自己PRの書き出し方とは|内定者が考えた傑作書き出しを紹介

自己PRの書き出しについて解説する記事のサムネイル画像

自己PRの書き出しは印象作りの分岐点! リアル体験談を参考に自分の魅力を伝えよう

「自己PRの書き出しってどうやって書けば良いの?」
「みんなはどんな書き出しを書いてるの?」

自己PR内容が決まって文章作成に入るとき、書き出しをどのようにすれば良いか迷ってしまう学生は少なくありません。書き出しを適当にしてしまうと、アピールしたい内容がうまく伝わらず、まとまりのない文章になってしまうことも。

自己PRの書き出しは、採用担当からの印象を決める重要な一文です。この記事では、自己PRの書き出しの考え方と作成方法を経験談を交えて解説します。作成に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。

ありきたりな内容はNG? 自己PRの書き出しを適当にしてはいけない理由

自己PRを読まれるかは「書き出し」で判断されるの画像

日々多くの応募書類を読む採用担当の興味を引くためには、初めの一文が命運を分けるといっても過言ではありません。自己PRも同様に、内容がいかに魅力的でも書き出しが適当だと、相手に読み進めてもらえないこともあるでしょう。

自己PRは初めから終わりまで全文に力を入れてこそ「選考通過できる文章」を作ることができます。周囲との差別化をはかるためにも、まずは書き出しの重要性を知って、意識改革した状態で作成にのぞみましょう。

今だからこそ言える! 自己PRの書き出しの重要性とは

M・W
M・W
学習院大学/文系学部
端的にわかりやすく伝えることで採用担当者の目に留まる

自己PRの書き始めは必ず「○○が私の強みだ」「○○できることが私の強みだ」というように結論ファーストで端的に伝えていました。

そのあとに、「これを裏付けるエピソードとして……」「……という経験にてこの強みを発揮した」というふうに「抽象→具体」の順で書くことが重要だと思います。

人事も何枚ものエントリーシート(ES)を見ているので疲れているため、自己PRの書き出しは視覚的にわかりやすく伝えられると、自分を知ってもらうきっかけが作れると思います。

R・N
R・N
4年制大学/理系学部
自己PRの書き出しを練ることで採用担当者に興味を持ってもらえる!

自己PRの書き始めで私が重要だと思ったのは、相手が「ん?」と興味を持つことだと思います。よく使われる表現として、「私の強みはコミュニケーション能力です」や「私の強みはリーダーシップです」などがありますが、これでは相手に印象付けることは少し難しいです。

たとえば、私の強みは「相手の心を見透かすような気遣いができることです」という文であれば、興味を引き付けることができますよね。

少しでも話に聞き入ってもらうという意味でも、こういった小さな工夫が、自己PRでは重要だと思っています。

ESへの自己PRの書き方については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひあわせて確認してみてくださいね。
内定者が教える! エントリーシートの自己PRの書き方3ステップ

初めての人はここから! 自己PRの書き出しの基本を解説

書き出しをうまく考えることができない人は、文章の基本を理解できていない可能性があります。初めての人は、まず基本から学んで土台を作っていきましょう。ここでは書き出しの範囲とルールについて紹介します。

書き出しの範囲

自己PRの作成に初挑戦する人は「自己PRの書き出しってどこからどこまで?」と悩む人もいるのではないでしょうか。文章の構成は大きく分けると「序論」「本論」「結論」と分類され、書き出しは序論として本論を説明するための前情報を相手に伝える役割を果たします

文章の構成について
書き出し
(序論)
私の強みは、問題解決力です。
エピソード
(本論)
学生時代は、飲食店でアルバイトをしていました。
ランチタイムに非常に混雑する店舗で、
バイト初期は焦って失敗することもありましたが、
店長の行動を観察して、予想した行動の大切さを学ぶことで、
さまざまなトラブルにも工夫をする必要性を学びました。
その結果、当初よりも早く料理提供をおこなうことができ、
料理を待たせる時間も短くお客様にも好評を得ることができました。
まとめ
(結論)
このアルバイトの経験は、入社後の業務効率化や
問題があったときに向き合う力として使えるのではないかと感じています。
貴社にご縁をいただくことができれば、精一杯貢献したいと考えています。

自己PRを要約する重要な役割を果たす部分となるので、書き出しを考えるときはどこからどこまでなのか理解したうえで書き始めましょう。

構成についてもっと詳しく知りたい人は、次の記事をチェックしてみましょう。強み別に構成について解説していますよ。
自己PRの構成はこれで完璧! 内定者の自己PR構成も大公開

紹介した例文のように、アルバイトの経験をアピールする自己PRを作成したい人は、こちらの記事がおすすめです。選考を突破した実回答も紹介しています。
アルバイトの自己PRの作り方4ステップ|選考突破したリアル回答付き

自己PRがなくて、何を書いていいか、何を書き出すべきなのかわからないと思っている人は、次の記事を読んでみてくださいね。自己PRになるエピソードは意外なところに潜んでいるかもしれませんよ。
自己PRがない人必見! 内定者が語る強みの見つけ方|例文7選

書き出しのルール

採用担当に見てもらえるような書き出し文を考えるには、まず基本のルールを守って作成することが大切です。

書き出しのルール
・結論のみ簡潔にまとめる
・断言する
・一文で収める

導入文である書き出しは、アピールしたい内容を簡潔に相手へ伝える必要があります。自分の強みを「〇〇力」「〇〇感」「〇〇なところ」などシンプルにまとめましょう

自分自身の特徴を説明するため、書き方は「〜だと思います」「〜なようでした」など曖昧で説得力がない表現を使わないようにする意識も必要です。

「インパクトを残したい」と考え、ほかの学生と違う書き方をしたくなることもありますが、周りと差別化をするには基本が大事です。初めて書くときは、まず基本を意識してチャレンジしてみましょう。

迷ったら当てはめてみて! 自己PRの書き出しパターン

書き出しを作成するときに「テーマは既に決まっているけどうまく内容がまとまらない」と、手が動かず困る人もいるのではないでしょうか。

ここからは、作成の手助けとなる自己PRの書き出しパターンを4つ紹介します。相手に残せる印象や、どんなPRに適しているのかも解説するので、作成イメージの参考にしてくださいね。

パネリストはどのように構成を決めたの?

H・T
H・T
4年制大学/文系学部
4ステップで簡単に説明できるようにしておいた

1.結論
2.その具体的な理由
3.まとめ
4.その会社に入ったらどのようにこの力を活かすか

という構成で書いていました。面接経験が浅いうちは、頭が真っ白になって特に4つ目の内容が思い出せないこともあるため、その場合は1の結論を再度話して終わらせるといいと思います。

2の具体的な理由は、実際にそう思った背景を簡単に説明します。ここで詳しく話しすぎると、そのエピソードがほかのところで使えなくなったり、話が長くなりすぎて聞いてもらえなくなるため、簡単に説明するのがおすすめです。

パターン①私の強みは〇〇力です

パターン①

私の強みは大学の授業で培った分析力です。商品の品質改善についての授業があり、あるお菓子のニーズを分析し数値化することで、改善策を出す提案をしました。

自己PRで一番多く使われる書き出しが「私の強みは〇〇力です」という文章です。

〇〇にどんな内容も当てはめやすく、文章作成が苦手な人や、初めての人にも最適です。汎用性が高くどんな自己PRにも使えますが、傾聴力や提案力など、自分の強みが明確に言語化できている人は使いやすいパターンでしょう。

「私の強みは〇〇力です」を書き出しに取り入れることで、相手はこれから読む本論の内容を明確に理解した状態で読み進めることができます。〇〇の部分を応募企業の求める人物像とマッチさせることも意識して、採用担当の好印象をつかみましょう。

パターン②私は〇〇(キャッチフレーズ)です

パターン②

私は灯台のようにチームを導く統率力があります。

キャッチフレーズを用いることで、よりイメージしやすい自己PRになります。

上記の例文だと、「頼りやすい」「面倒見が良い」などの抽象的な強みを具現化したことで、伝えたい内容のイメージを相手に残すことができるのです

表現や言い換えが苦手な人も、慣れると連想ゲームのような感覚で考えることができますよ。独創性や創造性が求められる仕事である、広告業界やクリエイティブ職などを目指す人は、ぜひチャレンジしてみてください。

キャッチフレーズは自分の特技などから連想するのもおすすめです。以下の記事では、おもしろい特技を28選紹介しています。自分に当てはまるものがないかを確認してみましょう。
おもしろい特技28選|ネタに走ると危険? 特技の探し方や伝え方

パターン③私は周囲から〇〇な存在と認識されています

パターン③

私は周囲から経済ゼミの重鎮のような存在と言われています。

「私は周囲から〇〇な存在と認識されています」という書き出し文章では、第三者からの評価を自己PRとして使うパターンです

自分で考えた強みからキャッチフレーズを考えるパターン②と異なり、「お母さんみたいに優しい」「自分の親みたいに面倒を見てくれた」など、他人からの印象をそのまま使用することができます。

第三者目線の自分を伝えることで、人柄の良さや学生時代の立ち位置についてのアピールが可能です。

接客業やチームで取り組む仕事の自己PRをするときには、周囲からの評価をアピールに取り込めないかを試してみてください。

パターン④私は〇〇を叶える〇〇な強みを持っています

パターン④

私は思わず目を止めてしまう印象的なデザイン力を持っています。

「私は〇〇を叶える〇〇な強みを持っています」という文章は、入社後の将来像が明確にアピールできる書き出しです。

応募する企業や仕事との適性に加え、自分が入社するメリットを伝えられます。ほかの書き出しパターンと比べて文章量が多いので、作成前に自分の強みと利点を明確にしておきましょう。

強みを活かして企業にどう貢献できるかが具体的に伝わる書き出しであるため、応募職種が明確になっている人や、成果を重要視される営業職やマーケティング職などのアピールに適しています。

自己PRの書き出しを魅力的にする5つのコツを紹介

自己PRの書き出しは、採用担当に印象を残せるかが決まる第一の通過点です。そのため、ライバルと差別化した内容を考えることが大切ですが、書き慣れない人にとっては難しく感じてしまいますよね。

ここからは経験者の声を参考に、魅力的な書き出し文を考えるコツを紹介していきます。実際に作成した自己PRをもとに、どう作るのか考えながら進めてみてくださいね。

就活パネリストに聞いた! 自己PRの書き出しを考える際のコツ

H・Y
H・Y
4年制大学/工学部
企業について下調べをすることと一貫性のある内容にすることを意識

事前に志望先の企業の求められる人物像や、事業での取り組みについて調べてから書くようにしました。自己PRは、まず求められる人物像に合うように強みを書き、それに伴うエピソード、最後に志望する企業でその強みを活かしてどう働きたいかを書くようにしていました。

この一連の流れを一貫性のある文章で書くことで、企業側にもわかりやすく、納得感のある内容になるため、内容の一貫性に関しては特に意識していました。

また、エピソード中に具体的な数字があるとより実績をイメージしやすくなり、印象を残すことができると思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

R・N
R・N
4年制大学/理系学部
ほかの学生とは一線を画す表現を意識

自己PRの書き出しを考えるためのポイントは、ほかの学生とは違う表現を使うことと、その強みが培われた経験に信用を持たせることです。

ほかの学生と違う表現とは、「〇〇のようなコミュニケーション能力」など、要所で比喩を使うと印象に残りやすくなると思います。

その強みが培われたエピソードの信用性については、数値で示すことができる部分は具体的に数字で示したり、自分ならではの取り組みであることを強調したりすると、読み手へ印象付けることができます。

「自分ならではの取り組み」では、他者に良い影響を及ぼしたり、伝統や手法として語り継がれるようになったものなどを意識して書いていました。

K・G
K・G
名古屋市立大学/経済学部
具体的な数字とエピソードの使い分けをしていた

書き出しを考えるポイントとしては、鍵かっこを効果的に使うことや、視覚的にぱっと見てわかりやすくなるように数字を用いることを意識していました。

具体的な流れとしては、「私の強みは〇〇です。この強みを活かして、営業成績を〇〇件→〇〇件へと獲得することに成功しました」などとアピールしていました。また、企業ごとの特徴に合わせて、自分自身の強みを変えていきました。

話すエピソードを準備して、そのエピソードの中で強みになりそうなことをあらかじめ準備しておくと、使い分けをすることでアピールがより効果的になるのでおすすめです。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
オリジナリティあふれる言葉でキャッチーにまとめた

書き出しを考えるポイントとして、次の2つを意識していました。

①ほかの人と被らないようにすること
②同じ力をアピールする人の中でも表現を変えること

たとえば、「利他の精神」と表現するのではなく、「私は非凡な利他の精神の持ち主だ」や「なんでも屋」など、ほかの人が使わない表現や、オリジナリティのある言葉で表現すると、企業の印象に残ると思います。

そのアピールポイントを裏付ける経験についても、なるべくオリジナリティを出すことが大事だと思うためあなたならではのエピソードを探してみましょう。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
求める人物像と自分が重なる点をアピールしよう

応募している企業の求人内容から、求めているであろうスキルや人物像を参考にして、自分と重なる部分をアピールしました。

まず結論(アピールしたい題材)をシンプルに述べて、その後、エピソードや実績・具体的な数字を用いて肉付けしていくイメージで書いています。結論から書き出すことで、どのようなテーマについて話しているのかイメージを持ったうえで読み進めてもらえるため、読み手としても話を掴みやすくなると思います。

また、20代後半からや転職活動ではスキルや経験を重視した選考に切り替わるので、客観的に実績をアピールできる数字のデータは大切にしていました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
アピールしたい強みを強調して書こう

結論、自己PRの書き出しでは、何が言いたいのかをわかりやすく書くことが重要です。

私の場合、営業職で培ったスキルを複数書いたのですが、まずスキル名を【】を使用してわかりやすく、かつ一目で理解しやすいようにしていました。【】を使うことによって、どのようなスキルを言いたいのかがわかります。

そのうえで具体的なエピソードなどを用いながら、簡単にどんな場面でそのスキルを使ったかを加え、読み手がイメージしやすくなるように意識していました。

K・U
K・U
名古屋学院大学/経済学部
自分ならではの経験を自信を持って話した

まず、自己PRでは人と同じことを言っていては印象に残らないので、「これは自分しか経験していない!」と自信がある経験や人と被らない内容を第一声で伝えるように工夫しました。

私は小さい頃から地元の祭りに参加しており、そこで18歳から22歳まで代表を務めていたことがあったので、「私は責任感のある熱い男です」と結論から話し、具体例な内容も、「きっと自分ならではだろう」と思うことを伝えました。

案の定、上記を話したときの面接官の食いつきは良かったです。みなさんも自分にしか伝えられないことを伝えてみてくださいね!

①キャッチフレーズなどの印象的な言葉を使う

先ほどのパターンの中でも紹介しましたが、印象的な自己PRの書き出しには、キャッチフレーズを使用すると良いでしょう。キャッチフレーズとは、元の内容を簡潔にまとめ、相手へ強い印象を残すためのうたい文句です

初めて挑戦する人がキャッチフレーズをいきなり考えるのはむずかしいので、段階的に考えるのがおすすめです。

キャッチフレーズを作るポイントの画像

例として「アルバイト経験で得た指導力や面倒見の良さ」をキャッチフレーズ化してみましょう。

「アルバイト経験で得た指導力や面倒見の良さ」をキャッチフレーズ化する例
ステップ①
自己PR内容から
一番伝えたいポイントを考える
・指導力
・面倒見
ステップ②
伝えたいPRポイントから
連想できる言葉を考えていく
・指導力(先生、先駆者、トレーナー)
・面倒見(親、姉御肌、仲人、アニキ)
ステップ③
②を文章化する
年間〇名を育て上げる敏腕トレーナー

アルバイトの後輩を独り立ちさせていった経験から「トレーナー」を導き出し、キャッチフレーズ化することができました。

キャッチフレーズをうまく作成すれば、自己PRと一緒に文章能力や発案力もアピールできるので、多方面で自分を知ってもらうためにも適した書き出しです。

あなたのキャッチフレーズは? パネリストの回答を大公開!

R・N
R・N
4年制大学/理系学部
自分を動物にたとえると……

自分を動物にたとえると「ボス猿」です。

まず猿という動物は群れを形成し、集団で動きます。その先導をするのはボス猿です。つまりボス猿は高いリーダーシップを持って行動することができます。わたしも実際にリーダーとした経験がありまして……というように自己PRを作成しました。

このフレーズを使った理由は、インパクトを残し、和やかなムードで自分のトークを展開するためです。考え付いた経緯としては、「リーダシップのある食べ物は?」「リーダーシップのある動物は?」というように自問自答を繰り返していったことがきっかけです。

和やかなムードをものにできれば、そのあともし回答に詰まったとしても、落ち着いて答えられるような状況につながるのでおすすめです。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
面接官に「○○の子ね」と覚えてもらうフレーズを使った

「私はサッカーによって人生が狂わされた人間です」ということを毎回最初に伝えていました。私の人生の経験や今持っている価値観、性格が何によって作られたのかを振り返ったとき、根本にあるモノがサッカーだったため、このような表現をしました。

また、インパクトを意識して、面接官が後で振り返った時に「サッカーの子ね」と思い出してくれるようにこの表現を使っていました。

実際に、この回答をすると必ずサッカーとのかかわりを聞いてくるので、自分の人生と絡めながらアピールをすることができました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
「求めている人材かもしれない」と思わせる書き出しを

直近の転職では、「私は営業の目線を持ったサポート職として活躍することができます」という書き出しを使いました。

同業界内で営業職からサポート職に転職する流れだったので、営業をしていたからこそわかることや目線をアピールしたいと思い、上記の書き出しを選びました。企業としても、完全にサポートという立場よりも、営業と伴走できる動きのある仕事を期待していたようなので、良いアピールになったと感じています。

書き出しは、「求めている人材かもしれない!」と企業の関心を引くことが大切なので、1番最初の文章は求人のポジションに合わせて魅力的に感じてもらえるようなテーマを選ぶようにしています。

②具体的な表現を意識する

魅力的な自己PRの書き出しを作るためには、相手に自分の強みを具体的にイメージしてもらうことが重要です

たとえば、「コミュニケーション能力がある」と書き出した場合で考えてみましょう。コミュニケーション能力と一言で言っても、「話す」・「聞く」・「伝える」など想像するイメージは人それぞれです。

「相手がぽろっと本音を言ってしまう傾聴力があります」と具体的な内容にしてみると、話しやすい人柄の良さや聞き上手な部分が伝わります。

コミュニケーション「能力」といった総称するような言い方だと抽象的になりやすいので、「それはどんな能力だろう」「なぜそう思ったのかな」と、もう一つ深掘りした内容に注目してみると考えやすいでしょう。

考えづらい人は、辞書やインターネットなどで能力そのものの意味を調べてみると、自分の中で新しい選択肢が生まれますよ。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
誰でもわかる表現を使うことが重要

とにかく抽象的でイメージがしづらい書き出しは避けるようにしていました。

書類で落選しないようにするためには、まず内容を読み手目線で考え、専門的になりすぎないようにすることが重要です。

専門外の人でもイメージできるレベルの言葉を使い、場面がわかるように書き出しながら、スキルと自身のエピソードや具体例に一貫性があるかを確かめていくことをおすすめします。

自己PRは使いまわししたいところですが、企業によっては内容を変える必要がある場合があるので、同じスキルだけど、少し違う具体例やエピソードを用意しておくと、受けたい企業に合わせてアピールを変えることができるのでおすすめです。

③成果や実績を取り入れる

自己PRの書き出しには、実際に達成した数字や数値を入れ込むと、説得力が増して相手の印象に残りやすくなります

「何人もの後輩を育て上げた敏腕トレーナー」よりも、「年間15名を育て上げる敏腕トレーナー」の方が、実際の経験や自分の能力も伝えられて一石二鳥です。

中には「成果や実績を評価されたことがない……」と考えてしまう人もいますが、短縮できた作業時間や覚えた工程の数なども立派な成果や実績となります。数字や数値がどうしてもない場合は、お客さんや先輩から褒められた第三者の評価に注目してみるのも一つの手段です。

自分には何もないと考えず、スタート地点から現在までどれだけ成長できたかを振り返ってみましょう。

④企業のHPで使用されているフレーズを使う

自己PRの書き出しに、企業の大事にしている価値観や社風に関する言葉を入れることで、自社へのマッチ度や興味関心を強く伝えられます

社名の由来を使った書き出し例

・由来:社員一人ひとりが時代の指針となるための土台作りができる
・書き出し:私は成功を掴むための強固な土台作りができるリサーチ力を持っています。

企業の採用担当は、自社とマッチする学生を通過させるため、ほかの在籍社員よりも自社をよく理解しており、特に社長の言葉や企業理念は頭に入っている人が多いでしょう。

そのため、自己PRの書き出しで企業のHPで使用されているフレーズを使うと、採用担当が親近感や共感を抱き、好印象を残せる可能性が高くなります。

応募企業のことをよく調べているアピールとしても役立つので、企業HPはぜひチェックしてみてくださいね。

⑤求められている人物像から考える

企業が求めていることを予想して内容に組み込むと、「かゆいところに手が届く」書き出し文章を作れます。求められている人物像は、応募する仕事内容や在籍社員の傾向から読み取りましょう。

求められる人物像を読み取るポイント
①仕事内容
②在籍社員のキャリア
③新卒へのメッセージ

応募する仕事内容は、職種に求められるスキルや適性から考えましょう。事務職の場合、繰り返し作業をめげずにできる粘り強さやサポート力がイメージできます。

在籍社員の経験は、企業HPに「社員の声」などに掲載されている、先輩たちの入社動機や仕事に取り組む姿勢を参考にします。応募企業に採用された人の人物像から傾向を読み取りましょう。

自己PRで避けるべき3つの書き出しを覚えておこう

避けるべき自己PRの書き出しの画像

自己PRの書き出しは、書き方次第で自分をプラスにもマイナスにも変えてしまいます。書き出し文をうまく作るためには、避けるべき表現を覚えてリスクヘッジすることが重要です。

経験者が書き出しを作るときに実際に気を付けていたことも参考にしながら、マイナスの道に進まない予防策を覚えていきましょう。

R・N
R・N
4年制大学/理系学部
ネガティブな表現にならないように注意

マイナスな印象を持たれないように気を付けていたことは、否定的な単語をできるだけ用いないようにするということです。

たとえば、「グループワークでやる気のない人」という言葉と、「控えめな性格で、自分の意見の共有が苦手な人」という言葉では、その人への印象が変化しますよね。このように言葉や表現を変えることで、イメージがつきやすくかつ丁寧な表現で言及することが可能になります。

苦労したことに関しても、些細なことだと思われないように、少し表現を大きくすることを心掛けるようにしました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
自己PR内容がその人の印象を決める! 細かい点に注意しよう

「何をアピールしたいのかわからない……」といった、だらだら続く長い文章にならないように気をつけていました。

文章は短く区切り、書くときは結論からという点を意識しています。面接前には、その文章がその人の印象のすべてになってしまうので、文章の日本語がおかしくないかといった点も注意して確認しています。

また、失敗やミスについて触れるときは、それらの失敗を通して学んだことや、繰り返さないために変えた行動などについても触れ、ただの失敗に終わらず、次に活かす糧としていることが伝わるような構成を心掛けています。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
簡潔かつ内容が充実しているか相手目線で読み返してみよう

とにかく読み手の気持ちを考えて簡潔に、わかりやすく書き出すことが大事です。いくら能力がある人でも、長くてだらだらした文章だと言いたいことがアピールできず、書類選考で落とされてしまうので相手目線で書けているかは注意しましょう。

自己PRで書く分量は一つのスキルにつき5~6行が理想ですが、どうしても長くなってしまう場合は一言で伝えられるところはないかを探し、まとめることで文章を短くしたり、その内容をイメージできる形容詞や固定名詞を入れたりすると簡潔になるためおすすめです。

①ネガティブなワードを使う

自己PRの書き出しは、自分の第一印象を左右する重要な一文です。初めの一言がネガティブなワードになると相手にマイナスな先入観を与えてしまうため、なるべく避けるようにしておきましょう

避けるべき自己PRの書き出し例
・自慢できるほどではありませんが
・自分ではそう思わないのですが
・人によっては悪い印象かもしれませんが
・当たり前な強みになるかもしれません

「思わない」「〜なほどでも」といったような否定から入る言い方や「当たり前」「人によっては〜です」と決めつけるような言葉選びは、その後の内容がどれだけ良いものだったとしても、先入観で悪い印象を持たせてしまいます。

ネガティブなワードを選んでしまうときは、自己PRに自信がないことが原因の一つと考えられるので、自分の強みとして選んだ理由や実績をもう一度振り返ってみましょう。伝える本人が魅力的だと信じることこそ、相手へ説得力を感じさせる書き出しを作る一番のコツですよ。

②あいまいな伝え方をする

相手へ自分のイメージを明確に伝えるためにも、あいまいな言葉選びは避けましょう。

たとえば「私の強みはしっかり仕事を終えられる責任感です」といった書き出しの場合、「しっかり」があいまいな表現になります。「時間通りに業務をやり切る責任感」など、どのようにしっかりなのかを言語化しましょう。

あいまいなフレーズ例
・すごい
・とても
・頑張る
・すぐに

あいまいな言葉を判断する基準は、伝える相手へ「どれだけ?」「いつから?」と疑問を持たせていないかどうかです。

ほか、自分の中では明確なつもりでも、相手には伝わらないケースもあります。作成前に意識することはもちろん、完成後も文章の読み直しをおこなったり、第三者に添削してもらうことでチェックしましょう

③内容に一貫性がない

書き出し文は、本論となるその後の文章と内容のつながりがなくてはいけません。

一貫性がない例

・序論(書き出し):私の強みはどんな時も成果を出せる達成力です
・本論(PR内容):アルバイト先では、チームと連携をとることを心掛けた

例文では目標達成できる強みである「成果を出す力」に対して、協調性をアピールする「チームの連携」の内容は話の結びつきがなく一貫性がないと感じさせてしまいます。

最初の文章でつながりが感じられないと判断されると、以降の内容を読み進めない採用担当もいるため、文章能力をアピールすることも踏まえ、書き出しと本論の一貫性はかならず意識しておきましょう

選考突破者の実回答| 自己PRの書き出し内容を聞いてみた!

ここまでは自己PRの書き出しの基本やコツを紹介しましたが、書き方のイメージがついても「本当にこれで良いのかな」と不安になってしまいますよね。

ここからは、自分の書き出しのイメージをよりはっきりとさせるために、経験者が使った書き出し内容について聞いていきます。実際に作成に入る前に、選考通過を獲得した成功者の書き出しを知って、うまく書くイメージをつかんでくださいね。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
細かい部分も言語化して簡潔にまとめた

「私は震撼的な情熱と非凡な行動力を持つ。高校では○○部で史上初の○○として活動。大学では○○部でチームを日本一に導く○○に徹底している。この情熱と行動力を武器に生涯成長し続けることを誓う。」

と記載しました。意識したポイントは2つあります。

1つ目は、原体験について簡潔にわかりやすく伝えることです。2つ目は、自己PRなので自信を持って強く書いた方が印象に残ると思いました。そのため、どんな情熱? どんな行動力? というところまで言語化してほかの人との差別化を図りました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
内容を小分けにして3つの強みを記載した

私の場合、同業界転職だったこともあり、アピールしたい要素が複数あったので、職務経歴書の自己PR欄では3つの小タイトルに分けエピソードを伝えていました。

①営業で培った提案力と工夫
②マルチタスクにおける業務の効率化
③相手の立場に寄り添った対応

といった内容で小さいタイトルを設け、その中でテーマについて詳しくアピールしていくという流れです。小さいタイトルで区分けすることで、論文のような長い文章にならず、読みやすさが生まれることと、小タイトル=アピールしたいテーマ、と読み手に簡潔に伝わるので、今まで経験した2回の転職ではいずれもこの書き方をしています。

合計3枚の職務経歴書でしたが、3枚目の2/3程度を使い、上記内容を記載しました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
複数の強みを差別化してアピールした

私は注文住宅営業と飛び込み営業の2つの異なるタイプでの経験を伝えるために、

①関係性構築力(長期的関係性と短期的関係性)
②問題解決力(ヒアリングベースでの問題解決、興味付けベースでの問題解決)
③主体性(直近の出来事を伝えたかったので飛び込み営業での他社との差別化の言及)

といった3つの構成で自己PRを書き出しました。それぞれに違う特性があるので、その違いをイメージしやすく書き出すように意識していました。簡単にどういう場面だったかと意識したポイントを2~4個挙げていくとしっかり適材適所で対応できることもアピールしていました。

仕事に「完全に同じ」というパターンはないので、違いをしっかり理解できる柔軟性が大事と思っています。

K・U
K・U
名古屋学院大学/経済学部
キャッチコピーと自分ならではの経験で勝負!

自分は「責任感のある熱い男」です。自分の住んでいる町には、300年の歴史をもつ祭りがあり、自分は幼い頃からその祭りに参加しており、18歳から22歳まで「若頭」という立場を担いました。

この役職は幅広い年齢層の参加者をまとめ、祭りを盛り上げ、さらには次の世代へ伝統を受け渡す責任の重い役職です。

当初は年齢層や意識の違いのせいで大変苦労しましたが、何度も話し合いの場を設けたり規約を明文化することで団結力を高め大いに盛り上がりました。

と自己PRを伝えていました!

N・I
N・I
東北大学大学院/工学研究科
語句や文章の強調で効果的にアピールすることを意識した

私は周囲から【穏やかで上下関係なく、誰とでも仲良くできる人】 【静かな人気者】と言われてきました。誰とでも積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことができるからだと自覚しています。

という書き出しから始めました。工夫した点として、特に主張したい語句には””や【】などを使い、ESの中でも目立たせて読んでもらえるようにしました。

意識したことは、「責任感がある」や「力をいれた」といったアバウトな表現に説得力を持たせるため、限られた文字数で詳しい原体験やエピソードを伝えられるように的確な言葉選びや表現などがでるようにしたことです。

パターン×テーマ別|自己PRの書き出し例文12選を紹介

これまで紹介した書き方やポイントをもとに、実際にどのような文章を書くべきなのか考えていきましょう。紹介したパターンごとの書き出し例文を、作成のコツと一緒に解説します。

自己PRの書き出しパターン
パターン① 私の強みは〇〇力です
パターン② 私は〇〇(キャッチフレーズ)です
パターン③ 私は周囲から〇〇な存在と認識されています
パターン④ 私は〇〇を叶える〇〇な強みを持っています

パターン①×話しやすさ

話しやすさ

私の強みは傾聴力です。ただ聞くのではなく話しかける力で相手に話すゆとりを与えます。

話しやすさを傾聴力として言い換えた書き出しにまとめている例文です。

パターン①では、自分のアピールしたい内容を「〇〇力」と簡潔にまとめることがポイントです。「話しやすさ」からイメージできる名詞を思い浮かべ、自分の伝えたい内容に合うものを書き出しに選びましょう。傾聴力は調和力・理解力などにも言い換えられます。

傾聴力が求められる仕事は、販売職・営業職・サービス業など、人と接する仕事で相手の求めていることをうまく聞き取れる力のアピールに有効です。

パターン①×本音を引き出せる

相手の立場で考えられる力

私の強みは対話力です。周りからつい話し込んでしまう魅力があると言われています。

「つい話し込んでしまう」「話がムーズに進む」のような周りの評価から、相手の本音を引き出せることが自分の強みと導き出し、対話力として言い換えて書き出しを作っています。

例文では、意思疎通がしやすく会話が捗ることから対話力に結びつけていますが、ほかにも共感力や質問力と言い換えるのも良いでしょう

対話力は幅広い仕事にアピールしやすい強みですが、初めての人とも会話を成立させるコールセンターや、年齢の差がある人とコミュニケーションを取る必要のある介護士などの接客業では特に必要とされるスキルです。

パターン①×魅力的な提案ができる

魅力的な提案ができる力

私の強みはプレゼンテーション力です。相手のニーズに応える提案を得意としています。

アルバイトやゼミの発表で培った提案する力をアピールしたい人の書き出し文です。提案力はそのまま使っても問題はなく、伝達力や説明能力として言い換えるのも良いでしょう。

プレゼンテーション力は、採用担当によっては「どんなプレゼンができるの?」と疑問を持たせてしまう言い回しであるため、本論となるその後の文章で具体的な内容を書くことを意識してみてください

企画職・マーケティング職などの相手へ何かを提案することの多い職業へのアピールに適切といえるでしょう。

パターン②×提案力

提案力

私は「口から生まれたと言われるアイデアマン」です。沈黙が多い議題でも、多角的な視点を持った発案力を強みとしています。

アピールしたい内容からキャッチフレーズを考えるパターン②では、強みと関連するフレーズをどんどん書き出して選択肢を増やしましょう。例文では、強みとなる提案力を自分の引き出しの多さや発案力として伝えたいことから「アイデアマン」と言い換えています。

提案力と一言で言っても、わかりやすく魅力的な言葉選びが上手な説明力や、突然の質問にも順序よく説明できる臨機応変さなど、自分が伝えたい内容により選ぶキャッチフレーズも異なります

例文のように発案力をアピールする場合は、常に新しい提案が求められる旅行業やサービス業、クリエイティブ職の仕事を選ぶと良いでしょう。

パターン②×真面目さ

真面目さ

私は「ナチュラルな努力家」です。目的達成のための時間も楽しみややりがいに変えて過ごすことができます。

真面目さの強みは使われやすいフレーズであるため、キャッチフレーズでほかの学生と差別化ができると採用担当の印象に残りやすくなります。

例文では、「ナチュラル」という言葉を取り入れて、もともとの性格が真面目で努力できる人間であることを伝えています。真面目の言い換えでは「働きアリ」「石の上にも三年」などの言葉も連想されるので、どんな部分をアピールしたいのかで選ぶ言葉を変えてみましょう

真面目さの強みはどんな仕事にもアピールしやすいですが、丁寧で正確な仕事が求められる経理職や、法律を相手にする税理士、公務員などがマッチしているといえるでしょう。

パターン②×継続力

継続力

私は小さな頃から友人に「雪だるま職人」と言われていました。目先よりも長期的な成果を視野に入れた行動ができます。

継続力では、何かを長時間続けて成果が出せる力があることを伝えられると好印象です

「雪だるま職人」というのは、雪国出身である学生が小さな雪玉をめげずに転がしていくことで、大きな雪だるまを作っていた実体験をもとにしたキャッチフレーズで、コツコツ続けることで成果を得られる強さを伝えています。

キャッチフレーズは、わかりづらい言葉選びは禁物であるため、例文のようにインパクトを狙ったフレーズを使う場合は、本論の内容にも注力します。「なぜ雪だるまなのか」と、相手を納得させる内容を書くことを意識しましょう。

小さな業務をコツコツと積み上げる事務職や、細かい作業を求められるエンジニア職などのアピールにぜひ活用してみてくださいね。

パターン③×臨機応変な対応力

臨機応変な対応力

私は周囲から状況整理ができないときのお助け役と認識されています。ゼミの討論会では第二の教授として進行役を任されていました。

「私は周囲から〇〇な存在と認識されています」というパターンでは、周囲から見た自分の印象を〇〇に入れ込みます。〇〇部分は、対応力などの明確なスキルだけでなく、キャッチフレーズも当てはめることができます。

例文では、「臨機応変な対応ができる人=状況整理がうまい」と連想して、〇〇の部分に入れ込みました。困ったときに頼られる人望や、状況整理能力があることをアピールできる書き出しになっています

忙しい時間に適切な判断で効率良く動く飲食スタッフや、相手の発言次第で瞬時に回答を求められるコンサルタントやカウンセラーなどの仕事に適した自己PR内容です。

パターン③×明るさ

明るさ

私は周囲から太陽のような存在と認識されています。うまくいかない状況下でもポジティブな思考を持つことで乗り越えてきました。

明るさという自己PRは抽象的になりやすいので、言い換えでどんな特徴があるのかを伝えることが必要です。例文では「明るい=太陽」と言い換えをしています。

たとえば「話しやすい」「イキイキしている」「見たら元気になる」など、自分の明るさが周囲に与える影響から〇〇に当てはまる内容を考えるとイメージしやすいです。

どんな職場でも明るい人物は歓迎されますが、トレーナーや教師など自分自身の強みが相手の行動に影響するような仕事であると特にアピールしやすいでしょう。

パターン③×粘り強さ

粘り強さ

私は周囲から、納得するまで離れない人と言われています。自分だけでなく相手に理解してもらえるまで話し合う根気は、1つの製品を作り上げるために必ず役立つスキルだと考えております。

粘り強いという自己PRは、あきらめないことで相手からどんな評価を得たのかに注目して内容を考えると良いでしょう

ただ「粘り強い」という言葉を使うと周囲と同じ内容になってしまうので、「納得」と似た意味のフレーズを使うことで印象を変えています。ほかにも「最後まであきらめない人」「文学部なのにスポーツマン」などの言い換えが可能です。

挑戦を繰り返し成果を見出す研究職や、新しい技法を生み出す技術職など、粘り強い人が適性の高い仕事への自己PRに使ってみてくださいね。

パターン④×課題解決力

課題解決力

私はクライアントのニーズをかなえる的確な課題解決力を持っています。これまでの経験で、相手自身が言語化しづらいことを洞察し、目に見える資料として伝えられるスキルを身に付けました。

「私には〇〇をかなえる〇〇な強みを持っています」のパターンでは、自分の強みを活かしてどんな貢献ができるかがポイントです

例文では、課題解決力を使ってクライアントのニーズを正確に満たすことをアピールしており、提案営業やクリエイティブ職にマッチする書き出し内容です。

ほかにも「貴社の製品の認知をより広げる」や「ブランディングの新たな施策を生み出す」など、応募職種の具体的な仕事内容を組み込むと、より強く企業への適性を伝えることができるでしょう。

パターン④×負けず嫌い

負けず嫌い

私はどんな状況でも成長し続ける、負けず嫌いな性格を持っています。営業成績が上がらない困難なときでも、上を向いて結果を出す行動で業務を遂行します。

負けず嫌いな性格で貢献できることは、人によってはイメージが難しいでしょう。想像に困ったときは、これまで負けず嫌いな強みを活かして何を達成してきたかに注目してみるのがおすすめです

例文では、つらいときや困難な状況でも結果を出してきた学生の強い精神をアピールできる書き出しになっており、採用担当に将来性や継続力を印象付けることができます。

負けという言葉が入っていることから競い合う営業職のような仕事のアピールに使われがちですが、自分との戦いに置き換えることで、時間勝負の事務職や社内改善をおこなう総務の応募でも使える書き出しです。

パターン④×責任感の強さ

責任感の強さ

私はお客様の期待以上を叶える仕事ができる責任感を持っています。これまでの目標設定でも、常に先回りした行動で結果を出してきました。

責任感の強さは、物事をやり切ることでどんな成果を出せるかに注目して考えることがポイントです。

例文は販売職の書き出しとして、お客様の希望を叶えられるように仕事を遂行する力に加え、プラスアルファできる提案力も伝えています。責任感だけ伝えるとやりきれる力のみのアピールになってしまうため、どのように貢献できるかについても伝えることで、より具体的な採用イメージをアピールできるでしょう

担当制で仕事を任される住宅販売の仕事や、相談者のキャリアにかかわる人材紹介業など、相手の悩みや希望を自分のことのように考える仕事にマッチしたアピール内容です。

経験者にしか聞けない話|面接で印象に残った自己PRの書き出しはなに?

自己PRの書き出しを実際に考えてみると、より印象の良いものにできないか悩み、「もっといろいろな人の内容を見てみたい」と考えてしまうこともあります。

そこで、就活生パネリストに「実際に選考の場面で印象に残ったライバルの書き出し内容」について聞いてみました。リアルな体験談を参考に自分の自己PRに反映できることがないかを考えてみましょう。

キャリアステージ編集部

過去の面接で他の応募者の自己PRを聞いて魅力的だなと思った書き出しについて教えてください!

D・M 成城大学

ストーリー性があると非常に聞きやすいと感じていました。簡潔でわかりやすいが大前提なのですが、その中で大事なのは面接官に「良いな」と思ってもらうこと、面接官の心動かすことです。そこで必要なのがストーリーとして述べることだと考えています。言葉の羅列は感情のない文字や音声に過ぎないですが、文章に感情が入り込んだストーリーになっていると心が動きます。聞いていてこちらも気持ち良くなる話だともっと聞きたいと思ってしまいます。また良いなと思ったこととして、ロボットっぽいしゃべり方ではなく、ちゃんとした会話調で感情が入った声やトーンで話すと心に響くなと感じました。

S・K 4年制大学

具体的な数字で説明ができる実績があるとわかりやすいと感じました。たとえば営業職だと売上に関する成績などがそれにあたると思うのですが、売上に関するルールや基準は会社によって違うので、そのあたりも簡潔に説明したうえでアピールにつなげる流れだと、仕事ぶりがイメージしやすく魅力的だと感じました。転職者も面接官も違う会社に属しているので、それを前提に順序立てて説明ができるような、相手の目線を意識した話の進め方をする人は、話の内容がわかりやすいと感じました。

自己PRは面接での頻出質問のひとつです。自己PR以外の頻出質問についても対策したい人はこちらの記事を参考に対策を進めてみてくださいね。
面接で聞かれた質問&回答大公開|実際にあった難易度高めな質問とは

先輩に聞いてみた! 自己PRの書き出しがうまく書けなかったときの対処法

自己PRの書き出しがうまく書けなかったときの対処法の画像

自己PRの書き出しの書き方やコツを意識して考えてみても、どうしてもうまく書けないこともあります。書き出しの迷路に入ってしまったときのために、状況打破できる対処法を紹介します。

実際にうまく書けない状況を乗り越えた経験者のエピソードを参考にし、同じ経験をしても慌てず対処できるイメージトレーニングをしておきましょう。

パネリストはどうした? うまく書けないときの対処法

R・N
R・N
4年制大学/理系学部
エージェントからアドバイスをもらって解決!

自己PRがうまく書けないと悩んだとき、私は無料の就活エージェントの利用や、キャリアセンターの利用で解決しました。書き出しでどのような表現にすればいいかはエピソードを共有した上で一緒に考えてもらい、アドバイスをしてもらいながら作成したことがあります。

最終的には自分で決めましたが、考え方について参考になった点があります。それは「端的な表現で疑問を生ませる」というものです。短い表現であれば聞き逃しがなくなり、また疑問点を残すことで、その先が気になった状態で自分のエピソードを聞いてもらうことができるなど、メリットがたくさんあります。

デメリットとしては疑問点を必ず解決できるような説明を組み込む必要があることです。もしこの方法を試す場合は、その点に注意して書きましょう。

Y・A
Y・A
4年制大学/文理融合学部
アウトプットとツールを使いこなして進めた

自己PRの言語化や内容に困った時には、まず自分の中でアピールできる性格や価値観、経験をすべて洗い出しました。

これはきれいに言語化するのではなく、たとえば「1人でご飯食べに行ける→行動力がある」というようなレベルのものをたくさん出しました。その中から、共通している項目をまとめて5つくらいに絞ります。

そのうえで、chatGPTにその経験や単語を入れ、「これらをまとめて自己PRとして言語化してください」といった内容をお願いして言語化の手助けになるように進めていました。

S・K
S・K
4年制大学/文系学部
思い浮かんだ内容を試行錯誤して組み立てていった

内容がまとまらなかったり、何をアピールすべきか悩んだ時は、キーワードをスマホやノートに書き出して整理していました。

頭に浮かんでいるキーワードを一旦並べる、気に入っている文章をとりあえず書き出す、といったことをするだけでも、視覚的に整理ができるので、「AとBを組み合わせられそう!」「この文章は書き出しより締め部分がいいかも」など作成が捗った印象です。

また、職務経歴書だと比較的自由に構成が決められるので、私の場合は1つの文章に無理にまとめず、大きなタイトルとして「自己PR」全体を3つの小タイトルに分けてアピール材料を設け、詳しく書くようにしていました。

D・M
D・M
成城大学/経済学部
いきなり完成を目指さずに要素から集めよう

最初はまとめようとしないで、言いたいことをいったん全部書き出してみると良いです。自由帳みたいなノートだと書き出したことを結び付けたり、形を気にせずかけるのでとてもおすすめです。

実際に書き出していく内容は、応募する企業に合わせて書き出すと効果的です。企業理念や求める人物像などに合わせて一致させながら思い当たるエピソードやスキルを決めていき、決まったら伝えたいキーワードを挿入して文章を作っていくといった工程でやっていました。

第三者の意見を聞く

自己PRの書き出しに何度チャレンジしてもしっくりこないときは、同じ情報を見すぎて正しい判断がしづらくなっていることもあります。

何度も書き直しすぎて、どれが正しいのかわからなくなってしまった場合は、第三者の意見から客観的な情報を取り入れましょう

キャリアセンターやキャリアアドバイザーなどの専門的な人を頼るのが最適ですが、経験者である先輩や、すでに面接を経験している同級生でも良いでしょう。忖度なく意見をくれる人を選ぶことが大切です。

文章ではなく単語から考えてみる

自己PRの書き出しという「文章」を作るのではなく、アピールしたい強みのフレーズから段階的に内容を考えてみましょう

誰とでも仲良くなれることをアピールしたい場合
①自己PRしたいことは何? 誰とでも仲良くなれる性格
②どんな「性格」? 明るい、初対面でも話しかける、
人見知りしない
③「初対面でも話しかける」を使って
紹介したパターンから考える
・パターン④を使用
・初対面で話しかける:社交性・協調性・コミュニケーション能力
・貢献できること:顧客獲得
④文章として作成する 私は顧客数No.1を叶える社交性を持っています

まずは「誰とでも仲良くなれる自分の性格」のどこに注目してアピールしたいかを考えます。

誰とでも仲良くなれる自分の「性格」に注目することを決めれば、どんなものであるか深掘りした内容を考え、あとはよくあるパターンに当てはめて書き出しを考えてみましょう。

慣れるとパターンを使わなくとも考えられるようになりますが、初めての場合やうまくいかないときは、よくある型から基本を学ぶことが大切です。

自分のアピール内容に近い例文を参考にする

うまく文章が考えられないときは、自分の中の選択肢が狭まっている可能性があります。そのような悩みには、自分の自己PR内容に近い例文を見て、言葉のバリエーションを増やす手段が有効です。

例文は、インターネットでの検索や、同級生や経験者などの書き出しを見せてもらうなど、多方面からの情報を精査することで、自分に近い内容を見つけられます。

採用担当はこれまで多数の書き出しを見ているので、本人の意思がない文章は見抜かれてしまいます。例文は参考程度にしておき、自分の言葉で魅力的な書き出しを作ることが選考突破への第一歩ですよ

自己PRと同様に志望動機の書き出しにも悩んでいる人がいるのではないでしょうか。自己PRの書き出し方をマスターしたら、志望動機の書き出しにも力を入れてみましょう。こちらの記事で詳しく解説しています。
例文12選|志望動機の書き出しはエピソードの切り口がポイント!

自己PRの書き出しは自分を魅力化できるチャンス! 迷ったら周りを頼って考えよう

自己PRの書き出しはただの導入文ではなく、相手の印象付けに影響する大切な一文です。書き方に迷ったら、よくあるパターンを参考にどのようなイメージを与えたいか意識しながら作ることがおすすめです。

選考通過を目指すためにも、基本を押さえて魅力的なフレーズを使った書き出しを意識しましょう。困ったときは経験者のアドバイスも借りながら、憧れの企業への内定を掴んでくださいね。

自己PRの書き出しでは「内容のわかりやすさ」を意識しよう

エントリーシートを書く際に意識すべきポイントとして、「内容のわかりやすさ」「文章の読みやすさ」「エピソードの納得性の高さ」の3つがあります。これらは、採用担当者が短時間で多くのエントリーシートを評価する際に特に重要な要素です。

書き出しにおいては「内容のわかりやすさ」が重要です。「内容のわかりやすさ」とは、「伝えたいメッセージが明確で、誰が読んでも同じ解釈ができること」を指します。そのため、結論を最初に述べる書き出しが効果的です。素直に「私の強みは〇〇です」と始めるのが最もわかりやすいでしょう。これにより、読み手が自己PRを通して何を伝えたいのかを理解しやすくなります。

具体的なエピソードを提示して読みやすい文章を心掛けよう
ほかの項目についても解説すると、「文章の読みやすさ」とは、「文章の構成や論理の流れがスムーズで、視覚的にも負担が少ないこと」を指します。文を短くし、段落を適切に分けることで、読み手の頭に入ってきやすい流れを作ることができますよ。

納得性を上げるには、「結論に至るまでの根拠や背景を具体的なエピソードで説明すること」が重要です。そのため、具体的な内容を提示できるエピソードを伝えられると良いでしょう。具体的な経験や成果を示すことで、信憑性が高まり、読み手が納得しやすくなります。

納得感の高いエピソードを伝えるのに困っている人は、過去の経験を細かくさかのぼってみましょう。個人情報登録不要の「学業の長所分析ツール」は参考になるので、ぜひ利用してみてくださいね。

編集責任者 伊東 美奈

キャリアステージを運営するHR team(旧リアステージ)に新卒入社。キャリアアドバイザーとして1,500名以上の就活生を支援する傍ら、長期インターンサービスの立ち上げや人材開発業務を担当。マーケティング事業に異動後、理系学生の就活支援メディア「Digmedia」の編集長・エントリーシート共有プラットフォーム「イールック」の運営責任者を務める プロフィールをみる