の転職は早すぎることはない

結論として、20代の転職は決して早すぎることはありません。

少し前までは終身雇用が当たり前でしたが、現在ではキャリアアップや待遇の改善を求めて転職する人が多く、伸び代や長期雇用が望める20代は、むしろ採用側から需要のある世代です

転職で重要なのは、時期が早いかどうかではなく転職理由やキャリアプランが明確であるかなので、若さが必ずしもデメリットとは限りません。

こちらの記事では、転職のタイミングについて、経験者のリアルな意見を紹介しています。転職するタイミングに悩んだら、こちらの記事もあわせて参考にしてみてくださいね。
みんなの転職タイミングはいつ? 経験者が語るおすすめの時期と準備

今の仕事が辛いから転職したいと考えている人も多いのではないでしょうか。次の記事では、仕事を辞めたいときの対処法を紹介しています。辞めるべきときについても解説しているので、こちらを読んで納得した決断を出してみてくださいね。
仕事を辞めたい時の対処法・判断基準は? 経験者が悩みにアドバイス

20代で転職って早すぎる? パネリストの率直な意見を聞いてみた

S・S
S・S
青山学院大学/文学部
動き出しが早いことがポジティブに働くこともある

転職前はアピールできるほどのスキルや経歴が無くて不安でしたが、別業界や別業種を目指すなら、むしろ早いほうが企業としても歓迎しているように感じました。早いうちに動き出すことで、「将来をよく考えている」と前向きに捉えてくれたのがよかったと感じています。

逆に、同業界・同業種のステップアップとして考えている人は、ある程度の年次を積んでから転職を考えたほうが良いと思います。年齢や年次よりも、前職でどのように仕事に取り組み、その結果自分がどう成長できたかを伝えることができれば、年齢に対してマイナスなイメージを抱かれることもないと思います。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
企業が求めるものによって感じ方が異なる

転職先で求められるものは、大きく2つあると思っています。「持っているスキルを活かす」、もしくは「持っていないスキルを身に付ける」です。20代のうちはどちらにも当てはまり、求められるものだと思っています。

もしかしたら、最初からスキル重視のハイレベルな企業に入ってしまったときに「自分には転職は早すぎた」と感じる可能性があるかもしれません。しかし、スキルをこれから身に付けていくことを求めている企業の場合は、入社後にスキル面で何か言われるということはそれほどないのではないかと思います。つまり企業の考え方によっては、20代の転職でも早すぎることはないということです。

未経験業界への転職はアピールの工夫が重要

20代から未経験業界へ転職をする場合は、経験のある業界よりも難易度は高くなる傾向にあります。

経験のある業界だと、これまでの経験や資格をもとに企業へアピールできますが、未経験業界では業務に直結する経験がない場合もあるでしょう。専門的なスキルがなくてもマネジメントや管理職経験があると心強いですが、まだ社会人経験の浅い20代ではアピールできる材料が自然と少なくなってしまうのです。

転職を成功させるためには、業界で求められている人物像やスキルを念入りに情報収集し、作戦を立てる必要があるでしょう

S・S
S・S
青山学院大学/文学部
未経験だからこそ給与が心配材料になる

「苦労」と言えるほどのこととは感じていませんが、私の場合未経験だとキャリアがアシスタントからスタートすることになるので、前職よりも給与が低くなることは気になりました。

当時は新卒1年目だったので、前職から大きく給与が下がることはありませんでしたが、これが3年目もしくは4年目だったら、給与面が気になって未経験の業界に飛び込もうという決断はできなかったかもしれません。

一方で未経験であれば、早いうちに挑戦することで、その業界で早く活躍できるようになると思います。もし、未経験の業界でチャレンジしたいと思うのであれば、思いきって早いうちに飛び込むのもありだと個人的には思います。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
違う業界でも共通点を見つける工夫が大切

私は住宅業界から通信業界へチェンジする転職をしたのですが、最初は知識をインプットするのに苦労しました。ただ転職活動を終えてみて感じるのは、知識面よりも、前職の住宅業界と通信業界にはどのような共通点があり、現職で使えそうな知識やスキルが何かを探すことの方が大事だったということです。

私の場合は「営業職」という職の共通点をうまく応用することと、第一印象を良くすることを意識していました。

特に第一印象は何事においても大事ですが、住宅の仕事をしていたときは、お客様の人生の中でも高額な買い物を任せられる人でありたいと考え、通信の仕事をしていたときは、最短30分で契約が決まるような仕事だったからこそ瞬時に信頼されるかかどうかが重要で、異なる仕事内容でありながらも共通点がありました。

このように、今までの経験から現在の仕事に応用できるスキルを知っておくという工夫をするのはおすすめです。

20代前半と後半で転職の難易度は異なる

20代の転職は、前半と後半で求められることが違うため、転職の進め方や意識するポイントも変わります。

社会人経験が浅く、「人間力・ビジネスマナー・仕事への価値観」などを重視される20代前半に対し、20代後半は「スキル・実績・マネジメント力」など、即戦力としての採用基準を求められるのです

転職で苦労しないためには、自分の年代に合ったアピール方法を選ぶ必要があります。20代前半・後半で転職をした先輩たちは、それぞれ何を求められたのでしょうか。

パネリストが感じた20代前半・後半での見られ方

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
20代前半の転職は基本的なスキルが見られていた

私自身が20代前半と後半でそれぞれ転職を経験しています。

20代前半の転職では、どちらかというとスキルよりも意欲や転職理由に重きをおかれていたような印象です。

聞かれる内容も新卒の時に近く、私自身の得意不得意や価値観を問うもの、学生時代のこと、転職したらどうなりたいかという未来について話す内容が多かったように思います。そのため高いレベルのスキル面をもとめられた、というよりはタイピングを含めたPCスキルとビジネスマナー、コミュニケーション能力といった基本的なスキルが必要になりました。

チャンスがあるからこそ説得力のあるアピールを
20代前半の転職は職種や業界を問わず転職が叶いやすいといったメリットがある反面、未経験であることをマイナスと思わせないアピール方法や面接官を納得させられる転職理由が必要といった難しさがあります。

未経験が比較的受け入れてもらえる年齢なので、そこまで経験を求められていないのかなと感じましたが、現職での経験が次の職場でどのように活かせるかといった今の自分とつなげたアピールは必要だと感じました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
20代後半だからこそ社会人としての「当たり前」が求められる

四年制大学卒の場合、20代後半は社会に出て3年以上たっていることになるので、ある程度のビジネススキルは求められます。

たとえば、報告・連絡・相談が適切か、敬語の使い方はしっかりしているか、遅刻しない・体調管理を怠らないなどの自己管理ができているか、主体性を持って行動しているかなど、「当たり前のことを当たり前にできるか」という点はよく見られました。

「当たり前」が求められるのは成果につながるから
20代前半は、一般的な所作ができなくても大目に見てもらえることもありますが、20代後半になるとそうもいかないので、周りから冷ややかな目線で見られることもあるかもしれません。

新卒から一貫して営業職をやってきた身からすると、実績を上げている人とそうでない人は、上記の「当たり前のことを当たり前にする」を体現しているかどうかで大きく変わっています。30歳以上の人でも、できない人はできません。その結果、人によって大きく成果が異なってくるということが起きてきます。とても基礎的なところですが、一番大事な点です。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
20代後半の転職は実績と経験の棚卸しが大事

20代後半の転職活動では、学生時代のことはほとんど聞かれず、前職での経験を具体的なエピソードを添えた形で話してほしい、といった面接が増えました。

それらをベースに置いたうえで、即戦力として働けるか、営業の成績はどうだったかといった具体的な成果も重視されました。さらに、ただそれらをエピソードとして話すだけでなく、面接先の会社でどう活かすことができるのかといった話や意欲が求められたように思います。

未経験者の場合はハードルが高くなる
聞かれる内容や求められるエピソードの濃さの難易度は、やはり20代後半での転職の方が高く、自己理解だけでなく前職での業務や実績をしっかり整理し臨まなくてはいけないと感じました。

20代後半は、「経験者」という枠組みで選考されることが多いため、実績のある同職種や同業界に転職する際は非常に有利だと思います。反面、未経験者なら20代前半の子や新卒を育てようとする企業が多いため、一定のハードルを感じるかと思います。

年代で採用基準が異なったりと、転職には新卒就活と違った難しさがあります。転職に不安を感じている人は、こちらの記事を参考にして、転職活動でつまずきやすいポイントを押さえておきましょう。
転職は難しい…? 成功に導く5つの行動をリアル体験談付きで解説

20代の10人に1人以上が転職を経験している! 転職市場の基本データも確認しておこう

性別・年齢別の転職入職率のグラフ

転職経験者の話を紹介してきましたが、自分の周りに転職をしている人がいない場合、まだ「20代での転職は少数派なのかな」と不安になってしまいますよね。では、実際のデータも参考に同年代のキャリアを見ていきましょう。

厚生労働省の令和4年度 雇用動向調査によると、20代前半・後半の労働者全体のうち、令和4年度に転職して入社した人の割合は、20代前半・後半ともに約15%。つまり20代労働者の15%近くの人が、1年以内に転職しています。

ここから転職はめずらしくない時代であること、20代でキャリアを考え転職する人も少なくないことが読み取れます。「こんなに早いのは自分だけ?」と悩まず、転職の一歩を踏み出しましょう。

経験談から理解しよう! 20代転職を成功させる5つの共通点

20代転職を成功させる5つの共通点

20代の転職は初めての人や経験が少ない人が多く、どうすれば成功するのか悩んでしまうこともめずらしくありません。

転職で成功をつかむには、ひとつの行動だけでなく、いくつかのポイントを着実に積み重ねることが必要です。転職成功者に共通するコツを参考にしながら対策を立ててみましょう。

①就活との違いが理解できている

20代の転職活動は、直近の経験から就活と同じようなイメージを持ってしまいがちです。しかし、就活と転職では必要な準備や採用基準は大きく異なります

1年以上かけて準備する就活に対し、転職活動では早ければ1カ月程度で応募から内定まで完了することもあり、かなり短期間で結果が出るのです。また採用基準でいうと、就活生は「何をやりたいか」のポテンシャルが重視されるのに対し、転職者は「何ができるのか」という即戦力としての力を求められます。

就活と転職を同様に捉えていると、自己PRや計画の立て方を誤って後悔してしまうこともあるので、切り替えた行動を意識しましょう。

キャリアステージ編集部

20代で転職をしてみて感じた新卒就活との違いと、経験した今だからこそ意識しておけばよかったと感じたポイントを教えてください!

A・A 天理大学

転職活動の場合は、経験がないと採用してもらえなかったり、資格がないと応募できなかったりするところが多いと感じました……。

R・K 駒澤大学

新卒で入社した会社で何を経験して、どのような能力を得たかを意識する必要があると思います。やはり転職は即戦力を求められるケースが多いと感じました。

D・M 成城大学

新卒は学生時代の実績とかは求められず、マインド面でどう考え行動したかを一番重要視される印象でしたが、第二新卒など転職は、それに加えて辞めずに継続してくれるのか、即戦力として活躍してくれるのかなど変化に対する対応力なども求められていた印象でした。

②転職活動の全体の流れを把握できている

転職活動をスムーズに進めるためには、それぞれ必要な準備を同時進行でおこなう必要があります。複数の工程を時間のロスやミスが出ないように進めるには、全体の流れを把握して、逆算した動きをすることが求められるのです。

転職活動ですべきことの例
・自己分析
・転職の方向性決め
・応募企業の絞り込み
・応募手続き
・面接対策

上記は転職活動をする際に一般的に必要とされている準備の例です。そのほかにも現職の退職手続きなども追加されるので、かなりマルチタスクになることが予想されます。

これらの必要な行動から、目標を立てて逆算することで全体の流れを把握することができます。

全体の流れを把握する方法
①最終的な目標を決める(例:入職日)
②①を達成するために必要なことを書き出す(例:面接対策、書類作成、自己分析)
③②を達成するために必要な期日を逆算して決めていく

転職活動ですべきことは、人によりかかる時間が異なります。「パソコンが苦手な場合は書類作成に時間を取る」など自分に合わせたスケジュールを考えましょう。

転職経験者が実際におこなったスケジュール管理術

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
紙の手帳とアプリの使い分けが効果的

私は紙とアプリのスケジュール帳の両方を使って予定を管理していました。紙のスケジュール帳をメインにしており、そこには面接日程や詳細、そのほか失業保険に関することなど、転職活動関連の情報を細かくまとめていました。紙の手帳だと面接の場で出しても違和感がないため、人事に聞いたことでメモが必要な場合にも使用していました。

ただしプライベートの時間などは普段から100%手帳を持ち歩いているわけではないため、出先で急に電話がかかってきて面接調整が必要になることも考慮し、最低限の「面接先・日時」だけはアプリにも入力していました。

実際にプライベートで出掛けている時に人事やエージェントから電話がかかってくることも何度かあったので、転職活動中はすぐにスケジュールがわかるよう準備しておいた方が良いと思います。また、知らない番号からたくさん着信があり確認が大変なので、転職活動期間中は留守番電話サービスに登録してもいいかもしれません。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
候補日がかぶらないよう工程表でスケジュールの調整をしていた

転職活動で工夫が必要だと思ったことは面接日程の調整です。企業側とのやりとりの際に候補日を3日ほど送るのですが、他で日程調整中の企業と被って再調整にならないように、工程表のような形で各企業ごとに候補日を書き出し、被らないように調整していました。

日程調整もなるべくこちら都合で再調整にならないようにすることで、企業側からの評価も下げずに済むのでおすすめです。

また面接だらけにならないように、1日最大3社まで、次の日に面接が3社ある前日は面接を1~2社にして面接対策に時間を割く、などのスケジュール立てをしていました。

現職を続けながら転職活動となると、新卒就活よりもスケジュール管理が難しくなります。こちらの記事では働きながら転職を成功させた人の体験談を掲載しているので、併せて参考にしましょう。
働きながら転職を経験した先輩に聞く! 仕事と転職活動を両立するコツ

③念入りに自己分析してスキルや経験を棚卸しできている

自己分析の種類の画像

転職でよくある失敗談として、「思っていたのと違う」と入社後に後悔する例があります。これは転職活動を始める前に自己分析がうまくできておらず、入社後のギャップが生まれてしまうことが原因だと考えられます

転職回数が少なく社会人経験が浅い20代だからこそ、今後のキャリアのために自分を客観視して適職を見つけることが重要です。転職では念入りな自己分析とスキルの棚卸をおこないましょう。

キャリアステージ編集部

転職活動ではどんな自己分析をしましたか?

S・K 4年制大学

転職理由や仕事に対する価値観の整理、自分自身が今まで生きてきた中で何を重視し大きな選択をしてきたかといった点を振り返りました! 次の仕事を選ぶ際にミスマッチのない選択ができる助けにもなりますし、面接の中で質問を受けた際にも、事前に整理ができていると安心して受け答えができると思います。

D・M 成城大学

新卒時と転職時との心の変化(価値観・仕事軸など)や、変わらずに残っているものを自己分析で内省していました。変化が起きたのはどういうストーリーがあって変化したのか、変わらずに残ったものは自分自身の信念としてあるもの、その信念は何なのかというのを深掘りしていました。

④転職後のキャリアについて考えられている

20代の転職では、内定をもらうことに必死になってしまい、目先の条件や仕事内容を重視して仕事を選んで失敗してしまうパターンも多くあります。

転職が終わったとしても自分のキャリアはずっと続いていきます。そのため目先の条件の良さよりも、数年後の自分の未来を視野に入れたキャリアプランを考えてこそ、成功した転職といえるでしょう

とはいえ、長期的な目標を立てることが苦手な人もいますよね。具体的にイメージできないという人は、以下の例も参考にしてみてください。

キャリアプランの例
・営業職として転職を希望するけど、5年後には販売している製品自体を企画できるようになりたい
・接客業としてスキルや経験を積んで、いずれかは人材を育てられる立場になりたい

キャリアプランを明確にすることで、転職に求める条件や仕事の選び方の選択肢が広がり、転職後もモチベーションを保って仕事に臨むことができます。先輩たちの経験談も参考にしながら考えてみてくださいね。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
自分のありたい姿を書き出して目標設定をした

何か特別なツールは使ってはいないのですが、転職活動をしていたときに使っていたノートに「〜年後はこのようにありたい」というざっくりとした目標を作ってみたり、入社後も月々の目標を記載する欄があるスケジュール帳を使って、短いスパンで自分のキャリアや目標を見つめ直したりしていました。

営業を目指してたので、具体的な計画として、入社後3年ほどは自分が1戦力として部署や会社を引っ張っていけるように安定して数字を作っていくことが目標でした。

その後は少しずつ後輩の育成などにも携わり、違った面から盛り立てていきたいと考えていましたが、実際はその頃にライフイベントがあり再度転職をしたため、再スタートが必要な状態になりました。

思い通りにならなくても自分の目標を持つことが大事
このように、キャリアプランを思い描いてもなかなか計画通りにいかないこともあると思いますが、自分の中での目標や指針として大切なものだと思うので、日々の業務や生活の中で自分と相談しながら考え続けていきたいと思っています。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
逆算思考や「今」に没頭することでキャリアが積みあがっていく

私の場合、「汎用的スキル(どこに行っても役立つスキル)」と「逆算思考」を身に付けられるようなキャリアプランを立てています。

優秀な人はどういうスキルや考え方で仕事をしているのかを勉強し、逆算してそのスキルや考え方を早い段階で身に付けていくということが重要かつ近道になると考えたからです。

キャリアを考えること自体が仕事でも活きるスキルになる
現職では数カ月ごとに委託先や商材が変わりますが、ある程度の汎用的なスキルがあればどこでも流用できて一定の成果を出せているので、身に付けておいて損はないです。

またキャリアプランを考えるうえで逆算思考が重要なのですが、営業職でも逆算思考が役に立っています。目標件数を創出するために、各数値の変数を立てると、それに対してどれぐらいの行動量が必要なのかが見えてきます。

もしキャリアプランで悩んだ際は「今」に集中し、一生懸命にできる仕事をするのも良いと思います。その積み重ねが大きな力になっていることもあるので、「逆算」して考えるか「今」に集中するかのどちらかで良いのではないでしょうか。

転職後のキャリアを叶えるためには、まずはしっかりと転職の軸を明確にすることが重要です。選考で聞かれることも多いため、こちらの記事を参考に、事前に考えておきましょう。
転職の軸を固める4ステップ|転職活動シーン別の活用方法付き

⑤多方面から情報収集をしている

転職では情報収集が重要となりますが、偏りがでないように、SNS・新聞・ネットなどさまざまなツールを利用しましょう。

多方面からの情報を集めておくことで、そこにしか書かれていない情報や特性を知り、自分の中の選択肢に幅を持つことができ、転職活動で臨機応変な対応をすることができます

情報を集めるのはできるだけ信憑性が高いものを選び、希望している企業在籍の先輩や同期など、リアルな声を集めることも意識しましょう。

キャリアステージ編集部

転職活動をしたときにおこなった情報収集の方法を教えてください!

S・K 4年制大学

転職を思い立った段階ですぐに転職エージェントに登録し情報収集しました。調べておいて良かったと思ったのは、学生の就活の時にはない「職務経歴書」の書き方です。実際に応募していく段階でスムーズに動き出すことができました。

D・M 成城大学

まずは転職サイトに登録してどういう企業があるのかをざっくり見ていきました。なんとなくでいいので、興味が湧く企業やここだったら受けてみたいなと思う企業があれば、キャリアアドバイザーに相談するという流れです。キャリアアドバイザーは転職のプロですからたくさんの情報を知っています。最新情報なども効率良く得られるので良かったです!

失敗例から学ぼう! 20代の転職でよくある後悔した話

20代の転職で成功をつかむには、失敗談から学ぶことも一つの手段です。

よくある失敗例と、先輩たちの後悔したエピソードを参考にしながら、事前の対策を考えましょう。

転職先の仕事内容や社風でミスマッチが起きてしまった

多くの人が後悔しがちなケースとしては、自己分析が甘い・面接での確認不足などが原因で、入社後、仕事内容や会社の雰囲気にギャップを感じてしまうパターンが挙げられます。

初めての転職では自己分析のやり方がわからず曖昧になってしまったり、新卒就活の際の結果をそのまま利用してしまったりということがあります。

しかし自己分析は転職においてかなり重要で、自己分析が甘いと、転職軸も決まらず仕事選びも甘くなってしまうため、必ず改めておこなうようにしましょう

面接で仕事内容について聞きすぎると「不採用にされるかも」と不安になる人もいるかもしれませんが、熱心に聞くことは決して悪い印象を与えないので、言葉を遮らないタイミングで具体的な仕事内容を確認しましょう。

転職経験者はコミュニケーションにギャップを感じていた

A・A
A・A
天理大学/国際学部
入社後してから面接の時と雰囲気が違うことに気が付いた

実際に入社して感じたのは、面接で企業に赴いたときよりも、会社がとても暗く、人と人とのつながりが薄かったことです。

面接の時は会社側も良く見せようとするので、とても明るい会社だと思っていましたが、実際は全然違っていて後悔しました……。人のせいにしたり、自分のやることしかやらず、他の人が困っていても手伝ったり手を差し伸べることもなく、とても冷たい会社なんだと思いました。

前職と環境を比較してギャップに感じることが多かった
もっと明るく楽しく周りと協力しながら仕事をすることを望んでいましたが、理想とはかけ離れていました。今はだいぶ協力するようになってきて、入社した時ほど暗い雰囲気ではないですが、前職では周りの人に恵まれていた分、後悔してしまいました。

あとは実際に働いてみると仕事量が多く、仕事量の割に給料が低くて割に合わないと感じました。事務職なのに営業と同じようなことをしなければならなかったりするので、知識もそれなりに必要になってくるし、そんな話は聞いてなかったのに……と思ってしまいました。

R・K
R・K
駒澤大学/グローバルメディアスタディーズ学部
年齢が離れているからこそコミュニケーションのずれが起きた

面接時に先輩社員の年齢や勤続年数を聞かずに入社しました。転職先では40代以上の人が9割、20代の人がわずか2人でした。

先輩の中では「自分で考えて当たり前」「簡単に答えを求めるな」というような考えが主流ですが、私たちの世代は悩んだら教えてもらい、答えを確認する方が効率的と考えていました。

また、営業部署となると全員40代以上の男性で、私と20歳以上も歳が離れています。そのため、業務をしていくうちに、40代の先輩社員の「当たり前」の感覚とコロナ渦で入社した私とでは全く感覚が異なっていました。

その結果、先輩社員に質問しづらくなってしまい、自分に負荷をかけることが多くなりました。また、報告・連絡・相談に関しても、求める頻度や手段の感覚が異なっており、必要以上に先輩社員にコミュニケーションをとる必要がありました。

もっとしっかり働いている人を確認しておくべきだったと後悔しています。

残業が多い・思っていた条件と違った

転職前にしっかりと確認したつもりでも、働き方や条件が思っていた内容と違うケースもあります。

これは求人情報を鵜呑みにしてしまったことが原因で起こる場合が多く、転職経験の少ない20代が経験しやすい失敗談なので、後悔しないためにも事前確認をおこないましょう

たとえば、求人情報に給料が「月額25〜30万円」と書かれて幅がある場合、自分の経験ではどれくらいの提示になるのか確認してから転職を決めることが得策です。面接で聞きづらい場合は、内定時に雇用条件通知書をもらい、目で見てわかる方法で確認をしましょう。

残業のように月の変動がある条件は、面接時に平均残業時間を確認する、口コミサイトで在籍者の体験談を聞くなどして、できるだけ信憑性の高い情報から判断するのがおすすめです。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
残業時間が増えたことが体力的にきつかった

転職するときは、仕事内容が自分の望むもので、土曜・日曜・祝日にしっかり休めれば良いと思っていたのですが、初めて1カ月30〜45時間の残業が普通である環境で働き、思ったよりもきついな……と思った経験があります。

転職前は事務系の仕事で、1日7時間勤務・残業ほぼなし。転職後は営業系で1日8時間勤務+残業の環境へ変わったのですが、慣れるまでは体力的にかなりきつかったです。

働く環境がどう変化するかはしっかり確認しよう
求人票を見る時に「残業時間と固定労働時間を合わせた時間が今と比較してどうなるのか」といった点はもう少し詳しく確認しておけば良かった……と思いました。私の場合は、転職先の人間関係がとても恵まれていたのでなんとか乗り越えることができましたが、日々の残業は私生活にも影響があると思うので、仕事終わりの時間を大切にしたい人は注意して確認してほしいなと思います。

勢いで退職してしまい急いで転職先を決めてしまった

転職の準備をしない状態で退職すると、焦って転職先を決めてしまう場合があります。

焦って決める転職は、目先の情報に振り回されてしまうことが多く、応募の期限に間に合わない・書類ミスなどのトラブルが発生しがちです。自己分析や転職の方向性決めも甘くなってしまい、入社後のミスマッチが起きることもあります。

一時の感情で退職を決意しないようにするためには、まず周囲に相談して気持ちを整理することが大切です

退職は自分のタイミングで決断できるので、計画を立ててから退職しても遅くはありません。転職は人生の転機となるイベントなので、後悔のない行動をしましょう。

転職を焦ってはいけないと思いつつも、今すぐにでも仕事を辞めたいと追い詰められている人もいるでしょう。そんな人はこの記事を読んで、まずは気持ちの整理から始めてみてください。
仕事辞めたい・疲れた20代へ|乗り越えた体験談と転職の進め方

Y・S
Y・S
4年制大学/文系学部
転職先が見つからなかったら……と焦る期間があった

私は、転職先が決まる前にその時勤めていた企業を退職しました。有給が取りづらい企業だったことや残業時間が40時間ほどあり、平日の夜に転職活動をすることが難しかったからです。

退職後は、まるで受験期間のように転職活動に打ち込みました。しかし、面接に落ちる日が続くと、離職中だからこそ「このまま転職先が見つからなかったらどうしよう……」と焦る毎日でした。

幸い当時の私は実家暮らしだったので良かったですが、一人暮らしで貯金を切り崩して面接に落ちる日々だと、より一層精神的に厳しかったのではないかと思います。

焦らず慎重に入社先を決めればよかった
離職した状態で転職活動をおこない、2週間経った頃に企業より内定をいただくことができたので、即入社を決意しました。その時に他の企業の選考も受けていましたが、「この内定を逃すと、また転職活動が長引いてしまうかもしれない……」という思いもあり、他社の選考は辞退しました。

現在転職先に入社して数カ月経ちますが、焦りから転職先を決めてしまったことに後悔することもあります。想像以上に業務量が多いことや、私にとって難解な業務が多く、転職したいと考えてしまいます。あの時もう少し慎重に、そして冷静になれれば良かったです。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
辞めるか続けるか決断を迫られ転職することに

私の場合、勢いで退職したという感じではないのですが、ベンチャー企業で飛び込み営業の会社だったからか、「辞める」という言葉を出せば「明日から来なくて良い」と言われるような会社でした。

当時、転職は考えていなかった時期ではありましたが、部署移動した後の業務が合わず、体が拒絶反応を起こした際に相談すると「辞めるか事務的な作業をやるかどちらかにしろ」と言われ、すぐに決断をしないといけない状況になりました。

焦っていてもまずは行動することから
事務作業を選ぶと、給料が大幅に下がることもあり、それなら残らなくても良いと考えました。決断しろと言われたその日の夜に辞めることを伝え、明日から仕事がないという状態でしたが、ひとまず冷静になってその日のうちに転職活動を開始しました。

貯金も余裕全くなかったので、内心はかなり焦っていたのですが、第一に行動してしまうことが得策と考えて行動していました。

転職に踏み出せず機会を逃した

20代の転職活動では、行動したいと考えつつも、なかなか動き出せず後悔する人もいます。

これは「社歴が浅い状態で転職先が決まるだろうか」と転職後の自分が想像できず不安を感じたり、「転職のやり方がわからない」と調べるだけで終わってしまうことがおもな原因です。

転職は大きな決断が必要であるため誰もが悩んでしまい、20代の経験が浅い状態であればなおさらです。しかし仕事には年齢制限のある求人もあるため、悩んでいる間にチャンスを逃してしまうこともあります。

後悔をしないためにも、まずは転職した自分を想像してみましょう。身近な方法だと、転職サイトで求人を見る・エージェントに相談だけしてみるなどで転職のシミュレーションをしてみてください。実際に転職をしなくても、まず行動して経験することが大事ですよ。

実際に「転職に踏み出せず後悔した」という声も

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
行動しないままでチャンスを逃すと後悔する

転職活動を始めたての頃、「応募する」という行動へのハードルがとても高くて、エージェントやハローワークから求人票をもらっても吟味してからでないと動き出せない状況がかなり続きました。

応募してみよう、と思える頃にはすでに他の候補者が選考に進んでいて機会が得られなかったり、場合によってはすでに採用が決まり、募集が終了していたということも多くあり、「すごく興味があったのに……」「やってみたい仕事だったのに……」と後から落ち込み、すぐ行動しなかったことに後悔しました。

最初の一歩は怖かったり緊張するものですが、後から「やればよかった」と後悔してもどうにもならないと改めて感じた一件でした。

まずは「行動する」という意識付けから始めよう
私の場合、何度かこのような事態になったことでストッパーが外れ、「100件応募したって全部通るわけじゃない」「求人票だけじゃ何もわからないから会わなくちゃ」と同時に何十件と応募を進めるようになりました。

結果として多少忙しい時期はあったものの、スケジュールがパンクしてしまったり、企業様に失礼な状況に陥ったりするようなことはありませんでした。

自分の行動で覚悟が決まることもあると思うので、意識してまず行動! と思ってもいいのかもしれません。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
自分に務まるのかという不安で踏み出せずにいた

当時、未経験でも募集ができる大手広告代理店の営業職など、ちょっとキラキラした感じの企業に興味を持っていました。ただ初めての転職活動のときに見ていた求人で、「自分にできるのかな」という不安もあり、なかなか応募ができないでいたことがありました。

挑戦して自分のレベルを知ることもできる
今は、求人に書いていることがすべてではないので、自分にとって良い意味でも悪い意味でも挑戦し、実際にどういう企業なのかを見ることは重要だと感じています。

自分の応募してみたい企業があっても、応募時の書類選考で落ちる場合は、条件がその業界とマッチしていない可能性もあるので、自分にとってハードルが高い企業を効率的に知ることもできます。

書類選考を通過させるために添削をするきっかけにもなるので、その点も含めたくさん応募してみて損はないはずです。落ちてみて初めてわかることもあると思います。

念入りに準備しよう! 20代の転職の進め方5ステップ!

20代の転職の進め方5ステップの画像

20代の転職事情や成功のコツがわかったら、実際の転職の流れに沿って計画を立ててみましょう。

ここでは経験談を参考にしながら、転職の流れを5つのステップに分けてコツやポイントを紹介します。まずは全体の流れを理解していきましょう。

こちらの記事でも詳しく転職準備の方法を解説しています。実際に転職経験者がおこなった準備も掲載しているので、併せて参考にしましょう。
転職準備みんなは何をした? 実体験から紐解く転職準備のススメ方

ステップ①事前準備

転職は動き出す前の事前準備で結果が大きく変わります。事前準備が甘いと、進め方や仕事選びに悩んでしまい転職活動中がスムーズに進められないこともあるため、以下の3つの準備で転職の土台を作りましょう。

転職を成功させるために必要な3つの事前準備
・自己分析
・転職の方向性決め
・キャリアの棚卸し

まず自己分析は、自己分析シートやアプリを使用して、自分の強み・弱みを理解します。客観視した自分の情報は、的確な仕事選びや自己PRに活用できるので、時間をかけて丁寧におこないましょう。

転職活動でおすすめの自己分析のやり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
転職成功者はどう自己分析した? おすすめの方法と活用のコツを解説

次に転職の方向性決めとは、転職で譲れないことや希望の条件を決めることです。同じ待遇や仕事内容で仕事選びに悩んだ時、明確な方向性があれば迷わずにマッチした仕事を選ぶことができます。退職理由から「転職先では何をかなえたいのか?」を起点に考え、優先順位を考えていきましょう。

転職理由が曖昧な人は、先にこちらの記事を読むのがおすすめです。転職理由は面接でも必ずと言っていいほど聞かれるので、面接対策も兼ねて明確にしておきましょう。
転職理由|転職成功者のリアル回答とポジティブに言い換えるコツ

仕事をするうえでのやりがいを明確にすることも、転職の方向性を考えるうえで大切です。やりがいが曖昧な人は、こちらの記事を参考にしてください。
やりがいとは|みんなの体験談をヒントに導く「やりがいの見つけ方」

最後にキャリアの棚卸しは、これまでの経験から得たスキル・実績を振り返ることです。得意・不得意な作業を理解することで、仕事とのミスマッチを避けて転職後のギャップを防ぎます。

おすすめの方法はハローワークのジョブカードを使用する・経歴を振り返り得たスキルと実績を書き出すなどです。必ずメモやアプリを使い、いつでも見返せる状態にしておきましょう。

キャリアステージ編集部

転職活動をしたときにやっておいてよかったなと思った事前準備は何ですか?

S・K 4年制大学

応募書類の準備と、現職の就業規則のチェックです。特に就業規則は何日前に退職を報告しないといけない、などの大切なルールも載っているので、事前に保管場所や内容を確認しておいた方がいいと思います。

R・K 駒澤大学

転職先の会社理解です。転職となると即戦力が求められるため、どのように即戦力になるかを問われます。そこで、会社理解・業界理解をしておくとスムーズに会話ができ、アピールしやすいかと思います。

D・M 成城大学

業界理解・企業理解の深掘りをもっとやればよかったと感じました。未経験のIT業界に挑戦したいと思っていたのですが、あまりにも幅広すぎてどの分野がいいのか曖昧になってしまいました。面接予定の企業の分野がばらばらになってしまったことがあり、業界理解が甘く苦労した点でした……。

ステップ②企業選び

事前準備でおこなった自己分析や転職の方向性決めに従いながら、実際に応募する企業を選んでいきます。企業選びは次のような基準を参考に自分と合うかを判断しましょう。

企業選びの基準と確認できる内容の例
・企業の規模:継続的な経営が見込める安定性
・福利厚生:年末年始の休暇や産休育休などのワークライフバランス
・仕事内容:自分のスキルと業務がマッチしているか
・社風:社内の雰囲気・社員のモチベーション
・離職率:社員定着率

その企業に興味を持ち、念入りな企業選びをおこなうことで、自分のやりたいこととのすり合わせができます。どういった取り組みに惹かれ、入社後どう活躍したいのか明確になることで、志望動機にも厚みがでて説得力が増す内容になりますよ

転職経験者が大事にしたのは「現場を知ること」

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
社風や社員の雰囲気は現場で見るとわかりやすい

転職活動を振り返ってみて、会社の雰囲気はしっかりみておいて良かったです。当時は新型コロナウイルス感染症が流行る前だったため対面の面接が多く、会社に伺った時に「職場を見ていきますか?」と声をかけてくださることが多くありました。

部屋に入った時の雰囲気や、社員の方の表情でなんとなくどんな空気の職場なのか知ることができますし、そういった機会がなくとも、受付から面接の部屋までにすれ違う社員さんの様子などは、社風を知る一つの材料になっていた気がします。全員がニコニコと挨拶してくれる会社、わざわざ立ち上がって挨拶してくれた会社、忙しそうだけど活気のある会社、ちょっと疲れた顔をした社員が多い会社など本当に違いがあって勉強になりました。

R・K
R・K
駒澤大学/グローバルメディアスタディーズ学部
自分から社員面談を依頼するのも手段の一つ

社風と働いている人は見ておいて良かったと思いました。事前に社風を確認したかったため、会社見学を担当してくださった営業の方と面談をしていただく機会をいただきました。

そうすることで、自分がそこの会社にあっているか、会社の考え方に賛同できるか、自分が長く働けそうな環境であるかという点を確認することができました。環境はどうしてもその場で働く人の影響を受けると思うので、機会を設けてもらえるのであれば社員面談などは良いかもしれません。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
現場の一次情報は自分の目で確かめた

私が意識して確認したのは、会社の雰囲気や社風です。面接の過程で面接場所へ出向いたときの受付対応、案内してくれた方の対応、面接官の対応、働いている方の雰囲気を細部まで見ていました。

営業職ということもあり、観察眼は養ってきたので、ある程度は仕事の忙しさや上下関係なども確認しました。細かくチェックするというよりも、全体の情報を把握し、いざ働くときの心積もりをしておくという観点です。

何事もそうですが、もっとも大切な一次情報は現場を見ることだと思います。

ステップ③書類作成

企業選びができたら、次は応募書類の作成です。転職活動では、就活と違って履歴書と職務経歴書が必要となります。それぞれ役割が異なるので理解したうえで作成を進めましょう。

応募書類の目的
・履歴書:学校・職業の遍歴などの事実を伝える
・職務経歴書:これまでの経験から自分の能力や実績をアピールする

このように、履歴書は経歴から応募者の人物像を把握してもらうのに対して、これまでの経験から自分が企業で活躍できるということをアピールするのが職務経歴書です。書く内容・フォーマットもまったく異なるのでしっかり確認しましょう。

なかには「20代は経験が浅いので職務経歴書は必要ないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、経験が少ないからこそ、自分が持っているスキルを明確にして相手に伝える必要があるのです。。

自己PR欄を複数作成する・前職の業務成果を具体的な数値にして表現するなど、自由度の高い職務経歴書だからできることはたくさんあります。経験者が作成時に意識した内容も参考にしながら、自分が成功するためにはどのようなアピールが必要なのかを考えてみましょう。

転職経験者が応募書類の作成で意識したこととは?

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
想いをまっすぐ伝えることが選考突破のカギとなった

書類選考の結果が良くなり始めたのは、2つのことを変えてからでした。

1つ目は、未経験であることや1社目の企業を短い期間で退職したことについて、素直に思いを書くようにしたことです。最初の頃は、経験がないからこそ少しでも良く見えるようにしなければ……と思い、少ない経験の中から必死に文章を練り上げ言葉で盛ったような書き方をしてしまっていたと思います。

それを辞めて、未経験だからこそゼロからやり直すつもりで必死に頑張りたいと思っていることや、短期間しか在籍できずに辞めてしまったことを反省していて、その分次の会社で長く勤めていきたいこと、いち早く戦力になりたいといったことをまっすぐに書くようにしました。

1社1社に合わせた内容にすることも大事
2つ目は、どこの会社にも出せるよう汎用的な内容にしていた応募書類をやめて、1社1社に合わせた内容に作り替えたことです。アピールするエピソードや志望動機の欄も、全てその会社の特徴に合わせて書くようにしました。

この2つを意識するようになってから、書類が通りやすくなったように思います。

R・K
R・K
駒澤大学/グローバルメディアスタディーズ学部
実際の数字を用いて即戦力のアピールをした

結婚を機に転職をおこなったため、会社からは「すぐ子供ができて大丈夫なのか」「環境が変わると働けないのではないか」というような懸念を持たれることがありました。

そこで、書類の段階で即戦力になれるというアピールを、実数値をもとに記載しました。営業職を経験していたため、幸いにも実績の数字は持っていました。成績の良い年の目標額・達成額・達成率を記載したうえで、工夫した点・転職先で活かせる点を細かく・わかりやすく記載する工夫をしました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
書類を作るときは自分の仕事歴で本を作るようなイメージ

一番重要なのは、「簡潔さ」と「読みやすさ」だと思います。この2つがわかっていたので、そこまで書類選考に落ちることはありませんでした。

書類選考は面接という土俵に立つための一歩になるので、書類を自分の仕事歴を記した本だと思って、とにかくこだわって作成しました。書類で人を判断されるので、実績があっても長ったらしく書いて読みにくかったりしたら台無しとなることもあります。

内容の中でしっかり抽象・具体をとらえた行動や、逆算した経験などを入れていくとストーリー性が伝わるのでおすすめです。

ステップ④面接対策

面接対策は、基本の対策に加えて対面・オンラインなどの面接形式にあった準備をしましょう

基本の面接対策
・よくある質問への回答
・服装や身だしなみの確認
・声量や話すスピードの練習

よくある質問とは、志望動機・転職理由・自己PR・長所短所など、業界や職種を問わず聞かれる内容です。このような質問はある程度回答を考えておくことで、ほかの質問へ考える余力を残すことができます。

対面の面接対策
・入退室のマナーを覚える
・面接場所までのルートを調べる

対面では、面接中の印象が直に相手に伝わるため、質疑応答以外の振る舞いやマナーにも注意しましょう。当日の遅刻は絶対に避けたいので、面接場所へのルートと所用時間は必ず事前に確認しておいてくださいね。

オンラインの面接対策
・コミュニケーションツールのダウンロード
・カメラ写り・通信環境の確認

オンライン面接の一番のポイントは、面接場所を自分で用意しなくてはならない点です。面接に集中できるように、インターネットの接続や印象が悪くならない照明や映り方を確認しておきましょう。声の聞こえ方や表情の見え方も対面より少し伝わりづらいので要注意です。

面接対策をしてはいるものの、なかなか内定が貰えずに転職活動が終わらない人は、こちらの記事がおすすめです。転職を成功させた経験者たちが内定のコツを解説しています。
転職が決まらない……同じ悩みを抱えた経験者が明かす転職成功の秘訣

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
新卒面接との違いは現実的な条件のすり合わせ

選考通過の場合は1週間以内に結果が届くことが多く、それ以上かかる時は大体がお見送りだったように思います。一番早かった企業の時は、面接が終わった数時間後にお電話をいただき、その場で次の面接のスケジュールを組んでくださいました。

新卒の就活と違うと感じた質問は、「前職の経験をどう活かせるか」「前職ではどんな実績を持っているか」など、仕事における経験やスキルをもとに答えないといけないものだったり、「給与、休日、ワークライフバランス」など現実的な条件面のすり合わせや価値観の確認が入るのも印象的でした。

A・A
A・A
天理大学/国際学部
合格していたときの結果通知は早かった

選考の結果が一番早かったのは、面接してもらったその場で合格と言ってもらえたときです。その他はほとんどが一週間くらいで返事が来ていて、見込みがなさそうなところは遅かったと思います。

逆に「いけそうだな」という空気を感じた企業では、面接のときに手ごたえを感じていました。早くに結果がもらえるところはそれまでの連絡も早いような印象があります。

転職するときの面接では、何が嫌で転職するのかを必ず聞かれるので、すぐに辞めるような人ではないということを伝えられるようにしました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
退職理由を答えるときは慎重に

選考通過の連絡まで、おおよそ3〜4日程度でした。連絡が早いところやベンチャー企業では、その場で「うちに入らないか」と言われるケースもあります。

結果は長くても1週間で結果が決まることが多いので、サービスを利用していて結果が来ない場合はキャリアアドバイザーに連絡すれば催促してもらえます。

新卒就活の時の質問と大きく違った点は「退職理由」が加わったことです。私の場合、理由がネガティブだったため、どういう言い方をするか非常に悩みました。そもそも企業側にとっては「退職した」という事実で、自分の会社でも早く辞められたらどうしようと考えるため、質問に対しての慎重さが求められ、多少の苦労をしました。

ステップ⑤退職準備

スムーズな転職をおこなうには、事前に退職の準備を整える必要もあります。数年在籍していれば必ず引き継ぎは必要になるので、誰に何を引き継ぐべきなのかある程度整理しておきましょう。

また、退職の意識を伝えるタイミングは企業の規定によって異なるので、規定を破らないような注意も必要です。企業によっては退職申請期限を退職日の数カ月前としている場合もあり、知らずに転職日を決めてしまいトラブルになった失敗例も見られます。

問題なく転職を終えるためにも、経験者が退職までにおこなった作業も参考にして、退職準備の計画を立てておきましょう。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
上司への報告や業務の引き継ぎ・お客様への挨拶をした

2回転職を経験していますが、離職中だった1回目の転職は、先方の希望で内定から1カ月後の入社になりました。その期間にハローワークへ就職が決まった報告をし、再就職手当の申請についてを教えていただきました。

在職中に転職先が決まった2回目は、内定から3カ月後の入社でした。上司に報告した後は、約1カ月の間で同僚に業務を引き継ぎ、お客様先によっては訪問して退職の挨拶にまわりました。最終日はお世話になった部署にお菓子を持って挨拶に回り、たくさんお話をさせていただきました。

そのあとは有給の消化があったので、次の会社に向けての準備や気分転換の旅行などを楽しみ、入社の日までを過ごしていました。

A・A
A・A
天理大学/国際学部
顧客へのアフターフォローと後任への引き継ぎをした

転職が決まってから入社まで1カ月ほどありました。

お客様を担当する仕事だったので、その1カ月の間にいつも指名をしてくださるお客様に、結婚を機に退職する旨を報告しました。そのときに次の担当トレーナーをきちんと紹介し、お客様が通うことをやめたり不安になったりしないように気をつけました。他のトレーナーにもお客様の引き継ぎをして、なかなか来店の機会がないお客様にも電話で報告しました。

お客様あってのお仕事だったので、相手に不快な思いをさせないように、良い理由で退職することを明るくお伝えしていました。

入社先が決まっていざ退職しようと思っても、何から切り出せば良いのか迷う人多いでしょう。退職を言い出すまでの流れに不安がある人は、こちらの記事がおすすめです。
経験者が語るベストな退職の切り出し方|今だからわかる注意点とは

上司や人事に引き留められて、退職準備がスムーズに進まないケースがあります。引き留めにあってなかなか辞められないという人は、こちらで紹介する経験者の対処法を参考にしてください。
会社が辞めさせてくれない……経験者が「退職したい」を貫いた方法

「やりたい仕事がない……」そんな20代でも転職を成功させたコツ

ここまで転職のために準備や流れを紹介しましたが、そもそも企業選びの段階で「今後何をしたいのかわからない……」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

実際、転職を成功させた人全員が明確にやりたいことがあったとは限りません。やりたいことが明確になくても転職に踏み切れた人はたくさんいるので、解決法を経験談をもとに紹介します。

転職経験者が大事にしたのは「誰と働くか」

A・A
A・A
天理大学/国際学部
長く続けられて理想の働き方が実現できる仕事に決めた

自分がやりたいことを探すというよりも、「家と仕事を両立できるところで働きたい」と思っていたので、職種に関して特にこだわりはありませんでした。前職の仕事はとても好きだったので辞めたくなかったですが、勤務形態的に長く続けられるものではなかったので、自分が理想とする働き方ができる会社を探していました。

そうするとやはり事務職が候補に挙がったので、事務作業は嫌いではないし、効率よく動くのが好きな自分には合ってるのかなと思い、職種を決めました。

環境を変えると新しい発見があるかもしれない
「絶対にこれがやりたい!」というものがないのであれば、どんな勤務形態で、どんな人が働いていて、どんな雰囲気の企業が良いのかから考え始めるのもいいかと思いました。

周りの環境によって、今まで経験したことがない仕事も、やってみたら自分に合ってたなどの発見があると思うので、私は「どんなことをするか」より「誰とやるか」がとても大事だと思います。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
誰と仕事をするかによって仕事の満足度は変わる

私の場合、「何をやるか」より「誰とやるか」の方が大事だと感じてました。

やりたいことを見つけるのはかなり苦労を要しますし、そもそも見つかる人はほんの一握りなのかなと思っています。

情熱を注げるものが趣味で留まっている人も多くいると思います。会社は組織なので、必ず誰かと一緒に仕事する。一緒に働く人と波長が合えば、それだけで仕事も楽しくなったり、頑張ろうと思えることもあるはずです。人間にとって「楽しい」という感情は大きな成果を生み出す原動力となります。

一緒に働く仲間や環境も福利厚生のひとつ
私は最初、年収や福利厚生といった条件にしがみついてしまったのですが、仕事をしていくうちに一緒に働く人の方が重要だと感じました。

今は楽しく働ける環境があればその環境自体を「福利厚生」と考えています。ぜひ企業を見るときは少し違う視点でとらえてみてください。

「やりたい仕事=将来のビジョン」だと思わないようにする

やりたい仕事とは、必ずしも「〇〇な職業につきたい」と、明確な目標から考える必要はありません

直近の経験から、好き嫌いや得意不得意を考えて適職を探したり、やりたくないことから仕事を絞りこむなど、転職先を決めるまでのアプローチ方法は多種多様です。

考えはじめたからといって必ずゴールにたどり着く必要もないので、まずは今までの仕事の中で楽しかった経験・つらかった経験を一つずつ書き出すことから始めてみましょう。自分が思ってもいない角度からやりたい仕事が見つかるかもしれませんよ。

些細なことも振り返って自己理解を深める

やりたい仕事を見つけるためには、受験・就職など大きな節目に注目しがちですが、仕事は小さな成果や出来事の積み上げでおこなっていくものです。

「先輩に褒められた」「いつもより仕事が楽しかった」といった小さな出来事から感じたエピソードも思い出し、自己理解を深めましょう。良いことだけでなく、マイナスな感情を感じたときの出来事もしっかり振り返ることで、適職を見つける第一歩になります

視野を広げてさまざまな業界・職種を知る

やりたい仕事が見つからないときは、自分の選択肢の少なさが原因となることもあります。

特に転職経験が少ない20代は、業界知識も浅くなりがちです。新しい道を見つけるためにも、今の仕事以外にどんな職種・業界があるのかを調べてみましょう

これまでの経験につながる仕事はもちろん、プライベートの趣味や友達が働いている仕事など、まったく違う角度から探してみることもおすすめです。社会人としての知見を広げる一貫だと思い、さまざまな方向に目を向けてみましょう。

20代の転職は徹底的な情報収集を! 先を見据えた行動で成功をつかもう

20代の転職の進め方や成功のコツを経験者の声を参考に紹介しました。

何から動けばいいかわからない人は、まず全体の流れを把握してから動き出すことが得策です。一つのやり忘れが大きな後悔となる転職活動なので、情報収集をおこたらず、丁寧に準備していくことが成功への近道です。

経験者の話も参考にして、就活との違いを理解しながら後悔のない転職を叶えましょう。