仕事を辞めたい時の対処法・判断基準は? 経験者が悩みにアドバイス

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仕事を辞めたい時はまず原因の洗い出しから! 辞めるかどうかの判断基準もチェック

「仕事を辞めたいな……」「でもこんな理由で辞めていいのかな……」

社会人生活を送る中で、「仕事を辞めたい」と思うことは決して珍しいことではありません。しかし、その原因やこの先のキャリアプランについて深く考えず仕事を辞めると、思い描いていたキャリアプランから遠ざかる可能性もあります。また、前の職場と同じシチュエーションに直面して、転職先でもすぐに辞めたいという感情が湧き、再び退職を検討することにもなりかねません。

仕事を辞めることが、長期的に見てプラスになる決断かどうかをしっかり考えたうえで行動することが重要です。

この記事では、仕事を辞めたいと思ったときにまずすべき対処法や、本当に辞めるかどうかを見極めるポイントについて解説します。実際に仕事を辞めたいと思ったことがある人たちは、どのようなことを考えながら決断したのでしょうか。自分にとってより良い選択肢を選べるよう、判断の参考にしてみてくださいね。

「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じている人は、こちらの記事も読んでみてください。実際に悩んだことがある人の体験談から、気持ちの切り替え方をチェックしましょう。
仕事辞めたい・疲れた20代へ|切り替えられた体験談と転職の進め方

仕事を辞めたいと思ったことがある人の結末は? 経験談を参考にしよう

仕事を辞めたいと思った人の中には、思い切って退職した人もいれば、さまざまな理由から会社に留まった人も存在します。皆さんはどのような状況で仕事を辞めたいと思い、何を考えて自分の進むべき道を決めたのでしょうか。

「会社を辞めたいけど、こんなきっかけで辞めても良いのかな」。そう悩む人は、ぜひ体験談を参考にしてみてください。

T・T
T・T
4年制大学/文系
部署異動を試みて転職しない選択肢をとることができた

1社目の時は、「このままいても自分の目指したいキャリアを築くことはできない」と思い第二新卒での未経験転職という選択をとりました。現職でも仕事をやめて2回目の転職を考えたことがありましたが、まだ転職して日が浅かったこともあり社内異動という選択肢をとりました。

「仕事を辞めたい」と感じた際は、①考え方や行動を変えて仕事を続ける②部署異動を希望する③転職するという3つの選択肢があると思います。目先の嫌なことにとらわれ、焦って結論を出さず、最終的に自分がありたい姿から逆算してどの選択肢をとるかを考えることをおすすめします。

K・M
K・M
倉敷工業高等学校/電子機械科
転職を視野に入れ始めてすぐ勉強を始めた

この仕事を続けて社会で必要とされるスキルが身に付くか? という点に不安を感じ、仕事を辞めたいと思い始めました。転職を視野に入れてからは、転職に必要なことを調べたり、教本や無料サイトを利用し、独学でのプログラミングの勉強を始めました。このとき、目指していた業界への転職には引っ越しが伴う可能性が高かったので、資金を貯めるために仕事を続けていました。

しかし、前職では残業が多く、まとまった勉強時間が取れずにいたことや、さらに専門的な知識を身につける必要があると感じたことからオンラインスクールの入学を決意。スクールの入学と資金の調達にめどがついたところで仕事を辞めました。

面接をしたあとに転職を思い留まったという人も!

D・M
D・M
成城大学/経済学部
転職サイトで企業について調べるところから始めた

私の場合、転職したいと思って行動を起こし、企業との面接もおこなったあとで転職を取り止めたこともあります。一時的な感情で転職に向けて行動してしまったと気付いたためでした。本当に転職すべきタイミングなのか、現職でできることは残っていないか、社内でのジョブチェンジで経験を積めないか、など冷静に考えると意外と道はあるなと感じました。

転職を検討し始めたときは、まず転職サイトに一度登録してみて、どういう企業がサイトに載っているのかを見るところから始めました。転職活動を本格的に開始してからは、キャリアアドバイザーと面談をしたり、自己分析して自分がこれまで何をやってきたのかの棚卸しをしました。

この記事を読んでいる人の中には、「会社に行きたくない」「辞めたい」と思っている人もいるでしょう。会社に行きたくないときの、気持ちの切り替え方をたくさん紹介しています。ぜひこちらの記事も参考にしてくださいね。
会社に行きたくない……体験談から知る乗り越え方と休むときの心持ち

体験談も聞いてみよう! 「仕事を辞めたい」と思う5つの主なシチュエーション

「仕事を辞めたい」と思う5つの主なシチュエーション

日々仕事を頑張っている社会人たちは、どのような理由で仕事を辞めたいと思うのでしょうか。代表的なシチュエーションを解説していきます。

実際に仕事を辞めたいと思っていた人の体験談も参考にして、自分の状況と照らし合わせてみてくださいね。

①仕事に対して給与が見合っていない

仕事に対しての報酬に満足がいかないと、「なんのために働いているんだろう」と無気力になったり、「これ以上頑張っても無駄だ」と感じ、仕事へのモチベーションが下がってしまうことがあります

やるべき業務に一生懸命取り組んで成果を出しているのにもかかわらず、評価がされずに、一向に給与が上がらないという悩みがあると、この場合、給与アップを求めて転職を検討し始める人も少なくありません。

②人間関係が良くない

職場の人間関係が良好でなく雰囲気が悪い場合、辞めたいと思うのも仕方ありません。

単に話しかけづらいといった状況だけでなく、無視をされたり理不尽に指摘をされることが頻繁にあると、業務もスムーズに進まず、仕事がうまくまわらなくなってしまうでしょう

また、自分自身と誰かの関係が良くないケースだけでなく、周囲の人たちがいつも険悪な雰囲気である場合も、職場や仕事への嫌悪感が生まれる要因のひとつになってしまいます。

③仕事がつまらない

仕事が楽しくないと感じるのは、仕事を辞めたいと思う代表的な原因の一つです

自分には簡単で、やりがいがない仕事をしていると、日々の業務に充実感を得られなくなります。また、自分に合わない仕事をしていて、どうしても理想通りにやり遂げられなかったり、ほかの人と比べてできていない感覚があると、やる気が下がるのも想像がつきますよね。

一日の大半を費やしている仕事そのものに不満を感じ始めると、より自分が熱中できる仕事をしたいと思うようになり、転職を考える人もいるでしょう。

「仕事がつまらない」や、「仕事がめんどくさい」から辞めたいと思っている人もいるのではないでしょうか。そんな人は次の記事を読んでみてくださいね。解決法を紹介しています。
仕事めんどくさい…みんなの体験談から紐解く「気持ちの切り替え方」

④労働環境が良くない

働く環境が自分に合っていないとき、「もう仕事に行きたくない」と思う人は少なくないはず。

労働時間が長かったり、休日出勤が続いて体が休まらないと、疲労がたまるだけでなく、心の健康にまで影響を及ぼしてしまいます

そのように体や心に不調が出ると、いずれ毎日出勤するのも難しくなってしまうかもしれません。取り返しのつかない状態になる前に、退職を考え始めるのはごく自然なことです。

⑤社風が合わない

仕事を辞めたいと思う理由として、社風が合わないケースもあります。社員同士の上下関係があまりにも厳しかったり、飲み会が多く、断りづらい雰囲気があったりすると、中には苦痛に感じる人もいるでしょう。

実際に業務を進めるうえで支障がなくても、「この組織に居続けられないな」と思ってしまった場合、仕事への意欲が下がってしまうのも無理はありません。「上司や先輩、同僚の力になりたい」という思いも、仕事の原動力の一つとして代表的なものです。社風が合わないと、その動機が必然的に薄まってしまうでしょう。

仕事を辞めたいと思っている人のなかには、営業職の人もいるのではないでしょうか。次の記事で、営業が辛いときの乗り越え方について解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
営業が辛い…営業経験者のリアルな本音から読み解く「乗り越え方」

就活生パネリストたちが仕事を辞めたいと思ったきっかけは?

T・T 4年制大学

私の場合、業務をこなしながら希望職種に必要な資格を取得したうえで上長に異動希望を出したにもかかわらず、「セクションをまたぐ異動は難しい」と言われたことがきっかけでした。その翌日には転職サイトに登録し、転職活動を始めていました……。

K・M 倉敷工業高等学校

今の仕事を続けても手元に残る技術が何もないのではと感じたことです。会社内で重宝される技術者にはなれそうだったのですが、資格などは特に得られず、30代以降に転職する必要が出てきた際に武器として使えるものがないことが不安でした。

A・A 天理大学

ストレッチトレーナーとして勤務していたとき、一日中お客様の予約でいっぱいで、少しの休憩時間すら確保が難しくなったことがありました。身体的につらくて辞めたいと思っちゃいましたね。

D・M 成城大学

人間関係が良くなかったことが、一番の理由になります。 経験上、特に営業職は一緒に案件を進める上司と合わないと結構つらいことが多いため、上司ガチャで外れくじを引くとかなり痛手です。

仕事を辞める前に試してほしい3つの対処法|経験者が試した方法もチェック

仕事を辞める前に試してほしい3つの対処法の画像

「仕事を辞めたい」と気持ちが落ち込んでいる人に向けて、現職にいながらモチベーションを復活させるために、まず取り組んでほしいことを3つ紹介します。

「仕事を辞めたい」と思い、続けるか辞めるか迷っている人はフローチャートに沿って状況を整理してみましょう。

仕事を辞めたい」と思ってからの意思決定フローチャート

①期間を決めて全力で仕事に取り組んでみる

仕事に楽しさを見出せない人や、正当な評価を受けられていないと感じる人は、一定期間仕事に全力を費やしてみましょう。

「この職場でこれ以上頑張れることはない」と思っていても、改めて仕事に向き合うと、もっと突き詰められることや業務上改善できること、自分に足りないスキルが見つかることがあります。高い目標や今の仕事から得られることを見出せれば、「もう少し頑張ってみよう」と思えるかもしれません。

また、熱心に仕事を頑張る姿を見せることで、上司からの評価につながることもあります。さらに、その姿勢で周囲からの信頼を集め、同僚から頼られることでやりがいを覚える人も少なくないでしょう。

全力で仕事に取り組むときの例
・その日に必ずすべきタスクを1つ決めてやりきる
・ほかの人の仕事を1日1つ巻き取ると決める
・目標の数値を超えた達成を目指す

②環境を改善しようと試みる

人間関係や仕事内容が自分に合わないことで悩んでいる場合、転職せずに今の環境を変えられないか検討してみてください。

他部署への異動希望を出したり、現在の部署でも違う仕事を担当することができないか、上司に相談してみましょう

ただ、いきなり直属の上司に「異動したい」「今仕事が向いていない」と相談することは勇気がいりますよね。その場合は人事に面談を依頼するのもおすすめです。また、ジョブポスティングなど、異動を促進する制度を活用できないかぜひ一度調べてみてくださいね。

ジョブポスティングとは
社内で人材を欲しているポジションを全社に公開し、異動したい社員を募る制度。

③仕事とは別の楽しみを作る

プライベートに目を向けることで、仕事へのネガティブな感情が弱まることもあります。

たとえば、「趣味に充てる時間やお金を増やす」というプライベート上の目標を立てたとします。そうすると、残業時間を減らそうと効率良く業務を進めたり、給与を上げるために成果を出そうと仕事にも力が入るかもしれませんよね。

自分の考え方や視点を変えてみるのも重要です。「仕事は仕事」と割り切ることで、職場の雰囲気が気にならなくなったり、良い人間関係を築こうとして疲れることも少なくなります。

また、「昼休みに美味しいものを食べに行く」「仕事帰りに寄り道をする」など、勤務日だからこそできる小さな楽しみを意識的に作るのも一つの手です。仕事以外の予定を作ることで、気持ちが楽になることがあります

「仕事を辞めたい」と思いつつも、まずは現職を辞めない方向で「辞めたい」思いを解消しようとした人の体験談をチェックしてみましょう。きっと、「転職までは踏み切れない……」という人にとってのヒントになるはずですよ。

T・T
T・T
4年制大学/文系
人事部や異動したい部署の人を巻き込んで異動ができないか試みた

私の場合、人事異動ができないかを模索しながら行動しました。興味のある部門の部長と共通の趣味があったので、チャットで連絡をとり、「一緒にどうですか?」と、業務以外の時間を使ってアプローチする作戦をとってみました。そして「そちらの部署に異動したいと考えている。もし異動ができなければ退職も検討している」と伝えました。

また人事部の担当者にも直接連絡をとり、人事部からも働きかけていただくようにお願いしました。最後に直属の上長との定期面談の際にも異動希望の意向を伝えました。あらかじめ相談していた甲斐もあってか、結果的に人事異動することができました。

人事異動は社内でおこなう転職のようなものです。「転職までしなくてもな……」という気持ちが強く、単に現在の部署に不満があるのであれば、まずは部署異動を検討することをおすすめします。

仕事を辞める前に確認しよう! 辞めるべきかどうか見極めるチェックリスト

現職を辞めるべきかどうか見極めるときのチェックリスト

ここまでで紹介した対処法を試しても「仕事を辞めたい」という気持ちが和らがない場合は、退職を視野に入れても良いかもしれません。ただ、辞めるべきかどうかはこれから紹介するチェックリストを確認してください。

また、実際に「仕事を辞めたい」と思った人が辞めるかどうかをどう見極めたかの体験談も聞いてみましょう。

①今の仕事をやり切ったといえるか

今の職場でやり残したことはないと言い切れるかどうかは必ず振り返りましょう。異動を希望して新しい仕事に挑戦してみたり、スキルを身に付けられる余地がないかは一度考えてみてくださいね。

特に一年未満での退職を検討している人は、この視点で現職にもう一度向き合ってみるのがおすすめです。まずは今の仕事を1年間やってみて、山場となる時期や、反対に落ち着いている時期を一通り経験したうえで、退職するかどうか検討するのも一つの手ですよ。

ただし、体や心に不調が出ている場合は無理に「仕事をやり切ったかどうか」を考える必要はありません。自分が元気でいられるような選択肢をとってくださいね。

②長期的なキャリアプランを考えてみたか

これからも続く社会人生活のことを考えて、このタイミングでの退職が自分にとってプラスに働くかどうかも考えておいたほうが良いでしょう

たとえば自分にとって難易度の高い仕事を与えられて「つらい、辞めたい」と感じた場合も、ここで踏ん張って地道に取り組んでいると、数カ月先には自分の強みになっているかもしれません。のちに転職活動をするときの大きなアピールポイントになることも考えられます。

一時的な「辞めたい」という感情に従って行動するだけでなく、長期的なキャリアプランを考えたうえで動き出しましょう。

次の記事では、仕事がつらいときの対処法について解説しています。こちらも併せて読んで、自分なりの対処法を見つけてみてくださいね。
仕事が辛いときみんなはどうした? 経験談から知る対処法3ステップ

③原因は自分では解決できないものか

辞めたいと思う原因を洗い出し、自分では解決できないものなのかどうかはしっかり見極めておきましょう

仕事の内容に関することや、社内で環境を変えれば解決しそうなことであれば、まずは相談しやすい先輩社員や人事に相談してみてください。自分にとって働きやすい環境にするために、主張することを恐れる必要はありません。

また、「目標を立てて仕事に張り合いをつける」「難しい仕事も挑戦の機会だと思って頑張ってみる」など、自分の考え方を変えて仕事に取り組むことも一つの手です。

④第三者に相談したか

人によっては、「仕事を辞めたい」というネガティブな気持ちを一人で抱え込んでしまうことがあります。

会社を辞めるかどうかという、人生において重要な決断を完全に人に委ねるのはおすすめしません。ただ、辞めるかどうかを一人だけで考え続けた場合、「現職より自分に合う会社はあるのか」「将来のキャリアプランに影響しないか」など、重要な観点を見逃したまま、退職を決断してしまうことも考えられます。

また、すでに転職活動を始めたうえで退職を進めようとしている場合も、第三者の意見を取り入れることをおすすめします。自分では魅力的に感じる転職先も、客観的に見ると「また辞めたくなるのではないか」という懸念が見つかる場合があります。現職を辞めたいと思った理由や、魅力を感じている企業の特徴などを整理し、先輩や友人など自分をよく知る人にアドバイスしてもらうと良いでしょう

仕事を辞めるかどうか迷っていた人はどう決断した?

A・A
A・A
天理大学/国際学部
私生活との兼ね合いを考えて退職を決意

前職はフィットネス業界で働いていたのですが、自分にも合っていると思ったし、とても楽しい職場だったので辞めるかどうか本当に悩みました……。ですが、結婚をすることになり、当時の働き方だと家庭と仕事の両立ができないと感じたので、思い切って辞めることにしました。

忙しさやプライベートの時間がとれないことに対して、「今は我慢できる」と思っていても、いつか苦しくなるときが来るかもしれません。それが今の時点で予想できるなら、早めに行動するほうがいいと個人的には思います。

また、歳を重ねてからの転職よりも若い時の方が新しい所も受け入れてくれやすいので、「将来私はこうしたい」など、思い描くライフスタイルやキャリアプランがあるなら、そこに合う職場を見つけられるように、思い切って行動するのがいいと思います!

気にせずに仕事を辞めるべき4つのケース

気にせずに仕事を辞めるべき4つのケース

仕事を辞めたいという気持ちから深く考えずに退職することはおすすめしません。しかし、健康に働けない状態に陥っていたり、自分では解決できない理由で業務を進めづらくなっている場合は環境を変えることを優先しましょう。

ここからは、無理に先のことを考えず、退職を検討しても問題ないケースを紹介します。

①人間関係で仕事に支障が出ている

職場の人間関係が悪く、業務が通常通り進められない場合や、常に「どうしても会社に行きたくない」と感じるほどつらい場合は、我慢して会社にい続ける必要はありません。

多くの社会人は、一日のうち3分の1からそれ以上の時間を職場で過ごすことになります。職場の人間関係が良くないと、つらい気持ちになる時間も長くなり、体調不良につながったりと、私生活にも影響するかもしれませんよ。

たとえば、「上司の顔色をうかがって発言しづらい」「同僚に話しかけづらく、わからないことがあっても質問できない」など、人間関係が原因で業務が滞ったり、自分のスキルを発揮できないのはもったいないですよね。ストレスの少ない環境に身を置いたほうが、仕事においてより高いパフォーマンスを発揮できるはずです。

また、周囲でハラスメントや理不尽な叱責が発生していると、自分自身がその対象でなくても、影響されて苦痛に感じてしまうこともあります。会社がそれを見て見ぬふりをするような状態が続き、「この組織にいたくない」と感じるのであれば、今の職場を離れることも検討しましょう。

②心身に不調が出ている

仕事へのストレスを抱えるあまり、体調やメンタルに不調が出ている場合は、無理に出勤しないようにしてください。

つらい気持ちを抱えたまま頑張り続けていると、その状態に慣れてしまい、知らないうちにストレスを溜め込んでしまうケースもあります。自分の状況を確認するために、厚生労働省が公開しているストレスチェックなどを試してみるのもおすすめですよ

下記のサインにいくつか当てはまる場合、自分が想像している以上にストレスを抱えている可能性があります。「辞めたい」気持ちに向き合ってみましょう。退職するかどうか考えることさえつらく感じる場合は、回復するまでいったん休職することも考えてみてください。

また、厚生労働省が相談窓口をまとめたまもろうよ こころもチェックしてみてくださいね。電話やSNSなど、相談しやすい方法で悩みを話してみるのもおすすめです。

仕事を無理に続けないほうが良いサイン
・突然涙が出てくる
・今まで楽しめていた趣味が楽しめなくなる
・眠れない
・食欲が落ちている

③会社の将来が見通せない

会社の将来が見通せない場合、今の職場に居続けることは考えづらいでしょう。たとえば、企業規模が極めて小さく、経営状況が不安定な状態などです。いくらやりがいを感じていても、経営不振で社員の生活に支障が出ることが予想されるのであれば、働き続けるのは難しいでしょう。

特に創業して間もないベンチャー企業などでは、これらのような状態に陥ることも少なくありません。人手不足の企業の場合、辞めるタイミングを迷うかもしれませんが、「あと半年で状況が変わらなかったら辞める」など見切りをつけつつ、自分にとって最適な選択肢をとるようにしましょう

④この会社でやりたいことはできないと言い切れる

今の会社で自分のやりたいことを実現する手段がない場合は、思い切って転職しましょう。現職に長期間在籍していたり、複数の部署での業務を経験している人は、「この会社でやれることはすべてやり切った」と思うことも多いかもしれません。

逆に、1年未満など在籍期間が短かったり、少しでも「もっと挑戦したい」「楽しくてやりがいがある」という仕事に取り組めているのであれば、本当に今転職すべきなのかどうか考えましょう。さらなる刺激ややりがいを求めて仕事を辞めたとしても、次の転職先で「以前に比べて自分の能力を発揮できていない」「前職のほうが同僚と切磋琢磨できていた」など、前職ではあったはずの充実感が感じられないというケースも考えられます。

「仕事辞めたい」から転職活動を始める前にすべきこと

仕事を辞めたいと思い、結果的に転職を選ぶ場合、ただ「辞めたい」という気持ちのまま流れに身を任せて会社を選ぶことはおすすめしません。次の会社でもすぐに「辞めたい」状態に陥ることがないよう、考えるべきことが2つあります。

実際に転職を成功させた人の体験談も参考にしながら、転職前の準備を進めていきましょう。

やりたいことやなりたい姿を明確にする

まずは社会人としての理想の自分を明確にイメージすることです。たとえば、「30代のうちにマーケターとして独立したい」という理想を叶えたい場合、20代後半でまったく別の職種に挑戦するのは遠回りになってしまうかもしれません。

「辞めたい」という勢いに任せて、なりたい姿に近づけない職場に入ってしまうと、仕事へのモチベーションが下がり、またすぐに転職したくなる可能性もあります

理想をイメージするときは、「老後は地方に移住したい」など遠い未来のことだけ考えるのではなく、「3年後までにマネジメントに挑戦する」「5年後に地元に帰って起業する」「10年後は海外で働く」など、細分化しつつ計画を立ててみてくださいね。

譲れない条件をはっきりさせておく

転職先を選ぶにあたって、「これは絶対に譲れない」という条件は洗い出しておきましょう。たとえば、業務内容や教育体制のほか、働く環境や待遇についても、「最低でも年に〇〇円はもらいたい」などと、一度基準を考えてみることをおすすめします。

また、「残業時間が少ない職場がいい」「新しい仕事に挑戦したい」など、ある一つの目的や条件だけを考えて企業を選ぶのは避けましょう。一つの条件だけを重視して選ぶと、「残業は少ないけど、希望する年収に届いていない」「日々やりがいはあるけど、労働時間が長くて体調を崩しそう」など、見逃せないほかの条件を満たしていないことがきっかけで、次の職場でもすぐに辞めたいという感情に陥る可能性があります。

譲れない条件を見つけるには、「モチベーショングラフ」という自己分析方法を試すのがおすすめです

モチベーショングラフは、縦軸を時間軸、横軸を感情の上下として、時系列でこれまでの自分を振り返る自己分析の方法です。

モチベーションが上がったときや下がったときの共通点を探したり、エピソードを振り返ってみましょう。「どのような環境でなら活躍できるか」や、「どんな人と一緒にいたときに頑張ることができたか」などの視点で考え、働く上で大切にしたいことを洗い出してみてください。

モチベーショングラフの画像

また、先ほど紹介した「なりたい姿」に近づける環境かどうかも併せて企業を見ていくと、より自分にマッチした職場が見つかるはずです。

洗い出しておくべき条件の例
・年収
・勤務地
・残業時間
・人間関係の良好さ
・フレックスタイム制の有無
・異動のしやすさ

「仕事を辞めたい」という思いから転職活動をおこない、見事成功させた人から、転職活動において意識したことを教えてもらいました。

T・T
T・T
4年制大学/文系
企業に「育成したら活躍してくれそう」と思わせることを意識した

転職活動を成功させるために、「やりたいことを明確にする」、「なぜそれをやりたいかを明確にする」、「そのために努力したことを棚卸しする」の3つを意識して自己分析しました。

第二新卒者の転職は、ポテンシャルが重視される場合が多いです。具体的にいうと、「多少時間はかかっても今後活躍してくれそうか」という基準で見られていると思います。それを企業側に感じさせるには、この3つを意識して自分を深掘りすることが重要だと考えていたので、重点的に取り組んでいました。

「仕事を辞めたい」という思いからいよいよ転職を視野に入れている人はぜひこちらの記事も読んでみてくださいね。転職を難しいと感じていた人たちがどう転職を成功させたのか、実体験をもとにアドバイスしています。
転職は難しい…? 成功に導く5つの行動をリアル体験談付きで解説

みんなはどうした? 仕事を辞めたい時のリアルな悩みを解決! 

仕事を辞めたい理由を整理し、「よし、辞めよう」と決断できたとしても、実際に退職に至るまでに迷うポイントがいくつかあると思います。

実際に「仕事を辞めたい」という状況から一歩踏み出した人からアドバイスをもらいました。

在籍期間が短くて転職に踏み切れません

現職であまり長く勤めていないことで転職に踏み切れないという人は多いです。特に新卒で入社した企業をすぐに辞めようとしている場合、「仕事が続かない人だと思われて転職活動が難航しないだろうか」と不安になる人は多いでしょう。

ただ、マンパワーグループが新卒1〜3年目を対象に調査した「新規学卒者の転職事情調査」によると、社会人3年目までで転職経験がまったくない人は、男性で82%、女性で77%です。つまり、全体の2割近くの人が、3年目までに少なくとも1回は転職しているということ

企業によっては短期離職をマイナスに捉えられることもあるのが事実ですが、前向きかつ「前職では希望を叶えるのが難しい」とわかる転職理由を述べ、しっかり考えたうえでの転職だと伝われば、納得してもらえる可能性が高いです。

実際に、比較的在籍期間が短い状態で転職に成功した人の体験談をチェックしてみましょう。アドバイスがきっと背中を押してくれるはずです。

T・T
T・T
4年制大学/文系
「あのとき挑戦しておけばよかった」と後悔しないように

私の場合、現職にとどまっていても自分の進みたい方向に進むことができないと感じたので、社会人2年目の終わりごろに転職を決意しました。業務と並行しながら、希望していた職種で必要になるであろう資格を取得したうえで上長に異動の意向を伝えましたが、「異動は難しい」と言われてしまったため転職を選びました。

「新卒3年以内に離職すると経歴に傷がついてしまうのではないか」、「業務経験が少ないので内定を得るのはは難しいのではないか」、第二新卒で転職を検討されている人たちの中には、こういった悩みを持つ人も多いかと思います。

もしやりたいことが明確にあり、それが未経験の職種や業界であるのであれば、年齢が若ければ若いほど転職活動においては有利だと思います。30代になって「やっぱりあのとき挑戦しておけばよかった」と思うより、ほんの少し勇気を出して、挑戦してみましょう!

仕事を辞めて新しい職場で頑張りたい! と思いつつも、そのタイミングに迷っている人はこちらの記事も参考にしてみてください。経験者が「転職して良かった」と思ったタイミングについて紹介しています。
みんなの転職タイミングはいつ? 経験者が語るおすすめの時期と準備

仕事を辞めたいけど、上司に「辞める」と伝えづらいです

仕事を辞めると決めても、「退職したい」と上司に伝えづらくてなかなか言い出せないという人もいますよね。

上司に申し出るときは、マナーを守りつつ前向きな退職理由を伝えるように心掛けてください。「待遇に不満がある」「仕事がつまらない」など後ろ向きな理由をそのまま伝えると、状況改善を言い分に強く引き止められる可能性があります。また、相手の心象を悪くしてしまいトラブルにもつながりかねません。

「キャリアアップのため、より規模の大きい仕事にかかわりたい」「この会社での経験をもとに、新しいことに挑戦したい」など、できるだけポジティブな伝え方をして、「それはうちの会社では叶わないから、送り出すしかない」と納得してもらえる状態を目指しましょう

上司に退職を伝えるときのマナー
・退職が決まったらなるべく早く伝える
・メールやチャットでアポイントをとって口頭で伝える
・上司が忙しいタイミングは避ける

次の記事で、退職を切り出すタイミングについてより詳しく解説しています。円満退社のためにも、ぜひ併せて読んでみてくださいね。
経験者が語るベストな退職の切り出し方|今だからわかる注意点とは

勇気を出して、辞めたい気持ちを伝えたのに、会社が辞めさせてくれないこともあるかもしれません。そんなときは次の記事を読んでみてください。辞めさせてくれないときの対処法について解説しています。
会社が辞めさせてくれない……経験者が「退職したい」を貫いた方法

転職をうまく進めた人たちが「辞めたい」と伝えるときに意識したこととは?

A・A
A・A
天理大学/国際学部
上司の目線に立って「この職場で良かったこと」も伝えるように心掛けた

上司に辞めることを伝えるときは、「私は将来実現したい理想のライフプランがあるのでそれに合った働き方をしたい」と、現状が嫌だからではなく前向きな転職だということを意識して伝えました。

結局上司からしたら、人が辞めることでどちらかというと良い気分にはならないだろうし、人手が足りなくなり困る場合もあると思います。私の場合は前職の職場の雰囲気や仕事内容も好きだったので、良かったこともきちんと伝えました。悪いことばかりではなくて、自分が感じている現職のメリットや良い点も伝えつつ退職したい旨を伝えた方が、それを聞く上司の立場からしても、受け入れてもらいやすいんじゃないかなと感じます。

T・T
T・T
4年制大学/文系
転職を決めても今の仕事を精一杯やり抜こう

「仕事を辞める」と職場に伝えるときに守るべきことは、目の前の仕事を手を抜かないことだと思います。

転職を意識し始めると今の会社から気持ちが離れていくので、どうしても目の前の仕事に手を抜きがちです。ある程度そうなってしまうのは仕方ないかもしれませんが、やはりそういった雰囲気は上司も含めて周囲に伝わりますし、退職を伝えたときに理解は得づらいと思います。

目の前の業務をしっかりこなしつつ、「どうしてもこの会社以外でやりたいことがある」ということを熱意をもって伝えれば、必ず理解して快く送り出してくれると思います!

仕事を辞めたいけどずっと辞められないままです

仕事を辞めるタイミングを見失っているとき、「自分が退職することで職場に迷惑がかかるのではないか」「上司や同僚にどんな反応をされるかわからない」という不安がもとになっているケースが多いです。

多くの職場で、社員が一人退職したあとは、その穴を埋めるためにほかの社員の業務がひっ迫することが考えられます。しかし、その状態がずっと続くわけではありません。体制変更や新規に人を採用することで、再び業務が分散され、元の状況に戻るでしょう。

仕事はほかの誰かに頼むことができますが、自分の人生でやりたいことや理想を叶えられるのは、自分しかいません。「自分がいなくなることで迷惑がかかる」などと気にしすぎることなく、いきいき働ける状況を目指して動き始めましょう。

なかなか退職できなかった経験がある人のエピソードを読んで、「辞めたい」から一歩踏み出し、前向きに仕事ができる状態に戻りましょう。

K・M
K・M
倉敷工業高等学校/電子機械科
「辞める」に踏み切れない理由を冷静に整理することで一歩前に進めるはず

私自身が退職に踏み切れなかった理由として、金銭的な事情がありました。前職では残業が多かった分収入は多かったので、転職をすることで年収が下がることに不安を感じていました。また、転職をするならIT業界と決めていたのですが、地元では未経験でIT転職ができるような企業はなく、転職をするために県外へ引っ越しをする必要があることから、さらにお金がかかる点も悩みの種でした。

最終的には転職・引っ越しを見越した収支の見直しや退職金が入ったこともあり転職をしました。不安はありましたが、金銭面はなんとかなっているので意外となんとでもなるんだなと思ってます。

私の経験上ですが、もし読者のみなさんの中で金銭的な事情で仕事が辞められず悩んでいる人は、行動を起こすために必要なお金を整理してみて、それに向けた収支の見直しなどをすると、意外とすんなり問題が解決することがあると思うのでぜひやってみてください。

悩んだ末におこなった転職ですが、現在は仕事をするのが楽しく、新しく挑戦したいこともどんどん増えていきます。少しの準備と少しの勇気を持って、一歩を踏み出すことも重要だと思いますよ!

「いざ転職活動を始めても、決まらなかったらどうする」。そんな不安を抱えている人はこの記事をチェックしましょう。悩んだ末に転職を成功させた経験者が、転職活動で意識したことを教えてくれました。
転職が決まらない……同じ悩みを抱えた経験者が明かす転職成功の秘訣

「仕事辞めたい」そんな時はキャリアプランを考えたうえでベストな選択をしよう

仕事を辞めたいと思っても、一時的な感情で行動し、深く考えず退職するのはおすすめしません。辞めたいと思う原因を究明して、解決できる余地がないか検討しましょう。

「どうしてもここで働けない」と感じた場合は、長期的なキャリアプランや、仕事において譲れないことを見つめ直し、今の自分にとって退職が適した選択肢なのかどうかを考えてみてください。

現職に留まる場合も、退職を選ぶ場合も、周囲のことを気にしすぎず、まずは自分にとってのベストな状況を目指して行動してくださいね。「辞めたい」心境から、再び前向きに働けることを目標に、次のステップへ一歩踏み出しましょう。

安藤 健
安藤 健
人事コンサルタント/人事心理上級マスター
仕事を辞めたいときは原因に応じて対策を講じよう

仕事を辞めたいと思う代表的な理由は主に3つ。「入社後のギャップ」「人間関係」「仕事内容」です。

入社後のギャップを生まないために企業研究が必須
入社後に「思っていたのと違う」と違和感を感じる人もいるでしょう。入社後の違和感を感じた場合、入社後3〜6カ月と比較的早期に辞める決断をする傾向にあります。

こういった入社後のギャップを防ぐには、入社前の企業研究が肝となります。そのため早期での退職を考えている場合は、次の転職で同じ轍を踏まないように企業研究をしっかりとおこなってくださいね。

職場の人間関係で悩むときは第三者に相談を
職場の人間関係に問題があると「こんな人たちとは働けない」と感じ、退職を考えるケースもあります。「人は嫌な会社を去るのではなく、嫌な上司や同僚の元を去るのだ」という言葉もあるくらい、良好な人間関係はその会社で働き続けるうえで重要な要素です。

人間関係の悩みは、日常業務であまりかかわりがない別部署の先輩などに相談してみてください。第三者に相談することで気持ちが楽になり、人間関係を改善するきっかけを見つけられるかもしれません。

もうひと踏ん張りに成長のチャンスが隠れている
仕事内容が望んだものではない場合「こんな仕事はやりたくない」と、退職が頭をよぎることがあります。しかしこの状況で、すぐに退職を考えるのは危険です。

スキルの習熟は直線的に進むわけではなく、どこかでマンネリ期と呼ばれる踊り場が一度やってきます。しかしそこで仕事を辞めてしまうと、これまで積み上げてきたスキルがゼロになることも。成長の停滞はこれまでよりも大きなスキルアップを生むチャンスです。自分が完全にやりきった! と思えるまでは、もう少し続けてみることも視野に入れましょう。